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JP2001048805A - 骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガンを治療し予防する治療薬 - Google Patents

骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガンを治療し予防する治療薬

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Publication number
JP2001048805A
JP2001048805A JP2000222159A JP2000222159A JP2001048805A JP 2001048805 A JP2001048805 A JP 2001048805A JP 2000222159 A JP2000222159 A JP 2000222159A JP 2000222159 A JP2000222159 A JP 2000222159A JP 2001048805 A JP2001048805 A JP 2001048805A
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JP
Japan
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cardiovascular disease
warfarin
treating
acid
propranolol
Prior art date
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JP2000222159A
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English (en)
Inventor
Julia Yu Li
リ・ジュリア・ユ
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Pfizer Products Inc
Original Assignee
Pfizer Products Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガンを治
療し予防する治療薬を提供する。 【解決手段】 ワーファリンまたはプロプラノロールに
よる治療をうけているヒト患者のワーファリンまたはプ
ロプラノロールの作用に影響を与えることなく骨粗鬆
症、心臓血管疾患および胸部ガンを治療し予防する治療
薬であって、薬学的に有効量のエストロゲンアゴニスト
を含む治療薬である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エストロゲンアゴ
ニスト、及びそれらの薬学的使用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然エストロゲン、及び「エストロゲン
活性」を示す合成組成物の価値は、それらの医学的使用
及び治療的使用において見出されて来た。エストロゲン
単独又は他の活性薬剤との組合せによる治療的用途の伝
統的なものとしては:経口避妊;閉経症状;切迫又は習
慣性流産の予防;月経困難症の解消;機能不全性子宮出
血の解消;卵巣成長の促進;ざ瘡の治療;女性における
体毛過多(多毛症)の減少;心臓血管疾患の予防;骨粗
鬆症の治療;前立腺癌の治療;及び産褥乳汁分泌の抑制
[Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis Of
Therapeutics (Seventh Edition) Macmillan Publishi
ng Company, 1985, pages 1421-1423]が挙げられる。
而して、新規に合成される組成物と、エストロゲン反応
性組織においてエストロゲンと類似した作用を示すこと
ができる明らかにエストロゲン様である既に知られてい
る化合物のための新しい使用とを発見しようとする興味
が大きくなっている。
【0003】ヒトの疾患及び特定の病理学的状態を治療
するのに有用な新規な薬剤を開発することに関心を持つ
薬理学者の観点からすれば、いくつかの明らかなエスト
ロゲン様機能を有するが、増殖性の副作用が全く無い化
合物を製造することは最も重要である。この後者の観点
の例として、骨が次第に脆弱になって行く骨粗鬆症は、
完全に活性なエストロゲンを用いることによって大いに
改善される;しかしながら、長期にわたって活性エスト
ロゲンで治療された患者では子宮癌の危険性の増大が認
められるので、長期間、完全に活性なエストロゲンで、
無傷の(intact)女性の骨粗鬆症を治療するのは、臨床
的には賢明ではない。而して、エストロゲンアゴニスト
は第一の関心及び目的である。
【0004】骨粗鬆症は、低い骨質量と骨組織の悪化と
によって特徴付けられる全身性骨格疾患であり、骨が脆
弱になり、骨折し易くなる。米国では、2,500万人
を超える人たちがその状態にあって、脊椎骨折500,
000人、股関節部(hip)骨折250,000人、及
び手首の骨折240,000人を含む毎年130万人を
超える人たちが骨折している。これらに掛かる国の費用
は100億ドルを超えている。その中でも股関節部骨折
は最も深刻であり、患者の5 〜 20%の患者は一年以
