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JP2001000538A - 血液成分採取用回路 - Google Patents

血液成分採取用回路

Info

Publication number
JP2001000538A
JP2001000538A JP11179838A JP17983899A JP2001000538A JP 2001000538 A JP2001000538 A JP 2001000538A JP 11179838 A JP11179838 A JP 11179838A JP 17983899 A JP17983899 A JP 17983899A JP 2001000538 A JP2001000538 A JP 2001000538A
Authority
JP
Japan
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storage container
platelet storage
platelet
container
gas permeation
Prior art date
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Pending
Application number
JP11179838A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Ishida
登 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
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Publication of JP2001000538A publication Critical patent/JP2001000538A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 採取された濃厚血小板中の血小板数に応じて
保存容器を選択でき、選択された容器への血小板の移送
も容易である血液成分採取用回路を提供する。 【解決手段】 血液成分採取用回路1は、採血針29と
遠心分離器20の流入口20aとを接続するための第1
のライン21と、第1のライン21と遠心分離器20の
流出口20bとを接続するための第2のライン22と、
第1のライン21に接続された第1チューブ25aおよ
び第2のライン22と接続された第2チューブ25bを
有する血漿採取バッグ25と、第2のライン22に接続
された第1の血小板保存容器26と、第1の血小板保存
容器26に接続された第2の血小板保存容器28とを備
える。第1の血小板保存容器26と第2の血小板保存容
器28の酸素ガス透過量は、35%以上相違している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液中から血液成
分である血小板を採取するための血液成分採取用回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】採血を行う場合、現在では、血液の有効
利用および供血者の負担軽減などの理由から、採血血液
を遠心分離などにより各血液成分に分離し、輸血者に必
要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還す
る成分採血が行われている。このような成分採血におい
て、血小板製剤を得る場合、供血者から採血した血液を
血液成分採取用回路に導入し、該血液成分採取用回路に
設置された遠心ボウルと呼ばれる遠心分離器により、血
漿、白血球、血小板および赤血球の4成分に分離し、そ
の内の血小板および血漿は、それぞれ容器に採取して製
剤とし、余剰分の血漿、白血球および赤血球は、供血者
に返血することが行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より使用されてい
る血液成分採取用回路には、血小板保存容器が接続され
ている。血小板保存容器としては、血小板を保存するた
めに、ある程度の酸素ガス透過性を備えている。一般的
に濃厚血小板の中に含まれる血小板数が多い場合、保存
容器は高いガス透過量を備えることが要求され、濃厚血
小板の中に含まれる血小板数が少ない場合は、保存容器
のガス透過量は比較的低いもので充分である。このた
め、血液成分採取用回路の血小板保存容器が、収納され
た濃厚血小板の血小板数に適したガス透過量を備えるも
のとは限らず、血小板保存容器のガス透過量が不足する
と、濃厚血小板の血漿部分のpHが低下し、同時に血小
板細胞の生物活性が低下することになる。このことは濃
厚血小板の製剤としての有効性が損なわれることを意味
する。逆に、収納されている血小板数に比して保存容器
のガス透過が過剰である場合、濃厚血小板の血漿部分の
pHが上昇し、血小板細胞の細胞膜の破壊が生じ、その
結果として血小板細胞の内容物が細胞外に漏出したり、
血小板の凝集が生ずることも起こりうる。このようなこ
とへの対策として、採取済の血小板数を確認して、それ
に適した容器を成分採取用回路に接続して、その容器に
濃厚血小板を移し替えることも考えられる。しかし、こ
の方法では、血小板保存容器を別途用意しておく必要が
あり、さらに、その容器を無菌的に接続する必要もあり
作業が煩雑であるという問題点があった。そこで、本発
明の目的は、採取された濃厚血小板に含まれる血小板数
に応じて保存する容器を選択できるとともに、選択され
た容器への血小板の移送もきわめて容易に行うことがで
きる血液成分採取用回路を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、採血針もしくは採血器具接続部と遠心分離器の流入
口とを接続するための第1のラインと、前記第1のライ
ンの途中と遠心分離器の流出口とを接続するための第2
のラインと、前記第1のラインに接続された抗凝固剤注
入のための第3のラインと、前記第1のラインの途中に
接続された第1チューブおよび前記第2のラインと接続
された第2チューブを有する血漿採取バッグと、前記第
2のラインに接続された第1の血小板保存容器と、前記
第1の血小板保存容器に接続された第2の血小板保存容
器とを備え、さらに、前記第1の血小板保存容器および
前記第2の血小板保存容器は、酸素ガス透過量(酸素ガ
ス透過性)が50〜150ml/day・atm(22
℃)であり、かつ、前記第1の血小板保存容器と前記第
2の血小板保存容器の酸素ガス透過量は、35%以上相
違している血液成分採取用回路である。
【0005】そして、前記第1の血小板保存容器もしく
は前記第2の血小板保存容器の一方は、血小板数が1×
1011個〜3×1011個の濃厚血小板の3日間保存
後のpHを6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過
量を有し、前記第1の血小板保存容器もしくは前記第2
の血小板保存容器の他方は、血小板数が3×1011
