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JP2743145B2 - ボルト締付力の検査装置 - Google Patents

ボルト締付力の検査装置

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Publication number
JP2743145B2
JP2743145B2 JP12345994A JP12345994A JP2743145B2 JP 2743145 B2 JP2743145 B2 JP 2743145B2 JP 12345994 A JP12345994 A JP 12345994A JP 12345994 A JP12345994 A JP 12345994A JP 2743145 B2 JP2743145 B2 JP 2743145B2
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JP
Japan
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bolt
vibration
tightening force
voltage
probe
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JP12345994A
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JPH07333085A (ja
Inventor
茂 北川
Original Assignee
株式会社日本非破壊計測研究所
財団法人阪神高速道路管理技術センター
株式会社構造建設
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Publication date
Application filed by 株式会社日本非破壊計測研究所, 財団法人阪神高速道路管理技術センター, 株式会社構造建設 filed Critical 株式会社日本非破壊計測研究所
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Publication of JPH07333085A publication Critical patent/JPH07333085A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボルト締付力の検査装
置に係わり、更に詳しくはナットにて締付状態のボルト
の頭部又は他端部に当接するだけでそのボルトの緩み及
びクラックの存在を検査するためのボルト締付力の検査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二部材に貫通形成した取付孔にボ
ルトを挿通し、その他端部にナットを螺合して二部材を
締付けた状態にあるボルトの締付力は、一般的にトルク
計で測定されているが、この測定値はナットとボルト及
び座金との間の摩擦力によっても変わるので、必ずしも
真の意味の締付力(ボルトの張力)を示していない。ま
た、ボルトをゆっくり締付ける場合と、ある回転速さで
慣性力を利用して締付ける場合とでもその真の締付力は
異なっている。従って、トルク計を用いて所望の締付力
で締付けたとしても、その真の締付力には大きなバラツ
キが存在している。このバラツキが許容範囲内であれば
問題はないが、十分な締付力が得られてない場合には重
大な問題が発生する可能性がある。また、締付け組立て
当初には十分な締付力が得られていても、部材に作用す
る応力や振動等によって経年的に緩むこともあり、更に
は多数あるボルトの中には締め忘れもないとは言えな
い。その上、ボルトが折損している場合もある。
【0003】そこで、ボルトの締付け緩みや折損を何ら
かの方法で診断することが必要であり、従来から打診法
が既に考えられ、多くの試みや、実用にも供されてい
る。この打診法は、ボルトの頭部又は他端部をハンマー
等で打撃し、その打撃による振動のビビリ状態から締付
けの緩み又は折損を診断する方法である。しかし、この
方法では作業者の熟練や振動解析の煩雑さから現場に普
及するにはまだ問題がある。その上、誤差が非常に大き
