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JP2001100646A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Publication number
JP2001100646A
JP2001100646A JP27485599A JP27485599A JP2001100646A JP 2001100646 A JP2001100646 A JP 2001100646A JP 27485599 A JP27485599 A JP 27485599A JP 27485599 A JP27485599 A JP 27485599A JP 2001100646 A JP2001100646 A JP 2001100646A
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JP
Japan
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organic
layer
anode
liquid crystal
cathode
Prior art date
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JP27485599A
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Inventor
Tomoyuki Shirasaki
友之 白嵜
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィールドシーケンシャル方式で駆動する液
晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明のフィールドシーケンシャル方式
の液晶表示装置においては、バックライト100とし
て、有機EL素子が用いられている。バックライト10
0は、各々、赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する
有機EL領域109r、109g、109bをストライ
プ状に分散して配置したものである。そして、バックラ
イト100においては、各有機EL領域109r、10
9g、109bを各発光色毎に独立して駆動できるよう
になっている。これにより、RGBの発光色を高速に切
り替えることが可能となり、フィールドシーケンシャル
方式に好適なバックライトとなる。また、該バックライ
トを用いることにより、フィールドシーケンシャル方式
の液晶表示装置の薄型化、消費電力の低減を図ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子をバ
ックライトに用いたフィールドシーケンシャル方式で駆
動する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フィールドシーケンシャル方式を
用いた液晶表示装置が注目されている。液晶表示装置に
よるフルカラー表示の方式には、空間混合方式と時間差
混合方式があり、後者はフィールドシーケンシャル方式
と呼ばれている。
【0003】空間混合方式は赤(R)、緑(G)、青
(B)の波長領域の光を重ねる加法混色を基本原理と
し、LCDにおいて、R・G・Bにそれぞれ光る画素を
近接して配置するとともに、各画素の輝度を変えること
により、これらの色を任意に混色して、任意の色光を得
るものである。また、空間混合方式によるLCDにおい
ては、一般的にカラーフィルターが用いられている。
【0004】対して、フィールドシーケンシャル方式と
は、「時分割」による混色を利用したカラー表示方式で
ある。すなわち、二色以上の光を継続的に切り替えて発
光させ、かつ、その切り替えの速さを人間の目の時間的
分解能を越えた速さとした場合に、人間が上述の二色以
上の色を混色して認識することを応用した方式である。
【0005】フィールドシーケンシャル方式のフルカラ
ーLCDにおいては、動画表示における各フィールド毎
に、それぞれ、バックライトをR・G・Bの三つの発光
色のうちの一つの発光色で発光可能とするとともに、各
フィールドごとに継続的にR・G・Bの発光色を切り替
えて(時分割して)発光させ、その切り替えの速さを充
分に速くすることにより任意の色光を得るようになって
いる。すなわち、フィールドシーケンシャル方式のフル
カラーLCDにおいては、例えば、カラーの各フィール
ドを、それぞれ、あらかじめ、Rのフィールドと、Gの
フィールドと、Bのフィールドとに分光した状態に分
け、一つのカラーのフィールドを表示する際に、上述の
RGBの各フィールドを順番に時間差を付けてLCDに
表示するとともに、Rのフィールドを表示する際には、
バックライトの発光を赤(R)とし、Bのフィールドを
表示する際には、バックライトの発光を青(B)とし、
Gのフィールドを表示する際には、バックライトの発光
を緑(G)としている。そして、上記LCDにおいて
は、上述のように時分割された三色のフィールドからな
るカラーの各フィールドを、三つの発光色を切り替えな
がら連続して表示することにより、カラーの動画を表示
できるようにしている。
【0006】また、フィールドシーケンシャル方式以外
のフルカラーLCDにおいては、一般的にカラーフィル
タが用いられる。しかし、カラーフィルターを導入する
と、バックライトからの光がカラーフィルターで大幅に
吸収されてしまう。カラーフィルターを要しないフィー
ルドシーケンシャル方式では、カラーフィルターに吸収
される分の光の損失にかける電力消費を抑えることがで
き、従来のLCDと比較して低消費電力化が可能であ
る。さらに、カラーフィルターは、カラー液晶表示パネ
ルの部材費の中でも高価であり、カラーフィルタを無く
すことで大幅なコストダウンが図れる。
【0007】なお、フィールドシーケンシャル方式で
は、各フィールドを、各々R・G・Bに充分に速く切り
替えて発光させる必要があるために、LCDを構成する
バックライトと液晶表示パネルともに、従来のLCDの
ものと比較して、高速応答可能である必要がある。すな
わち、色の切り替えによる画像のちらつき(フリッカ)
が生じないようにするためには、フィールドを約1/6
0秒以下で切り替える必要があると言われている。従っ
て、1フィールドあたり1色の表示を行うのに、約1/
180秒以下、すなわち6ミリ秒以下で切り替える必要
がある。さらに、このフィールド内で、画像の書き込み
と液晶の応答、バックライトの点灯を行う必要があり、
液晶表示パネルには、さらに高速に駆動することが要求
される。従って、液晶表示パネルとしては、高速応答可
能な点から、強誘電液晶や反強誘電液晶が有利であると
言われている。ネマチック液晶の中では、TN液晶に対
して10倍の応答速度を持つOCB液晶も提案されてい
る。以上のように、液晶表示パネルにおいては、高速応
答可能な液晶表示パネルの開発が進められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フィールド
シーケンシャル方式のバックライトについては、従来の
バックライトに使用されている冷陰極管やLEDを用い
ることが考えられる。冷陰極管については、従来、ちら
つきのない白色光を得るために、残光時間の長いものが
要求されていたが、フィールドシーケンシャル方式に十
分に対応可能な高速駆動のためにはむしろ、残光時間が
短いものが要求されるという課題がある。また、LED
については、近年では、青色発光LEDが量産されてお
り、RGB3色のバックライトが製造可能であると考え
られているが、フィールドシーケンシャル用のバックラ
イトとしては、未だ実用化には至っていない。
【0009】一方、LCDの主な用途の一つとしては、
携帯可能な小型軽量の電子機器のディスプレイとして用
いられることが上げられる。この場合に、電子機器の小
型化を図るためのバックライトの薄型化と、携帯時に電
池駆動された場合の駆動時間の長期化を図るためのバッ
クライトの消費電力の低減とが望まれることになる。
【0010】従って、フィールドシーケンシャル方式の
LCDに用いられるバックライトとしては、フィールド
シーケンシャル方式に十分に対応可能な高速応答性と、
薄くできる構造と、低い消費電力で駆動可能なこととが
要求されるが、これらの条件を満たすバックライトを備
えたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置は未
だ得られていない。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、バックライトとして、RGBの各色の発光を高速
で切り替えることが可能で、かつ、薄く、消費電力が小
さい有機EL素子を用いたフィールドシーケンシャル方
式の液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
液晶表示装置は、フィールドシーケンシャル方式で駆動
される液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの背面側に
設けられたバックライトとを備えた液晶表示装置であっ
て、上記バックライトにおいては、異なる色に発光する
二種以上の有機EL領域が、各種類毎に分散するように
透明基板上に配置され、かつ、順次異なる色に発光可能
となっていることを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、上記液晶表示パネルの
背面部に設けられた上記バックライトにおいて、異なる
色に発光する二種以上の有機EL領域を、発光色の異な
る有機EL領域が互いに分散して配置され(例えば、交
互に配置され)、かつ、発光色の異なる有機EL領域が
互いに独立してオンオフ可能となっていれば、異なる発
光色のほぼ面状の発光を切り替えて表示することができ
る。
【0014】例えば、単独でR・G・Bに各々発光する
有機EL領域を設け、有機EL領域を発光させるために
電流を供給するための電極を、最低限R・G・Bごとに
分けて電力を供給できるような構成とするなどして、一
色ずつ個別に発光できるようにすれば、バックライトに
おいて、R・G・Bの三つの発光色を切り替えて、一様
な面状発光を行なうことができる。
【0015】ここで、有機EL素子は、その静電容量が
極めて小さく、高速でスイッチングすることが可能であ
る。従って、高速にRGBの各色の発光を切り替えるこ
とができるので、残光性を有する蛍光材を用いていた蛍
光管に比較して、フィールドシーケンシャル方式で駆動
される液晶表示装置に最適な極めて薄いバックライトと
して機能する。
【0016】さらに、上記バックライトからの発光が、
フィールドシーケンシャル方式で駆動される液晶表示パ
ネルに導かれることにより、本発明のフルカラー液晶表
示装置が機能する。またここで、液晶表示パネルとして
は、周知の高速応答可能な液晶表示パネルを用いること
が好ましい。例えば、強誘電液晶や反強誘電液晶により
構成されるものなどを用いても良い。
【0017】本発明の請求項2記載の液晶表示装置は、
請求項1記載の液晶表示装置において、上記バックライ
トの上記有機EL領域はストライプ状に形成され、上記
有機EL領域が、有機EL層と該有機EL層を挟み込む
ように配置されたアノードとカソードとを備え、上記透
明基板上の各有機EL領域の上記有機EL層同士の間
に、各有機EL層を分離する隔壁部がストライプ状の上
記有機EL領域に沿って形成され、これら隔壁部同士の
間に有機EL層の材料が注入されることにより、ストラ
イプ状に有機EL層が形成されていることを特徴とす
る。
【0018】上記構成によれば、ストライプ状に配置し
ているので、各有機EL領域は、ほぼ線状(帯状)とな
る。そして、各有機EL領域が発光した場合に、各有機
EL領域がほぼ線状光源となり、各有機EL領域から離
れるに従って光が帯状に広がり、近傍にストライプ状に
配置された他の有機EL領域から広がる発光と重なるこ
とになる。また上記透明基板上の各有機EL領域の上記
有機EL層同士の間に各有機EL層を分離する隔壁部
が、ストライプ状の上記有機EL領域に沿って形成され
ているので、有機EL層、アノード及びカソードの形成
時に、上記隔壁部を利用することができる。例えば、隔
壁部同士の間に有機EL層の液状の材料を注入するよう
にすれば、容易にストライプ状の発光層を形成すること
ができる。また、隔壁部を形成した後に、隔壁部より薄
いカソードを、隔壁部が形成された透明基板上に面状に
形成した場合に、隔壁部の厚みによる段差で、カソード
が隔壁部で断線した状態となり、カソードを面状に形成
するものとしても、カソードを各有機EL領域毎に独立
した電極とすることができる。ところで上記の通り、フ
ィールドシーケンシャル方式で駆動される液晶表示装置
のバックライトとして用いるためには、例えば、RGB
のそれぞれの色に順次切り替えて発光可能とする必要が
ある。そのためには、各発光色の有機EL領域毎に独立
して電圧を印加できる構成とする必要があるが、各有機
EL領域をストライプ状に配置することにより、他の構
成(各有機EL領域をモザイク状に配置したり、各有機
EL領域を小さな面状として細かく分散して配置した場
合など)に比較して、RGB各色の有機EL領域毎に電
力を供給するための引き出し線等を最小限にして極めて
簡単に、RGB各色の有機EL領域毎に独立して電圧を
印加できる構成とすることができる。また同時に、各有
機EL領域をストライプ状に配置することにより、その
製造についても他の方法と比較して容易に行うことがで
きる。
【0019】そして、有機EL層やカソードは、隔壁部
のパターン形成の精度に基づいてパターニングされた状
態となり、ストライプ状に形成された有機EL領域同士
の間隔(ピッチ)を狭くすることが可能となる。そし
て、ストライプ状の光源から面状の発光を得る際に、視
認距離に対して十分にストライプ状の光源同士の距離が
近い必要がある。言い換えれば、液晶表示パネルとスト
ライプ状の光源との間に配置される透明基板を薄くする
には、ストライプ状の光源同士の距離が十分に近い必要
がある。従って、バックライトを薄くするためには、ス
トライプ状に形成された有機EL領域同士のピッチを狭
くする必要があり、逆に言えば、ストライプ状に形成さ
れた有機EL領域同士のピッチを狭くすることにより、
さらにバックライトを薄くすることが可能となる。
【0020】なお、隔壁部は、例えば、周知の感光樹脂
からなるものであり、フォトリソグラフィによりパター
ン形成可能なものであることが好ましい。また、隔壁部
は、絶縁性であることが好ましい。また、隔壁部の厚さ
は、上述のように隔壁部同士の間に有機EL層の液状の
材料を注入したり、カソードを断線させたりする上にお
いて、5μm以上あることが好ましい。また、隔壁部
は、基本的にストライプ状の有機EL領域同士の間に、
ストライプ状の有機EL領域に沿って、それぞれ形成さ
れるので、隔壁部も基本的にストライプ状に形成される
ことになる。
【0021】また、隔壁部によって、各有機EL領域を
確実に分離する上では、隔壁部が有機EL領域の周囲を
囲むように形成されることが好ましく、例えば、面状の
隔壁部内に、各有機EL領域となる開口部がストライプ
状に形成されていることが好ましい。なお、このように
面状の隔壁部内にストライプ状の開口部が形成される構
成とした場合も、有機EL領域に対応する部分だけをみ
れば、隔壁部はストライプ状となり、各有機EL領域同
士の間に、それぞれ、有機EL領域に沿って形成された
状態になる。また、隔壁部は、場合によっては、面状の