〜5×1011個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを
6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を有して
いるものであってもよい。
【0006】また、前記第1の血小板保存容器もしくは
前記第2の血小板保存容器の一方は、血小板数が1×1
11個〜2×1011個の濃厚血小板の3日間保存後
のpHを6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量
を有し、前記第1の血小板保存容器もしくは前記第2の
血小板保存容器の他方は、血小板数が2×1011個〜
4×1011個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを
6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を有して
いるものであってもよい。
【0007】そして、前記血液成分採取用回路は、前記
第1の血小板保存容器もしくは前記第2の血小板保存容
器に接続された第3の血小板保存容器を備えていてもよ
い。さらに、前記第1の血小板保存容器、前記第2の血
小板保存容器および前記第3の血小板保存容器は、酸素
ガス透過量が50〜150ml/day・atmであ
り、かつ前記第1の血小板保存容器、前記第2の血小板
保存容器および前記第3の血小板保存容器の酸素ガス透
過量は、それぞれが20%以上相違していることが好ま
しい。さらに、前記第1の血小板保存容器、前記第2の
血小板保存容器もしくは前記第3の血小板保存容器のい
ずれか一つは、血小板数が1×1011個〜2×10
11個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.0〜
7.4に保つことが可能なガス透過量(ガス透過性)を
有し、他の一方の容器は、血小板数が2×1011個〜
4×1011個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを
6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を有し、
他の他方の容器は、血小板数が4×1011個〜5×1
11個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.0〜
7.4に保つことが可能なガス透過量を有していること
が好ましい。さらに、前記第1の血小板保存容器の酸素
ガス透過量は、前記第2の血小板保存容器もしくは前記
第3の血小板保存容器の一方より高くかつ他方より低い
ものであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の血液成分採取用回路を図
面に示した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の
血液成分採取用回路の一実施例を示す回路図であり、図
2は、図1の血液成分採取用回路に遠心分離器および送
液ポンプを取り付けた時の回路図であり、図3は、本発
明の血液成分採取用回路の他の実施例を示す回路図であ
る。本発明の血液成分採取用回路1は、採血針29もし
くは採血器具接続部(図示せず、血液プールへの接続
部)と遠心分離器20の流入口20aとを接続するため
の第1のライン21と、第1のライン21の途中と遠心
分離器20の流出口20bとを接続するための第2のラ
イン22と、第1のライン21に接続された抗凝固剤注
入のための第3のライン23と、第1のライン21の途
中に接続された第1チューブ25aおよび第2のライン
22と接続された第2チューブ25bを有する血漿採取
バッグ25と、第2のライン22に接続された第1の血
小板保存容器26と、第1の血小板保存容器26に接続
された第2の血小板保存容器28とを備える。そして、
第1の血小板保存容器26および第2の血小板保存容器
28は、酸素ガス透過量が50〜150ml/day・
atm(22℃)であり、かつ、第1の血小板保存容器
26と第2の血小板保存容器28の酸素ガス透過量は、
35%以上相違している。
【0009】このため、採取された濃厚血小板に含まれ
る血小板数に応じて保存する容器を選択することがで
き、選択された容器への血小板の移送もきわめて容易に
行うことができる。また、遠心分離器20は、内部に貯
血空間を有するロータ142と、貯血空間に連通する流
入口20aおよび流出口20bとを有し、ロータの回転
により流入口より導入された血液を貯血空間内で遠心分
離する。
【0010】そこで、血液成分採取用回路1について説
明する。この血液成分採取用回路1は、血液成分、特に
血小板を採取するための回路である。血小板採取用回路
1は、採血針29のような採血器具、もしくは採血針ま
たは血液プール接続部を有する採血器具への接続部(採
血器具接続部)、採血針29もしくは採血器具接続部と
遠心分離器20の流入口20aとを接続し、第1のポン
プチューブ21gを備える第1のライン21(採血およ
び返血ライン)、遠心分離器20の流出口20bと第1
のライン21の途中とを接続するための第2のライン2
2、第1のライン21の採血針29の近くに接続され、
第2のポンプチューブ23aを備える第3のライン23
(抗凝固剤注入ライン)、第1のライン21のポンプチ
ューブ21gより採血針側に接続された第1チューブ2
5aおよび第2のライン22と接続された第2チューブ
25bを有する血漿採取バッグ25、第2のライン22
に接続された第3チューブ26aを備える第1の血小板
保存容器(第1の血小板採取バッグ)26、第2のライ
ン22に接続された第4チューブ27aを備えるバフィ
ーコート採取バッグ27、第3チューブ26aと接続さ
れた第5チューブ28aを備える第2の血小板保存容器
(第2の血小板採取バッグ)28とを備える。血液成分
採取用回路1としては、採血針ではなく、血液バッグな
どの血液プールに接続するための接続部(例えば、金属
もしくは合成樹脂針)を備えるものでもよい。
【0011】採血針29として、公知の金属針が使用さ
れる。第1のライン21は、採血針29が接続された採
血針側第1ライン21aと遠心分離器20の流入口20
aとを接続された遠心分離器側第1ライン21bとから
なる。採血針側第1ライン21aは、軟質樹脂製チュー
ブが複数接続されて形成されている。採血針側第1ライ
ン21aは、採血針側より、第3のライン23との接続
用分岐コネクター21c、気泡およびマイクロアグリゲ
ート除去のためのチャンバー21d、第2のライン22
との接続用分岐コネクター21e、血漿採取バッグ25
の第1チューブ25aとの接続用分岐コネクター21f
を備える。チャンバー21dには、通気性かつ菌不透過
性のフィルター21iが接続されている。遠心分離器側
第1ライン21bは、第1チューブ25aとの接続用分
岐コネクター21fに接続されており、その付近に形成
されたポンプチューブ21gを有する。また、遠心分離
器側第1ライン21bの後端には、遠心分離器20の流
