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JP2001199931A - アクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸の製造方法

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JP2001199931A
JP2001199931A JP2000007057A JP2000007057A JP2001199931A JP 2001199931 A JP2001199931 A JP 2001199931A JP 2000007057 A JP2000007057 A JP 2000007057A JP 2000007057 A JP2000007057 A JP 2000007057A JP 2001199931 A JP2001199931 A JP 2001199931A
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acrylic acid
crystallization
methyl
solvent
distillation
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晃司 上野
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正敏 上岡
Hitoshi Nakahara
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率で高純度のアクリル酸を製造する方法
を提供する。 【解決手段】 a)プロピレンおよび/またはアクロレ
インを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化し、 b)得られた混合ガスをアクリル酸捕集塔に導き溶剤と
接触させてアクリル酸溶液として捕集し、 c)該アクリル酸溶液に蒸留工程を施して実質的に溶剤
を含まない粗アクリル酸を塔底流および/または塔側流
として分離し、 d)該粗アクリル酸を結晶化工程に供給し、溶融結晶化
して精製アクリル酸と残留母液とに分離し、さらに e)該残留母液をアクリル酸二量体分解工程に供給して
留出液を上記結晶化工程、上記蒸留工程および上記捕集
工程よりなる群から選ばれた少なくとも一つに供給する
工程を含むことを特徴とするアクリル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル酸の製造方
法に関する。更に詳細には、精製段階に結晶化工程およ
びアクリル酸二量体分解工程を採用するアクリル酸の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸は、主に紡績繊維、表面塗
料、分散剤、接着剤などの重要な原料であるアクリル酸
エステルの製造用に用いられている。さらに、近年、高
吸水性樹脂原料としての用途が拡大しており、不純物濃
度が数百から数十ppm程度の高純度アクリル酸が求め
られている。
【0003】工業的なアクリル酸の製造方法は、プロピ
レンおよび/またはアクロレインを接触気相酸化するプ
ロピレン酸化法が一般的である。このプロピレン酸化法
によりアクリル酸を製造する場合、プロピレンの酸化工
程で、水や、プロピオン酸、酢酸、マレイン酸などの酸
類、アセトン、アクロレイン、フルフラール、ホルムア
ルデヒドなどのアルデヒド類などの不純物が副生する。
これらの副生物を含んだガスは、一般的に溶剤と接触さ
せることにより、アクリル酸溶液として捕集後、蒸留な
どの方法で溶剤を分離し、さらに軽沸点成分および高沸
点成分を分離して精製される。
【0004】こうして得られたアクリル酸から、さらに
高純度のアクリル酸を得るために、蒸留で容易に分離で
きないアルデヒド類などの微量の不純物を、薬剤処理と
それに続く精製工程または晶析工程を行うことで除去し
ている。しかしながら、上述の方法では、高純度のアク
リル酸を製造するには工程数が多く、装置や操作も煩雑
である。さらに、アクリル酸の蒸留には高温負荷がかか
り、アクリル酸の二量体化、オリゴマー化、またはポリ
マー化が進み、アクリル酸自体の収率低下を招くという
問題がある。
【0005】特開平9−227445号公報には、接触
気相酸化により得られたアクリル酸を含むガスを、高沸
点溶剤で捕集した後、蒸留により溶剤と粗製アクリル酸
に分離した後、晶析工程によって高純度のアクリル酸を
製造する方法が開示されている。しかしながら、この方
法においても、捕集工程および蒸留工程において、アク
リル酸二量体が生成し、アクリル酸収率の低下は免れな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、高純度でかつ高収率でアクリル酸を製造する方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