隔壁部内にストライプ状に多数の開口部を形成した状態
ではなく、各開口部の一端が解放された状態、すなわ
ち、櫛歯状の状態としても良い。なお、各発光色の有機
EL層をストライプ状に配置するに際しては、液晶表示
装置の液晶表示パネルには、バックライトからの一様な
RGBの光が導かれることが好ましいために、各RGB
に発光する有機EL領域毎で、一種類毎の有機EL領域
の分布がほぼ同じ状態となっていることが好ましい。す
なわち、同じ種類の有機EL層は、ほぼ一定の間隔で配
置されていることが好ましく、各種類の有機EL層を一
つずつ含む一組の有機EL層が多数組ストライプ状に配
置されていることが好ましい。また、より一様なRGB
の発光を得るためには、同じ色に発光する各ストライプ
(同じ色に発光する各有機EL領域)間の距離が、視認
する距離(バックライトとして使用する場合に、照らす
液晶表示パネルまでの距離)に対して充分に狭いことが
望ましい。また、各有機EL領域は、基本的にアノード
とカソードと有機EL層とを含むものであるが、上記有
機EL領域となる部分が各々線状に発光するようになっ
ていれば、アノード、カソード、有機EL層の全てがス
トライプ状になっている必要はなく、アノード、カソー
ドの少なくともいずれか一つが面状に形成されるととも
に、複数の有機EL領域に跨って形成されていても良
い。
【0022】本発明の請求項3記載の液晶表示装置は、
請求項1または2記載の液晶表示装置において、上記ガ
ラス基板上に、上記アノードが透明な共通電極として各
有機EL領域に渡って面状に形成され、上記アノード上
に、ストライプ状の上記有機EL層が形成されるととも
に、有機EL層同士の間に、上記アノードより低抵抗な
低抵抗配線が形成され、かつ、該低抵抗配線上に、該低
抵抗配線を覆うとともに、各有機EL層同士を分離する
隔壁部が形成され、上記有機EL層上に、上記カソード
が各有機EL領域毎もしくは同じ種類の有機EL領域毎
に独立した電極として形成されていることを特徴とす
る。
【0023】上記構成によれば、有機EL層同士の間
に、上記アノードより低抵抗な低抵抗配線が形成されて
いるため、アノード電極全体としてシート抵抗が下が
り、均一な輝度の面状発光を得ることができる。また、
有機EL層がストライプ状に配置されていることによ
り、有機EL層同士の間に間隙があり、この発光領域以
外である間隙に低抵抗配線が形成されているため、有機
EL層の発光波長領域に対し不透明であっても高輝度で
発光することができる。なお、透明電極ではなく、低抵
抗配線が電源に接続され、低抵抗配線から透明電極に電
流が流れるようになっていることが好ましい。また、ガ
ラス基板上にITOにより配線を形成するよりも、IT
Oより抵抗値が低い低抵抗配線で上記配線を行うことに
より、消費電力の低減を図ることができる。
【0024】また、本発明では、上記ガラス基板上に、
上記アノードが透明な共通電極として各有機EL領域に
渡って面状に形成され、上記アノード上の有機EL層同
士の間に、上記アノードより低抵抗な低抵抗配線が形成
されている。このため、低抵抗配線と上記アノードとが
確実に短絡した状態となる。また、上記アノード上の有
機EL層同士の間に、上記アノードより低抵抗な低抵抗
配線が形成されており、低抵抗配線と有機EL層とが互
いに離間して形成されているため、有機EL層へのキャ
リアの注入は上記アノードから行われる。このため、発
光する領域は上記アノードと重なる領域になり、低抵抗
配線が不透明であっても、低抵抗配線が有機EL層の光
の放射を妨げることなく、低抵抗配線によりバックライ
トの輝度が低下するのを防止することができる。
【0025】すなわち、アノードとして一般的に用いら
れるITOは、電極としては高い抵抗を有し、例えば、
電源の接続部分から長い距離に渡って形成されている
と、ITOの抵抗により電源の接続部分から離れるに従
って有機EL層に流される電流が低下し、これにより輝
度も低下することになるが、上述のように低抵抗配線を
用いることで、このような事態を防止することができ
る。また、上記アノード上に低抵抗配線と有機EL層と
が互いに離間して形成され、かつ、低抵抗配線が各有機
EL層に沿って形成される場合には、低抵抗配線は、少
なくとも各有機EL層同士の間にそれぞれ形成されるこ
とになる。また、有機EL層が上記アノード全体を覆っ
た状態になっている場合には、低抵抗配線を形成する場
所がなくなってしまうので、上記アノードが有機EL層
の周囲にはみ出した状態に形成されている必要があり、
上記アノードが各有機EL層に渡って面状に形成され
て、各有機EL層で共通な共通電極となっていることが
好ましい。
【0026】請求項4の液晶表示装置は、請求項1記載
の液晶表示装置において、上記有機EL領域が、有機E
L層と該有機EL層に電流を流すための第1電極及び第
2電極とを備え、上記有機EL層は、その電荷輸送領域
の一部が、透明基板上に設けられた上記第1電極に重な
って形成されるとともに、電荷輸送領域の他部が上記第
1電極と重ならないように形成されていることを特徴と
する。
【0027】上記構成によれば、電荷輸送領域の他部を
介し発光された光は第1電極を介することなく出射する
ことができるので、光の吸収損失が少ないため低い消費
電力で高輝度に発光することができる。すなわち、基本
的に有機EL層は、アノード(例えば、第一電極)とカ
ソード(例えば、第二電極)とに挟まれた状態で電圧を
印加されて電流を流されることになり、二つの電極に挟
まれた状態の有機EL層から光を取出すには、例えば、
アノードを透明電極とする必要がある。しかし、透明電
極も光をある程度吸収するので、上記第一電極を例えば
透明電極とした場合には、電荷輸送領域の他部を介し発
光された光は第1電極を介することなく出射することが
できるので輝度の向上を図ることができる。また、この
場合に第一電極が透明電極でなくとも、有機EL層の光
を上記電荷輸送領域の他部から出射することが可能とな
り、透明電極を使用せずに発光を行なうことが可能とな
る。そして、例えば、アノード(ここでは第一電極)が
ストライプ状の上記有機EL層に電荷を印加できるよう
に、ストライプ状の各有機EL層のそれぞれの一部(例
えば、側縁部)に重なって形成されるとともに、上記ア
ノードが各有機EL層のそれぞれの上記一部を除く部分
(長さ方向に沿った中心部)に重ならないように形成さ
れるものとすれば、背面電極との関係において、有機E
L層のアノードと背面電極との間の電流の通り道となる
部分で、アノードと重なっていない部分からは、アノー
ドを通過せずに光が透明基板に入射されることになる。
従って、第一電極を不透明なものとしても、有機EL層
の発光を外部に取り出すことができる。そして、第一電
極を不透明なものとすれば、第一電極として使用可能な
導電材の選択肢が広がり、例えば、金属(合金を含む)
を使用することができる。そして、第一電極として金属
やその他のITOより抵抗率が低い導電材を使用すれ
ば、ITOを使用した場合に比較して、第一電極全体と
してシート抵抗が下げやすくなり均一な輝度の面発光を
得ることができる。
【0028】また、第一電極としてITOではなく、金
属もしくはITOより低抵抗で柔軟性を有するものを用
いるものとすれば、第一電極がフィルム基板の変形に対
応できるものとなる。例えば、第一電極として金属を用
いれば、ITOのように脆弱ではなく、ある程度の柔軟
性等を有するので、透明フィルム基板との相性に優れて
おり、透明フィルム基板の可撓性、柔軟性といった特性
を生かした製造方法や使用方法を容易に適用することが
できる。本発明では、上記第一電極が不透明で低抵抗な
導電部材からなっているために、ITOの抵抗の高さ、
脆性等に基づく問題を解消することができる。そして、
第一電極を脆弱なITOから金属等の導電材に変更する
ことにより、歩留まりの向上を図ることができる。
【0029】また、第1電極としてITOではなく、金
属もしくはITOより低抵抗で柔軟性を有するものを用
いるものとすれば、第1電極がフィルム基板の変形に対
応できるものとなる。例えば、第1電極として金属を用
いれば、ITOのように脆弱ではなく、ある程度の柔軟
性等を有するので、透明フィルム基板との相性に優れて
おり、透明フィルム基板の可撓性、柔軟性といった特性
を生かした製造方法や使用方法を容易に適用することが
できる。そして、第1電極を脆弱なITOから金属等の
導電材に変更することにより、耐久性の向上を図ること
ができる。また、上記構成では、第1電極を金属等の不
透明な導電材とした場合に、有機EL層と第1電極とが
重なった部分においては、光が透過せず、有機EL層と
第1電極とが重なっていない部分においては、有機EL
層の電荷輸送層のシート抵抗が高ければ必ずしもその部
分全体に電流が流れるとは限らない。しかし、有機EL
層が有機EL層から露出する部分においては、ITOの
ように比較的光透過率が悪い部材を通ることなく、光を
放射することができる。これらのことから、第1電極の
形状は、できるだけ発光に寄与する第2電極と平面的に
重ならない状態で、有機EL層のほぼ全体に電流が流れ
る状態とすることが好ましい。
【0030】そして、本発明においては、各有機EL層
が線状に近い帯状にすることができるので、例えば、第
1電極が有機EL層の長さ方向に沿った側縁部に重なっ
て、有機EL層の一端部から他端部に渡って形成されて
いれば、有機EL層と第1電極とが重なる面積を最小限
のものとして、有機EL層のほぼ全体に電流を流すこと
ができる。従って、このようにすれば、従来のように光
透過率が高くないITOからなる第1電極を透過させた
場合よりも、輝度の向上を図ることが可能である。な
お、第1電極は、有機EL層全体になるべく均等に電流
が流れるようにする上では、有機EL層の左右の両側縁
部と重なるように形成されていることが好ましい。ま
た、第1電極を共通電極とする場合には、櫛歯状やスト
ライプ状の開口部を有する形状とすることが好ましく、
このような構成とすれば、容易に有機EL層の側縁部に
だけ第1電極が重なった状態とすることができる。
【0031】また、第1電極と有機EL層とが重なった
部分の形状は、上述のように有機EL層の側縁部に第1
電極を重ねるものとすれば、一本もしくは二本の線状
(細い帯状)とすることができる。しかし、第1電極と
有機EL層とが重なった部分の形状は、必ずしも上述の
ものに限定されるものではなく、例えば、有機EL層の
周囲全体に第1電極が重なるようにして額縁状とした
り、有機EL層の一方の側縁部から他方の側縁部に渡る
多数のほぼ線状の第1電極を配置して縞状としたり、上
述の線状と縞状とを合わせて梯子状や櫛歯状としたりし
てもよい、また、第1電極と有機EL層とが重なる部分
が必ずしも連続していなくとも良い。また、さらに細く
第1電極を形成できるものならば、帯状の有機EL層内
に、該有機EL層に沿って線状に第1電極を配置しても
良いし、網目状に配置しても良い。
【0032】また、有機EL層の少なくとも1つの電荷
輸送層は、シート抵抗が10Ω/□以下であることが好
ましく、電荷輸送層が面内で電荷を輸送できる程度にシ
ート抵抗が低いので、有機EL層を介し第1及び第2電
極を平面的に完全に重ねなくても有機EL層は、広い面
積で発光することができる。また、背面のリフレクタと
して作用する部分の表面もしくは透明基板の表面に、光
を拡散させる拡散面が形成されていても良く、このよう
にすれば、有機EL層の発光をより多く透明基板の正面
から出射させることができる。
【0033】また、第1電極は、その抵抗率が2×10
-4Ωcm以下であることが好ましい。このように抵抗率
の低い材料を適用することで第1電極を薄く成膜しても
第1電極のシート抵抗を低くすることができるので、ス
ループットを向上することができる。同様に第1電極を
幅狭にしてもシート抵抗を低くすることができることか
らファインピッチで発光することができるので、上述の
ようにバックライトの薄型化を図ることができる。
【0034】本発明の請求項5記載の有機EL装置は、
請求項1記載の液晶表示装置において、上記有機EL領
域が、透明基板上に形成され、内部に流れる電流に応じ
て発光する光が上記透明基板側に出射する有機EL層
と、上記有機EL層上に形成されたアノードと、上記有
機EL層上に上記アノードと離間して形成されたカソー
ドと、を備えることを特徴とする。
【0035】上記構成によれば、有機EL層から発した
光はアノードを介することなく出射することができるの
で、光の損失が少ないため低い消費電力で高輝度に発光
することができる。なお、ここでは、有機EL層を上下
から挟むようにアノードとカソードが配置されるのでは
なく、透明基板上に形成された有機EL層の透明基板と
反対側の面にアノードとカソードとが配置されており、
有機EL層においては、アノードからカソードに有機E
L層の面方向に沿って電流が流れることになる。
【0036】なお、有機EL層は、少なくとも正孔輸送
層と電子輸送層とを備えるものであり、アノードは正孔
輸送層に接して設けられ、カソードは電子輸送層に接し
て設けられ、正孔輸送層から電子輸送層側に向けて正孔
が移動し、電子輸送層側から正孔輸送層側に向けて電子
が移動する必要がある。従って、有機EL層の片面側に
アノードとカソードとを設ける場合には、有機EL層の
片面のアノードが設けられる部分に正孔輸送層が露出
し、カソードが設けられる部分に電子輸送層が露出した
状態となっている必要がある。そして、正孔輸送層と電
子輸送層とは、接しているか、発光層を介して配置され
ている必要がある。
【0037】例えば、幅の広い正孔輸送層もしくは電子
輸送層上に幅の狭い電子輸送層もしくは正孔輸送層を設
けること、すなわち、幅の広い電荷輸送層の上に幅の狭
い電荷輸送層を設けることにより、有機EL層の片面側
に幅の広い電荷輸送層のうちの幅の狭い電荷輸送層に重
ならない部分が露出することで、有機EL層の片面側に
電子輸送層と正孔輸送層とが両方とも露出した状態とす
ることができる。
【0038】また、このような構成とした場合には、上
述の幅の広い電荷輸送層においては、幅の狭い電荷輸送
層と重ならない部分に例えば第一電極が形成され、幅の
狭い電荷輸送層上にたとえば第二電極が設けられること
になり、幅の広い電荷輸送層においては、第一電極と重
なる部分と幅の狭い電荷輸送層と重なる部分との間で面
方向に電流が流れることになる。従って、幅の広い電荷
輸送層、すなわち、有機EL層に含まれる複数の有機電
荷輸送層の少なくとも一つの電荷輸送層においては、シ
ート抵抗が低いことが好ましく、例えば、シート抵抗が
108Ω/□以下であることが好ましい。また、アノー
ドとカソードとは、製造工程を簡略化する上で、同一の
材料からなることが好ましい。また、この際に、アノー
ドとカソードとは、背面電極として光の反射率が高いも
のであることが好ましい。
【0039】請求項6記載の有機EL装置は、請求項1
記載の液晶表示装置において、上記有機EL領域が、透
明基板上に形成されたアノードと、上記アノード上に形
成され、面方向への電荷輸送自在で、かつ、有機EL層
の一部である第1電荷輸送層と、上記第1電荷輸送層に
形成されるとともに有機EL層の一部である第2電荷輸
送層と、平面的に上記アノードと重ならないように上記
第2電荷輸送層上に形成されたカソードと、を備えるこ
とを特徴とする。
【0040】上記有機EL装置は、第1電荷輸送層面方
向への電荷輸送が自在なのでアノードとカソードとを平
面的に重ねなくても第2電荷輸送層全体に電荷を輸送す
ることができるため、広範囲に発光することができる。
すなわち、請求項5記載の構成では、アノードとカソー
ドを有機EL層の片面側に設けるものとしたが、この構
成において、有機EL層の透明基板の反対側に設けられ