入口20aと接続するためのコネクター31を備えてい
る。
【0012】遠心分離器20の流出口20bと第1のラ
イン21とを接続する第2のライン22は、一端に、遠
心分離器20の流出口20bとの接続のためのコネクタ
ー32を備え、他端が第1のライン21の接続用分岐コ
ネクター21eに接続されている。第2のライン22
は、遠心分離器側から、血漿採取バッグ25の第2チュ
ーブ25bならびに第1の血小板保存容器26の第3チ
ューブ26aとの接続用分岐コネクター22a、気泡除
去用フィルター22fを備えるチューブとの接続用分岐
コネクター22c、バフィーコート採取バッグ27の第
4チューブ27aとの接続用分岐コネクター22dを備
える。
【0013】第3のライン23は、一端が第1のライン
21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続さ
れている。第3のライン23は、コネクター21c側よ
り、ポンプチューブ23a、異物除去用フィルター23
b、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用
針23dを備えている。血漿採取バッグ25は、第1の
ライン21のポンプチューブ21gより採血針側に位置
する分岐コネクター21fに接続された第1チューブ2
5a、第2のライン22の分岐コネクター22aに接続
された第2チューブ25bを有する。第1の血小板保存
容器26は、第2のライン22の分岐コネクター22a
に接続された第3チューブ26a、第3のチューブに接
続された分岐コネクター28bおよびこの分岐コネクタ
28bに接続されたチューブ26bを備える。バフィー
コート採取バッグ27は、第2のライン22の分岐コネ
クター22dに接続された第4チューブ27aを備え
る。第2の血小板保存容器28は、接続用分岐コネクタ
ー28bを介して第3チューブ26aと接続された第5
チューブ28aを備える。なお、第2の血小板保存容器
28の接続形態はこれに限らず、第5チューブ28aが
直接第1の血小板保存容器26に接続されているもので
あってもよい。
【0014】上述した第1から第3のラインの形成に使
用されるチューブ、ポンプチューブ、さらに、バッグお
よび容器に接続されているチューブの構成材料として
は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、PETやPBTのようなポリエステル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル
エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。その中で
も特に、ポリ塩化ビニルが好ましい。各チューブがポリ
塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られ
るので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞
にも適するからである。また、上述した分岐コネクタの
構成材料についても、前記チューブの構成材料と同様の
ものを用いることができる。なお、ポンプチューブとし
ては、ローラーポンプにより押圧されても損傷を受けな
い程度の強度を備えるものが使用されている。
【0015】血漿採取バッグ25、第1の血小板保存容
器26、第2の血小板保存容器28、バフィーコート採
取バッグ27は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシ
ート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着
等)または接着して袋状にしたものが使用される。各バ
ッグおよび容器25,26,27,28に使用される材
料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリオレフ
ィンが好適に使用される。この軟質ポリ塩化ビニルにお
ける可塑剤としては、例えば、ジ(エチルヘキシル)フ
タレート(DEHP)、ジ−(n−デシル)フタレート
(DnDP)等が使用される。なお、このような可塑剤
の含有量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対し、30
〜70重量部程度とするのが好ましい。
【0016】また、上記各バッグもしくは容器25,2
6,27,28のシート材料としては、ポリオレフィ
ン、すなわちエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソ
プレン等のオレフィンあるいはジオレフィンを重合また
は共重合した重合体を用いてもよい。具体的には、例え
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)、EVAと各種熱可塑性エラス
トマーとのポリマーブレンド等、あるいは、これらを任
意に組み合わせたものが挙げられる。
【0017】第1の血小板保存容器26および第2の血
小板保存容器28の容量は、600〜1000mlであ
ることが好ましい。第1の血小板保存容器26および第
2の血小板保存容器28に使用されるシート材として
は、血小板保存性を向上するためにガス透過量に優れる
ものを用いることがより好ましい。そのようなシート材
としては、例えば、上述したポリオレフィンやDnDP
可塑化ポリ塩化ビニル等を用いること、また、このよう
な素材を用いることなく、上述したような材料のシート
材を用い、厚さを比較的薄く(例えば、0.1〜0.5
mm程度、特に、0.1〜0.3mm程度)したものが
好適である。また、血小板保存容器には、例えば、生理
食塩水、GAC、PAS、PSM−1のような血小板保
存液が予め入れられていてもよい。
【0018】特に、この実施例の血液成分採取用回路1
では、第1の血小板保存容器26および第2の血小板保
存容器28は、酸素ガス透過量が50〜150ml/d
ay・atm(22℃)であることが好ましい。特に好
ましくは、90〜150ml/day・atm(22
℃)である。さらに、第1の血小板保存容器26と第2
の血小板保存容器28の酸素ガス透過量は、35%以
上、好ましくは40%以上相違している。具体的には、
第2の血小板保存容器28の酸素ガス透過量は、第1の
血小板保存容器26の酸素ガス透過量より35%以上高
いものなっている。第2の血小板保存容器28の酸素ガ
ス透過量は、第1の血小板保存容器26の酸素ガス透過
量より35%以上高いことがより好ましい。また、逆
に、第1の血小板保存容器26の酸素ガス透過量を第2
の血小板保存容器28の酸素ガス透過量より35%以上
高いものとしてもよい。
【0019】また、第1の血小板保存容器26と第2の
血小板保存容器28の組み合わせは、第1の血小板保存
容器26もしくは第2の血小板保存容器28の一方は、
血小板数が1×1011個以上3×1011個未満の濃
厚血小板を3日間保存した際に、pHを6.0〜7.4
に保つことができるようなガス透過量を有し、第1の血
