JP2004091843A - 高純度高融点金属粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、熱プラズマ液滴精錬法による高融点金属粉末の高純度化、球状化において、高純度化後の不純物をより低減すると共に不純物含有量のばらつきを低減し、高純度金属粉末の回収率を向上できる、高純度高融点金属粉末の製造方法を提供するものである。
【解決手段】平均粒径がDaの高融点金属粉末を熱プラズマ炎に導入する高純度高融点金属粉末の製造方法であって、質量分率で全体の90%以上を占める前記高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである高純度高融点金属粉末の製造方法。ここで、Daは10〜260μmであることが好ましい。また、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】平均粒径がDaの高融点金属粉末を熱プラズマ炎に導入する高純度高融点金属粉末の製造方法であって、質量分率で全体の90%以上を占める前記高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである高純度高融点金属粉末の製造方法。ここで、Daは10〜260μmであることが好ましい。また、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金の焼結用原料あるいは化学工業用触媒などに用いる、高純度高融点金属粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業の急速な進展に伴って多くの技術分野で高純度高融点金属材料が求められている。例えば、スパッタリング用ターゲットの分野では、ターゲット材料は高融点金属を主成分とする高純度金属粉末の焼結による製造が最適であることが知られている。加えて、ターゲットの焼結による製造においてはニアネットシェップ製造のために、球状の粉末が求められている。
また、石油の分離精製の反応促進用触媒として、高純度Ruなどの金属の利用が検討されている。その他、導電ペーストや人工臓器の製造などの用途で、高純度かつ球状の高融点金属粉末が求められている。
【0003】
市販されている高融点金属粉末は、鉱石から化学湿式分離精製を繰り返して中間酸化物や化合物を製造し、得られた中間酸化物や化合物を分解、水素還元して製造される。
例えば、高融点金属であるW粉末の製造プロセスは、鉱石から溶媒抽出などの湿式方法によりFe,Al,Siなどの物質を分離して、アンモニウム塩(APT)の結晶とし、これを熱分解してWO3を得る。その酸化物を水素還元してW粉末を製造する。Moの精製もWとほぼ同様のプロセスで製造され、Moアンモニウム塩結晶を熱分解してモリブデン酸化物(MoO3)を製造する。その酸化物の還元により金属粉末を製造する。なお、Taは化学湿式分離により、Ta2O5を得た後、その酸化物の還元によりTa粉末を製造する。また、Ruは分離精製したRuO2の還元によりRu粉末を製造する。
【0004】
上記の方法により得られる高融点金属粉末では純度が十分でないため、高純度高融点金属粉末を得る為には、市販されている高融点金属粉末を用いて、さらに高純度化のための精錬を行うことが必要である。従来行われている精錬方法として、市販の高融点金属粉末をEB溶解などの真空冶金法により高純度化精錬し、そのインゴットを粉砕して高純度高融点金属粉末を製造する方法が知られている。しかしながらこの方法では、高融点金属粉末の高純度化は可能であるものの、インゴットの粉砕により粉末を製造する為、球状の粉末を得ることが出来ない。また、インゴットの粉砕時に不純物が混入しやすいという問題も包含している。
球状の高融点金属粉末を製造する方法としては、プラズマ回転電極法(PREP法)による方法が、提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、PREP法では高純度化精錬の効果が認められない。
【0005】
そこで、高融点金属粉末の高純度化と球状化を同時に実現する方法として、本発明者らは熱プラズマ液滴精錬法を提案した(特許文献2参照。)。この方法では、熱プラズマ炎に高融点金属粉末等を原料粉末として供給し、熱プラズマ炎を通過しながら、原料粉末の高純度化と球状化を同時に実現することが可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−173704号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001−20065号公報(第4−5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の熱プラズマ液滴精錬法では、高融点金属粉末の高純度化、球状化が可能であるものの、高純度化の効率を向上する課題が残されている。具体的には、熱プラズマ液滴精錬法では、原料粉末として用いる高融点金属粉末によって、高純度化後の金属粉末における不純物の低減の程度が異なるという課題を包含している。加えて、熱プラズマ炎に供給した原料粉末の重量に対する、高純度化後に回収できる金属粉末の重量、すなわち高純度化前後での金属粉末の回収率も用いる原料粉末によって異なるという課題を包含している。
