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JP2001189132A - 交流駆動型のプラズマ表示装置及びその製造方法 - Google Patents

交流駆動型のプラズマ表示装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001189132A
JP2001189132A JP2000000226A JP2000000226A JP2001189132A JP 2001189132 A JP2001189132 A JP 2001189132A JP 2000000226 A JP2000000226 A JP 2000000226A JP 2000000226 A JP2000000226 A JP 2000000226A JP 2001189132 A JP2001189132 A JP 2001189132A
Authority
JP
Japan
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substrate
electrodes
display device
plasma display
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000000226A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Shiromizu
進一郎 白水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Priority to TW089127990A priority patent/TW495786B/zh
Priority to US09/750,119 priority patent/US6541922B2/en
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Priority to EP01400017A priority patent/EP1122760A1/en
Priority to CN01102997A priority patent/CN1303116A/zh
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    • H01J11/38Dielectric or insulating layers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】隔壁の間隔が狭くなっても、効率の良い発光を
達成することができ、放電開始電圧や放電維持電圧が高
くなることが無く、絶縁破壊や異常放電が発生し難いプ
ラズマ表示装置を提供する。 【解決手段】交流駆動型のプラズマ表示装置は、(イ)
第1の基板11と、第1の基板11の表面に設けられた
複数の第1の電極から構成された第1の電極群と、第1
の電極群上を含む第1の基板上に形成された保護層14
とから成る第1のパネル、及び、(ロ)第2の基板21
と、第2の基板の上方に設けられた蛍光体層24と、第
1の電極11の延びる方向と所定の角度を成して延び、
隣接する蛍光体層24の間に設けられた隔壁25とから
成る第2のパネルを有し、対向する一対の第1の電極1
2A,12Bの間で放電を生じさせ、対向する一対の第
1の電極12A,12Bの間の第1の基板11には凹部
31が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流駆動型のプラ
ズマ表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP:プラズマ・ディスプレイ)を例示することが
できる。中でも、プラズマ表示装置は、大画面化や広視
野角化が比較的容易であること、温度、磁気、振動等の
環境要因に対する耐性に優れること、長寿命であること
等の長所を有し、家庭用の壁掛けテレビの他、公共用の
大型情報端末機器への適用が期待されている。
【0003】プラズマ表示装置は、希ガスを封入した放
電セルに電圧を印加して、希ガス中でのグロー放電に基
づき発生した紫外線で放電セル内の蛍光体層を励起する
ことによって発光を得る表示装置である。つまり、個々
の放電セルは蛍光灯に類似した原理で駆動され、放電セ
ルが、通常、数十万個のオーダーで集合して1つの表示
画面が構成されている。プラズマ表示装置は、放電セル
への電圧の印加方式によって直流駆動型(DC型)と交
流駆動型(AC型)とに大別され、それぞれ一長一短を
有する。AC型プラズマ表示装置は、表示画面内で個々
の放電セルを仕切る役割を果たす隔壁を例えばストライ
プ状に形成すればよいので、高精細化に適している。し
かも、電極の表面が誘電体材料で覆われているので、電
極が磨耗し難く、長寿命であるといった長所を有する。
【0004】従来のAC型プラズマ表示装置の典型的な
構成例を、図2に示す。このAC型プラズマ表示装置は
所謂3電極型に属し、一対の放電維持電極である第1の
電極12A,12Bの間で主に放電が生じる(図12の
(B)参照)。図2に示すAC型プラズマ表示装置は、
フロントパネル10とリアパネル20とが周縁部で貼り
合わされて成る。リアパネル20上の蛍光体層24の発
光は、フロントパネル10を通して観察される。
【0005】フロントパネル10は、透明な第1の基板
11と、第1の基板11上にストライプ状に設けられ、
透明導電材料から成る対になった第1の電極12A,1
2Bと、第1の電極12A,12Bのインピーダンスを
低下させるために設けられ、第1の電極12A,12B
よりも電気抵抗率の低い材料から成るバス電極13と、
バス電極13及び第1の電極12A,12B上を含む第
1の基板11上に形成された保護層14とから構成され
ている。保護層14は、誘電体膜として機能し、しか
も、第1の電極12A,12Bを保護するために設けら
れている。
【0006】一方、リアパネル20は、第2の基板21
と、第2の基板21上にストライプ状に設けられた第2
の電極(アドレス電極あるいはデータ電極とも呼ばれ
る)22と、第2の電極22上を含む第2の基板21上
に形成された誘電体膜23と、誘電体膜23上であって
隣り合う第2の電極22の間の領域に第2の電極22と
平行に延びる絶縁性の隔壁25と、誘電体膜23上から
隔壁25の側壁面上に亙って設けられた蛍光体層24と
から構成されている。第2の電極22は、放電開始電圧
の低減を目的として設けられている。また、隔壁25
は、プラズマ放電が隣接する放電セルに漏れ出て、隣接
する放電セルの蛍光体層を発光させる光学的クロストー
クの発生を防止する目的で設けられている。蛍光体層2
4は、赤色蛍光体層24R、緑色蛍光体層24G、及
び、青色蛍光体層24Bから構成されており、これらの
各色の蛍光体層24R,24G,24Bが所定の順序に
従って設けられている。図2は分解斜視図であり、実際
にはリアパネル20側の隔壁25の頂部がフロントパネ
ル10側の保護層14に当接している。一対の第1の電
極12A,12Bと、一対の隔壁25とが重複する領域
が、放電セルに相当する。そして、隣り合う隔壁25と
蛍光体層24と保護層14とによって囲まれた空間内に
は、希ガスが封入されている。
【0007】第1の電極12A,12Bが延びる方向と
第2の電極22が延びる方向とは90°の角度を成して
おり、隣り合う一対の第1の電極12A,12Bと、3
原色を発光する蛍光体層24R,24G,24Bの1組
とが重複する領域が1画素に相当する。グロー放電が対
向する一対の第1の電極12A,12B間で生じること
から、このタイプのプラズマ表示装置は「面放電型」と
称される。放電セルにおいては、希ガス中でのグロー放
電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起され
た蛍光体層が、蛍光体材料の種類に応じた特有の発光色
を呈する。尚、封入された希ガスの種類に応じた波長を
有する真空紫外線が発生する。
【0008】図2に示した従来のプラズマ表示装置にお
ける、一対の第1の電極12A,12Bとバス電極13
と隔壁25の配置関係を、図19に模式的に示す。尚、
点線で囲まれた領域が1画素に相当する。各領域を明確
にするために、斜線を付した。1画素の外形は概ね正方
形である。1画素は隔壁25によって3つの区画(放電
セル)に区切られており、各放電セルから、3原色
(R,G,B)の内のいずれかが発光する。1画素の外
形寸法を「L0」としたとき、各放電セルの一辺の長さ
はL0/3=L1であり、他辺の長さはL0である。従っ
て、一対の第1の電極12A,12Bにおいて、放電に
寄与する第1の電極12A,12Bの部分の長さはL1
よりも若干短い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマ表
示装置においては、益々、画素の高密度化、高精細化の
要求が高まっている。このような要求に対処するために
は、1つの放電セルの一辺の長さL1を短くせざるを得
ない。図16の(A)に概念図を示すような一辺L1
寸法を有する1つの放電セルを、図16の(B)に概念
図を示すような一辺L1/2=L2の寸法を有する1つの
放電セルに変更する場合を想定する。尚、図16の
(A)に示す状態を説明するときには添字「1」を付
し、図16の(B)に示す状態を説明するときには添字
「2」を付す。このような場合、隔壁25の厚さをW1
からW2とするが、隔壁形成時の欠け等の不良発生を防
止するために隔壁25には或る程度の強度が必要とされ
るので、W2の値をW1の1/2とすることは困難であ
る。それ故、隔壁25の挟まれた放電空間の体積V2
元の放電空間の体積V1の1/2未満となってしまう。
【0010】このように放電空間の体積が減少すると、
放電の開始及び維持に必要とされるメタステーブル粒子
(放電空間内に存在する準安定状態にある希ガス原子や
分子、二量体等)の数が少なくなり、結果的に、放電開
始電圧や放電維持電圧が高くなり、効率低下を招く。ま
た、対向する一対の第1の電極12A,12Bの間隔が
狭くなる結果、リーク電流が流れ易くなり、絶縁破壊や
異常放電が発生し易くなる。更には、隔壁25の厚さを