酸の製造方法について鋭意検討した結果、プロピレンお
よび/またはアクロレインの接触気相酸化、続く溶剤へ
の吸収、および蒸留によって塔底部および/または塔側
部から得られる粗製アクリル酸を、動的および静的な結
晶法により精製し、残留母液をアクリル酸二量体分解工
程に供してアクリル酸を回収し、回収したアクリル酸を
結晶化工程、蒸留工程および捕集工程よりなる群から選
ばれた少なくとも一つに戻すと、上記の目的が達成され
ることを見出した。
【0008】すなわち、結晶化工程を用いて精製するこ
とにより、更なるアクリル酸の二量体化、オリゴマー
化、およびポリマー化を防止し、かつ、アクリル酸二量
体を効率よく濃縮することができ、さらにアクリル酸二
量体分解工程を施すことにより容易にアクリル酸を回収
できることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、酸化工程、捕集工
程、蒸留精製工程、結晶化工程および二量体分解工程を
含むことを特徴とするアクリル酸の製造方法、または a)プロピレンおよび/またはアクロレインを分子状酸
素含有ガスと接触気相酸化し、 b)得られた混合ガスをアクリル酸捕集塔に導き溶剤と
接触させてアクリル酸溶液として捕集し、 c)該アクリル酸溶液に蒸留工程を施して実質的に溶剤
を含まない粗アクリル酸を塔底流および/または塔側流
として分離し、 d)該粗アクリル酸を結晶化工程に供給し、溶融結晶化
して精製アクリル酸と残留母液とに分離し、さらに e)該残留母液をアクリル酸二量体分解工程に供給して
留出液を上記結晶化工程、上記蒸留工程および上記捕集
工程よりなる群から選ばれた少なくとも一つに供給する
工程を含むことを特徴とするアクリル酸の製造方法、に
関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を工程に従って説明する。
【0011】工程a):プロピレンおよび/またはアク
ロレインを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化する。
【0012】プロピレンおよび/またはアクロレイン
は、公知の触媒の存在下において酸素、空気等の分子状
酸素含有ガスと接触させることにより酸化させる。通
常、酸化反応は二段階で行う。使用する触媒は一段目の
触媒はプロピレンを含む原料ガスを気相酸化して主とし
てアクロレインを生成し得るものであり、二段目の触媒
はアクロレインを含む原料ガスを気相酸化して主として
アクリル酸を生成し得るものであれば、いずれも使用す
ることができる。例えば一段目の触媒としては、鉄、モ
リブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物を、また
二段目の触媒としてはバナジウムを必須成分とする触媒
を挙げることができる。酸化反応の温度は、通常、20
0〜400℃の範囲である。(特開昭64−63543
号公報、特開昭63−93747号公報、特公昭60−
32615号公報)この接触気相酸化反応で得られる混
合ガスには、アクリル酸、分子状酸素含有ガス、反応の
未反応成分が含まれ、その他に副生する水;酢酸;プロ
ピオン酸;マレイン酸;アセトン、アクロレイン、フル
フラール、ホルムアルデヒドなどの不純物が含まれてい
る。
【0013】工程b):工程a)で得られた混合ガスを
アクリル酸捕集塔に導き溶剤と接触させてアクリル酸溶
液として捕集する。
【0014】工程a)で得られた混合ガスからアクリル
酸を回収するために、混合ガスを溶剤と接触させる。溶
剤としては、アクリル酸を吸収、溶解させるものであれ
ば特に限定されないが、例えばジフェニルエーテル、ジ
フェニル、ジフェニルエーテルとジフェニルの混合物、
水、アクリル酸精製プロセスから発生する有機酸を含ん
だ水などが挙げられる。なかでも、水および/またはア
クリル酸精製プロセスから発生する有機酸を含んだ水が
好ましい。得られたアクリル酸を含む溶液をアクリル酸
溶液(またはアクリル酸水溶液)と称する。
【0015】アクリル酸を含む混合ガスと溶剤との接触
方法には、公知の接触方法を使用することができ、例え
ば、泡鐘トレイ、ユニフラットトレイ、多孔板トレイ、
ジェットトレイ、バブルトレイ、ベンチュリートレイを
用いる十字流接触;ターボグリッドトレイ、デュアルフ
ロートレイ、リップルトレイ、キッテルトレイ、ガーゼ
型、シート型、グリット型の規則充填物、不規則充填物
を用いる向流接触などが挙げられる。
【0016】また、アクリル酸を含む混合ガスが高温な
ので、混合ガスを予め冷却しまたは冷却した溶剤を用い
ることにより、溶剤の飛散を防止することができる。
【0017】得られたアクリル酸溶液には、アクリル酸
の他に上記の不純物が少量含まれている。
【0018】工程b)の終了後、必要に応じて、不純物
として含まれるアルデヒド類を除去するためにストリッ
ピング処理してもよい。
【0019】工程c):該アクリル酸溶液に蒸留工程を
施して実質的に溶剤を含まない粗アクリル酸を塔底流お
よび/または塔側流として分離する。
