JP2001146429A - リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法 - Google Patents
リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ニッケル酸リチウムおよびその類縁体の、低温
での高収率な合成法を確立する。 【解決手段】リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法に
おいて、オキシ水酸化ニッケルとリチウム化合物とを含
む水または水溶液に、酸素ガスまたは酸素を体積比25
%以上含む混合ガスを供給する工程を備える。
での高収率な合成法を確立する。 【解決手段】リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法に
おいて、オキシ水酸化ニッケルとリチウム化合物とを含
む水または水溶液に、酸素ガスまたは酸素を体積比25
%以上含む混合ガスを供給する工程を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム含有遷移
金属酸化物の製造方法に関する。
金属酸化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポータブル電子機器の発達にとも
ない、高性能電池の開発が望まれている。負極に炭素材
料を、正極に層状構造を有する複合酸化物であるコバル
ト酸リチウムを用いたリチウムイオン電池は、作動電圧
が高く、エネルギー密度が高い非水溶液電池として実用
化されている。しかし、コバルト酸リチウムは資源的に
乏しくかつ高価なため、その代替物質としてリチウム含
有マンガン複合酸化物あるいはニッケル酸リチウムが提
案されている。リチウム含有マンガン複合酸化物の場
合、理論容量密度が低く、しかも充放電サイクルにとも
なって、容量減少が大きくなるという課題がある。
ない、高性能電池の開発が望まれている。負極に炭素材
料を、正極に層状構造を有する複合酸化物であるコバル
ト酸リチウムを用いたリチウムイオン電池は、作動電圧
が高く、エネルギー密度が高い非水溶液電池として実用
化されている。しかし、コバルト酸リチウムは資源的に
乏しくかつ高価なため、その代替物質としてリチウム含
有マンガン複合酸化物あるいはニッケル酸リチウムが提
案されている。リチウム含有マンガン複合酸化物の場
合、理論容量密度が低く、しかも充放電サイクルにとも
なって、容量減少が大きくなるという課題がある。
【0003】一方、ニッケル酸リチウム(リチウム含有
ニッケル酸化物)は、実用化されているコバルト酸リチ
ウムと同じ結晶構造の層状化合物であり、エッジを共有
しているNiO6八面体の層間にリチウムが挿入されて
いるものである。その製造方法は、ニッケル源としてN
i(NO3)2、Ni(OH)2、NiCO3、NiO又は
NiOOHなどを、リチウム源としてLiOH、LiN
O3、Li2CO3又はLi2O2などを使用し、両者を混
合したのち酸素気流中で約600℃〜900℃の熱処理
をおこなうのが一般的である。
ニッケル酸化物)は、実用化されているコバルト酸リチ
ウムと同じ結晶構造の層状化合物であり、エッジを共有
しているNiO6八面体の層間にリチウムが挿入されて
いるものである。その製造方法は、ニッケル源としてN
i(NO3)2、Ni(OH)2、NiCO3、NiO又は
NiOOHなどを、リチウム源としてLiOH、LiN
O3、Li2CO3又はLi2O2などを使用し、両者を混
合したのち酸素気流中で約600℃〜900℃の熱処理
をおこなうのが一般的である。
【0004】しかしながら、Solid State
Ionics,44,87(1990)やChem.E
xpress,7,689(1992)あるいは第33
回電池討論会講演要旨集P21(1992)で報告され
ているように、ニッケル酸リチウムの構造は岩塩形構造
に類似しており、ニッケルとリチウムイオンとが容易に
置換されて、不斉構造が生じるため容量が低下するとい
う課題がある。
Ionics,44,87(1990)やChem.E
xpress,7,689(1992)あるいは第33
回電池討論会講演要旨集P21(1992)で報告され
ているように、ニッケル酸リチウムの構造は岩塩形構造
に類似しており、ニッケルとリチウムイオンとが容易に
置換されて、不斉構造が生じるため容量が低下するとい
う課題がある。
【0005】また、ニッケル原料としてオキシ水酸化ニ
ッケルを利用する試みがあり、特開昭63−19760
号に記載されている。同号によれば、20〜75%のコ
バルトを含むオキシ水酸化ニッケルをリチウム電池用活
物質として用いることが提案されている。特開平6−3
1045号では、放電特性の向上をはかるため、3価の
ニッケルイオンを含む水酸化物または酸化物をリチウム
塩と混合した後、加熱処理することが提案されている。
ッケルを利用する試みがあり、特開昭63−19760
号に記載されている。同号によれば、20〜75%のコ
バルトを含むオキシ水酸化ニッケルをリチウム電池用活
物質として用いることが提案されている。特開平6−3
1045号では、放電特性の向上をはかるため、3価の
ニッケルイオンを含む水酸化物または酸化物をリチウム
塩と混合した後、加熱処理することが提案されている。
【0006】これによると、2価の水酸化ニッケル(N
i(OH)2)を分散した水酸化ナトリウム溶液に次亜
塩素酸ナトリウム水溶液、塩素含有水溶液や臭素含有水
溶液を反応させてオキシ水酸化ニッケルを製作し、この
オキシ水酸化ニッケル含む水酸化物または酸化物を硝酸
リチウムと混合した後、加圧・成形・乾燥して600℃
〜800℃の空気中で加熱する。そして、これを再度粉
砕成形して700℃〜900℃の空気中で加熱焼結し、
ニッケル酸リチウムを製造している。
i(OH)2)を分散した水酸化ナトリウム溶液に次亜
塩素酸ナトリウム水溶液、塩素含有水溶液や臭素含有水
溶液を反応させてオキシ水酸化ニッケルを製作し、この
オキシ水酸化ニッケル含む水酸化物または酸化物を硝酸
リチウムと混合した後、加圧・成形・乾燥して600℃