【0008】
本発明は、熱プラズマ液滴精錬法による高融点金属粉末の高純度化、球状化において、高純度化後の不純物をより低減すると共に不純物含有量のばらつきを低減し、高純度金属粉末の回収率を向上できる、高純度高融点金属粉末の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、熱プラズマ液滴精錬法に原料粉末として使用する高融点金属粉末の粒径分布の制御により、高純度化効果を飛躍的に向上し、高純度高融点金属粉末の回収率を改善できることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、平均粒径がDaの高融点金属粉末を熱プラズマ炎に導入する高純度高融点金属粉末の製造方法であって、質量分率で全体の90%以上を占める前記高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである高純度高融点金属粉末の製造方法である。Daは10〜260μmであることが好ましい。
また、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
また、高純度高融点金属粉末の酸素含有量が100ppm以下、ガス成分を除いた純度が99.999質量%以上であることが好ましい。
また、熱プラズマ炎に水素ガスを導入することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の最大の特徴は、原料粉末として熱プラズマ炎に導入する高融点金属粉末として、予め分級等により粒径分布を一定範囲に調整した高融点金属粉末を用いることである。
熱プラズマ液滴精錬法では、熱プラズマ炎中に導入された原料粉末は溶融した後、自身の表面張力により球状化して球状の液滴を形成し、この液滴が熱プラズマ炎の外で冷却、凝固し球状の金属粉末を形成する。この間に、原料粉末に含まれる不純物が、高温の熱プラズマ炎(5000℃以上)により蒸発することにより、金属粉末の高純度化を実現する。
【0012】
本発明者らは、この熱プラズマ液滴精錬法においては、原料粉末中の不純物の低減と金属粉末の回収率に対して、熱プラズマ炎中での原料粉末(液滴)の到達温度を、全ての原料粉末(液滴)について、できるだけ一定とすることが重要であることを想到した。そして、これを具体的に行う方法として、原料粉末である高融点金属粉末の粒径分布を一定範囲に調整することが有効であることを見出した。以下にこの知見について詳細に述べる。
【0013】
先ず、熱プラズマ炎中に導入した原料粉末において、加熱不足の原料粉末が存在すると、原料粉末(液滴)が完全に溶融しなかったり、あるいは不純物を蒸発できる温度にまで到達できない等の理由により、十分な精錬効果が得られない場合を生じる。
一方、加熱が過剰な原料粉末が存在すると、不純物の蒸発のみならずマトリックスである高融点金属粉末の蒸発も多くなり、金属粉末の回収率が下がる。また、蒸発した金属は微粉末として凝固する為、金属球に微粉末が混入することになる。混入した微粉末は金属球の表面に付着するが、微粉末は粒径の大きい粉末と比べて活性である為酸化等を生じやすく、その結果、高純度高融点金属粉末の純度を低下させる場合がある。
従って、原料粉末の高純度化を達成し、金属粉末の回収率を向上するには熱プラズマ炎中での原料粉末(液滴)の到達温度を全ての原料粉末(液滴)について、できるだけ一定とすることが重要である。
【0014】
一定の熱プラズマ処理条件において、粒径分布の広い原料粉末を熱プラズマ炎中に導入する場合、熱プラズマ炎中での単位体積あたりの受熱度合いが原料粉末(液滴)によって異なることになる。すなわち、大きい粒径の原料粉末では加熱不足となり、逆に小さい粒径の原料粉末では加熱過剰となる。
処理粒子の粒径分布を狭い範囲に制御し、それに整合した熱プラズマ処理条件を採用することで、原料粉末の加熱不足・過剰を減少できるため、液滴精錬の高純度化効果を飛躍的に向上することができる。同時に、マトリックスである高融点金属粉末の蒸発を抑制できるので、金属粉末の回収歩留まりも向上することができる。
【0015】
理想的には、全ての粒子の粒径が一定である原料粉末を採用する場合、高純度化効果、金属粉末の回収率は最も高く、粒径分布の範囲が広がることにより、高純度化効果は次第に低減する。
