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JP2001180509A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

車両用操舵制御装置

Info

Publication number
JP2001180509A
JP2001180509A JP36752499A JP36752499A JP2001180509A JP 2001180509 A JP2001180509 A JP 2001180509A JP 36752499 A JP36752499 A JP 36752499A JP 36752499 A JP36752499 A JP 36752499A JP 2001180509 A JP2001180509 A JP 2001180509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
lock
state
drive motor
transmission ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36752499A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Koshiro
隆博 小城
Jiyunji Kawamuro
巡児 河室
Morihiro Matsuda
守弘 松田
Chikatoshi Nakatsu
慎利 中津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP36752499A priority Critical patent/JP2001180509A/ja
Publication of JP2001180509A publication Critical patent/JP2001180509A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達比可変機構とその制御装置との間はスパ
イラルケーブルで配線しており、伝達比可変機構を拘束
するロック装置を搭載すると、ロック装置の動作制御を
行うための配線が必要となり、配線本数が増加する。 【解決手段】 伝達比可変機構の駆動モータの作動角を
検出する作動角センサと、ロック装置駆動用の駆動コイ
ルとを電源制御回路に対し並列接続する。ロック中、ロ
ックアームがロック解除位置まで傾動しない程度に、電
源制御回路によって供給電圧をデューティ制御すること
で、ロック中に作動角センサによる検出動作を可能とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵ハンドルの操
舵角と転舵輪の転舵角との間の伝達比を変化させる伝達
比可変機構を備えた車両用操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角
との間の伝達比を変化させる伝達比可変機構を備えた車
両用操舵制御装置の一例が、例えば特開平11−117
6号に開示されている。この操舵制御装置は、伝達比を
変化させる際の駆動源となる駆動モータ、この駆動モー
タの回転位置を検出する検出センサ、伝達比可変機構の
故障時に駆動モータをロックするロック装置などの各機
器を伝達比可変機構の機構本体部に搭載している。そし
て、この機構本体部が車体に対して可動部となるため、
各機器を搭載した機構本体部と、各機器の動作制御を行
う制御部との間の電気的接続には、スパイラルケーブル
が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各機器と制御部との間
にそれぞれ個別に電気配線を設けており、機構本体部に
搭載された各機器の動作制御を制御部においてそれぞれ
個別に行っている。しかし、前述したように機構本体部
と制御部との間の電気配線にスパイラルケーブルが用い
られているため、ケーブルの搭載スペースを抑える観点
から、配線本数は少ない方が望ましい。
【0004】本発明はこのような課題を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、機構本体部と制御部との
間の配線本数を抑え、かつ、各機器を個別に動作制御し
得る車両用操舵制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1にかかる