内に死亡し、生存者の50%超は機能不全となる。
【0005】高齢者は最も骨粗鬆症に罹患する危険性が
高いので、人口の加齢と共に骨粗鬆症の問題が有意に大
きくなって来ることが予測される。全世界での骨折頻度
は、次の60年で3倍に増加することが予想され、ある
研究では、2050年には全世界で股関節部骨折者数は
450万人であると見積もられている。
【0006】女性は男性に比べて骨粗鬆症の危険性が高
い。女性は、閉経後5年の間に骨質量損失の急激な促進
を経験する。危険性を増加させる他の因子としては、喫
煙、アルコール乱用、運動不足、及びカルシウム摂取不
足が挙げられる。
【0007】エストロゲンは、女性における骨粗鬆症又
は閉経後骨損失を予防する場合の選択剤であり;明らか
に骨折を減少させる唯一の治療である。しかしながら、
エストロゲンは、子宮を刺激し、卵巣癌の危険性の増大
と関連がある。卵巣癌の危険は、プロゲストゲンと同時
に使用することによって低下すると考えられるが、エス
トロゲンの使用によって肺癌の危険性が増加する可能性
があることについては関心が払われている。
【0008】カルシトニン、エストロゲン(逆作用のプ
ロゲスチンと一緒に又は単独で)、及びビスホスホネー
トの3組の薬剤が、女性の骨粗鬆症を予防するとして米
国で現在認可されている。カルシトニンは、閉経後の骨
損失を予防し、鎮痛薬効果を提供することが分かった。
しかしながら、カルシトニンの使用は、高コスト、非経
口送達、及びタキフィラキシーによって制限される。ビ
スホスホネートは、骨粗鬆症の治療用として最近認可さ
れ、骨折の減少に良好な有効性を示すが、心血管系又は
乳癌に関して有益な効果を有しない。臨床上、閉経後の
女性におけるエストロゲン代償療法は、骨代謝回転を低
下させ、脊椎骨及び股関節部の骨折の頻度を約50%だ
け減少させ、虚血性心疾患の発生を最大50%まで減少
させることにおいて、及び更年期症状を緩和させること
において有効である。
【0009】股関節部の骨折の1/3は男性で起こる
が、高齢の男性にエストロゲンを使用するのは不適当で
ある。男性における骨粗鬆症のための新しい療法に関し
ては医学上大きなニーズが存在する。
【0010】Black ら による欧州特許0605193
A1では、エストロゲンは、特に経口投与する場合に
は、LDLの血漿レベルを低下させ、有益な高密度リポ
蛋白質(HDL's)の血漿レベルを上昇させることが
報告されている。しかしながら、長期のエストロゲン療
法は、子宮癌及び恐らく乳癌の危険性の増大及び様々な
障害と関連があり、多くの女性はこの療法を避けてき
た。例えばプロゲストゲンとエストロゲンとの組合せを
投与するような癌の危険性を低下させる最近提案された
は治療法によって、患者は看過できない出血を経験す
る。更に、プロゲステロンとエストロゲンとの組合せ
は、エストロゲンの血清コレステロール低下効果を減弱
させると考えられる。エストロゲン療法に原因のある重
要で望ましくない効果が認められることから、血清LD
Lに関して望ましい効果を有するが、望ましくない効果
を生起しない、コレステロール過剰血症のための別療法
を開発するニーズが存在している。
【0011】
【発明が解決すべき課題】身体中の異なる組織に関して
選択的効果を及ぼす改良されたエストロゲンアゴニスト
が必要である。
【0012】エストロゲンアゴニストは骨粗鬆症、心臓
血管疾患および胸部ガンに対して予防的または防止的効
果を含む有利な複数の効果を有する。これらの状況下
に、望まない有害な副作用を避けることが望ましい。特
に、他の必要な医薬との干渉を避けなくてはならない。
【0013】今や本発明者らは、ラソフォキシフェンお
よびドロロキシフェンならびにそれらの薬学的に許容可
能な塩がワーファリンおよびプロプラノロールのヒト血
漿蛋白質への結合に干渉しないことを見出し、ラソフォ
キシフェンおよびドロロキシフェンが、血漿蛋白質から
の蛋白質結合置換に関係する上記2つの薬物と望ましく
ない相互作用を何ら有しないことを示した。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワーファリン
またはプロプラノロールによる治療をうけているヒト患
者のワーファリンまたはプロプラノロールの作用に影響
を与えることなく骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガ
ンを治療し予防する治療薬であって、薬学的に有効量の
エストロゲンアゴニストを含む治療薬を提供する。
【0015】他の態様として本発明は、ワーファリンま
たはプロプラノロールによる治療をうけているヒト患者
のワーファリンまたはプロプラノロールの作用に影響を
与えることなく骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガン
を治療し予防する治療薬であって、薬学的に有効量のラ
ソフォキシフェンまたはその薬学的に許容可能な塩を含
む治療薬を提供する。
【0016】他の態様として本発明は、ワーファリンま
たはプロプラノロールによる治療をうけているヒト患者
のワーファリンまたはプロプラノロールの作用に影響を
与えることなく骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガン
を治療し予防する治療薬であって、薬学的に有効量のド
ロロキシフェンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む