薄くする必要があるので、加工時、隔壁25に損傷が発
生し易くなる。隔壁25に損傷が発生すると、光学的ク
ロストークが生じる虞がある。
【0011】また、プラズマ表示装置における発光過程
は、以下のとおりである。即ち、対向する一対の第1の
電極12A,12Bの内、陰極に相当する第1の電極の
近傍の保護層14にイオンを当て、保護層14から2次
電子を放出させ、この2次電子を加速して中性ガスを電
離することによって電子の数を増やし、これらの電子が
希ガスを励起し、その結果放射された紫外線が蛍光体層
を励起して可視光を発光する。ここで、隔壁25の間隔
が狭くなると、保護層14から放出された2次電子が隔
壁25に付着し易くなり、効率低下を招く。
【0012】従って、本発明の目的は、画素の高密度
化、高精細化のために隔壁の間隔が狭くなっても、効率
の良い発光を達成することができ、放電開始電圧や放電
維持電圧が高くなることが無く、絶縁破壊や異常放電が
発生し難いプラズマ表示装置及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の交流駆動型のプラズマ表示装置は、(イ)
第1の基板と、第1の基板の表面に設けられた複数の第
1の電極から構成された第1の電極群と、第1の電極群
上を含む第1の基板上に形成された保護層とから成る第
1のパネル、及び、(ロ)第2の基板と、第2の基板の
上方に設けられた蛍光体層と、第1の電極の延びる方向
と所定の角度を成して延び、隣接する蛍光体層の間に設
けられた隔壁とから成る第2のパネル、を有し、対向す
る一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流駆動型
のプラズマ表示装置であって、対向する一対の第1の電
極の間の第1の基板には凹部が形成されていることを特
徴とする。
【0014】ここで、本発明における交流駆動型のプラ
ズマ表示装置は、第1のパネルと第2のパネルとが保護
層と蛍光体層とが対面するごとく対向して配置され、第
1の電極が延びる方向と隔壁が延びる方向とは所定の角
度(例えば、90°)を成し、保護層と蛍光体層と一対
の隔壁によって囲まれた空間には希ガスが封入されてお
り、蛍光体層は、対向する一対の第1の電極の間で生じ
た希ガス中での交流グロー放電に基づき発生した紫外線
に照射されて発光する構造を有する。1つの第1の電極
(対になった第1の電極)と一対の隔壁とが重複する領
域が、1つの放電セルに相当する。
【0015】本発明のプラズマ表示装置あるいは後述す
る本発明のプラズマ表示装置の製造方法においては、凹
部は溝部とすることができ、この場合、溝部の空間的な
幅は5×10-5m未満、好ましくは4×10-5m以下、
一層好ましくは2.5×10 -5m以下であることが望ま
しい。溝部の空間的な幅の最小値は、溝部内で絶縁破壊
が生じない値とすればよい。尚、溝部の空間的な幅と
は、溝部の延びる方向をX軸、第1の基板の法線方向を
Z軸としたとき、Y軸方向の溝部の空間的な距離を指
す。そして、溝部の側壁や底部に保護層が形成されてい
ない場合には、対向する溝部側壁間の距離を意味する
が、溝部の側壁や底部に保護層が形成されている場合、
対向する溝部側壁上の保護層の表面間のY軸に沿った距
離を意味する。Z軸方向に溝部の幅が変化する場合、溝
部の最も広い部分における溝部の空間的な幅を溝部の空
間的な幅とする。溝部の深さは、本質的には制限が無い
が、溝部の空間的な幅の0.5〜5倍程度であることが
好ましい。
【0016】あるいは又、本発明のプラズマ表示装置あ
るいは後述する本発明のプラズマ表示装置の製造方法に
おいては、凹部は、一対の隔壁の間に位置する第1の基
板の領域に設けられた孔部とすることができ、この場
合、孔部の空間的な径は5×10-5m未満、好ましくは
4×10-5m以下、一層好ましくは2.5×10-5m以
下であることが望ましい。孔部の空間的な径の最小値
は、孔部内で絶縁破壊が生じない値とすればよい。尚、
孔部の空間的な径とは、第1の基板の法線方向(Z軸方
向)と直角の仮想平面(XY平面)で孔部を切断したと
きの孔部の断面形状が矩形以外の断面形状である場合に
は、かかる断面形状の断面積と同じ面積の円を想定した
ときの、かかる円の直径を意味する。かかる断面形状を
有する孔部の側壁や底部に保護層が形成されている場
合、孔部の空間的な径とは、XY平面で孔部を切断した
ときの保護層表面の描く軌跡と同じ面積の円を想定した
ときの、かかる円の直径を意味する。また、断面形状が
矩形の場合には、一対の隔壁の延びる方向(Y軸方向)
と平行な辺の長さを意味する。かかる矩形の孔部の側壁
や底部に保護層が形成されている場合、孔部の空間的な
径とは、一対の隔壁の延びる方向(Y軸方向)と平行な
方向に沿った対向する保護層表面の間の距離を意味す
る。Z軸方向に孔部の断面積が変化する場合、最も大き
な断面積から求められた孔部の空間的な径を孔部の空間
的な径とする。孔部の断面形状の具体例としては、円
形、楕円形、正方形や長方形といった矩形を含む任意の
多角形、丸みを帯びた多角形を挙げることができる。孔
部の深さは、本質的には制限が無いが、孔部の空間的な
径の0.5〜5倍程度であることが好ましい。場合によ
っては、孔部は隔壁の下に対応する第1の基板の部分に
まで延びていてもよい。
【0017】以下に説明する本発明の第1の態様〜第3
の態様に係る交流駆動型のプラズマ表示装置の製造方法
は、本発明のプラズマ表示装置の製造方法、即ち、
(イ)第1の基板と、第1の基板の表面に設けられた複
数の第1の電極から構成された第1の電極群と、第1の
電極群上を含む第1の基板上に形成された保護層とから
成る第1のパネル、及び、(ロ)第2の基板と、第2の
基板の上方に設けられた蛍光体層と、第1の電極の延び
る方向と所定の角度を成して延び、隣接する蛍光体層の
間に設けられた隔壁とから成る第2のパネル、を有し、
対向する一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流
駆動型のプラズマ表示装置の製造方法である。
【0018】そして、上記の目的を達成するための本発
明の第1の態様に係る交流駆動型のプラズマ表示装置の
製造方法は、第1のパネルを、(A)第1の基板上にパ
ターニングされた第1の電極を形成する工程と、(B)
対向する一対の第1の電極の間の第1の基板に凹部を形
成する工程と、(C)第1の電極群上及び凹部内を含む
第1の基板上に保護層を形成する工程、によって作製す
ることを特徴とする。
【0019】本発明の第1の態様に係る交流駆動型のプ
ラズマ表示装置の製造方法においては、前記工程(B)
は、対向する一対の第1の電極の間に開口部が形成され
たレジスト層を全面に形成した後、該レジスト層をエッ
チング用マスクとして第1の基板をエッチング(ウエッ
トエッチングあるいはドライエッチング)する工程から
成る形態とすることができる。これによって、溝部ある
いは孔部から構成された凹部を得ることができる。ある
いは又、前記工程(B)は、対向する一対の第1の電極
の間の第1の基板に、機械的掘削法あるいは機械的研削
法にて凹部を形成する工程から成る形態とすることがで
きる。ここで、機械的掘削法としてダイシング・ソー法
を挙げることができ、また、機械的研削法としてサンド
ブラスト法を挙げることができる。以下においても同様
である。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る交流駆動型のプラズマ表示装置の製造方法
は、第1のパネルを、(A)第1の基板上に導電材料層
を形成する工程と、(B)導電材料層をパターニングし
て第1の電極を形成し、引き続き、対向する一対の第1
の電極の間の第1の基板に凹部を形成する工程と、
(C)第1の電極群上及び凹部内を含む第1の基板上に
保護層を形成する工程、によって作製することを特徴と
する。
【0021】本発明の第2の態様に係る交流駆動型のプ
ラズマ表示装置の製造方法においては、前記工程(B)
は、導電材料層上にパターニングされたレジスト層を形
成した後、該レジスト層をエッチング用マスクとして、
導電材料層をエッチング(ウエットエッチングあるいは
ドライエッチング)し、引き続き、第1の基板をエッチ
ング(ウエットエッチングあるいはドライエッチング)
する工程から成る形態とすることができる。これによっ
て、溝部から構成された凹部を得ることができる。ある
いは又、前記工程(B)は、機械的掘削法あるいは機械
的研削法にて、導電材料層をパターニングし、引き続
き、第1の基板に凹部を形成する工程から成る形態とす
ることができる。これによって、溝部から構成された凹
部を得ることができる。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る交流駆動型のプラズマ表示装置の製造方法
は、第1のパネルを、(A)対向する一対の第1の電極
を形成すべき第1の基板の領域に挟まれた第1の基板の
部分に凹部を形成する工程と、(B)凹部近傍の第1の
基板の表面にパターニングされた第1の電極を形成する
工程と、(C)第1の電極群上及び凹部内を含む第1の
基板上に保護層を形成する工程、によって作製すること
を特徴とする。
【0023】本発明の第3の態様に係る交流駆動型のプ
ラズマ表示装置の製造方法においては、前記工程(A)
は、機械的方法、化学的方法、直接的方法のいずれかに
よって、第1の基板に凹部を形成する工程から成る形態
とすることができる。これによって、溝部あるいは孔部
から構成された凹部を得ることができる。尚、機械的方
法には機械的掘削法及び機械的研削法が包含され、化学
的方法にはウエットエッチング法及びドライエッチング
法が包含され、直接的方法には第1の基板を例えば熱間
プレス法にて製造する方法が包含される。
【0024】本発明のプラズマ表示装置若しくはその製
造方法において、保護層と蛍光体層と一対の隔壁によっ
て囲まれた空間に封入された希ガスの圧力は、2.0×
10 4Pa(0.2気圧)乃至3.0×105Pa(3気
圧)、好ましくは4.0×104Pa(0.4気圧)乃
至2.0×105Pa(2気圧)とすることが望まし
い。尚、溝部の空間的な幅あるいは孔部の空間的な径を
5×10-5m未満とする場合には、空間内における希ガ
スの圧力を2.0×104Pa(0.2気圧)以上3.