車両用操舵制御装置は、操舵ハンドルの操舵角と転舵輪
の転舵角との間の伝達比を変化させる伝達比可変機構を
備えた車両用操舵制御装置であって、伝達比可変機構を
駆動する駆動モータと、駆動モータの回転位置を検出す
る検出手段と、検出手段と同一の電源配線系に接続され
ると共に、この電源配線系を介して供給される電源の供
給状態に応じて、駆動モータの相対回転を拘束するロッ
ク状態とロック解除状態とに変化するロック手段と、ロ
ック状態及びロック解除状態の双方とも、検出手段によ
る検出動作が可能なように、電源配線を介した検出手段
及びロック手段に対する電源の供給状態を制御する電源
制御手段とを備えて構成する。
【0006】検出手段とロック手段とを同一の電源配線
系に接続して構成することで、検出手段及びロック手段
と電源制御手段との間の電気配線本数が抑えられる。ま
た、ロック手段がロック状態とロック解除状態のいずれ
の状態でも、検出手段による検出動作が可能なように、
電源制御手段によって電源の供給状態を制御すること
で、ロック手段をロック状態とするような制御を行った
後も、駆動モータの回転位置が検出可能となる。
【0007】請求項2にかかる車両用操舵制御装置は、
請求項1における車両用操舵制御装置において、電源の
供給状態が変化した後から駆動モータのロック状態が実
際に解除されるまでに要するロック手段の応答時間が、
電源の供給状態が変化した後から駆動モータの回転位置
が検出されるまでに要する検出手段の応答時間に比べて
大である。
【0008】これにより、ロック手段の作用により駆動
モータがロック中であっても、実際にロックが解除され
ることなく、検出手段によって駆動モータの回転位置を
検出することができる。
【0009】請求項3にかかる車両用操舵制御装置は、
請求項1又は2における車両用操舵制御装置において、
電源制御手段は、ロック手段をロック状態とするように
電源の供給状態を変化させた後に、電源の供給状態が変
化した後から駆動モータの拘束が実際に解除されるまで
に要するロック手段の応答時間よりも短く、かつ、電源
の供給状態が変化した後から駆動モータの回転位置が検
出されるまでに要する検出手段の応答時間よりも長い供
給時間となるように、電源を断続的に供給する。
【0010】例えば、ロック手段のロック機構を凹凸の
噛み合いによって形成した場合などには、ロック手段を
ロック状態に制御した後も、噛み合い位置が一致するま
では駆動モータの相対回転が可能な場合も起こり得る。
そこで、このように電源制御手段によって、ロック手段
をロック状態に制御した後に、電源を断続的に供給する
ことで、ロック状態中も、検出手段によって駆動モータ
の回転位置を検出することができ、これにより、ロック
動作後も変位し得る駆動モータの回転位置を常時検出す
ることも可能となる。
【0011】請求項4にかかる車両用操舵制御装置は、
請求項1における車両用操舵制御装置において、ロック
手段は、供給される電源電圧が所定レベルよりも高い場
合にロック状態からロック解除状態に変化し、検出手段
は、ロック手段のロック状態を維持し得る電源電圧にお
いて検出動作を行い得る。
【0012】これにより、ロック解除状態における通常
制御時に、検出手段によって駆動モータの回転位置を検
出することができると共に、ロック状態に変化した後に
も、ロック手段のロック状態を維持しつつ、検出手段に
よって駆動モータの回転位置を検出することができる。
【0013】請求項5にかかる車両用操舵制御装置は、
請求項1又は4における車両用操舵制御装置において、
電源制御手段は、ロック手段をロック解除状態からロッ
ク状態に変化させる際、検出手段の検出動作が可能な程
度に、供給する電源電圧を低下させる。
【0014】ロック手段をロック状態に変化させる際
に、このように電源制御手段によって検出手段の検出動
作が可能な程度に、供給する電源電圧を低下させること
で、ロック状態中も、検出手段によって駆動モータの回
転位置を検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態につき、添
付図面を参照して説明する。
【0016】図1に操舵系に設けられた操舵装置の全体
的な構成を示す。
【0017】入力軸20と出力軸40とは伝達比可変機
構100を介して連結されており、入力軸20には操舵
ハンドル10が連結されている。出力軸40は、ラック
アンドピニオン式のギヤ装置50を介してラック軸51
に連結されており、ラック軸51の両側には転舵輪FW
が連結されている。