ていたアノードを透明基板側の面に設けるものとして
も、請求項5記載の構成とほぼ同様の効果が得られる。
【0041】すなわち、第1電荷輸送層において面方向
に電流が流れる構成とする場合に、アノードが有機EL
層のどちらの側面に形成されていても良い。また、アノ
ードは、有機EL層の発光が射出される透明基板側に設
けられることになる。しかし、上記構成においては、例
えば、第一電荷輸送層の幅が第二電荷輸送層の幅より広
くされ、第二電荷輸送層上にカソードが形成され、第一
電荷輸送層のカソードと上下に重ならない位置、すなわ
ち、第一電荷輸送層のカソードが形成された第二電荷輸
送層と上下にほぼ重ならない位置にアノードが形成され
ることなる。そして、有機EL層の発光する部分は、基
本的に、正孔輸送層と電子輸送層と(第一電荷輸送層と
第二電荷輸送層と)が上下に重なって配置される部分で
ある。そして、この部分と上下にほぼ重ならないように
アノードが配置されるので、アノードが有機EL層の透
明基板側にあっても、請求項1〜4の構成と同様にアノ
ードの影響をあまり受けずに有機EL層の透明基板側か
ら光を出射することができる。従って、アノードは、上
述の各請求項の構成の場合と同様に透明電極である必要
はなく、低抵抗の金属電極等を用いることができる。な
お、第一電荷輸送層は、請求項5記載の構成の場合と同
様にシート抵抗が低いことが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の第
一例の液晶表示装置(LCDと略す場合がある)を図面
を参照して説明する。図1は、液晶表示パネルとバック
ライトとからなるLCDの要部の断面を示すものであ
る。図1に示すように、第一例のLCDは、バックライ
ト100及び液晶表示パネル200より構成される。
【0043】上記、液晶表示パネル200は、周知のT
FT方式により高速駆動されるフィールドシーケンシャ
ル方式用の液晶表示パネルである。該液晶表示パネルに
おいては、偏光板201を外面側に備えた二枚の透明基
板202、202(例えば、ガラス基板もしくは透明フ
ィルム基板)の間に液晶層206が挟まれている。下側
の透明基板202上には、画素電極204及び、薄膜ト
ランジスタ(TFT)203が形成されている。これは
TFT方式における周知の構成と同様であり、透明基板
202上には、マトリクス状にデータ線210及び走査
線が配置されており、データ線210と走査線の交点
に、TFT203及び画素電極204が配置されてい
る。これらの上方に、配向膜205が形成されており、
その上方は高速応答可能な液晶材料よりなる液晶層20
6が封入されている。液晶層206は、上下の配向膜2
05間に封入されている。また、液晶層206内には、
スペーサ208が配置されており、端部にはシール20
9が形成されている。スペーサ208、シール209、
配向膜205により、液晶層206を封入する空間が構
成されている。そして、この液晶表示パネル200に
は、カラーフィルターが設けられていない構成とされて
いる。
【0044】そして、上記液晶表示パネル200におい
ては、フィールドシーケンシャル方式によりフルカラー
の画像を表示するので、高速応答可能なものが要求され
るが、この例においては、周知の強誘電性液晶や反強誘
電液晶を用いた高速応答可能な液晶表示パネル200を
用いるものとする。また、OCB液晶を用いるものとし
ても良い。
【0045】次に、図1、図2及び図3を参照して、本
発明の実施の形態の第一例のLCDのバックライト10
0の構成を説明する。なお、図2においては、有機EL
層(103r、103g、103b)、導電性ペースト
を硬化した導電層110、110r、110g、110
bを、例えば、斜め格子状の図柄として透けた状態に図
示し、カソード104を透けた状態に図示し、図3にお
いては、有機EL層(103r、103g、103
b)、隔壁レジスト108を、例えば、斜め格子状や横
格子状の図柄として透けた状態に図示するとともに、カ
ソード104及び導電性層110、110r、110
g、110bの図示を省略している。そして、図2及び
図3は、同じ第一例のバックライト100を図示したも
のである。
【0046】図1、図2及び図3に示すように、第一例
のLCDのバックライト100は、透明基板101(例
えば、ガラス基板もしくは透明フィルム基板)上に、ス
トライプ状(帯状で互いにほぼ平行)にITO(透明電
極)からなるアノード102及びアノード102と電気
的に離間してかつアノード102と同じ材料でなるカソ
ード端子111が形成され、透明基板101上及びアノ
ード102上に、アノード102の中央が開口されてい
る開口部108aを備えた絶縁材料からなる隔壁レジス
ト108が形成されている。このアノード102に沿っ
た開口部108aにより露出されたアノード102上に
ストライプ状の有機EL層(103r、103g、10
3b)が形成され、それらの上に、隔壁レジスト108
上、並びに周縁の透明基板101上に渡って、周知の低
仕事関数の材料からなる背面電極であるカソード104
が、それぞれの段差に応じて堆積されている。そして、
一つのアノード102と該アノード102に重なる一つ
の有機EL層(103r、103g、103b)と、カ
ソード104のうちの一つの上記有機EL層(103
r、103g、103b)と重なる部分とから一つの有
機EL素子として機能する一つの有機EL領域(109
r、109g、109b)が形成されている。これによ
り、図2に示されるバックライト100には、ストライ
プ状に有機EL領域(109r、109g、109b)
が形成されている。なお、図2及び図3は、第一例のバ
ックライト100の概略を図示したものであり、実際に
は、発光色がそれぞれ赤、緑、青にされた三本の有機E
L領域(109r、109g、109b)が互いに平行
に帯状に形成されるとともに、これら三本を一組とする
有機EL領域(109r、109g、109b)が互い
に平行に多数配置されている。
【0047】各アノード102は、各発光色の有機EL
領域(109r、109g、109b)毎に長さが異な
るようにされており、各アノード102のカソード端子
111側の他方の端部はその位置が揃えられ、一方の端
部は各発光色毎に異なる位置とされ(同じ発光色のもの
は揃えられ)ている。例えば、発光色が赤の有機EL領
域109rのアノード102は、一方の端部が短く、発
光色が青の有機EL領域109bのアノード102は、
一方の端部が長く、発光色が緑の有機EL領域109g
のアノード102は、上述の二つのアノード102の間
の長さとされている。すなわち、発光色毎にアノード1
02の一方の端部の位置が変えられるとともに、同じ発
光色のアノード102の一方の端子の位置は、アノード
102の長さ方向にほぼ直交する直線上にほぼ配置され
るようになっている。そして、全てのアノード102の
側方の透明基板101上には、有機EL領域(109
r、109g、109b)の発光色の種類の数(ここで
は3つ)に対応する数のアノード端子102r、102
g、102bがITOから形成されている。
【0048】上記アノード端子102r、102g、1
02bは、アノード102及びカソード端子111を形
成する際に同時に形成されるとともに、その位置が、各
発光色毎のアノード102の一方の端部の位置に対応し
ており、同じ発光色に対応するアノード端子102r、
102g、102bと、アノード102の一方の端部が
アノード102の長さ方向にほぼ直交する線上に並んだ
状態となっている。また、隔壁レジスト108には、後
述するように、上記各アノード102の一方の端部に対
応する位置に、該端部が露出するように開口部112a
が形成されている。
【0049】そして、図2に示すように、各導電性層1
10r、110g、110bが同じ発光色に対応するア
ノード端子102r、102g、102bと接続される
とともに、開口部112aを介して同じ発光色に対応す
るアノード102の一方の端部に接続されるようになっ
ている。すなわち、発光色が赤となる有機EL領域10
9rの全てのアノード102と、発光色が赤用のアノー
ド端子102rとが導電性層110rにより短絡させら
れ、発光色が緑となる有機EL領域109gの全てのア
ノード102と、発光色が緑用のアノード端子102g
とが導電性層110gにより短絡させられ、発光色が青
となる有機EL領域109bの全てのアノード102
と、発光色が青用のアノード端子102bとが導電性層
110bにより短絡させられている。また、各導電性層
110r、110g、110bは、互いに接触しないよ
うにほぼ平行に配置されている。従って、各アノード端
子102r、102g、102b毎に、駆動制御するこ
とができるので、RGB各発光色の有機EL領域(10
9r、109g、109b)毎にオンオフしたり、また
各発光色の有機EL領域(109r、109g、109
b)毎に輝度を変えることが可能となっている。
【0050】そして、上記隔壁レジスト108は、ここ
では、ITOからなるアノード102及びカソード端子
111が形成された透明基板101上に形成されるもの
であり、全ての有機EL層(103r、103g、10
3b)が配置される部分より広い範囲に渡って形成され
ている。そして、隔壁レジスト108には、各有機EL
層(103r、103g、103b)が形成される部分
に開口部108aが複数、ストライプ状に形成されると
ともに、各アノード102の一方の端部に対応する位置
に開口部112aが形成されている。また、隔壁レジス
ト108は、例えば、周知の感光性樹脂からなり、フォ
トリソグラフィーによりパターニングされたものであ
る。そして、図1に示す隔壁レジスト108は、その厚
みL1が例えば、0.015mm(好ましくは、0.0
05mm以上)とされている。
【0051】また、上記カソード104は、隔壁レジス
ト108とその開口部108a内に形成された各有機E
L層(103r、103g、103b)上に面状に形成
されるているが、各有機EL層(103r、103g、
103b)の厚さとカソード104の厚さとの和はいず
れも隔壁レジスト108の厚さより薄いため、上記隔壁
レジスト108の開口部108aの段差により、各開口
部108a毎に分離されて互いに絶縁された状態となっ
ている。しかし、第一例では、アノード102を各有機
EL領域109毎の独立電極とし、カソード104を各
有機EL領域109の全部に渡る共通電極としているの
で、隔壁レジスト108の開口部108aの段差より厚
い導電性層110により各開口部108a内のカソード
104が互いに接続されて、実質的に同電位になってい
る。そして、透明基板101上の有機EL層(103
r、103g、103b)の他方の端部側で、かつ、該
有機EL層(103r、103g、103b)及びアノ
ード102から離間した位置にカソード端子111が形
成され、上記導電性層110と接続されている。カソー
ド端子111は外部回路と接続され、所定の電圧が供給
されている。なお、導電性層110は、周知の銀等の導
電性ペーストをコーティングして形成されたものであ
る。
【0052】また、第一例においては、有機EL層(1
03r、103g、103b)の導電性層110と重な
る他方の端部の下にアノード102が形成されていない
状態となっている。これは、導電性層110をコーティ
ングする際に、その圧力により、有機EL層(103
r、103g、103b)を挟んで対向配置されるアノ
ード102とカソード104とが短絡する可能性が僅か
でもあるのを考慮したものであり、歩留まりの向上を図
るために、導電性層110が形成される部分に、アノー
ド102を設けないものとしたものである。
【0053】また、第一例のLCDのバックライト10
0においては、有機EL層(103r、103g、10
3b)を形成するに当たって、蒸着によりパターニング
した状態で有機EL層(103r、103g、103
b)を形成するのではなく、湿式塗布により有機EL層
(103r、103g、103b)を形成するものとし
ている。そして、有機EL層(103r、103g、1
03b)中の発光層に使用される発光材料としては、低
分子系と高分子系とがあり、湿式塗布により有機EL層
(103r、103g、103b)を形成する上では、
例えば、発光層の材料として高分子系材料が用いられる
ことになる。
【0054】また、第一例において、有機EL層(10
3r、103g、103b)は、高分子導電物からなる
正孔輸送層と、電子輸送層とを有するものとなってい
る。電圧の印加に応じ正孔を輸送する正孔輸送領域であ
る正孔輸送層は、いずれも、例えば、poly(3,4)etylene
dioxythiophene(以下、PEDT)及びpolystyrenesul
phonate(以下、PSS)からなる。また、電子輸送層
は、再結合に伴い発光する領域であり、発光色に応じて
置換基が異なるpolyfluoreneまたはpolyfluoreneの誘導
体を有する。
【0055】また、上述の液晶材料以外に、例えば、上
記高分子系材料としては、ポリビニルカルバゾール、ポ
リパラフェニレン、ポリアリーレンビニレン、ポリチオ
フェン、ポリフルオレン、ポリシラン、ポリアセチレ
ン、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリピリジンビニレ
ン、ポリピロールなどが挙げられる。また、高分子材料
としては、上記高分子材料(ポリマー)を形成している
モノマーまたはオリゴマーの重合体や共重合体、或いは
モノマーまたはオリゴマーの誘導物の重合体及び共重合
体と、オキサゾール(オキサンジアゾール、トリアゾー
ル、ジアゾール)又はトリフェニルアミン骨格を有する
モノマーを重合した重合体及び共重合体を挙げることが
できる。また、これらポリマーのモノマーとしては、
熱、圧、UV、電子線などを与える事で上述の化合物を
形成し得るモノマー及びプレカーサポリマーを含むもの
である。また、これらモノマー間を結合する非共役系ユ
ニットを導入しても構わない。
【0056】高分子材料の具体的な商品としては、ポリ
ビニルカルバゾール:東京化成、ポリトデシルチオフェ
ン:Rieke社、ポリエチレンジオキシチオフェン、PS
S(ポリスチレンスルフォン酸)分散体変性物 cpp1
05:長瀬産業、ポリ9,9−ジアルキルフルオレン、
ポリ(チエニレン−9,9−ジアルキルフルオレン)、
ポリ(2,5−ジアルキルパラフェニレン−チエニレ
ン)、(ジアルキル:R=C1〜C20):DOWケミカル
社、PPV;ポリパラフェニレンビニレン、MEH−P
PV;ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ヘキ
シロキシ)−パラフェニレンビニレン)、MMP−PP
V;ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ペンチ
ロキシ)−パラフェニレンビニレン)、PDMPV ポ
リ(2,5−ジメチル−パラフェニレンビニレン)、P
TV;ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、PDMO
PV;ポリ(2,5−ジメトキシパラフェニレンビニレ
ン)、CN−PPV;ポリ(1,4−パラフェニレンシ
アノビニレン):CDT社などが挙げられる。
【0057】また、湿式塗布可能な発光層の材料は、高
分子系材料に限られるものではなく、低分子材料をポリ
マー分散して用いるものとしても良い。また、低分子材
料の性質によっては、低分子材料を溶媒に溶かした状態
で湿式塗布して使用するものとしても良い。そして、低
分子材料をポリマー分散する際のポリマーとしては、周