【0020】本発明で使用する蒸留塔は、アクリル酸が
分離できれば特に限定はされないが、充填塔、棚段塔
(トレイ塔)等を用いることができる。
【0021】アクリル酸溶液を蒸留することにより、実
質的に溶剤を含まないアクリル酸が得られる。このアク
リル酸を粗アクリル酸と称する。
【0022】工程b)において捕集溶剤として水を用い
た場合には、通常公知の方法においては、例えば、アク
リル酸溶液中にアクリル酸:50〜80質量%、酢酸:
1〜5質量%、水:10〜40質量%、およびその他の
不純物(マレイン酸、プロピオン酸などの酸類およびフ
ルフラール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類な
ど):0.5〜5質量%が含まれる。
【0023】共沸蒸留によりアクリル酸水溶液から粗ア
クリル酸を得る方法で用いられる共沸溶剤は、特許公報
などに種々記載されている。水および酢酸を一塔の蒸留
塔で同時に除去する一塔蒸留法(特公昭46−1896
7号、特公昭46−20372号、特公昭46−224
56号、特公昭46−34692号、特公昭49−21
124号、特開平5−246941号公報参照)と、共
沸蒸留塔で水を除去し、ついで軽沸点物分離蒸留塔で酢
酸を除去する二塔蒸留法(特公昭41−15569号、
特公昭46−18966号、特公昭50−25451
号、特公昭63−10691号、特開平3−18144
0号、特開平6−15495号、特開平6−15496
号公報参照)が記載されている。
【0024】蒸留法のみで、精製アクリル酸を得る場合
においては、粗アクリル酸中の酢酸の含有量を千ppm
以下程度にする必要があるが、本発明のように結晶化工
程を用いる場合には粗アクリル酸中の酢酸の含有量は2
質量%以下、好ましくは1質量%以下であればよく、そ
の際の共沸溶剤は適宜選ぶことができる。
【0025】好ましい共沸溶剤としては、ヘプタン、ジ
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエ
ン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、キシレンおよび
それらの混合物より選ばれた少なくとも1種を含む溶
剤;ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルプ
ロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−
ブチルケトン、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸ビニル、アクリル酸n−プロピル、酢
酸アリル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、
プロピオン酸プロピル、クロトン酸メチル、吉草酸メチ
ル、酪酸エチル、ジブチルエーテルおよびそれらの混合
物よりなる群からから選ばれた少なくとも1種を含む溶
剤;およびヘプタン、ジメチルシクロヘキサン、エチル
シクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベ
ンゼン、キシレンおよびそれらの混合物より選ばれた少
なくとも1種を含む溶剤と、ジエチルケトン、ジイソプ
ロピルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、メチル−t−ブチルケトン、酢酸n−プロピ
ル、酢酸n−ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ビニル、アク
リル酸n−プロピル、酢酸アリル、酢酸イソプロペニ
ル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸プロピル、クロ
トン酸メチル、吉草酸メチル、酪酸エチル、ジブチルエ
ーテルおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれた少
なくとも1種を含む溶剤との混合溶剤を例示できる。
【0026】更に好ましくは、ヘプタン、トルエン、エ
チルベンゼン、キシレンおよびそれらの混合物より選ば
れた少なくとも1種を含む溶剤;上記溶剤とアクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよ
びそれらの混合物よりなる群から選ばれた少なくとも1
種を含む混合溶剤、またはメタクリル酸エチル、ジイソ
プロピルケトン、アクリル酸n−プロピル、酢酸n−ブ
チルおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれた少な
くとも1種を含む溶剤が挙げられる。
【0027】上記溶剤を用いて、共沸蒸留することで実
質的に溶剤および水を含まず、かつ、酢酸の含有量が2
質量%以下の粗アクリル酸を、蒸留塔の塔底流および/
または塔側流として分離できる。
【0028】共沸溶剤の添加量は、水および酢酸などの