実際には、原料粉末の粒径分布において、平均粒径をDaとした場合に、粒径が0.8Da〜1.2Da範囲である粒子が質量分率で90%以上を占める場合には、それに合わせて熱プラズマ炎等の処理条件を設定することにより、高い精錬効果と回収歩留まりを得ることができる。この範囲を超えて原料粉末の粒径分布が広くなると、精錬効果、回収歩留まりともに急激に低下する。
【0016】
従って、本発明では原料粉末である高融点金属粉末の粒径分布を、質量分率で全体の90%以上を占める高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daとする。
望ましくは、質量分率で全体の98%以上を占める高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである。
本発明の製造方法に用いる高融点金属粉末は、市販されている高融点金属粉末をふるい等により分級して得ることが出来る。
【0017】
本発明では原料粉末には、平均粒径Daが10〜260μmである高融点金属粉末を用いることが好ましい。
原料粉末である高融点金属粉末が細かくなると、熱プラズマ炎に導入する前の高融点金属粉末が凝集しやすくなる。一旦、高融点金属粉末が凝集すると、熱プラズマ炎中では分散し難く、実質的に粒径が平均粒径から大きくはずれた金属粉末を用いるのと同じになってしまう。また、平均粒径が小さいほど、熱プラズマ炎の発生条件等の処理条件についての最適化が困難となるので、高融点金属粉末の平均粒径が小さすぎると、精錬効果、回収歩留まりとも低下し易い。
Daが10μm以上であれば、上記の問題を生じ難く好ましい。より望ましくは15μm以上である。
【0018】
一方、平均粒径Daの増大に伴って、熱プラズマ炎中に飛行期間での完全加熱が困難になり、精錬効果が低減する。本発明者らの検討によれば、Daは260μm以下の場合、熱プラズマ炎中で十分な高純度化の効果を達成することができる。よって、Daは260μm以下とすることが好ましい。望ましくは200μm以下である。
【0019】
本発明では、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
既に述べたように、熱プラズマ液滴精錬では熱プラズマ炎中での低融点不純物の蒸発を通じて高純度化精錬を実現する。従って、マトリックスである高融点金属粉末の融点が高いほど、精錬温度でのマトリックス元素と不純物元素の蒸気圧差を大きくすることが可能であり、高純度化効果が大きくなる。本発者らの検討では、融点がFeの融点(1538℃)以上の高融点金属元素に対して有効であるが、特にW、Ta、Mo、Ruに有効である。
【0020】
このような方法で、製造した高融点金属粉末は、酸素含有量が100ppm以下、高純度高融点金属粉末の純度がガス分を除いた純度で99.999質量%以上を実現できる。このように、高純度化を達成し、さらに球状化された高純度高融点金属粉末は、ターゲット材に用いる粉末材料として好ましい。
【0021】
本発明では、熱プラズマ炎に水素ガスを導入することが好ましい。既に述べたように熱プラズマ炎を用いた場合、不純物元素の蒸発により高融点金属粉末の高純度化を達成することが出来るが、さらに水素ガスを導入することで、酸素等の不純物をより低減できることができる。加えて、水素ガスにより熱プラズマ炎の状態を制御することができる。さらにプラズマの熱伝導率も制御できるため、平均粒径Daに合わせて、液滴精錬の最適状態に制御することが可能となる。
【0022】
本発明に適用することができる、熱プラズマ炎には代表的なものとしてDCプラズマ、RFプラズマがあるが、本発明にはRFプラズマを用いることが好ましい。RFプラズマは、DCプラズマと異なり、電極が不要で、電極材料等に起因する不純物の混入の少ない為である。
【0023】
本願発明の製造方法は例えば図5に示す装置により実施することが出来る。
図5において、水冷管10により冷却されているRFプラズマトーチ8は、プラズマ動作ガス供給装置11によりプラズマ動作ガス供給位置6から供給されるプラズマ動作ガスと、コイル7から発生する高周波エネルギにより熱プラズマ炎3を発生する。
原料供給装置1(例えば電磁振動原料供給装置)に投入された高融点金属粉末は、キャリアガスと共に原料供給位置2より熱プラズマ炎3内部の高温部(5000〜10000℃)に投入される。熱プラズマ炎中に投入された原料粉末は瞬時に溶融し、表面張力により球状となる。
【0024】
熱プラズマ炎の上流側に位置する原料供給位置2から供給された原料粉末は、十分に加熱、溶融された状態で水素ガスを含有する精錬効果の高いプラズマ部分を通過し、不純物元素が低減される。
熱プラズマ炎内で処理された金属粉末はチャンバ4中を落下しながら不活性ガス雰囲気中で凝固し、高純度高融点金属粉末9として下部の金属粉末回収部5に集められ、回収される。
以上のようにして、球状の高純度高融点金属粉末を効率的に製造することができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
