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JP2001159572A - ボルト締付力検査装置 - Google Patents

ボルト締付力検査装置

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Publication number
JP2001159572A
JP2001159572A JP34391899A JP34391899A JP2001159572A JP 2001159572 A JP2001159572 A JP 2001159572A JP 34391899 A JP34391899 A JP 34391899A JP 34391899 A JP34391899 A JP 34391899A JP 2001159572 A JP2001159572 A JP 2001159572A
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Japan
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vibration
bolt
frequency
tightening force
resonance frequency
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Application number
JP34391899A
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Hiroaki Yano
博明 矢野
Minoru Tanaka
穰 田中
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SENSOR SYSTEM KK
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SENSOR SYSTEM KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励振コイルに供給する電流量を抑制しても十
分な誘導起電力を生起することができ、ボルトのサイズ
変更に柔軟に対応でき、安価で作製可能なボルト締付力
検査装置を提供する点にある。 【解決手段】 軸心に貫通孔10を有し、軸方向に互い
に相反する磁極を有する第1環状磁石11および第2環
状磁石12とこれら環状磁石11,12の間に介在する
励振コイル13とを同軸状に配設して構成される振動生
成体5と、ボルト頭部に一端を当接する振動伝達棒9
と、該振動伝達棒9の他端に接続した振動検出器16と
を有する振動検出体6とを備えるとともに、前記励振コ
イル13に段階的に周波数の変動するパルス電流を供給
する励振回路と、前記振動検出器16の出力信号をデジ
タル信号に変換するA−D変換器と、前記デジタル信号
に基づき共振周波数を算出する演算部とからなる制御装
置を備えたボルト締付力検査装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締付状態にあるボ
ルトを電磁力で振動させ、その共振周波数を測定するこ
とにより当該ボルトの締付力やクラックの有無を検査す
るためのボルト締付力検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ボルトとナットとによって複
数の部材を締付け固定した後、その締付力を測定する方
法には種々のものがある。この締付力を判断する一番簡
単な方法は、ボルトの頭部または他端部をハンマーなど
で打撃し、その打撃力により生ずる振動・音を作業員の
耳または手の触覚で感知して締付けの緩みを診断し、ま
たは目視により折損を見つけるというものである。しか
し、この方法は、作業員の熟練を要し、しかも個人差が
生じ易いという問題を有する。また、より進んだ方法と
して、トルク計により前記締付力を測定する方法も広く
用いられている。しかし、トルク計を用いた測定は、一
般に歪みゲージを用いて行われるため、ボルトの締付け
状態と緩めた状態との両状態を測定しないとその測定値
が得られない。さらに、トルク計による測定値は、ナッ
トやボルトと座金との間の摩擦力により変化するため、
ナットなどの表面の錆具合によってばらつくものでもあ
る。その上、この方法ではボルトの折損は発見できる
