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JP2001183937A - オイル塗布ローラ、オイル塗布装置および定着装置 - Google Patents

オイル塗布ローラ、オイル塗布装置および定着装置

Info

Publication number
JP2001183937A
JP2001183937A JP2000268723A JP2000268723A JP2001183937A JP 2001183937 A JP2001183937 A JP 2001183937A JP 2000268723 A JP2000268723 A JP 2000268723A JP 2000268723 A JP2000268723 A JP 2000268723A JP 2001183937 A JP2001183937 A JP 2001183937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
oil
oil application
application roller
rubber layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000268723A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kawamoto
英雄 川元
Kazuo Kishino
一夫 岸野
Masaaki Takahashi
正明 高橋
Osamu Saotome
修 五月女
Yuji Kitano
祐二 北野
Jiro Ishizuka
二郎 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000268723A priority Critical patent/JP2001183937A/ja
Priority to US09/680,973 priority patent/US6424815B1/en
Publication of JP2001183937A publication Critical patent/JP2001183937A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2025Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with special means for lubricating and/or cleaning the fixing unit, e.g. applying offset preventing fluid
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
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    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2093Release agent handling devices

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】離型性が良好で、オイル規制ブレードのエッジ
部を摩耗しないオイル塗布ローラを提供すること。 【解決手段】最外層がシリコーンゴム層2よりなるオイ
ル塗布ローラであって、該シリコーンゴム層は、シリコ
ーンゴム100質量部に対して、所定の平均粒径の無機
フィラーを0〜0.5質量部混合されてなり、該シリコ
ーンゴム層の引張強度を1.0MPa以上とする。ま
た、該シリコーンゴム層の表面粗さ(Rz)を、0.5
μm以上20μm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザービームプリンターなどにおける熱定着装置にお
いて、定着ローラ表面に離型剤としてのシリコーンオイ
ルを塗布するためのオイル塗布ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機に代表される電子写真プ
ロセスにおいては、コピー用紙上のトナー画像を熱ロー
ラ方式で定着する。熱ローラ方式では定着ローラと加圧
ローラでニップを形成し、このニップ間にトナーで形成
された画像を通過させて加熱、加圧し、トナーを溶融さ
せて定着させる。この熱ローラ方式では、トナーが直接
接触する定着ローラにトナーが残留するのを防ぎ、トナ
ー画像をより良好に定着させ、かつクリーナーブレー
ド、クリーナーフェルトなどの汚れを少なくするなどの
理由から、定着ローラ上に離型性の優れたシリコーンオ
イルを塗布する。
【0003】白黒画像の場合は、カラー画像に比べトナ
ー層が薄く、トナー自体の改良も進んできているため定
着ローラへのオイルの塗布量はより少なくて済むように
なってきているが、カラー画像のようにトナー層が厚
く、かつトナーの融点が低く粘着性が高いような場合に
はトナー汚れによる画像不良(トナーオフセット)が生
じ易く、これを防止するために白黒画像の場合に比べ、
より多くのシリコーンオイルを塗布する必要がある。
【0004】シリコーンオイルを塗布する手段として
は、ウェブやフェルトにシリコーンオイルを浸み込ませ
て定着ローラ表面上に塗布する方法や、オイル塗布ロー
ラを介して定着ローラ表面にシリコーンオイルを供給
し、これを直接接触させて塗布する方法が知られている
が、フルカラー画像のようなより多量のシリコーンオイ
ルを必要とする場合には、ウェブやフエルト塗布よりも
オイル塗布ローラによるシリコーンオイル塗布手段がよ
り好んで用いられる。
【0005】従来、オイル塗布ローラの最外層は、ソリ
ッド状あるいはスポンジ状のシリコーンゴム層から形成
されてきた。スポンジ状(発泡状)のものは一般には内
部にシリコーンオイル供給用の中空部材等を設け、シリ
コーンオイルをスポンジ表面に浸み出させてオイルを塗
布するもので、特公平5−60105号公報や特公平7
−15606号公報などに開示されている。一方、ソリ
ッド状(発泡体ではない稠密な状態)のものでは、シリ
コーンオイル槽からシリコーンオイルを汲み上げオイル
塗布ローラ上にオイルを移行させ、オイル塗布ローラを
直接定着ローラ表面に接触させることによってシリコー
ンオイルを塗布する。また、特開平10―228205
号公報には、最外層がソリッド状のシリコーンゴム層よ
りなり、その内部にスポンジ状シリコーンゴム層が設け
られたオイル塗布ローラが開示されている。
【0006】上述したスポンジ表面上にオイルを浸み出
させて定着ローラ表面上にシリコーンオイルを塗布する
方式では、長期使用中に、スポンジ表面にトナーが付着
し、その部分でオイルの供給が断たれ、定着ローラへの
オイルの塗布不良が生じ、これにより異常画像が発生す
るという不具合が生じる場合がある。このため、フルカ
ラー画像定着時のように比較的トナーオフセット量の多
い場合、特に長期に安定して均一なオイル塗布を行うた
め、ソリッド状のシリコーンゴム層を用いた方式が好ん
で用いられる。
【0007】また、上記したオイル塗布ローラ方式によ
るオイル塗布手段において、オイル塗布ローラ上のシリ
コーンオイル量を均一化し制御する手段としては、オイ
ル塗布ローラに対して常に一定の圧が保たれるように加
圧バネによって付勢されたオイル規制ブレードを、オイ
ル塗布ローラ表面に直接当接させて規制する手段が一般
的に用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最外層
がソリッド状のシリコーンゴム層よりなる従来のオイル
塗布ローラにおいては以下のような問題点が懸念されて
きた。
【0009】まず、シリコーンゴムの耐熱性、物理的強
度を向上させる手法としては、含水合成ケイ酸や無水ケ
イ酸塩に代表される無機フィラーをシリコーンゴム中に
配合する方法が一般的に知られている。しかしながら、
含水合成ケイ酸の場合、シリコーンゴム100質量部に
対して添加量を20〜50質量部と多量にしなければ補
強効果が発現しないばかりか、それに伴い離型性が低下
してしまう場合がある。このため、定着ローラ表面から