知の汎用ポリマーを含む各種ポリマーを状況に応じて使
用することができる。そして、低分子の発光材料(発光
物質またはドーパント)としては、アントラセン、ナフ
タレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネ
ン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリ
レン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、
ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェ
ニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダ
ジン、ビスベンゾキゾリン、ビススチリル、ピラジン、
オキシン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレ
ン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラ
ン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾ
ールキレート化オキシノイド化合物等、4−ジシアノメ
チレン−4H−ピラン及び4−ジシアノメチレン−4H
−チオピラン、ジケトン、クロリン系化合物やこれらの
誘導体が挙げられる。
【0058】そして、低分子の発光材料となる具体的商
品としては、Alq3、キナクリドン:同仁化学研究
所、Almq3(Alキノリノール錯体の誘導体):ケ
ミプロ化成クマリン6、DCM:アクロス社、ルモゲン
F:山本通商などが挙げられる。なお、発光材料は、上
述のものに限定されるものではなく、塗布により有機E
L層(103r、103g、103b)を形成すること
が可能な材料ならば良い。
【0059】そして、有機EL層(103r、103
g、103b)の形成においては、透明基板101上に
上述のように開口部108aを有する隔壁レジスト10
8を形成することにより、上記開口部108aの部分が
透明基板101上面(実際にはアノード102上面)を
底部とする溝状となる。この部分に、例えば、汎用の高
精度ディスペンサにより液状の有機EL層(103r、
103g、103b)の材料を注入するようになってい
る。すなわち、ディスペンサのニードル(針)の先端を
各開口部108aの位置に配置して開口部108a内に
液状の材料を注入する。注入時の有機EL層(103
r、103g、103b)の材料の状態は、それ自体が
溶融していても、溶剤に溶解した状態でも、溶媒内で均
一に分散された状態であってもよい。そして、このとき
に既に重合されていても、重合が開始されていても、重
合がまだ開始されていない状態でもよい。注入された有
機EL層(103r、103g、103b)の材料は、
後に硬化して有機EL層(103r、103g、103
b)となるが、その際にその厚さが硬化前に比べ薄くな
る傾向がある。隔壁レジスト108は、十分に有機EL
層(103r、103g、103b)が発光できる程度
の厚さになるように開口部108a内に液状の有機EL
層(103r、103g、103b)の材料が注入され
ても開口部108aの上からこぼれない程度の厚さに設
定して成膜されている。また、各有機EL層(103
r、103g、103b)が複数の電荷輸送層で構成さ
れている場合、例えば、全開口部108aに最初に正孔
輸送層となる同じポリマー系材料を注入する。ディスペ
ンサのニードルから注入されたポリマー系材料は、毛細
管現象により隔壁レジスト108の開口部108aに沿
って進み均一な厚さに堆積される。通常インクジェット
法で有機EL材料を吐出してマトリクス状に複数の発光
画素を形成した場合、有機EL材料がそれほど拡がらな
いため、有機ELの発光最小ピッチは、吐出した有機E
L材料の量が小さいほど短くなり、最小吐出量が多いと
発光最小ピッチが長くなり、高精細なピッチの発光領域
が形成できないが、このように、ニードルから注入され
るポリマー系材料を開口部108aに囲まれた細長いス
リット内に吐出すると、開口部108aに沿って延びる
ので吐出量に対し最小発光ピッチをより短くし、均一な
厚さにできるとともに、そのピッチを容易に一定にする
ことができる。次いで、正孔輸送層が硬化した後に、同
様に赤に発光する有機EL層103rが形成される開口
部108aと、緑に発光する有機EL層103gが形成
される開口部108aと、青に発光する有機EL層10
3bが形成される開口部108aとに、それぞれ、発光
色に対応する異なる発光層のポリマー系材料(湿式塗布
可能ならば低分子材料でも可)を注入し、各開口部10
8a内にそれぞれ均一な厚さに堆積される。そして、再
び、発光層が硬化した後に、全開口部108aに電子輸
送層となるポリマー系材料を注入して硬化させ、有機E
L層(103r、103g、103b)を形成するよう
になっている。なお、有機EL層(103r、103
g、103b)が二層からなる場合には、例えば、正孔
輸送層を形成した後に、発光層を形成せずに、発光色毎
に異なる電子輸送層を形成する。
【0060】上述のようにすることで、蒸着や、印刷方
式等を用いてストライプ状の有機EL層(103r、1
03g、103b)をパターニング形成した場合に比較
して、より細かいパターニングが可能となり(隔壁レジ
スト108のフォトリソグラフィーにおけるパターニン
グの精度に基づく)、各帯状の有機EL層(103r、
103g、103b)同士の間隔(ピッチ)を短いもの
とすることができる。なお、有機EL層(103r、1
03g、103b)のピッチを短いものとすることによ
り、視認距離が近くとも、例えば、赤の各有機EL領域
109rのみを発光させた場合、赤に発光する各有機E
L領域109rからの光が一様に重なり合い、一様な赤
の面状発光が得られる。従って、バックライト100の
厚みを極めて薄いものとすることが可能となる。なお、
隔壁レジスト108の各開口部108a毎にディスペン
サーにより有機EL層(103r、103g、103
b)の材料を注入する際には、ディスペンサによる最小
吐出精度が数μlのオーダーとなり、十分に汎用の高精
度ディスペンサーによる塗布量制御が可能である。
【0061】また、上述のように隔壁レジスト108を
使用するものとした場合に、隔壁レジスト108上に蓋
となる板体を例えば取り付けた状態もしくは押し付けた
状態とするとともに、該板体等に注入口及び排出口を形
成してもよい。そして、隔壁レジスト108の開口部1
08aが透明基板101と板体とにより上下の開口を閉
塞された状態となることにより、開口部108aを管の
内部状とし、注入口から開口部108aに有機EL層
(103r、103g、103b)の材料を注入するも
のとしても良い。このようにすれば、毛細管現象により
容易に開口部108a内に有機EL層(103r、10
3g、103b)の材料を注入することができる。
【0062】そして、図1に示されるバックライト10
0の製造方法は、上述のように、透明基板101上にI
TOによりアノード102及びカソード端子111をフ
ォトリソグラフィーにより短いピッチでパターン形成
し、次いで、隔壁レジスト108を形成後、透明基板1
01上に有機EL層(103r、103g、103b)
を隔壁レジスト108の開口部108a内に形成し、次
いで、カソード104を例えば、蒸着成膜するものであ
る。そして、隔壁レジスト108の、開口部108a
に、有機EL層(103r、103g、103b)の材
料を毛管注入する(開口部108aは、溝状であるが、
溝を形成する左右の壁の間には、毛細管現象が作用す
る)。また、有機EL層(103r、103g、103
b)の注入に際しては、その層別に行なう。例えば、正
孔輸送層、発光層、電子輸送層の順で、材料の注入、乾
燥(硬化)を繰り返し行なう。また、隔壁レジスト10
8を設けた場合には、後述するようにカソード104が
開口部108a毎に独立した(絶縁された)状態となる
ので、導電性層110により各開口部108a内のカソ
ード104同士とカソード端子111とをそれぞれ短絡
する。また、上述の有機EL層(103r、103g、
103b)の形成方法は、後述する第二例以下の液晶表
示装置におけるバックライトにも適用することができ
る。
【0063】第一例のLCDにおいては、そのバックラ
イト100によれば、有機EL素子により、低消費電力
で高い輝度を実現することができる。また、RGBに発
光する各有機EL領域(109r、109g、109
b)(有機EL層(103r、103g、103b))
をストライプ状に形成しているので、各有機EL領域
(109r、109g、109b)をモザイク状に配置
したり、各領域を分散して配置した場合に比較して、各
領域を同じ発光色毎に独立して駆動する構成としても、
容易かつ安価に製造することができる。そして、バック
ライト100は、透明基板101や封止部分等を除く素
子本体の部分が極めて薄く、元々薄型化が可能なもので
あるとともに、上述のように隔壁レジスト108を用い
て有機EL層(103r、103g、103b)を形成
するものとして、ストライプ状に配置された有機EL領
域(109r、109g、109b)のピッチを狭くす
れば、透明基板101を薄くしても均一なR・G・Bの
面状発光を得られるので、バックライト100をさらに
薄くすることができる。また、バックライト100は、
基本的に発光体の電気容量が極めて小さく、高速にスイ
ッチングする事が可能なので(例えば、有機EL素子は
100nsec以下の高速応答が可能なので)、高速に
発光色を変更する必要があるフィールドシーケンシャル
方式で駆動する液晶表示装置のバックライトとして好適
に用いることができる。
【0064】すなわち、第一例のフィールドシーケンシ
ャル方式のLCDにおいては、そのバックライトがRG
Bの発光色を高速に切り替えることができる。従って、
液晶表示パネル200としてどんなに高速駆動が可能な
ものを用いても、バックライトが十分に液晶表示パネル
200に追随して発光色を高速に切り替えることができ
る。また、バックライトが、低消費電力でかつ極めて薄
くすることが可能なので、フィールドシーケンシャル方
式のLCDを小型軽量でかつ電池による長時間駆動が可
能なものとすることができる。
【0065】また、上述のように各有機EL領域(10
9r、109g、109b)(有機EL層(103r、
103g、103b))がストライプ状とされているの
で、アノード102やカソード104をストライプ状に
形成することで、有機EL領域(109r、109g、
109b)をモザイク状に配置した場合や、有機EL領
域(109r、109g、109b)を細かく分散して
配置した場合に比較して、容易にアノード102やカソ
ード104を有機EL領域(109r、109g、10
9b)毎に独立したものとすることができる。
【0066】また、ガラス基板上で同じ発光色の有機E
L領域(109r、109g、109b)のアノード1
02が互いに接続されるとともに、同じ発光色用のアノ
ード端子102r、102g、102bに接続されるこ
とになるので、透明基板101の外側で、各発光色毎に
アノード端子102r、102g、102bを接続する
配線を必要とせず、バックライト100の構成を簡略化
できる。
【0067】なお、第一例においては、各発光色の有機
EL領域(109r、109g、109b)(有機EL
層(103r、103g、103b))の幅をほぼ同じ
ものとして、RGB各発光色の有機EL領域(109
r、109g、109b)の面積をほぼ同じものとした
が、RGB各発光色の有機EL領域(109r、109
g、109b)は、使用される発光材料により、同じ電
力で駆動されてもその輝度が異なるので、各有機EL領
域(109r、109g、109b)の発光材料に基づ
く、R・G・B各々の輝度に対応して、各有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に幅を変えてその
面積を異なるものとしても良い。
【0068】また、隔壁レジスト108の形状につい
て、第一例においては、開口部108aもストライプ状
に形成されているが、該開口部108aには、それぞ
れ、液晶材料を注入する部分に拡幅部を形成しても良
い。ここで該拡幅部とは、開口部108aの他の箇所に
比較して横方向の幅を広くされた部分である。上記拡幅
部を形成した場合には、ディスペンサーにより有機EL
層(103r、103g、103b)の材料を注入する
際に、ディスペンサーのニードルを配置する位置とする
ことができる。そして、上記拡幅部を設けることによ
り、ディスペンサーのニードル先端の位置精度を補償す
ることが可能となる。すなわち、隔壁レジスト108の
開口部108aの上記ニードル先端を配置する位置の幅
が広くなっていることにより、ニードル先端をより容易
かつ確実に開口部108aに合わせることができる。
【0069】また、開口部108aのニードルが配置さ
れる位置の幅を広くすることで、ニードルからの材料吐
出時に材料が開口部108aの外にこぼれるのを防止す
ることができる。従って、開口部108aに上記拡幅部
を設けた場合には、拡幅部を設けない場合と同様の作用
効果を奏することができるとともに、バックライト10
0の製造において歩留まりの向上を図ることができる。
【0070】また、上記例のバックライト100の透明
基板101の表面に拡散板を配置しても良い。拡散板
は、基本的に透明で、かつ、表面に細かい多数の凹凸を
有する周知のものである。また、拡散板は、例えば、断
面三角形状の山と谷とが多数連続して配置され、多数の
プリズムが形成された状態となっている。そして、この
ような拡散板においては、様々な角度で透過する光を屈
折させて、前方に向かう光の成分を増加させることが知
られている。そして、例えば、透明基板101の表面に
拡散板を貼り付けるとともに、拡散板と透明基板101
との間に周知の光学オイルが充填された状態となるよう
にしても良い。なお、光学オイルの屈折率は、透明基板
101とほぼ等しいか、透明基板101より大きいこと
が好ましい。
【0071】透明基板101の表面に拡散板を配置する
とともに、透明基板101と拡散板との間に光学オイル
を充填した場合には、バックライト100からより多く
の光を取り出すことが可能となる。
【0072】なお、透明基板101の表面に拡散板を貼
り付けるとともに、拡散板と透明基板101との間に光
学オイルを充填するものとする他に、例えば、透明基板
101の表面を加工して透明基板101の表面自体を拡
散面としても良い。また、透明基板101側に拡散面を
設けるものとするほかに、例えば、リフレクタとして作
用する背面電極の表面を拡散面としても良い。この場合
にも、バックライト100からの光の取り出し効率を向
上することができる。
【0073】次に、図4及び図5を参照して、本発明の
実施の形態の第二例の液晶表示装置を説明する。なお、
第二例の液晶表示装置は、第一例のバックライト100
の一部の構成を変更したものであり、液晶表示パネル2
00については、第一例と同様のものを用いているため
説明を省略し、ここではバックライト100Aの説明を
行う。また、第一例のバックライト100と同様の構成
要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。ま
た、図4においては有機EL層(103r、103g、
103b)、導電性層110r、110g、110b
を、例えば、斜め格子状の図柄として透けた状態に図示
し、またカソード104を透けた状態にし、図5におい
ては有機EL層(103r、103g、103b)、隔
