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JP2001107022A - 薬剤蒸散組成物及び薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品並びに靴の中敷 - Google Patents

薬剤蒸散組成物及び薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品並びに靴の中敷

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Publication number
JP2001107022A
JP2001107022A JP28171599A JP28171599A JP2001107022A JP 2001107022 A JP2001107022 A JP 2001107022A JP 28171599 A JP28171599 A JP 28171599A JP 28171599 A JP28171599 A JP 28171599A JP 2001107022 A JP2001107022 A JP 2001107022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
composition
evaporating
evaporation
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28171599A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzuru Yoshikata
遜 吉形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Kasei Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Kasei Co Ltd filed Critical Nitto Kasei Co Ltd
Priority to JP28171599A priority Critical patent/JP2001107022A/ja
Publication of JP2001107022A publication Critical patent/JP2001107022A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Adornments (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】薬剤の効果を長期間に渡って維持させながら使
用でき、しかも、携帯用として使用しても衣服等に付着
するおそれのない薬剤蒸発組成物及び薬剤蒸発組成物を
備えた身体用装飾品並びに靴の中敷を提供することを目
的とする。 【解決手段】薬剤蒸発組成物は、分子量200以上のア
ルキレングリコールと、エマルションと、ワセリンと、
酸化プロピレンと酸化エチレンの共重合体と、低分子量
のグリース状ポリオレフィンと、澱粉類とから構成され
る群から選択された少なくとも一種を主成分とし、これ
に、薬剤と、揮発性剤と、薬剤蒸散組成物中に毛細管現
象によって薬剤を吸液し得る程度の間隙を形成する薬剤
蒸散用助剤が包含されたものである。身体用装飾品は、
装飾品本体部に薬剤蒸散組成物を収納したものである。
靴の中敷は、中敷本体91の土踏まず部92に穿設した
穿設孔95に、薬剤として消臭剤を包含させた薬剤蒸散
組成物1を収納したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、薬剤を蒸散させ
て芳香用、殺虫用、殺菌用、防黴用、虫等の忌避用、防
虫用、消臭用、防菌用等に使用される薬剤蒸散組成物及
び薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品並びに靴の中敷
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薬剤を蒸散させて芳香用、殺虫用、殺菌
用、防黴用、虫等の忌避用、防虫用、消臭用、防菌用等
に使用される薬剤蒸散組成物は、従来から知られてい
る。この従来の薬剤蒸散組成物として、例えば薬剤蒸散
組成物を薬剤を包含させてゲル化状やゼリー状、或いは
液状にしたものが知られている。このものは、ゲル化状
やゼリー状、或いは液状にした薬剤蒸散組成物を、缶や
プラスチック容器に収納し、或いは、保湿紙やフェル
ト、綿花、吸収性樹脂等に含浸させるようにして、各所
に静置等させておくか、或いは電気で加熱することによ
り、薬剤を包含した薬剤蒸散組成物を蒸散させるように
して使用するものである。しかしながら、例えば薬剤と
して虫等を忌避する忌避剤を包含させた薬剤蒸散組成物
を、腰等に吊下げて携帯用として使用できれば便利であ
るが、上記のゲル化状や液状のものから構成した薬剤蒸
散組成物を、例えばフェルト等に含浸させて容器に収納
して携帯用として用いた場合には、忌避効果を有効に発
揮させるために、フェルト等に薬剤蒸散組成物をたっぷ
りと十分に含浸させておかなければならず、その結果、
容器の底に薬剤蒸散組成物が溜まってべたついてしまう
とともに、容器の表面にも薬剤蒸散組成物が付き、薬剤
蒸散組成物が衣服等に付着し、しみを作るおそれがあ
る。又、この場合に、フェルト等に薬剤蒸散組成物を少
量だけ含ませておくようにすることも考えられるが、そ