移行するオフセットトナー量が過多となってしまい、こ
れがオイル塗布ローラ上のオイル規制ムラやオイル塗布
過多となって、定着ローラ上ひいては記録材上への過剰
塗布やオイル塗布ムラとなり、画像上へのオイルダレ、
オイルシミや、オイルスジなどを引き起こすことが懸念
されてきた。これは特にOHPシート定着時に顕著に現
れる可能性がある。
【0010】また、バネ等により付勢されたオイル規制
ブレードのエッジ部をオイル塗布ローラに当接すること
によって、定着ローラ表面に塗布されるシリコーンオイ
ルの塗布量を決定し、また、同時にオイル塗布ローラ上
に平滑かつ均一に塗布する方式の場合、初期状態におい
ては、均一かつ所望の塗布量が得られるが、耐久時間の
経過と共に、オイル規制ブレードのエッジ部がオイル塗
布ローラ表面と摺擦され、エッジ部の摩耗が進行し、長
期使用後は、安定したオイル塗布量の実現が困難となる
場合がある。
【0011】すなわち、オイル規制ブレードが初期の状
態におけるオイル塗布量をaとし、オイル規制ブレード
のエッジ部の摩耗が進行した場合のオイル塗布量bとす
ると、a<<bとなってしまう場合がある。このこと
は、オイル規制ブレードのエッジ部の摩耗が進行するこ
とによって、オイルのすり抜ける量が増加することが原
因である。この結果、オイル塗布ローラ表面上のオイル
の乗り量が過多となってしまい、これが定着ローラ上、
ひいては記録材上への過剰塗布となり、画像上へのオイ
ルダレ、オイルシミや、オイルスジを起こし、画像品位
を著しく劣化させ、特にOHPシート定着時のオイル過
多によるべたつき、触手感の悪化の原因となる場合があ
る。
【0012】このような過剰なオイル塗布量は、シリコ
ーンオイルの消費量を増大させるばかりではなく、例え
ば、両面画像を形成する場合において、再給紙時の記録
材のスリップによる給紙不良(給紙ジャム)や、記録材
上の過剰オイルが感光体ドラムや、記録材搬送経路中の
搬送ローラ、搬送ベルト上に付着し、クリーニング不良
や搬送不良、現像カブリなどの弊害を生ずる可能性があ
る。
【0013】一方、このエッジ部の摩耗によるオイル塗
布量の増大を考慮し、オイル規制ブレードの初期状態に
おけるオイル塗布量を、予め少な目に設定しておくこと
も考えられるが、このようにすると、上記問題点は解決
されるが、新たに、オイル塗布量不足によるトナー離型
性の低下、定着ローラの寿命低下、画像の光沢の増大
等、画像品位を著しく低下させてしまうという問題が懸
念される。
【0014】オイル塗布装置の長期使用に伴うオイル塗
布量の増加は、オイル規制ブレードのエッジ部の摩耗が
原因であり、この摩耗はオイル塗布ローラの最外層を構
成するシリコーンゴム層に含まれる、表面に露出した固
い無機フィラーに起因する。
【0015】すなわち、従来のオイル塗布ローラのシリ
コーンゴム層からなる最外層においては、耐熱性および
機械的強度を向上させることを目的として、比較的粒径
の大きな固い無機フィラーが多量に含まれており、この
無機フィラーが最外層の表面に露出している。このこと
は、オイル塗布ローラの外径を所望の値とするため、最
外層の表面を研削した場合にさらに顕著となる。そして
最外層の表面に露出する比較的粒径の大きな固い無機フ
ィラーは、摺擦されるオイル規制ブレードの軟らかな弾
性体からなるエッジ部を徐々に摩耗する場合がある。こ
の結果、オイル規制ブレードの摩耗された部分からオイ
ルがすり抜けるため、オイル塗布ローラへのオイルの供
給量が徐々に増加する場合がある。この現象は無機フィ
ラーの割合が多いほど、また無機フィラーの粒径が大き
いほど顕著となる。
【0016】一方、定着ローラの場合においても、以下
の不具合が発生する場合がある。即ち、定着ローラ表面
に塗布される初期のオイル塗布量が過少である場合には
オフセットトナー量の増加、定着ローラの寿命低下とい
った問題が生じ、逆に初期のオイル塗布量が適量範囲を
上回るような場合には定着画像の色再現性の低下や記録
紙のオイル染み、OHPシートの触手感の悪化等の問題
が発生する。このため初期のオイル塗布量は常に適正範
囲内に設定されていなければならない。
【0017】以上で説明した通り、オイル塗布ローラに
対して常に一定の圧が保たれるようにバネによって付勢
されたオイル規制ブレードでシリコーンオイル量が制御
される構造のオイル塗布装置においては、オイル塗布ロ
ーラ上のシリコーンオイル量の制御手段として、従来よ
りオイル規制ブレードの当接角度を調整する、又は、オ
イル規制ブレードの当接圧を制御するといった手段によ
って行われてきたが、更なる改良が望まれてきた。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明によれば、最外層がシリコーンゴム層であるオ
イル塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強
度は1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層には
無機フィラーが含有されていないか、含有されていると
しても無機フィラーの含有量はシリコーンゴム100質
量部に対して0.5質量部以下であることを特徴とする
オイル塗布ローラが提供される。
【0019】また、最外層がシリコーンゴム層であるオ
イル塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強
度は1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層には
無機フィラーが含有されていないか、含有されていると
しても無機フィラーの平均粒径は10μm未満であるこ
とを特徴とするオイル塗布ローラが提供される。
【0020】更に、最外層がシリコーンゴム層であるオ
イル塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強
度は1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層の表
面粗さ(Rz)は0.5μm以上20μm以下であるこ
とを特徴とするオイル塗布ローラが提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者らはオイル塗布ローラの
最外層を形成するシリコーンゴム層に要求される機械的
強度を詳細に検討した結果、シリコーンゴム層の引張強
度が1.0MPa以上、好ましくは1.5MPa以上、
さらに好ましくは2.0MPa以上必要であることを見
出した。しかしながら、本来、分子間凝集力の小さなシ
ロキサンポリマーでは、純ゴムの機械的強度が0.3〜
0.5MPaと低く、前述の引張強度を実現するには、
シリコーンゴムに多量の無機フィラーを混合する必要が
あった。
【0022】これに対し、本発明者らは、シリコーンゴ
ム層に主に含まれるシリコーンゴムとして機械的強度に
優れるものを使用することにより、多量の無機フィラー
を添加することなく、シリコーンゴム層の引張強度を
1.0MPa以上とすることができた。更に、シリコー
ンゴムに充填する無機フィラーの含有量および平均粒径
を至適とし、シリコーンゴム層の表面粗さを所定の範囲
内とすることにより、上記の課題を解決できた。これら
の点について以下に説明する。
【0023】なお、シリコーンゴム層の引張強度は5
0.0MPa以下であることが好ましい。引張強度がこ
の範囲内であれば、最外層の形成が容易で製造上さらに
好ましいからである。
【0024】(ア)無機フィラーの含有量:本発明者ら
は、シリコーンゴムに無機フィラーを全く混合しない
か、混合したとしてもその添加量はシリコーンゴム10
0質量部に対して0.5質量部以下、より好ましくは
0.1質量部以下とした場合でも、シリコーンゴム層の
引張強度を1.0MPa以上とできることを見出した。
シリコーンゴム層の引張強度が1.0MPa以上であれ
ば、十分長期の使用においても、最外層の摩耗や割れが
発生することはない。
【0025】また、無機フィラーを全く混合しないか、
混合したとしてもその添加量が、シリコーンゴム100
質量部に対して0.5質量部以下、より好ましくは0.
