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JP2001158823A - 複合マスターバッチ - Google Patents

複合マスターバッチ

Info

Publication number
JP2001158823A
JP2001158823A JP34319699A JP34319699A JP2001158823A JP 2001158823 A JP2001158823 A JP 2001158823A JP 34319699 A JP34319699 A JP 34319699A JP 34319699 A JP34319699 A JP 34319699A JP 2001158823 A JP2001158823 A JP 2001158823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
additive
inorganic porous
composite
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34319699A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Nishihara
一 西原
Ikuji Otani
郁二 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP34319699A priority Critical patent/JP2001158823A/ja
Publication of JP2001158823A publication Critical patent/JP2001158823A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 卓越した機能、とりわけ卓越した難燃性を有
する複合マスターバッチの提供。 【構成】 添加剤を担持した無機多孔質体を粉砕して得
た、粒径1nm〜1000nmの粒子と、該粒子を分散
する重合体と、からなる複合マスターバッチ及びそれを
含有する重合体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合マスターバッチに
関するものである。更に詳しくは、複合マスターバッチ
を使用することにより、重合体に卓越した機能性を付与
するだけでなく、生産性が向上するために品質の安定化
をも可能にするマスターバッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、熱可塑性ゴム系重合体、
熱硬化性樹脂等の重合体は、優れた耐衝撃性、機械的強
度を有するために自動車部品、電気・電子材料、建築材
料を始めとする多岐の分野で使用されている。近年かか
る分野でより高機能化のために各種添加剤が用いられて
いる。例えば、強度向上のために有機または無機フィラ
ーを添加したり、また難燃性を付与するために難燃剤を
混合することが行なわれているが、その添加剤の分散不
良のために、外観を損ねたり、機械的特性が低下すると
いう問題があった。
【0003】この問題に対しては、添加剤を微粒子化す
ることにより、外観、機械的特性の向上を図っている
が、一次粒子の粒径は小さくても、重合体との混練の過
程で凝集するために、実用的に満足な材料が得られてい
ない。また、重合体に高濃度の添加剤を配合する場合に
は、添加剤を混合する方法として、通常溶融押出法が採
用されている。しかしながら、溶融押出する際に、高濃
度の添加剤を配合する場合には、添加剤の分散不良のた
めに、生産性を低下させるだけでなく、外観を損ねた
り、機械的特性が低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち卓越した
機能を有する複合マスターバッチを提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、重合体に
卓越した機能性を付与するだけでなく、生産性が向上す
るために品質の安定化をも可能にするマスターバッチを
鋭意検討した結果、特定の無機多孔質体を含有した複合
マスターバッチを用いることにより、驚くべきことに、
添加剤が担持された無機化合物を、重合体に微粒子分散
させることが可能となり、卓越した機能性及び品質安定
性が発現することを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、添加剤を担持した無機多孔
質体を粉砕して得た、粒径1nm〜1000nmの粒子
と、該粒子を分散する重合体と、からなる複合マスター
バッチ及びそれを含有する重合体組成物を提供するもの
である。以下、本発明に関して詳しく述べる。本発明の
複合マスターバッチは、(A)特定の無機多孔質体に
(B)特定の添加剤を担持し粉砕して、(C)重合体に
特定粒径で分散されたマスターバッチである。
【0007】上記(A)は(C)重合体に機能を付与す
るための成分であると共に(B)を担持するための基材
であり、また(B)は(C)に更に高度な機能を付与す
るための成分である。本発明らは、(A)を粉砕する過
程で微粒子化することにより、卓越した機能付与効果が
発現することを見出し、本発明を完成した。以下に本発
明の各成分について詳細に説明する。本発明において
(A)として使用する無機多孔質体は、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム等の水和金属またはシリカ等
の無機系化合物を孔形成剤と共に焼成することにより、
得られた酸化珪素多孔質体、酸化マグネシウム多孔質
体、酸化アルミニウム等であり、特に酸化珪素の微多孔
体(ヒュームドシリカ)が好ましい。
【0008】上記孔形成剤は、500〜800℃で溶融
する無機塩が好ましく、無機多孔質体の前駆体と共に、
焼成する際に脱離して孔を形成させるための成分であ
る。上記無機塩の種類は、500〜800℃で溶融すれ
ば、特に制限されない。具体例としては、KCl,KBr,KN
O3,Ca(NO3)2・4H2O,NaPO3,P2O5,NaH2PO4,MoO3,NaMoO2PO
4等であり、特にKCl,KBr,KNO3,Ca(NO3)2・4H2Oが好まし
い。本発明の組成物中の(A)の量は、好ましくは0.