治療薬を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】ドロロキシフェンまたはその薬学
的に許容可能な塩は骨粗鬆症(米国特許第5,254,594
号);心臓血管疾患(米国特許第5,902,830号);お
よび胸部ガン(I.Kawamura, ら、日本J.Pharmacol 57
(1991))を治療し予防するのに有効であることが知られ
ている。
【0018】ラソフォキシフェン((-)cis-6-フェニ
ル-5-[4-(2-ピロリチン-1-イル-エトキシ)-フェニル]-
5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オール)およ
びその薬学的に許容可能な塩の製造は米国特許第5,55
2,412号に記載されており、この米国特許は参照により
本明細書に全内容を取り込まれる。
【0019】ラソフォキシフェン及びその薬学的に許容
可能な塩の骨粗鬆症、胸部ガン、心臓血管疾患および高
コレステロール血症の治療のための用途も米国特許第
5,552,412号に記載されている。
【0020】本明細書に使用されている”心臓血管疾
患”とは高コレステロール血症およびアテローム性動脈
硬化症を意味する。”治療”とは、症状を癒し軽減する
ことならびに疾患又は状態の発病を予防または減少させ
ることを意味する。
【0021】本発明の、前立腺疾患、心臓血管疾患およ
び骨疾患のための治療薬は、活性成分として、ラソフォ
キフェンまたはドロロキシフェンあるいはそれらの塩を
含む。ラソフォキフェンまたはドロロキシフェンの薬学
的に許容可能な塩は、通常用いられる非毒性タイプの
塩、例えば有機酸(例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸又はトルエンスルホン酸)との
塩、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸又は燐
酸)との塩、及びアミノ酸(例えば、アスパラギン酸又
はグルタミン酸)との塩である。これらの塩は、通常の
技術を有する化学者には公知の方法によって調製するこ
とができる。
【0022】本発明の、前立腺疾患、心臓血管疾患およ
び骨疾患のための治療薬は、ヒトを含む哺乳動物に対し
て、製剤の従来の形態、例えばカプセル剤、マイクロカ
プセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ、丸剤、座剤
薬、注射剤、縣濁剤、及びシロップ剤の形態で、経口的
及び非経口的に投与することができる。
【0023】本発明の、前立腺疾患、心臓血管疾患およ
び骨疾患のための治療薬は、従来の有機又は無機の添加
剤、例えば賦形剤(例えばスクロース、澱粉、マンニト
ール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロ
ース、タルク、燐酸カルシウム又は炭酸カルシウム)、
結合剤(例えばセルロース、メチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリ
ビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチ
レングリコール、スクロース又は澱粉)、崩壊剤(例え
ば澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピル澱粉、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、重炭
酸ナトリウム、燐酸カルシウム又はクエン酸カルシウ
ム)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、軽質
無水珪酸(light anhydrous silici acid)、タルク又
はラウリル硫酸ナトリウム)、香料(例えばクエン酸、
メントール、グリシン又はオレンジ粉末)、保存薬(例
えば安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチル
パラベン又はプロピルパラベン)、安定剤(例えばクエ
ン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸)、縣濁剤(例えば
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はステアリ
ン酸アルミニウム)、分散剤(例えばヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース)、希釈剤(例えば水)、及びベー
スワックス(例えばココアバター、白色ワセリン又はポ
リエチレングリコール)を用いて通常の方法によって調
製することができる。医用組成物の活性成分の量は、望
ましい治療効果を発揮するレベル、例えば、経口及び非
経口投与双方のためには単位用量は約1mg 〜 100mg
であることができる。
【0024】活性成分は、ヒトの患者の場合、通常は、
0.1mg 〜 100mgの単位用量で1日に1 〜 4回投
与することができるが、前記用量は、年齢、体重及び患
者の医学的状態及び投与タイプにしたがって適当に変化
させても良い。週に1用量が好ましい。
【0025】本明細書で使用される”予防”とは隠れた
疾患の発病を回避または軽減することを意味する。本発
明の胸部ガンの治療薬は活性成分としてラソフォキシフ