共沸せしめるものより若干多く用いればよい。(特開平
9−157213号公報、特開平10−237012号
公報、特開平1−306052号公報参照)アクリル酸
溶液中の酢酸の含有量によっては、場合により、粗アク
リル酸中の酢酸の含有量が2質量%を越えることがあ
る。粗アクリル酸中の酢酸の含有量が2質量%を越えて
も、続く結晶化工程において高純度のアクリル酸を得る
ことができるが、結晶化工程での工程数が多くなり経済
的に不利となる。従って、粗アクリル酸中の酢酸の含有
量が2質量%を越える場合には、軽沸点物分離工程であ
る蒸留をさらに実施して、粗アクリル酸中の酢酸の含有
量を2質量%以下にすることが好ましい。ここで、軽沸
点物分離工程は、蒸留などの公知の方法で行うことがで
きる。
【0029】工程d):粗アクリル酸を結晶化工程に供
給し、溶融結晶化して精製アクリル酸と残留母液とに分
離する。
【0030】工程c)で得られた粗アクリル酸を結晶化
工程に供給する。結晶化工程は、動的および/または静
的に実施される。特に好ましいのは、動的結晶法である
かまたは動的結晶法と静的結晶との組み合わせである。
ここで、静的結晶法の場合には、被処理物が自由対流に
よってのみ移動し、他方、動的結晶法の場合には、被処
理液が強制対流によって移動する。使用する動的結晶法
および静的結晶法は何等限定されるものではない。(特
開昭53−41637号公報、特開平7−48311号
公報参照)また、必要となる結晶化工程の数は、必要と
するアクリル酸の純度に依存し、その数の決定は容易に
行うことができる。
【0031】動的結晶化および静的結晶化は、それぞれ
一つまたはそれ以上の工程で実施することができる。こ
の場合、多工程法は対向流の原理により有利に実施さ
れ、その際に、各工程において、結晶化された物質は結
晶化後に残留母液から分離され、この結晶化された物質
は、次のいっそう高い純度を有する各工程に供給され、
他方、結晶化残留物は、次のいっそう低い純度を有する
各工程に供給される。通常、供給される粗製酸溶液より
も高純度の酸が得られる全行程は精製工程として、他の
全行程はストリッピング工程として知られている。スト
リッピング工程は、精製工程からの母液中のアクリル酸
を回収するために実施する。動的結晶化ではアクリル酸
の純度が低くなると結晶化が困難となるが、それに対
し、静的結晶化は、動的結晶化と比較してアクリル酸の
純度が低下しても結晶化が容易であることから、アクリ
ル酸の回収率を上げるため、動的結晶化の最終母液は静
的結晶化でさらに結晶化される。
【0032】工程e):工程d)で得られた残留母液を
アクリル酸二量体分解工程に供給し、得られた留出液を
上記結晶化工程(d)、上記蒸留工程(c)または上記
捕集工程(b);(d)および(c)、(c)および
(b)または(b)および(d);(d)、(c)およ
び(b)のいずれか一つの方法で供給する。
【0033】工程d)で得られた残留母液をアクリル酸
二量体分解工程に供給する。さらに、必要により、上記
蒸留工程(c)において塔底流として得られた粗アクリ
ル酸の一部もアクリル酸二量体分解工程に供給できる。
ここで、アクリル酸二量体分解工程は、アクリル酸二量
体などを熱分解し、アクリル酸として回収するものであ
れば特に限定はされない。例えば、アクリル酸二量体分
解とアクリル酸の留出とを同時に行うものであってもよ
く(特公昭61−35977号公報、特公昭61−36
501号公報など参照)、好ましくは、熱分解槽と段塔
を併設した薄膜蒸発器を備えたアクリル酸回収塔を用い
たものが挙げられる。(特開平11−12222号公報
参照)アクリル酸二量体分解工程は、例えば薄膜蒸発器
を備えた蒸留塔および熱分解槽がこの順に接続されてい
るアクリル酸二量体分解蒸留塔を用いる場合について説
明する。残留母液の少なくとも一部および、必要によ
り、上記蒸留工程(c)において塔底流として得られた
粗アクリル酸の一部を薄膜蒸発器を備えている蒸留塔に
供給し、例えば、10〜140hPa、塔底温度60〜
120℃の条件下で蒸留する。かかる蒸留塔の塔頂から
アクリル酸を留出させて上記結晶化工程、上記蒸留工程
および上記捕集工程よりなる群から選ばれた少なくとも
一つに少なくとも一部を供給する。好ましくは、上記結
晶化工程に供給することが経済的である。さらに、上記
薄膜蒸発器からの缶液を熱分解槽に供給する。かかる熱
分解槽において上記缶液中のアクリル酸二量体を120
〜220℃の範囲の温度で分解し、ついで上記熱分解槽
からの缶液の少なくとも一部を上記蒸留塔に循環する。
【0034】この方法において、アクリル酸の結晶化工
程とアクリル酸二量体分解工程を組み合わせることによ
り、従来の蒸留工程とアクリル酸二量体分解工程を組み
合わせる方法と比較して、単にアクリル酸二量体などの
発生を防止し、容易に高純度のアクリル酸を得ることが
できるだけでなく、意外にも結晶化工程でアクリル酸中
のアクリル酸二量体を効率よく濃縮でき、さらにアクリ
ル酸二量体分解工程を組み合わせることで、経済的に高
収量を達成できる効果があることがわかった。