【0018】また、操舵ハンドル10の操舵角が入力軸
20の回転角に対応するため、入力軸20には、入力軸
20の回転角としての操舵角θhを検出する操舵角セン
サ21を設けている。この操舵角センサ21は、相対回
転角を検出するロータリーエンコーダで構成しており、
このロータリーエンコーダから出力される2相のパルス
信号は後述する操舵制御装置200に与えられる。操舵
制御装置200では、この2相のパルス信号の位相差を
もとに操舵ハンドル10の回転方向を検知すると共に、
パルス数をカウントすることにより操舵ハンドル10の
相対回転角を検知する機構となっている。
【0019】伝達比可変機構100は、入力軸20と出
力軸40とを相対回転可能に連結しており、駆動モータ
110によって伝達比可変機構100を変位駆動するこ
とで、入力軸20−出力軸40間の回転量の伝達比を変
化させる機構となっている。
【0020】図2に伝達比可変機構100の構造を示
す。伝達比可変機構100は、筒形状のハウジング10
1を有しており、ハウジング101の筒面内側にステー
タ111を固定し、さらにその内側には、中空シャフト
113と一体化したロータ112を配置しており、これ
らステータ111とロータ112によって駆動モータ1
10を構成している。なお、この駆動モータ110は、
例えば、磁極数2の3相ブラシレスモータで構成する。
【0021】中空シャフト113は、波動歯車減速機1
20を構成する楕円カム121と一体化しており、駆動
モータ110によって楕円カム121を回転駆動するこ
とで、可動フランジ122がハウジング101に対して
相対的に回転する構造となっている。この可動フランジ
122に対して入力軸20を固定し、ハウジング101
に対して出力軸40を固定しているため、駆動モータ1
10が回転駆動することで、入力軸20と出力軸40と
は相対的に回転することになる。この作用によって入力
軸20−出力軸40間の回転量の伝達比が変化する機構
となっており、駆動モータ110の回転を制御すること
で伝達比の可変制御が実施される。
【0022】図3に示すように、中空シャフト113の
外周部には、半円の円弧形状にN極130NとS極13
0Sとを配したリング状のマグネット130を固定して
おり、駆動モータ110の磁極数が2極であるため、N
極130NとS極130Sは、180°幅となってい
る。また、このマグネット130と向かい合う位置に
は、3つの作動角センサ131を120°ピッチで配
し、ハウジング101に対して固定している。この作動
角センサ131はホールICで構成しており、ホールI
Cによって磁極変化を検出することで、駆動モータ11
0の作動角θmを検出している。
【0023】また、ハウジング101内には、ロータ1
12とステータ111との相対回転を阻止して、伝達比
の可変動作を禁止するロック機構を備えている。
【0024】このロック機構は、図4に示すように、円
弧状に湾曲したロックアーム140と、溝ピッチ90°
の凹凸溝を周囲に形成したロックホルダ114とを備え
ており、ロックアーム140はハウジング101側に固
定した支持軸141を中心に傾動し、ロックホルダ11
4は中空シャフト113の端部において、中空シャフト
113と一体的に形成している。
【0025】ロックアーム140には凸部140aを設
けており、ロックホルダ114の凹部内に、ロックアー
ム140の凸部140aを係止させることで、ロータ1
12とステータ111との相対回転を拘束するロック状
態となる。
【0026】ロックアーム140の駆動機構は次のよう
になっている。ロックアーム140の先端部には駆動コ
イル142を設けており、この駆動コイル142と相対
するハウジング101側にマグネット143を固定して
いる。また、図示は省略したが、ロックアーム140の
支持軸141には、コイルスプリングが設けられてお
り、ロックアーム140がロックホルダ114側に傾動
するように常時押圧している。そして、駆動コイル14
2に電流が流れることで、駆動コイル142とマグネッ
ト143との間に電磁力による反発力が発生し、この反
発力の作用によりロックアーム140が、コイルスプリ
ングの押圧力に抗して、ロックホルダ114から離間す
る方向に傾動しロックが解除される。また、駆動コイル
142に対する通電が停止されると、これによって反発
力が消滅するため、コイルスプリングの押圧力の作用に
よりロックアーム140が傾動して、図4に示すような
ロック状態に復帰する。