網目サイズの異なるふるいを用いて分級を行った二種類の粒径分布のTa金属粉末(平均粒径Daが75μm)をTa原料粉末として、図5に示す装置を用い、高純度高融点金属粉末であるTa粉末を製造した。また、比較の為、分級を行っていない市販されているままのTa原料粉末を用いて同様に高純度高融点金属粉末の製造を行った。
Ta原料粉末の粒径分布を表1に、粒径分布以外の製造条件を表2に示す。なお、本発明例において、粒径分布の測定は日機装(株)製のレーザ光粒度分布測定装置であるマイクロトラックMT3000を用いて行った。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
製造終了後に装置の金属粉末回収部に回収することが出来たTa粉末の重量を、熱プラズマ炎中に導入したTa原料粉末の重量と比較し、Ta粉末の回収歩留まりを算出した。また、回収したTa粉末について、グロー放電質量分析法(GD−MS)によりTa、及び代表的な不純物の含有量を測定した。加えて、走査電子顕微鏡(SEM)により回収したTa粉末の形状の比較を行った。
Ta粉末の回収歩留まり、及びGD−MSによる測定の結果を表3に、Ta粉末の形状を図1〜3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3に示すように平均粒径が75μmのTa粉末において、質量分率で全体の90%以上を占めるTa粉末の粒径が60〜90μmを達成している本発明例1、2では、Ta原料粉末の純度が3Nであるのに対し、回収されたTa粉末の純度において何れも5Nを達成している。本発明例1、2のTa粉末の純度は、分級を行っていない比較例と比べても一桁高い値となっている。
【0031】
また図1〜3に示すTa粉末の形状においても、比較例である図3では、殆ど溶融していないTa粉末が多く見られるのに対して、本発明例1、2である図1、2では何れのTa粉末もほぼ球形をしており、熱プラズマ炎中において十分溶融していることが分かる。特に分級が十分に行われている本発明例1では、球状化の程度が高い。図1、2に示す形状、及び表3に示す純度、回収歩留まりのデータと併せ、本発明の製造方法によれば、Ta粉末は熱プラズマ炎中において均一、かつ十分に溶融していることが分かる。
【0032】
(実施例2)
ふるいを用いた分級により、平均粒径Daを81μm、粒径65〜97μm(0.8Da〜1.2Da)粉末の質量分率を96%に調整したRu金属粉末をRu原料粉末として、図5に示す装置を用い、表4に示す製造条件により高純度高融点金属粉末であるRu粉末を製造した。なお、粒径分布の測定は実施例1と同様の方法で行った。
【0033】
【表4】
【0034】
製造終了後に装置の金属粉末回収部に回収することが出来たRu粉末について、実施例1と同様の評価を行った。Ru粉末の回収歩留まり、及びGD−MSによる測定の結果を表5に、Ru粉末の形状を図4に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
表5示すようにRu粉末においても、平均粒径が81μm、質量分率で全体の90%以上を占めるRu粉末の粒径が65〜97μmを達成している本発明例3では、Ru原料粉末の純度が3Nであるのに対し、回収されたRu粉末の純度において5Nとなっており、高純度化が十分に達成されている。
【0037】
また図4に示す球状化後のRu粉末の形状においても、未溶融のRu粉末は見られず、何れのRu粉末も、ほぼ球形をしており、熱プラズマ炎中において十分溶融していることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、熱プラズマ液滴精錬法による高融点金属粉末の高純度化、球状化において、高純度化後の不純物をより低減すると共に不純物含有量のばらつきを低減し、高純度金属粉末の回収率を向上できる。したがって本発明の高純度高融点金属粉末の製造方法は、スパッタリング用ターゲット等に用いられる高純度高融点金属材料を工業的に製造するにおいて非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図2】本発明例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図3】比較例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図4】本発明例によるRu粉末の形状を示す模式図である。