0×105Pa(3気圧)以下、好ましくは4.0×1
4Pa(0.4気圧)以上2.0×105Pa(2気
圧)以下とすることが望ましく、このような圧力範囲と
することによって、希ガス中での陰極グローに主に基づ
き発生した紫外線に照射されて蛍光体層が発光するし、
このような圧力範囲内では、圧力が高いほどプラズマ表
示装置を構成する各種部材のスパッタリング率が低減す
る結果、プラズマ表示装置を長寿命化することができ
る。
【0025】複数の第2の電極から構成された第2の電
極群は、第1の基板上に設けられていてもよいし、第2
の基板上に設けられていてもよい。前者の場合、第2の
電極は、保護層上に絶縁膜を介して設けられており、第
2の電極と第1の電極が延びる方向とは所定の角度(例
えば、90°)を成す。後者の場合、第2の電極は、第
2の基板上に設けられており、第2の電極と第1の電極
が延びる方向とは所定の角度(例えば、90°)を成
し、蛍光体層は第2の電極の上方に設けられている。
【0026】第1の電極あるいは導電材料層を構成する
導電性材料は、プラズマ表示装置が透過型であるか、反
射型であるかによって異なる。透過型のプラズマ表示装
置では、蛍光体層の発光は第2の基板を通して観察され
るので、第1の電極あるいは導電材料層を構成する導電
性材料に関して透明/不透明の別は問わないが、第2の
電極を第2の基板上に設ける場合、第2の電極が透明で
あることが望まれる。反射型のプラズマ表示装置では、
蛍光体層の発光は第1の基板を通して観察されるので、
第2の電極を第2の基板上に設ける場合、第2の電極を
構成する導電性材料に関して透明/不透明の別は問わな
いが、第1の電極あるいは導電材料層を構成する導電性
材料が透明であることが望まれる。尚、ここで述べる透
明/不透明とは、蛍光体材料に固有の発光波長(可視光
域)における導電性材料の光透過性に基づく。即ち、蛍
光体層から射出される光に対して透明であれば、第1の
電極あるいは導電材料層を構成する導電性材料は透明で
あると云える。不透明な導電性材料として、Ni、A
l、Au、Ag、Al、Pd/Ag、Cr、Ta、C
u、Ba、LaB6、Ca0.2La0.8CrO3等の材料を
単独又は適宜組み合わせて用いることができる。透明な
導電性材料として、ITO(インジウム・錫酸化物)や
SnO2を挙げることができる。
【0027】本発明の第1の態様若しくは第3の態様に
係るプラズマ表示装置の製造方法における第1の電極の
形成方法として、使用する導電性材料に応じて蒸着法、
スパッタリング法、CVD法、印刷法、リフトオフ法等
を適宜選択することができる。即ち、適当なマスクやス
クリーンを使用した印刷法にて最初から所定のパターン
を有する第1の電極を形成してもよいし、蒸着法やスパ
ッタリング法、CVD法に基づき導電材料層を全面に形
成した後に、導電材料層をパターニングして第1の電極
を形成してもよいし、所謂リフトオフ法にて第1の電極
を形成してもよい。本発明の第2の態様に係るプラズマ
表示装置の製造方法における導電材料層の形成方法とし
て、使用する導電性材料に応じて蒸着法、スパッタリン
グ法、CVD法、印刷法、リフトオフ法等を適宜選択す
ることができる。
【0028】第1の電極に加えて、第1の基板には、第
1の電極のインピーダンスを低下させるために、第1の
電極よりも電気抵抗率の低い材料から成るバス電極が設
けられていることが好ましい。バス電極は、典型的に
は、金属材料、例えば、Ag、Al、Ni、Cu、C
r、Cr/Cu/Cr積層膜から構成することができ
る。かかる金属材料から成るバス電極は、反射型のプラ
ズマ表示装置においては、蛍光体層から放射されて第1
の基板を通過する可視光の透過光量を低減させ、表示画
面の輝度を低下させる要因となり得るので、第1の電極
に必要な電気抵抗値が得られる範囲内で出来る限り細く
形成することが好ましい。
【0029】保護層は単層構造あるいは積層構造とする
ことができる。単層構造の保護層を構成する材料とし
て、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウム
(MgF2)、酸化アルミニウム(Al23)を例示す
ることができる。中でも酸化マグネシウムは、化学的に
安定であり、スパッタリング率が低く、蛍光体層の発光
波長における光透過率が高く、放電開始電圧が低い等の
特色を有する好適な材料である。尚、保護層を、酸化マ
グネシウム、フッ化マグネシウム及び酸化アルミニウム
から成る群から選択された少なくとも2種類の材料から
構成された積層構造としてもよい。
【0030】あるいは又、保護層を2層構成とすること
もできる。2層構成を有する保護層は、第1の電極群に
接する誘電体層と、誘電体層上に設けられ、誘電体層よ
りも2次電子放出効率の高い被覆層とから構成すること
ができる。誘電体層は、典型的には、低融点ガラスある
いはSiO2から構成される。また、被覆層は、典型的
には、酸化マグネシウム(MgO)、フッ化マグネシウ
ム(MgF2)、酸化アルミニウム(Al23)から構
成することができる。かかる2層構成は、真空紫外線の
波長領域における被覆層の透明性(光透過率)がそれ程
高くない場合に、保護層全体としての透明性を誘電体層
で確保し、2次電子放出効率の高さを被覆層で確保する
目的で採用することができる。これによって、安定した
放電維持動作が可能となり、しかも、真空紫外線が保護
層によって吸収され難くなり、更には、蛍光体層から射
出される可視光が保護層に吸収され難い構造を得ること
ができる。
【0031】保護層を、第1の電極群上を含む第1の基
板上に形成することにより、イオンや電子と第1の電極
群との直接接触を防止することができる結果、第1の電
極群の磨耗を防ぐことができる。保護層は、この他に
も、アドレス期間に発生する壁電荷を蓄積する機能、放
電に必要な2次電子を放出する機能、過剰な放電電流を
制限する抵抗体としての機能、放電状態を維持するメモ
リ機能を有する。
【0032】第1の基板及び第2の基板の構成材料とし
て、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪
酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステラ
イト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・Pb
O・SiO2)を例示することができる。第1の基板と
第2の基板の構成材料は、同じであっても異なっていて
もよい。
【0033】本発明のプラズマ表示装置は、所謂対向放
電型のプラズマ表示装置であり、第1の電極群は、厳密
には電極リードとしての役割を果たし、真の電極は保護
層である。尚、第2の電極を第2の基板上に設ける場
合、第2の基板上に先ず誘電体層を設け、この誘電体層
の上に蛍光体層を設ける。誘電体膜の構成材料として、
低融点ガラスやSiO2を挙げることができる。
【0034】隔壁は、隣接する蛍光体層の間に設けられ
ている。言い換えれば、隔壁は、隣り合う第2の電極の
間の領域において第2の電極と平行に延びている構成と
することができる。即ち、一対の隔壁の間を1つの第2
の電極が延びる構造とすることができる。場合によって
は、隔壁は、隣り合う第1の電極の間の領域において第
1の電極と平行に延びる第1隔壁と、隣り合う第2の電
極の間の領域において第2の電極と平行に延びる第2隔
壁とから構成されている(即ち、格子状とされている)
構成とすることもできる。かかる格子状の隔壁は、従来
よりDC型プラズマ表示装置に採用されているが、AC
型の本発明のプラズマ表示装置にも適用することができ
る。
【0035】隔壁の構成材料としては、従来から公知の
絶縁材料を使用することができ、例えば、広く用いられ
ている低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合し
た材料を用いることができる。隔壁の形成方法として、
スクリーン印刷法、サンドブラスト法、ドライフィルム