壁レジスト114を、例えば、斜め格子状や横格子状の
図柄として透けた状態に図示するとともに、カソード1
04及び導電性層110r、110g、110bの図示
を省略している。そして、図4及び図5は、同じバック
ライト100Aを図示したものである。
【0074】図4及び図5に示される第二例のバックラ
イト100Aは、第一例と同様に、透明基板101上
に、アノード113、カソード端子111、隔壁レジス
ト114、有機EL層(103r、103g、103
b)、カソード104が形成されることにより、ストラ
イプ状に複数の有機EL領域(109r、109g、1
09b)が形成されたものである。そして、図4及び図
5は、第二例のバックライトの概略を図示したものであ
り、実際には、発光色がそれぞれ赤、緑、青にされた三
本の有機EL領域(109r、109g、109b)が
互いに平行に帯状に形成されるとともに、図2に示され
る第一例のバックライト100と同様に、これら三本を
一組とする有機EL領域(109r、109g、109
b)が互いに平行に多数配置されている。
【0075】そして、第一例と、第二例とで異なる点
は、第一例のバックライト100においては、各有機E
L領域(109r、109g、109b)のカソード1
04を一つにまとめて共通電極とし、かつ、アノード1
02を各発光色の有機EL領域(109r、109g、
109b)毎にまとめて、各発光色の有機EL領域毎に
駆動できるようにしていたのに対して、第二例の有機E
L領域においては、アノード113を一つにまとめて共
通電極とし、かつ、カソード104を各発光色の有機E
L領域(109r、109g、109b)毎にまとめ
て、各発光色の有機EL領域毎に駆動できるようにして
いることである。
【0076】そして、第二例のバックライトは、上記透
明基板101と、該透明基板101上にアノード113
(アノード端子113aを含む)、カソード配線115
r、115g、115b及びカソード端子116r、1
16g、116bがそれぞれITOから形成されてい
る。アノード113は、第一例のように各有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に形成されるので
はなく、一つのアノード113で全ての有機EL領域
(109r、109g、109b)に対応するように広
い面状に形成されて、そのまま共通電極となっている。
また、カソード配線115r、115g、115bは、
アノード113上にストライプ状に形成される各有機E
L層(103r、103g、103b)毎に一つずつ形
成されるようになっている。そして、各カソード配線1
15r、115g、115bは、アノード113から離
れた位置において、対応する各有機EL層(103r、
103g、103b)と一列になるようにそれぞれ配置
されている。
【0077】また、各カソード配線115r、115
g、115bは、そのアノード113側(有機EL層
(103r、103g、103b)側)の端部の位置
が、それぞれ、ストライプ状の有機EL層(103r、
103g、103b)とほぼ直交する方向に沿った一直
線上にほぼ配置されるように揃えられ、他方の端部の位
置が、各色の有機EL層(103r、103g、103
b)に対応するカソード毎に変えられて異なるものとさ
れている。また、同じ色の有機EL層(103r、10
3g、103b)に対応するカソード配線115r、1
15g、115b同士は、一方の端部の位置がストライ
プ状の有機EL層(103r、103g、103b)と
ほぼ直交する方向に沿った一直線上にほぼ配置されるよ
うに揃えられている。
【0078】各カソード端子116r、116g、11
6bは、透明基板101上のカソード配線115r、1
15g、115bの側方に形成されるとともに、各発光
色に対応するカソード端子116r、116g、116
bと各発光色の有機EL領域(109r、109g、1
09b)に対応するカソード配線115r、115g、
115bの一方の端部とがそれぞれ一列に並んだ状態に
配置されている。すなわち、カソード端子116r、1
16g、116bには、それぞれ赤、緑、青の各発光色
に対応するものが一つずつあり、赤用のカソード端子1
16rと全ての赤用のカソード配線115rの一方の端
部とが一列に並んで配置され、緑用のカソード端子11
6gと全ての緑用のカソード配線115gの一方の端部
とが一列に並んで配置され、青用のカソード端子116
bと全ての青用のカソード配線115bの一方の端部と
が一列に並んで配置されている。
【0079】また、透明基板101上のアノード113
とカソード配線115r、115g、115bとの間に
は、これらを区切るように、発光材料用の塗れ制御層1
17が形成されている。該塗れ制御層117は、第一例
のように隔壁レジスト114の開口部114aに有機E
L層(103r、103g、103b)の液状の材料を
注入した際に、塗れ制御層117上に液状の材料が塗れ
ないようにするものであり、一種の撥水材として機能す
るものである。
【0080】そして、塗れ制御層117の材料は、基本
的に表面エネルギーを低くする物質から構成される。そ
して、表面エネルギーを低くする物質としては、例え
ば、長鎖アルキル基、フッ素基、珪素基を有する物質を
挙げることができる。具体的に塗れ制御層117の材料
としては、テトラフルオロエチレンと少なくとも一種の
コモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得ら
れる共重合体と、共重合主鎖に環状構造物を有する含フ
ッ素共重合体と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフ
ルオロエチレンと、ジクロロジフルオロエチレンとの共
重合体と、アクリロニトリル、ステアリン酸ビニル、ス
テアリルビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、その他フッ素原子が含まれるコモノマーと、これら
と共重合可能なコモノマー、例えば(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステルや、ビニル基を有する
化合物として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルとを共重合させて得られる共重合体とが挙げられる。
また、塗れ制御層117の材料となる具体的な商品とし
ては、フッ素系として、フルオネートK−703:大日
本インキ化学工業、フロリナート:住友スリーエム、サ
イトップCTX−105A:旭硝子、フロロバリアー:
泰成商会、テフロンAF:デュポン社、PTFEグリー
ス:ニチアス、などが挙げられる。また、シリコーン樹
脂(SH200:東レシリコーンなど)を汎用ポリマー
(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂)などに
ブレンドして塗布しても良い。また、塗れ制御層117
の材料としては、上述のものに限定されるものではな
く、有機EL層(103r、103g、103b)の液
状の材料をはじいて塗布できないようにできるものなら
ば良い。
【0081】そして、アノード113、カソード配線1
15r、115g、115b、カソード端子116r、
116g、116b、塗れ制御層117が形成された透
明基板101上に、隔壁レジスト114が形成される。
隔壁レジスト114は、第一例の隔壁レジスト108と
同様に開口部114aと、開口部118aとが形成され
ている。そして、各開口部114aは、一つのアノード
113上から各カソード配線115r、115g、11
5bの他方の端部に渡って形成されている。すなわち、
開口部114aとカソード配線115r、115g、1
15bとが一対一で対応し、各開口部114aの一方の
端部とカソード配線115r、115g、115bの他
方の端部とが重なった状態とされ、各開口部114aか
らは共通電極とされたアノード113と一つのカソード
配線115r、115g、115bの他方の端部とが露
出するようになっている。
【0082】また、開口部114aのアノード113が
露出する部分と、カソード配線115r、115g、1
15bの端部が露出する部分との間に、上記塗れ制御層
117が露出するようになっている。そして、上記有機
EL層(103r、103g、103b)は、各開口部
114aに上述の発光材料を注入することにより形成さ
れるが、この際に、液状の発光材料は、開口部114a
のアノード113が露出する部分に注入される。そし
て、開口部114aに注入された発光材料は、開口部1
14a内を開口部114aに沿って流れて開口部114
a内に充填される際に、塗れ制御層117ではじかれる
ことにより、塗れ制御層117を越えてカソード配線1
15r、115g、115bの他方の端部が露出する部
分に流れこまないようにされている。
【0083】従って、有機EL層(103r、103
g、103b)は、隔壁レジスト114の開口部114
aのアノード113が露出する他方の端部から塗れ制御
層117の手前側までの間に形成され、開口部114a
から露出するカソード配線115r、115g、115
bの他方の端部上には形成されないようになっている。
一方、隔壁レジスト114の開口部118aは、第一例
の場合のアノード102の一方の端部に変えて各カソー
ド配線115r、115g、115bの一方の端部が露
出するようになっている。そして、各カソード配線11
5r、115g、115bの一方の端部の配置位置に対
応して開口部118aの位置が決められている。
【0084】上記カソード104は、隔壁レジスト11
4の外周より内側に隔壁レジスト114の開口部114
aの大部分を覆うように形成されている(なお、塗れ制
御層117より隔壁レジスト114の開口部118aが
形成されている側には、カソード104を形成しないよ
うになっている)。そして、各開口部114a内のカソ
ード104の厚さと有機EL層(103r、103g、
103b)の厚さとの和は、隔壁レジスト114の厚さ
より薄いため、上述のように隔壁レジスト114の各開
口部114aの部分とそれ以外の隔壁の部分との段差に
より、開口部114aで各開口部114a内のカソード
104は電気的に断線した状態に形成され、各開口部1
14a内のカソード104は、他のカソード104の部
分と短絡しておらず、各開口部114a部分毎に独立し
た電極となっている。そして、各開口部114a内にお
いては、アノード113が露出する部分で、アノード1
13とカソード104とが間に有機EL層(103r、
103g、103b)を介在させた状態で対向させら
れ、カソード配線115r、115g、115bの他方
の端部が露出する部分で、カソード配線115r、11
5g、115bとカソード104が直接接触して短絡し
た状態となっている。従って、各開口部114a毎、す
なわち、各有機EL領域(109r、109g、109
b)毎に独立したカソード104が、それぞれ別のカソ
ード配線115r、115g、115bに接続されてい
る。
【0085】そして、同じ発光色の有機EL領域(10
9r、109g、109b)に対応するカソード配線1
15r、115g、115bが露出した複数の開口部1
18a上から、カソード端子116r、116g、11
6b上にわたって、隔壁レジスト114より厚い帯状の
導電性層110r、110g、110bがそれぞれ連続
して形成されるようになっている。ここで、導電性層1
10r、110g、110bは、隔壁レジスト114よ
り厚く形成されているので、導電性層110rが、発光
色が赤の有機EL領域109rに接続される全てのカソ
ード配線115rと開口部118aで接続されるととも
にカソード端子116rに接続され、導電性層110g
が、発光色が緑の有機EL領域109gに接続される全
てのカソード配線115gと開口部118aで接続され
るとともにカソード端子116gに接続され、導電性層
110bが、発光色が青の有機EL領域109bに接続
される全てのカソード配線115bと開口部118aで
接続されるとともにカソード端子116bに接続されて
いる。
【0086】従って、各有機EL層(103r、103
g、103b)は、共通電極とされたアノード113
と、隔壁レジスト114の開口部114aの部分の段差
により各有機EL領域(109r、109g、109
b)毎に独立した電極とされたカソード104とに挟ま
れた状態とされているので、各有機EL領域(109
r、109g、109b)は、個別に駆動されるように
なっている。また、独立したカソード104は、開口部
114aの一方の端部内において、各有機EL領域(1
09r、109g、109b)毎に設けられたカソード
配線115r、115g、115bに短絡させられてい
る。
【0087】一方、開口部114a内には、ぬれ制御層
117上にも連続して形成されるのでカソード104が
一体に導通した状態で形成されており、有機EL層(1
03r、103g、103b)を挟んでアノード113
と対向したカソード104と、カソード配線115r、
115g、115bとが導通した状態となっている。す
なわち、開口部114a内のカソード104とカソード
配線115r、115g、115bとを導電性ペースト
層を用いずに導通することができる。
【0088】そして、各カソード配線115r、115
g、115bは、隔壁レジスト114の開口部118a
において、同じ発光色の有機EL領域(109r、10
9g、109b)に導電性層110r、110g、11
0bにより短絡させられるとともに、各発光色毎に一つ
ずつ形成されたカソード端子116r、116g、11
6bに、それぞれ、発光色に対応する導電性層110
r、110g、110bが一対一で短絡させられた状態
となっている。従って、各カソード端子116r、11
6g、116b毎に駆動電圧(電流)を変えることによ
り、R・G・B各発光色の有機EL領域(109r、1
09g、109b)をオンオフすることで、順次R・G
・Bの面状発光を得ることが可能となっている。
【0089】以上のような構成の第二例のバックライト
100Aによれば、第一例の場合と同様の作用効果を得
られる。また、カソード104は、特に各有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に独立して形成さ
れるように微細にパターニングしなくとも、開口部11
4aを有する隔壁レジスト114により、各有機EL領
域(109r、109g、109b)に独立した形状と
することができるので、カソード104を極めて容易に
各有機EL領域(109r、109g、109b)に独
立した形状とすることができる。また、アノード113
も共通電極とされることで微細なパターニングを必要と
しない。従って、透明基板上への電極の形成を容易なも
のとすることができる。また、隔壁レジスト114の開
口部114a内に表面エネルギーの低い塗れ制御層11
7を設けることにより、有機EL領域(109r、10
9g、109b)内のカソード104を容易に外部と接
続することができる。なお、第二例においても、開口部
114aに拡幅部を形成するものとしても良い。また、
透明基板101上に、各発光色毎のカソード端子116
r、116g、116bを設けずに、各有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に、カソード端子
を設けるものとしても良い。また、第二例において、上
記塗れ制御層117を設ける代わりに、隔壁レジスト1
08の開口部108aの塗れ制御層117が配置される
部分にボトルネック状に開口部108aの幅を狭くした