の場合は、すぐに薬剤蒸散組成物が蒸散してしまって忌
避効果がなくなってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上の実
情に鑑み提案されたもので、薬剤の効果を長期間に渡っ
て維持させながら使用できるものであって、薬剤を効率
的に蒸散でき、しかも、携帯用として使用しても衣服等
に付着してしみを作るおそれのない薬剤蒸散組成物及び
薬剤蒸散組成物を有する身体用装飾品並びに靴の中敷の
提供を第1の目的とする。
【0004】本願発明は、虫等を忌避する忌避剤を包含
させて忌避効果を長期間に渡って維持させながら使用で
きるものであって、薬剤を効率的に蒸散でき、しかも、
携帯用として使用しても衣服等に付着してしみを作るお
それのない虫等の忌避用の薬剤蒸散組成物及び薬剤蒸散
組成物を有する身体用装飾品並びに靴の中敷を提供する
ことを第2の目的とする。
【0005】本願発明は、人体から発散する種々の臭気
を消臭する消臭効果を長期間に渡って維持させながら使
用できるものであって、消臭剤を効率的に蒸散でき、し
かも、携帯用として使用しても衣服等に付着してしみを
作るおそれのない消臭用の薬剤蒸散組成物及び薬剤蒸散
組成物を有する身体用装飾品並びに靴の中敷を提供する
ことを第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、以下の特徴
を有する薬剤蒸散組成物を提供することにより上記課題
を解決する。本願第1の発明の薬剤蒸散組成物は、分子
量200以上のアルキレングリコールと、アクリル変性
やEVA等のエマルションと、ワセリンと、酸化プロピ
レンと酸化エチレンの共重合体と、低分子量のグリース
状ポリオレフィンと、澱粉類とから構成される群から選
択された少なくとも一種を主成分とし、これに、薬剤が
包含され、全体が、変形可能な固形状のものである。
【0007】本願第2の発明の薬剤蒸散組成物は、分子
量200以上のアルキレングリコールと、アクリル変性
やEVA等のエマルションと、ワセリンと、酸化プロピ
レンと酸化エチレンの共重合体と、低分子量のグリース
状ポリオレフィンと、澱粉類とから構成される群から選
択された少なくとも一種を主成分とし、これに、薬剤
と、揮発性を有する揮発性剤とが包含され、全体が変形
可能な固形状のものである。
【0008】本願第3の発明の薬剤蒸散組成物は、本願
第1又は第2の発明に係る薬剤が、虫等を忌避する忌避
剤を包含するものである。
【0009】本願第4の発明の薬剤蒸散組成物は、本願
第1又は第2の発明に係る薬剤が、消臭剤を包含するも
のである。
【0010】本願第5の発明の薬剤蒸散組成物は、本願
第1〜第3のいずれかの発明に係る薬剤蒸散組成物が、
薬剤蒸散組成物中の薬剤の蒸散を助ける薬剤蒸散用助剤
を包含し、この薬剤蒸散用助剤が、薬剤蒸散組成物中
に、毛細管現象によって薬剤を吸液可能な間隙を形成す
るものである。
【0011】又、本願発明は、以下の特徴を有する薬剤
蒸散組成物を備えた身体用装飾品を提供することにより
上記課題を解決する。本願第6の発明の薬剤蒸散組成物
を備えた身体用装飾品は、薬剤蒸散組成物1と、身体に
取り付け可能な装飾品本体51、61、71とを備え
る。薬剤蒸散組成物1は、分子量200以上のアルキレ
ングリコールと、アクリル変性やEVA等のエマルショ
ンと、ワセリンと、酸化プロピレンと酸化エチレンの共
重合体と、低分子量のグリース状ポリオレフィンと、澱
粉類とから構成される群から選択された少なくとも一種
を主成分とし、これに、薬剤が包含され、全体が、変形
可能な固形状のものから構成される。装飾品本体51、
61、71は、収納部51c、61c、71cを備え
る。そして、この収納部51c、61c、71cに、薬
剤蒸散組成物1が収納されたものである。
【0012】更に、本願発明は、以下の特徴を有する薬
剤蒸散組成物を備えた靴の中敷を提供することにより上
記課題を解決する。薬剤蒸散組成物1と、靴の中敷本体
91とを備える。薬剤蒸散組成物1は、分子量200以
上のアルキレングリコールと、アクリル変性やEVA等
のエマルションと、ワセリンと、酸化プロピレンと酸化
エチレンの共重合体と、低分子量のグリース状ポリオレ
フィンと、澱粉類とから構成される群から選択された少
なくとも一種を主成分とし、これに、消臭剤が包含さ
れ、全体が、変形可能な固形状のものから構成される。
そして、この薬剤蒸散組成物1が、中敷本体91に付設
されたものである。
【0013】本願発明の薬剤蒸散組成物は、分子量20
0以上のアルキレングリコールと、アクリル変性やEV
A等のエマルションと、ワセリンと、酸化プロピレンと
酸化エチレンの共重合体又はその誘導体と、低分子量の
グリース状ポリオレフィンと、澱粉類とから構成される
群から選択された一種又は二種以上のものを主成分に構
成されるものである。
【0014】分子量200以上のアルキレングリコール
としては、ポリエチレンオキシド、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエー
テル及びこれらの各誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルイソブチルエーテル等を例示できる。
【0015】エマルションとしては、アクリル、アクリ
ル変性やEVAの他、ビニール、ポリエチレン等を例示
できる。
【0016】低分子量のグリース状ポリオレフィンとし
ては、分子量1000〜5000のゼリー状ポリエチレ
ンやポリプロピレン、ポリブデン等を例示できる。