【0027】ここで、作動角センサ131によって、駆
動モータ110の作動角θmを検出する処理について説
明する。図5に、3つの作動角センサ131の各検出信
号を、作動角センサ131の配列順にu、v、wとして
示す。一例として、作動角センサ131において、マグ
ネット130のN極130Nを検出した場合には1(H
ighレベル)、S極130Sを検出した場合には0
(Lowレベル)の信号が出力されるものとすると、各
作動角センサ131の検出信号は図5に示すように変化
する。すなわち、各作動角センサ131の検出結果とな
る磁気パターン(u,v,w)は、ロータ112とステ
ータ111との相対回転方向を一定とすると、相対回転
角60°の間隔で、(1、0、0)、(1、1、0)、
・・と変化する。従って、ここで例示した検出機構で
は、駆動モータ110の作動角を角度ピッチ60°単位
に検出する。なお、uに22、vに21、wに20の重み
付けをして加算した数計値Pの推移からも分かるよう
に、磁気パターン(u,v,w)は360°周期で変化
し、磁気パターン(u,v,w)或いは数計値Pの変化
ピッチ数からロータ112の絶対回転角が把握できる。
【0028】このように各作動角センサ131で検出さ
れる磁気パターン(u,v,w)は、ロータ112とス
テータ111との相対回転に応じて規則的に変化するた
め、磁気パターン(u,v,w)或いは数計値Pの変化
ピッチ数をもとに、駆動モータ110の回転角度となる
作動角θmを絶対角として検出することができる。
【0029】そして、各作動角センサ131等の検出結
果をもとに、操舵制御装置200では、伝達比可変機構
100に搭載した駆動モータ110及びロック機構の動
作制御を実施する。この際、伝達比可変機構100が車
体に対して可動部となるため、伝達比可変機構100と
操舵制御装置200との間の電気的接続には、スパイラ
ルケーブル300が用いられる。
【0030】操舵制御装置200と伝達比可変機構10
0との電気的な接続関係を図6に示す。操舵制御装置2
00は、CPU(中央処理装置)210、ROM(リー
ドオンリーメモリ)220、RAM(ランダムアクセス
メモリ)230、入力インターフェース240、出力イ
ンターフェース250、駆動モータ110の動作電源を
供給するモータ駆動回路260、駆動コイル142及び
作動角センサ131に対する電源の供給状態を変化させ
る電源制御回路270の他、接地電位が与えられるGN
Dポート280を備えている。
【0031】モータ駆動回路260はU(相)、V
(相)、W(相)に対応した3つの出力ポートを備え、
これに対する駆動モータ110は、前述したように三相
ブラシレスモータであり、U(相)、V(相)、W
(相)に対応した3つの入力ポートを備えており、モー
タ駆動回路260−駆動モータ110間には対応する各
ポート間を接続する3本の配線が施されている。GND
ポート280は、伝達比可変機構100側に接地電位を
与えるGNDポート150に対し、1本の配線によって
接続されている。
【0032】電源制御回路270は1つの出力ポートを
備えており、この出力ポートに接続された配線に対し、
駆動コイル142及び作動角センサ131が伝達比可変
機構100内において並列に接続されている。また、作
動角センサ131は3カ所に設けており、検出結果を操
舵制御装置200に与えるため、各作動角センサ131
と入力インターフェース240との間に3本の配線が施
されている。
【0033】そして、これら全ての配線が束ねられてス
パイラルケーブル300を構成しており、図2における
ケース310内に収容されている。なお、入力インター
フェース240には操舵角センサ21、車速センサ60
などの検出結果が与えられるが、操舵角センサ21及び
車速センサ60は、伝達比可変機構100の機構部外の
車体側に固定されていため、入力インターフェース24
0との間には、スパイラルケーブル300とは別に配線
が施されている。
【0034】操舵制御装置200は、入力インターフェ
イス240を介して得られる各検出結果をもとに伝達比
Gを設定すると共に、伝達比G及び操舵角θhに応じて
設定される制御信号Isを駆動モータ110に対して出
力する処理を繰り返すと共に、ロック機構の動作制御を
実施している。
【0035】なお、出力軸40の回転角を出力角θp、
波動歯車減速機120の減速比をKとすると、操舵ハン
ドル10の操舵角θh、伝達比可変機構100における
駆動モータ110の作動角θm、及び出力軸40の出力