いので締付力が半分程度まで緩んでいてもその判別は難
しいのが現実である。
【0004】また、他のボルトの締付力を測定する方法
は、超音波を用いるなど実験室レベルでは既に多数試み
られているが、何れの方法も一長一短があり、簡易に直
接ボルトの締付力を測定できるものはない。そのため、
締付状態にあるボルトの真の締付力を簡易に検出するこ
とができる検出装置の提供が望まれている。
【0005】そこで、特開平5−346420号公報に
て開示される如く、締付状態のボルトの頭部又は他端部
に電磁振動を付与するための励振コイルと、該励振コイ
ルの中空部を貫通させ且つ先端をボルトの頭部又は他端
部に接触させた振動伝達棒を介してボルトの縦振動を検
出する振動検出器とよりなるプローブと、前記励振コイ
ルに周波数が連続的に繰り返し変わる励振電流を供給し
てボルトに縦振動を与える励振回路と、振動検出器の振
動信号に基づきボルトの共振状態を検出する共振検出回
路とを備えた制御装置とよりなり、ボルトの共振状態か
らボルトの締付力の良否及びクラックの有無を判別して
なるボルト締付診断装置が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の公報記
載のボルト締付診断装置は、プローブをボルトの頭部又
は他端部に装着するための保持構造を特に設けてはな
く、そのためプローブを手で持ってその先端をボルトの
頭部又は他端部に押し当てて保持する必要があり、手振
れや、励振コイルが作る磁場の反動によってプローブに
予期しない振動、変位が生じて正確な診断を阻害する恐
れがあった。また、励振コイルによって付与するボルト
の縦振動が弱く、そのため信号(S)と雑音(N)の比
(S/N比)が小さいといった問題を残していた。更
に、基本振動以外のモードの振動が強く現れることがあ
り、大きな誤差を生じることもあった。
【0007】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、締付状態にあるボルトの張力に
よってその共振振動数が変化し、この共振振動数を定量
的に測定することで、ボルトの締付け緩み及び折損やク
ラックの存在を検査するボルト締付力の検査装置におい
て、S/N比を大きくするとともに、プローブにボルト
の頭部又は他端部に装着するための保持構造を設け、且
つ基本モードの振動が大幅に増大して締付力の検査の感
度及び精度を大幅に向上させ、高精度の検査が行えるボ
ルト締付力の検査装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、プローブと制御装置とからなり、前記プロ
ーブは、ボルトの頭部又は他端部を受け入れる空間部の
周囲に配設し該ボルトに電磁振動を付与するための励振
コイルと、該励振コイルの外周に配設し半径方向に磁化
したリング状の第1永久磁石と、前記空間部の奥部に前
記ボルトの頭部又は他端部と対面させて同軸状に配設し
該ボルトと対面する側の磁極が前記第1永久磁石の内側
の磁極と逆磁極となるように軸方向に磁化したリング状
の第2永久磁石と、該第2永久磁石の中心孔を貫通させ
且つ先端をボルトの頭部又は他端部に接触させた振動伝
達棒を介してボルトの縦振動を検出する振動検出器とを
備えたものであり、前記制御装置は、前記励振コイルに
周波数が連続的に繰り返し変わる励振電流を供給してボ
ルトに縦振動を与える励振回路と、振動検出器の振動信
号に基づきボルトの共振状態を検出する共振検出回路と
を備えたものであり、前記プローブを締付状態のボルト
の頭部又は他端部に装着し、前記制御装置から励振コイ
ルに励振電流を供給してボルトに縦振動を付与し、その
共振振動数が締付力によって変化することを利用し、プ
ローブの振動検出器で検出した振動信号を制御装置で解
析し、共振振動数からボルトの締付力を測定してなるボ
ルト締付力の検査装置を構成した。
【0009】そして、前記制御装置として、前記励振回
路が電圧によって周波数が変化する電圧制御発振器を備
え、この制御電圧を変化させてプローブの励振コイルに
励振電流を供給し、前記共振検出回路がボルトが共振振
動を生じたことを検出するピーク検出器とその周波数に
対応した電圧を検出するサンプリングホールド器を備