【0035】結晶化工程からの残留母液は、全量をアク
リル酸二量体分解工程に供給してもよいが、軽沸不純物
の濃縮を避けるために、一部を廃油として系外に排出し
てもよい。
【0036】また、結晶化工程からの残留母液の全量を
アクリル酸二量体分解工程に供給した場合には、軽沸不
純物の濃縮を避けるために、アクリル酸二量体分解工程
より回収されるアクリル酸の一部を、系外に排出しても
よい。
【0037】必要によっては、結晶化工程からの残留母
液をアクリル酸二量体分解工程に供する前に、アルデヒ
ド類およびマレイン酸を高沸点物化する為に化学的前処
理を施してもよい。これによって、アクリル酸二量体分
解工程より回収されるアクリル酸の不純物濃度は低減さ
れる。上記化学的前処理に用いられる処理剤は、アルデ
ヒド類および/またはマレイン酸と反応する化合物であ
れば特に限定はされないが、脂肪族アミン、芳香族アミ
ン、ヒドラジン誘導体、および分子内にメルカプト基を
有する化合物が挙げられる。(特公昭48−31087
号公報、特開昭49−30312号公報、特公昭58−
37290号公報、特公平4−296568号公報など
参照)図1はプロピレンからアクリル酸を製造する本発
明の一態様を示すブロック図である。図1において、プ
ロピレンおよび空気を第1の反応器1に供給する。この
反応器1において、プロピレンからアクロレインへの接
触気相酸化反応を行う。生じたアクロレインに更に空気
を加えて、第2の反応器2中でアクロレインを酸化して
アクリル酸を含む混合ガスを得る。得られた混合ガスを
捕集塔3に導いて溶剤と接触させて、アクリル酸溶液と
して捕集する。かかるアクリル酸溶液を蒸留塔4に導い
て蒸留し、溶剤と実質的に溶剤を含まない粗アクリル酸
に分離する。蒸留塔4の塔頂部からの留出物を、油水分
離器7で溶剤と共沸溶剤とに分離し、分離された共沸溶
剤を蒸留塔4にリサイクルし、一方、分離された溶剤を
捕集塔3にリサイクルする。実質的に溶剤を含まない粗
アクリル酸を塔底流および/または塔側流として分離す
る。分離された粗アクリル酸を結晶化ユニット5に供給
する。結晶化ユニット5において、動的結晶化法および
静的結晶化法を組み合わせて、粗アクリル酸を精製アク
リル酸と残留母液とに分離する。精製アクリル酸は製品
として得られる。一方、残留母液中にはアクリル酸二量
体が含まれているので、アクリル酸二量体分解工程6に
供給する。分解して得られたアクリル酸を含む留出液
を、アクリル酸を回収するために、捕集塔3(図1にお
いて、留出液はx−xに従って進む)、蒸留塔4および
結晶化ユニット5よりなる群から選ばれた少なくとも一
つに供給する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明が実施例に限定されるものではない。
【0039】例1(比較例) 前段および後段の触媒として担体を除き、酸素以外の触
媒組成成分の原子比がそれぞれ 前段:Co4Fe1Bi12Mo10Si1.350.08 後段:Mo124.6Cu2.2Cr0.62.4 からなる触媒を調製した。(特公昭60−32615号
公報など参照) 上記前段触媒12.0Lを内径25mm、長さ3000
mmの鋼鉄製反応管10本からなる多管式反応器に均等
に充填し、335℃に加熱した。別に、上記後段触媒1
2.0Lを内径25mm、長さ3000mmの鋼鉄製反
応管10本からなる多管式反応器に均等に充填し、26
0℃に加熱した。
【0040】反応原料ガスとしてプロピレン8.0容量
%、水蒸気6.1容量%、酸素14.3容量%からなる
組成の混合ガス16.2m3/時(NTP換算、以後は
ガス体につていはNTP換算)を120℃に加熱した
後、前段反応器に供給し反応を行った。
【0041】後段反応生成ガスを、予冷器で150℃に
冷却した後、20段の泡鐘棚を備えた、内径200mm
のステンレス製のアクリル酸捕集塔に供給し、上部から
0.1質量%のハイドロキノンを含む水1.7kg/時
で供給し、アクリル酸水溶液として捕集した。
【0042】さらに、このアクリル酸水溶液を内径が1
00mm、充填高さが5mのステンレス製充填塔の塔頂
に供給し、塔底温度が85℃になるように加熱しながら
下部から空気を2.96m3/時で吹き込み、アクロレ
インなどを放散した。これにより、アクリル酸70.9
質量%、水25.6質量%、酢酸2.0質量%、その他
の成分(マレイン酸、プロピオン酸などの酸類およびフ
ルフラール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類な
ど)1.5質量%を含むアクリル酸水溶液を5.20k
g/時で得た。
【0043】次に、このアクリル酸水溶液を共沸分離塔
で蒸留した。該共沸分離塔は、段数60段、段間隔14
7mmのシーブトレーを備え、塔頂部に留出管、中央部
に原料供給管、塔底部に塔底液抜き出し管を備えるもの
である。
【0044】共沸溶剤として、トルエンを用いて、塔頂
圧を173hPa、還流比(単位時間当たりの還流比の
全モル数/単位時間当たりの留出液の全モル数)を1.