角θpは、下記(1)式の関係となる。従って、操舵制
御装置200では、操舵角θhと作動角θmとをもと
に、出力角θpを検知しており、この出力角θpはラッ
ク軸51のストローク位置に対応し、さらにラック軸5
1のストローク位置は車輪FWの転舵角に対応するた
め、出力角θpが車輪FWの転舵角に対応する。
【0036】 θp=θh+K・θm …(1) 以下、操舵制御装置200で実施する制御処理につい
て、図7のフローチャートに沿って説明する。
【0037】まずステップ(以下、ステップを「S」と
記す。)102では、ロック解除中の電源制御処理を開
始する。この処理は、電源制御回路270から供給する
電源電圧を制御する処理であり、図8に示すように、ロ
ック解除中は一定レベルの電源電圧Vcを常時供給す
る。この電源電圧Vcは、作動角センサ131が検出動
作を行うことができると共に、ロック機構におけるロッ
クアーム140をロックホルダ114から離間する方向
に傾動させることができる電源電圧として、予め設定し
ている。従って、S102においてロック解除中の電源
制御処理を開始すると、作動角センサ131側では、電
源供給後に実際に検出動作を行い得るまでの時間とな
る、応答時間Δt1が経過した後から、検出信号が常時
出力される。また、ロック機構側では、駆動コイル14
2とマグネット143との間に反発力が発生して、ロッ
クアーム140がロックホルダ114から離間する方向
に移動し、ストロークエンドとなるロック解除定位置ま
で傾動してその状態を維持する。従ってこのように電源
を供給することで、ロック機構のロック解除状態が維持
される。
【0038】続くS104では、後述するS128でR
AM230に記憶した駆動モータ110の作動角θmo
を読み込み、続くS106では、作動角θmoをもとに
操舵ハンドル10の絶対操舵角θhoを算出する。伝達
比をGとすると、操舵角θhと出力角θpとの関係は、 θp=G・θh …(2) となるため、(1)式、(2)式より下記(3)式が得
られる。
【0039】 θh=K・θm/(G−1) …(3) 後に説明するように、イグニションスイッチIGをオフ
操作した後も駆動モータ110の作動角θmを検出して
おり、作動角θmoは、イグニションスイッチがオン操
作される直前に検出された作動角であり、絶対角で検出
される。従って、イグニションスイッチIGがオフ操作
された後となる、伝達比制御の停止中における伝達比を
ベース伝達比Goとすると、S106では、操舵ハンド
ル10の絶対操舵角θhoを、(3)式から得られる下
記(4)式をもとに算出することができる。
【0040】 θho=K・θmo/(Go−1) …(4) 続くS108では、操舵角センサ21で検出された操舵
角θh、作動角センサ131で検出された作動角θm、
車速センサ60で検出された車速Vをそれぞれ読み込
む。この際、操舵角センサ21では相対回転角が検出さ
れるが、S106で絶対操舵角θhoを把握しており、
絶対操舵角θhoからの相対回転角として処理すること
により、操舵角θhは絶対操舵角として扱うことができ
る。
【0041】続くS110では、図9に示す車速Vと伝
達比Gとの関係を示すマップから、S108で読み込ん
だ車速Vをもとにマップ検索し、車速Vに応じた伝達比
Gを設定する。
【0042】続くS112では、制御目標となる駆動モ
ータ110の目標作動角θmmを、(3)式より得られ
る下記(5)式をもとに設定する。
【0043】 θmm=(G−1)・θh/K …(5) 続くS114では、S108で読み込まれた駆動モータ
110の作動角θmと、S112で設定した目標作動角
θmmとの偏差eを、e=θmm−θmとして演算す
る。
【0044】続くS116では、ロック機構を作動させ
て、駆動モータ110をロック状態とするロック条件が
成立したかを判断する。このロック条件としては、例え
ば、駆動モータ110に過電流が流れるなどのモータ不
良の場合、作動角センサ131から正確な検出信号が得
られないなどのセンサ不良の場合、S114で求めた偏
差eが所定の範囲を超えて著しく増大するなどの制御不
良の場合、断線或いは短絡などの配線不良の場合など、
伝達比可変機構100に故障が発生した場合が該当す
る。また、このような故障以外にも、一時的にロック機
構を働かせてロック状態とするような場合がある。例え
ば、出力角θpから得られる転舵輪FWが所定の最大転
舵角付近まで転舵された状況下で、大きな操舵力によっ
てさらに操舵ハンドル10を切り込む操作が為された場