が、ボルトのクラックを発見するのが難しい。
【0003】また、従来から、ボルト頭部に一定方向の
外部磁界を作用させると同時に交流励振用コイルにより
渦電流を発生させると、外部磁界と渦電流との相互作用
によりボルト内部に交流励振用コイルの周波数に応じた
振動が発生し、ボルトの締付力に応じて振動数が変化す
ることが知られている。そこで、交流励振用コイルの周
波数を変化させ、ボルトに発生した振動数を測定し、そ
の共振周波数を測定することで、ボルトの締付力を非破
壊的に検査するボルト締付力検査装置が開発されてき
た。例えば特開平11−148876号公報に開示され
た検査装置がある。この公報記載のボルト締付力検査装
置50は、図9に示すように、ボルト頭部や他端部を納
める空間部51を備え、この空間部51の半径方向外周
に励振コイル52を配設するとともに、前記励振コイル
52の外周に、複数の永久磁石を環状配列した環状永久
磁石53を配設して構成される振動生成体54と、この
振動生成体54に振動緩和材55を介して連結し且つ前
記空間部51に突出する振動伝達棒62と接続した振動
検出器56を中心軸に配設して構成される検出体57と
を備えたものである。また、このようなボルト締付力検
査装置は、前記励振コイル52に周波数が連続的に繰り
返し変わる励振電流を供給する励振回路と、前記振動伝
達棒62からの縦振動を検出する振動検出回路と、この
振動検出回路の出力信号に基づきボルトの固有振動数す
なわち共振周波数を検出する共振検出回路とを備えた制
御装置とを備えたものである。
【0004】このようなボルト締付力検査装置により、
以下のようにボルトの締付力が測定される。先ず、ボル
ト60の頭部60aに振動伝達棒62の先端が当接する
ようにして、ボルト頭部60aを空間部51に挿入し、
環状永久磁石53がつくる磁力により振動生成体54の
端部54aが板材61aの表面に当接した状態で吸引保
持されると、環状永久磁石53による磁界がボルト頭部
60aの内部に浸透する。そして、励振コイル52に所
定の周波数を有する励振電流を供給すると、ボルト頭部
60aに電磁誘導起電力による渦電流が流れる。この渦
電流とボルト頭部60aに形成された外部磁界との相互
作用により、ボルトが励振電流の周波数に対応して縦振
動する。この縦振動の周波数が、ボルトの軸部60bの
張力に対応した固有振動数と一致するときボルトは固有
振動数で振動し、その共振周波数が制御装置において検
出され、検出された共振周波数に相当するボルト締付力
(ボルト軸力)が算出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載のボルト締付力検査装置では、以下に示す種々の
問題があった。先ず、検査装置の検出感度を高めるため
には、上記励振コイル52に供給する励振電流量を大き
くする必要があり、このため装置使用者が携帯するバッ
テリーは非常に重く且つバッテリーの寿命も短く、現場
での使用効率が悪いという問題があった。また、上記環
状永久磁石53は、半径方向に磁化した複数の永久磁石
を環状配列して磁石保持部材58で保持する構成を有す
るため、製作費が嵩むことから非常に高価であり、検査
装置の高価格化を招くという問題があった。
【0006】また、励振コイル52に周波数が連続的に
変化する励振電流を流すため、振動検出回路がボルトの
共振を測定した瞬間には、励振電流の周波数は共振周波
数からずれており、共振検出回路はそのずれた周波数を
共振周波数として測定するという問題があった。よっ
て、正確な共振周波数を測定できず、正確なボルト軸力
を得ることができない。
【0007】また、実際の使用時においてボルト頭部6
0aを空間部51の内部に配置する必要があり、必然的
に環状磁石53の位置が板材61aの近傍に配置される
ため、ボルト頭部60aのみならず板材61aにも磁力
線が浸透し、励振コイル52に励振電流を流すと、板材
61aが振動しその振動がノイズの一因となるという問
題もあった。
【0008】更に、検査対象であるボルトのサイズが大
きいと、上記空間部51に当該ボルトの頭部を納めるこ
とが難しく、かかる場合は当該ボルトの締付力を測定す
ることが不可能であるという欠点があった。
【0009】以上の事情に鑑み、本発明が解決しようと
するところは、励振コイルに供給する電流量を抑制して
も十分な誘導起電力を生起することができ、ボルトのサ
イズ変更に柔軟に対応でき、正確な共振周波数を測定し