え、該サンプリングホールド器で検出した電圧値を表示
又は該電圧をボルトの標準締付力を基準とした百分率表
示してなる表示器を備えてなることが好ましい実施例で
ある。
【0010】
【作用】以上の如き内容からなる本発明のボルト締付力
の検査装置は、ボルトの縦方向固有振動数(共振振動
数)が締付力(張力)によって変化することを利用し
て、その共振振動数を測定することで直接真の締付力を
測定し、ボルトの締付け緩み及びクラックの存在を検査
するものであり、また共振振動数はボルトの長さによっ
ても変化し、ボルトが途中で折損している場合には、そ
の共振振動数が大きく変化するので、ボルトの折損も検
査することができる。ここで、ボルトの共振振動数は、
引張り力の低下、即ち緩みによって10%程度下がり、
一方折損による実効長さの減少によって大幅に上昇する
ので、その判別も可能である。
【0011】そして、本発明に係るプローブには、ボル
トの頭部又は他端部を受け入れる空間部の周囲に配設し
該ボルトに電磁振動を付与するための励振コイルと、該
励振コイルの外周に配設し半径方向に磁化したリング状
の第1永久磁石と、前記空間部の奥部に前記ボルトの頭
部又は他端部と対面させて同軸状に配設し該ボルトと対
面する側の磁極が前記第1永久磁石の内側の磁極と逆磁
極となるように軸方向に磁化したリング状の第2永久磁
石とを備えているので、前記プローブを締付状態のボル
トの頭部又は他端部に装着する場合、プローブの空間部
内にボルトの頭部又は他端部を受け入れると、第1永久
磁石と第2永久磁石の吸引力によってボルト若しくは該
ボルトで締付けた部材にプローブが強く吸引保持される
とともに、第1永久磁石と第2永久磁石の作る磁場によ
ってボルトの頭部又は他端部内にバイアス磁場が生じ、
このバイアス磁場と励振コイルの作る変動磁場によって
ボルトの頭部又は他端部に誘起された渦電流との作用に
よって、ボルトに極めて効率良く強い縦振動を生じさせ
ることが可能である。それから、ボルトに生じた縦振動
を振動検出器で検出し、その振動信号に基づいて共振検
出回路でボルトの共振振動数の変化を検出し、この共振
振動数の変化からボルトの締付力を測定するのである。
【0012】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。本発明のボルト締付力の検査装
置は、ボルトに電磁振動を付与するとともに、その振動
を検出するためのプローブ1と、該プローブ1に励振電
流を供給するとともに、検出した振動信号を解析するた
めの制御回路2とより構成されている。図1は、プロー
ブ1をボルト3に装着した状態の断面図を示し、図2は
ボルト3の緩みを実際に測定する場合の概念図を示して
いる。
【0013】図1に示したプローブ1は、非磁性体から
なる中空ケース4の先端部に断面円形の空間部5を形成
し、該空間部5の外周部に励振コイル6を配設するとと
もに、該励振コイル6の外周に半径方向に磁化したリン
グ状の第1永久磁石7を配設し、更に前記空間部5の奥
部に該空間部5に面する側の磁極が前記第1永久磁石7
の内側の磁極と逆磁極となるように軸方向に磁化したリ
ング状の第2永久磁石8を配設し、そしてケース4の内
部にセラミック振動センサからなる振動検出器9を進退
遊動自在となして配するとともに、基端を該振動検出器
9に連係させた振動伝達棒10を前記第2永久磁石8の
中心孔11に挿通してその先端を前記空間部5に突出さ
せ且つケース4と振動検出器9との間に振動伝達棒10
が突出する方向に弾性付勢する圧縮コイルばね等からな
るばね体12を配した構造のものである。本実施例で
は、第1永久磁石7の内面側をN極、外面側をS極と
し、第2永久磁石8の空間部5に面する側をS極、振動
検出器9に対面する側をN極としているが、前述のN極
とS極は逆の関係でも良い。ここで、前記振動伝達棒1
0の先端部を針状となせば、ボルト3が塗装されている
場合でも、先端がボルトに直接接触できる。また、図示
しないが、ケース4には励振コイル6に励振電流I0
供給するためと、振動検出器9によって検出された振動
信号V0 を引き出すためのケーブルが接続されている。
【0014】ここで、ボルト3は、通常図1に示したよ
うに締付けされている。即ち、鋼板等の強磁性体からな
る二部材13,14に貫通形成した取付孔15,16に