〜800℃の空気中で加熱する。そして、これを再度粉
砕成形して700℃〜900℃の空気中で加熱焼結し、
ニッケル酸リチウムを製造している。
【0007】ところが、これらの方法によるニッケル酸
リチウムは、純粋なものを製造することが困難であり、
なんといっても充放電特性の電圧が多段階、例えば4段
階に変化し、さらに高率放電性能も低下するという大き
な欠点があった。この問題を解決するための新規合成法
として、特願平7−129663号(本願と同一出願
人)がある。この方法は、コバルトを含有するオキシ水
酸化ニッケルに硝酸リチウムを作用させ、均一な充放電
反応を示すニッケル酸リチウムを合成するというもので
ある。
リチウムは、純粋なものを製造することが困難であり、
なんといっても充放電特性の電圧が多段階、例えば4段
階に変化し、さらに高率放電性能も低下するという大き
な欠点があった。この問題を解決するための新規合成法
として、特願平7−129663号(本願と同一出願
人)がある。この方法は、コバルトを含有するオキシ水
酸化ニッケルに硝酸リチウムを作用させ、均一な充放電
反応を示すニッケル酸リチウムを合成するというもので
ある。
【0008】このような固相焼成法ではない、低温合成
法のひとつの試みとして特開平6−349494号で提
案されているイオン交換による合成法があるが、ニッケ
ル酸リチウムに関する実証例がなく、不純物をほとんど
含まないニッケル酸リチウムを得ることが難しい。19
96年電気化学秋季大会や第37回電池討論会では、イ
オン交換法のニッケル酸リチウムに関する実証例が報告
されているが、その電気化学的な特性は十分であるとは
いいがたく、製造方法に改善の余地がある。
法のひとつの試みとして特開平6−349494号で提
案されているイオン交換による合成法があるが、ニッケ
ル酸リチウムに関する実証例がなく、不純物をほとんど
含まないニッケル酸リチウムを得ることが難しい。19
96年電気化学秋季大会や第37回電池討論会では、イ
オン交換法のニッケル酸リチウムに関する実証例が報告
されているが、その電気化学的な特性は十分であるとは
いいがたく、製造方法に改善の余地がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】リチウム含有遷移金属
酸化物であるニッケル酸リチウムおよびその類縁体は、
主に非水電解質二次電池の正極活物質として用いられ
る。ニッケル酸リチウムは層状構造を有しており、その
層間にリチウムイオンが挿入・脱離することによって電
池活物質としての活性を示すのであるが、合成反応が未
完結の試料の場合、結晶構造内に含まれる未反応のサイ
トがリチウムイオンの構造内拡散を阻害し、その電気化
学特性が著しく低下することとなる。
酸化物であるニッケル酸リチウムおよびその類縁体は、
主に非水電解質二次電池の正極活物質として用いられ
る。ニッケル酸リチウムは層状構造を有しており、その
層間にリチウムイオンが挿入・脱離することによって電
池活物質としての活性を示すのであるが、合成反応が未
完結の試料の場合、結晶構造内に含まれる未反応のサイ
トがリチウムイオンの構造内拡散を阻害し、その電気化
学特性が著しく低下することとなる。
【0010】これらのニッケル酸リチウムおよびその類
縁体の合成は困難である。特に低温合成法の反応条件は
非常にシビアで、安定に高純度の活物質を供給できる製
造プロセスとなり得るには問題がある。これを解決する
には、出発物質・反応温度・合成手順などの反応条件の
最適化が必要である。しかし現在のところ、有用な反応
条件およびその手段は確立されておらず、高収率で合成
可能な低温合成法の確立が求められている。
縁体の合成は困難である。特に低温合成法の反応条件は
非常にシビアで、安定に高純度の活物質を供給できる製
造プロセスとなり得るには問題がある。これを解決する
には、出発物質・反応温度・合成手順などの反応条件の
最適化が必要である。しかし現在のところ、有用な反応
条件およびその手段は確立されておらず、高収率で合成
可能な低温合成法の確立が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるリチウム含
有遷移金属酸化物の製造方法は、オキシ水酸化ニッケル
とリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸素ガス
または酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供給する
工程を備えたことを特徴とし、上記オキシ水酸化ニッケ
ルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜鉛
の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含むこ
とを特徴とする。
有遷移金属酸化物の製造方法は、オキシ水酸化ニッケル
とリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸素ガス
または酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供給する
工程を備えたことを特徴とし、上記オキシ水酸化ニッケ
ルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜鉛
の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含むこ
とを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、主に非水電解質二次電
池の正極活物質として用いられるリチウム含有遷移金属
酸化物の製造方法に関するものであり、オキシ水酸化ニ
ッケルとリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸
素ガスまたは酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供
給する工程を備えたことを特徴としている。