てボルト軸力の測定精度を高めることができ、更に安価
に作製可能なボルト締付力検査装置を提供する点にあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
本発明に係るボルト締付力検査装置は、軸心に貫通孔を
有し、該貫通孔の半径方向外周において、軸方向に互い
に相反する磁極を有する第1環状磁石および第2環状磁
石とこれら環状磁石の間に介在する励振コイルとを同軸
状に配設して構成される振動生成体と、前記振動生成体
にボルト頭部が当接したとき前記貫通孔を通して突出し
てボルト頭部に一端を当接する振動伝達棒と、該振動伝
達棒の他端に接続した振動検出器とを有する振動検出体
と、を備えるとともに、前記励振コイルに段階的に周波
数の変動するパルス電流を供給する励振回路と、前記振
動検出器において前記振動伝達棒の縦振動を検出して出
力される発振信号をデジタル信号に変換するA−D変換
器と、該A−D変換器の出力信号に基づき共振周波数を
算出する演算部とからなる制御装置を備えることを特徴
とするものである。
【0011】すなわち、軸方向に互いに相反する磁極を
有する第1環状磁石および第2環状磁石と、これら環状
磁石の間に介在する励振コイルとを同軸状に配設するの
で、第1環状磁石の下面と第2環状磁石の下面間で磁力
線が形成されることで、その磁界を振動生成体の下面に
当接したボルト頭部へ効率良く浸透させることができ
る。また、このような第1環状磁石と第2環状磁石との
間に介在させた励振コイルへ、前記励振回路から立上が
り若しくは立下がりの鋭いパルス電流を供給するので、
ボルト頭部において大きな誘導起電力を生起させること
ができる。よって、前記誘導起電力によって生ずる渦電
流と外部磁界との相互作用によりボルトの共振レベルを
高めることが可能となる。また、従来装置のように、周
波数を連続変化させた励振用電流を用いずに、周波数を
段階的に変化させたパルス電流を用いるので、その周波
数が変化する間の一定周波数の継続時間を制御すること
により、当該継続時間内にボルトの共振を検出すると共
に対応する正確な共振周波数を得ることが可能となる。
更に、パルス電流を採用することで消費電力が大幅に抑
制される。
【0012】また、前記振動生成体は、ボルト頭部と当
接したときに当該ボルト頭部の少なくとも一部と径方向
に重複する外側の環状磁石を有し、このような振動生成
体を上記振動検出体に着脱自在に取り付けてボルト締付
力検査装置を構成することが好ましい。これにより、上
記第1および第2環状磁石のうち外側に位置する環状磁
石と内側の環状磁石との間に形成される磁力線がボルト
頭部により確実に浸透する。また、振動生成体を振動検
出体に着脱自在に取り付けるので、被検査体であるボル
ト頭部の寸法に適した環状磁石を有する振動生成体を選
択使用することが可能となる。
【0013】また、前記振動検出体を保護容器に格納
し、該保護容器の下部外周面に形成したフランジを防振
材により挟持しつつベース部材に固定することにより、
振動伝達棒以外の部材を通して伝達する振動は防振材に
吸収されるため振動検出器の出力信号にノイズが混入す
ることが防止される。
【0014】そして、上記制御装置の演算部は、具体的
には、前記励振回路の出力するパルス電流の周波数と、
この周波数に対応するボルトの振動のピーク値とを集積
して記憶する記憶テーブルと、該記憶テーブルを参照し
て最大のピーク値から共振周波数を算出する共振周波数
算出手段と、前記共振周波数に基づいて当該ボルトの締
付力を評価するボルト締付力評価手段とを備えることが
望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るボルト締付
力検査装置の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るボルト締付力検査装置の代表的な
実施例を示す概略断面図である。図1に示すように、本
実施例のボルト締付力検査装置1は、板材2a,2bを
締結するボルト3とナット4のうちボルト3の頭部3a
に当接されて使用される。このようなボルト締付力検査
装置1は、ボルト頭部3aを電磁力により縦振動させる
振動生成体5と、この縦振動を検出して信号に変換し出
力する振動検出体6と、制御装置(図示せず)とを備え
て構成される。このような振動生成体5と振動検出体6
とは、図2に示すように分離可能であり、図1では振動