1質量部以下であれば、オイル規制ブレードのエッジ部
の摩耗量は少なく、十分長期の使用においてオイルの供
給量が増えることが抑制される。
【0026】オイル塗布ローラの最外層に形成されたソ
リッド状のシリコーンゴム層には無機フィラーがまった
く混合されていないか、混合されているとしても、その
混合量はシリコーンゴム100質量部に対して0.5質
量部以下と少量であれば、シリコーンゴム層の表面には
無機フィラーがまったく露出していないか、たとえ露出
しているとしても少量で、最外層は高い表面平滑性を有
している。その結果、シリコーンゴム層の離型性が向上
し、耐トナーオフセット性が改良されるため、オイル塗
布ローラ上に蓄積されるオフセットトナーの量を抑制で
きる。したがって、定着ローラ表面から移行するオフセ
ットトナー量は減少し、各部材へのオフセットトナーの
固着量を従来よりも低減させることができ、画像上への
オイルダレ、オイルシミや、オイルスジといった不良画
像が発生しなくなる。
【0027】したがって、特に必要がなければ、シリコ
ーンゴム層に無機フィラーを混合しないことが望ましい
が、耐熱性などの機械的強度以外の性能を向上する必要
がある場合は、シリコーンゴム100質量部に対して
0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、
更に好ましくは0.09質量部以下、最も好ましくは
0.08質量部以下の範囲で無機フィラーを添加する。
この範囲以内であれば、オイル塗布ローラの離型性は損
なわれない。
【0028】なお、無機フィラーの含有量が上記の範囲
内であれば、平均粒径が10μm以上の無機フィラーを
用いた場合においても、オイル規制ブレードのエッジ部
の摩耗量を増加することなく、シリコーンゴム層の耐熱
性および機械的強度等の性能を向上することができる。
【0029】(イ)無機フィラーの平均粒径:本発明者
らは無機フィラーの粒径とブレードエッジ部の摩耗との
相関を詳細に検討した結果、無機フィラーを添加したと
しても、その平均粒径が10μm未満であれば、オイル
規制ブレードのエッジ部の摩耗が抑制されることを見出
した。
【0030】また、平均粒径が10μm未満の無機フィ
ラーを使用する場合は、その添加量がシリコーンゴム1
00重量部に対して50質量部以下、より好ましくは1
0質量部以下であれば、オイル規制ブレードのエッジ部
の摩耗量を増加することなく、長期の使用においてもオ
イルの供給量は安定し、良好な定着画像が得られること
を見出した。
【0031】なお、本発明における平均粒径とは、電子
顕微鏡写真により観察される個々の1次粒子の中で最も
大きい粒径のものを選択し、粒径の大きいものから10
番目までの粒子において長手方向の長さを読み取り、得
られた値を平均したものを言う。
【0032】なお、上記の様な無機フィラーとしては、
例えば、シリカ、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸化
亜鉛、石英粉末、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、タル
ク等を挙げることができる。
【0033】(ウ)シリコーンゴム層の表面粗さ:定着
ローラ表面に塗布されるオイル塗布量が過少量である場
合にはオフセットトナー量の増加、定着ローラの寿命低
下といった問題が生じる場合があり、逆に定着ローラ表
面に塗布されるオイル塗布量が過剰量である場合には、
定着画像の色再現性の低下や記録紙のオイル染み、OH
Pシートの触手感の悪化等の問題が発生する場合がある
ため、定着ローラ表面に塗布されるオイル塗布量は常に
適正範囲内に設定されていなければならない。
【0034】本発明者らはオイル塗布量がオイル塗布ロ
ーラ表面の凹凸形状と当接される規制ブレードのエッジ
部分より形成される微小な隙間をすりぬけるオイル量で
決定されるという知見を得、このオイル塗布ローラ表面
の凹凸形状すなわちオイル塗布ローラの表面粗さRzを
制御することでオイル塗布量を任意に設定できる事を見
出した。更にその表面粗さRzが0.5μm以上20μ
m以下の範囲に設定されていれば定着ローラ表面に付与
されるオイル塗布量が適性量となり、良好な定着画像が
提供できる事を見出した。
【0035】即ち、オイル塗布ローラの表面粗さRzが
0.5μmよりも小さい場合はオイル塗布ローラ表面の
凹凸形状と当接される規制ブレードのエッジ部分より形
成される微小な隙間が小さくなりすぎるためオイル塗布
量が過少量となる場合があり、逆にオイル塗布ローラの
表面粗さRzが20μmよりも大きい場合はオイル塗布
ローラ表面の凹凸形状と当接される規制ブレードのエッ
ジ部分より形成される微小な隙間が大きくなりすぎるた
めにオイル塗布量が適量範囲を上回る場合があるため、
いずれの場合においても良好な定着画像が得られない恐
れがある。
【0036】また、以上の様なオイル塗布量制御手段を
用いる事によって、初期オイル塗布量の制御を従来より
も容易に行うことができる。なぜなら、本発明のオイル
塗布量制御手段ではオイル塗布ローラの表面粗さを制御
するだけでよく、これまでのような困難な装置自体の改
良や制御を必要としないため、より低コストでかつ簡便
な手段で所望の初期オイル塗布量を実現できる。
【0037】なお、本発明でいう表面粗さとは、十点平
均粗さ(Rz)を言い、JIS B0601に準じて測
定されるものである。
【0038】(エ)シリコーンゴム:本発明において
は、無機フィラーの含有量および平均粒径が以上の範囲
内であるにも関わらず良好な引張強度を有するりシリコ
ーンゴム層を形成し、所定の表面粗さを実現するため
に、以下に示すシリコーンゴムを使用することが好まし
い。
【0039】即ち、シリコーンゴム層に主に含まれるシ
リコーンゴムは、付加反応架橋型シリコーンゴム、有機
過酸化物架橋型シリコーンゴム、または縮合反応架橋型
シリコーンゴムであることが好ましい。
【0040】また、シリコーンゴム層に主に含まれるシ
リコーンゴムは、(a1)非直鎖状ポリオルガノシロキ
サンおよび(b1)直鎖状ポリオルガノシロキサンを含
んでなる混合物において、架橋反応を進行させることに
よって得られる高分子化合物であることが好ましい。な
お、架橋反応は有機過酸化物型反応であることが好まし
い。
【0041】更に、シリコーンゴム層に主に含まれるシ
リコーンゴムは、(a2)末端以外の2個以上のSiに
第1官能基が直接結合されている非直鎖状ポリオルガノ
シロキサンと、(b2)両末端のSiに第1官能基が直
接結合されている直鎖状ポリオルガノシロキサンと、
(c2)2個以上のSiに第2官能基が直接結合されて
いるポリオルガノシロキサンとを含んでなる混合物にお
いて、第1官能基および第2官能基の間で架橋反応を進
行させることによって得られる高分子化合物が好まし
い。なお、架橋反応は付加型反応、有機過酸化物型反応
または縮合型反応であることが好ましい。
【0042】付加反応架橋型シリコーンゴムとは、付加
型反応によってポリオルガノシロキサン間を架橋するこ
とにより形成されるゴムを言う。例えばビニル基などの
不飽和結合を有する第1官能基と水素などの第2官能基
との間で例えば微量の白金系触媒存在下または加熱など
により付加型反応を進行させることにより、付加反応架
橋型シリコーンゴムを得ることができる。
【0043】有機過酸化物架橋型シリコーンゴムとは、
例えばベンゾイルパーオキサイドを始めとするアシル系
パーオキサイドやジ(t−ブチル)パーオキサイドを始
めとするアルキル系パーオキサイドなどの有機過酸化物
存在下に進行する有機過酸化物架橋型反応により、ポリ
オルガノシロキサン間を架橋して形成されるゴムを言
う。
【0044】縮合反応架橋型シリコーンゴムとは、Si