池の正極活物質として用いられるリチウム含有遷移金属
酸化物の製造方法に関するものであり、オキシ水酸化ニ
ッケルとリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸
素ガスまたは酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供
給する工程を備えたことを特徴としている。
【0013】この方法により、従来より高収率での合成
が困難であった低温合成法の収率を大きく改善すること
ができる。リチウム化合物は固体ではなく溶液や溶融塩
であることが好ましい。ここで、上記オキシ水酸化ニッ
ケルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜
鉛の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含ま
せると、反応の収率がさらに改善し、その上得られた活
物質の電気化学特性もより優れたものとなる。
が困難であった低温合成法の収率を大きく改善すること
ができる。リチウム化合物は固体ではなく溶液や溶融塩
であることが好ましい。ここで、上記オキシ水酸化ニッ
ケルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜
鉛の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含ま
せると、反応の収率がさらに改善し、その上得られた活
物質の電気化学特性もより優れたものとなる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
るが、本発明の適用範囲は決してこれに限定されるもの
ではない。
るが、本発明の適用範囲は決してこれに限定されるもの
ではない。
【0015】[実施例1−1]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2dm
3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の
攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、80℃
の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含有遷
移金属酸化物Aを得た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2dm
3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の
攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、80℃
の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含有遷
移金属酸化物Aを得た。
【0016】[実施例1−2]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素/窒素混合ガス(体積
比50:50)を毎分0.2dm3の流速でバブルした
状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応
後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥
して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Bを得
た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素/窒素混合ガス(体積
比50:50)を毎分0.2dm3の流速でバブルした
状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応
後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥
して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Bを得
た。
【0017】[実施例1−3]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素/窒素混合ガス(体積
比25:75)を毎分0.2dm3の流速でバブルした
状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応
後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥
して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Cを得
た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、酸素/窒素混合ガス(体積
比25:75)を毎分0.2dm3の流速でバブルした
状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応
後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥
して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Cを得
た。
【0018】[実施例2]粒子径5〜50μmのオキシ
水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウム水
溶液2L中に分散させ、反応容器内の気相に毎分0.5
dm3の流速で酸素ガスを通すことにより酸素置換しな
がら、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応後、
生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥し
て、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Dを得