生成体5は振動検出体6に着脱自在に取り付けられてい
る。図3(a)は、振動検出体6を下方から見た図であ
り、図3(b)は、振動生成体5を上方から見た図であ
る。以下、各部の構成について詳細に説明する。
【0016】前記振動生成体5は、軸心に振動伝達棒9
が挿通し得る貫通孔10を有し、この貫通孔10の径方
向外周において、軸方向に互いに相反する磁極を有する
ように着磁した第1環状磁石11と第2環状磁石12と
を同軸状に配置すると同時にこれら環状磁石11,12
の間に励振コイル13を同軸状に配置して構成されてい
る。図示した例では、第1環状磁石11の下面にS極、
上面にN極を着磁し、第2環状磁石12の下面にN極、
上面にS極を着磁したが、本発明ではこれに限らず、各
々の磁極を逆極性に変えても構わない。
【0017】また、図3(a)に示す振動検出体6の下
面には周方向に等間隔で嵌合突起部7a,7a,7aが
形成されている。振動検出体6に振動生成体5を取り付
けるには、図3(b)に示す振動生成体5の上面に形成
された溝部8,8,8に前記嵌合突起部7a,7a,7
aを係合させ、その後振動生成体5に対して振動検出体
6を相対回転させることで、嵌合突起部7a,7a,7
aをそれぞれ溝部8,8,8に嵌合させればよい。この
ように嵌合突起部が溝部に嵌合すると、振動生成体5の
上面に設けた溝部8,8,8の底面には接点金具14が
配設されているから、図1を参照するとその接点金具1
4と励振コイル13とがリード線15を通して電気的に
接続され、接点部材7から接点金具14を通して励振コ
イル13に励振電流を供給することが可能となる。
【0018】また、前記振動検出体6は、その軸心にア
コースティック・エミッションセンサ(AEセンサ)な
どの振動検出器16と、この振動検出器16に接続され
た振動伝達棒9とを備えている。振動伝達棒9として
は、内部に渦電流が発生し外部磁界と作用して振動しな
いように、非磁性且つ電気絶縁性の無機質固体が好まし
く、無機質固体の中でも電磁場に対する絶縁性と硬質性
の両方を兼ね備える点からは、非磁性且つ電気絶縁性の
セラミックスが好ましく、特に高純度のアルミナを用い
たファインセラミックスがより好ましい。セラミックス
に代表される無機質固体を用いると、振動伝達棒の弾性
率が大きく且つその共振点が測定域より遥かに高くなる
ため、たとえ振動伝達棒が共振したとしてもこの共振振
動がノイズとして測定結果に影響を与えないという利点
がある。また、振動伝達棒9の横振動からくるノイズの
発生を防ぐため、振動伝達棒9の直径は約3mm以上に
設定されるのが好ましく、振動伝達棒9の先端部を丸く
形成するのが好ましい。
【0019】また、前記振動検出器6は、保護容器18
に内装されバネ17を用いて下方へ弾性付勢されてい
る。この保護容器18の下部外周面には環状フランジ1
8aが形成されている。環状フランジ18aの上下両面
は防振ゲルや防振ゴムなどの環状防振材19,20によ
って挟持された状態でベース部材21に固定されている
ため、振動伝達棒9以外の部材から伝わる振動は防振材
19,20に吸収され、振動検出器16に伝達すること
が防止される。よって、ボルトの縦振動を示す検出信号
中にノイズが混入し難くなり、非常に感度の良い検出信
号を得ることが可能となる。更に、前記ベース部材21
の外周縁部にカバー部材22の内周縁部を固着すること
により、保護容器18全体はカバー部材21で保護され
ている。
【0020】また、前記保護容器18のフランジ18a
および防振材19,20は、棒状の接点部材7、ナット
23および押えリング24を用いてベース部材21に固
定されている。すなわち、接点部材7をフランジ18a
および防振材19,20に貫通させ、この接点部材7の
外周に形成された環状突起部7bをベース部材21に嵌
合させ、接点部材7の端部外周面に形成したねじ溝にナ
ット23を螺合することにより、フランジ18aおよび
防振材19,20はベース部材21に締結固定されてい
る。更に前記接点部材7の端部に第2のナット25を螺
合して、ナット23,25の間に励振電流供給用ケーブ
ル26が挟持される。このようにベース部材21に対す
る保護容器18の固定個所は、1個所ではなく、図3
(a)に示すように、周方向に120°間隔で形成され
た接点部材7,7,7を用いた3個所である。
【0021】次に、図4を参照しつつ、励振コイルにパ
ルス電流を供給するとともに、ボルトが固有振動数で振
