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JP2001098309A - 金属微粉末の製造方法及びその装置並びに金属微粉末 - Google Patents

金属微粉末の製造方法及びその装置並びに金属微粉末

Info

Publication number
JP2001098309A
JP2001098309A JP27520599A JP27520599A JP2001098309A JP 2001098309 A JP2001098309 A JP 2001098309A JP 27520599 A JP27520599 A JP 27520599A JP 27520599 A JP27520599 A JP 27520599A JP 2001098309 A JP2001098309 A JP 2001098309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
fine
powder
metal
heating
Prior art date
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Pending
Application number
JP27520599A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Inada
茂昭 稲田
Mitsuhiro Yasuda
光宏 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Parts Ind Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Parts Ind Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Parts Ind Co Ltd filed Critical Tokyo Parts Ind Co Ltd
Priority to JP27520599A priority Critical patent/JP2001098309A/ja
Publication of JP2001098309A publication Critical patent/JP2001098309A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 純度が極めて高く、粒径が微細で表面活性に
富む金属又は合金の微粉末、及び微粉末を得るための製
造方法と装置を提供する。 【解決手段】 金属を浮遊蒸発法により無るつぼ状態で
浮遊蒸発させてるつぼからの不純物の混入を防ぎ、気相
から急冷凝縮させることにより、純度が高く、粒径が微
細で表面活性の高い金属又は合金の微粉末を得る。浮遊
蒸発装置は浮遊コイル、加熱コイル、反撥コイルの3段
構成の高周波コイルとし、浮遊コイルと反撥コイルの巻
線方向は互いに逆向きとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度で微細な金属
の微粉末に関し、さらに詳しくは高周波加熱により無る
つぼ状態で溶融・蒸発させた後、気相から急冷凝縮させ
る金属微粉末の製造方法、およびこの方法によって得ら
れた金属微粉末にさらに他の金属蒸気を加え、低温プラ
ズマ下で複合合金化する金属微粉末の製造方法、これら
の製造方法に使用するための製造装置、ならびにこれら
の製造方法によって得られた金属微粉末に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】金属の微粉末は燒結金属用、各種触媒
用、各種センサー用、磁気記録媒体、各種磁石用等に幅
広く使用されている。最近では技術開発の進展に伴い、
各種触媒用や各種センサー用として、金属微粉末の粒径
はますます細かくて表面活性の良いものが要求されるよ
うになってきた。また、磁気記録媒体やボンド磁石用等
としても粒径が細かく、配向性の良いものが要求される
ようになってきた。従来、金属の微粉末の製法としては
インゴットから粉砕・篩い分けして得るのが最も簡単な
方法である。しかしこの方法では不純物の混入が多く、
また粒径もあまり微細なものは得られない。最近では、
高純度で微細な金属微粉末の製造方法としては溶融蒸発
法や気相還元法が知られている。溶融蒸発法は1〜数十
Torrの減圧下で金属をるつぼ内で溶融し、蒸発させてこ
の蒸気を急冷して凝縮させ、微粉末として回収するもの
である。また、気相還元法は金属の化合物を還元性ガス