の適当な置換基間で進行する縮合型反応によってポリオ
ルガノシロキサン間を架橋することにより形成されるゴ
ムを言う。縮合型反応としては、脱酢酸反応、脱アルコ
ール反応、脱オキシム反応、脱アミン反応、脱アミド反
応、脱アミノキシ反応、脱アセトン反応、脱水素反応、
脱水反応などを例示することができる。
【0045】なお、ポリオルガノシロキサン(a1)お
よび(a2)の重量平均分子量の好ましい範囲は80以
上2000以下、さらに好ましくは100以上1000
以下である。ポリオルガノシロキサン(a1)および
(a2)を用いることにより、得られるシリコーンゴム
は高度の網目構造を有することとなり引張強度はさらに
良好となる。また重量平均分子量がこの範囲であれば、
ポリオルガノシロキサン(a1)および(a2)は液状
となり製造工程での取り扱いが容易となる。またポリオ
ルガノシロキサン(a1)および(a2)の割合は好ま
しくは60質量部以上さらに好ましくは65質量部以
上、また好ましくは90質量部以下さらに好ましくは8
5質量部以下とすることができる。
【0046】また、ポリオルガノシロキサン(b1)お
よび(b2)の重量平均分子量の好ましい範囲は800
以上200000以下、さらに好ましくは1000以上
100000以下である。重合平均分子量がこの範囲で
あれば、ポリオルガノシロキサン(b1)および(b
2)は超高分子量であるため引張強度はさらに良好とな
る。またポリオルガノシロキサン(b1)および(b
2)の割合は好ましくは10質量部以上さらに好ましく
は15質量部以上、また好ましくは40質量部以下さら
に好ましくは35質量部以下とすることができる。
【0047】更に、ポリオルガノシロキサン(c2)の
重量平均分子量の好ましい範囲は80以上2000以
下、さらに好ましくは100以上1000以下である。
特に第2官能基が水素の場合、ポリオルガノシロキサン
(c2)は架橋成分となる。そして重量平均分子量がこ
の範囲であれば、ポリオルガノシロキサン(c2)は液
状となり製造工程での取り扱いが容易となる。またポリ
オルガノシロキサン(a2)および(b2)に含まれる
第1官能基の総モル数に対して第2官能基のモル数が好
ましくは1.0倍以上さらに好ましくは1.2倍以上、
また好ましくは2.5倍以下さらに好ましくは2.0倍
以下となるよう、ポリオルガノシロキサン(c2)を混
合することができる。
【0048】加えて、ポリオルガノシロキサン(a1)
および(b1)の混合物には必要に応じて、重量平均分
子量が好ましくは80以上2000以下、さらに好まし
くは100以上1000以下のポリオルガノシロキサン
(c1)を好ましくは0.1質量部以上90質量部以下
添加してもよい。この時、ポリオルガノシロキサン(c
1)は架橋剤として作用し、より良好な架橋密度を確保
することができる。
【0049】以上に説明したシリコーンゴムを用いるこ
とにより、得られるオイル塗布ローラの諸特性はさらに
良好なものとなる。
【0050】なお、本発明におけるポリオルガノシロキ
サンのSiには必要に応じて置換基が結合されて構わな
い。例えば機械的特性および化学的安定性の付与を目的
とするメチル基を始めとするアルキル基、耐熱性や耐低
温性の付与を目的とするフェニル基、耐溶剤性の付与を
目的とするフロロプロピル基を始めとするハロゲン置換
アルキル基などをSiの置換基として例示することがで
きる。
【0051】以上に説明した様なシリコーンゴムの具体
例としては、メチルシリコーンゴム、ジメチルシリコー
ンゴム、フルオロシリコーンゴム、ビニルメチルシリコ
ーンゴム、フェニルシリコーンゴム等を例示することが
できる。付加型メチルフェニルポリシロキサンは、メチ
ル基及びフェニル基の他に付加型反応性基、例えばビニ
ル基を有するシロキサン化合物から得られたポリシロキ
サンであり、このようなポリオルガノシロキサンを架橋
することにより付加反応架橋型シリコーンゴムが得られ
る。加硫剤は上記ポリオルガノシロキサンを架橋できる
ものであれば特に制限されず、任意のものを使用するこ
とができる。シリコーンゴムがミラブルタイプのシリコ
ーンゴムである場合には、有機過酸化物が使用される。
そのような有機過酸化物の例としては、ベンゾイルパー
オキサイド、ビス2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイドなどが挙げられ、これらの1種または2種以
上を使用することができ、このような加硫剤は、一般に
は上記ポリオルガノシロキサン100質量部に対して
0.01〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部程度
の量で使用される。
【0052】なお、オイル塗布ローラの最外層に形成さ
れたシリコーンゴム層とは、図1に示したとおり、芯金
1の外層に形成された発泡体ではない稠密な状態のシリ
コーンゴム層2をいい、本発明における引張強度は、J
IS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)に記載さ
れる引張試験に基づき測定されるものである。
【0053】以下に、本発明のオイル塗布ローラが配設
された装置の好ましい例について説明する。
【0054】即ち、定着ローラ表面にシリコーンオイル
を塗布する上記記載のオイル塗布ローラと、オイル塗布
ローラ表面に供給されるシリコーンオイル量を均一とす
るオイル規制ブレードとを用いることにより、特に優れ
た性能を有するオイル塗布装置を作製することができ
る。
【0055】なお、オイル規制ブレードのオイル塗布ロ
ーラに当接されるエッジ部は、弾性体からなることが好
ましい。
【0056】特に、弾性体として、シリコーンゴムが好
ましい。なぜなら、紙紛およびトナー等はシリコーンゴ
ムに付着し難く、シリコーンゴムよりなるオイル規制ブ
レードは、耐汚染性に優れるからである。
【0057】また、エッジ部をフッ素ゴムにより作製す
る場合もある。なぜなら、フッ素ゴムは耐熱性や機械的
特性などに優れており、高温下に長時間曝されても変形
や強度低下を生じないからである。
【0058】なお、耐熱性、機械的強度などの向上を目
的に、弾性体に充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤等を
添加する場合もある。特に、耐摩耗性を改善するため
に、フッ素樹脂を配合する場合もある。
【0059】オイル規制ブレードのエッジ部の弾性体と
して用いられるフッ素ゴムの例としては、フッ化ビニリ
デン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴ
ム、フォスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテ
ル等のポリマー群から選ばれたフッ素ゴム等を挙げるこ
とができる。そして、これらのフッ素ゴムには必要に応
じて、カーボンブラック、グラファイト、シリカ、クレ
ー、ケイソウ土、タルク、炭酸カルシウム、フッ化カル
シウム、硫酸バリウムなどの充填剤等が添加される。こ
れらの充填剤の配合量は一般的にフッ素ゴム100質量
部に対して100質量部以下である。
【0060】また、より好ましくは、フッ素ゴム基材の
先端面にシリコーンゴムが形成されたオイル規制ブレー
ドが用いられる。この様なオイル規制ブレードにおいて
は、フッ素ゴムに起因する良好な耐熱性等が実現される
と同時に、シリコーンゴムは離型性に優れるため、フッ
素ゴム単体のオイル規制ブレードと比べブレード先端部
分へのオフセットトナーや紙紛といった付着物の蓄積が
抑制される。
【0061】以上に説明したようなオイル塗布装置は、
定着装置に好適に配設することができる。例えば、互い