小板保存容器26もしくは第2の血小板保存容器28の
他方は、血小板数が3×1011個以上5×1011
未満の濃厚血小板を3日間保存した際にpHを6.0〜
7.4に保つことができるようなガス透過量を有するこ
とが好ましい。
【0020】また、第1の血小板保存容器26もしくは
第2の血小板保存容器28の一方は、血小板数が1×1
11個以上2×1011個未満の濃厚血小板を3日間
保存した際に、pHを6.0〜7.4に保つことができ
るようなガス透過量を有し、第1の血小板保存容器26
もしくは第2の血小板保存容器28の他方は、血小板数
が2×1011個以上4×1011個未満の濃厚血小板
を3日間保存した際にpHを6.0〜7.4に保つこと
ができるようなガス透過量を有する組み合わせであって
もよい。
【0021】酸素ガス透過量を第1の血小板保存容器と
第2の血小板保存容器とで相違させるための手段として
は、ガス透過量の異なる材料を用いること(素材および
/もしくは厚さ)、もしくは容器の表面積(容器の大き
さ)を相違させること(容器としてのガス透過量は、表
面積に依存する)およびそれらの組み合わせにより行う
ことができる。ガス透過量の異なる材料の組み合わせと
しては、低酸素ガス透過量容器側の材料として、DEH
P可塑化塩化ビニル樹脂を用い、高酸素ガス透過量容器
側の材料として、DnDP可塑化塩化ビニル樹脂を用い
ること、低酸素ガス透過量容器側の材料として、DEH
P可塑化塩化ビニル樹脂もしくはDnDP可塑化塩化ビ
ニル樹脂を用い、高酸素ガス透過量容器側の材料とし
て、ポリオレフイン(ポリエチレン、ポリプロピレン)
を用いること、低酸素ガス透過量容器側の材料および高
酸素ガス透過量容器側の材料として、同じ素材を用いる
とともに、高酸素ガス透過量容器側の材料の厚さを薄い
ものとすることなどが考えられる。
【0022】さらに、血液成分採取用回路には、図3に
示す血液成分採取用回路50のように、第1の血小板保
存容器26もしくは第2の血小板保存容器28に接続さ
れた第3の血小板保存容器30を備えていてもよい。図
3に示す実施例では、第3の血小板保存容器30は、第
1の血小板保存容器26に設けられた第3チューブ26
aの途中に設けられた分岐コネクター28bに接続され
たチューブ30aを備えている。また、分岐コネクター
28bと第1の血小板保存容器26間のチューブ26b
には、クレンメ(流路開閉手段)26cが、チューブ3
0aには、クレンメ(流路開閉手段)30bが取り付け
られている。なお、第3の血小板保存容器30の接続形
態は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、
第3の血小板保存容器30のチューブ30aが直接第1
の血小板保存容器26に接続されているもの、さらに
は、第3の血小板保存容器30のチューブ30aが直接
第2の血小板保存容器28に接続されているものであっ
てもよい。容器28に使用される材料としては、上述し
たバッグおよび容器25,26,27,28において説
明したものが好適に使用できる。
【0023】そして、第1の血小板保存容器26、第2
の血小板保存容器28および第3の血小板保存容器30
は、酸素ガス透過量が50〜150ml/day・at
m(22℃)である。好ましくは、酸素ガス透過量が9
0〜150ml/day・atm(22℃)である。さ
らに、第1の血小板保存容器26、第2の血小板保存容
器28および第3の血小板保存容器30の酸素ガス透過
量は、それぞれが20%以上相違している。表現を変え
れば、最も酸素ガス透過量の低い血小板保存容器の酸素
ガス透過量を1としたとき、次に酸素ガス透過量の高い
血小板保存容器の酸素ガス透過量が1.2〜1.6で、
最も酸素ガス透過量の高い血小板保存容器の酸素ガス透
過量が1.7〜2.0となっていることが好ましい。
【0024】具体的には、第1の血小板保存容器26
は、酸素ガス透過量が80〜120ml/day・at
m(22℃)であり、かつ第2の血小板保存容器28も
しくは第3の血小板保存容器30の一方の酸素ガス透過
量は、第1の血小板保存容器26の酸素ガス透過量より
20%以上高く、第2の血小板保存容器28もしくは第
3の血小板保存容器30の他方の酸素ガス透過量は、第
1の血小板保存容器26の酸素ガス透過量より20%以
上低いものとなっていることが好ましい。つまり、第1
の血小板保存容器26のガス透過量は、第2の血小板保
存容器28および第3の血小板保存容器30の酸素ガス
透過量の中間となっていることが好ましい。
【0025】しかし、上記のような形態に限定されるも
のではなく、第2の血小板保存容器28は、酸素ガス透
過量が80〜120ml/day・atm(22℃)で
あり、かつ第1の血小板保存容器26もしくは第3の血
小板保存容器30の一方の酸素ガス透過量は、第2の血
小板保存容器28の酸素ガス透過量より20%以上高
く、第1の血小板保存容器26もしくは第3の血小板保
存容器30の他方の酸素ガス透過量は、第2の血小板保
存容器28の酸素ガス透過量より20%以上低いものと
なっていてもよい。さらに、第3の血小板保存容器30
は、酸素ガス透過量が80〜120ml/day・at
m(22℃)であり、かつ第1の血小板保存容器26も
しくは第2の血小板保存容器28の一方の酸素ガス透過
量は、第3の血小板保存容器30の酸素ガス透過量より
20%以上高く、第1の血小板保存容器26もしくは第
2の血小板保存容器28の他方の酸素ガス透過量は、第
3の血小板保存容器30の酸素ガス透過量より20%以
上低いものとなっていてもよい。
【0026】酸素ガス透過量を第1の血小板保存容器、
第2の血小板保存容器および第3の血小板保存容器とで
相違させるための手段としては、ガス透過量の異なる材
料を用いること(素材および/もしくは厚さ)、もしく
は容器の表面積(容器の大きさ)を相違させること(容
器としてのガス透過量は、表面積に依存する)およびそ
れらを組み合わせることにより行うことができる。例え
ば、最も高酸素ガス透過量容器として、容量の大きいも
のとし、低酸素ガス透過量容器として、容量の小さいも
のとし、中酸素ガス透過量容器として、上記両者の中間
の容量のものとすることが考えられる。また、ガス透過
量の異なる材料の組み合わせとしては、低酸素ガス透過
量容器側の材料として、DEHP可塑化塩化ビニル樹脂
を用い、中酸素ガス透過量容器側の材料として、DnD
P可塑化塩化ビニル樹脂を用い、高酸素ガス透過量容器
側の材料として、ポリオレフイン(ポリエチレン、ポリ
プロピレン)を用いること、低酸素ガス透過量容器、中
酸素ガス透過量容器および高酸素ガス透過量容器側の材
料として、同じ素材を用いるとともに、高酸素ガス透過
量容器側の材料の厚さを最も薄く、低酸素ガス透過量容
器側の材料の厚さを最も厚く、中酸素ガス透過量容器側
の材料の厚さを両者の中間とすることなどが考えられ
る。
【0027】また、第1の血小板保存容器26、第2の
血小板保存容器28および第3の血小板保存容器30の
いずれか一つは、血小板数が1×1011個以上2×1
個未満の濃厚血小板を3日間保存後のpHを6.