合などには、駆動モータ110が回転方向とは逆方向に
相対変位する場合があるため、このような場合にも一時
的なロック条件が成立したものとして判断する。
【0045】S116において、このようなロック条件
が成立したと判断した場合には、S200に進み、S1
16で判断したロック条件が故障に起因するものである
かを判断する。S200で「No」、すなわちロック条
件が故障に起因したものでない場合には、後述するS1
24以降の処理に移るが、S200で「Yes」の場合
には、S202に進んで故障表示ランプを点灯させて運
転者に故障の発生を知らせ、続くS204では以降の操
舵制御全体を禁止して、このルーチンを終了する。
【0046】一方、S116で「No」、すなわち、ロ
ック条件が成立していない場合には、続くS118に進
み、オーバーシュートすることなく偏差eを0にするよ
うに、駆動モータ110に対する制御信号Isを設定す
る。この処理の一例としては、Is=C(s)・eの演
算式に基づいて、PID制御のパラメータを適切に設定
することにより制御信号Isを決定することができる。
なお、式中の「(s)」はラプラス演算子である。そし
て、続くS120では、S118で設定した制御信号I
sに基づいて駆動モータ110を作動させる。
【0047】続くS122では、イグニションスイッチ
IGがオフ操作されたかを判断し、「No」の場合には
S108に進み、前述した処理を繰り返し実施する。
【0048】一方、イグニションスイッチIGがオフ操
作された場合には(S122で「Yes」)、S124
に進み、ロック中の電源制御処理を開始する。この処理
も、S102と同様に、電源制御回路270から供給す
る電源電圧を制御する処理である。このロック中の電源
制御処理は、図8に示すように、Δt2時間だけ電源制
御回路270からの電源供給を停止し、その後のΔt3
時間は電源供給を再開する処理を繰り返し、駆動コイル
142及び作動角センサ131に対する電源を断続的に
供給する。
【0049】Δt2時間、Δt3時間の長さは、それぞ
れ次のように設定している。電源を供給するΔt3時間
では、駆動コイル142に電流が流れるため、駆動コイ
ル142との間に反発力が発生してロックアーム140
がロック解除方向に傾動を始める。このため、Δt3時
間は、電源を供給状態に変化させた後からロック機構が
実際に解除されるまでの応答時間よりも短くなるように
設定している。さらに、電源が供給状態となっている間
に、作動角センサ131において作動角θmを検出する
ため、確実に検出動作を行い得るよう作動角センサ13
1の応答時間Δt1よりも長い時間が必要である。従っ
てΔt3時間は、作動角センサ131の応答時間Δt1
よりも長く、かつロック解除までの応答時間よりも短く
なるように設定している。また、Δt2時間は、Δt3
時間の間にロックアーム140が傾動した位置からロッ
ク定位置まで復帰し得る時間として確保している。
【0050】従って、ロック中のロックアーム140
は、電源の供給を受けるΔt3時間の間は図8の矢印a
に示すように傾動し、続くΔt2時間の間に、図8の矢
印bに示すように通常のロック位置まで復帰する動作を
繰り返す。なお、ロック中からロック解除中への移行直
後には、ロックアーム140はロック解除定位置からロ
ック定位置まで復帰する過程で、駆動コイル142に通
電されることになるため、ロックアーム140の傾動位
置は、概ね図8の領域cに示すように時間的に推移して
ロック定位置まで復帰する。
【0051】S124においてこのようなロック中の電
源制御処理に移行した後、S126に進み、この時点で
作動角センサ131において検出された作動角θmを読
み込み、続くS128では検出した作動角θmを作動角
θmoとしてRAM230に記憶する。そして、続くS
130で再びイグニションスイッチIGがオン操作され
たかを判断し、「Yes」と判断されるまでS126以
降の処理を繰り返し実施する。
【0052】従って、イグニションスイッチIGがオフ
操作され、ロック機構がロック動作を実行した後も、駆
動モータ110の作動角θmを検出し続けることになる
が、この作用を以下に説明する。
【0053】図4に示したように、ロックホルダ114
の凹溝は90°ピッチで形成しているため、ロックアー
ム140がロック定位置まで傾動した場合には、駆動モ
ータ110のステータ111とロータ112とは、実質
的に相対回転が拘束されるが、略90°の範囲内では相