動したときの共振周波数を算出する制御装置について詳
説する。図4は、制御装置30の概略構成を示すブロッ
ク図である。図4において、符号16は振動検出器、9
は振動伝達棒、11は第1環状磁石、12は第2環状磁
石、13は励振コイルを示している。
【0022】制御装置30は、励振コイル13へパルス
電流を供給する励振回路31、振動検出器16の出力信
号を増幅する増幅回路32、振動検出器16の出力信号
をデジタル信号に変換するA−D変換器33、これらを
制御するCPU34、RAM36、所定の手順に従い各
種処理を実行するプログラムが格納されたROM35、
ボルトや板材の物理特性、検量線などのデータが格納さ
れた書き換え可能なEEPROM41、検出結果などを
表示する表示手段37、条件設定などを入力する入力手
段38、コンピュータ39などの外部機器との接続を介
するインターフェース回路40、を有する。
【0023】前記励振回路31においては、CPU34
の制御に従って図5に示すような立上がり若しくは立下
がりの鋭いパルス電圧を励振コイル13に印加しパルス
電流が供給される。本実施例ではパルス電圧として矩形
波が好適であるが、本発明ではこれに限らず他のパルス
波でも構わない。このようなパルス電流の励振周波数
は、CPU34の制御に従って、1Hz〜20Hzの範
囲内の単位で段階的に変化させることができる。例え
ば、周波数を最大値50kHzから始めた場合、10H
z単位で段階的に所望の最小値まで減少させるのであ
る。このように励振周波数を最大値から最小値まで段階
的に変化させる1サイクルの時間を1周期と呼ぶ。この
ようなパルス電流を励振コイル13に供給すると、振動
検出器はボルトの縦振動を検出して、図6に示すような
波形を有する発振信号を出力する。
【0024】また、図7のタイムチャートで例示する
と、n回目またはn+1回目の測定周期において、CP
U34は、励振回路から出力される励振信号のタイミン
グを図7(a)の波形に従って信号出力時間τで制御
し、また、振動検出体の出力信号を取り込む信号入力タ
イミングを図7(b)の波形に従って、信号出力時間τ
の中の終端時間t1で制御している。
【0025】各回の測定周期において、前記図7(a)
の波形に従って信号出力時間τの間に、図5に示したよ
うな一定周波数のパルス信号を励振コイルに供給し、次
の時間τの間、前回の周波数よりも10Hz減じた一定
周波数のパルス信号を励振コイルに供給し・・・という
ことを繰り返し実行し、段階的に励振周波数を下げてい
く。このように励振周波数は、図7(d)に示すよう
に、最大値から最小値へ階段状に減少させられる。振動
検出器は各々の励振周波数に応じてボルトの振動を検出
して発振信号を出力し、この発振信号は、図7(b)に
示す終端時間t1の間にA−D変換器によってデジタル
信号に変換された後にCPUに取り込まれる。このよう
な発振信号は、図8(a)に示すような波形を示し、励
振周波数が共振周波数に一致する時点でピークを形成す
る。このように、信号出力時間τを設定して段階的に変
化する励振周波数でパルス電流を励振コイルに供給する
から、当該信号出力時間τの間に、当該励振周波数に対
応する発振信号を極めて正確に検出し識別することが可
能である。
【0026】また、各回の測定周期の終わりには、CP
U34は、図7(c)の制御信号に従って信号処理時間
2の間、デジタル変換した発振信号(デジタル入力信
号)を処理して共振周波数を算出する。具体的には、デ
ジタル入力信号の値は、CPU34で処理されて、対応
する励振周波数や周期とともに一時的に記憶テーブルに
記憶される。次いで、ROM35に格納されたプログラ
ムの中から共振周波数算出手段を呼び出し、前記記憶テ
ーブルを参照し、図8(b)に示すように同図(a)の
波形の包絡線波形42に示される波形データを得て、そ
のピーク値を見出しこのピーク値に対応する発振周波数
を共振周波数とするのである。このような処理は、測定
周期毎になされる。尚、測定周期の回数は1回でもよい
し、複数回でもよい。複数回の測定周期から、共振周波
数の平均値を算出しても構わない。
【0027】次いで、ROM35に格納されたプログラ
ムの中からボルト締付力評価手段を呼び出し、この手段
を用いてEEPROM41に格納された検量線テーブル
を参照し、共振周波数に相当するボルト軸力(ボルト締
付力)を算出するのである。ボルト軸力が算出された後
は、表示手段37にボルト軸力の値を表示させてもよい