35、原料供給量を8.50kg/時にして共沸分離運
転を行った。
【0045】塔底から、アクリル酸96.9質量%、酢
酸0.06質量%、水0.03質量%、アクリル酸二量
体2.0質量%などを含む粗アクリル酸を6.03kg
/時で得た。
【0046】次に、この粗アクリル酸を結晶化ユニット
に供給し、3回の動的結晶化工程により精製した。さら
に、この精製工程の結晶化残留物を、3回の動的結晶化
工程および2回の静的結晶化工程で処理した。
【0047】動的結晶化は、特公昭53−41637号
公報に記載されているような晶析装置中で行った。すな
わち、下部に貯蔵器を備えた、長さ6m、内径70mm
の金属管で、循環ポンプにより貯蔵器中の液体を管上部
へ移送し、液体を管内壁面に落下被膜(falling film)
状に流すことができるようになっている。管の表面は2
重のジャケットから構成され、このジャケットはサーモ
スタットである一定の温度になるように制御されてい
る。1回の動的結晶化は、以下の手順で行った。 1.結晶化:貯蔵器にアクリル酸を供給し、循環ポンプ
により管壁面に落下皮膜状に流し、ジャケットの温度を
凝固点以下に下降させ、約60〜80質量%を壁面に結
晶化させる。 2.発汗:循環ポンプを停止させ、ジャケットの温度
を、凝固点付近まで上昇させ、約2〜5質量%を発汗さ
せる。発汗後、残留融解液をポンプで汲み出す。 3.融解:ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、
結晶を融解し、ポンプで汲み出す。
【0048】以上に操作において、温度、および凝固度
は実施されるそれぞれの工程に依存する。
【0049】静的結晶化は、下部に抜き出しコックを備
えた、内径90mm、長さ1mのチューブで、管の表面
が二重ジャケットから構成され、このジャケットはサー
モスタットである一定の温度になるように制御されてい
る。
【0050】一回の静的結晶化は、以下の手順で行っ
た。 1.結晶化:管内にアクリル酸を供給し、ジャケットの
温度を凝固点以下に下降させ、約60〜80質量%を結
晶化させる。 2.発汗:結晶化後の残留融液を管下部から抜き出し、
ジャケットの温度を凝固点付近に上昇させ、約15〜2
5質量%を発汗させる。発汗後、発汗液を抜き出す。 3.融解:ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、
結晶を融解し、抜き出す。
【0051】これにより、99.98質量%の純度を有
する高純度のアクリル酸を5.72kg/時で得た。ま
た、5回のストリッピング工程で濃縮された結晶化の残
留母液はアクリル酸38.3質量%、アクリル酸二量体
40.2質量%を主成分として含み、0.31kg/時
で得られたが、廃棄した。
【0052】共沸分離蒸留工程からの精製収率は94.
9%にすぎなかった。
【0053】例2(実施例1) 本例を例1と同様の方法を使用して実施したが、結晶化
工程からの残留母液は、10%を廃棄し、残り90%を
アクリル酸二量体分解蒸留塔に供給し、塔頂から回収さ
れたアクリル酸を結晶化ユニットのストリッピング工程
に循環させた。
【0054】例1の場合と同様にして得られたアクリル
酸38.3質量%、アクリル酸二量体40.2質量%を
主成分として含む結晶化工程の残留母液の90%(0.