【図5】本発明の製造方法を実施する製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.原料供給装置、2.原料供給位置、3.熱プラズマ炎、4.チャンバ、5.金属粉末回収部、6.プラズマ動作ガス供給位置、7.コイル、8.RFプラズマトーチ、9.高純度高融点金属粉末、10.水冷管、11.プラズマ動作ガス供給装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末冶金の焼結用原料あるいは化学工業用触媒などに用いる、高純度高融点金属粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業の急速な進展に伴って多くの技術分野で高純度高融点金属材料が求められている。例えば、スパッタリング用ターゲットの分野では、ターゲット材料は高融点金属を主成分とする高純度金属粉末の焼結による製造が最適であることが知られている。加えて、ターゲットの焼結による製造においてはニアネットシェップ製造のために、球状の粉末が求められている。
また、石油の分離精製の反応促進用触媒として、高純度Ruなどの金属の利用が検討されている。その他、導電ペーストや人工臓器の製造などの用途で、高純度かつ球状の高融点金属粉末が求められている。
【0003】
市販されている高融点金属粉末は、鉱石から化学湿式分離精製を繰り返して中間酸化物や化合物を製造し、得られた中間酸化物や化合物を分解、水素還元して製造される。
例えば、高融点金属であるW粉末の製造プロセスは、鉱石から溶媒抽出などの湿式方法によりFe,Al,Siなどの物質を分離して、アンモニウム塩(APT)の結晶とし、これを熱分解してWO3を得る。その酸化物を水素還元してW粉末を製造する。Moの精製もWとほぼ同様のプロセスで製造され、Moアンモニウム塩結晶を熱分解してモリブデン酸化物(MoO3)を製造する。その酸化物の還元により金属粉末を製造する。なお、Taは化学湿式分離により、Ta2O5を得た後、その酸化物の還元によりTa粉末を製造する。また、Ruは分離精製したRuO2の還元によりRu粉末を製造する。
【0004】
上記の方法により得られる高融点金属粉末では純度が十分でないため、高純度高融点金属粉末を得る為には、市販されている高融点金属粉末を用いて、さらに高純度化のための精錬を行うことが必要である。従来行われている精錬方法として、市販の高融点金属粉末をEB溶解などの真空冶金法により高純度化精錬し、そのインゴットを粉砕して高純度高融点金属粉末を製造する方法が知られている。しかしながらこの方法では、高融点金属粉末の高純度化は可能であるものの、インゴットの粉砕により粉末を製造する為、球状の粉末を得ることが出来ない。また、インゴットの粉砕時に不純物が混入しやすいという問題も包含している。
球状の高融点金属粉末を製造する方法としては、プラズマ回転電極法(PREP法)による方法が、提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、PREP法では高純度化精錬の効果が認められない。
【0005】
そこで、高融点金属粉末の高純度化と球状化を同時に実現する方法として、本発明者らは熱プラズマ液滴精錬法を提案した(特許文献2参照。)。この方法では、熱プラズマ炎に高融点金属粉末等を原料粉末として供給し、熱プラズマ炎を通過しながら、原料粉末の高純度化と球状化を同時に実現することが可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−173704号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001−20065号公報(第4−5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の熱プラズマ液滴精錬法では、高融点金属粉末の高純度化、球状化が可能であるものの、高純度化の効率を向上する課題が残されている。具体的には、熱プラズマ液滴精錬法では、原料粉末として用いる高融点金属粉末によって、高純度化後の金属粉末における不純物の低減の程度が異なるという課題を包含している。加えて、熱プラズマ炎に供給した原料粉末の重量に対する、高純度化後に回収できる金属粉末の重量、すなわち高純度化前後での金属粉末の回収率も用いる原料粉末によって異なるという課題を包含している。
【0008】
本発明は、熱プラズマ液滴精錬法による高融点金属粉末の高純度化、球状化において、高純度化後の不純物をより低減すると共に不純物含有量のばらつきを低減し、高純度金属粉末の回収率を向上できる、高純度高融点金属粉末の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、熱プラズマ液滴精錬法に原料粉末として使用する高融点金属粉末の粒径分布の制御により、高純度化効果を飛躍的に向上し、高純度高融点金属粉末の回収率を改善できることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、平均粒径がDaの高融点金属粉末を熱プラズマ炎に導入する高純度高融点金属粉末の製造方法であって、質量分率で全体の90%以上を占める前記高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである高純度高融点金属粉末の製造方法である。Daは10〜260μmであることが好ましい。