挟幅部を設けるものとしても良い。このようにすれば、
開口部108a内のアノード113が露出する部分に有
機EL層(103r、103g、103b)の材料を注
入した際に、ボトルネックとなる挟幅部から先に材料が
流入しづらい状態となり、上記塗れ制御層117を設け
なくとも、塗れ制御層117を設けたのと同様の作用効
果を得ることができる。
【0090】次に、図6及び図7を参照して、本発明の
実施の形態の第三例の液晶表示装置を説明する。なお、
第三例の液晶表示装置は、第二例の液晶表示装置と同様
に、第一例のバックライト100の一部の構成を変更し
たものであり、液晶表示パネルについては、第一例と同
様のものを用いているため説明を省略し、ここではバッ
クライト100Bの説明のみ行う。また、第二例のバッ
クライト100Aと同様の構成要素には、同一の符号を
付してその説明を省略する。また、図6においては有機
EL層(103r、103g、103b)、導電性層1
10r、110g、110bを、例えば、斜め格子状の
図柄として透けた状態に図示し、カソード104を透け
た状態にし、図7においては有機EL層(103r、1
03g、103b)、隔壁レジスト120を、例えば、
斜め格子状や横格子状の図柄として透けた状態に図示す
るとともに、カソード104及び導電性層110r、1
10g、110bの図示を省略している。そして、図6
及び図7は、同じバックライト100Bを図示したもの
である。
【0091】図6及び図7に示される第三例のバックラ
イト100Bは、第一例と同様に、透明基板101上
に、アノード113、カソード端子122r、122
g、122b、カソード配線121r、121g、12
1b、隔壁レジスト120、有機EL層(103r、1
03g、103b)、カソード104、塗れ制御層11
7、及び後述する低抵抗配線119が形成されることに
より、ストライプ状に複数の有機EL領域(109r、
109g、109b)が形成されたものである。また、
第二例の液晶表示装置と同様に、透明基板101上に
は、塗れ制御層117が形成されている。そして、図6
及び図7は、第三例のバックライト100Bの概略を図
示したものであり、実際には、発光色がそれぞれ赤、
緑、青にされた三本の有機EL領域(109r、109
g、109b)が互いに平行に帯状に形成されるととも
に、図2に示される第一例のバックライト100と同様
に、これら三本を一組とする有機EL領域(109r、
109g、109b)が互いに平行に多数配置されてい
る。
【0092】また、第三例のLCDのバックライト10
0Bは、第二例のLCDのバックライト100Aと同様
に、アノード113側を一つにまとめて共通電極とし、
かつ、カソード104を各発光色の有機EL領域(10
9r、109g、109b)毎にまとめて、各発光色の
有機EL領域毎に駆動できるようにしている。カソード
側の配線のとりまとめは、基本的には第二例のものと同
様であり、配線の具体的な説明は省略するが、カソード
配線121r、121g、121b及びカソード端子1
22r、122g、122bに使用する材料が第二例と
異なっている(後述する)。第三例と第二例の異なると
ころは、第一に、アノード113側からの電力の供給に
関して低抵抗配線119が設けられている点であり、第
二に、第二例の液晶表示装置においては、カソード配線
121r、121g、121b及びカソード端子122
r、122g、122bは、ITOから形成されていた
のに対して、第三例の液晶表示装置においては、後述す
る低抵抗な導電材からなる金属膜により形成されている
点である。
【0093】図6、図7に示すように、第三例のバック
ライトは、透明基板101上に、四角面状にITO(透
明電極)からなるアノード113が形成されている。な
お、アノード113は、図6、7において、後述する低
抵抗配線119と接続されており、低抵抗配線119と
重なる部分と、低抵抗配線119と重ならずに後述する
有機EL層(103r、103g、103b)が上に堆
積される部分と、からなる。また、アノード113は、
後述する有機EL層(103r、103g、103b)
が配置される部分全体を含む範囲で形成される。
【0094】そして、アノード113が形成された透明
基板101上には、図6に示すように、低抵抗配線11
9と、各有機EL領域(109r、109g、109
b)毎のカソード104部分を各発光色の有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に外部に接続させ
るための三つのカソード端子122r、122g、12
2bと、各有機EL領域(109r、109g、109
b)毎のカソード104部分にそれぞれ接続され、導電
性層110r、110g、110bにより、各発光色の
有機EL領域(109r、109g、109b)毎にま
とめられてカソード端子122r、122g、122b
に接続されるカソード配線121r、121g、121
bとが形成されている。低抵抗配線119、カソード端
子122r、122g、122b、カソード配線121
r、121g、121bは、例えば、アルミニウム、ネ
オジムまたはクロム等の金属単体或いはこれらのうち少
なくとも1つを含む合金からなる低抵抗な導電材からな
る金属膜を一括してパターニングすることにより得られ
ている。
【0095】上記低抵抗配線119は、アノード113
を外部に接続するアノード端子119aと、アノード1
13上に該アノード113と直接重なって短絡した状態
に形成された複数の低抵抗配線部119bとからなるも
のである。そして、低抵抗配線部119bは、アノード
113上において、有機EL層(103r、103g、
103b)と互いにほぼ排他的に形成されており、有機
EL層(103r、103g、103b)がストライプ
状に形成されていることから、ストライプ状の有機EL
層(103r、103g、103b)の間にストライプ
状に低抵抗配線部119bが形成されている。また、低
抵抗配線部119bは、アノード端子119a側(カソ
ード配線121r、121g、121bの反対側)でス
トライプ状の部分が一体にまとめられた状態となってお
り、実際には、櫛歯状に形成され、各櫛歯間に、有機E
L層(103r、103g、103b)が形成されるよ
うになっている。
【0096】なお、低抵抗配線部119bと有機EL層
(103r、103g、103b)との境界部分におい
ては、低抵抗配線部119bがカソード104と接続し
てなければ、低抵抗配線部119bと有機EL層(10
3r、103g、103b)との間に間隙があるものと
しても良いし、低抵抗配線部119bと有機EL層(1
03r、103g、103b)とが接触しているものと
しても良いし、低抵抗配線部119bと有機EL層(1
03r、103g、103b)とが僅かに重なっている
ものとしても良い。そして、アノード端子119aと低
抵抗配線部119bとは、低抵抗配線119として一体
に導通した状態で形成されている。
【0097】上記低抵抗配線119、カソード端子12
2r、122g、122b及びカソード配線121r、
121g、121bは、同じ材料からなり、同一工程で
一緒に形成されることになる。なお、低抵抗配線11
9、カソード端子122r、122g、122b及びカ
ソード配線121r、121g、121bは、例えば、
金属を蒸着により成膜することで形成されるが、その他
の方法で形成されるものとしても良く、ITOより低抵
抗で、かつ厚さ方向に酸化されにくい導電材料から形成
されていれば良い。
【0098】また、上記透明基板101上には、塗れ制
御層117が形成されている。上記塗れ制御層117
は、カソード配線121r、121g、121bと、ア
ノード113並びにアノード113上の低抵抗配線11
9との間に露出する透明基板101上に帯状に形成され
て、カソード配線121r、121g、121bと、ア
ノード113並びに低抵抗配線119とを区切るように
なっている。なお、塗れ制御層117は、後述するよう
に上述の配置位置において、隔壁レジスト120の開口
部120aから露出する部分だけ形成されていれば良
く、必ずしも連続する帯状に形成されていなくとも良
い。
【0099】そして、上述のように、アノード113、
低抵抗配線119、カソード端子122r、122g、
122b、カソード配線121r、121g、121b
及び塗れ制御層117が形成された透明基板101上
に、隔壁レジスト120が形成される。隔壁レジスト1
20は、例えば、感光性樹脂からなるものであり、フォ
トリソグラフィーによりパターン形成されるものである
が、絶縁性で、かつ、後述する以上の厚みを有するもの
ならば良い。
【0100】そして、隔壁レジスト120は、上述のア
ノード113、低抵抗配線119のうちの低抵抗配線部
119b、カソード配線121r、121g、121b
の全てを覆うように面状に形成されている。なお、低抵
抗配線119のうちのアノード端子119a及びカソー
ド端子122r、122g、122bは、隔壁レジスト
120から露出している。また、隔壁レジスト120に
は、第二例と同様に、開口部120aが形成されている
のと同時に、各カソード配線121r、121g、12
1bの他方の端部の位置に、開口部123aが形成され
ている。
【0101】そして、図6、図7に示されるバックライ
トの製造方法は、透明基板101上にITOからなるア
ノード113を形成し、次いで、例えば、蒸着等により
金属膜からなる低抵抗配線119、カソード端子122
r、122g、122b及びカソード配線121r、1
21g、121bをパターン形成する。また、透明基板
101上に塗れ制御層117を形成する。次に、アノー
ド113が露出するような開口部120a及びカソード
端子122r、122g、122bに接続するためにカ
ソード配線121r、121g、121bの一方の端部
が露出されるような開口部123aを有する隔壁レジス
ト120をフォトリソグラフィーによりパターン形成す
る。次いで、隔壁レジスト120の開口部120aに、
有機EL層(103r、103g、103b)のうち、
正孔輸送層(赤に発光する領域)、正孔輸送層(緑に発
光する領域)、正孔輸送層(青に発光する領域)となる
材料を注入して固化後、それらの上にそれぞれ電子輸送
層(赤に発光する領域)、電子輸送層(緑に発光する領
域)、電子輸送層(青に発光する領域)を注入し同様に
固化させて有機EL層(103r、103g、103
b)を形成する。次いで、カソード104を例えば、蒸
着成膜する。なお、第三例においては、隔壁レジスト1
20が、アノード113及び低抵抗配線部119bとカ
ソード104との間の有機EL層(103r、103
g、103b)が介在していない部分において、アノー
ド113及び低抵抗配線部119bとカソード104と
の間を絶縁する膜として機能している。
【0102】以上のような構成の第三例のバックライト
によれば、第一例と第二例の場合と同様の作用効果を得
られると同時に、アノード113側に低抵抗配線119
が形成されていることにより、以下の作用効果を得るこ
とができる。すなわち、アノード113として光透過率
が高く、かつ、抵抗値が高いITOを用いているので、
発光面を広いものとした場合に、電源との接続部からの
距離が長くなるほど高い抵抗値を示すので、電源との接
続部から近い部分と、遠い部分とでは、有機EL層を流
れる電流量が異なり、場所によって輝度のばらつきがで
る可能性がある。しかし、各有機EL層(103r、1
03g、103b)に沿って配置されるとともに、ほと
んどの部分でアノード113と短絡する低抵抗配線部1
19bを設け、該低抵抗配線部119bに外部の電源と
接続されるアノード端子119aを接続しているので、
発光面内の各有機EL層(103r、103g、103
b)の各位置においては、その位置の近傍のアノード1
13部分まで低抵抗配線119側を流れた電流がアノー
ド113を介して有機EL層(103r、103g、1
03b)に流れることになり、発光面の位置によって、
有機EL層(103r、103g、103b)に流れる
電流が大きく異なることがなく、発光面の各位置におけ
る輝度を均質化することができる。従って、バックライ
トの発光面の各位置における輝度をより均質化できると
ともに、バックライトの発光面を大型化しても、発光面
内で輝度にばらつきが生じるのを防止することができ
る。なお、この第三例においては、第二例の場合と同様
に、各有機EL領域(109r、109g、109b)
の発光材料に基づく輝度に対応して、各有機EL領域
(109r、109g、109b)毎に幅を変えてその
面積を異なるものとしても良い。また、隔壁レジスト1
20の開口部120aには、第二例の場合と同様に、該
開口部の幅を狭くした狭幅部を形成しても良い。また、
上記多層配線を構成するカソード端子122r、122
g、122b及びカソード配線121r、121g、1
21bは、低抵抗配線119を形成する際と同時に形成
することができる。
【0103】次に、図8、図9及び図10を参照して、
本発明の実施の形態の第四例の液晶表示装置を説明す
る。なお、第四例の液晶表示装置は、第二例の液晶表示
装置と同様に、第一例のバックライト100の一部の構
成を変更したものであり、液晶表示パネルについては、
第一例と同様のものを用いているため説明を省略し、こ
こではバックライト100Cの説明のみ行う。また、第
二例または第三例のバックライト100A、100Bと
同様の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省
略する。また、図8においては有機EL層(103r、
103g、103b)、導電性層110r、110g、
110bを、例えば、斜め格子状の図柄として透けた状
態に図示し、カソード104を透けた状態に図示し、図
9においては有機EL層(103r、103g、103
b)、隔壁レジスト125を、例えば、斜め格子状や横
格子状の図柄として透けた状態に図示するとともに、カ
ソード104及び導電性層110r、110g、110
bの図示を省略している。そして、図8、図9及び図1
0は、同じ第四例のバックライト100Cを図示したも
のである。
【0104】図8、図9及び図10に示される第四例の
バックライト100Cは、第一例と同様に、透明基板1
01上に、アノード124、カソード端子129r、1
29g、129b、カソード配線128r、128g、
128b、隔壁レジスト125、有機EL層(103
r、103g、103b)、カソード104、塗れ制御
層117が形成されることにより、ストライプ上に複数
の有機EL領域(109r、109g、109b)が形
成されたものである。そして、図8及び図9は、第四例
のバックライト100Cの概略を図示したものであり、
実際には、発光色がそれぞれ赤、緑、青にされた三本の
有機EL領域(109r、109g、109b)が互い
に平行に帯状に形成されるとともに、図2に示される第
一例のバックライト100と同様に、これら三本を一組
とする有機EL領域(109r、109g、109b)
が互いに平行に多数配置されている。
【0105】また、第四例の液晶表示装置は、第三例の
液晶表示装置と同様に、後述する低抵抗な導電材からな
る金属膜により形成されるカソード104を、各発光色
の有機EL領域(109r、109g、109b)毎に
まとめて、各発光色の有機EL領域毎に駆動できるよう
にしている。カソード側の構成は、第三例のものと同様
であり説明は省略する。なお、上記のカソードに用いる
低抵抗な導電材からなる金属膜は、第三例の低抵抗配線
において使用したものである。そして、第四例と第三例
の異なるところは、第三例では、有機EL層(103