対回転が可能である。また、ロックアーム140がロッ
ク作動を行った場合であっても、ロックホルダ114と
の位置関係から、ロックホルダ114の凹凸溝の凸部に
対してロックアーム140の凸部140aが当接した状
態でロック動作が停止する場合が起こり得る。このよう
な状態では、イグニションスイッチIGのオフ操作後か
らオン操作の間に、操舵ハンドル10が操作されると、
操作方向に応じてロックホルダ114が回転し、その回
転方向に沿って隣りに位置するロックホルダ114の凹
部内に、ロックアーム140の凸部140aが係止し、
正常なロック状態となる。
【0054】これに対し、駆動モータ110は、前述し
たように3相ブラシレスモータで構成しているため、ロ
ータ112の回転位置を正確に把握できなければ、ロー
タ112を回転駆動するためのU(相)、V(相)、W
(相)に対応した適切な駆動信号を、操舵制御開始時に
生成することができない。そこで、イグニションスイッ
チIGのオフ操作後からオン操作の間も、駆動モータ1
10の作動角θmを検出し続けることで、ロータ112
の回転位置を正確に把握することができる。
【0055】従って、イグニションスイッチIGが再び
オン操作された場合には、S130で「Yes」と判断
されて、再びこのルーチンが起動してS102以下の処
理が実施されるが、イグニションスイッチ1Gのオフ操
作中にも、作動角θmの読み飛ばしが発生することがな
いため、制御開始直後から正確な操舵制御を実行するこ
とができる。
【0056】以上説明した実施形態では、電源制御回路
270から供給する電源電圧を、ロック中にデューティ
制御する例を示したが、この他にも、図10に示すよう
に、ロック中には、ロックアーム140がロック解除定
位置まで傾動し得る程度の高いHighレベルの電源電圧を
供給し、ロック解除中は、ロックアーム140がロック
定位置まで復帰し得る程度に低いLowレベルの電源電圧
を、それぞれ電源制御回路270から供給するように制
御することも可能である。この場合、作動角センサ13
1は、Highレベル及びLowレベルの電源電圧において検
出動作を行い得ることが必要であり、好ましくは、Low
レベル以下の電源電圧で検出動作が可能であり、かつ、
Highレベル以上の電源電圧で検出動作が可能なセンサ素
子を選定する。また、作動角センサ131としてホール
ICを用いた場合であれば、ホールICが適正に検出動
作を行い得る電源電圧の範囲が規定されているため、前
述したHighレベル、Lowレベルの電源電圧がこの範囲内
に含まれるように、ロック機構を構成すればよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
車両用操舵制御装置によれば、駆動モータの回転位置を
検出する検出手段とロック手段とを同一の電源配線系に
接続すると共に、ロック手段がロック状態とロック解除
状態のいずれの状態でも、検出手段による検出動作が可
能なように、電源制御手段によって電源の供給状態を制
御することとした。これにより、伝達比可変機構に対す
る電気配線の本数を抑えることができる。
【0058】また、ロック手段をロック状態とするよう
な制御を行った後も、駆動モータの回転位置が検出可能
となるため、ロック状態中に駆動モータの回転位置が変
化した場合にも、その変化を正確に検出できるため、伝
達比可変機構の動作制御を制御開始時から直ちに好適に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかる操舵装置の全体的な構成を示
すブロック図である。
【図2】伝達比可変機構を示す縦断面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】図2におけるB−B線断面図である。
【図5】3つの作動角センサにおける各検出信号の推移
を示す図である。
【図6】伝達比可変機構と操舵制御装置との間の電気的
な構成とその接続関係を示すブロック図である。
【図7】操舵制御装置で実施する制御処理を示すフロー
チャートである。
【図8】電源制御回路の出力電圧の変化に対する、操舵
角センサの検出信号とロックアームの傾動位置との推移
を示す説明図である。
【図9】車速Vと伝達比Gとの関係を規定したマップで
ある。
【図10】電源制御回路において実施する電源電圧の他
の制御例を示す説明図である。
【符号の説明】
21…操舵角センサ、100…伝達比可変機構、110
…駆動モータ 114…ロックホルダ、140…ロックアーム、131