に圧接しながら回転し、転写材を挟圧搬送するためのニ
ップ部を形成する一対の定着用回転体と、この回転体の
少なくとも一方に離型剤を塗布する離型剤塗布手段とが
配設され、ニップ部で転写材に形成されている未定着現
像剤像を加熱および加圧することによって転写材に未定
着現像剤像を永久画像として定着させる定着装置である
定着装置において、以上に説明した様なオイル塗布装置
を使用することができる。
【0062】この様な定着装置は、定着ローラ表面に付
与されるオイル塗布量が適正な初期量であり、耐久に伴
う塗布量の増加も小さいため長期に安定した定着画像を
得る事が出来る。
【0063】オイル塗布ローラは、押し出し成型、金型
成型(圧縮成型、トランスファー成型、注型)といった
公知の方法で製造でき、所望のローラ外径を得るために
表面を研削する場合もある。中でも押し出し成型や圧縮
成型、トランスファー成型といった方法で製造する場合
には所望のローラ外径を得るためにローラ表面の研削加
工が必須となり、この時、同時にローラ表面を所望の粗
さに加工する。ローラ表面の粗さを所望の粗さに加工す
る手段としては、上記の研削加工の他にブラスト処理で
表面を粗面化する方法等も用いる事ができる。また、筒
金型を用い、注型でローラを製造する手段は、あらかじ
め筒金型内部の粗さを所望の粗さに加工しておく事でロ
ーラ表面にその粗さを転写せる事が出きるもので、ロー
ラ間の製造ばらつきが小さいという点でより好ましいも
のである。
【0064】ローラの芯軸の表面は接着性を改善するた
めにプライマーを塗布する前に脱脂及び洗浄する事が好
ましいが、更にケミカルブラスト、サンドブラストなど
によりブラスト処理することが好ましい。
【0065】ローラを製造する具体的な方法としては例
えば洗浄、脱脂、ブラスト処理およびプライマー処理さ
れた芯金を所定の形状に加工された圧縮成型およびトラ
ンスファー成型用金型内部に配置し、その内部にあらか
じめミキシングロールを用いて調整されたゴムコンパウ
ンドを充填し、加圧下で加熱加硫させソリッド上のシリ
コーンゴムを形成する。その後、円筒研削盤等により表
面を研削して所定の外径に仕上げ、この時同時にローラ
表面の粗さを所望の粗さに加工するという方法が用いら
れる。
【0066】また、他の方法では、芯金を所望の形状、
かつ所望の内面粗さにあらかじめ加工された円筒型内の
所定の位置に固定し、型の上部と下部にキャップを装着
し、型と下部キャップの隙間から付加型シリコーンゴム
を注入して型の間の空間を満たし、その後加熱して架橋
させる。こうして得られたローラは円筒型内面の粗さが
そのままローラ表面に転写されており、所望の表面粗さ
のオイル塗布ローラが得られる。この様な手段は製造バ
ラツキが小さくローラ間のロットバラツキも小さいとい
う点でより好ましいものである。
【0067】上記いずれの方法に置いても、脱型後は2
00℃程度の温度で4時間程度さらに2次加硫させる事
が好ましい。
【0068】最外層のシリコーンゴムの厚さは特に制限
されるものでなく、一般には1〜10mm程度とする。
オイル塗布ローラの寸法は、例えば、ローラ外径が30
mm、長手方向の寸法が310mmである。このような
オイル塗布ローラは、外径が26mmの金属芯金上にプ
ライマーを介して2mm厚のシリコーンゴムを形成する
ことによって得られる。
【0069】引張強度は、例えば、東洋ボールドウィン
社製引張試験機テンシロンEM−500型等により測定
できる。また、Rzは、例えば、東京精密社製サーフコ
ム480A等により測定できる。
【0070】本発明におけるオイル塗布装置の例を図2
に示した。先ずオイルパン21に溜められた塗布オイル
は第1汲み上げローラ22および第2汲み上げローラ2
3を介してオイル塗布ローラ24に供給され、バネで加
圧されたオイル規制ブレード31によってオイル塗布ロ
ーラ表面の定着オイル量が制限され、定着ローラ41へ
塗布される。
【0071】本発明における定着装置の例を図3に示し
た。この定着装置においては、定着ローラ101と、こ
れに圧接された加圧ローラ102とからなる1対の回転
するローラを有し、その両方のローラには熱源となる加
熱ヒーター106が内蔵されている。定着ローラ及び加
圧ローラは両者ともに外径が60mmで互いにある一定
の圧で加圧され約7mm程度のニップ幅を形成してい
る。定着ローラ101側には表面に離型剤としてのシリ
コーンオイルを塗布するオイル塗布装置103と定着ロ
ーラ表面に付着したオフセットトナーや紙紛等の付着物
をクリーニングするクリーニングウエブユニット104
が設けられている。これら1対の定着ローラ101と加
圧ローラ102とは、これらの間に複数色のトナー像を
定着ローラ101側として通紙される記録材Pを挟持し
て、トナー像を加熱及び加圧することにより、トナー像
を溶融、混色して転写材上に定着するようになってい
る。
【0072】定着ローラ101は、基材としての芯金1
11上に厚さが2mm程度のシリコーンゴム(HTV)
からなる弾性層112が設けられ、その上に30μm程
度のフッ素ゴムからなるオイルバリアー層113、最外
層として高離型LTVシリコーンゴムからなる表層11
4が約250μm程度の厚さで形成されている。加圧ロ
ーラ102には定着ローラ101と同様、基材としての
芯金121上に厚さが2mm程度のシリコーンゴム(H
TV)からなる弾性層122が設けられ、その上に30
μm程度のフッ素ゴムからなるオイルバリアー層12
3、最外層として高離型LTVシリコーンゴムからなる
表層124が約250μm程度の厚さで形成されてい
る。
【0073】定着ローラ101側には定着ローラ表面に
離型剤としての離型オイル132を付与するオイル塗布
装置103が設けられており、オイル塗布装置103は
オイルを収容するオイルパン131とオイルパン内から
オイルを汲み上げオイルパン内のオイルをオイル塗布ロ
ーラに移行させるオイル汲み上げローラ133、定着ロ
ーラ101表面にシリコーンオイルを塗布するオイル塗
布ローラ134、およびオイル塗布ローラ134の表面
に当接されオイル塗布ローラ134上のシリコーンオイ
ル量を規制するオイル規制ブレード135で構成され
る。離型剤オイル132には25℃における動粘度が3
00センチストークスのジメチルシリコーンオイル(K
F−96SS、信越シリコーン株式会社製)等を用いる
ことができる。
【0074】更に、定着ローラ101側には定着ローラ
101表面に付着したオフセットトナーや紙紛等の付着
物をクリーニングするクリーニングウエブユニット10
4が設けられている。クリーニングウエブユニット10
4は定着ローラ101表面にクリーニングウエブ141
を押し当てる押し当てローラ142とクリーニングウエ
ブ141とからなる。
【0075】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0076】以下の実施例1〜3及び比較例1〜3にお
いては、オイル塗布ローラをカラーレーザーコピー機C
LC700(キャノン株式会社製)の定着装置に実装し
耐久テストを行った。オイル塗布ローラに当接されるオ
イル規制ブレードはカラーレーザーコピー機CLC70
0の定着装置に標準装備されているオイル規制ブレード
を用いたもので、該オイル規制ブレードはエッジ部がフ
ッ素ゴムで形成されていた。
【0077】(実施例1)図1に示す外径26mmの芯
金1を洗浄後、その表面に付加反応架橋型シリコーンゴ
ム用のプライマー(信越化学工業株式会社製、プライマ
ーNo.101)を塗布し、200℃で1時間熱風炉中
で焼き付け、プライマー処理を施した。上記で得られた
芯金1を、内径30mmの円筒形金型内に型と同心状に
入れ、芯金の上部及び下部の側面に直接接触するように
型内にキャップを設けて芯金を固定した。型の長さ方向