た。
水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウム水
溶液2L中に分散させ、反応容器内の気相に毎分0.5
dm3の流速で酸素ガスを通すことにより酸素置換しな
がら、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反応後、
生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾燥し
て、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Dを得
た。
【0019】[実施例3]コバルトを15mol%
{(Co/(Ni+Co)}含む、粒子径5〜50μm
のオキシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リ
チウム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、8
0℃の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含
有遷移金属酸化物Eを得た。
{(Co/(Ni+Co)}含む、粒子径5〜50μm
のオキシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リ
チウム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、8
0℃の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含
有遷移金属酸化物Eを得た。
【0020】[実施例4]アルミニウムを1mol%
{(Al/(Ni+Al)}含む、粒子径5〜50μm
のオキシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リ
チウム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、8
0℃の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含
有遷移金属酸化物Fを得た。
{(Al/(Ni+Al)}含む、粒子径5〜50μm
のオキシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リ
チウム水溶液2L中に分散させ、酸素ガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。反応後、生成物を水洗したのち、8
0℃の温度で2時間乾燥して、本発明によるリチウム含
有遷移金属酸化物Fを得た。
【0021】[実施例5]コバルトおよびアルミニウム
をそれぞれ10mol%{(Co/(Ni+Co+A
l)}および1mol%{(Al/(Ni+Co+A
l)}含む、粒子径5〜50μmのオキシ水酸化ニッケ
ル粉末100gを4Mの水酸化リチウム水溶液2L中に
分散させ、酸素ガスを毎分0.2dm3の流速でバブル
した状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反
応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾
燥して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Gを
得た。
をそれぞれ10mol%{(Co/(Ni+Co+A
l)}および1mol%{(Al/(Ni+Co+A
l)}含む、粒子径5〜50μmのオキシ水酸化ニッケ
ル粉末100gを4Mの水酸化リチウム水溶液2L中に
分散させ、酸素ガスを毎分0.2dm3の流速でバブル
した状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌を続けた。反
応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾
燥して、本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物Gを
得た。
【0022】[比較例1−1]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、空気を毎分0.2dm3の
流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌
を続けた。すなわち、酸素ガスではなく空気をバブルす
るほかは、実施例1と同じ手順で反応をおこなった。反
応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾
燥して、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Hを得た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、空気を毎分0.2dm3の
流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の攪拌
を続けた。すなわち、酸素ガスではなく空気をバブルす
るほかは、実施例1と同じ手順で反応をおこなった。反
応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で2時間乾
燥して、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Hを得た。
【0023】[比較例1−2]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、窒素ガスを毎分0.2dm
3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の
攪拌を続けた。すなわち、酸素ガスではなく窒素ガスを
バブルするほかは、実施例1と同じ手順で反応をおこな
った。反応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で