01〜99重量%、より好ましくは0.1〜50重量
%、更に好ましくは1〜30重量%、最も好ましくは3
〜20重量%である。
【0009】本発明において(B)として使用される添
加剤は、有機系添加剤、金属、金属塩、無機化合物から
選ばれる1種以上の添加剤である。本発明の組成物中の
(B)の量は、好ましくは0.01〜99重量%、より
好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは1〜3
0重量%、最も好ましくは3〜20重量%である。上記
有機系添加剤は、重合体に機能を付与するための添加剤
であり、例えば可塑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、
着色剤、発泡剤、滑剤、香料、発煙抑制剤、粘着付与
剤、防腐剤、保温剤、耐衝撃性向上剤、忌避剤、湿潤
剤、界面活性剤、乳化剤、不安定化剤、凝固剤、消泡
剤、凍結防止剤、クリーミング剤、増粘剤、感熱剤、起
泡剤等添加剤である。これらの中で可塑剤、熱安定剤、
難燃剤、光安定剤が好ましい。
【0010】上記(B)の1種として挙げた可塑剤の例
としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソブチル等のフタル酸エステル、フタル酸ブチ
ルベンジルエステル等のフタル酸混基エステル、コハク
酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族2塩
基酸エステル、ジエチレングリコ−ルジベンゾエ−ト等
のグリコ−ルエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリ
シノ−ル酸メチル等の脂肪族酸エステル、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ可塑剤であり、
その他、トリメリット酸トリオクチル、エチルフタリル
エチルグリコレ−ト、ブチルフタリルブチルグリコレ−
ト、アセチルクエン酸トリブチル、塩素化パラフィン、
ポリプロピレンアジペ−ト、ポリエチレンセバケ−ト、
トリアセチン、トリブチリン、トルエンスルホンアミ
ド、アルキルベンゼン、ビフェニル、部分水添タ−フェ
ニル、ショウノウ等を挙げることができる。
【0011】前記(B)としての熱安定剤の例として
は、金属石ケン、鉛安定剤、有機錫安定剤、複合安定
剤、エポキシ化合物等を挙げることができる。前記
(B)としての光安定剤は、紫外線吸収剤、ヒンダ−ド
アミン系光安定剤、酸化防止剤、活性種捕促剤、遮光
剤、金属不活性剤、または消光剤等から選ばれる光安定
剤である。前記(B)としての難燃剤は、有機珪素系、
有機金属塩系、有機ハロゲン系、有機リン系、有機窒素
系または有機繊維状難燃剤から選ばれる一種以上の難燃
剤である。
【0012】上記有機珪素系難燃剤は、シリコーン、有
機シリケートまたはシリカ等で代表されるポリオルガノ
シロキサン等のケイ素元素を含有する難燃剤である。ポ
リオルガノシロキサンは、性状からオイル、樹脂、ゴム
に分類される。ポリオルガノシロキサンは、単官能のR
3SiO1/2で表されるM単位、二官能のR2SiOで表
されるD単位、三官能のR1SiO3/2で表されるT単
位、四官能のSiO2で表されるQ単位、アルコキシま
たはアリーロキシを含有したR5(R6O)SiO
2.0(X単位)、(R7O)2SiO3.0(Y単位)の構造
単位を組み合わせてできる、分岐構造を含有した直鎖状
ポリオルガノシロキサンまたは三次元網状構造を有する
シリコーン樹脂であり、ゴムは高分子量タイプのガム状
直鎖状のポリジオルガノシロキサンの加硫体等である。
その他のポリオルガノシロキサンとしては、エポキシ、
アミノ、メルカプト、メタクリル基等で変性した変性ポ
リオルガノシロキサン、またはポリカーボネート(P
C)ーシリコーン共重合体、アクリルゴムーシリコーン
複合体等がある。
【0013】前記(B)の中の難燃剤としての有機金属
塩系難燃剤は、例えば、トリクロロベンゼンスルフォン
酸カリウム、パーフルオロブタンスルフォン酸カリウ
ム、ジフェニルスルフォンー3ースルフォン酸カリウム
等の有機スルフォン酸金属塩、芳香族スルフォンイミド
金属塩、あるいはスチレン系重合体、ポリフェニレンエ
ーテル等の芳香族基含有重合体の芳香環に、スルフォン
酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩が
結合した、ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩等
の金属塩系難燃剤である。このような金属塩系難燃剤
は、特に重合体としてポリカーボネートの場合には、燃
焼時に脱炭酸反応を促進して難燃性を向上させる。更に
ポリスチレンスルフォン酸アルカリ金属塩では、自らス
ルフォン酸金属塩が燃焼時に架橋点となり炭化被膜形成
に大きく寄与する。
【0014】前記(B)の中の難燃剤としての有機ハロ
ゲン系難燃剤は、ハロゲン化ビスフェノ−ル、芳香族ハ
ロゲン化合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン
化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹
脂、ハロゲン化ポリフェニレンエーテル等が挙げられ、
好ましくはデカブロモジフェニルオキサイド、テトラブ
ロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA
のオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹
脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカ−ボネ−ト、ブロ
ム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム
化ポリフェニレンオキサイド、ポリジブロムフェニレン
オキサイド、デカブロムジフェニルオキサイドビスフェ
ノール縮合物、含ハロゲンリン酸エステル及びフッ素系
樹脂等である。
【0015】前記(B)の中の難燃剤としての有機リン
系難燃剤としては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、
ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン
酸エステル、亜リン酸エステル等である。より具体的に
は、トリフェニルフォスフェート、メチルネオベンチル
フォスファイト、ヘンタエリスリトールジエチルジフォ
スファイト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フ
ェニルネオペンチルフォスフェート、ペンタエリスリト
ールジフェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハ
イポジフォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスフ
ァイト、フェニルピロカテコールフォスファイト、エチ
ルピロカテコールフォスフェート、ジピロカテコールハ
イポジフォスフェートである。
【0016】ここで、特に有機リン化合物として、芳香
族系リン酸エステル単量体、芳香族系リン酸エステル縮
合体が好ましい。前記(B)の中の難燃剤としての有機
窒素系難燃剤は、トリアジン骨格含有化合物が代表的で
あり、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向
上させるための成分である。その具体例としては、メラ
ミン、メラム、メレム、メロン(600℃以上でメレム
3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラ
ミンシアヌレ−ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミ
ン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メ
ラミン樹脂、BTレジン を挙げることができるが、低
揮発性の観点から特にメラミンシアヌレ−トが好まし
い。
【0017】前記(B)の中の難燃剤としての有機繊維
状難燃剤は、火種の滴下防止のために用いられる難燃剤
であり、添加時もしくは加工時に繊維状となる。その具
体例として、アラミド繊維、ポリアクリロニトリル繊
維、フッ素系樹脂等が上げられる。前記(B)としての
発泡剤の例としては、アゾ系発泡剤、N−ニトロソ系発
泡剤、スルフォニルヒドラジド等を挙げることができ
る。
【0018】前記(B)としての滑剤の例としては、流
動パラフィン等の炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪
酸アミド系滑剤、アルコ−ル系滑剤、金属石ケン類等を
挙げることができる。本発明において(B)として使用
される無機化合物の具体例として、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸
マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物
等の無機金属化合物の水和物、酸化アルミニウム、酸化
鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸
化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバ
ルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アン
チモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等の
金属酸化物、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜
鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケ
ル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の金属粉、
そしてホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、あるいは水和ガラスSiO2-MgO-H2O,PbO-B2O
3系、ZnO-P2O 5-MgO系、P2O5-B2O3-PbO-MgO系、P-Sn-O-F
系、PbO-V2O5-TeO2系、Al2O3・H2O系、ハロゲン化錫
系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物等が挙げられる。
これらは、1種でも2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明において(C)として使用される重
合体は、ゴム状重合体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性
樹脂等であるが、特にその中でも熱可塑性樹脂が好まし