と還元反応させて直接気体または固体の金属粉末を得る
方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この溶
融蒸発法においてはるつぼ内で溶湯の対流が起こり、る
つぼからの酸素あるいは炭素、アルミニウム、シリコン
をはじめとする不純物の溶け込みがあること、また溶融
温度の不均一性が避けられないことから、目的とする高
純度の金属微粒子の取得は困難である。また生成された
微粒子同士の衝突が多く、微粒子が凝集してしまい、孤
立粒子が得られない欠点がある。さらに、生成した金属
微粉末の活性を生かした製品化プロセスが確立されてい
ない。また、気相還元法は原料となる金属化合物の選択
に制約があり、必要とする種類の金属が得にくいという
問題がある。上記のような問題点があるため、4ナイン
以上の高純度を有し、粒径が0.03μm以下で分散性
がよく、ほぼ球形の孤立粒子からなる金属微粉末は未だ
得られていない。ましてや高機能を有する合金微粉末は
未だ得られていない。本発明は、粒径が0.03μm以
下で分散性がよく、ほぼ球形の孤立粒子からなる金属微
粉末を提供することを目的とし、そのための合理的な製
造方法とその方法を実施するための装置を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、金属を高周波コイル内でるつぼを使用する
ことなく浮遊加熱し、蒸発させて蒸気を急冷凝縮させる
ことにより金属微粉末を得る手段を採用した。また、本
発明では上記のように浮遊加熱蒸発の後急冷凝縮させた
複数の金属微粉末を、低温プラズマ下で合金化して合金
微粉末を得る手段を採用した。さらに、本発明では上記
のように浮遊加熱蒸発の後急冷凝縮させた金属微粉末
を、低温プラズマ下で生成した他の金属微粉末と共に別
の低温プラズマ下で合金化して合金微粉末を得る手段を
採用した。これらの手段において、原料金属を高周波コ
イル内で無るつぼ状態で浮遊加熱し、蒸発させて蒸気を
急冷凝縮させることにより、るつぼからの不純物の混入
が防止でき、微細で活性の高い金属微粉末を得ることが
できる。また本発明の方法によれば高純度の金属微粉末
を使用して合金微粉末を作るので、得られた合金微粉末
も極めて純度が高く、微細で分散性の良い金属微粉末が
得られる効果を有する。
【0005】まず、本発明の特徴である浮遊加熱・蒸発
法について説明する。高周波コイル内の電磁誘導作用に
より、物体をコイル中心部で磁気浮遊させ加熱溶融する
ことは既に知られている。すなわち、高周波コイルに電
流を付加するとコイル内にローレンツ力が発生してコイ
ル内にある物体が力を受ける。高周波コイルを垂直に配
置すれば物体は浮力を受けることになる。ここで高周波
コイルを正巻と逆巻の2種類準備し、これら2つの高周
波コイルを同軸上に配置すれば上向きと下向きの力が働
き、コイル内にある物体を高周波コイル帯域に留めてお
くことができる。この状態でさらに電磁誘導作用を利用
して物体を沸点以上の温度まで加熱すると、物体はやが
て気化するに至る。気化した金属をキャリアガスを用い
て高周波コイル帯から取り出すと、金属は直ちに凝縮し
て金属微粉末となる。物質の沸点ないしは凝縮点は物質
に固有の値を持つから、一旦気化して凝縮した金属粉は
不純物を含まず、極めて純度の高いものとなる。このよ
うにして得られた金属微粉末は、るつぼからの不純物の
汚染も無く、粒径は微細で極めて表面活性に富んだもの
となる。
【0006】ローレンツ力を利用して金属を無るつぼ状
態で浮遊加熱・蒸発させるには、高周波コイルを3段に
構成すると良い。すなわち図2に示すように、反応管周
囲に反応管と同軸に浮遊コイル3、加熱コイル4、反撥
コイル5を下から順に配置する。浮遊コイル3は主とし
て反応管内の物体に上向きのローレンツ力を与えるため
のもので、コイルは上方に行くに従ってコイル直径が大
きくなっており、コイル内面はテーパー曲面ないしは指
数関数曲面をなすように構成してある。加熱コイル4は
反応管内の物体を溶融させ、さらに蒸発させるまで高温
に急速加熱するためのものである。このため加熱コイル
4は浮遊コイル3の直上に反応管に近づけて密に巻いて
配置する。反撥コイル5は浮遊コイル3によってローレ
ンツ力を与えられ、反応管内を上昇してきた物体を加熱
コイル帯に押し戻し、蒸発に至るまで充分加熱されるよ
うにするためのものである。このため反撥コイル5は最
上部に配置し、コイルの巻線方向は浮遊コイル3とは逆
方向に巻き線する。
【0007】浮遊コイル3、加熱コイル4、反撥コイル