28kg/時)を、アクリル酸二量体分解蒸留塔の中段
に供給した。
【0055】アクリル酸二量体分解蒸留塔は、段数15
段のシーブトレーを備えた蒸留塔と、薄膜蒸発器および
熱分解槽が組合わさった構造のものであって、熱分解槽
の槽内温度を140℃、滞留時間45時間の条件で熱分
化を行い、塔底温度が85℃となるように薄膜蒸発器を
制御し、塔頂圧力33hPa、還流比0.9の条件下で
運転した。塔頂部から、0.19kg/時で、アクリル
酸の含有量が85.2質量%のアクリル酸を回収した。
回収したアクリル酸は、結晶化ユニットに循環した。こ
れにより、99.94質量%の純度を有する高純度アク
リル酸を5.88kg/時で得た。
【0056】共沸分離蒸留工程からの精製収率は97.
5%であった。
【0057】ここで、回収したアクリル酸を結晶化ユニ
ットで処理した場合のアクリル酸の二量体化などの有無
について確認する。
【0058】回収したアクリル酸の回収量、アクリル酸
の含有量はそれぞれ、0.19kg/時、85.2質量
%であることから、純アクリル酸量は0.16kg/時
である。
【0059】一方、例1において、99.98質量%の
高純度のアクリル酸(結晶化ユニット処理後)が5.7
2kg/時で得られ、アクリル酸二量体分解蒸留塔から
回収したアクリル酸を結晶化ユニットで処理したのちの
高純度アクリル酸が5.88kg/時で得られることか
ら、その差0.16(5.88−5.72)kg/時は
回収したアクリル酸由来のものである。
【0060】従って、アクリル酸二量体分解蒸留塔から
回収したアクリル酸を結晶化ユニットで処理しても、ア
クリル酸の二量体化、オリゴマー化、およびポリマー化
を防止できたことが確認される。
【0061】例3(実施例2) 例1と同様の方法を使用して実施したが、結晶化工程か
らの残留母液は廃棄せず、全量をアクリル酸二量体分解
蒸留塔に供給し、塔頂から回収されたアクリル酸の90
%を結晶化ユニットのストリッピング工程に循環し、残
りの10%は廃棄した。
【0062】例1の場合と同様にして得られたアクリル
酸38.3質量%、アクリル酸二量体40.2質量%を
主成分として含む結晶化残留母液の全量、0.31kg
/時を、アクリル酸二量体分解蒸留塔の中段に供給し
た。
【0063】例2と同様な方法で、アクリル酸二量体分
解蒸留を行い、塔頂部から、0.21kg/時で、アク
リル酸の含有量が85.2質量%のアクリル酸を回収し
た。回収したアクリル酸の90%(0.19kg/時)
を結晶化ユニットに循環した。これにより、99.94
質量%の純度を有する高純度のアクリル酸を5.88k
g/時で得た。
【0064】共沸分離蒸留工程からの精製収率は97.
5%であった。
【0065】例4(実施例3) 例1で得られたアクリル酸水溶液を原料とし、共沸溶剤
として、メタクリル酸エチルを用いて、塔頂圧を167
hPa、還流比を0.41、原料供給量を8.50kg
/時にして共沸分離運転を行った。なお、蒸留塔は例1
に示したものと同じ蒸留塔を用いた。
【0066】塔底から、アクリル酸97.0質量%、酢
酸0.3質量%、水0.03質量%、アクリル酸二量体
2.0質量%などを含む粗アクリル酸を6.04kg/
時で得た。
【0067】次に、この粗アクリル酸を例1と同様の結
晶化工程を施し、アクリル酸31.1質量%、アクリル
酸二量体36.2質量%を主成分として含む結晶化の残
留母液を0.38kg/時で得た。
【0068】得られた結晶化の残留母液は20%を廃棄
し、残り80%(0.30kg/時)を、例2と同様の
アクリル酸二量体分解工程を施した。アクリル酸二量体
分解蒸留塔の塔頂部から、0.22kg/時で、アクリ
ル酸の含有量が70.5質量%のアクリル酸を回収し
た。
【0069】回収したアクリル酸は、結晶化ユニットに
循環した。これにより、99.95質量%の純度を有す
る高純度アクリル酸を5.88kg/時で得た。
【0070】共沸分離工程からの精製収率は97.4%
であった。
【0071】例5(実施例4) 例1で得られたアクリル酸水溶液を原料とし、共沸溶剤
として、メタクリル酸メチルとトルエンとの混合溶剤
(混合質量比35:65)を用いて、塔頂圧を173h
Pa、還流比1.30、原料供給量8.50kg/時に
して共沸分離運転を行った。なお、蒸留塔は例1に示し
たものと同じ蒸留塔を用いた。
【0072】塔底から、アクリル酸96.9質量%、酢
酸0.03質量%、水0.03質量%、アクリル酸二量
体2.0質量%などを含む粗アクリル酸を6.02kg
/時で得た。
【0073】次に、この粗アクリル酸を例1と同様の結
晶化工程を施し、アクリル酸32.8質量%、アクリル
酸二量体38.4質量%を主成分として含む結晶化の残
留母液を0.36kg/時で得た。
【0074】得られた結晶化の残留母液は10%を廃棄
し、残り90%(0.33kg/時)を、例2と同様の
アクリル酸二量体分解工程を施した。アクリル酸二量体
分解蒸留塔の塔頂部から、0.21kg/時で、アクリ
ル酸の含有量が78.6質量%のアクリル酸を回収し
た。
【0075】回収したアクリル酸は、結晶化ユニットに
循環した。これにより、99.97質量%の純度を有す
る高純度アクリル酸を5.87kg/時で得た。
【0076】共沸分離工程からの精製収率は97.6%
であった。
【0077】
【発明の効果】本発明のアクリル酸の製造方法によれ
ば、高収率で高純度のアクリル酸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロピレンからアクリル酸を製造する本発明の