い。上記重合体の一つのゴム状重合体は、ガラス転移温
度(Tg)が−30℃以下であることが好ましく、−3
0℃を越えると耐衝撃性が低下する傾向にある。このよ
うなゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ
(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−
ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水
素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチ
レン−プロピレ共重合体ゴム、エチレン−プロピレンン
−ジエンモノマー三元共重合体ゴム(EPDM)、エチ
レンーオクテン共重合体ゴム等の架橋ゴムまたは非架橋
ゴム、並びに上記ゴム成分を含有する熱可塑性エラスト
マー等を挙げることができる。
【0020】上記熱可塑性エラストマーの中でも、特に
スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、芳香族ビ
ニル単位と共役ジエン単位からなるブロック共重合体、
または上記共役ジエン単位部分が部分的に水素添加され
たブロック共重合体であり、特に熱安定性の観点から、
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが更に好まし
い。本発明において(C)重合体の中でも最も好ましい
熱可塑性樹脂は、たとえば、ポリスチレン系、ポリフェ
ニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンス
ルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート
系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用する
ことができる。特に熱可塑性重合体としてポリフェニレ
ンエーテル系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系の
熱可塑性樹脂が好ましい。
【0021】上記熱可塑性樹脂の一つの芳香族ポリカー
ボネートは、芳香族ホモポリカーボネートと芳香族コポ
リカーボネートより選ぶことができる。製造方法として
は、2官能フェノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤
の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは、
例えば、二官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを
触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法を挙
げることができる。該芳香族ポリカーボネートは粘度平
均分子量が1万〜10万の範囲が好適である。ここで、
上記2官能フェノール系化合物は、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェ
ニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン等であり、特に2,
2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビス
フェノールA〕が好ましい。本発明において、2官能フ
ェノール系化合物は、単独で用いてもよいし、あるいは
それらを併用してもよい。
【0022】前記(C)中の熱可塑性樹脂の一つのスチ
レン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂及び/またはゴ
ム非変性スチレン系樹脂であり、特にゴム変性スチレン
系樹脂単独またはゴム変性スチレン系樹脂とゴム非変性
スチレン系樹脂からなることが好ましく、本発明の難燃
剤と相溶もしくは均一分散し得るものであれば特に制限
はない。また、ゴム変性スチレン系重合体は、ビニル芳
香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が
粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存
在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重
合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊
状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により得られ
る。
【0023】前記(C)中の熱可塑性樹脂のもう一つの
ポリフェニレンエーテルは、主鎖に芳香環を有し、それ
らがエーテル結合で結合されたポリマーであり、具体的
にはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−ト
リメチルフェノールとの共重合体等であり、中でもポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が
好ましい。本発明における(B)添加剤が担持された
(A)無機多孔質体の一つの添加剤担持シリカ多孔質体
は、シリカゾルとアルカリ金属ハロゲン化物と被置換剤
とを水溶液中で分散、溶解、乾燥させ焼成したシリカ焼
成体を、金属、金属塩、無機化合物から選ばれた添加剤