また、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
また、高純度高融点金属粉末の酸素含有量が100ppm以下、ガス成分を除いた純度が99.999質量%以上であることが好ましい。
また、熱プラズマ炎に水素ガスを導入することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の最大の特徴は、原料粉末として熱プラズマ炎に導入する高融点金属粉末として、予め分級等により粒径分布を一定範囲に調整した高融点金属粉末を用いることである。
熱プラズマ液滴精錬法では、熱プラズマ炎中に導入された原料粉末は溶融した後、自身の表面張力により球状化して球状の液滴を形成し、この液滴が熱プラズマ炎の外で冷却、凝固し球状の金属粉末を形成する。この間に、原料粉末に含まれる不純物が、高温の熱プラズマ炎(5000℃以上)により蒸発することにより、金属粉末の高純度化を実現する。
【0012】
本発明者らは、この熱プラズマ液滴精錬法においては、原料粉末中の不純物の低減と金属粉末の回収率に対して、熱プラズマ炎中での原料粉末(液滴)の到達温度を、全ての原料粉末(液滴)について、できるだけ一定とすることが重要であることを想到した。そして、これを具体的に行う方法として、原料粉末である高融点金属粉末の粒径分布を一定範囲に調整することが有効であることを見出した。以下にこの知見について詳細に述べる。
【0013】
先ず、熱プラズマ炎中に導入した原料粉末において、加熱不足の原料粉末が存在すると、原料粉末(液滴)が完全に溶融しなかったり、あるいは不純物を蒸発できる温度にまで到達できない等の理由により、十分な精錬効果が得られない場合を生じる。
一方、加熱が過剰な原料粉末が存在すると、不純物の蒸発のみならずマトリックスである高融点金属粉末の蒸発も多くなり、金属粉末の回収率が下がる。また、蒸発した金属は微粉末として凝固する為、金属球に微粉末が混入することになる。混入した微粉末は金属球の表面に付着するが、微粉末は粒径の大きい粉末と比べて活性である為酸化等を生じやすく、その結果、高純度高融点金属粉末の純度を低下させる場合がある。
従って、原料粉末の高純度化を達成し、金属粉末の回収率を向上するには熱プラズマ炎中での原料粉末(液滴)の到達温度を全ての原料粉末(液滴)について、できるだけ一定とすることが重要である。
【0014】
一定の熱プラズマ処理条件において、粒径分布の広い原料粉末を熱プラズマ炎中に導入する場合、熱プラズマ炎中での単位体積あたりの受熱度合いが原料粉末(液滴)によって異なることになる。すなわち、大きい粒径の原料粉末では加熱不足となり、逆に小さい粒径の原料粉末では加熱過剰となる。
処理粒子の粒径分布を狭い範囲に制御し、それに整合した熱プラズマ処理条件を採用することで、原料粉末の加熱不足・過剰を減少できるため、液滴精錬の高純度化効果を飛躍的に向上することができる。同時に、マトリックスである高融点金属粉末の蒸発を抑制できるので、金属粉末の回収歩留まりも向上することができる。
【0015】
理想的には、全ての粒子の粒径が一定である原料粉末を採用する場合、高純度化効果、金属粉末の回収率は最も高く、粒径分布の範囲が広がることにより、高純度化効果は次第に低減する。
実際には、原料粉末の粒径分布において、平均粒径をDaとした場合に、粒径が0.8Da〜1.2Da範囲である粒子が質量分率で90%以上を占める場合には、それに合わせて熱プラズマ炎等の処理条件を設定することにより、高い精錬効果と回収歩留まりを得ることができる。この範囲を超えて原料粉末の粒径分布が広くなると、精錬効果、回収歩留まりともに急激に低下する。
【0016】
従って、本発明では原料粉末である高融点金属粉末の粒径分布を、質量分率で全体の90%以上を占める高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daとする。
望ましくは、質量分率で全体の98%以上を占める高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daである。
本発明の製造方法に用いる高融点金属粉末は、市販されている高融点金属粉末をふるい等により分級して得ることが出来る。
【0017】
本発明では原料粉末には、平均粒径Daが10〜260μmである高融点金属粉末を用いることが好ましい。
原料粉末である高融点金属粉末が細かくなると、熱プラズマ炎に導入する前の高融点金属粉末が凝集しやすくなる。一旦、高融点金属粉末が凝集すると、熱プラズマ炎中では分散し難く、実質的に粒径が平均粒径から大きくはずれた金属粉末を用いるのと同じになってしまう。また、平均粒径が小さいほど、熱プラズマ炎の発生条件等の処理条件についての最適化が困難となるので、高融点金属粉末の平均粒径が小さすぎると、精錬効果、回収歩留まりとも低下し易い。