5の各コイルの両端は、高周波電源6に接続し、増幅さ
れた高周波電流を印加できるようになっている。浮遊コ
イル3と反撥コイル5は直列に配線して一つの高周波電
源に接続しても良い。巻線方向が互いの反対なので、ロ
ーレンツ力も上向きと下向きに発生させることができ
る。しかし、浮遊コイル3、加熱コイル4、反撥コイル
5の各コイルを独立した高周波電源に接続し、各々独立
に出力制御できるようにした方が良い。金属の種類によ
って物性が異なるので、最適な負荷をかけるためであ
る。
【0008】上記のような方法及び装置によって得られ
た金属粉は、微細で極めて表面活性に富んいるが故に、
浮遊加熱・蒸発方法により得られた複数の金属微粉末を
低温プラズマ装置に導入すると、微粉末同士が接触して
接合拡散し、内部まで均質な合金に変化する。このよう
にして不純物の汚染が無く、粒径は微細で極めて表面活
性に富んだ合金微粉末が得られる。
【0009】また別の方法として、上記方法により得ら
れた金属微粉末と、他の金属蒸気とを低温プラズマ反応
させることによっても合金粉末が得られる。不純物の混
入を避けるため、他の金属蒸気は金属化合物からプラズ
マ反応を利用して分解生成させたもの、もしくは還元生
成させたものが好適に利用できる。このようにして得ら
れた合金微粉末も、るつぼからの不純物の汚染が無く、
粒径は微細で極めて表面活性に富んだものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面を使用して本発明の装
置について説明する。図1は本発明の装置の一例を説明
する図であり、浮遊加熱・蒸発法に使用する装置の一例
である。図に示すとおり本発明の浮遊蒸発装置1におい
ては、垂直に配置された反応管2の周囲に下から順番に
浮遊コイル3、加熱コイル4、反撥コイル5が配置して
ある。各コイルは水冷銅管で構成されている。先に図2
において説明したとおり、浮遊コイル3は上方に行くに
従って直径が大きくなり、浮遊コイル3の内面は指数関
数曲面に構成してある。浮遊コイル3の上方には加熱コ
イル4が反応管2に接近して配置してある。さらに加熱
コイル4の上方には反撥コイル5が配置してある。反撥
コイル5はその巻き線の方向が浮遊コイル3とは逆向き
である。浮遊コイル3、加熱コイル4、反撥コイル5は
高周波電源装置6に接続され、それぞれ独立に制御され
た高周波電流が印加できるように構成してある。
【0011】原料の金属粉末は、原料ホッパー8の下部
のオリフィスを通してキャリアガス導入管7に投入さ
れ、アルゴン等の不活性のキャリアガスに搬送されて、
反応管2の下部の原料ガス導入管9から浮遊コイル3の
磁場領域に供給される。浮遊コイル3の磁場領域に供給
された原料金属粉は、ここでローレンツ力を受けて上方
に浮揚する。さらに上方に浮揚しようとすると、反撥コ
イル5により下方に向けたローレンツ力を受けて降下
し、加熱コイル4の領域を浮遊する。原料金属粉はこの
間に急速に加熱され、瞬時に溶融・蒸発する。蒸発した
金属はキャリアガスによって搬送され、高周波コイル帯
域を出たところで凝縮し、キャリアガスで搬送され反応
管2から排出されて捕集装置10に入る。捕集装置10
は流路断面積が広くなっており、キャリアガスの流速が
急速に落ちて金属微粒子が沈下するようになっている。
さらに捕集装置10はサイクロンやバグフィルター等を
組み合わせて金属微粒子を効率的に捕集できる構造とす
ることもできる。捕集装置10を出たキャリアガスは、
除外装置11に入って有害物質やダストを完全に除去し
て無害化した後放出される。
【0012】次に、本発明の装置の他の例を説明する。
図3は2系列の浮遊蒸発装置101、201と低温プラ
ズマ装置30とを組み合わせた合金微粉末製造装置の例
を示す図である。浮遊蒸発装置101、201の構造と
機能は前記説明のとおりである。各浮遊蒸発装置10
1、201によって生成した金属微粉末は、キャリアガ
スに搬送されて、低温プラズマ装置30に連結されたキ
ャリアガス導入管17から、低温プラズマ装置30に導
かれる。低温プラズマ装置30はプラズマ反応管12の
内部を油回転ポンプ15や拡散ポンプ14を使用して
0.1〜10Torr程度まで減圧し、アルゴンガス単独、
窒素、酸素、メタン又はこれらとアルゴンとの混合ガス
等をプラズマガスとして使用し、高周波コイル13に高
周波電流を印加して加熱し、プラズマ反応管12の内部
を400℃以上1000℃以下の温度に維持して、プラ
ズマ状態を発生させるように構成されている。プラズマ
ガスにアルゴン単体を使用するときは純金属が得られ、