法、感光法を例示することができる。ドライフィルム法
とは、第2の基板上(誘電体膜を用いる場合には、誘電
体膜上)に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現
像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去
し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋
め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成に
よって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成
用の材料が残り、隔壁となる。感光法とは、第2の基板
上(誘電体膜を用いる場合には、誘電体膜上)に感光性
を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光及び現像に
よってこの材料層をパターニングした後、焼成を行う方
法である。尚、隔壁を黒くすることにより、所謂ブラッ
ク・マトリックスを形成し、表示画面の高コントラスト
化を図ることができる。隔壁を黒くする方法として、隔
壁の頂部に感光性銀ペースト層や低反射クロム層等の光
吸収層を設ける方法や、黒色に着色されたカラーレジス
ト材料を用いて隔壁を形成する方法を例示することがで
きる。
【0036】蛍光体層は、赤色を発光する蛍光体材料、
緑色を発光する蛍光体材料及び青色を発光する蛍光体材
料から成る群から選択された蛍光体材料から構成され、
第2の基板の上方に設けられている。第2の電極を第2
の基板上に設ける場合、具体的には、例えば、赤色を発
光する蛍光体材料から構成された蛍光体層(赤色蛍光体
層)が第2の電極の上方に設けられ、緑色を発光する蛍
光体材料から構成された蛍光体層(緑色蛍光体層)が別
の第2の電極の上方に設けられ、青色を発光する蛍光体
材料から構成された蛍光体層(青色蛍光体層)が更に別
の第2の電極の上方に設けられており、これらの3原色
を発光する蛍光体層が1組となり、所定の順序に従って
設けられている。一方、第2の電極を第1の基板上に設
ける場合、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体
層のそれぞれが第2の基板上に設けられており、これら
の3原色を発光する蛍光体層が1組となり、所定の順序
に従って設けられている。そして、1つの第1の電極
(対になった第1の電極)とこれらの3原色を発光する
1組の蛍光体層が重複する領域が、1画素に相当する。
赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層は、スト
ライプ状に形成されていてもよいし、格子状に形成され
ていてもよい。赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍
光体層がストライプ状に形成されている場合であって、
第2の電極を第2の基板上に設ける場合、1つの赤色蛍
光体層が1つの第2の電極の上方に形成され、1つの緑
色蛍光体層が1つの第2の電極の上方に形成され、1つ
の青色蛍光体層が1つの第2の電極の上方に形成されて
いる。一方、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光
体層が格子状に形成されている場合には、1つの第2の
電極の上方に、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍
光体層が所定の順に形成されている。
【0037】尚、第2の電極を第2の基板上に設ける場
合、蛍光体層は第2の電極の上に直接形成されていても
よいし、第2の電極上から隔壁の側面に懸けて形成され
ていてもよい。あるいは又、蛍光体層は、第2の電極上
に設けられた誘電体膜上に形成されていてもよいし、第
2の電極上に設けられた誘電体膜上から隔壁の側面に懸
けて形成されていてもよい。更には、蛍光体層は、隔壁
の側面にのみ形成されていてもよい。「蛍光体層が第2
の電極の上方に設けられている」とは、以上に述べた各
種の形態を全て包含する概念である。第2の電極を第1
の基板上に設ける場合、蛍光体層は第2の基板の上に形
成されていてもよいし、第2の基板上から隔壁の側面に
懸けて形成されていてもよいし、隔壁の側面にのみ形成
されていてもよい。
【0038】蛍光体層を構成する蛍光体材料としては、
従来から公知の蛍光体材料の中から、量子効率が高く、
真空紫外線に対する飽和が少ない蛍光体材料を適宜選択
して用いることができる。カラー表示を想定しているの
で、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原
色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、
3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合
わせることが好ましい。真空紫外線の照射により赤色に
発光する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(YB
3Eu)、(YVO4:Eu)、(Y0.960.600.40
4:Eu0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(G
dBO3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5Mg
O・0.5MgF2・GeO2:Mn)を例示することが
できる。真空紫外線の照射により緑色に発光する蛍光体
材料として、(ZnSiO2:Mn)、(BaAl12
19:Mn)、(BaMg2Al1627:Mn)、(Mg
Ga24:Mn)、(YBO3:Tb)、(LuBO3
Tb)、(Sr4Si3 8Cl4:Eu)を例示すること
ができる。真空紫外線の照射により青色に発光する蛍光
体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4
Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgA
1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr2
27:Sn)を例示することができる。蛍光体層の形成
方法として、厚膜印刷法、蛍光体粒子をスプレーする方
法、蛍光体層の形成予定部位に予め粘着性物質を付けて
おき、蛍光体粒子を付着させる方法、感光性の蛍光体ペ
ーストを使用し、露光及び現像によって蛍光体層をパタ
ーニングする方法、全面に蛍光体層を形成した後に不要
部をサンドブラスト法により除去する方法を挙げること
ができる。
【0039】空間に封入される希ガスには、以下の点が
要求される。 プラズマ表示装置の長寿命化の観点から、化学的に
安定であり、且つ、ガス圧力を高く設定し得ること 表示画面の高輝度化の観点から、真空紫外線の放射
強度が大きいこと 真空紫外線から可視光線へのエネルギー変換効率を
高める観点から、放射される真空紫外線の波長が長いこ
と 消費電力低減の観点から、放電開始電圧の低いこと
【0040】希ガスとして、He(共鳴線の波長=5
8.4nm)、Ne(同74.4nm)、Ar(同10
7nm)、Kr(同124nm)、Xe(同147n
m)を単独で用いるか、又は混合して用いることが可能
であるが、ペニング効果による放電開始電圧の低下が期
待できる混合ガスが特に有用である。かかる混合ガスと
しては、Ne−Ar混合ガス、He−Xe混合ガス、N
e−Xe混合ガスを挙げることができる。尚、これらの
希ガスの中でも最も長い共鳴線波長を有するXeは、波
長172nmの強い真空紫外線も放射するので、好適な
希ガスである。
【0041】ここで、放電セル内におけるグロー放電の
発光状態を、図17及び図18を参照して説明する。図
17の(A)に、希ガスを封入した放電管内で直流グロ