Daが10μm以上であれば、上記の問題を生じ難く好ましい。より望ましくは15μm以上である。
【0018】
一方、平均粒径Daの増大に伴って、熱プラズマ炎中に飛行期間での完全加熱が困難になり、精錬効果が低減する。本発明者らの検討によれば、Daは260μm以下の場合、熱プラズマ炎中で十分な高純度化の効果を達成することができる。よって、Daは260μm以下とすることが好ましい。望ましくは200μm以下である。
【0019】
本発明では、高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることが好ましい。
既に述べたように、熱プラズマ液滴精錬では熱プラズマ炎中での低融点不純物の蒸発を通じて高純度化精錬を実現する。従って、マトリックスである高融点金属粉末の融点が高いほど、精錬温度でのマトリックス元素と不純物元素の蒸気圧差を大きくすることが可能であり、高純度化効果が大きくなる。本発者らの検討では、融点がFeの融点(1538℃)以上の高融点金属元素に対して有効であるが、特にW、Ta、Mo、Ruに有効である。
【0020】
このような方法で、製造した高融点金属粉末は、酸素含有量が100ppm以下、高純度高融点金属粉末の純度がガス分を除いた純度で99.999質量%以上を実現できる。このように、高純度化を達成し、さらに球状化された高純度高融点金属粉末は、ターゲット材に用いる粉末材料として好ましい。
【0021】
本発明では、熱プラズマ炎に水素ガスを導入することが好ましい。既に述べたように熱プラズマ炎を用いた場合、不純物元素の蒸発により高融点金属粉末の高純度化を達成することが出来るが、さらに水素ガスを導入することで、酸素等の不純物をより低減できることができる。加えて、水素ガスにより熱プラズマ炎の状態を制御することができる。さらにプラズマの熱伝導率も制御できるため、平均粒径Daに合わせて、液滴精錬の最適状態に制御することが可能となる。
【0022】
本発明に適用することができる、熱プラズマ炎には代表的なものとしてDCプラズマ、RFプラズマがあるが、本発明にはRFプラズマを用いることが好ましい。RFプラズマは、DCプラズマと異なり、電極が不要で、電極材料等に起因する不純物の混入の少ない為である。
【0023】
本願発明の製造方法は例えば図5に示す装置により実施することが出来る。
図5において、水冷管10により冷却されているRFプラズマトーチ8は、プラズマ動作ガス供給装置11によりプラズマ動作ガス供給位置6から供給されるプラズマ動作ガスと、コイル7から発生する高周波エネルギにより熱プラズマ炎3を発生する。
原料供給装置1(例えば電磁振動原料供給装置)に投入された高融点金属粉末は、キャリアガスと共に原料供給位置2より熱プラズマ炎3内部の高温部(5000〜10000℃)に投入される。熱プラズマ炎中に投入された原料粉末は瞬時に溶融し、表面張力により球状となる。
【0024】
熱プラズマ炎の上流側に位置する原料供給位置2から供給された原料粉末は、十分に加熱、溶融された状態で水素ガスを含有する精錬効果の高いプラズマ部分を通過し、不純物元素が低減される。
熱プラズマ炎内で処理された金属粉末はチャンバ4中を落下しながら不活性ガス雰囲気中で凝固し、高純度高融点金属粉末9として下部の金属粉末回収部5に集められ、回収される。
以上のようにして、球状の高純度高融点金属粉末を効率的に製造することができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
網目サイズの異なるふるいを用いて分級を行った二種類の粒径分布のTa金属粉末(平均粒径Daが75μm)をTa原料粉末として、図5に示す装置を用い、高純度高融点金属粉末であるTa粉末を製造した。また、比較の為、分級を行っていない市販されているままのTa原料粉末を用いて同様に高純度高融点金属粉末の製造を行った。
Ta原料粉末の粒径分布を表1に、粒径分布以外の製造条件を表2に示す。なお、本発明例において、粒径分布の測定は日機装(株)製のレーザ光粒度分布測定装置であるマイクロトラックMT3000を用いて行った。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
製造終了後に装置の金属粉末回収部に回収することが出来たTa粉末の重量を、熱プラズマ炎中に導入したTa原料粉末の重量と比較し、Ta粉末の回収歩留まりを算出した。また、回収したTa粉末について、グロー放電質量分析法(GD−MS)によりTa、及び代表的な不純物の含有量を測定した。加えて、走査電子顕微鏡(SEM)により回収したTa粉末の形状の比較を行った。