の水溶液に浸漬して、アルカリ金属ハロゲン化物を除去
するとともに、前記添加剤を被置換剤と置換して担持さ
せることにより製造される。このようにして得られた
(A)無機多孔質体は、その孔径が1nm〜1000n
mで、かつ粒径100nm〜1000nmであり、そし
て(B)添加剤を担持した(A)無機多孔質体を、ゴム
状重合体と混練成形することにより、容易に(A)無機
多孔質体が粉砕され、粒径1nm〜1000nmの粒子
として、前記添加剤がゴム状重合体中に分散される。
【0024】本発明のマスターバッチを配合することが
可能な 重合体は、マスターバッチの構成成分と同様
に、ゴム状重合体、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂
等であるが、特にその中でも熱可塑性樹脂が好ましい。
また本発明のマスターバッチを配合することが可能な重
合体と、マスターバッチの構成成分の重合体は、同一で
も異なっていても良い。本発明のマスターバッチを用い
て重合体組成物を製造するためには、通常の樹脂組成
物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリー
ミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の一
般的な方法を採用することが可能である。本発明のマス
ターバッチを重合体に配合して得られた組成物は任意の
成形方法で各種成型品の製造が可能である。射出成形、
押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、発
泡成形等が好ましく用いられる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これら実施例および比較例にお
いて、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りであ
る。 (1)無機多孔質体の粒径 電子顕微鏡により各粒子の数平均粒子直径を求め、平均
粒子径とした。即ち、各粒子を球と仮定し、長径と短径
の算術平均を各粒子の平均直径とする。そして、100
個の粒子の平均直径の算術平均により数平均粒子直径を
求めた。
【0026】(2)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により、自己消火性の評価を行った。(1
/8インチ厚み試験片) ○:自己消化性 ×:全焼 (3)外観 ◎:極めて良好 ○:良好 ×:不良 (4)押出安定性(品質の安定性) 溶融押出機を用い、樹脂組成物を10時間連続溶融押出
しを行い、1時間毎に得られた組成物からアイゾット衝
撃強度を測定し、その強度変化から連続生産性(品質の
安定性)を評価した。10時間の最大と最小の上記強度
の変化率(%)を押出安定性の指標とした。
【0027】尚、上記アイゾット衝撃強度はASTMー
D256に準拠した方法で測定した。(23℃、Vノッ
チ付き1/4インチ厚み試験片:単位kgcm/cm) 実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。 (イ)重合体 市販の重合体を使用した。 (1)スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合
体(SEBSと称する) (2)スチレンーブタジエン共重合体(SBと称する) (3)ポリスチレン(PSと称する) (4)ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(P
Cと称する) (5)ポリフェニレンエーテル(PPEと称する) (ロ)添加剤 市販の添加剤を使用した。 (1)トリフェニルフォスフェート(TPPと称する) (2)メチルフェニルシリコーンオイル(SIと称す
る)
【0028】
【実施例1〜12 比較例 1〜6】市販のシリカゾル
とKBrとを水溶液中で分散、溶解し、100℃で乾燥
させた後に、700℃で焼成して得られたシリカ焼成体
を、水溶液に浸漬して、KBrを除去し、シリカ多孔質
体を得た。その際に各種(B)添加剤を担持させた。上
記製造法において、シリカゾル、KBrの量比、乾燥温
度、焼成温度を制御することにより、シリカ多孔質体の
孔径及び粒径を制御した。その結果を表1に記載した。
【0029】上記添加剤担持シリカ多孔質体と表1、2
の重合体とを ヘンシェルミキサーで混合し、引き続き
二軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用いて、2
50℃の温度条件で溶融混練を行ない、複合マスターバ
ッチを製造した。このようにして得られた複合マスター
バッチを表1、2記載の各種重合体に混合し、重合体組
成物を製造した。一方で比較のために、マスターバッチ
を製造することなく全成分を上記二軸押出機に投入し、
同条件で溶融押出を行った。(比較例6) このようにして得られた組成物から250℃にて射出成
形機により試験片を作成し、各種特性を評価した。その
結果を表1〜2に示した。
【0030】比較例6において、マスターバッチを製造
することなく実施例1と最終的に同一組成になるよう
に、全成分を上記二軸押出機に一括投入し、同条件で溶
融押出を行った結果、押出安定性(品質安定性)の指標
のアイソ゛ット衝撃強度変化率(%)が35%と極めて高く、
品質が安定しないことが判明した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明は、卓越した機能、とりわけ卓越