ー放電を行った場合の発光状態を模式的に示す。陰極か
ら陽極に向かって、アストン暗部A、陰極グローB、陰
極暗部(クルックス暗部)C、負グローD、ファラデー
暗部E、陽光柱F及び陽極グローGが順に現れる。交流
グロー放電では、陰極と陽極が所定の周波数にて反転を
繰り返すため、電極間の中央部に陽光柱Fが位置し、陽
光柱Fの両側にファラデー暗部E、負グローD、陰極暗
部C、陰極グローB及びアストン暗部Aがこの順に対称
に現れる。図17の(B)に示す状態は、蛍光灯のよう
に電極間の距離が十分に長い場合にみられる。
【0042】電極間の距離を縮めてゆくと陽光柱Fの長
さが減少する。更に電極間の距離を縮めると、図18の
(A)に示すように陽光柱Fが消失し、電極間の中央部
に負グローDが位置し、負グローDの両側に陰極暗部
C、陰極グローB及びアストン暗部Aがこの順に対称に
現れる。図18の(A)に示した状態は、電極の間隔が
1×10-4m前後の場合に生じる状態である。但し、本
発明のプラズマ表示装置においては、放電を維持するた
めの一対の第1の電極が並列配置となっているので、負
グローは、陰極に相当する第1の電極を被覆する保護層
の表面部分の近傍の空間領域に形成される。
【0043】一方、電極の間隔が5×10-5m未満にな
ると、模式的に図18の(B)に示すように、電極の間
の中央部に陰極グローBが位置し、陰極グローBの両側
にアストン暗部Aが現れる。尚、場合によっては、負グ
ローが一部存在し得る。但し、本発明のプラズマ表示装
置においては、放電を維持するための一対の第1の電極
が並列配置となっているので、陰極グローは、陰極に相
当する第1の電極を被覆する保護層の表面部分の近傍の
空間領域及び凹部内の空間領域に形成される。このよう
に、溝部の空間的な幅あるいは孔部の空間的な径を5×
10-5m未満とし、しかも、空間内の圧力を2.0×1
4Pa(0.2気圧)以上3.0×105Pa(3気
圧)以下とすることによって、放電モードとして陰極グ
ローを利用することが可能となる。それ故、高い交流グ
ロー放電効率を達成できる結果、プラズマ表示装置にお
いて高い発光効率と輝度を得ることができる。
【0044】本発明においては、放電を生じさせる一対
の第1の電極の間の第1の基板に凹部が形成されている
ので、放電空間の体積を増加させることができるし、一
対の第1の電極の一方から他方までの経路(パス)を長
くすることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0046】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の交流駆動型のプラズマ表示装置、及び、本発明の第1
の態様に係るプラズマ表示装置の製造方法に関する。実
施の形態1のプラズマ表示装置の概念的な分解斜視図
は、概ね図2に示したと同様である。このプラズマ表示
装置は、第1のパネルであるフロントパネル10と、第
2のパネルであるリアパネル20を有する。フロントパ
ネル10は、例えばガラスから成る第1の基板11と、
第1の基板11上に設けられた複数の第1の電極12
A,12Bから構成された第1の電極群と、第1の電極
群上を含む第1の基板11上に形成された保護層14と
から成る。第1の電極12A,12Bのそれぞれの縁部
には、第1の電極12A,12Bと平行に延びるバス電
極13が形成されている。
【0047】一方、リアパネル20は、例えばガラスか
ら成る第2の基板21と、第2の基板21上にストライ
プ状に設けられた複数の第2の電極(アドレス電極ある
いはデータ電極とも呼ばれる)22から構成された第2
の電極群と、第2の電極22の上方に設けられた蛍光体
層24と、隣接する第2の電極22の間に設けられた隔
壁25とから成る。尚、第2の電極22上を含む第2の
基板21上には誘電体膜23が形成されている。絶縁材
料から成る隔壁25は、誘電体膜23上であって隣り合
う第2の電極22の間の領域に形成されており、第2の
電極22と平行に延びている。蛍光体層24は、誘電体
膜23上から隔壁25の側壁面上に亙って設けられてい
る。蛍光体層24は、赤色蛍光体層24R、緑色蛍光体
層24G、及び、青色蛍光体層24Bから構成されてお
り、これらの各色の蛍光体層24R,24G,24Bが
所定の順序に従って設けられている。
【0048】図2は分解斜視図であり、実際にはリアパ
ネル20側の隔壁25の頂部がフロントパネル10側の
保護層14に当接している。また、フロントパネル10
とリアパネル20とは、保護層14と蛍光体層24とが
対面するごとく対向して配置され、周縁部において図示
しないシール層を介して接着されている。一対の第1の
電極12A,12Bと、一対の隔壁25とが重複する領
域が、放電セルに相当する。また、一対の第1の電極1
2A,12Bと、3原色の蛍光体層24R,22G,2
2Bの1組とが重複する領域が1画素に相当する。フロ
ントパネル10とリアパネル20とによって形成された
空間内には、例えばNe−Xe混合ガス(例えば、Ne
50%−Xe50%混合ガス)が圧力8×104Pa
(0.8気圧)にて封入されている。即ち、隣り合う隔
壁25と蛍光体層24と保護層14とによって囲まれた
空間内には、希ガスが封入されている。
【0049】フロントパネル10の模式的な一部断面図
を図1の(A)に示す。また、第1の電極12A,12
B等と隔壁25との位置関係を模式的に図1の(B)に
示す。図1の(B)において、隔壁25を一点鎖線で示
し、1つの放電セル(区画)を点線で示す。尚、図1の
(A)のフロントパネル10の上方にリアパネル20が
位置するが、リアパネル20の図示は省略した。また、
図1の(B)においては、バス電極13の図示を省略し
た。
【0050】図1に示すように、対向する一対の第1の
電極12A,12Bの間の第1の基板11には凹部31
が形成されている。尚、図2においては、凹部31の図
示を省略している。図1に示す例においては、凹部31
は溝部である。凹部31は、図1の(B)に示すよう
に、一対の第1の電極12Aと第1の電極12Bとの間
に、これらの第1の電極12A,12Bと平行に形成さ
れている。第1の電極12A,12Bの延びる方向と、
隔壁25が延びる方向とが成す所定の角度は、例えば9
0°である。凹部31の側壁及び底部には、保護層14
が形成されている。保護層14の形成条件によっては、
凹部31の側壁の一部に保護層14が形成されない場合
もあるが、問題はない。
【0051】尚、図1の(B)において、参照番号
「R」で示された一対の隔壁25で挟まれた領域に相当
する第2の基板21の領域の上方には赤色蛍光体層24
Rが形成されており、参照番号「G」で示された一対の
隔壁25で挟まれた領域に相当する第2の基板21の領
域の上方には緑色蛍光体層24Gが形成されており、参
照番号「B」で示された一対の隔壁25で挟まれた領域
に相当する第2の基板21の領域の上方には青色蛍光体
層24Bが形成されている。赤色、緑色、青色を発光す
る隣接する3つの放電セルによって1画素が構成され、
1画素の外形は、概ね正方形であり、1画素は隔壁25
によって3つの放電セルに区切られている。但し、図1
の(B)においては、1画素を恰も長方形の如くに図示
した。
【0052】各第1の電極12A,12Bは、第1の基
板11上に形成され、例えばITOといった透明な導電
性材料から形成されている。一方、バス電極13を構成
する導電性材料として、ITOよりも電気抵抗率の低い
材料、例えばクロム/銅/クロム積層膜を用いる。バス
電極13の線幅は、表示画面(図2の第1の基板11の
図中上側の面)の輝度を損なわないように、第1の電極
12A,12Bの線幅に比べて十分に狭くされている。
尚、バス電極13は、図1の(A)に示すように、第1
の電極12A,12Bの側壁を覆うように形成されてい
てもよいし、図2に示すように、バス電極13の側壁と
第1の電極12A,12Bの側壁とが一致するように形
成されていてもよい。
【0053】第2の電極群は、第2の基板21上にスト
ライプ状に形成された第2の電極22の集合体である。