ボルト3の軸部17を挿通し、頭部18と軸部17の他
端部19に螺合したナット20とで二部材13,14を
締付けるのである。尚、前記頭部18及びナット20と
各部材13,14間には適宜座金21が介装されてい
る。
【0015】この締付状態では、ボルト3の軸部17に
引張り力が常時作用している。そこで、前記プローブ1
の空間部5内にボルト3の頭部18又は他端部19を受
け入れると、第1永久磁石7及び第2永久磁石8の作る
磁場による吸引力によってケース4の先端が部材13の
表面に当接した状態で吸引保持され、同時に振動伝達棒
10がボルト3の頭部18又は他端部19に当接し、ば
ね体12の弾性力に抗して押し込まれる。この状態で
は、振動伝達棒10の先端はボルト3の中心部に確実且
つ常に一定条件で当接するとともに、振動検出器9にも
一定の弾性力がバイアスとして作用している。尚、プロ
ーブ1は、振動伝達棒10以外の部分がボルト3に当接
しないように、前記空間部5の大きさを決定している。
また、第1永久磁石7の内側のN極から出た磁力線はボ
ルト3の頭部18内を通り、第2永久磁石8の該頭部1
8と対面する側のS極に至る。これらの永久磁石7,8
で作られる磁場がバイアス磁場として常時作用してい
る。
【0016】そして、前記励振コイル6に励振電流I0
を供給すると、ボルト3の頭部18に軸方向の磁場が生
じ、これを打ち消すように渦電流が流れ、この渦電流と
磁場によるローレンツ力によって、ボルト3の軸部17
に縦振動が生じ、この軸部17の縦振動を振動伝達棒1
0を介して振動検出器9で検出し、後述の制御回路2に
その振動信号V0 を入力するのである。この際、振動検
出器9には、励振コイル6の励振に起因する誘導と軸部
17の縦振動が検出されるが、制御回路2では真に軸部
17の縦振動のみを取り出せるように工夫されている。
【0017】次に、制御回路2について図3及び図4に
基づいて説明する。制御回路2は、前記励振コイル6に
周波数が連続的に繰り返し変わる励振電流I0 を供給し
てボルト3に縦振動を与える励振回路と、振動検出器9
の振動信号V0 に基づきボルト3の共振状態を検出する
共振検出回路とを備えたものである。
【0018】先ず、前記励振回路について説明する。励
振回路は、1秒程度の繰り返し周期(T)のランプ状
(鋸歯状)制御電圧V1 を発生する超低周波発振器22
と、その連続的に変化する制御電圧V1 で制御され、周
波数が連続的に変化する電流を発生する電圧制御発振器
(VCO)23とから主として構成されている。更に詳
しくは、電圧制御発振器23によって発生された周波数
が連続的に変化する正弦波電圧V2 の回数を計数器24
で計数して、100回の内5回又は10回のみに対応す
る瞬間だけ高レベル(H)、その他は低レベル(L)の
計数信号V3 を発生する。この計数信号V3 によってア
ナログスイッチ25を開閉制御して、前記正弦波電圧V
2 を高レベルのときにのみ通過させる。このアナログス
イッチ25を通過した励振用電圧波V4 は、図4(d) に
示すように間歇的である。即ち、励振用電圧波V4 は、
5/50波数又は10/50波数のみの間歇波である。
そして、この励振用電圧波V4 を本実施例ではバイアス
補正増幅器26で前段増幅した後、電流増幅器27で増
幅して前述の励振電流I0 を発生するのである。当然、
この励振電流I0 も間歇波であり、前記励振用電圧波V
4 と同様な波形である。ここで、前記バイアス補正増幅
器26では、バイアス電圧も制御している。このバアイ
ス電圧は後述のバイアス電流を与えるもので、非鉄金属
への適用をも可能にするものである。
【0019】前記励振回路の動作を簡単に説明すれば、
超低周波発振器22の制御電圧V1によって周波数の変
えられる電圧制御発振器23により、10kHz〜10
0kHz可変の正弦波電圧V2 を生じ、同時にその振動
波を計数器24に与えて5/50又は10/50回のパ
ルス(計数信号V3 )を生じ、そのパルスをアナログス
イッチ25に与えて5/50又は10/50回の励振用
電圧波V4 を次段に出力する。そして、直流電流を適当
に付与するためのバイアス補正増幅器26を通し、次い
で電流増幅器27で0.5A〜2A(ピーク値)の励振
電流I0 を前記励振コイル6に供給するのである。この