【0017】澱粉類としては、澱粉、片栗粉、小麦粉、
コーンスターチ、レシチン等の糊材を挙げることができ
る。
【0018】上記のようなものとして、例えば建築構造
物等に充填用に使用されている一般的なパテを構成する
パテ材を挙げることができ、パテ材を本願発明の薬剤蒸
散組成物の主成分として用いることができる。
【0019】薬剤は、薬剤蒸散組成物に薬効を持たせる
もので、薬剤としては、芳香剤、殺虫剤、殺菌剤、防黴
剤、忌避剤、防虫剤、消臭剤、防菌剤等を例示でき、こ
れらの内の一種又は二種以上のものを包含させて使用で
きる。又、消臭剤を用いて消臭用の薬剤蒸散組成物に形
成する場合における消臭剤は、無臭のものでも、芳香を
放つ芳香性消臭剤でも良く、例えば活性酸化チタン、活
性炭、4−イソプロピルトロポロン(C10122)、更
には、檜、ザクロ、栗、柿、除虫菊、ユーカリ、レモン
グラス等の植物性のものから抽出されたものや、さるの
こしかけ等の菌類から抽出されたもの等を例示できる。
薬剤の配合量としては、全体に対して1〜15重量%が
好ましく、1重量%以下では、薬効としての効果が薄く
なってしまう。一方、15重量%を越えると、室外の場
合は問題ないが、閉ざされた空間では香気が強すぎて不
快に感じ気分が悪くなる場合がある。
【0020】揮発性剤は、後述の薬剤蒸散用助剤と共
に、薬剤蒸散組成物に包含した薬剤の蒸散を助ける役目
をするもので、揮発性を有するものから構成され、揮発
性剤が薬剤蒸散組成物から揮発するに際して薬剤を共に
蒸散させる。従って、この揮発性剤の包含量を多くして
おくと薬剤の蒸散量を多くでき、揮発性剤の包含量を少
なくしておくと薬剤の蒸散量を少なくできる。よって、
この揮発性剤の包含量を調整することにより、薬剤の一
定時間当たりの蒸散量を調整できる。この揮発性剤は、
臭いのあるものでも使用できるが、臭いのあるものを使
用すると薬剤蒸散組成物の使用に際して揮発性剤が揮発
して揮発性剤の臭いがするので、無臭又は殆ど臭いのし
ないもので、毒性のない安全なものを用いるのが好まし
い。殆ど臭いのしない揮発性剤として、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール系のもの、イソパラフィン或いはナフテン系炭
化水素等を主成分とする脂肪族及び脂環族の溶剤、更に
は、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多
価アルコール、エーテルを主成分とし且つ環肪エーテル
化合物であるオキシド、オキソラン系のもの、芳香族炭
化水素としてフェニルキシリルエタン等を例示できる。
【0021】揮発性剤の配合量としては、全体に対して
5〜25重量%が好ましく、5重量%以下では、薬剤を
薬剤蒸散組成物から効率的に蒸散させ難くなってしま
う。一方、25重量%を越えると薬剤の残存時間を短く
し、薬剤蒸散組成物の粘性が失われ、蒸散後、パラパラ
の状態になって粉化に近い状態になってしまうおそれが
あるからである。又、薬剤に対する揮発性剤の配合割合
は、薬剤に対して揮発性剤を0.5〜3倍程度にしてお
くのが好ましい。
【0022】薬剤蒸散用助剤は、薬剤蒸散組成物中に間
隙を形成して薬剤を蒸散し易くするためのもので、薬剤
蒸散組成物中に、毛細管現象によって薬剤を吸液可能な
間隙を形成するものから構成される。具体的には、無機
質繊維、有機質繊維、人工繊維等の繊維質材、複数の小
孔を有する多孔質材、孔を有する中空チョップ等を使用
でき、より詳しくは、バームキュライト、膨張黒鉛、炭
酸カルシウム、タルク、クレー、硅藻土、粘土、シラス
バルーン、セピオライト、ゼオライト、パーライト等の
無機質フィラー、或いは織布、不織布、綿、紙の細片、
木粉、EVA粉、ゴム粉、樹皮粉、竹材粉、パルプ、球
状ポリマー・リン酸カルシウム、ポリプロピレンチョッ
プやポリエチレンチョップ等の有機フィラーを挙げるこ
とができる。繊維質材は、薬剤蒸散組成物に包含させる
ことにより、薬剤蒸散組成物中に間隙を形成することが
できる。又、図1に示すように、球状ポリマー・リン酸
カルシウム11は、内部に複数の小孔11a…11aを
有する多孔質なもので、この球状ポリマー・リン酸カル
シウム11が薬剤蒸散組成物に包含されることにより、
球状ポリマー・リン酸カルシウム11の複数の小孔11
a…11aによって薬剤蒸散組成物中に間隙を形成する
ことができる。同様に、上記例示のバームキュライト、
膨張黒鉛、硅藻土、セピオライト、ゼオライト、パーラ
イトも多孔質なもので、薬剤蒸散組成物に包含されるこ
とにより、複数の小孔によって薬剤蒸散組成物中に間隙
を形成することができる。また、図2に示すように、ポ
リプロピレンチョップ12は、内部に孔12aを有する
中空のもので、ポリプロピレンチョップ12が薬剤蒸散
組成物に包含されることにより、ポリプロピレンチョッ
プ12の孔12aによって薬剤蒸散組成物中に間隙を形
成することができる。同様に、上記ポリエチレンチョッ
プも内部に孔を有する中空のもので、薬剤蒸散組成物に
包含されることにより、孔によって薬剤蒸散組成物中に
間隙を形成することができる。
【0023】この薬剤蒸散用助剤を配合させる場合の配
合量としては、全体に対して1、5〜35重量%が好ま
しく、1、5重量%以下では、薬剤蒸散組成物中の間隙
が少なくなってしまい、薬剤を効率良く蒸散し難くなっ
てしまう。一方、35重量%を越えると、変形可能な固
形状に成形できないだけでなく、薬剤蒸散組成物中の薬
剤が蒸散した後にパラパラになって粉化状態になってし
まう。