r、103g、103b)に接続されているアノード側
の電極としてITOを用い、有機EL層(103r、1
03g、103b)全体に均一に電力を供給するため
に、補助的に低抵抗配線119(低抵抗な導電材からな
る金属膜)を用いていたのに対して、第四例では、アノ
ード側の電極は、上記低抵抗な導電材からなる金属膜の
みから形成している点である。また、有機EL層(10
3r、103g、103b)は、図10に示すように、
有機EL層103rは高分子導電物からなる正孔輸送層
103rhと電子輸送層103reとからなり、有機E
L層103gは高分子導電物からなる正孔輸送層103
ghと電子輸送層103geとからなり、有機EL層1
03bは高分子導電物からなる正孔輸送層103bhと
電子輸送層8beとからなる。電圧の印加に応じ正孔を
輸送する正孔輸送領域である正孔輸送層103rh、1
03gh、103bhはいずれも、上述のPEDT及び
PSSからなり、シート抵抗が108Ω/□以下、望ま
しくは107Ω/□以下であり正孔注入領域を兼ねてい
る。電子輸送層103re、103ge、103be
は、再結合に伴い発光する領域であり、発光色に応じて
置換基が異なるpolyfluoreneまたはpolyfluoreneの誘導
体を有する。なお、液晶材料として第一例と同様に他の
材料を用いるものとしても良い。
【0106】図8、図9及び図10に示すように、第四
例のバックライト100Cは、透明基板101(例え
ば、ガラス基板もしくは透明フィルム基板)上に、金属
膜等の低抵抗な導電材からなるアノード124と、各有
機EL領域(109r、109g、109b)毎のカソ
ード104部分を各発光色の有機EL領域(109r、
109g、109b)毎に外部に接続させるための三つ
のカソード端子129r、129g、129bと、各有
機EL領域(109r、109g、109b)毎のカソ
ード104部分にそれぞれ接続され、後述する導電性層
110r、110g、110bにより、各発光色の有機
EL領域(109r、109g、109b)毎にまとめ
られてカソード端子129r、129g、129bに接
続されるカソード配線128r、128g、128bと
が形成されている。
【0107】上記アノード124は、アノード端子12
4aと、この一例において同じ金属膜から一体に形成さ
れた櫛歯状の正孔注入配線部124bとを有する。ま
た、カソード端子129r、129g、129b及びカ
ソード配線128r、128g、128bも、アノード
124と同じ金属膜から形成されている。そして、アノ
ード124、カソード端子129r、129g、129
b及びカソード配線128r、128g、128bは、
上記金属膜を一括してパターニングすることにより得ら
れている。
【0108】そして、アノード124の正孔注入配線部
124bは、有機EL層(103r、103g、103
b)と互いにほぼ排他的に形成されており、有機EL層
(103r、103g、103b)がストライプ状に形
成されていることから、ストライプ状の有機EL層(1
03r、103g、103b)の間にストライプ状に形
成されている。また、アノード124は、アノード端子
124a側(カソード配線128r、128g、128
bの反対側)でストライプ状の部分が一体にまとめられ
た状態となっている。
【0109】そして、アノード124と有機EL層(1
03r、103g、103b)との境界部分において
は、アノード124と有機EL層(103r、103
g、103b)とが僅かに重なっている。すなわち、ス
トライプ状、すなわち、線状に近い帯状の各有機EL層
(103r、103g、103b)の左右の有機EL層
(103r、103g、103b)の長さ方向に沿った
側縁部が、正孔注入配線部124bと重なった状態とな
っている。そして、有機EL層(103r、103g、
103b)の左右両側縁部を除く中央部分は、アノード
124と重ならずに透明基板101上に直接形成された
状態となっている。
【0110】上記アノード124、カソード端子129
r、129g、129b及びカソード配線128r、1
28g、128bは、上述のように同じ材料から形成さ
れ、これらは、一つの金属膜をパターン形成することに
より、ほぼ同時に形成されているので、アノード12
4、アノード端子124a、カソード端子129r、1
29g、129b及びカソード配線128r、128
g、128bは、同一工程で一緒に形成されることにな
る。なお、アノード124、カソード端子129r、1
29g、129b及びカソード配線128r、128
g、128bは、例えば、金属を蒸着により成膜するこ
とで形成されるが、その他の方法で形成されるものとし
ても良い。
【0111】そして、隔壁レジスト125は、上述のア
ノード124及びカソード配線128r、128g、1
28bを覆うように面状に形成されている。なお、アノ
ード端子124a及びカソード端子129r、129
g、129bは、隔壁レジスト125に覆われないよう
になっている(一部が外部と接続するために露出してい
る必要がある)。隔壁レジスト125は、その厚みL1
が例えば、0.015mm(好ましくは、0.005m
m以上)とされ、各有機EL層(103r、103g、
103b)のピッチL2が0.1mm程度とされ、各有
機EL層(103r、103g、103b)の幅L3が
0.06mm程度とされ、有機EL層(103r、10
3g、103b)同士の間隔L4(隔壁レジストの隔壁
の幅)が0.04mm程度とされる。また、隔壁レジス
ト125の開口部125a…のピッチも0.1mm程度
であり、アノード124のピッチも0.1mm程度と設
定されている。
【0112】上記正孔注入配線部124bは、正孔輸送
層のシート抵抗が108Ω/□以下と低く、かつ正孔輸
送性に優れているため、開口部125aに埋設された電
子輸送層に電子を注入するカソード104と、正孔輸送
層を介して完全に重なるような構成でなくてもよい。す
なわち正孔注入配線部124bは、正孔輸送層と部分的
に接続されていれば発光面に対し重ならなくていいた
め、有機EL層(103r、103g、103b)から
発せられた光は、その多くが正孔注入配線部124bを
介することなく直接透明基板101に出射することがで
きるため、従来のようにアノード電極での光吸収による
光の減衰を抑制することができるとともに、アノード1
24に適用される上記金属膜が、有機EL層(103
r、103g、103b)から発せられた光に対して高
い透過率を示す必要もない。また正孔輸送層の低シート
抵抗性は、それ自体アノード電極として機能することを
意味しており、アノード124に適用される上記金属膜
が正孔注入性の観点から仕事関数が高くなければならな
いといった問題も解消するため、上記金属膜は、材料の
抵抗率が2.0×10-4Ωcm以下でシート抵抗が10
Ω/□以下であればよく、金属膜の材料の選択性にも優
れている。アノード124に適用される金属膜として
は、例えば、アルミニウム、チタン、タングステン、ネ
オジムまたはクロム等の金属単体或いはこれらのうちの
少なくとも1つを含む合金やITOのような透明金属か
らなるものが用いられる。ただしITOは、抵抗率が
1.6×10-4Ωcm程度と比較的高いため、シート抵
抗を低くするためには、厚く成膜しなければならず、ス
ループットが低くなる。また、有機EL素子を広い面状
発光体を形成しようとすると、透明電極であるITOの
面積が増えると、ITOの電源との接続部分と、該接続
部分と最も離れた部分との距離が大きくなり、これらの
部分では、有機EL層に流れる電流量に差が生じる。従
って、有機EL素子からなる面状発光体をあまり大きな
ものとすると、面状発光体の位置によって輝度に明らか
な差が生じる可能性があった。さらに、透明基板として
は、可撓性、柔軟性を有する透明フィルム基板が用いら
れる場合があり、このような透明フィルム基板に有機E
L素子を形成するものとすれば、その可撓性、柔軟性に
基づいて、有機EL素子の応用範囲を広げることができ
る可能性がある。しかし、ITOは、脆性が高く、透明
フィルム基板を鋭い角度で曲げたり、何度も曲げたりす
ると、ITOが破損する可能性があり、透明基板を透明
フィルム基板としても、その特性を十分に生かすことが
できなかった。また、製造時においては、柔らかい透明
フィルム基板上に、硬くて脆弱なITOを形成するのが
難しく、歩留まりの低下を招く恐れがある。また、バッ
クライトの製造時に表面にITOが形成された透明フィ
ルム基板をロール状に丸めたりした場合にも、歩留まり
の低下を招く恐れがある。
【0113】このため、アノード124に適用される金
属膜は、むしろ1.0×10-5Ωcm以下の金属単体ま
たは合金がより望ましく、延性、展性に優れていればさ
らに望ましい。そして、光の利用効率の観点から有機E
L層(103r、103g、103b)から発せられた
光に対し反射率の高いものの方が望ましい。このような
構造のバックライトでは、幅L3が0.06mm程度と
短く、正孔注入領域である正孔輸送層のシート抵抗が1
8Ω/□以下なので、正孔注入配線部124bと部分
的に重なっているだけでも、正孔を正孔輸送層のほぼ全
面から電子輸送層に輸送することができるため、有機E
L層(103r、103g、103b)のほぼ全面で発
光することができる。したがって、正孔注入配線部12
4bは、電圧の印加に応じ電荷を輸送する電荷輸送領域
である正孔輸送層全面に接触しなくても十分発光するの
で、従来のようなアノードによる光の吸収損失を抑える
ことができる。
【0114】そして、図8、図9及び図10に示される
バックライト100Cの製造方法は、透明基板101上
に、例えば、蒸着等によりアルミニウム、チタン、タン
グステン、ネオジムまたはクロム等の金属単体或いはこ
れらのうちの少なくとも1つを含む合金やITOのよう
な透明金属等の低抵抗の金属膜からなるアノード12
4、アノード端子124a、カソード端子129r、1
29g、129b及びカソード配線128r、128
g、128bをフォトリソグラフィーによりパターン形
成する。この後、0.6〜0.8Torr、250W、1
3.56MHzで酸素プラズマ洗浄を行う。アルミニウ
ム等は表面に極薄い酸化膜が成膜されることがあるが、
初期電圧を印加すると酸化膜が絶縁破壊し、電流を流す
ことができるので十分駆動することができる。また、透
明基板101上に塗れ制御層117を形成する。次に、
隔壁レジスト125をフォトリソグラフィーによりパタ
ーン形成する。次いで、隔壁レジスト125の開口部1
25aに、有機EL層(103r、103g、103
b)のうち、正孔輸送層となるPEDT及びPSSの混
合物溶液をインクジェットやニードルにより注入して1
10℃で10分程度加熱して固化後、それらの上にそれ
ぞれ発光色に応じて置換基が異なるpolyfluoreneの誘導
体を有する電子輸送層を注入し40〜60℃で1.0〜
1.5時間加熱して固化させて有機EL層(103r、
103g、103b)を形成する。成膜された正孔輸送
層はいずれもシート抵抗が108Ω/□以下、望ましく
は107Ω/□以下になっている。次いで、300Å程
度のカルシウム層及び6000Å〜10000Å程度の
アルミニウム層を順次真空蒸着してカソード104を形
成する。なお、第一例においては、隔壁レジスト125
が、アノード124とカソード104との間の有機EL
層(103r、103g、103b)が介在していない
部分において、アノード124とカソード104との絶
縁膜として機能している。また、隔壁レジスト125を
用いた場合には、注入された有機EL層(103r、1
03g、103b)の材料は毛細管現象により開口部1
25a全域に拡散する(開口部125aは、溝状である
が、溝を形成する左右の壁の間には、毛細管現象が作用
する)。このため、有機EL層(103r、103g、
103b)を極めて薄い膜厚にすることができる。
【0115】この第四例のバックライト100Cにおい
ては、アノード124としてITOより抵抗率の低い金
属膜を適用することが望ましい。そして、アノード12
4は、有機EL層(103r、103g、103b)の
両側縁部の部分でほぼ線状に重なるようになっている。
そして、有機EL層(103r、103g、103b)
の両側縁部を除く中央部分は、直接透明基板101と接
触するようになっている。すなわち、透明基板101側
からみれば、有機EL層(103r、103g、103
b)の発光面となる部分の左右両側縁部がアノード12
4に覆われた状態となっているが、有機EL層(103
r、103g、103b)の左右両側縁部を除く大部分
は、アノード124から露出した状態となっている。
【0116】以上のような構成の第四例のバックライト
100Cによれば、第一例から第三例の場合と同様の作
用効果を得られると同時に、以下の作用効果を得ること
ができる。そして、アノード124とカソード104と
の間に電圧を印加した場合には、アノード124とカソ
ード104との間の有機EL層(103r、103g、
103b)に電流が流れることになるが、この際に、元
々有機EL層(103r、103g、103b)が細い
帯状であり、正孔輸送層のシート抵抗が108Ω/□以
下となっているので、その両側縁部がアノード124に
接触した状態でアノード124とカソード104との間
に電圧を印加した場合に、有機EL層(103r、10
3g、103b)のほぼ全体に電流が流れた状態とな
り、有機EL層(103r、103g、103b)のほ
ぼ全体が発光することになる。また、本発明は、基本的
に線状(帯状)の多数の光源からの光を混ぜて、高輝度
のR・G・B各々の面状発光を得ることを目的としてお
り、各有機EL層(103r、103g、103b)の
長さ方向に直交する方向においては、明暗が繰り返され
る構成となっているとともに、有機EL層(103r、
103g、103b)の幅は、もともと極めて狭いもの
とされている。従って、有機EL層(103r、103
g、103b)の左右側縁部が不透明なアノード124
に重なっていても特に問題がない。
【0117】そして、アノード124から露出する有機
EL層(103r、103g、103b)の大部分から
の発光は、そのまま透明基板101側に放射されること
になる。この際に、有機EL層(103r、103g、
103b)からの発光は、従来のように透明基板101
に比較して、光透過率の高くないITOを透過すること
がないので、出射した光はITOによる減衰分だけ光束
が増大する。
【0118】有機EL層(103r、103g、103
b)の長さ方向の輝度のばらつきについては、アノード
124として、抵抗率が高いITOを用いた場合より
も、より抵抗率の低い金属膜を用いた方が少なくするこ
とができる。すなわち、抵抗率が高いITOを広い面状
もしくは長い帯状の電極として用いた場合には、位置に
よって流れる電流値が大きく異なって輝度にばらつきが
でる可能性があるが、抵抗率が1×10-5Ωcm以下の
金属膜ならば、同じ膜厚でも位置によって流れる電流量
が大きく異なるようなことがなく、より輝度を均一にす
ることができる。
【0119】また、アノード124としてITOを用い
ずに金属膜を用いられるようになれば、金属膜は、一般
にITOに比較して強度が高く、かつ、柔軟性を有する
ので、脆性が高いITOを用いた場合よりも、歩留まり
の向上を図ることができる。また、透明基板101を柔
軟性が高い透明フィルム基板とした場合に、硬くて、脆
性が高いITOとの相性が悪く、柔軟性が高い透明フィ
ルム基板の特性を生かした製造方法や使用方法を用いる
ことが困難なものとなるが、アノード124としてIT
Oを用いずに、金属膜を用いられれば、金属膜は、ある
程度の柔軟性を有し、強度が高いので、透明フィルム基