2時間乾燥して、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Iを得た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、窒素ガスを毎分0.2dm
3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶液の
攪拌を続けた。すなわち、酸素ガスではなく窒素ガスを
バブルするほかは、実施例1と同じ手順で反応をおこな
った。反応後、生成物を水洗したのち、80℃の温度で
2時間乾燥して、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Iを得た。
【0024】[比較例1−3]粒子径5〜50μmのオ
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、アルゴンガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。すなわち、酸素ガスではなくアルゴ
ンガスをバブルするほかは、実施例1と同じ手順で反応
をおこなった。反応後、生成物を水洗したのち、80℃
の温度で2時間乾燥して、比較としての従来例によるリ
チウム含有遷移金属酸化物Jを得た。
キシ水酸化ニッケル粉末100gを4Mの水酸化リチウ
ム水溶液2L中に分散させ、アルゴンガスを毎分0.2
dm3の流速でバブルした状態で、50℃で6時間、溶
液の攪拌を続けた。すなわち、酸素ガスではなくアルゴ
ンガスをバブルするほかは、実施例1と同じ手順で反応
をおこなった。反応後、生成物を水洗したのち、80℃
の温度で2時間乾燥して、比較としての従来例によるリ
チウム含有遷移金属酸化物Jを得た。
【0025】[比較例2−1]反応容器に酸素ガスの通
気をおこなわず、空気中で反応を進行させるほかは、実
施例2と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウ
ム含有遷移金属酸化物Kを得た。
気をおこなわず、空気中で反応を進行させるほかは、実
施例2と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウ
ム含有遷移金属酸化物Kを得た。
【0026】[比較例2−2]反応容器に酸素ガスでは
なく、窒素ガスを通気するほかは、実施例2と同じ手順
で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金属酸
化物Lを得た。
なく、窒素ガスを通気するほかは、実施例2と同じ手順
で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金属酸
化物Lを得た。
【0027】[比較例2−3]反応容器に酸素ガスでは
なく、アルゴンガスを通気するほかは、実施例2と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Mを得た。
なく、アルゴンガスを通気するほかは、実施例2と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Mを得た。
【0028】[比較例3−1]酸素ガスではなく、空気
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例3と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Nを得た。
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例3と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Nを得た。
【0029】[比較例3−2]酸素ガスではなく、窒素
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例3と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Oを得た。
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例3と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Oを得た。
【0030】[比較例3−3]酸素ガスではなく、アル
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
3と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Pを得た。
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
3と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Pを得た。
【0031】[比較例4−1]酸素ガスではなく、空気
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例4と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Qを得た。
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例4と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Qを得た。
【0032】[比較例4−2]酸素ガスではなく、窒素
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例4と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Rを得た。
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例4と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Rを得た。