【0024】又、上記主成分となる分子量200以上の
アルキレングリコールと、アクリル変性やEVA等のエ
マルションと、ワセリンと、酸化プロピレンと酸化エチ
レンの共重合体又はその誘導体と、低分子量のグリース
状ポリオレフィンと、澱粉類とから構成される群から選
択された少なくとも一種は、相溶性粘着剤、展着剤、分
散剤、無機質フィラー又は有機フィラー等を包含するこ
とができる。
【0025】以上のように構成される薬剤蒸散組成物
は、次のようにして製造することができる。まず、薬剤
蒸散組成物の主成分となる上述のアルキレングリコール
等を、液状体のものはそのままの状態で、又、固形状の
ものは熱又は揮発性剤或いは揮発性剤と水とで高い粘張
液物にし、これに蒸散抑制剤、展着剤、分散剤等を加
え、更に、薬剤蒸散用助剤を加えた後、混練する。その
後、これに、揮発性剤に相溶させた薬剤を投入し、再度
混練する。これにより、全体が手で変形可能な固形状の
薬剤蒸散組成物を得ることができる。尚、揮発性剤と薬
剤とは、各々別途に投入しても良い。
【0026】このようにして得られた薬剤蒸散組成物
は、パルプ等の繊維質材、球状ポリマー・リン酸カルシ
ウム等の多孔質材、ポリプロピレンチョップやポリエチ
レンチョップ等の中空チョップ等の薬剤蒸散用助剤によ
って、薬剤蒸散組成物中に、複数の間隙を形成できる。
例えば薬剤蒸散用助剤を包含させないで薬剤蒸散組成物
を構成する場合には、薬剤蒸散組成物内が間隙のない密
なものになるために、薬剤蒸散組成物中に包含させた薬
剤が蒸散し難くなってしまうが、このような薬剤蒸散用
助剤を包含させて間隙を形成しておくことにより、薬剤
蒸散組成物中における内部側の薬剤を蒸散し易くでき
る。しかも、薬剤蒸散組成物に含有した揮発性剤が揮発
する際に、薬剤を一緒に蒸散させることができ、内部側
の薬剤をも効率的に蒸散させることができる。又、揮発
性剤及び薬剤を、薬剤蒸散組成物を混練する際に共に混
練しているため、揮発性剤及び薬剤を、薬剤蒸散組成物
中に分散させて略均一に配位させることができ、薬剤蒸
散組成物の全体から略均等に揮発性剤を揮発させて薬剤
を蒸散できる。一方、薬剤蒸散組成物を、固形状に形成
しているため、揮発性剤を徐々に揮発させることがで
き、従来の液状の薬剤蒸散組成物に比して薬剤をゆっく
りと蒸散させることができる。従って、薬剤蒸散組成物
の使用期間を液状のものに比して長いものにできる。
又、薬剤蒸散組成物の表面から揮発性剤や薬剤等が蒸散
し薬剤蒸散組成物の表面が硬くなって薬剤の蒸散量が少
なくなった場合には、薬剤蒸散組成物を手等で二つに分
割し、或いは薬剤蒸散組成物の表面の硬くなった部分を
除去すことにより、内部側の揮発性剤及び薬剤を表面側
に配位させることができ、新品と同様な状態にすること
ができ、これにより、再び薬剤の蒸散量を多くでき、持
続時間を伸ばすことができる。
【0027】このようにして得られた薬剤蒸散組成物の
使用方法は、そのままの状態で、各所に置いて、或いは
孔を有する携帯用容器に入れて使用することができる。
例えば薬剤として忌避剤を用いて虫等の忌避用のものに
した場合には、図3に示すような携帯用容器2に入れて
使用できる。詳しくは、この携帯用容器2は、プラスチ
ック製の容器本体3と、容器本体3から上方に一体的に
延設された紐状部4とを備えており、容器本体3は、内
部に薬剤蒸散組成物1を出し入れ可能に収納し得る収納
部31を備え、外周壁に、外部から収納部31に貫通さ
れたスリット状等の複数の孔32…32を備えている。
紐状部4は、上端に、衣服やズボンのベルト等に形成す
るための引っ掛ける引っ掛け部41を備えている。そし
て、この携帯用容器2の収納部31に収納し、紐状部4
の引っ掛け部41をズボンのベルト等に引っ掛けるよう
にして、或いは、例えば自動車の室内ミラーの止め具に
引っ掛ける等して種々のものに引っ掛けて使用する。こ
うすることにより、薬剤蒸散組成物に含有した忌避剤を
孔32…32から身体の周囲に蒸散させることができ、
身体から蚊等の虫を忌避させることができる。又、薬剤
蒸散組成物1を、変形可能な固形状に形成しているた
め、従来の液状の薬剤蒸散組成物の場合のように携帯用
容器2の孔32…32から薬剤蒸散組成物が滲み出すこ
ともなく、薬剤蒸散組成物1が衣服に付着してしみを作
るようなことを防止でき、携帯用として便利なものにで
きる。尚、容器2は、携帯用として使用する形態のもの
に限らず、例えば図3に示す携帯用容器2を各所に置い
て使用することも可能であり、その場合でも、携帯用容
器2の孔32…32から薬剤蒸散組成物1が滲み出すこ
とがなく、携帯用容器2の置いた部分を薬剤蒸散組成物
1で汚すことなく使用できる。
【0028】又、本願発明の薬剤蒸散組成物は、シート
状物に包装して使用することもできる。例えば薬剤とし
て消臭剤を用いて薬剤蒸散組成物1を消臭用のものと
し、その消臭用の薬剤蒸散組成物1を、図4(A)(B)に示
すように板状に形成して、これを、複数の孔82…82
を有するシート状物から構成した内袋体81の内部に収
納して開口端を閉じたものにし、更に、その内袋体81
の全周をシート状物からなる外袋体83で密封したもの
にしておく。そして、使用に際しては、外袋体83を破
る等して剥がし、内部に薬剤蒸散組成物1を収納した内
袋体81を衣服のポケット等に入れ、或いはカバン等に
入れておく。こうすることにより、内袋体81の内部の
薬剤蒸散組成物1が、孔82…82を介して人体から発
せられるノネナールや腋臭、汗臭さ等の体臭を消臭でき
る。又、消臭剤として芳香性消臭剤を使用する場合に