窒素を使用する場合は窒化物、酸素を使用する場合は酸
化物、メタンを使用する場合は炭化物がそれぞれ得られ
る。このように本発明によればセラッミクや複合材料の
製造も容易となる。
【0013】プラズマ状態のプラズマ反応管12内に先
の浮遊蒸発装置101、201で得られた金属微粉末が
入ると、微細で表面活性の高い粒子同士が結合して合金
化が進む。合金化は1000℃以下の低温でも急速に進
行する。このようにして合金化した微粉末はキャリアガ
スで搬送されて捕集装置10で捕集される。
【0014】さらに、本発明の装置の別の例を説明す
る。図4は浮遊蒸発装置101と2系列の低温プラズマ
装置301、302とを組み合わせた合金微粉末製造装
置の例を示す図である。ここで低温プラズマ装置301
では金属化合物と還元ガスをプラズマ状態下で還元反応
させ、金属粉末を得るものである。たとえば、加熱昇華
装置308で蒸発させた金属のハロゲン化合物の蒸気
と、キャリアガス導入管307からキャリアガスである
アルゴンガスとともに導入した水素等の還元ガスをプラ
ズマ反応管311に導入し、高周波電流を印加してプラ
ズマ状態にすると水素による還元反応が進行し、金属微
粉末が生成する。このようにして得られた金属微粉末
と、先に浮遊蒸発装置によって得られた金属微粉末を、
別の低温プラズマ装置302に導入してプラズマ状態に
すると、微細で表面活性の高い粒子同士が結合して合金
化が進む。このように本発明では浮遊蒸発法によって得
られた金属微粉末同士を利用して合金化しても良いし、
浮遊蒸発法によって得られた金属微粉末とプラズマ還元
法によって得られた金属微粉末とを利用して合金化する
こともできる。合金元素の数に従って浮遊蒸発装置ある
いはプラズマ還元装置を組み合わせればよい。
【0015】
【作用】本発明は高周波コイルに働くローレンツ力を利
用して金属粒子を浮遊溶融させ、不純物の混入を防止す
ると共に、さらに加熱して蒸発させてガス状とし気相か
ら急冷凝縮させて極めて微細な粒径の金属微粉末を得る
ものである。また、このようにして得られた複数の微粉
末を低温プラズマを利用して合金化するものである。あ
るいはまた浮遊蒸発させて急冷凝縮させた微粉末と低温
プラズマを利用して得た金属蒸気とを低温プラズマを利
用して合金化するものである。
【0016】
【実施例】以下実施例を用いて説明する。 (実施例1)図1に示す装置を利用して銅微粉末を製造
した。粒径0.3mm以下の電解銅粉末を、毎分2,0
00mgの割合で毎分500Nmlのアルゴンガスに搬
送させて図1の反応管2下部の原料供給管9から供給し
た。発信周波数360kHzの高周波電源から、浮遊コ
イル3と反撥コイル5に合わせて5kwの電力を印加
し、加熱コイル4には10kwの電力を印加した。この
結果、原料供給管9から供給された原料銅分は、浮遊コ
イル3内に入り浮上し、反撥コイル5内で逆に浮遊を抑
えられて加熱コイル4内に入り、溶融蒸発して銅蒸気と
なったものが反応管2の上部の高周波コイルから外れた
部分で凝集し、アルゴンガスに搬送されて捕集装置10
で集められた。このようにして得られた銅微粉末は純度
が99.999%で、粒径は0.01〜0.03μmの
高純度微粉末であった。この銅微粉末は活性が高く、導
電ペーストとして好適なものであった。
【0017】(実施例2)次に、図3示す装置を利用し
てFe−Co合金微粉末を製造した。浮遊蒸発装置10
1には純度99.9%、粒径0.3mm以下の電解鉄粉
末を、毎分2,000mgの割合で毎分500Nmlの
アルゴンガスに搬送させて供給した。印加した高周波電
力は実施例1の場合と同様である。浮遊蒸発装置201
には純度99.9%、粒径0.3mm以下の電解コバル
ト粉末を、毎分2,000mgの割合で毎分500Nm
lのアルゴンガスに搬送させて供給した。印加した高周
波電力は浮遊蒸発装置101と同様であった。浮遊蒸発
装置101と浮遊蒸発装置201から排出された、それ
ぞれ鉄微粉末とコバルト微粉末を含むアルゴンガスを低
温プラズマ装置30に供給し、発信周波数360kHz
の高周波電源から2kwの電力を印加した。捕集装置1
0で集められた微粉末は、純度が99.999%で、粒
径は0.01〜0.03μmの高純度Fe−Co合金微
粉末であった。このFe−Co合金微粉末は粒径が細か
く、磁気記録材として好適なものであった。
【0018】(実施例3)図4に示す装置において、原
料金属蒸気発生用の低温プラズマ装置301を2系列設
置してNd−Fe−B合金微粉末を製造した。すなわ
ち、浮遊蒸発装置101には純度99.9%、粒径0.