【0033】[比較例4−3]酸素ガスではなく、アル
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
4と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Sを得た。
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
4と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Sを得た。
【0034】[比較例5−1]酸素ガスではなく、空気
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例5と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Tを得た。
をバブルして反応を進行させるほかは、実施例5と同じ
手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷移金
属酸化物Tを得た。
【0035】[比較例5−2]酸素ガスではなく、窒素
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例5と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Uを得た。
ガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例5と
同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含有遷
移金属酸化物Uを得た。
【0036】[比較例5−3]酸素ガスではなく、アル
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
5と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Vを得た。
ゴンガスをバブルして反応を進行させるほかは、実施例
5と同じ手順で、比較としての従来例によるリチウム含
有遷移金属酸化物Vを得た。
【0037】[比較検討]各生成物中のニッケルなど金
属元素の平均酸化数およびリチウム含有量を表1に示し
た。
属元素の平均酸化数およびリチウム含有量を表1に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】目的とするリチウム含有遷移金属酸化物は
3価のニッケル種であるので、この金属平均酸化数の値
が3に近いほど反応収率が高いといえる。実施例1−1
〜1−3と比較例1−1〜1−3とを比較すると、供給
するガスが異なる以外は同じ反応条件でリチウム含有遷
移金属酸化物を合成したときに、実施例における酸素を
用いた例がもっとも金属平均酸化数が3に近いことがわ
かった。
3価のニッケル種であるので、この金属平均酸化数の値
が3に近いほど反応収率が高いといえる。実施例1−1
〜1−3と比較例1−1〜1−3とを比較すると、供給
するガスが異なる以外は同じ反応条件でリチウム含有遷
移金属酸化物を合成したときに、実施例における酸素を
用いた例がもっとも金属平均酸化数が3に近いことがわ
かった。
【0040】いっぽう、リチウム含有量は理論的にはニ
ッケル(実施例3および比較例3−1〜3−3ではニッ
ケルとコバルトとの合計量、実施例4および比較例4−
1〜4−3ではニッケルとアルミニウムとの合計量、実
施例5および比較例5−1〜5−3ではニッケル、コバ
ルト、アルミニウムの合計量)とモル比率で1:1にな
る。
ッケル(実施例3および比較例3−1〜3−3ではニッ
ケルとコバルトとの合計量、実施例4および比較例4−
1〜4−3ではニッケルとアルミニウムとの合計量、実
施例5および比較例5−1〜5−3ではニッケル、コバ
ルト、アルミニウムの合計量)とモル比率で1:1にな
る。
【0041】先述の実施例1−1〜1−3と比較例1−
1〜1−3とを対比させると、表1に示したように、酸
素をより多く供給する本発明の合成手順によるリチウム
含有遷移金属酸化物のほうがより1:1に近いリチウム
含有量であることがわかった。このように金属酸化数と
リチウム含有量との両方の観点から、本発明によってよ
り高い収率でリチウム含有遷移金属酸化物が合成できた
ことがわかった。
1〜1−3とを対比させると、表1に示したように、酸
素をより多く供給する本発明の合成手順によるリチウム
含有遷移金属酸化物のほうがより1:1に近いリチウム
含有量であることがわかった。このように金属酸化数と
リチウム含有量との両方の観点から、本発明によってよ
り高い収率でリチウム含有遷移金属酸化物が合成できた
ことがわかった。
【0042】供給したいずれのガスも、反応系に含まれ
る物質との反応性は乏しいため、このような結果は、ガ
スの供給によって主反応および副反応の進行の度合いが
変化したことに起因するのではないかとみられる。すな
わち、酸素を多く供給した場合は他のガスに比べて、主
反応を促進するか、副反応を抑制するか、もしくはその
両方の効果があるとみられる。
る物質との反応性は乏しいため、このような結果は、ガ
スの供給によって主反応および副反応の進行の度合いが
変化したことに起因するのではないかとみられる。すな
わち、酸素を多く供給した場合は他のガスに比べて、主
反応を促進するか、副反応を抑制するか、もしくはその
両方の効果があるとみられる。
【0043】表1に示すように、他の実施例と比較例と
の対比でも同様の結果が得られている。反応の手順とし
て、実施例2のように酸素をバブルするのではなく単に
反応系中に流し、その雰囲気を酸素や酸素を体積比25
%以上含む混合気で飽和させてもよく、実施例3、4お
よび5のように異種元素を含んだオキシ水酸化ニッケル
を原料として用いてもよい。
の対比でも同様の結果が得られている。反応の手順とし
て、実施例2のように酸素をバブルするのではなく単に
反応系中に流し、その雰囲気を酸素や酸素を体積比25
%以上含む混合気で飽和させてもよく、実施例3、4お
よび5のように異種元素を含んだオキシ水酸化ニッケル