は、孔82…82を介して人体から発せられる体臭を消
臭できるととともに、芳香を放つことができる。この場
合においても、薬剤蒸散組成物1を変形可能な固形状に
形成しているため、内袋体81の孔82…82から薬剤
蒸散組成物が滲み出すこともなく、薬剤蒸散組成物1が
衣服等に付着するようなことを防止できる。
【0029】次に、薬剤蒸散組成物を用いて形成した本
願発明の薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品及び薬剤
蒸散組成物を備えた靴の中敷について説明する。薬剤蒸
散組成物を備えた身体用装飾品は、上記のようにして得
られた本願発明の薬剤蒸散組成物を、身体に取り付けて
使用する装飾品に付設したものである。例えば図5に示
すように、身体用装飾品を、ペンダント5から構成す
る。このペンダント5は、装飾部51a及び輪状の紐状
部51bを有する装飾品本体部51と、装飾品本体部5
1に収納される薬剤蒸散組成物1とを備えている。装飾
品本体部51の装飾部51a内には、収納部51cが設
けられており、この収納部51cに薬剤蒸散組成物1を
収納できるようにしている。こうすることにより、薬剤
蒸散組成物1を備えたペンダント5を首にかけて、体裁
良く使用でき、薬剤蒸散組成物1を携帯し易いものにで
きる。又、この場合においても、薬剤蒸散組成物1を固
形状に形成しているため、薬剤蒸散組成物が滲み出すこ
ともなく、薬剤蒸散組成物1が身体や衣服に付着するよ
うなことを防止できる。尚、薬剤蒸散組成物を備えた身
体用装飾品としてペンダント5から構成する形態のもの
に限らず、種々の身体用装飾品として実施でき、例えば
図6(A) に示すように、薬剤蒸散組成物を備えた身体用
装飾品を、腕輪6から構成し、腕輪6を、装飾部61a
…61aを有する装飾品本体部61と、装飾品本体部6
1に収納される薬剤蒸散組成物1とを備えたものとし、
装飾品本体部61の装飾部61a…61aの内の一つ又
は複数に、収納部61cを設け、この収納部61cに薬
剤蒸散組成物1を収納したものとする、更には、図6
(B) に示すように、薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾
品を、装飾用紐7から構成し、装飾用紐7を、装飾部7
1a及び紐部71bを有する装飾品本体部71と、装飾
品本体部71に収納される薬剤蒸散組成物1とを備えた
ものとし、装飾品本体部71の装飾部71a内に、収納
部71cを設け、この収納部71cに薬剤蒸散組成物1
を収納したものとする。又、このような身体用装飾品に
用いる薬剤蒸散組成物1の薬剤として、忌避剤やその他
のものを用いることができるが、芳香剤を使用するよう
にすれば、良い香りを放つ装飾品にできる。尚、この薬
剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品の使用に際し、使用
者が任意に好みの香水等を装飾品本体部又は薬剤蒸散組
成物に付けることができ、例えば女性が自らの好みの香
水を薬剤蒸散組成物に1〜2滴、滴下するようにして使
用することができ、適宜変更し得る。
【0030】薬剤蒸散組成物を備えた靴の中敷は、上記
のようにして得られた本願発明の薬剤蒸散組成物を、靴
の中敷に付設したものである。この靴の中敷9は、図7
(A)(B)(C) に示すように薬剤蒸散組成物1と、足裏の形
状に形成された板状の中敷本体91とを備えたものから
なる。薬剤蒸散組成物1は、薬剤として消臭剤を包含す
る。中敷本体91は、足の土踏まずに相応する土踏まず
部92の下面側に、開口部93を有する袋状の収納部9
4を備え、この収納部94に、薬剤蒸散組成物1を出し
入れ可能に収納できるようになされている。そして、こ
のように形成した薬剤蒸散組成物を備えた靴の中敷9
を、靴の中に入れて使用する。消臭剤を用いて形成した
消臭用の薬剤蒸散組成物1は、例えば図4(A)(B)に示し
た孔82…82を有する内袋体81に収納して靴の内部
の適宜位置に入れて使用することができるが、このよう
にして消臭用の薬剤蒸散組成物を備えた靴の中敷9とす
ることにより、中敷9を使用すれば、薬剤蒸散組成物1
に含まれた消臭剤によって靴の内部の悪臭を消臭するこ
とができる。又、使用に際しては、薬剤蒸散組成物1を
固形状に形成しているため、薬剤蒸散組成物が滲み出す
こともなく、薬剤蒸散組成物1が靴や足に付着するよう
なことを防止できる。また、薬剤蒸散組成物1を、中敷
本体91の土踏まず部92に設けているため、歩行して
も足に違和感を与えるようなことを防止できる。一方、
長期間の使用によって薬剤蒸散組成物1の消臭効果が少
なくなった場合は、開口部93から薬剤蒸散組成物1を
取り出して新たなものと交換できる。尚、収納部94
は、上記の形態のものに限らず、例えば図8(A)(B)に示
すように中敷本体91における土踏まず部92に、収納
部としての円形状の穿設孔95を穿設し、中敷本体91
の使用に際して、穿設孔95に薬剤蒸散組成物1を収納
するようにしても良い。又、その場合において、薬剤蒸
散組成物1を、穿設孔95の形状に沿う円形状に形成し
ておかなくても、三角形状や四角形状等の板状等に形成
し、図4(A)(B)に示すような孔82…82を有する袋体
81に収納した状態で穿設孔95に入れるようにすれば
良い。又、薬剤蒸散組成物1を、中敷本体91に付設す
る付設手段は、収納部94、95に収納する形態のもの
に限らず、接着テープ等で接着するようにして付設する
ようにしても良い。更に、収納部94を設けて収納する