3mm以下の電解鉄粉末を、毎分2,018.8mgの
割合で毎分500Nmlのアルゴンガスに搬送させて供
給した。印加した高周波電力は実施例1の場合と同様で
ある。その結果、鉄の微粉末を含むアルゴンガスが第3
の低温プラズマ装置に送り込まれた。
【0019】次に、第1の低温プラズマ装置には、30
0Nml/minの塩化ホウ素(BCl3 )ガスと45
0Nml/minの水素(H2 )ガスの混合ガス、及び
キャリアガスとして50Nml/minのアルゴンガス
を供給した。プラズマ反応管には発信周波数360kH
zの高周波電源から1.3kwの電力を印加して、プラ
ズマ反応管の内を圧力3.2Torr、温度を600℃
に維持した。その結果、次式で示される反応に従ってホ
ウ素と塩化水素(HCl)が得られた。 2BCl3 + 3H2 = 6HCl + 2B・・・(1) プラズマ反応管から排出されたホウ素微粒子を含むアル
ゴンガスは冷却装置に導かれ、液体窒素で冷却されて塩
化水素ガスは液化して回収除去された。その結果、ホウ
素微粒子を含むアルゴンガスのみが第3の低温プラズマ
装置に送り込まれた。
【0020】一方、第2の低温プラズマ装置には、塩化
ネオジム(NdCl3 )を加熱昇華させたて気化させた
ガスを44.4Nml/minの割合で100Nml/
minのアルゴンガスをキャリアガスとして供給すると
共に、67.2Nml/minの水素(H2 )ガスを供
給した。プラズマ反応管には発信周波数360kHzの
高周波電源から1.3kwの電力を印加して、プラズマ
反応管の内を圧力0.84Torr、温度を600℃に
維持した。その結果、次式で示される反応に従ってネオ
ジムと塩化水素(HCl)が得られた。 2NdCl3 + 3H2 = 6HCl + 2Nd・・・(2) プラズマ反応管から排出されたネオジム微粒子を含むア
ルゴンガスは冷却装置に導かれ、液体窒素で冷却されて
塩化水素ガスは液化して回収除去された。その結果、ネ
オジム微粒子を含むアルゴンガスのみが第3の低温プラ
ズマ装置に送り込まれた。
【0021】第3の低温プラズマ装置のプラズマ反応管
には、発信周波数360kHzの高周波電源から2kw
の電力を印加して、プラズマ反応管の内を圧力6Tor
r、温度を800℃に維持した。その結果、浮遊蒸発装
置から送られた鉄の微粉末を含むアルゴンガスと、第1
の低温プラズマ装置から送られたホウ素微粒子を含むア
ルゴンガス及び第2の低温プラズマ装置から送られたネ
オジム微粒子を含むアルゴンガスが混合され、プラズマ
雰囲気下で合金化され、捕集装置で集められた微粉末
は、粒径0.01〜0.03μm、純度99.998%
のNd2Fe141合金微粉末であった。このNd2Fe
141合金微粉末は圧粉工程で高充填率が得られ、配向
性も高くボンド磁石にしたところ30MGOeの最大磁
力積の高特性が得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明の金属微粉末の製造方法によれば
粒径が極めて微細で独立した孤立粒子からなり、きわめ
て表面活性に富んだ金属微粉末が得られる。また、本発
明の金属微粉末の製造方法は生成微粒子の活性効果を失
うことなく輸送性に富み、製品化工程への組み込みが容
易である。その結果、製品の高い性能維持が保証され
る。また、本発明によればセラミックや複合材料の製造
も容易となる。本発明により得られる金属微粉末を使用
すれば高純度の合金微粒子及びファインセラミックスが
得られ、これらを利用した微粒子センサー、バルク材表
面改質、磁気記録媒体、各種触媒、ハイパーサーミア用
微粒子、磁性流体等への応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一例を説明する図である。
【図2】図1の装置のコイル部分を拡大して示した図で
ある。
【図3】本発明の装置の他の例を説明する図である。
【図4】本発明の装置の他の例を説明する図である。
【符号の説明】
1,101,201・・・・・浮遊蒸発装置、2,102,
202・・・・・反応管、3,103,203・・・・・浮遊コイ
ル、4,104,204・・・・・加熱コイル、5,10
5,205・・・・・反撥コイル、6・・・・・高周波電源、7,
17,107,207,307・・・・・キャリアガス導入
管、8,108,208・・・・・原料ホッパー、9,10
9,209・・・・・原料ガス導入管、10・・・・・捕集装置、
11・・・・・除害装置、12,311,312・・・・・プラズ
マ反応管、13・・・・・プラズマコイル、14・・・・・拡散ポ