励振電流I0 は励振コイル6によりボルト3に電磁振動
を付与するものであるが、この励振電流I0 を上記のよ
うに間歇的に与えることにより共振特性を顕著にすると
ともに、励振電流I0 を強くしても発熱を小さく抑えら
れるのである。
【0020】励振コイル6は、ボルト3の頭部18又は
他端部19に非接触(ボビン5は接触している)で置か
れ、励振電流I0 に応じた電磁振動をボルト3の軸部1
7に与える。ボルト3の振動は、励振コイル6を巻回し
たボビン5の中心を通ってボルト3の頭部18又は他端
部19に接している振動伝達棒10を介して振動検出器
9に伝えられ、該振動検出器9により検出される。そし
て、この振動検出器9によって検出された振動信号V0
は制御回路2の共振検出回路に入力される。
【0021】次に、前述の共振検出回路について説明す
る。共振検出回路は、ボルト3が共振点に達したときの
前記制御電圧V1 の瞬時値又は共振周波数を検出するも
のである。具体的には、振動検出器9で検出した振動信
号V0 は増幅器28で増幅して検波器29に与えられ
る。このままでは、励振電流波I0 の誘導が入るので、
これを除去するために増幅器28の振動増幅信号V5
アナログスイッチ30を通し、励振電流I0 が供給され
ている間の信号を除去した後、前記検波器29に与える
のである。このアナログスイッチ30の開閉制御は、前
記計数器24から出力される計数信号V3 を位相反転器
31を通して高レベルと低レベルを反転させたゲート信
号V6 を発生させ、このゲート信号V6 で行うのであ
る。即ち、アナログスイッチ30を通すことで、図4
(e) に示した振動増幅信号V5 から励振電流I0 による
誘導が除去され、図4(g) に示す振動出力信号V7 が検
波器29に供給されるのである。そして、この検波器2
9から出力される検波電圧信号V 8 を平滑器32に与
え、該平滑器32で検波電圧信号V8 を平滑化してボル
ト3の振動の振幅に略比例した振幅信号V9 を得る。検
波、平滑後の振幅信号V9 は、共振点で振幅が大きくな
るので、そのピーク値(最大値)をピーク検出器33で
検出して、ピーク値に達した時点でサンプリングパルス
10を発生させる。最後に、前記超低周波発振器22の
制御電圧V1 とサンプリングパルスV10が入力されたサ
ンプリングホールド34で、サンプリングパルスV10
発生した瞬間の制御電圧V1 をサンプリングし、これを
保持して出力信号Vrとして表示器35に入力する。こ
の表示器35では、出力信号Vrをそのまま共振点の周
波数に対応する制御電圧V1 の瞬時値又はボルトの標準
締付力を基準とした百分率としてアナログ的又はデジタ
ル的に表示する。更には、表示器35と発音器を併用
し、発音器で出力信号Vrに比例したトーンの音又は閾
値以上又は以下の出力信号Vrの場合にのみ音を発生す
ることも好ましい。
【0022】前記表示器35に表示された値は、ボルト
3の共振周波数に対応しているので、ボルト3の締付状
態に対応した値が表示されることになる。前述の如く、
共振振動数は、ボルト3の軸部17の張力に応じて変化
するものであるから、例えば多数の正常な締付状態にあ
るボルト3,…の中から緩んだボルト3を見出す場合に
最適である。ボルト3が緩んでいる場合には、共振周波
数が低下するようにずれるから締付具合を判別でき、ま
たボルト3が折損している場合には、共振周波数(出力
信号Vr)が増加するように大きくずれるので容易に判
別できる。
【0023】次に、前記ピーク検出器33の具体例を図
5に基づいて説明する。本実施例のピーク検出器33
は、計測開始の信号(リモートスイッチ)を与えて振幅
信号V 9 のピーク値をアナログ的に記憶し、次の周期で
再度同じピーク値に達したとき、これを共振点と判別す
るものであり、具体的には平滑器32の振幅信号V9
二方向に切り替える切替えスイッチ36と、切替えスイ
ッチ36のa接点に接続されたアナログメモリー回路3
7と、アナログメモリー回路37の出力VA とb接点に
切り替えられた際の該b接点の出力VB (振幅信号V9
そのものである。)とを比較してパルス(サンプリング
パルスV10)を発生する比較器38から構成されてい
る。前記切替えスイッチ36は、制御回路2のリセット