し、ボルト軸力の大きさに応じて表示ランプ(図示せ
ず)に表示させたり、スピーカー(図示せず)からトー
ンの音を出力してもよい。
【0028】また、振動検出器は、必ずしも図8(a)
に示すように明瞭なピークをもつ波形を出力するとは限
らず、図8(c)に示すように複数のピークを有する波
形を出力し、共振周波数に対応するピーク値を識別する
のが困難な場合がある。かかる場合は、ピークをもつピ
ーク波形の群(波形群)を選別し、図8(d)に示すよ
うに各波形群において波形合成処理を実行して合成波形
43a,43bを生成し、合成波形43a,43bのピ
ーク値の中から最大値を見出しこれに対応する発振周波
数を共振周波数とするのが好ましい。尚、図8(d)の
合成波形は、図8(c)の波形と比べて若干縮小表示さ
れている。
【0029】また、前記検量線テーブルとしては、「ボ
ルトの種類」や「ボルトのサイズ」、締結した「板材の
厚み」、「最大軸力」、「オフセット値」などを予め入
力しテーブル化したものを使用しても良いし、多項式の
係数を最小自乗法で算出し補間式を求めて利用しても良
い。このような最小自乗法などを実行するには上記コン
ピュータ39を用いた方が簡便な場合がある。かかる場
合は、多項式の係数などをコンピュータ39で算出した
後に、そのデータを図4に示したインターフェース回路
40を介してCPU34に転送し、EEPROM41な
どに記憶させるのが好ましい。
【0030】また、ボルトの締付状態を点検するだけな
らば、現場などで、ボルトの締付力の基準値(基準締付
力)若しくはこの基準締付力に対応する共振周波数(基
準共振周波数)を登録し、この基準締付力若しくは基準
共振周波数を中心とした上限値と下限値を設定してお
き、測定した締付力若しくは共振周波数が上限値と下限
値間にある場合は合格圏内にあるとし、外れた場合は不
合格とすることもできる。
【0031】また、電力消費量を抑制したい場合は、測
定時にのみ装置電源が投入されるようにすることが好ま
しい。そこで、ボルト頭部に装置を当接したときの励振
コイルなどのリアクタンス変化を検出して、自動的に電
源を投入したり切断したりすると効率的である。
【0032】または、超音波や光を利用した近接スイッ
チや磁気近接スイッチを用いて、被検査物たるボルトに
接近すると自動的に装置電源が投入されるものでもよい
し、振動伝達棒をリミットスイッチと連動させて、振動
伝達棒がボルト頭部に当接して後退すると、自動的に装
置電源が投入されるものでもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の如く、請求項1に係るボルト締付
力検査装置によれば、軸方向に互いに相反する磁極を有
する第1環状磁石および第2環状磁石とこれら環状磁石
の間に介在する励振コイルとを同軸状に配設して構成さ
れる振動生成体を備えることにより、外部磁界をボルト
頭部に効率良く浸透させることができ、また前記励振コ
イルに立上がり若しくは立下がりの鋭いパルス電流を供
給して、ボルト頭部において大きな誘導起電力を生起さ
せることができるから、ボルトの共振レベルが向上し感
度の高い共振周波数を得ることができ、よって正確なボ
ルト軸力を算出することが可能となる。また、周波数を
段階的に変化させたパルス電流を用いることにより、そ
の周波数が変化する間の一定周波数の継続時間を制御し
て当該継続時間内にボルトの共振を検出すると共に正確
な共振周波数を得ることができるから、正確なボルト軸
力を算出してその測定精度を向上させることが可能とな
る。更に、パルス電流を採用することで、消費電力が低
減するため、移動式駆動電源を用いてもボルト締付力の
検査作業を長時間行うことが可能となると共に、軽量の
駆動電源を用いれば足りるため作業性が向上する。
【0034】また、請求項2に係るボルト締付力検査装
置によれば、振動検出体に対して振動生成体がボルトの
サイズに応じて着脱自在に取り付けられるから、ボルト
のサイズに適合した振動生成体を選択することで正確な
ボルト軸力測定が可能となる。
【0035】また、請求項3に係るボルト締付力検査装
置によれば、前記振動検出体を保護容器に格納し、該保
護容器の下部外周面に形成したフランジを防振材により
挟持しつつベース部材に固定するので、振動伝達棒以外
の部材から伝達する振動は防振材に吸収されるため振動
検出器の出力信号にノイズが混入することが防止され、