場合、開口部93を設けずに薬剤蒸散組成物1を交換不
能にしても良い。また、薬剤蒸散組成物1を収納部94
に入れる際、薬剤蒸散組成物1を、予め足の土踏まずの
形状に沿う形状にして入れておいても良いが、板状や塊
状のまま入れておいても良く、この場合でも薬剤蒸散組
成物1が変形可能なため、中敷9を靴に入れて靴を履く
と薬剤蒸散組成物1が足の土踏まずの形状に沿って自然
と変形させることができる。更に、中敷本体91に対す
る薬剤蒸散組成物1の付設位置は、土踏まず部92に設
ける形態のものに限らず、中敷本体91の裏面における
一部又は全体に設けるようにしても良く、適宜変更でき
る。ただし、土踏まず部92に設けておく方が、足への
違和感を無くすことができる点で好ましい。
【0031】尚、揮発性剤や薬剤蒸散用助剤は、包含さ
せる形態のものに限らず、包含させないものであっても
良い。ただし、薬剤蒸散組成物が固形状を呈するため、
薬剤蒸散組成物に揮発性剤及び薬剤蒸散用助剤を包含さ
せない場合には、薬剤蒸散組成物中の薬剤を蒸散し難く
なってしまうので、揮発性剤又は薬剤蒸散用助剤を包含
させておくのが好ましく、より好ましくは揮発性剤及び
薬剤蒸散用助剤の両方を包含させておくのが有利であ
る。
【0032】
【実施例】以下、本願発明の薬剤蒸散組成物を、具体例
を挙げて説明する。 実施例1 小麦粉146kg(67.9重量%)を、エチレングリ
コール9、5kg(4.4重量%)の液体で練り、防腐
剤、防菌剤、及び防黴剤を合計2kg(0.9重量%)
を入れて混練し、その後、揮発性剤としてのエチルアル
コール50kg(23.2重量%)中に希釈した薬剤を
なす忌避剤としてのユーカリ油7.5kg(3.5重量
%)を入れて再度混練することにより、本願発明の虫等
の忌避用の薬剤蒸散組成物を得た。得られた忌避用の薬
剤蒸散組成物は、手で変形可能な固形状を呈し、粘着性
を有するものであった。
【0033】実施例2 小麦粉146kg(66.81重量%)を、エチレング
リコール9、5kg(4.35重量%)の液体で練り、
防腐剤、防菌剤、及び防黴剤を合計2kg(0.91重
量%)を入れるとともに、薬剤蒸散用助剤としてのポリ
プロピレンチョップ3.51kg(1.6重量%)を入
れて混練し、その後、揮発性剤としてのエチルアルコー
ル50kg(22.85重量%)中に希釈した薬剤をな
す忌避剤としてのユーカリ油7.5kg(3.43重量
%)を入れて再度混練することにより、本願発明の虫等
の忌避用の薬剤蒸散組成物を得た。得られた忌避用の薬
剤蒸散組成物は、手で変形可能な固形状を呈し、粘着性
を有するものであった。
【0034】実施例3 EVAエマルション(樹脂分43プラスマイナス2%)
90kg(31.20重量%)と低分子ポリエチレン5
6kg(19.42重量%)と、薬剤蒸散用助剤として
のパルプ84kg(29.13重量%)を入れて混練
し、その後、これに、揮発性剤としてのエチルアルコー
ル50kg(17.33重量%)中に希釈した薬剤をな
す忌避剤としてのユーカリ油8.4kg(2.91重量
%)を入れて再度混練することにより、本願発明の虫等
の忌避用の薬剤蒸散組成物を得た。得られた忌避用の薬
剤蒸散組成物は、上記実施例1や実施例2のものと同様
に手で変形可能な固形状を呈し、粘着性を有するもので
あった。
【0035】以上のようにして得られた虫忌避用の薬剤
蒸散組成物の本実施品について、以下の試験1、試験
2、試験3を行ったので、それについて説明する。ま
ず、試験1は、本実施品を携帯した場合と、本実施品を
携帯しない場合とについて、蚊に刺された箇所の、のべ
数を比較した。この試験1では、4人を屋外に10分
間、静止させて蚊に刺された箇所の、のべ数を調べるこ
とにより行った。また、本実施品として、薬剤蒸散用助
剤としての中空チョップ及び揮発性剤を包含した上記実
施例2の虫等の忌避用の薬剤蒸散組成物(以下、試料N
O2という)を用い、試料NO2を、図3に示す携帯用
容器2に入れ、その携帯用容器2を、4人に持たせた。
結果は、下記の表1に示すように本実施品の不携帯の場
合には、蚊に刺された箇所がのべ45箇であったが、本
実施品の試料NO2を携帯していた場合には、蚊に刺さ
れた箇所がのべ4箇に減っており、本実施品の虫忌避の
効果があったいえる。
【0036】
【表1】
【0037】試験2は、試験1と同様に、本実施品を携
帯した場合と、本実施品を携帯しない場合とについて、
4人を屋外に10分間、静止させ、蚊に刺されたのべ数
を比較した。この試験2では、本実施品として、薬剤蒸
散用助剤としてのパルプ及び揮発性剤を包含した上記実
施例3の虫等の忌避用の薬剤蒸散組成物(以下、試料N
O3という)を用い、試料NO3を、図3に示す携帯用
容器2に入れ、その携帯用容器2を、4人に持たせた。
結果は、下記の表2に示すように本実施品の不携帯の場
合には、蚊に刺された箇所がのべ40箇所であったが、
本実施品の試料NO3を携帯していた場合には、蚊に刺
された箇所がのべ5箇所に減っており、本実施品の虫忌
避の効果があったいえる。
【0038】
【表2】
【0039】試験3は、薬剤蒸散用助剤を包含しない上
記実施例1の虫等の忌避用の薬剤蒸散組成物(以下、試
料NO1という)と、薬剤蒸散用助剤及び揮発性剤を包
含した上記実施例2の虫等の忌避用の薬剤蒸散組成物
(試料NO2)との比較試験を行った。この試験3は、
上記のようにして製作した試料NO1、試料NO2を、
3日経過後、各々を図3に示す携帯用容器2に入れ、そ
の携帯用容器2を、4人ずつに持たせて10分間、静止