スイッチに連動し、通常はa接点が閉じていて、振幅信
号V9 はアナログメモリー回路37にアナログ的に記憶
され、比較器38の負端子に出力VA が常時入力されて
いる。そして、リセットスイッチを作動させている数秒
間だけ、切替えスイッチ36のb接点が閉じて比較器3
8の正端子に出力VB が入力される。アナログメモリー
回路37に記憶された振幅信号V9 のピーク値は、次の
周期までに僅かに減少(1〜2%)しているので、次回
のピーク値の一つはこれを越える。従って、この点を比
較器38で検出してサンプリングパルスV10を生じさせ
る。
【0024】更に詳しくは、前記アナログメモリー回路
37は、応答性を高めるために二つの演算増幅器39,
40を直列に配し、その中間にダイオード41を配し、
ダイオード41の順方向側に配したコンデンサ42に振
幅信号V9 のピーク値に対応する電圧が蓄えられるので
ある。
【0025】そして、前記ピーク検出器33からのサン
プリングパルスV10は、サンプリングホールド34に入
力される。このサンプリングホールド34は、図5に示
すように、前記サンプリングパルスV10によってスイッ
チングされるトランジスタ43と、該トランジスタ43
によって制御される双方向アナログFET出力形のホト
カプラ44と、該ホトカプラ44の一方の出力端子に並
列接続されたコンデンサ45とから構成されている。前
記サンプリングパルスV10は抵抗46を介してトランジ
スタ43のベースに入力され、該トランジスタ43のコ
レクタはホトカプラ44のカソードに接続され、ホトカ
プラ44のアノードには所望電流を供給できるように電
源に接続されている。ホトカプラ44のドレインには前
記超低周波発振器22から制御電圧V1 が供給され、ソ
ースには前記コンデンサ45が接続されるとともに、表
示器35に接続されている。そして、前記サンプリング
パルスV10が入力されている間だけトランジスタ43が
導通して、発光ダイオードに電流が流れて発光し、それ
に伴ってFETが導通し、超低周波発振器22の制御電
圧V1 の瞬間値でコンデンサ45が充電され、それが保
持される。つまり、表示器35は入力インピーダンスが
高ければ、コンデンサ45に蓄えられた電圧の低下は無
視でき、その電圧が出力信号Vrとして表示器35に供
給されるのである。勿論、次の測定の前にはリセットス
イッチを操作して、このコンデンサ45を放電させて初
期状態にするのである。
【0026】最後に、本発明の装置の用途について若干
説明する。既に橋梁などで実用中のボルトの締付力を検
査し、多数の正常な締付力を保持しているものと比較し
て、締付力が弱くなっているものを特定したり、折損
(亀裂)を生じて締付力が減少している少数のボルトを
検出するのに最も適している。このときは全数検査の内
の異常値を示すものを見出せばよいので、1本当たりの
検査時間は3〜5秒程度あれば十分であり、極めて迅速
である。しかも、電磁振動を与える励振コイル6はボル
ト3に対して非接触でよいから、ボルト3の塗装を除去
する必要はなく、振動伝達棒10の先端部も針状とすれ
ばこれも塗装の影響はないのである。
【0027】
【発明の効果】以上にしてなる本発明のボルト締付力の
検査装置によれば、ボルトの縦方向共振振動数が締付力
によって変化することを利用して、その共振振動数を測
定することで直接真の締付力を測定し、ボルトの締付け
緩み及びクラックの存在を検査することができ、また共
振振動数はボルトの長さによっても変化し、ボルトが途
中で折損している場合には、その共振振動数が大きく変
化するので、ボルトの折損も検査することができる。そ
して、プローブの先端部にボルトの頭部又は他端部を受
け入れる空間部を形成したこと、該空間部の周囲にボル
トに電磁振動を付与するための励振コイルと、該励振コ
イルの外周に配設し半径方向に磁化したリング状の第1
永久磁石とを配設したこと、及び前記空間部の奥部にボ
ルトと対面する側の磁極が前記第1永久磁石の内側の磁
極と逆磁極となるように軸方向に磁化したリング状の第
2永久磁石を配設したことにより、前記プローブを締付
状態のボルトの頭部又は他端部に装着する場合に永久磁
石の吸引力によってボルトの方向を問わず確実に吸引保
持することができ、また第1永久磁石と第2永久磁石の