Ta粉末の回収歩留まり、及びGD−MSによる測定の結果を表3に、Ta粉末の形状を図1〜3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
表3に示すように平均粒径が75μmのTa粉末において、質量分率で全体の90%以上を占めるTa粉末の粒径が60〜90μmを達成している本発明例1、2では、Ta原料粉末の純度が3Nであるのに対し、回収されたTa粉末の純度において何れも5Nを達成している。本発明例1、2のTa粉末の純度は、分級を行っていない比較例と比べても一桁高い値となっている。
【0031】
また図1〜3に示すTa粉末の形状においても、比較例である図3では、殆ど溶融していないTa粉末が多く見られるのに対して、本発明例1、2である図1、2では何れのTa粉末もほぼ球形をしており、熱プラズマ炎中において十分溶融していることが分かる。特に分級が十分に行われている本発明例1では、球状化の程度が高い。図1、2に示す形状、及び表3に示す純度、回収歩留まりのデータと併せ、本発明の製造方法によれば、Ta粉末は熱プラズマ炎中において均一、かつ十分に溶融していることが分かる。
【0032】
(実施例2)
ふるいを用いた分級により、平均粒径Daを81μm、粒径65〜97μm(0.8Da〜1.2Da)粉末の質量分率を96%に調整したRu金属粉末をRu原料粉末として、図5に示す装置を用い、表4に示す製造条件により高純度高融点金属粉末であるRu粉末を製造した。なお、粒径分布の測定は実施例1と同様の方法で行った。
【0033】
【表4】
【0034】
製造終了後に装置の金属粉末回収部に回収することが出来たRu粉末について、実施例1と同様の評価を行った。Ru粉末の回収歩留まり、及びGD−MSによる測定の結果を表5に、Ru粉末の形状を図4に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
表5示すようにRu粉末においても、平均粒径が81μm、質量分率で全体の90%以上を占めるRu粉末の粒径が65〜97μmを達成している本発明例3では、Ru原料粉末の純度が3Nであるのに対し、回収されたRu粉末の純度において5Nとなっており、高純度化が十分に達成されている。
【0037】
また図4に示す球状化後のRu粉末の形状においても、未溶融のRu粉末は見られず、何れのRu粉末も、ほぼ球形をしており、熱プラズマ炎中において十分溶融していることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、熱プラズマ液滴精錬法による高融点金属粉末の高純度化、球状化において、高純度化後の不純物をより低減すると共に不純物含有量のばらつきを低減し、高純度金属粉末の回収率を向上できる。したがって本発明の高純度高融点金属粉末の製造方法は、スパッタリング用ターゲット等に用いられる高純度高融点金属材料を工業的に製造するにおいて非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図2】本発明例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図3】比較例によるTa粉末の形状を示す模式図である。
【図4】本発明例によるRu粉末の形状を示す模式図である。
【図5】本発明の製造方法を実施する製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.原料供給装置、2.原料供給位置、3.熱プラズマ炎、4.チャンバ、5.金属粉末回収部、6.プラズマ動作ガス供給位置、7.コイル、8.RFプラズマトーチ、9.高純度高融点金属粉末、10.水冷管、11.プラズマ動作ガス供給装置
Claims (5)
- 平均粒径がDaの高融点金属粉末を熱プラズマ炎に導入する高純度高融点金属粉末の製造方法であって、質量分率で全体の90%以上を占める前記高融点金属粉末の粒径が0.8Da〜1.2Daであることを特徴とする高純度高融点金属粉末の製造方法。
- Daは10〜260μmであることを特徴とする請求項1に記載の高純度高融点金属粉末の製造方法。
- 高融点金属粉末はW、Ta、RuまたはMoの何れかであることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度高融点金属粉末の製造方法。
- 高純度高融点金属粉末の酸素含有量が100ppm以下、ガス成分を除いた純度が99.999質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の高純度高融点金属粉末の製造方法。
- 熱プラズマ炎に水素ガスを導入することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の高純度高融点金属粉末の製造方法。
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