各第2の電極22は、例えば銀やアルミニウムから構成
されており、第1の電極12A,12Bと共に放電の開
始に寄与する他、蛍光体層24から生ずる発光を表示画
面側へ反射させ、表示画面の輝度を向上させることにも
寄与する。蛍光体層24は、赤色蛍光体層24R、緑色
蛍光体層24G及び青色蛍光体層24Bから構成されて
おり、これらの3原色を発光する蛍光体層24R,22
G,22Bが1組となり、且つ、所定の順序に従って第
2の電極22の上方に設けられている。
【0054】次に、かかる構成を有するプラズマ表示装
置の交流グロー放電動作の一例を説明する。先ず、全て
の第1の電極12A,12Bに、放電開始電圧Vbdより
も低いパルス電圧を短時間印加する。これによって、一
方の第1の電極の近傍の保護層14の表面に誘電分極に
起因して壁電荷が発生し、壁電荷が蓄積し、見掛けの放
電開始電圧が低下する。その後、第2の電極(アドレス
電極)22に電圧を印加しながら、表示をさせない放電
セルに含まれる一方の第1の電極に電圧を印加すること
によって、第2の電極22と一方の第1の電極との間に
放電を生じさせ、蓄積された壁電荷を消去する。この消
去放電を各第2の電極22において順次実行する。一
方、表示をさせる放電セルに含まれる一方の第1の電極
には電圧を印加しない。これによって、壁電荷の蓄積を
維持する。その後、再び、全ての一対の第1の電極12
A,12B間に所定の電圧(放電維持電圧Vsus)を印
加することによって、壁電荷が蓄積されていた放電セル
においては一対の第1の電極12A,12Bの間で放電
が開始し、放電セルにおいては、希ガス中でのグロー放
電に基づき発生した真空紫外線の照射によって励起され
た蛍光体層が、蛍光体材料の種類に応じた特有の発光色
を呈する。尚、一方の第1の電極と他方の第1の電極に
印加される放電維持電圧の位相は半周期ずれており、電
極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
【0055】あるいは又、かかる構成を有するプラズマ
表示装置の交流グロー放電動作の別の例を説明する。放
電動作は、初期放電によって保護層14の表面に壁電荷
を発生させるアドレス期間と、放電を維持する放電維持
期間とに分けて行われる。アドレス期間では、選択され
た一方の第1の電極と選択された第2の電極22に、放
電開始電圧Vbdよりも低いパルス電圧を短時間印加す
る。パルス電圧が印加された一方の第1の電極と第2の
電極22との重複領域が表示画素として選択され、この
重複領域において保護層14の表面に誘電分極に起因し
て壁電荷が発生し、壁電荷が蓄積される。続く放電維持
期間では、一対の第1の電極12A,12BにVbdより
も低い放電維持電圧Vsusを印加する。壁電荷が誘起す
る壁電圧Vwと放電維持電圧Vsusとの和が放電開始電圧
bdよりも大きくなれば(即ち、Vw+Vsus>Vbd)、
放電が開始される。一方の第1の電極と他方の第1の電
極に印加される放電維持電圧Vsusの位相は半周期ずれ
ており、電極の極性は交流の周波数に応じて反転する。
【0056】交流グロー放電が維持された画素では、空
間内に生じた希ガスの励起に基づき放射された真空紫外
線に照射されて蛍光体層24が励起され、蛍光体材料の
種類に応じた特有の色の発光が得られる。
【0057】本発明のプラズマ表示装置においては、対
向する一対の第1の電極12A,12Bの間の第1の基
板11に凹部31が形成されているので、放電空間の体
積が増加し、図12の(A)に示すように、放電パスが
増加する。即ち、対向する一対の第1の電極12Aの近
傍の保護層14の表面と第1の電極12Bの近傍の保護
層14の表面との間、及び、対向する凹部の側壁上の保
護層14の表面との間で、放電が生じ得る。即ち、放電
の開始及び維持に必要とされるメタステーブル粒子(放
電空間内に存在する準安定状態にある希ガス原子や分
子、二量体等)の数を増加させることができ、放電開始
電圧や放電維持電圧が高くなるといったことが無く、効
率低下を招くことが無い。また、図13の(A)に示す
ように、第1の基板11の表面を伝わるリーク電流の経
路が長くなるし、図14の(A)に示すように、保護層
14内を伝わるリーク電流の経路も長くなるし、図15
の(A)に示すように、保護層14の表面を伝わるリー
ク電流の経路も長くなる。それ故、リーク電流が流れ難
くなり、絶縁破壊や異常放電が発生し難くなる。一方、
従来のプラズマ表示装置においては、対向する一対の第
1の電極の間隔を狭くすると、放電空間の体積が減少
し、放電の開始及び維持に必要とされるメタステーブル
粒子(放電空間内に存在する準安定状態にある希ガス原
子や分子、二量体等)の数が減少し、放電開始電圧や放
電維持電圧が高くなり、効率低下を招く。また、図13
の(B)に示すように、第1の基板11の表面を伝わる
リーク電流の経路が短くなり、図14の(B)に示すよ
うに、保護層14内を伝わるリーク電流の経路も短くな
り、図15の(B)に示すように、保護層14の表面を
伝わるリーク電流の経路も短くなる。それ故、リーク電
流が流れ易く、絶縁破壊や異常放電が発生し易くなる。
【0058】実施の形態1のプラズマ表示装置の製造方
法(本発明の第1の態様に係るプラズマ表示装置の製造
方法)の概要を、第1の基板11等の模式的な一部断面
図である図3及び図4を参照して、以下、説明する。
尚、以下の説明中、製造方法の任意の段階における第1
の基板11やその上に形成された全ての構造物、あるい
は第2の基板21やその上に形成された全ての構造物
を、「基体」と称する場合がある。
【0059】第1のパネルであるフロントパネル10
は、以下のようにして製造することができる。
【0060】[工程−100]先ず、第1の基板11上
にパターニングされた第1の電極12A,12Bを形成
する。具体的には、第1の基板11の全面に例えばスパ
ッタリング法によりITOから成る導電材料層112を
形成し(図3の(A)参照)、リソグラフィ技術及びエ
ッチング技術により導電材料層112をストライプ状に
パターニングすることによって、第1の電極12A,1
2Bを形成することができる(図3の(B)参照)。次
に、基体の全面に例えばスパッタリング法によりクロム
/銅/クロム積層膜を形成し、リソグラフィ技術及びエ
ッチング技術によりクロム/銅/クロム積層膜をパター
ニングすることによって、バス電極13を形成すること
ができる(図3の(C)参照)。尚、第1の電極12
A,12Bの縁部とバス電極13の縁部とは重なり合っ
ている。
【0061】[工程−110]その後、対向する一対の
第1の電極12A,12Bの間の第1の基板11に凹部
31を形成する。凹部31を溝部とした。具体的には、
対向する一対の第1の電極12A,12Bの間に開口部
が形成されたレジスト層30を全面にリソグラフィ技術
に基づき形成する。即ち、全面にレジスト材料を塗布
し、リソグラフィ技術に基づき、凹部を形成すべき第1
の基板11の部分を除き、第1の基板11をレジスト層
30で被覆する(図4の(A)参照)。そして、レジス
ト層30をエッチング用マスクとして、例えば、フッ酸
を用いたウエットエッチング法や、エッチング用ガスを
用いたドライエッチング法、あるいはサンドブラスト法
に基づき第1の基板11をパターニングし、対向する一
対の第1の電極12A,12Bの間の第1の基板11に
凹部31を形成する(図4の(B)参照)。次いで、レ
ジスト層30を除去する。溝部の上部における幅を4×
10-5m(40μm)とし、深さを8×10-5m(80
μm)とした。尚、図においては、凹部31の底部は丸
みを帯びた状態を示しているが、エッチング条件によっ
ては、YZ平面で凹部31を切断したときの凹部31の
断面形状は矩形となる。
【0062】[工程−120]次に、第1の電極群上及
び凹部31内を含む第1の基板11上に保護層14を形
成する。保護層14を厚さ約1×10-5m(約10μ
m)の酸化マグネシウム(MgO)から成る単一の層と
してもよいし、厚さ約10μmの誘電体層と厚さ約0.