0〜7.4に保つことができるようなガス透過量を有
し、他の一方の容器は、血小板数が2×1011個以上
4×1011個未満の濃厚血小板を3日間保存後のpH
を6.0〜7.4に保つことができるようなガス透過量
を有し、他の他方の容器は、血小板数が4×10 11
以上5×1011個未満の濃厚血小板を3日間保存後の
pHを6.0〜7.4に保つことができるようなガス透
過量を有していることが好ましい。
【0028】血液成分採取用回路1に使用される遠心分
離器20は、通常遠心ボウルと呼ばれており、遠心力に
より血液成分を分離する。遠心分離器20は、図4に示
すように、上端に流入口20aが形成された鉛直方向に
伸びる管体141と、管体141の回りで回転し、上部
145に対し液密にシールされた中空のロータ142と
で構成されている。ロータ142には、その底部および
周壁内面に沿って流路(貯血空間)が形成され、この流
路の上部に連通するように流出口20bが形成されてい
る。この場合、ロータ142の容積は、例えば、100
〜350ml程度とされる。
【0029】ロータ142は、血液成分採取装置1が備
える遠心分離器駆動装置10によりあらかじめ設定され
た所定の遠心条件(回転速度および回転時間)で回転さ
れる。この遠心条件により、ロータ142内の血液の分
離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定する
ことができる。本実施例では、図4に示すように、血液
がロータ142の流路内で内層より血漿層131、バフ
ィーコート層132および赤血球層133に分離される
ように遠心条件が設定される。使用時には、本発明の液
成分採取用回路1には、図2に示すように、上述した遠
心分離器20が取り付けられ、さらに、回路は、血液成
分採取装置に装着される。
【0030】血液成分採取装置は、遠心分離器20のロ
ータを回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第
1のライン21のための第1の送液ポンプ11と、第3
のライン23のための第2の送液ポンプ12と、血液成
分採取用回路1の流路の開閉を行うための複数の流路開
閉手段81,82,83,84,85,86と、遠心分
離器駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液
ポンプ12および複数の流路開閉手段を制御するための
制御部13を備える。さらに、血液成分採取装置は、第
2チューブ25bとの接続部22aより遠心分離器側
(上流側)の第2のライン22に装着される濁度センサ
14、遠心分離器20の上方に取り付けられた光学式セ
ンサ15と、血漿採取バッグ25の重量を検知するため
の重量センサ16を備える。
【0031】制御部13は、第1の送液ポンプ11およ
び第2の送液ポンプ12のための2つのポンプコントロ
ーラ(図示せず)を備え、制御部13の制御機構と第1
の送液ポンプ11および第2の送液ポンプ12とはポン
プコントローラを介して電気的に接続されている。遠心
分離器駆動装置10が備える駆動コントローラは、制御
部13と電気的に接続されている。そして、流路開閉手
段81,82,83,84,85,86は、すべて制御
部13に接続され、それらの開閉は制御部13により制
御されている。また、濁度センサ14、遠心分離器20
の上方に取り付けられた光学式センサ15、血漿採取バ
ッグ25の重量を検知するための重量センサ16は、制
御部13と電気的に接続され、それらより出力される信
号は制御部13に入力される。制御部13は、例えばマ
イクロコンピュータで構成される制御機構を有し、上述
した重量センサ16、光学式センサ15、濁度センサ1
4からの検出信号は、制御部13へ随時入力される。制
御部13は、濁度センサ14、光学式センサ15、重量
センサ16からの信号に基づき、各ポンプの回転、停
止、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要
に応じ、各流路開閉手段の開閉および遠心分離器回転駆
動装置10の作動を制御する。
【0032】第1の流路開閉手段81は、ポンプチュー
ブ21gより採血針側において第1のライン21を開閉
するために設けられている。第2の流路開閉手段82
は、血漿採取バッグ25の第1チューブ25aを開閉す
るために設けられている。第3の流路開閉手段83は、
血漿採取バッグ25の第2チューブ25bを開閉するた
めに設けられている。第4の流路開閉手段84は、第1
の血小板保存容器26の第3チューブ26aを開閉する
ために設けられている。第5の流路開閉手段85は、第
2のライン22とバフィーコート採取バッグ27の第4
チューブ27aとの接続部22dより遠心分離器側(上
流側)の位置にて、第2のライン22を開閉するために
設けられている。第6の流路開閉手段86は、第1のラ
イン21との接続部21eと第4チューブ27aとの接
続部との間(第2のライン22と第4チューブ27aと
の接続部より下流側)の位置にて、第2のライン22を
開閉するために設けられている。流路開閉手段は、ライ
ンもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例え
ば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または
空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体
的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適であ
る。流路開閉手段のクランプは、制御部13からの信号
に基づいて作動する。
【0033】回転駆動装置10は、図4に示すように、
遠心分離器20を収納するロータ回転駆動装置ハウジン
グ151と、脚部152と、駆動源であるモータ153
と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台155と
で構成されている。ハウジング151は、脚部152の
上部に載置、固定されている。また、ハウジング151
の下面には、ボルト156によりスペーサー157を介
してモータ153が固定されている。モータ153の回
転軸154の先端部には、固定台155が回転軸154
と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、
固定台155の上部には、ロータ142の底部が嵌合す
る凹部が形成されている。また、遠心分離器20の上部
145は、図示しない固定部材によりハウジング151
に固定されている。ロータ回転駆動装置10では、モー
タ153を駆動すると、固定台155およびそれに固定
されたロータ142が、例えば、回転数3000〜60
00rpmで回転する。
【0034】また、ロータ回転駆動装置ハウジング15
1の内壁には、遠心分離器内の分離された血液成分の界
面(例えば、血漿層131とバフィーコート層132と
の界面B、バフィーコート層132と赤血球層133と