作るバイアス磁場と励振コイルの作る変動磁場によって
ボルトに極めて効率良く強い縦振動を生じさせることが
でき、それによりS/N比が大きくなり、締付力の検査
の感度及び精度が大幅に向上し、もってボルトの締付力
に対する高精度の検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】締付状態のボルトの締付力を検査する状態を示
した簡略断面図である。
【図2】プローブの要部とボルトの頭部の関係を示す説
明用断面図である。
【図3】制御回路の簡略ブロック図である。
【図4】制御回路の各部の信号波形を示したタイムチャ
ートであり、(a) は制御電圧V 1 、(b) は正弦波電圧V
2 、(c) は計数信号V3 、(d) は励振用電圧波V4
(e) は振動増幅信号V5 、(f) はゲート信号V6 、(g)
は振動出力信号V7 、(h)は検波電圧信号V8 、(i) は
振幅信号V9 、(j) はサンプリングパルスV10をそれぞ
れ示している。
【図5】ピーク検出器とサンプリングホールドの具体例
を示した簡略回路図である。
【符号の説明】 1 プローブ 2 制御回路 3 ボルト 4 ケース 5 空間部 6 励振コイル 7 第1永久磁石 8 第2永久磁石 9 振動検出器 10 振動伝達棒 11 中心孔 12 ばね体 13,14 部材 17 軸部 18 頭部 19 他端部 20 ナット 22 超低周波発振器 23 電圧制御発振器 25 アナログスイッチ 26 バイアス補正増幅器 27 電流増幅器 28 増幅器 29 検波器 30 アナログスイッチ 31 位相反転器 32 平滑器 33 ピーク検出器 34 サンプリングホールド 35 表示器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−346420(JP,A) 実開 昭58−151848(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブと制御装置とからなり、 前記プローブは、ボルトの頭部又は他端部を受け入れる
    空間部の周囲に配設し該ボルトに電磁振動を付与するた
    めの励振コイルと、該励振コイルの外周に配設し半径方
    向に磁化したリング状の第1永久磁石と、前記空間部の
    奥部に前記ボルトの頭部又は他端部と対面させて同軸状
    に配設し該ボルトと対面する側の磁極が前記第1永久磁
    石の内側の磁極と逆磁極となるように軸方向に磁化した
    リング状の第2永久磁石と、該第2永久磁石の中心孔を
    貫通させ且つ先端をボルトの頭部又は他端部に接触させ
    た振動伝達棒を介してボルトの縦振動を検出する振動検
    出器とを備えたものであり、 前記制御装置は、前記励振コイルに周波数が連続的に繰
    り返し変わる励振電流を供給してボルトに縦振動を与え
    る励振回路と、振動検出器の振動信号に基づきボルトの
    共振状態を検出する共振検出回路とを備えたものであ
    り、 前記プローブを締付状態のボルトの頭部又は他端部に装
    着し、前記制御装置から励振コイルに励振電流を供給し
    てボルトに縦振動を付与し、その共振振動数が締付力に
    よって変化することを利用し、プローブの振動検出器で
    検出した振動信号を制御装置で解析し、共振振動数から
    ボルトの締付力を測定してなることを特徴とするボルト
    締付力の検査装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置として、前記励振回路が電
    圧によって周波数が変化する電圧制御発振器を備え、こ
    の制御電圧を変化させてプローブの励振コイルに励振電
    流を供給し、前記共振検出回路がボルトが共振振動を生
    じたことを検出するピーク検出器とその周波数に対応し
    た電圧を検出するサンプリングホールド器を備え、該サ
    ンプリングホールド器で検出した電圧値を表示又は該電
    圧をボルトの標準締付力を基準とした百分率表示してな
    る表示器を備えてなる請求項1記載のボルト締付力の検
    査装置。
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