6μmの被覆層の2層構造としてもよい。誘電体層は、
例えば、スクリーン印刷法により基体の上に低融点ガラ
スペースト層を形成し、この低融点ガラスペースト層を
焼成することによって形成することができる。また、被
覆層あるいは単一の層から成る保護層14は、例えば、
誘電体層の全面、あるいは、第1の電極群上を含む第1
の基板上に、電子ビーム蒸着法により酸化マグネシウム
層を形成することにより得ることができる。以上の工程
によりフロントパネル10を完成することができる。
尚、溝部の空間的な幅は約2×10-5m(20μm)と
なった。
【0063】第2のパネルであるリアパネル20は、以
下のようにして製造することができる。先ず、第2の基
板21上に例えばスクリーン印刷法により銀ペーストを
ストライプ状に印刷し、焼成を経て第2の電極22を形
成することができる。次に、スクリーン印刷法により基
体の全面に低融点ガラスペースト層を形成し、この低融
点ガラスペースト層を焼成することによって誘電体膜2
3を形成する。その後、隣り合う第2の電極22の間の
領域の上方の誘電体膜23上に、例えばスクリーン印刷
法により低融点ガラスペーストを印刷し、焼成を経て隔
壁25を形成する。隔壁25の高さは、例えば50乃至
300μmとすればよい。次に、3原色の蛍光体スラリ
ーを順次印刷し、焼成を経て蛍光体層24R,24G,
24Bを形成する。以上の工程によりリアパネル20を
完成することができる。
【0064】次に、プラズマ表示装置の組み立てを行
う。先ず、例えばスクリーン印刷により、リアパネル2
0の周縁部にシール層(図示せず)を形成する。次に、
フロントパネル10とリアパネル20とを貼り合わせ、
焼成してシール層を硬化させる。次に、フロントパネル
10とリアパネル20との間に形成された空間を排気し
た後、Ne−Xe混合ガス(例えば、Ne50%−Xe
50%混合ガス)を圧力8×104Pa(0.8気圧)
にて封入し、空間を封止し、プラズマ表示装置を完成さ
せる。尚、フロントパネル10とリアパネル20との貼
り合わせを圧力8×104Pa(0.8気圧)のNe−
Xe混合ガスを満たしたチャンバ内で行えば、排気工程
とNe−Xe混合ガスの封入工程を省略することも可能
である。
【0065】[工程−110]における凹部の形成時、
対向する一対の第1の電極12A,12Bの間に開口部
が形成されたレジスト層30を全面にリソグラフィ技術
に基づき形成するが、開口部を溝状とせずに、矩形ある
いは楕円形とすれば、形成された凹部31Aを、一対の
隔壁25の間に位置する第1の基板11の領域に設けら
れた孔部とすることができる(図5あるいは図6参
照)。この場合、孔部の空間的な径は5×10-5m未満
であることが好ましい。凹部31が溝部である場合、凹
部31を経由してプラズマ放電が隣接する放電セルに漏
れ出て、隣接する放電セルの蛍光体層が発光する光学的
クロストークの生じる虞がある。凹部31Aを、一対の
隔壁25の間に位置する第1の基板11の領域に設けら
れた孔部とすれば、このような現象の発生を確実に防止
することができる。
【0066】あるいは又、[工程−110]における凹
部31の形成を、対向する一対の第1の電極12A,1
2Bの間の第1の基板11に、ダイシング・ソー法とい
った機械的掘削法あるいはサンドブラスト法といった機
械的研削法に基づき行ってもよい。即ち、[工程−10
0]が完了して図7の(A)に示す構造を得た後、例え
ば、ダイシング・ソー法に基づき、ダイシング・ソーに
よって第1の基板11に凹部31を形成すれば、図7の
(B)に示す構造を得ることができる。
【0067】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の第2の態様に係るプラズマ表示装置の製造方法に関す
る。実施の形態2によって製造されるプラズマ表示装置
の構造は、実質的には、実施の形態1にて説明したプラ
ズマ表示装置の構造と同じであるが故に、詳細な説明は
省略する。実施の形態2のプラズマ表示装置の製造方法
における第1のパネルであるフロントパネル10の製造
方法の概要を、第1の基板11等の模式的な一部断面図
である図8及び図9を参照して、以下、説明する。
【0068】[工程−200]先ず、第1の基板11上
に導電材料層112を形成する。具体的には、第1の基
板11の全面に例えばスパッタリング法によりITOか
ら成る導電材料層112を形成する。その後、導電材料
層112の全面に例えばスパッタリング法によりクロム
/銅/クロム積層膜を形成し、リソグラフィ技術及びエ
ッチング技術によりクロム/銅/クロム積層膜をパター
ニングすることによって、バス電極13を形成すること
ができる(図8の(A)参照)。
【0069】[工程−210]その後、導電材料層11
2をパターニングして第1の電極12A,12Bを形成
し、引き続き、対向する一対の第1の電極12A,12
Bの間の第1の基板11に凹部31を形成する。具体的
には、導電材料層112上にパターニングされたレジス
ト層30を形成する(図8の(B)参照)。そして、レ
ジスト層30をエッチング用マスクとして導電材料層1
12を塩化第2鉄と塩酸の混合溶液を用いたウエットエ
ッチング法にてエッチングする(図8の(C)参照)。
引き続き、第1の基板11を、例えば、フッ酸を用いた
ウエットエッチング法や、エッチング用ガスを用いたド
ライエッチング法、あるいはサンドブラスト法に基づき
パターニングする(図9の(A)参照)。これによっ
て、溝部から構成された凹部31を得ることができる。
その後、レジスト層30を除去する。溝部の上部におけ
る幅を4×10-5m(40μm)とし、深さを8×10
-5m(80μm)とした。図においては、凹部31の底
部は丸みを帯びた状態を示しているが、エッチング条件
によっては、YZ平面で凹部31を切断したときの凹部
31の断面形状は矩形となる。尚、一対の第1の電極に
隣接する一対の第1の電極の間の第1の基板11の領域
にも凹部が形成される。
【0070】[工程−220]次に、実施の形態1の
[工程−120]と同様にして、第1の電極群上及び凹
部31内を含む第1の基板11上に保護層14を形成す
る(図9の(B)参照)。溝部の空間的な幅は約2×1
-5m(20μm)となった。
【0071】尚、[工程−100]が完了して図10
(A)に示す構造を得た後、[工程−210]を、ダイ
シング・ソー法といった機械的掘削法あるいはサンドブ
ラスト法といった機械的研削法にて、導電材料層112
をパターニングし、引き続き、第1の基板11に凹部3
1を形成する(図10の(B)参照)工程から構成する
こともできる。これによって、溝部から構成された凹部
31を得ることができる。
【0072】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第3の態様に係るプラズマ表示装置の製造方法に関す
る。実施の形態3によって製造されるプラズマ表示装置
の構造は、実質的には、実施の形態1にて説明したプラ
ズマ表示装置の構造と同じであるが故に、詳細な説明は
省略する。実施の形態3のプラズマ表示装置の製造方法
における第1のパネルであるフロントパネル10の製造
方法の概要を、第1の基板11等の模式的な一部断面図
である図11を参照して、以下、説明する。
【0073】[工程−300]先ず、対向する一対の第
1の電極を形成すべき第1の基板の領域に挟まれた第1
の基板の部分に凹部を形成する(図11の(A)参
照)。凹部は、ウエットエッチング法あるいはドライエ
ッチング法といった化学的方法によって形成することが
でき、これによって、溝部から構成された凹部31、あ
るいは孔部から構成された凹部を得ることができる。あ
るいは又、凹部は、ダイシング・ソー法といった機械的
掘削法あるいはサンドブラスト法といった機械的研削法
によって形成することができ、これによって、溝部から
構成された凹部31を得ることができる。あるいは又、
凹部は、第1の基板を例えば熱間プレス法にて製造する
直接的方法にて形成することができ、これによって、溝
部から構成された凹部31、あるいは孔部から構成され
た凹部を得ることができる。溝部の上部における幅を4
×10-5m(40μm)とし、深さを8×10-5m(8
0μm)とした。図においては、凹部31の底部は丸み
を帯びた状態を示しているが、凹部の形成法方法や形成
条件によっては、YZ平面で凹部31を切断したときの
凹部31の断面形状は矩形となる。
【0074】[工程−310]その後、凹部31近傍の
第1の基板11の表面にパターニングされた第1の電極
12A,12Bを形成する(図11の(B)参照。具体
的には、例えば、リフトオフ法に基づきパターニングさ
れた第1の電極12A,12Bを形成することができ
る。即ち、基体上にレジスト層を形成し、第1の電極1
2A,12Bを形成すべき第1の基板11の上のレジス
ト層の部分をリソグラフィ技術によって選択的に除去し
た後、全面に例えばスパッタリング法によりITOから
成る導電材料層を形成する。その後、レジスト層及びそ
の上の導電材料層を除去する。その後、再び、例えばリ
フトオフ法に基づき、クロム/銅/クロム積層膜から成
るバス電極13を形成することができる(図11の
(C)参照)。
【0075】[工程−320]次に、実施の形態1の
[工程−120]と同様にして、第1の電極群上及び凹
部31内を含む第1の基板11上に保護層14を形成す
る。溝部の空間的な幅は約2×10-5m(20μm)と
なった。
【0076】以上、本発明を実施の形態に基づいて説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。プラズマ表示装置の構成、構成材料、製造方
法の細部については、適宜変更、選択、組合せが可能で
ある。複数の第2の電極から構成された第2の電極群
が、第1の基板上に設けられていてもよい。即ち、第2
の電極が、保護層14上に絶縁膜を介して設けられてお
り、第2の電極と第1の電極が延びる方向とは所定の角
度(例えば、90°)を成す構成とすることもできる。
【0077】
【発明の効果】本発明においては、放電を生じさせる一
対の第1の電極の間の第1の基板に凹部が形成されてい
るので、放電空間の体積を増加させることができる。そ
の結果、放電の開始及び維持に必要とされるメタステー
ブル粒子の数を増加させることができ、放電開始電圧や
放電維持電圧が高くなるといったことが無く、効率低下
を招くことが無い。また、一対の第1の電極の間を流れ
るリーク電流の経路が凹部の存在によって長くなる結
果、リーク電流が流れ難くなり、絶縁破壊や異常放電が
発生し難くなる。更には、隔壁25の厚さを左程薄くす
る必要が無くなり、加工時、隔壁に損傷が発生し難くな
り、光学的クロストークが生じ難くなる。また、放電空
間の体積が多くなるので、保護層から放出された2次電