を垂直方向として配置し、下部のキャップと型の隙間か
ら付加反応架橋型シリコーンゴムコンパウンドを注入
し、型とスポンジ層の間の空間を充填した。これを15
0℃で1時間、熱空気中で加熱して加硫させた。
【0078】加熱後ローラを型内から取り出し、200
℃で4時間加熱して2次加硫させ、本実施例のオイル塗
布ローラを得た。得られたオイル塗布ローラのシリコー
ンゴム層2の厚さは2mmであり、引張強度は4.0M
Paであった。
【0079】本実施例で用いた付加反応架橋型シリコー
ンゴムコンパウンドは以下のようにして調製した。すな
わち、二官能性のジメチルシロキサン単位を約300個
連続して有する直鎖状ポリシロキサンセグメントと、そ
の両端に結合している1つのビニル基を有する分岐状ポ
リシロキサンセグメントからなり、25℃における粘度
が約30Pa・sのブロックコポリマーであるポリオル
ガノシロキサン(a)70質量部に、25℃における粘
度が約10000Pa・sであり両末端にビニル基を有
する直鎖状ポリジメチルシロキサンであるポリオルガノ
シロキサン(b)30質量部を混合し、Siに結合した
Hが2個以上存在するポリオルガノシロキサン(c)
を、ポリオルガノシロキサン(a)および(b)の混合
物中に含まれるビニル基の総モル数に対してHのモル数
が1.3倍となるよう架橋剤として加えた。これに白金
系触媒を加え、付加反応架橋型シリコーンゴムコンパウ
ンドを調製した。
【0080】得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700の定着機内のオイル塗布装置に
実装し、耐久テストを行い、各耐久枚数におけるコピー
紙(A4サイズ)1枚あたりのオイル塗布量を測定、ま
た、そのときのOHPシート表面の触手感を判定した。
さらに、画像品位を確認し、耐久後のオイル塗布装置周
辺のオフセットトナーの蓄積量も観察した。その結果を
表1に示す。
【0081】表1が示すように本実施例で得られたオイ
ル塗布ローラは5万枚といった長期の耐久試験において
もオイル塗布量の増加は全くみられず、そのためOHP
シートのぬめり感も悪化しなかった。また、画像品位の
劣化は確認されず、オイル塗布装置周辺のオフセットト
ナーの蓄積量も少量であった。すなわち、本発明のオイ
ル塗布ローラは良好な離型性を有し、オイル規制ブレー
ドのエッジ部が摩耗することもないため、本発明のオイ
ル塗布装置は、極めて良好な長期安定性を有しているこ
とが示された。
【0082】(実施例2)実施例1で用いた付加反応架
橋型シリコーンゴム100質量部に対して石英粉末を
0.05質量部を充填した以外は実施例1と同様の方法
で、本実施例のオイル塗布ローラを作製した。シリカ充
填後のシリコーンゴム層の引張強度は4.2MPaであ
った。得られたオイル塗布ローラのシリコーンゴムの厚
さは2.0mmであった。
【0083】(実施例3)二官能性のジメチルシロキサ
ン単位を約300個連続して有する直鎖状ポリシロキサ
ンセグメントと、その両端に結合している1つのビニル
基を有する分岐状ポリシロキサンセグメントからなり、
25℃における粘度が約30Pa・sのブロックコポリ
マーであるポリオルガノシロキサン(a)80質量部
に、25℃における粘度が約10000Pa・sであり
両末端にビニル基を有する直鎖状ポリジメチルシロキサ
ンであるポリオルガノシロキサン(b)20質量部を混
合し、Siに結合したHが2個以上存在するポリオルガ
ノシロキサン(c)を、ポリオルガノシロキサン(a)
および(b)の混合物中に含まれるビニル基の総モル数
に対してHのモル数が1.3倍となるよう架橋剤として
加えた。これに白金系触媒を加え、付加反応架橋型シリ
コーンゴムコンパウンドを調製した。
【0084】得られた付加反応架橋型シリコーンゴムコ
ンパウンドを用いて実施例1と同様に最外層が無機フィ
ラーを含まないオイル塗布ローラを製造した。シリコー
ンゴム層の引張強度は4.2MPaであった。得られた
オイル塗布ローラのシリコーンゴムの厚さは2.0mmで
あった。
【0085】(実施例2および3)得られたオイル塗布
ローラをカラーレーザーコピー機CLC700の定着機
内のオイル塗布装置に実装し、耐久テストを行い、各耐
久枚数におけるコピー紙(A4サイズ)1枚あたりのオ
イル塗布量を測定、また、そのときのOHPシート表面
の触手感を判定した。さらに、画像品位を確認し、耐久
後のオイル塗布装置周辺のオフセットトナーの蓄積量も
観察した。その結果を表1に示す。
【0086】表1が示すように本実施例で得られたオイ
ル塗布ローラは5万枚といった長期の耐久試験において
もオイル塗布量の増加は僅かで、実用上まったく問題が
なかった。また、OHPシートのぬめり感も非常に少な
く実用レベルであった。さらに、画像品位の劣化は確認
されず、オイル塗布装置周辺のオフセットトナーの蓄積
量も少量であった。すなわち、本発明のオイル塗布ロー
ラは良好な離型性を有し、オイル規制ブレードのエッジ
部が摩耗することもないため、本発明のオイル塗布装置
は、極めて良好な長期安定性を有していることが示され
た。
【0087】
【表1】
【0088】(比較例1)実施例1で用いた付加反応架
橋型シリコーンゴム100質量部に対して石英粉末を
1.0質量部充填した以外は実施例1と同様の方法でオ
イル塗布ローラを得た。得られたオイル塗布ローラのシ
リコーンゴム層の厚さは2.0mmであり、引張強度は
4.5MPaであった。実施例1と並行して耐久試験を
行った。
【0089】表2が示すように比較例1で得られたオイ
ル塗布ローラを用いた場合、1万枚といった比較的耐久
の初期においてもオイル塗布量が急激に増加し、それに
伴ってOHPシートのぬめり感が悪化、画質品位の低
下、オフセットトナー蓄積量の増加が発生した。
【0090】(比較例2)二官能性のジメチルシロキサ
ン単位を約300個連続して有する直鎖状ポリシロキサ
ンセグメントと、その両端に結合している1つのビニル
基を有する分岐状ポリシロキサンセグメントからなり、
25℃における粘度が約30Pa・sのブロックコポリ
マー50質量部に、25℃における粘度が約10000
Pa・sで分子内にビニル基を有しない直鎖状ポリジメ
チルシロキサン50質量部を混合し、Siに結合したH
が2個以上存在するポリオルガノシロキサンを、前記ブ
ロックコポリマーに含まれるビニル基の総モル数に対し
てHのモル数が1.3倍となるよう加えた。これに白金
系触媒を加え、付加反応架橋型シリコーンゴムコンパウ
ンドを調製した。
【0091】得られた付加反応架橋型シリコーンゴムコ
ンパウンドを用いて実施例1と同様に最外層が無機フィ
ラーを含まないオイル塗布ローラを製造した。シリコー
ンゴム層の引張強度は0.7MPaであった。得られた
オイル塗布ローラのシリコーンゴムの厚さは2.0mmで
あった。実施例1と同様に耐久試験を行った。結果を表
2に示す。
【0092】その結果、比較例2で得られたオイル塗布
ローラは5千枚といった耐久の初期においてオイル塗布
ローラ最外層のソリッド状シリコーンオイルが摩耗し、
周方向に微少な溝が多数生じた。このため画像上にオイ
ル塗布ムラが発生したため、実用レベルではなかった。
【0093】
【表2】
【0094】次に、以下の実施例4〜6及び比較例3〜
5においては、オイル塗布ローラに当接されるオイル規
制ブレードとしてフッ素ゴム基材の先端面にシリコーン
ゴムが形成されたオイル規制ブレードを用いた。先端面
にシリコーンゴムが形成されたオイル規制ブレードは以
下のようにして作製した。
【0095】はじめに、フッ素ゴムポリマー(商品名:
ダイエルG−723、ダイキン工業社製)を用いて加硫
および成型して、フッ素ゴムブレードを製作した。得ら
れたフッ素ゴムブレードのフッ素ゴム先端面を厚さ1.