を原料として用いてもよい。
【0044】これ以外にも、異種元素としてマンガン、
鉄、亜鉛などを含むオキシ水酸化ニッケルを用いても、
酸素の通気による反応収率の向上がみられた。また、異
種元素を添加して合成した場合、得られたリチウム含有
遷移金属酸化物中の金属平均酸化数の値は、非添加の試
料のそれにくらべてより3に近く、異種元素添加の手法
は反応収率向上に効果があることが示された。
鉄、亜鉛などを含むオキシ水酸化ニッケルを用いても、
酸素の通気による反応収率の向上がみられた。また、異
種元素を添加して合成した場合、得られたリチウム含有
遷移金属酸化物中の金属平均酸化数の値は、非添加の試
料のそれにくらべてより3に近く、異種元素添加の手法
は反応収率向上に効果があることが示された。
【0045】[電池評価試験]各試料を正極活物質とす
る電池を作製し、その性能を評価した。正極活物質とし
てのリチウム含有遷移金属酸化物に、導電材としてのア
セチレンブラック(AB)粉末と、結着剤としてのポリ
フッ化二ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2―ピ
ロリドン(NMP)溶液とを、固形分の重量比で86:
5:9の割合で混合し、ペースト状にして、粘度調節の
ためNMPを適宜加えながら混練したのち、集電体のニ
ッケル網に塗布した後、80℃で乾燥して、大きさが2
5mm×25mmの正極板を作製した。
る電池を作製し、その性能を評価した。正極活物質とし
てのリチウム含有遷移金属酸化物に、導電材としてのア
セチレンブラック(AB)粉末と、結着剤としてのポリ
フッ化二ビニリデン(PVdF)のN−メチル−2―ピ
ロリドン(NMP)溶液とを、固形分の重量比で86:
5:9の割合で混合し、ペースト状にして、粘度調節の
ためNMPを適宜加えながら混練したのち、集電体のニ
ッケル網に塗布した後、80℃で乾燥して、大きさが2
5mm×25mmの正極板を作製した。
【0046】この正極板1枚と負極に同じ大きさの金属
リチウム板2枚と、電解液に1Mの過塩素酸リチウムを
含むエチレンカーボネート(EC)およびジエチルカー
ボネート(DEC)混合溶液(1:1)50mlを用い
て試験電池を作製した。
リチウム板2枚と、電解液に1Mの過塩素酸リチウムを
含むエチレンカーボネート(EC)およびジエチルカー
ボネート(DEC)混合溶液(1:1)50mlを用い
て試験電池を作製した。
【0047】これらの電池を25℃、1.0mA/cm
2 の電流密度(10時間率)で4.2Vまで充電した
後、同じ電流密度で3.0Vまで放電をおこなった。そ
の後、この放電−充電サイクルを繰り返した。
2 の電流密度(10時間率)で4.2Vまで充電した
後、同じ電流密度で3.0Vまで放電をおこなった。そ
の後、この放電−充電サイクルを繰り返した。
【0048】一例として、本発明によるA、BおよびC
ならびに比較例のH、IおよびJの初期放電特性を図1
に、またサイクル寿命特性を図2に示す。その他の試料
も含めた各電池の初期放電容量と25サイクル経過後の
容量保持率の一覧を表2に示した。
ならびに比較例のH、IおよびJの初期放電特性を図1
に、またサイクル寿命特性を図2に示す。その他の試料
も含めた各電池の初期放電容量と25サイクル経過後の
容量保持率の一覧を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】[評価結果]図1をみると、本発明による
リチウム含有遷移金属酸化物A、BおよびCの初期放電
容量は従来活物質H、IおよびJを用いたいずれの電池
のそれに比べても高かった。これは、本発明の方法によ
って、高純度のリチウム含有遷移金属酸化物が得られ、
高純度であることに起因して、その電気化学活性も高い
ことを示している。この点からも、従来のリチウム含有
遷移金属酸化物製造法にくらべて本発明の方法が優れて
いることがわかった。
リチウム含有遷移金属酸化物A、BおよびCの初期放電
容量は従来活物質H、IおよびJを用いたいずれの電池
のそれに比べても高かった。これは、本発明の方法によ
って、高純度のリチウム含有遷移金属酸化物が得られ、
高純度であることに起因して、その電気化学活性も高い
ことを示している。この点からも、従来のリチウム含有
遷移金属酸化物製造法にくらべて本発明の方法が優れて
いることがわかった。
【0051】A、BおよびCを比較すると、酸素含有量
の多いガスを供給した方が、得られるリチウム含有遷移
金属酸化物もより電気化学活性が高いが、Cのように酸
素を体積比25%含む混合ガスを用いた場合でも、従来
例と比較すると十分に本発明の効果が得られているた
め、実用時にはコストその他の要因を加味して、供給ガ
ス中の酸素含有量を体積比25%以上の範囲で自由に設
定することができる。
の多いガスを供給した方が、得られるリチウム含有遷移
金属酸化物もより電気化学活性が高いが、Cのように酸
素を体積比25%含む混合ガスを用いた場合でも、従来
例と比較すると十分に本発明の効果が得られているた
め、実用時にはコストその他の要因を加味して、供給ガ
ス中の酸素含有量を体積比25%以上の範囲で自由に設
定することができる。
【0052】同じ電池についてサイクル寿命性能を比較
した図2をみても、本発明による電池が、非常に優れた
特性を示していることがわかった。この結果も、リチウ
ム含有遷移金属酸化物の純度が高いと、結晶構造の不規
則性によるリチウムイオンの構造内拡散阻害を受けにく
いことに起因するものとみられる。
した図2をみても、本発明による電池が、非常に優れた
特性を示していることがわかった。この結果も、リチウ
ム含有遷移金属酸化物の純度が高いと、結晶構造の不規
則性によるリチウムイオンの構造内拡散阻害を受けにく
いことに起因するものとみられる。
【0053】他のリチウム含有遷移金属酸化物試料を活
物質とする電池を含めた、初期放電容量値と、それに対
する25サイクル経過後の放電容量保持率をそれぞれ記
した表2をみても、本発明によるリチウム含有遷移金属
酸化物の方が、同様の反応条件で通気ガスのみを変更し
て合成された従来例のものに比べてすぐれた電気化学特