させ、蚊に刺されたのべ数を調べることにより行った。
結果は、下記の表3に示すように試料NO1を携帯して
いた場合には、蚊に刺された箇所がのべ8箇であった
が、試料NO2を携帯していた場合には、蚊に刺された
箇所がのべ5箇であった。これは、試料NO2では、製
作後、3日経過しても、薬剤蒸散組成物における表面の
薬剤が蒸散しても内部の薬剤が薬剤蒸散用助剤によって
効率的に蒸散しているが、試料NO1では、製作後、3
日経過により、薬剤蒸散組成物の表面の薬剤が蒸散して
しまうと、内部の薬剤が試料NO2に比して蒸散し難く
なったためと考えられる。ただし、試料NO1を携帯し
た場合でも、上述の試験1や試験2における不携帯の場
合と比較すると効果があるといえる。
【0040】
【表3】
【0041】実施例4 ポリオキシエチレンポリプロピレングリコール30kg
(10.49重量%)とポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンステアリルエーテル40kg(13.99重
量%)とを温めながらプロピレングリコール30kg
(10.49重量%)を投入して混練し、そこへ蒸留水
100kg(34.97重量%)を入れて更に混ぜ合わ
せてゲル化させ、その後、4−イソプロピルトロポロン
(C1012 2)2.0kg(34.97重量%)とパル
プ82.5kg(28.85重量%)とポリエチレンチ
ョップ1.5kg(0.52重量%)とを入れて再度混
練することにより、本願発明の消臭用の薬剤蒸散組成物
を得た。得られた消臭用の薬剤蒸散組成物は、手で変形
可能な固形状を呈し、粘着性を有し、また、芳香を放つ
ものであった。この得られた消臭用の薬剤蒸散組成物
を、図4(A)(B)に示す複数の孔82…82を有する内袋
体81に収納した状態で、革靴の内部先端に入れ、その
革靴を3時間程度、履き、臭いを嗅いでみると悪臭は消
えていた。又、その際、革靴を履いて歩行しても内部先
端に入れた薬剤蒸散組成物が指先の形状に変形し、薬剤
蒸散組成物による指先への違和感は少なかった。また、
得られた消臭用の薬剤蒸散組成物を、図8(A)(B)に示し
た土踏まず部92に穿設孔95を有する中敷本体91に
収納し、3時間程度、履き、臭いを嗅いでみたが、同様
に悪臭は消えていた。又、その場合において、穿設孔9
5を中敷本体91の土踏まず部92に設けているため、
薬剤蒸散組成物を土踏まず部92に配設でき、薬剤蒸散
組成物による足への違和感が革靴の内部先端に入れた場
合よりも無かった。
【0042】
【発明の効果】以上、本願発明の薬剤蒸散組成物は、薬
剤蒸散組成物全体が、変形可能な固形状のものから構成
しているため、携帯しても身体や衣服に付着するおそれ
のないものにでき、携帯用として適したものにできる。
また、固形状の薬剤蒸散組成物に薬剤を包含させている
ため、薬剤蒸散組成物を徐々に揮発させることができ、
従来の液状の薬剤蒸散組成物に比して薬剤をゆっくりと
蒸散させることができる。従って、薬剤蒸散組成物の使
用期間を液状のものに比して長期にできる。又、薬剤蒸
散組成物に、揮発性を有する揮発性剤を包含させておく
ことによって、揮発性剤が揮発する際に、薬剤を一緒に
蒸散させることができ、内部側の薬剤をも効率的に蒸散
させることができる。しかも、揮発性剤の包含量を調整
することにより、薬剤の蒸散量を調整することができ
る。また、薬剤の蒸散量が少なくなった場合には、薬剤
蒸散組成物を手で2分割等することにより、内部側の揮
発性剤及び薬剤を表面側に配位させることができ、再び
薬剤の蒸散量を多くできる。更に、薬剤蒸散組成物に、
薬剤蒸散用助剤を包含させておくことによって、薬剤蒸
散組成物内に間隙を形成でき、その間隙によって、内部
の薬剤の蒸散を助けることができる。又、本願発明の薬
剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品は、体裁の良く使用
でき、薬剤蒸散組成物を携帯し易いものできる。又、こ
の場合においても、薬剤蒸散組成物を固形状に形成して
いるため、薬剤蒸散組成物が滲み出すこともなく、薬剤
蒸散組成物が身体や衣服に付着するようなことを防止で
きる。また、本願発明の薬剤蒸散組成物を備えた靴の中
敷は、靴に入れて使用することにより、薬剤蒸散組成物
中の消臭剤が靴の悪臭を消すことができる。しかも、薬
剤蒸散組成物を固形状に形成しているため、薬剤蒸散組
成物が滲み出すこともなく、薬剤蒸散組成物が靴や足に
付着するようなことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の薬剤蒸散組成物に用いる薬剤蒸散用
助剤の一実施の形態の多孔質剤としての球状ポリマー・
リン酸カルシウムの拡大断面説明図である。
【図2】本願発明の薬剤蒸散組成物に用いる薬剤蒸散用
助剤の一実施の形態の中空チョップとしてのポリプロピ
レンチョップの拡大斜視図である。
【図3】本願発明の薬剤蒸散組成物に用いる一実施の形
態の携帯用容器の斜視図である。
【図4】本願発明の薬剤蒸散組成物に用いる一実施の形
態の袋体の説明図に係り、(A)は、薬剤蒸散組成物を収
納した袋体の分解斜視図であり、(B) は、その断面図で
ある。
【図5】本願発明の薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾
品の一実施の形態のペンダントの正面図である。
【図6】(A) は、本願発明の薬剤蒸散組成物を備えた身
体用装飾品の一実施の形態の腕輪の正面図、(B) は、本