子が間隔に付着し難くなり、効率低下を招くことが無
い。
【0078】また、空間的な幅が5×10-5m未満の溝
部、あるいは、空間的な径が5×10-5m未満の孔部か
ら凹部を構成すれば、対向する一対の第1の電極間の凹
部を経由した陰極グローに基づく放電の割合を多くでき
るので、放電効率の向上、消費電力の低減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ表示装置のフロントパネルの
模式的な一部断面図、及び、第1の電極等と隔壁との位
置関係を模式的に示す図である。
【図2】プラズマ表示装置の概念的な分解斜視図であ
る。
【図3】発明の実施の形態1のプラズマ表示装置の製造
方法における第1のパネルの製造方法を説明するため
の、第1の基板等の模式的な一部断面図である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1のプラズ
マ表示装置の製造方法における第1のパネルの製造方法
を説明するための、第1の基板等の模式的な一部断面図
である。
【図5】本発明のプラズマ表示装置における凹部の形状
の変形例を示す、第1の電極等と隔壁との位置関係を模
式的に示す図である。
【図6】本発明のプラズマ表示装置における凹部の形状
の変形例を示す、第1の電極等と隔壁との位置関係を模
式的に示す図である。
【図7】発明の実施の形態1のプラズマ表示装置の製造
方法における第1のパネルの製造方法の変形例を説明す
るための、第1の基板等の模式的な一部断面図である。
【図8】発明の実施の形態2のプラズマ表示装置の製造
方法における第1のパネルの製造方法を説明するため
の、第1の基板等の模式的な一部断面図である。
【図9】図8に引き続き、発明の実施の形態2のプラズ
マ表示装置の製造方法における第1のパネルの製造方法
を説明するための、第1の基板等の模式的な一部断面図
である。
【図10】発明の実施の形態2のプラズマ表示装置の製
造方法における第1のパネルの製造方法の変形例を説明
するための、第1の基板等の模式的な一部断面図であ
る。
【図11】発明の実施の形態3のプラズマ表示装置の製
造方法における第1のパネルの製造方法を説明するため
の、第1の基板等の模式的な一部断面図である。
【図12】本発明のプラズマ表示装置及び従来のプラズ
マ表示装置において、放電パスを説明するための概念図
である。
【図13】本発明のプラズマ表示装置及び従来のプラズ
マ表示装置において、第1の基板の表面を伝わるリーク
電流の経路を説明するための概念図である。
【図14】本発明のプラズマ表示装置及び従来のプラズ
マ表示装置において、保護層の内部を伝わるリーク電流
の経路を説明するための概念図である。
【図15】本発明のプラズマ表示装置及び従来のプラズ
マ表示装置において、保護層の表面を伝わるリーク電流
の経路を説明するための概念図である。
【図16】1つの放電セルの寸法を小さくしたときの状
態を説明するための概念図である。
【図17】放電セル内におけるグロー放電の発光状態を
模式的に示す図である。
【図18】放電セル内におけるグロー放電の発光状態を
模式的に示す図である。
【図19】従来のプラズマ表示装置における、一対の対
向する第1の電極と隔壁の配置関係を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
10・・・第1のパネル(フロントパネル)、11・・
・第1の基板、12A,12B・・・第1の電極、13
・・・バス電極、14・・・保護層、20・・・第2の
パネル(リアパネル)、21・・・第2の基板、22・
・・第2の電極(アドレス電極)、23・・・誘電体
膜、24,24R,24G,24B・・・蛍光体層、2
5・・・隔壁、30・・・レジスト層、30,30A・
・・凹部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)第1の基板と、第1の基板の表面に
    設けられた複数の第1の電極から構成された第1の電極
    群と、第1の電極群上を含む第1の基板上に形成された
    保護層とから成る第1のパネル、及び、 (ロ)第2の基板と、第2の基板の上方に設けられた蛍
    光体層と、第1の電極の延びる方向と所定の角度を成し
    て延び、隣接する蛍光体層の間に設けられた隔壁とから
    成る第2のパネル、を有し、 対向する一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流
    駆動型のプラズマ表示装置であって、 対向する一対の第1の電極の間の第1の基板には凹部が
    形成されていることを特徴とする交流駆動型のプラズマ
    表示装置。
  2. 【請求項2】凹部は溝部であることを特徴とする請求項
    1に記載のプラズマ表示装置。
  3. 【請求項3】溝部の空間的な幅は5×10-5m未満であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ表示装
    置。
  4. 【請求項4】凹部は、一対の隔壁の間に位置する第1の
    基板の領域に設けられた孔部であることを特徴とする請
    求項1に記載のプラズマ表示装置。
  5. 【請求項5】孔部の空間的な径は5×10-5m未満であ
    ることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ表示装
    置。
  6. 【請求項6】(イ)第1の基板と、第1の基板の表面に
    設けられた複数の第1の電極から構成された第1の電極
    群と、第1の電極群上を含む第1の基板上に形成された
    保護層とから成る第1のパネル、及び、 (ロ)第2の基板と、第2の基板の上方に設けられた蛍
    光体層と、第1の電極の延びる方向と所定の角度を成し
    て延び、隣接する蛍光体層の間に設けられた隔壁とから
    成る第2のパネル、を有し、 対向する一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流
    駆動型のプラズマ表示装置の製造方法であって、 第1のパネルを、 (A)第1の基板上にパターニングされた第1の電極を
    形成する工程と、 (B)対向する一対の第1の電極の間の第1の基板に凹
    部を形成する工程と、 (C)第1の電極群上及び凹部内を含む第1の基板上に
    保護層を形成する工程、によって作製することを特徴と
    するプラズマ表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記工程(B)は、対向する一対の第1の
    電極の間に開口部が形成されたレジスト層を全面に形成
    した後、該レジスト層をエッチング用マスクとして第1
    の基板をエッチングする工程から成ることを特徴とする
    請求項6に記載のプラズマ表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記工程(B)は、対向する一対の第1の
    電極の間の第1の基板に、機械的掘削法あるいは機械的
    研削法にて凹部を形成する工程から成ることを特徴とす
    る請求項6に記載のプラズマ表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】(イ)第1の基板と、第1の基板の表面に
    設けられた複数の第1の電極から構成された第1の電極
    群と、第1の電極群上を含む第1の基板上に形成された
    保護層とから成る第1のパネル、及び、 (ロ)第2の基板と、第2の基板の上方に設けられた蛍
    光体層と、第1の電極の延びる方向と所定の角度を成し
    て延び、隣接する蛍光体層の間に設けられた隔壁とから
    成る第2のパネル、を有し、 対向する一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流
    駆動型のプラズマ表示装置の製造方法であって、 第1のパネルを、 (A)第1の基板上に導電材料層を形成する工程と、 (B)導電材料層をパターニングして第1の電極を形成
    し、引き続き、対向する一対の第1の電極の間の第1の
    基板に凹部を形成する工程と、 (C)第1の電極群上及び凹部内を含む第1の基板上に
    保護層を形成する工程、によって作製することを特徴と
    するプラズマ表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程(B)は、導電材料層上にパタ
    ーニングされたレジスト層を形成した後、該レジスト層
    をエッチング用マスクとして、導電材料層をエッチング
    し、引き続き、第1の基板をエッチングする工程から成
    ることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ表示装置
    の製造方法。
  11. 【請求項11】前記工程(B)は、機械的掘削法あるい
    は機械的研削法にて、導電材料層をパターニングし、引
    き続き、第1の基板に凹部を形成する工程から成ること
    を特徴とする請求項9に記載のプラズマ表示装置の製造
    方法。
  12. 【請求項12】(イ)第1の基板と、第1の基板の表面
    に設けられた複数の第1の電極から構成された第1の電
    極群と、第1の電極群上を含む第1の基板上に形成され
    た保護層とから成る第1のパネル、及び、 (ロ)第2の基板と、第2の基板の上方に設けられた蛍
    光体層と、第1の電極の延びる方向と所定の角度を成し
    て延び、隣接する蛍光体層の間に設けられた隔壁とから
    成る第2のパネル、を有し、 対向する一対の第1の電極の間で放電を生じさせる交流
    駆動型のプラズマ表示装置の製造方法であって、 第1のパネルを、 (A)対向する一対の第1の電極を形成すべき第1の基
    板の領域に挟まれた第1の基板の部分に凹部を形成する
    工程と、 (B)凹部近傍の第1の基板の表面にパターニングされ
    た第1の電極を形成する工程と、 (C)第1の電極群上及び凹部内を含む第1の基板上に
    保護層を形成する工程、によって作製することを特徴と
    するプラズマ表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記工程(A)は、機械的方法、化学的
    方法、直接的方法のいずれかによって、第1の基板に凹
    部を形成する工程から成ることを特徴とする請求項12
    に記載のプラズマ表示装置の製造方法。
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