5mmで切断し、切断面にプライマー処理を行い金型成
形により1.5mmの厚みのシリコーンゴム層を形成し
た。金型成形としては、複数に分離される金型内に予め
ブレードとシリコーンゴム原料を仕込み、熱平板プレス
により加熱加圧して硬化成型を行うコンプレッション加
熱成形を行った。このときの硬化条件は、130℃、1
0分とした。その後、フッ素ゴム先端面にシリコーンゴ
ムが形成されたオイル規制ブレードを脱型し、温度循環
炉内200℃で4時間、2次加硫を行った。その後、フ
ッ素ゴム先端面に形成されたシリコーンゴム層が1.0
mmの厚みになるように、長軸方向にフッ素ゴム先端面
に平行になるように鋭利な刃物でシリコーンゴムを切断
し、以下で用いるオイル規制ブレードを得た。
【0096】以下の本実施例および比較例においては、
本発明のオイル塗布ローラ及びオイル規制ブレードを装
備したオイル塗布装置をカラーレーザーコピー機CLC
700(キヤノン株式会社製)の定着装置に実装し、フ
ルカラー画像を5万枚連続通紙し耐久テストを行った。
その時の各耐久枚数におけるコピー紙(A4サイズ)1
枚当たりのオイル塗布量を測定し、また、そのときのO
HPシート表面の触手感を判定した。さらに、画像品位
を確認し、耐久後のオイル塗布装置周辺のオフセットト
ナーの蓄積量を観察した。
【0097】(実施例4)外径26mmの芯金を洗浄
後、その表面に付加反応架橋型シリコーンゴム用のプラ
イマー(信越化学工業株式会社製、プライマーNo.1
01)を塗布し、200℃で1時間熱風炉中で焼付け、
プライマー処理を施した。得られた芯金を、内径30m
mの円筒金型内に型と同心状に入れ、芯金の上部及び下
部の側面に直接接触するように型内にキャップを設けて
芯金を固定した。型の長さ方向を垂直方向として配置
し、下部のキャップと型の隙間から付加反応架橋型シリ
コーンゴムコンパウンドを注入し、型と芯金の間の空間
を充填した。これを150℃で1時間、熱空気中で加熱
して加硫させた。
【0098】加熱後ローラを型内から取り出し、200
℃で4時間加熱して2次加硫させ、その後外径が28.
8mmまで表面を研削加工し、オイル塗布ローラを得
た。得られたオイル塗布ローラのシリコーンゴム層の厚
さは1.4mmであり、引張強度は4.2MPaであっ
た。また、ローラ表面の粗さは3.5μmであった。
【0099】本実施例で用いた付加反応架橋型シリコー
ンゴムコンパウンドは以下のようにして調整した。即
ち、二官能性のジメチルシロキサン単位を約300個連
続して有する直鎖状ポリシロキサンセグメントと、その
両端に結合している一つのビニル基を有する分岐状ポリ
シロキサンセグメントからなり、25℃における粘度が
約30Pa・sのブロックコポリマーであるポリオルガ
ノシロキサン(a)70重量部に、25℃における粘度
が約10000Pa・sであり両末端にビニル基を有す
る直鎖状ポリシロキサンセグメントであるポリオルガノ
シロキサン(b)30重量部を混合し、Siに結合した
Hが二個以上存在するポリオルガノシロキサン(c)を
ポリオルガノシロキサン(a)および(b)の混合物中
に含まれるビニル基の総モル数に対してHのモル数が
1.3倍となるよう架橋剤として加えた。これに白金系
触媒および平均粒径が15μmの石英粉末0.05質量
部を加え、付加反応架橋型シリコーンゴムコンパウンド
を調整した。
【0100】得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700のオイル塗布装置内に装着し耐
久テストを行った。その結果を表3に示す。
【0101】表3が示すように、本実施例では初期のオ
イル塗布量は10mg(A4用紙1枚あたり)で画像上
のオイルスジやオイル染みといった画像不良は発生しな
かった。また、5万枚といった長期の耐久試験において
もオイル規制ブレードのエッジ部の摩耗やオイル塗布ロ
ーラの表面の摩耗は見られず、その結果オイル塗布量の
増加やOHPシートの触手感の悪化等の問題も発生しな
かった。更に、本発明のオイル塗布ローラにおいてはオ
イル塗布ローラ上に移行されるオフセットトナーや紙紛
等の付着物の量は少ないものであった。
【0102】(実施例5)実施例4で用いた付加反応架
橋型シリコーンゴムに無機フィラーを充填しないこと以
外は、実施例4と同様の方法でオイル塗布ローラを得
た。シリコーンゴム層の引張強度は4.1MPa、ロー
ラ表面の粗さは3.4μmであった。
【0103】得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700のオイル塗布装置内に装着し耐
久テストを行った。その結果を表3に示す。
【0104】表3が示すように、本実施例では初期のオ
イル塗布量は10mg(A4用紙1枚あたり)で画像上
のオイルスジやオイル染みといった画像不良は発生しな
かった。また、5万枚といった長期の耐久試験において
もオイル規制ブレードのエッジ部の摩耗やオイル塗布ロ
ーラの表面の摩耗は見られず、その結果オイル塗布量の
増加やOHPシートの触手感の悪化等の問題も発生しな
かった。更に本発明のオイル塗布ローラにおいてはオイ
ル塗布ローラ上に移行されるオフセットトナーや紙紛等
の付着物の量は少ないものであった。
【0105】(実施例6)実施例4でローラの表面粗さ
Rzを10μmになるように表面を研磨した以外は、実
施例4と同様にしてオイル塗布ローラを得た。
【0106】得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700のオイル塗布装置内に装着し耐
久テストを行った。その結果を表3に示す。
【0107】表3が示すように、本実施例では初期のオ
イル塗布量は25mg(A4用紙1枚あたり)で画像上
のオイルスジやオイル染みといった画像不良は発生しな
かった。また、5万枚といった長期の耐久試験において
もオイル規制ブレードのエッジ部の摩耗やオイル塗布ロ
ーラの表面の摩耗は見られず、その結果オイル塗布量の
増加やOHPシートの触手感の悪化等の問題も発生しな
かった。更に本発明のオイル塗布ローラにおいてはオイ
ル塗布ローラ上に移行されるオフセットトナーや紙紛等
の付着物の量は少ないものであった。
【0108】
【表3】
【0109】(比較例3)実施例4で用いた付加反応架
橋型シリコーンゴム100質量部に対し平均粒径が15
μmの石英粉末を3.0質量部充填した以外は、実施例
4と同様の方法でオイル塗布ローラを得た。シリコーン
ゴム層の引張強度は4.5MPa、ローラ表面の粗さは
3.6μmであった。
【0110】得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700のオイル塗布装置内に装着し耐
久テストを行った。その結果を表4に示す。
【0111】表4が示すように、本比較例では初期のオ
イル塗布量は10mg(A4用紙1枚あたり)で画像上
のオイルスジやオイル染みといった画像不良は発生しな
かったが、5千枚といった比較的耐久の初期においてオ
イル規制ブレードのエッジ部の摩耗が発生し、これに伴
ってオイル塗布量が60mg/A4に増加したため、定
着画像の画質が悪化し、OHPシートの触手感も悪化し
た。
【0112】(比較例4)二官能性のジメチルシロキサ
ン単位を約300個連続して有する直鎖状ポリシロキサ
ンセグメントと、その両端に結合している一つのビニル
基を有する分岐状ポリシロキサンセグメントからなり、
25℃における粘度が約30Pa・sのブロックコポリ
マーであるポリオルガノシロキサン(a)60重量部
に、25℃における粘度が約10000Pa・sであり
両末端にビニル基を有する直鎖状ポリシロキサンセグメ
ントであるポリオルガノシロキサン(b)40重量部を
混合し、Siに結合したHが二個以上存在するポリオル
ガノシロキサン(c)をポリオルガノシロキサン(a)
および(b)の混合物中に含まれるビニル基の総モル数
に対してHのモル数が1.3倍となるよう架橋剤として
加えた。これに白金系触媒および動粘度が200万セン
チスト−クスの高粘度ジメチルシリコーンオイル20質
量部を加え、付加反応架橋型シリコーンゴムコンパウン
ドを調整した。
【0113】得られた付加反応架橋型シリコーンゴムコ
ンパウンドを用いて実施例4と同様に最外層が無機フィ
ラーを含まないオイル塗布ローラを製造した。シリコー
ンゴム層の引張強度は0.7MPaであった。得られた
オイル塗布ローラをカラーレーザーコピー機CLC70
0のオイル塗布装置内に装着し耐久テストを行った。そ
の結果を表4に示す。
【0114】表4が示すように、本比較例で得られたオ
イル塗布ローラは5千枚といった耐久の初期においてオ
イル塗布ローラ最外層のシリコーンゴムが摩耗し、周方
向に微小な溝が多数生じた。このため画像上にオイル塗
布ムラが発生したため、実用レベルではなかった。
【0115】(比較例5)実施例4においてオイル塗布
ローラの表面粗さRzが35μmとなるように表面を研
削加工した以外は、実施例4と同様にしてオイル塗布ロ