ンプ、15・・・・・油回転ポンプ、16・・・・・バルブ、3
0,301,302・・・・・低温プラズマ装置、308・・・
・・加熱昇華装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K017 AA04 BA03 BA05 BA06 BB06 BB12 CA01 CA08 DA02 EF08 EG01 EK03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料金属を不活性気流中の高周波加熱溶
    融装置内で浮遊溶融させ、次いで蒸発させた後不活性気
    流とともに急冷して凝縮させることを特徴とする金属微
    粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の原料金属を別々に不活性気流中の
    高周波加熱溶融装置内で浮遊溶融させ、次いで蒸発させ
    た後急冷凝縮させ、生成した金属微粉末を含む複数の不
    活性気流を低温プラズマ反応装置に導き、低温プラズマ
    中で複合化することを特徴とする金属微粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 原料金属を不活性気流中の高周波加熱溶
    融装置内で浮遊溶融させ、次いで蒸発させた後不活性気
    流とともに急冷して凝縮させ、凝縮した金属微粉末を含
    む不活性気流を低温プラズマ反応装置に導き、別の低温
    プラズマ中で生成させた他の金属蒸気と混合して、低温
    プラズマ中で合金化することを特徴とする金属微粉末の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 内部に不活性気流を流して垂直に配置し
    た加熱・蒸発管の周囲に、高周波発信器の出力端子に接
    続された同心円状の浮揚コイルと加熱コイルと反撥コイ
    ルを下部から上部に向かってこの順番に順次配置し、反
    応管の一端はキャリアガス供給装置に接続され、反応管
    の他端は粉末捕集装置に接続されており、該浮揚コイル
    は内面がテーパー面ないしは指数関数曲面となるように
    加熱コイルの方向に向かって直径が大きくなり、該加熱
    コイルはコイル直径が一定で浮揚コイルの最大直径より
    も小さな直径を有しており、かつコイルの巻線方向が浮
    揚コイルと同一であり、該反撥コイルは浮揚コイルと巻
    線方向が逆向きであることを特徴とする金属微粉末の製
    造装置。
  5. 【請求項5】 加熱コイルの外側に水平磁場形成用の磁
    石を備えたことを特徴とする請求項4に記載の金属微粉
    末の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の金属微粉末の製造装置
    において、加熱・蒸発管が複数あり、各加熱・蒸発管の
    他端が粉末捕集装置に代えて低温プラズマ反応管の一端
    に接続されており、該低温プラズマ反応管の他端は粉末
    捕集装置に接続されていることを特徴とする金属微粉末
    の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の金属微粉末の製造装置
    において、複数個の加熱・蒸発管の一部を低温プラズマ
    反応管に置換したことを特徴とする金属微粉末の製造装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の製造方法もしくは請求項4ないし請求項7のいずれ
    かに記載の製造装置によって得られた金属微粉末。
  9. 【請求項9】 金属微粉末の純度が4ナイン以上である
    ことを特徴とする請求項8に記載の金属微粉末。
  10. 【請求項10】 前記金属微粉末が鉄−コバルト合金で
    あることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の
    金属微粉末。
  11. 【請求項11】 前記金属微粉末がネオジム−鉄−ボロ
    ン合金であることを特徴とする請求項8または請求項9
    に記載の金属微粉末。
  12. 【請求項12】 前記金属微粉末が銅であることを特徴
    とする請求項8または請求項9に記載の金属微粉末。
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