の界面)の位置を光学的に検出する光学式センサ15
が、取付部材158により設置、固定されている。この
光学式センサ15としては、ロータ142の外周面に沿
って上下方向に走査し得る光学式センサが用いられる。
このセンサは、遠心分離器20の肩の部分に向けて光を
照射する光源と、遠心ボウルから反射して戻ってくる光
を受光する受光部で構成されている。つまり、LEDの
ような発光素子と受光素子とが列状に配置され、発光素
子から発せられた光の血液成分での反射光を受光素子に
より受光し、その受光光量を光電変換するように構成さ
れている。分離された血液成分(例えば、血漿層131
とバフィーコート層132)により反射光の強度が異な
るため、受光光量が変化した受光素子に対応する位置
が、界面Bの位置として検出される。より具体的には、
遠心分離器20の光が通過する位置が透明な液体(血漿
や水)で充填されている時と、バフィーコート層で充填
されている時の、受光部での受光量の差から、バフィー
コート層が光通過部に到達したことが検知される。バフ
ィーコート層を検出する位置は、光がボウル内を通過す
る位置を変えることで調節され、通常は、光線通過位置
を決めたら、そこで固定する。
【0035】濁度センサ14は、第2のライン22中を
流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に
応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時に
は低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。第
1のライン21のポンプチューブ21gが装着される第
1の送液ポンプ11ならびに第3のライン23のポンプ
チューブ23aが装着される第2の送液ポンプ12とし
ては、ローラーポンプ、ペリスタリックポンプなどの非
血液接触型ポンプが好適である。また、第1の送液ポン
プ11(血液ポンプ)としては、いずれの方向にも血液
を送ることができるものが使用される。具体的には、正
回転と逆回転が可能なローラーポンプが用いられてい
る。
【0036】制御部13は、第1の送液ポンプ11、第
2の送液ポンプ12を作動させて抗凝固剤が添加された
血液を採取し、遠心分離器駆動装置10を作動させて、
血液より血漿採取バッグ25内に第1の所定量の血漿を
採取する第1の血漿採取ステップを行わせ、次に、採血
を一時中断し、かつ、遠心分離器駆動装置10を作動さ
せて、血漿採取バッグ内の血漿を遠心分離器20に循環
させる血漿循環ステップからなる血漿採取・循環ステッ
プを行わせるものである。
【0037】さらに、この制御部13は、上述した血漿
採取・循環ステップが2回以上行われるように、遠心分
離器駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液
ポンプ12および複数の流路開閉手段を制御するもので
ある。さらに、この血液成分採取装置の制御部13は、
この血漿採取・循環ステップの終了後、第1の送液ポン
プ11による血漿循環速度を加速させて、遠心分離器2
0内より血小板を流出させ血小板を第1の血小板保存容
器26に採取する血小板採取ステップと、この血小板採
取ステップの終了後に、第1の送液ポンプ11による血
漿循環速度を血小板採取ステップにおける最終速度より
も高くし、遠心分離器20内よりバフィーコートを流出
させバフィーコートをバフィーコート採取バッグ27に
採取するバフィーコート採取ステップを行うように制御
し、その後に、遠心分離器20内の血液を返血する返血
ステップを行わせるものである。このような血小板採取
操作が複数回行われるように制御する。なお、採取され
たバフィーコートは、次の採血ステップの前に遠心分離
器20内に返還される。
【0038】次に、本発明の血液成分採取用回路の血小
板採取終了後の使用方法について、図3に示す実施例を
用いて説明する。血小板採取作業後、第1の血小板保存
容器26のチューブ26bに装着されているクレンメ2
6c、第2の血小板保存容器28のチューブ28aに装
着されているクレンメ28cおよび第3の血小板保存容
器30のチューブ30aに装着されているクレンメ30
bを用いて、それぞれのチューブを閉塞し、濃厚血小板
の移動を防止する。続いて、第1の血小板保存容器26
内に採取された血小板数を確認する。血小板数の確認は
以下のようにして行う。第1の血小板保存容器26のチ
ューブ26dに濃厚血小板の一部を導入してそのチュー
ブをシーラーで切り離してサンプリングする。切り離し
たチューブから濃厚血小板を取り出して自動血球計数装
置により血小板濃度を測定する。そして、第1の血小板
保存容器26の重量を測定して風袋(空の状態の第1の
血小板保存容器26の重さ)を差し引いて濃厚血小板の
正味量を求め、上記において求めた血小板濃度と濃厚血
小板の正味量を掛け合わせて総血小板数を求める。
【0039】そして、採取された血小板の総数に応じて
以下のように操作する。 a)総血小板数が第1の血小板保存容器26により保存
可能な範囲内である場合は濃厚血小板を他のバッグに移
す必要はないので、シーラーを用いて他のバッグとの連
結チューブ28aおよびチューブ30aを切り離す。 b)総血小板数が第1の血小板保存容器26により保存
可能な範囲内ではない場合は、濃厚血小板を他の(その
濃厚血小板の保存が可能である)バッグに移す。濃厚血
小板の移送は落差により行う。第1の血小板保存容器2
6を高所に置き、第2の血小板保存容器28および第3
の血小板保存容器30を低所に置き、移送先の血小板保
存容器のチューブを閉塞しているクレンメを開放し、第
1の血小板保存容器26内の濃厚血小板を移送先の血小
板保存容器に流入させる。そして、濃厚血小板の移送完
了後に、不要となった血小板保存容器の連結チューブを
シーラーで切り離す。そして、保存のために適切なガス
透過量を備える血小板保存容器に収容された濃厚血小板
を振盪装置に装着し保存する。
【0040】
【実施例】
【実施例1】図1に示し上述したような構成の血液成分
採取用回路を作製した。なお、第1の血小板保存容器お
よび第2の血小板保存容器としては、下記のものを用い
た。 (第1の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み:約0.3mm 容量600ml、容器表面積:約480cm 酸素ガス透過量:約90ml/day・atm・容器
(22℃) (第2の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量1000ml、容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約125ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違34%)
【0041】
【実施例2】図1に示し上述したような構成の血液成分
採取用回路を作製した。なお、第1の血小板保存容器お
よび第2の血小板保存容器としては、下記のものを用い