した難燃性を有する複合マスターバッチに関するもので
ある。本発明のマスターバッチを用いて得られた組成物
は、優れた特性を有しているために、自動車用部品、自
動車用内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部
品、ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、
建材、シート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使
用可能であり、産業界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 21/00 C08L 21/00 101/00 101/00 101/02 101/02 // B29K 21:00 B29K 21:00 105:16 105:16 509:00 509:00 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA07 AA08 AA09 AA12 AA16 AA18 AA19 AA32 AA35 AA47 AA50 AA52 AB08 AB09 AC13 AC14 AC15 AC16 AC17 AC23 AC27 AC28 AC29 AC32 AC33 AC36 AC40 AC43 AC45 AC47 AC50 AC53 AC55 AC59 AC75 AC76 AC79 AC84 AC86 AC87 AC88 AC90 AC92 AC94 AE02 AE03 AE04 AE07 AE09 AE10 AE11 AE12 AE13 AE14 DA50 DC03 DC05 DC07 FA01 FA03 FA14 FB04 4F201 AA45 AB05 AB16 AB17 AB19 AC04 AC08 AD17 AR12 BA01 BC02 BC12 BC19 BC37 BK11 BK13 BK15 4J002 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB001 BB051 BB151 BC031 BC041 BC112 BC122 BD031 BD132 BG041 BG051 BG102 BN141 CC182 CD122 CF001 CG001 CG032 CH071 CH072 CH082 CL001 CL062 CM022 CN011 CP032 DE076 DE146 DJ016 EB107 EJ057 ER027 EU187 EU197 EV217 EV257 EW047 EW067 EW077 EW137 EW157 EW177 FA096 FB096 FB266 FD020 FD040 FD060 FD090 FD100 FD132 FD137 FD170 FD180 FD20 FD320 FD330 FD340

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 添加剤を担持した無機多孔質体を粉砕し
    て得た、粒径1nm〜1000nmの粒子と、該粒子を
    分散する重合体と、からなる複合マスターバッチ。
  2. 【請求項2】 上記無機多孔質体が、酸化珪素及び/ま
    たは酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項
    1記載の複合マスターバッチ。
  3. 【請求項3】 無機多孔質体の孔径が1nm〜1000
    nmで、かつ粒径100nm〜1000nmであり、そ
    して金属、金属塩、無機化合物から選ばれた添加剤を担
    持した無機多孔質体を、ゴム状重合体と混練成形して無
    機多孔質体が粉砕され、粒径1nm〜1000nmの粒
    子として、前記添加剤がゴム状重合体中に分散されるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の複合マスターバ
    ッチの製造方法。
  4. 【請求項4】 無機多孔質体が、酸化珪素の微多孔体
    (ヒュームドシリカ)であることを特徴とする請求項3
    記載の複合マスターバッチの製造方法。
  5. 【請求項5】 無機多孔質体が、シリカゾルとアルカリ
    金属ハロゲン化物と被置換剤とを水溶液中で分散、溶
    解、乾燥させ焼成したシリカ焼成体を、金属、金属塩、
    無機化合物から選ばれた添加剤の水溶液に浸漬して、ア
    ルカリ金属ハロゲン化物を除去するとともに、前記添加
    剤を被置換剤と置換して担持させたシリカ多孔質体であ
    ることを特徴とする請求項3記載の複合重合体組成物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 有機系添加剤が難燃剤である請求項1記
    載の複合難燃マスターバッチ。
  7. 【請求項7】 孔径が1nm〜1000nmで、かつ粒
    径100nm〜1000nmであり、そして有機系難燃
    剤を担持した無機多孔質体を、重合体と混練成形して、
    粒径が1nm〜1000nmで、かつ上記難燃剤を担持
    した粒子に粉砕し、重合体に分散させることを特徴とす
    る請求項6記載の複合難燃マスターバッチの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、6から選ばれるマスター
    バッチを用いて得られた重合体組成物。
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