板の特性を生かした製造方法及び使用方法を用いること
ができる。また、透明基板101を透明フィルム基板と
した際の歩留まりの向上を図ることができる。
【0120】また、第二例と同様に、上記例のバックラ
イトの透明基板101の表面に拡散板を配置しても良
い。この際には、第二例と同様な作用効果が得られるの
と同時に、第四例においては、特に正孔注入配線部12
4bをITO以外の光反射性の金属膜で形成すれば、正
孔輸送層全面に亘ってITOが形成されていないので、
有機EL層(103r、103g、103b)から放射
された光は、反射を繰り返す間にITOで吸収されてし
まうことがなく、この変形例のように拡散板を用いた場
合には、従来のバックライトに拡散板を設けた場合より
も、輝度をより高めることができる。なお、例えば、透
明基板101の表面を加工して透明基板101の表面自
体を拡散面としても良い。またさらに、リフレクタとし
て作用する背面電極の表面を拡散面としても良い。ま
た、この際に、金属膜からなるアノード124がリフレ
クタとして機能する場合には、アノード124の表面を
拡散面としても良い。すなわち、本発明のバックライト
において、リフレクタとして機能する部分を拡散面とす
ればよい。この場合には、上述のようにアノード124
としての透過率の低いITOが存在しないことにより、
繰り返し反射した際の光の減衰率を低下させることがで
きるので、繰り返し反射させて光を取り出す際の光の減
衰が減少されてより多くの光を取り出すことができる。
【0121】次に、図11及び図12を参照して、本発
明の実施の形態の第五例のLCDを説明する。なお、第
五例のLCDは、第四例のLCDのバックライト100
Cにおいて、アノード124と隔壁レジスト125の開
口部130a…に埋設されたカソード104が部分的に
重なるように形成されていたのを、図11、図12に示
すように、アノード124と、カソード104を重なら
ないように形成したものである。第五例においても、第
一例と同様の液晶表示パネル200が用いられるものと
なっており、液晶表示パネル200の説明を省略する。
そして、図11は、第五例のLCDのバックライト10
0Dを上から俯瞰した平面図であり、図12は、図11
のA−A’線に沿った断面図である。図11、12にお
いて、第四例と同じ材料で同じ機能からなる部材には同
一の符号が付されている。
【0122】図中、バックライト100Dの透明基板1
01の下半分上には、PEDT及びPSSからなり、シ
ート抵抗が108Ω/□以下、望ましくは107Ω/□以
下の正孔輸送層103hが形成されている。正孔輸送層
103h上から透明基板101の上半分側の一部にかけ
て、発光色に応じて置換基が異なるpolyfluoreneまたは
polyfluoreneの誘導体を有する、ストライプ状の電子輸
送層103re、103ge、103beの組がこの順
に複数、それぞれ平行に配置されている。そして、透明
基板101上から正孔輸送層103h上に跨ってアノー
ド124が形成されている。アノード124の正孔注入
配線部124bは正孔輸送層103h上の電子輸送層1
03re、103ge、103be間に、電子輸送層1
03re、103ge、103beと離間して配置さ
れ、アノード端子124aは透明基板101上に配置さ
れている。電子輸送層103re、103ge、103
be上から透明基板101の上半分側にかけて、電子輸
送層103re、103ge、103beと同じ幅或い
はより幅狭のストライプ状のカソード104が形成され
ている。そして図中、左上側に三つのカソード端子12
9r、129g、129bが配置されている。アノード
124、カソード端子129r、129g、129b、
並びにカソード104は、同一金属膜を一括パターニン
グして形成されている。アノード124は、正孔注入性
の良好な正孔輸送層103hのシート抵抗が低いため、
高仕事関数である必要がないが、カソード104は、仕
事関数が低い方が望ましいため、カソード104及びア
ノード124となる金属膜は、少なくともその一部に仕
事関数の低い材料を有する方が望ましい。また電子輸送
層103re、103ge、103beとの密着性(接
触抵抗)の観点から300Å程度のカルシウム層及びシ
ート抵抗を低くするためその上に設けられた6000Å
〜10000Å程度のアルミニウム層の2層構造が望ま
しいが、これに限らず他の低仕事関数の材料でもよい。
カソード104のうち透明基板101の上半分側は、絶
縁材からなる隔壁レジスト125により覆われ、その端
部は隔壁レジスト125の開口部130b…から露出さ
れ、隔壁レジスト125上からカソード端子129r、
129g、129bに跨って形成される導電性層110
r、110g、110bに接続されている。なお、正孔
輸送層103hは、シート抵抗が低いので短絡防止のた
め正孔輸送層103hにカソード104を形成しない方
が望ましい。
【0123】第五例のLCDのバックライト100Dで
は、厚くなくてもシート抵抗の低い正孔輸送層103h
を適用したため、アノードとカソードを重ねて形成しな
くてよいので、アノード124、カソード端子129
r、129g、129b、並びにカソード104を同一
金属膜のパターニングにより形成することができるた
め、バックライト100Dの生産性が高い。バックライ
ト100Dでは、正孔輸送層103rh、103gh、
103bhの上方にアノード124及びカソード104
を形成したが、透明基板101上に櫛歯状にパターニン
グされたアノード124及びアノード124の櫛歯間に
ストライプ状のカソード104を互いに離間させて形成
し、カソード104上にのみ端子部を除くカソード10
4を覆うようにカソード104より幅広の電子輸送層1
03re、103ge、103beを形成し、アノード
124上から電子輸送層103re、103ge、10
3be上にかけて連続した正孔輸送層103hを形成し
てもよい。
【0124】また、図13に示すように、上記バックラ
イト100Dの変形例としてのバックライト100Eに
おいて、透明基板101上に櫛歯状のアノード124を
形成し、正孔注入配線部2b上にシート抵抗が108Ω
/□以下、望ましくは107Ω/□以下の正孔輸送層1
03hが形成し、正孔注入配線部124b間の正孔輸送
層103h上に、polyfluoreneまたはpolyfluoreneの誘
導体を有する、ストライプ状の電子輸送層103re、
103ge、103beの組をこの順に複数それぞれ平
行に形成し、この上に電子輸送層103re、103g
e、103beと同じ幅或いはより幅狭のストライプ状
のカソード104を形成した構造でもよい。なお、アノ
ード124とカソード104を別々の材料で形成するこ
とができる。上記各実施形態では、図1に示すように、
液晶表示パネル200の各画素電極204が有機EL層
(103r、103g、103b)のいずれか1つに対
応しているが、各有機EL層(103r、103g、1
03b)のピッチL2によっては、各有機EL層(10
3r、103g、103b)のストライプ状に延在する
方向に対し直交する方向に隣接する2以上の各画素電極
204が有機EL層(103r、103g、103b)
のいずれか1つに対応するように形成してもよい。
【0125】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置によれば、該バッ
クライトにおいては、異なる色に発光する二種以上の有
機EL領域が、各種類毎に分散するように透明基板上に
配置され、かつ、順次異なる色に発光可能となってい
る。例えば、有機EL領域の種類を三種類とし、これら
の発光色を光の三原色である赤、緑、青にすれば、有機
EL素子は高速応答が可能であるために、赤、緑、青の
有機EL領域をオンオフを高速で切り替えることができ
る。従って、このバックライトは、赤、緑、青の表示を
高速で切り替えることにより、カラーフィルター無し
で、フルカラーの表示が可能なフィールド・シーケンシ
ャル・フルカラーLCDのバックライトとして好適に用
いることができる。
【0126】また、液晶表示装置のバックライトは有機
EL素子から構成されており、本発明の液晶表示装置の
動作には、各々R・G・Bに発光する有機EL素子を分
散するように配置すれば十分である。従って、R・G・
B各々単色に面状発光する有機ELを用いればよく、複
数の異なる色に発光する発光材料を混在させたり積層さ
せたりすることにより非発光遷移を増大せて輝度を低下
させることなく、複数のストライプ状の有機EL領域か
らのRGB各々の発光を高輝度に行なうことができる。
従って、このバックライトを用いた場合には、例えば、
従来の蛍光管と導光板とを組み合わせたバックライトよ
り極めて薄く、かつ、高効率のものとすることができ、
LCDのさらなる薄型を図ることができる。
【0127】また、有機EL領域をストライプ状に配置
することにより、モザイク状やその他の状態に有機EL
領域を分散させた場合に比較して、カソードやアノード
や有機EL層を極めて容易に形成することができ、バッ
クライトの製造を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第一例の液晶表示装置の
構造を説明するための図面である。
【図2】第一例の液晶表示装置のバックライトの構造を
説明するための図面である。
【図3】第一例の液晶表示装置のバックライトの構造を
説明するための図面である。
【図4】本発明の実施の形態の第二例の液晶表示装置の
バックライトの構造を説明するための図面である。
【図5】第二例の液晶表示装置のバックライトの構造を
説明するための図面である。
【図6】本発明の実施の形態の第三例の液晶表示装置の
バックライトの構造を説明するための図面である。
【図7】第三例の液晶表示装置のバックライトの構造を
説明するための図面である。
【図8】本発明の実施の形態の第四例の液晶表示装置の
バックライトの構造を説明するための図面である。
【図9】第四例の液晶表示装置のバックライトの構造を
説明するための図面である。
【図10】第四例の液晶表示装置のバックライトの構造
を説明するための図面である。
【図11】本発明の実施の形態の第五例の液晶表示装置
のバックライトの構造を説明するための図面である。
【図12】第五例の液晶表示装置のバックライトの構造
を説明するための図面である。
【図13】第五例の変形例の液晶表示装置のバックライ
トの構造を説明するための図面である。
【符号の説明】
100、100A、100B、100C、100D、1
00E バックライト 101 透明基板 102 アノード 103r 有機EL層(赤) 103g 有機EL層(緑) 103b 有機EL層(青) 103re 有機EL層(赤)の電子輸送層 103ge 有機EL層(緑)の電子輸送層 103be 有機EL層(青)の電子輸送層 103h 有機EL層の電子輸送層 103rh 有機EL層(赤)の電子輸送層 103gh 有機EL層(緑)の電子輸送層 103bh 有機EL層(青)の電子輸送層 104 カソード 108 隔壁レジスト 108a 開口部 109r 有機EL領域(赤) 109g 有機EL領域(緑) 109b 有機EL領域(青) 113 アノード 119 低抵抗配線 124 カソード 200 液晶表示パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA41Z FA44Z GA11 HA12 HA18 LA11 LA16 3K007 AB02 AB17 BA01 CA01 CB01 DA02 EB00 FA01 5C094 AA07 AA10 AA15 AA22 BA03 BA12 BA29 BA43 BA44 CA19 CA24 EA04 EA05 EB02 ED02 ED14 FB01 5G435 AA03 AA16 AA18 BB05 BB12 BB15 CC12 EE26 FF05 GG12 GG25 GG26 GG27 LL07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィールドシーケンシャル方式で駆動さ
    れる液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの背面側に設
    けられたバックライトとを備えた液晶表示装置であっ
    て、 上記バックライトにおいては、異なる色に発光する二種
    以上の有機EL領域が、各種類毎に分散するように透明
    基板上に配置され、かつ、順次異なる色に発光可能とな
    っていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液晶表示装置において、 上記バックライトの上記有機EL領域はストライプ状に
    形成され、上記有機EL領域が、有機EL層と該有機E
    L層を挟み込むように配置されたアノードとカソードと
    を備え、 上記透明基板上の各有機EL領域の上記有機EL層同士
    の間に、各有機EL層を分離する隔壁部がストライプ状
    の上記有機EL領域に沿って形成され、これら隔壁部同
    士の間に有機EL層の材料が注入されることにより、ス
    トライプ状に有機EL層が形成されていることを特徴と
    する液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の液晶表示装置に
    おいて、 上記ガラス基板上に、上記アノードが透明な共通電極と
    して各有機EL領域に渡って面状に形成され、上記アノ
    ード上に、ストライプ状の上記有機EL層が形成される
    とともに、有機EL層同士の間に、上記アノードより低
    抵抗な低抵抗配線が形成され、かつ、該低抵抗配線上
    に、該低抵抗配線を覆うとともに、各有機EL層同士を
    分離する隔壁部が形成され、上記有機EL層上に、上記
    カソードが各有機EL領域毎もしくは同じ種類の有機E
    L領域毎に独立した電極として形成されていることを特
    徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の液晶表示装置において、 上記有機EL領域が、有機EL層と該有機EL層に電流
    を流すための第1電極及び第2電極とを備え、 上記有機EL層は、その電荷輸送領域の一部が、透明基
    板上に設けられた上記第1電極に重なって形成されると
    ともに、電荷輸送領域の他部が上記第1電極と重ならな
    いように形成されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の液晶表示装置において、 上記有機EL領域が、透明基板上に形成され、内部に流
    れる電流に応じて発光する光が上記透明基板側に出射す
    る有機EL層と、 上記有機EL層上に形成されたアノードと、 上記有機EL層上に上記アノードと離間して形成された
    カソードと、 を備えることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の液晶表示装置において、 上記有機EL領域が、透明基板上に形成されたアノード
    と、 上記アノード上に形成され、面方向への電荷輸送自在
    で、かつ、有機EL層の一部である第1電荷輸送層と、 上記第1電荷輸送層に形成されるとともに有機EL層の
    一部である第2電荷輸送層と、 平面的に上記アノードと重ならないように上記第2電荷
    輸送層上に形成されたカソードと、 を備えることを特徴とする液晶表示装置。
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