ーラを得た。得られたオイル塗布ローラをカラーレーザ
ーコピー機CLC700のオイル塗布装置内に装着し耐
久テストを行った。その結果を表4に示す。
【0116】表4が示すように、本比較例で得られたオ
イル塗布ローラはオイル塗布量が60mg/A4で初期
のオイル塗布量が過剰量であったためOHPシートはぬ
めり感の大きいものであり、また定着画像の色再現性も
悪いものであり、実用レベルではなかった。
【0117】
【表4】
【0118】
【発明の効果】以上で説明した様に、所定の平均粒径の
無機フィラーを所定量含有するシリコーンゴム組成物よ
り、引張強度1.0MPa以上のシリコーンゴム層を有
するオイル塗布ローラを製造することにより、良好な離
型性のみならず、オイル規制ブレードのエッジ部の摩耗
を抑制でき、オイル塗布装置の長期安定性が実現でき
る。
【0119】また、シリコーンゴム層のローラ表面の粗
さを適正な範囲内とすることにより、初期オイル塗布量
を適正範囲内とでき、これを維持することができる。
【0120】更に、本発明のオイル塗布装置を備える定
着装置は長期に安定して良好な定着画像を付与する事が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイル塗布ローラの例を説明するため
の模式的断面図である。
【図2】本発明のオイル塗布装置の例を説明するための
模式的断面図である。
【図3】本発明の定着装置の例を説明するための模式的
断面図である。
【符号の説明】
1 芯金 2 シリコーンゴム層 21 オイルパン 22 第1汲み上げローラ 23 第2汲み上げローラ 24 オイル塗布ローラ 31 オイル規制ブレード 41 定着ローラ 101 定着ローラ 102 加圧ローラ 103 オイル塗布装置 104 クリーニングウエブユニット 105 オイル除去ブレード 106 加熱ヒーター 111 芯金 112 下層シリコーンゴム層 113 オイルバリアー層 114 表層 121 芯金 122 弾性層 123 オイルバリアー層 124 表層 131 オイルパン 132 離型オイル 133 オイル汲み上げローラ 134 オイル塗布ローラ 135 オイル規制ブレード 141 クリーニングウエブ 142 押し当てローラ P 紙またはOHPフィルムシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 4J035 C08L 83/04 C08L 83/04 F16C 13/00 F16C 13/00 A E (72)発明者 高橋 正明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五月女 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 北野 祐二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石塚 二郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 BA43 BB01 BB28 3J103 AA02 AA13 AA51 FA30 GA02 GA57 GA58 GA73 HA04 HA22 HA53 HA60 4D075 AC29 CA47 DA15 DB02 DC19 EA02 EA05 EB42 4F040 AA05 BA16 CB03 4J002 CP031 CP081 DE106 DE116 DE146 DJ006 DJ016 DJ046 FD016 GM00 4J035 BA01 BA11 CA162 FB05 LA04 LB20

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層がシリコーンゴム層であるオイル
    塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強度は
    1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層には無機
    フィラーが含有されていないか、含有されているとして
    も無機フィラーの含有量はシリコーンゴム100質量部
    に対して0.5質量部以下であることを特徴とするオイ
    ル塗布ローラ。
  2. 【請求項2】 前記無機フィラーの平均粒径は、10μ
    m以上であることを特徴とする請求項1記載のオイル塗
    布ローラ。
  3. 【請求項3】 最外層がシリコーンゴム層であるオイル
    塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強度は
    1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層には無機
    フィラーが含有されていないか、含有されているとして
    も無機フィラーの平均粒径は10μm未満であることを
    特徴とするオイル塗布ローラ。
  4. 【請求項4】 前記無機フィラーの含有量は、シリコー
    ンゴム100質量部に対して50質量部以下であること
    を特徴とする請求項3記載のオイル塗布ローラ。
  5. 【請求項5】 最外層がシリコーンゴム層であるオイル
    塗布ローラであって、該シリコーンゴム層の引張強度は
    1.0MPa以上であり、該シリコーンゴム層の表面粗
    さ(Rz)は0.5μm以上20μm以下であることを
    特徴とするオイル塗布ローラ。
  6. 【請求項6】 前記シリコーンゴム層に主に含まれるシ
    リコーンゴムは、付加反応架橋型シリコーンゴムである
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のオイ
    ル塗布ローラ。
  7. 【請求項7】 前記シリコーンゴム層に主に含まれるシ
    リコーンゴムは、有機過酸化物架橋型シリコーンゴムで
    あることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の
    オイル塗布ローラ。
  8. 【請求項8】 前記シリコーンゴム層に主に含まれるシ
    リコーンゴムは、縮合反応架橋型シリコーンゴムである
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のオイ
    ル塗布ローラ。
  9. 【請求項9】 前記シリコーンゴム層に主に含まれるシ
    リコーンゴムは、(a1)非直鎖状ポリオルガノシロキ
    サンおよび(b1)直鎖状ポリオルガノシロキサンを含
    んでなる混合物において、架橋反応を進行させることに
    よって得られる高分子化合物であることを特徴とする請
    求項1乃至5いずれかに記載のオイル塗布ローラ。
  10. 【請求項10】 前記シリコーンゴム層に主に含まれる
    シリコーンゴムは、(a2)末端以外の2個以上のSi
    に第1官能基が直接結合されている非直鎖状ポリオルガ
    ノシロキサンと、(b2)両末端のSiに第1官能基が
    直接結合されている直鎖状ポリオルガノシロキサンと、
    (c2)2個以上のSiに第2官能基が直接結合されて
    いるポリオルガノシロキサンとを含んでなる混合物にお
    いて、該第1官能基および該第2官能基の間で架橋反応
    を進行させることによって得られる高分子化合物である
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のオイ
    ル塗布ローラ。
  11. 【請求項11】 前記架橋反応は付加型反応であること
    を特徴とする請求項10記載のオイル塗布ローラ。
  12. 【請求項12】 前記架橋反応は有機過酸化物型反応で
    あることを特徴とする請求項9又は10記載のオイル塗
    布ローラ。
  13. 【請求項13】 前記架橋反応は縮合型反応であること
    を特徴とする請求項10記載のオイル塗布ローラ。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13いずれかに記載のオ
    イル塗布ローラと、該オイル塗布ローラ表面に供給され
    るシリコーンオイル量を均一とするオイル規制ブレード
    とを含んでなるオイル塗布装置。
  15. 【請求項15】 互いに圧接しながら回転し、転写材を
    挟圧搬送するためのニップ部を形成する一対の定着用回
    転体と、該回転体の少なくとも一方に離型剤を塗布する
    離型剤塗布手段とが配設され、該ニップ部で該転写材に
    形成されている未定着現像剤像を加熱および加圧するこ
    とによって該転写材に該未定着現像剤像を永久画像とし
    て定着させる定着装置において、請求項14記載のオイ
    ル塗布装置を備えることを特徴とする定着装置。
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