…作動角センサ 142…駆動コイル、200…操舵制御装置、270…
電源制御回路 300…スパイラルケーブル
フロントページの続き (72)発明者 松田 守弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中津 慎利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC48 DA03 DA04 DA16 DA23 DA91 DB11 EA01 EB05 EC31 GG01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵ハンドルの操舵角と転舵輪の転舵角
    との間の伝達比を変化させる伝達比可変機構を備えた車
    両用操舵制御装置であって、 前記伝達比可変機構を駆動する駆動モータと、 前記駆動モータの回転位置を検出する検出手段と、 前記検出手段と同一の電源配線系に接続されると共に、
    この電源配線系を介して供給される電源の供給状態に応
    じて、前記駆動モータの相対回転を拘束するロック状態
    とロック解除状態とに変化するロック手段と、 前記ロック手段のロック状態及びロック解除状態の双方
    とも、前記検出手段による検出動作が可能なように、前
    記電源配線を介した検出手段及びロック手段に対する電
    源の供給状態を制御する電源制御手段とを備える車両用
    操舵制御装置。
  2. 【請求項2】 電源の供給状態が変化した後から前記駆
    動モータのロック状態が実際に解除されるまでに要する
    前記ロック手段の応答時間が、電源の供給状態が変化し
    た後から前記駆動モータの回転位置が検出されるまでに
    要する前記検出手段の応答時間に比べて大である請求項
    1記載の車両用操舵制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電源制御手段は、前記ロック手段を
    ロック状態とするように電源の供給状態を変化させた後
    に、電源の供給状態が変化した後から前記駆動モータの
    拘束が実際に解除されるまでに要するロック手段の応答
    時間よりも短く、かつ、電源の供給状態が変化した後か
    ら前記駆動モータの回転位置が検出されるまでに要する
    前記検出手段の応答時間よりも長い供給時間となるよう
    に、電源を断続的に供給する請求項1又は2記載の車両
    用操舵制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ロック手段は、供給される電源電圧
    が所定レベルよりも高い場合にロック状態からロック解
    除状態に変化し、 前記検出手段は、前記ロック手段のロック状態を維持し
    得る電源電圧において検出動作を行い得る請求項1記載
    の車両用操舵制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電源制御手段は、前記ロック手段を
    ロック解除状態からロック状態に変化させる際、前記検
    出手段の検出動作が可能な程度に、供給する電源電圧を
    低下させる請求項1又は4記載の車両用操舵制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1334897A1 (en) * 2002-01-17 2003-08-13 Toyoda Koki Kabushiki Kaisha Vehicular steering device, program, and record medium
JP2005088871A (ja) * 2003-08-08 2005-04-07 Favess Co Ltd 伝達比可変操舵装置
JP2005526661A (ja) * 2002-05-24 2005-09-08 コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト オーバーライド操舵システム用オーバーライド装置

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JP4515114B2 (ja) * 2003-08-08 2010-07-28 株式会社ジェイテクト 伝達比可変操舵装置

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