一態様を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…反応器1 2…反応器2 3…アクリル酸捕集塔 4…蒸留塔 5…晶析ユニット 6…アクリル酸二量体分解蒸留塔 a:蒸留塔 b:薄膜蒸留器 c:熱分解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 57/04 C07C 57/04 57/07 57/07 (72)発明者 中原 整 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AA04 AC46 AD12 AD13 BA02 BA05 BA12 BA13 BA14 BA19 BA20 BA30 BA94 BB62 BC10 BC13 BC18 BD32 BD52 BD53 BD82 BE30 BS10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化工程、捕集工程、蒸留精製工程、結
    晶化工程および二量体分解工程を含むことを特徴とする
    アクリル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 a)プロピレンおよび/またはアクロレ
    インを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化し、 b)得られた混合ガスをアクリル酸捕集塔に導き溶剤と
    接触させてアクリル酸溶液として捕集し、 c)該アクリル酸溶液に蒸留工程を施して実質的に溶剤
    を含まない粗アクリル酸を塔底流および/または塔側流
    として分離し、 d)該粗アクリル酸を結晶化工程に供給し、溶融結晶化
    して精製アクリル酸と残留母液とに分離し、さらに e)該残留母液をアクリル酸二量体分解工程に供給して
    留出液を上記結晶化工程、上記蒸留工程および上記捕集
    工程よりなる群から選ばれた少なくとも一つに供給する
    工程を含むことを特徴とするアクリル酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 アクリル酸の捕集溶剤が水であり、か
    つ、蒸留工程が共沸蒸留工程または共沸蒸留とそれに続
    く軽沸点物分離工程である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 共沸蒸留工程において、ヘプタン、ジメ
    チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエ
    ン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、キシレンおよび
    それらの混合物より選ばれた少なくとも1種を共沸溶剤
    として用いる請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 共沸蒸留工程において、ジエチルケト
    ン、ジイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メ
    チルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、酢
    酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アクリル酸エチル、
    メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸
    ビニル、アクリル酸n−プロピル、酢酸アリル、酢酸イ
    ソプロペニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸プロ
    ピル、クロトン酸メチル、吉草酸メチル、酪酸エチル、
    ジブチルエーテルおよびそれらの混合物よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種の共沸溶剤を用いる請求項3に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 共沸蒸留工程において、ヘプタン、ジメ
    チルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエ
    ン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、およびキシレン
    より選ばれた少なくとも1種の共沸溶剤およびジエチル
    ケトン、ジイソプロピルケトン、メチルプロピルケト
    ン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケト
    ン、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アクリル酸エ
    チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アク
    リル酸ビニル、アクリル酸n−プロピル、酢酸アリル、
    酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン
    酸プロピル、クロトン酸メチル、吉草酸メチル、酪酸エ
    チル、およびジブチルエーテルよりなる群から選ばれた
    少なくとも1種の共沸溶剤を用いる請求項3に記載の方
    法。
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