願発明の薬剤蒸散組成物を備えた身体用装飾品の一実施
の形態の装飾用紐の斜視図である。
【図7】本願発明の薬剤蒸散組成物を備えた靴の中敷の
説明図に係り、(A) は、その平面図、(B) は、その側面
図、(C) は、図7(A) のVII −VII 線拡大断面図であ
る。
【図8】本願発明の薬剤蒸散組成物を備えた靴の中敷の
他の実施形態の説明図に係り、(A) は、その平面図、
(B) は、図8(A) のVIII−VIII線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 薬剤蒸散組成物 2 携帯用容器 3 容器本体 4 紐状部 5 ペンダント 6 腕輪 7 装飾用紐 9 靴の中敷 81 内袋体 83 外袋体 91 中敷本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/01 A61L 9/01 X Y Fターム(参考) 3B114 AA11 BA10 JA01 4C080 AA03 BB02 BB10 HH05 JJ03 KK03 LL10 NN22 NN23 NN26 NN27 QQ03 4F050 EA06 EA09 EA10 EA21 4H011 AC06 BA01 BB05 BB22 BC03 BC19 BC20 DB04 DD07 DH02 DH10 DH13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量200以上のアルキレングリコー
    ルと、アクリル変性やEVA等のエマルションと、ワセ
    リンと、酸化プロピレンと酸化エチレンの共重合体と、
    低分子量のグリース状ポリオレフィンと、澱粉類とから
    構成される群から選択された少なくとも一種を主成分と
    し、これに、薬剤が包含され、全体が、変形可能な固形
    状のものとされたことを特徴とする薬剤蒸散組成物。
  2. 【請求項2】 分子量200以上のアルキレングリコー
    ルと、アクリル変性やEVA等のエマルションと、ワセ
    リンと、酸化プロピレンと酸化エチレンの共重合体と、
    低分子量のグリース状ポリオレフィンと、澱粉類とから
    構成される群から選択された少なくとも一種を主成分と
    し、これに、薬剤と、揮発性を有する揮発性剤とが包含
    され、全体が変形可能な固形状のものとされたことを特
    徴とする薬剤蒸散組成物。
  3. 【請求項3】 上記薬剤が、虫等を忌避する忌避剤を包
    含するものであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の薬剤蒸散組成物。
  4. 【請求項4】 上記薬剤が、消臭剤を包含するものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の薬剤蒸散組成
    物。
  5. 【請求項5】 上記薬剤蒸散組成物が、薬剤蒸散組成物
    中の薬剤の蒸散を助ける薬剤蒸散用助剤を包含し、この
    薬剤蒸散用助剤が、薬剤蒸散組成物中に、毛細管現象に
    よって薬剤を吸液し得る程度の間隙を形成するものであ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬
    剤蒸散組成物。
  6. 【請求項6】 薬剤蒸散組成物(1) と、身体に取り付け
    可能な装飾品本体(51)(61)(71)とを備え、 薬剤蒸散組成物(1) が、分子量200以上のアルキレン
    グリコールと、アクリル変性やEVA等のエマルション
    と、ワセリンと、酸化プロピレンと酸化エチレンの共重
    合体と、低分子量のグリース状ポリオレフィンと、澱粉
    類とから構成される群から選択された少なくとも一種を
    主成分とし、これに、薬剤が包含され、全体が、変形可
    能な固形状のものから構成され、 装飾品本体(51)(61)(71)が、収納部(51c)(61c)(71c) を
    備え、この収納部(51c)(61c)(71c) に、薬剤蒸散組成物
    (1) が収納されたものであることを特徴とする薬剤蒸散
    組成物を備えた身体用装飾品。
  7. 【請求項7】 薬剤蒸散組成物(1) と、靴の中敷本体(9
    1)とを備え、 薬剤蒸散組成物(1) が、分子量200以上のアルキレン
    グリコールと、アクリル変性やEVA等のエマルション
    と、ワセリンと、酸化プロピレンと酸化エチレンの共重
    合体と、低分子量のグリース状ポリオレフィンと、澱粉
    類とから構成される群から選択された少なくとも一種を
    主成分とし、これに、消臭剤が包含され、全体が、変形
    可能な固形状のものから構成され、 この薬剤蒸散組成物(1) が、中敷本体(91)に付設された
    ものであることを特徴とする薬剤蒸散組成物を備えた靴
    の中敷。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4652818B2 (ja) * 2002-12-23 2011-03-16 グラフテック インターナショナル ホールディングス インコーポレーテッド フレキシブルグラファイト熱管理装置
CN117882917A (zh) * 2024-03-15 2024-04-16 晋江市鑫铭鞋材科技有限公司 一种多层防滑鞋底及其制备方法

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