た。 (第1の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDEHP(約33(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約70ml/day・atm・容器
(22℃) (第2の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約115ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違64%)
【0042】
【実施例3】図1に示し上述したような構成の血液成分
採取用回路を作製した。なお、第1の血小板保存容器お
よび第2の血小板保存容器としては、下記のものを用い
た。 (第1の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み:約0.3mm 容量600ml、容器表面積:約480cm 酸素ガス透過量:約90ml/day・atm・容器
(22℃) (第2の血小板保存容器) 材質はポリエチレンフィルム(内層)、エチレン・ブチ
レン・スチレン共重合体(80%)とポリプロピレン
(20%)との混合物のフィルム(外層)の2層ラミネ
ートフィルム シート厚み約0.25mm 容量1000ml、容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約130ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違44%)
【0043】
【実施例4】図3に示し上述したような構成の血液成分
採取用回路を作製した。なお、第1の血小板保存容器、
第2の血小板保存容器および第3の血小板保存容器とし
ては、下記のものを用いた。 (第1の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約115ml/day・atm・容器
(22℃) (第2の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.27mm 容量1000ml,容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約140ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違22%) (第3の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDEHP(約33(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約70ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違−39%)
【0044】
【実施例5】図3に示し上述したような構成の血液成分
採取用回路を作製した。なお、第1の血小板保存容器、
第2の血小板保存容器および第3の血小板保存容器とし
ては、下記のものを用いた。 (第1の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約115ml/day・atm・容器
(22℃) (第2の血小板保存容器) 材質はポリエチレンフィルム(内層)、エチレン・ブチ
レン・スチレン共重合体(80%)とポリプロピレン
(20%)との混合物のフィルム(外層)の2層ラミネ
ートフィルム シート厚み約0.23mm 容量1000ml、容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約140ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違22%) (第3の血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDEHP(約33(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約70ml/day・atm・容器
(22℃)(酸素ガス透過量相違−39%)
【0045】
【比較例1】第2の血小板保存容器を備えない以外は、
図1に示し上述したような構成の血液成分採取用回路を
作製した。なお、血小板保存容器としては、下記のもの
を用いた。 (血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み:約0.3mm 容量600ml、容器表面積:約480cm 酸素ガス透過量:約90ml/day・atm・容器
(22℃)
【0046】
【比較例2】第2の血小板保存容器を備えない以外は、
図1に示し上述したような構成の血液成分採取用回路を
作製した。なお、血小板保存容器としては、下記のもの
を用いた。 (血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%)、 シート厚み約0.3mm 容量1000ml、容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約125ml/day・atm・容器
(22℃)
【0047】
【比較例3】第2の血小板保存容器を備えない以外は、
図1に示し上述したような構成の血液成分採取用回路を
作製した。なお、血小板保存容器としては、下記のもの
を用いた。 (血小板保存容器) 材質は軟質PVC、可塑剤はDnDP(約34(W/
W)%) シート厚み約0.3mm 容量800ml、容器表面積:約620cm 酸素ガス透過量:約115ml/day・atm・容器
(22℃)
【0048】
【比較例4】第2の血小板保存容器を備えない以外は、
図1に示し上述したような構成の血液成分採取用回路を
作製した。なお、血小板保存容器としては、下記のもの
を用いた。 (血小板保存容器) 材質はポリエチレンフィルム(内層)、エチレン・ブチ
レン・スチレン共重合体(80%)とポリプロピレン
(20%)との混合物のフィルム(外層)の2層ラミネ
ートフィルム シート厚み約0.25mm 容量1000ml、容器表面積:約650cm 酸素ガス透過量:約130ml/day・atm・容器
(22℃)
【0049】(実験)上記実施例および比較例の血液成
分採取用回路を用いて、血小板を採取し、本発明の回路
については、上述したように血小板総数を算出し、必要
な場合には、採取した濃厚血小板を第2もしくは第3の
血小板保存容器に移送後保存した。保存後の状態は、表
1に示す通りであった。
【0050】
【表1】
【0051】なお、血小板数のカウントはSYSMEX
NE−6000(東亜医用電子株式会社製)、pHの
測定は血液ガス/pH測定装置IL1304(Inst
rumentation Lab.)によった。比較例
においては血小板数によっては品質不良のものが生じた
が、実施例では血小板数に応じて容器を選択することに
より不良発生を回避することができた。
【0052】
【発明の効果】本発明の血液成分採取用回路は、採血針
もしくは採血器具接続部と遠心分離器の流入口とを接続
するための第1のラインと、前記第1のラインの途中と