検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト締付力検査装置の代表的な
実施例を示す概略断面図である。
【図2】振動検出体と振動生成体とが分離状態にある概
略断面図である。
【図3】(a)は、図2に示した振動検出体を下方から
見た図であり、(b)は、図2に示した振動生成体を上
方から見た図である。
【図4】本発明に係る制御装置の一実施例を示す概略ブ
ロック図である。
【図5】励振回路が出力するパルス電圧の一例を示す図
である。
【図6】振動検出器が出力したボルトの振動波形を示す
図である。
【図7】各種信号を示すタイムチャートである。
【図8】発振信号とその処理信号を示す概略図である。
【図9】従来のボルト締付力検査装置を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
1 ボルト締付力検査装置 2a,2b 板材 3 ボルト 3a ボルト頭部 4 ナット 5 振動生成体 6 振動検出体 7 接点部材 7a 嵌合突起部 7b 環状突起部 8 溝部 9 振動伝達棒 10 貫通孔 11 第1環状磁石 12 第2環状磁石 13 励振コイル 14 接点金具 15 リード線 16 振動検出器 17 バネ 18 保護容器 18a 環状フランジ 19,20 防振材 21 ベース部材 22 カバー部材 23 ナット 24 押えリング 25 ナット 26 ケーブル 30 制御装置 31 励振回路 32 増幅回路 33 A−D変換器 34 CPU 35 ROM 36 RAM 37 表示手段 38 入力手段 39 外部機器 40 インターフェース回路 41 EEPROM 42 包絡線波形 43a,43b 合成波形 50 ボルト締付力検査装置 51 空間部 52 励振コイル 53 環状永久磁石 54 振動生成体 54a 振動生成体の端部 55 振動緩和材 56 振動検出器 57 検出体 58 磁石保持部材 59 バネ 60 ボルト 60a ボルトの頭部 60b ボルトの軸部 61a,61b,61c 板材 62 振動伝達棒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心に貫通孔を有し、該貫通孔の半径方
    向外周において、軸方向に互いに相反する磁極を有する
    第1環状磁石および第2環状磁石とこれら環状磁石の間
    に介在する励振コイルとを同軸状に配設して構成される
    振動生成体と、 前記振動生成体にボルト頭部が当接したとき前記貫通孔
    を通して突出してボルト頭部に一端を当接する振動伝達
    棒と、該振動伝達棒の他端に接続した振動検出器とを有
    する振動検出体と、 を備えるとともに、 前記励振コイルに段階的に周波数の変動するパルス電流
    を供給する励振回路と、前記振動検出器において前記振
    動伝達棒の縦振動を検出して出力される発振信号をデジ
    タル信号に変換するA−D変換器と、該A−D変換器の
    出力信号に基づき共振周波数を算出する演算部とからな
    る制御装置を備えることを特徴とするボルト締付力検査
    装置。
  2. 【請求項2】 前記振動生成体は、ボルト頭部と当接し
    たときに当該ボルト頭部の少なくとも一部と径方向に重
    複する外側の環状磁石を有しており、前記振動生成体を
    振動検出体に着脱自在に取り付けてなる請求項1記載の
    ボルト締付力検査装置。
  3. 【請求項3】 前記振動検出器を保護容器に格納し、該
    保護容器の下部外周面に形成したフランジを防振材によ
    り挟持した状態で、振動検出器をベース部材に固定して
    なる請求項1または2記載のボルト締付力検査装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置の演算部が、前記励振回路
    の出力するパルス電流の周波数と、この周波数に対応す
    るボルトの振動のピーク値とを集積して記憶する記憶テ
    ーブルと、該記憶テーブルを参照して最大のピーク値か
    ら共振周波数を算出する共振周波数算出手段と、前記共
    振周波数に基づいて当該ボルトの締付力を評価するボル
    ト締付力評価手段と、を備えてなる請求項1〜3の何れ
    か1項に記載のボルト締付力検査装置。
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