性を示していることが確認できた。ここでAとE、Fお
よびGとを比較すると、コバルトやアルミニウムをはじ
めとする異種元素を含ませると特にサイクル寿命特性に
おいて性能向上の効果がみられることがわかった。
物質とする電池を含めた、初期放電容量値と、それに対
する25サイクル経過後の放電容量保持率をそれぞれ記
した表2をみても、本発明によるリチウム含有遷移金属
酸化物の方が、同様の反応条件で通気ガスのみを変更し
て合成された従来例のものに比べてすぐれた電気化学特
性を示していることが確認できた。ここでAとE、Fお
よびGとを比較すると、コバルトやアルミニウムをはじ
めとする異種元素を含ませると特にサイクル寿命特性に
おいて性能向上の効果がみられることがわかった。
【0054】
【発明の効果】本発明は、主に非水電解質二次電池の正
極活物質として用いられるリチウム含有遷移金属酸化物
の製造方法に関するものであり、オキシ水酸化ニッケル
とリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸素ガス
または酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供給する
工程を備えたことを特徴としている。
極活物質として用いられるリチウム含有遷移金属酸化物
の製造方法に関するものであり、オキシ水酸化ニッケル
とリチウム化合物とを含む水または水溶液に、酸素ガス
または酸素を体積比25%以上含む混合ガスを供給する
工程を備えたことを特徴としている。
【0055】この方法により、従来より高収率での合成
が困難であった低温合成法の収率を大きく改善すること
ができる。リチウム化合物は固体ではなく溶液や溶融塩
であることが好ましい。ここで、上記オキシ水酸化ニッ
ケルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜
鉛の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含ま
せると、反応の収率がさらに改善し、その上得られた活
物質の電気化学特性もより優れたものとなる。
が困難であった低温合成法の収率を大きく改善すること
ができる。リチウム化合物は固体ではなく溶液や溶融塩
であることが好ましい。ここで、上記オキシ水酸化ニッ
ケルにコバルト、マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜
鉛の中から選択される少なくとも1種以上の金属を含ま
せると、反応の収率がさらに改善し、その上得られた活
物質の電気化学特性もより優れたものとなる。
【0056】以上述べたように、本発明によるリチウム
含有遷移金属酸化物製造方法は、従来法に比べて高純度
の目的生成物を与えることができる。このリチウム含有
遷移金属酸化物を電池活物質として用いたとき、初期放
電容量が高く、また充放電にともなう容量低下が極めて
少ない、すぐれた電気化学的な特性を示す。それゆえに
本発明の工業的価値は極めて大である。
含有遷移金属酸化物製造方法は、従来法に比べて高純度
の目的生成物を与えることができる。このリチウム含有
遷移金属酸化物を電池活物質として用いたとき、初期放
電容量が高く、また充放電にともなう容量低下が極めて
少ない、すぐれた電気化学的な特性を示す。それゆえに
本発明の工業的価値は極めて大である。
【図1】本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物A、
BおよびC、ならびに従来法によるリチウム含有遷移金
属酸化物H、IおよびJをそれぞれ正極活物質として用
いた電池の放電特性を比較した図。
BおよびC、ならびに従来法によるリチウム含有遷移金
属酸化物H、IおよびJをそれぞれ正極活物質として用
いた電池の放電特性を比較した図。
【図2】本発明によるリチウム含有遷移金属酸化物A、
BおよびC、ならびに従来法によるリチウム含有遷移金
属酸化物H、IおよびJをそれぞれ正極活物質として用
いた電池の充放電サイクルの経過に伴う放電容量の推移
を比較した図。
BおよびC、ならびに従来法によるリチウム含有遷移金
属酸化物H、IおよびJをそれぞれ正極活物質として用
いた電池の充放電サイクルの経過に伴う放電容量の推移
を比較した図。
Claims (2)
- 【請求項1】 オキシ水酸化ニッケルとリチウム化合物
とを含む水または水溶液に、酸素ガスまたは酸素を体積
比25%以上含む混合ガスを供給する工程を備えたこと
を特徴とする、リチウム含有遷移金属酸化物の製造方
法。 - 【請求項2】 上記オキシ水酸化ニッケルにコバルト、
マンガン、鉄、アルミニウムおよび亜鉛の中から選択さ
れる少なくとも1種以上の金属を含むことを特徴とす
る、請求項1記載のリチウム含有遷移金属酸化物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32338099A JP2001146429A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32338099A JP2001146429A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001146429A true JP2001146429A (ja) | 2001-05-29 |
Family
ID=18154114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32338099A Pending JP2001146429A (ja) | 1999-11-12 | 1999-11-12 | リチウム含有遷移金属酸化物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001146429A (ja) |
-
1999
- 1999-11-12 JP JP32338099A patent/JP2001146429A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20051213 |