遠心分離器の流出口とを接続するための第2のライン
と、前記第1のラインに接続された抗凝固剤注入のため
の第3のラインと、前記第1のラインの途中に接続され
た第1チューブおよび前記第2のラインと接続された第
2チューブを有する血漿採取バッグと、前記第2のライ
ンに接続された第1の血小板保存容器と、前記第1の血
小板保存容器に接続された第2の血小板保存容器とを備
え、さらに、前記第1の血小板保存容器および前記第2
の血小板保存容器は、酸素ガス透過量が50〜150m
l/day・atm(22℃)であり、かつ、かつ、前
記第1の血小板保存容器と前記第2の血小板保存容器の
酸素ガス透過量は、35%以上相違している。このた
め、採取された濃厚血小板に含まれる血小板数に応じ
て、保存に適した容器を選択することができ、選択され
た容器への血小板の移送もきわめて容易に行うことがで
き、血小板を良好に保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の血液成分採取用回路の一実施
例を示す回路図である。
【図2】図2は、図1の血液成分採取用回路に遠心分離
器および送液ポンプを取り付けた時の回路図である。
【図3】図3は、本発明の血液成分採取用回路の他の実
施例を示す回路図である。
【図4】図4は、血液成分採取用回路に使用される遠心
分離器および駆動装置の部分破断断面図である。
【符号の説明】
1 血液成分採取用回路 29 採血針 20 遠心分離器 21 第1のライン 22 第2のライン 23 第3のライン 25 血漿採取バッグ 26 第1の血小板保存容器 28 第2の血小板保存容器 30 第3の血小板保存容器 50 血液成分採取用回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採血針もしくは採血器具接続部と遠心分
    離器の流入口とを接続するための第1のラインと、前記
    第1のラインの途中と遠心分離器の流出口とを接続する
    ための第2のラインと、前記第1のラインに接続された
    抗凝固剤注入のための第3のラインと、前記第1のライ
    ンの途中に接続された第1チューブおよび前記第2のラ
    インと接続された第2チューブを有する血漿採取バッグ
    と、前記第2のラインに接続された第1の血小板保存容
    器と、前記第1の血小板保存容器に接続された第2の血
    小板保存容器とを備え、さらに、前記第1の血小板保存
    容器および前記第2の血小板保存容器は、酸素ガス透過
    量が50〜150ml/day・atm(22℃)であ
    り、かつ、前記第1の血小板保存容器と前記第2の血小
    板保存容器の酸素ガス透過量は、35%以上相違してい
    ることを特徴とする血液成分採取用回路。
  2. 【請求項2】 前記第1の血小板保存容器もしくは前記
    第2の血小板保存容器の一方は、血小板数が1×10
    11個〜3×1011個の濃厚血小板の3日間保存後の
    pHを6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を
    有し、前記第1の血小板保存容器もしくは前記第2の血
    小板保存容器の他方は、血小板数が3×1011個〜5
    ×1011個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.
    0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を有している
    請求項1に記載の血液成分採取用回路。
  3. 【請求項3】 前記第1の血小板保存容器もしくは前記
    第2の血小板保存容器の一方は、血小板数が1×10
    11個〜2×1011個の濃厚血小板の3日間保存後の
    pHを6.0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を
    有し、前記第1の血小板保存容器もしくは前記第2の血
    小板保存容器の他方は、血小板数が2×1011個〜4
    ×1011個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.
    0〜7.4に保つことが可能なガス透過量を有している
    請求項1に記載の血液成分採取用回路。
  4. 【請求項4】 前記血液成分採取用回路は、前記第1の
    血小板保存容器もしくは前記第2の血小板保存容器に接
    続された第3の血小板保存容器を備えている請求項1に
    記載の血液成分採取用回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の血小板保存容器、前記第2の
    血小板保存容器および前記第3の血小板保存容器は、酸
    素ガス透過量が50〜150ml/day・atm(2
    2℃)であり、かつ前記第1の血小板保存容器、前記第
    2の血小板保存容器および前記第3の血小板保存容器の
    酸素ガス透過量は、それぞれが20%以上相違している
    請求項5に記載の血液成分採取用回路。
  6. 【請求項6】 前記第1の血小板保存容器、前記第2の
    血小板保存容器もしくは前記第3の血小板保存容器のい
    ずれか一つは、血小板数が1×1011個〜2×10
    11個の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.0〜
    7.4に保つことが可能なガス透過量を有し、他の一方
    の容器は、血小板数が2×1011個〜4×1011
    の濃厚血小板の3日間保存後のpHを6.0〜7.4に
    保つことが可能なガス透過量を有し、他の他方の容器
    は、血小板数が4×1011個〜5×1011個の濃厚
    血小板の3日間保存後のpHを6.0〜7.4に保つこ
    とが可能なガス透過量を有している請求項4または5に
    記載の血液成分採取用回路。
  7. 【請求項7】 前記第1の血小板保存容器の酸素ガス透
    過量は、前記第2の血小板保存容器もしくは前記第3の
    血小板保存容器の一方より高くかつ他方より低いもので
    ある請求項6に記載の血液成分採取用回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003088580A (ja) * 2001-09-20 2003-03-25 Terumo Corp 血小板採取装置
JP2008061968A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Terumo Corp 血液成分採取装置
JP2011194256A (ja) * 2003-12-05 2011-10-06 B Braun Medical Inc 医薬品調合システムおよび方法、ならびにそれらのための情報管理システム

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