ェンまたはドロロキシフェンまたはその塩を含む。ラソ
フォキシフェンの薬学的に許容可能な塩は通常使用され
る非毒性タイプの塩、たとえば、有機酸(たとえば、ギ
酸、酢酸、トリフルオル酢酸、クエン酸、マレイン酸、
酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸または
トルエンスルホン酸)、無機酸(たとえば、塩酸、臭化
水素酸水素酸、硫酸またはリン酸)、およびアミノ酸
(たとえば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)との
塩である。これらの塩は通常の化学者に公知の方法によ
って製造できる。
【0026】本発明の胸部ガンの予防治療薬は人を含む
動物にカプセル,マイクロカプセル、錠剤、顆粒、粉
末、トローチ、ピル、座薬、注射剤、懸濁液およびシロ
ップのような従来の製剤の形で経口または非経口投与で
きる。
【0027】本発明の、胸部ガンのための治療薬は、従
来の有機又は無機の添加剤、例えば賦形剤(例えばスク
ロース、澱粉、マンニトール、ソルビトール、ラクトー
ス、グルコース、セルロース、タルク、燐酸カルシウム
又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えばセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプ
ロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、
アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロース又
は澱粉)、崩壊剤(例えば澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピル澱粉、低置換ヒドロキシプ
ロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、燐酸カルシウム
又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えばステアリン
酸マグネシウム、軽質無水珪酸、タルク又はラウリル硫
酸ナトリウム)、香料(例えばクエン酸、メントール、
グリシン又はオレンジ粉末)、保存薬(例えば安息香酸
ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン又は
プロピルパラベン)、安定剤(例えばクエン酸、クエン
酸ナトリウム又は酢酸)、縣濁剤(例えばメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン又はステアリン酸アルミニ
ウム)、分散剤(例えばヒドロキシプロピルメチルセル
ロース)、希釈剤(例えば水)、及びベースワックス
(例えばココアバター、白色ワセリン又はポリエチレン
グリコール)を用いて通常の方法によって調製すること
ができる。医薬組成物中の活性成分の量は所望の治療的
効果を発揮するレベル、たとえば、経口および非経口両
方の投与のための単位用量約1mgないし100mgで
あり得る。
【0028】活性成分はヒト患者には通常、0.25mg
〜 100mgの単位用量で1日に1〜 4回投与するこ
とができるが、前記用量は、年齢、体重及び患者の医学
的状態及び投与タイプにしたがって適当に変化させても
良い。1日1用量が好ましい。
【0029】哺乳動物のガンの治療または予防でのアン
チエストロゲンの正確なメカニズムは不明である。しか
し、体内を循環するアンチエストロゲンは上記ガンのエ
ストロゲン受容体部位に対して内生エストロゲンと競合
すると信じられている。有効であるためには、アンチエ
ストロゲンは受容体部位を見出し結合し、エストラジオ
ールが該部位を独占するのを防止しなくてはならない。
【0030】したがって、本発明の最も重要な具体例は
そのようなガンの危機にある患者に有効量のラソフォキ
シフェンを投与することからなる哺乳動物のガンを予防
する方法である。
【0031】ラソフォキシフェンおよびドロロキシフェ
ンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター類(SERM
s)であって、閉経後の骨喪失の防止、心血管疾患の低
減、および胸部ガンの防止に有用である。しかし、両者
ともヒト血漿蛋白質に高度に(99.997%)結合さ
れる。競合的蛋白質結合によって生起される効力ある薬
物−薬物相互作用を測定するために、ワーファリンまた
はプロプラノロールのヒト血漿蛋白質への結合をラソフ
ォキシフェンまたはドロロキシフェンの不存在下または
存在下に研究した。実施例1に示すように、ワーファリ
ンまたはプロプラノロールのヒト血漿蛋白質への結合は
ラソフォキシフェンまたはドロロキシフェンの存在下に
変化しない。
【0032】
【実施例】実施例1 ワーファリンまたはプロプラノロールのヒト血漿蛋白質
への結合に対するドロロキシフェンおよびラソフォキシ
フェンの効果 ドロロキシフェンおよびラソフォキシフェン、すなわち
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は閉
経後の骨喪失の予防、心血管疾患の低減、および胸部ガ
ンの予防に有用である。しかし、それらは高度にヒト血
漿蛋白質に結合する(ドロロキシフェンおよびラソフォ
キシフェンについて各々99.997%および99.9
4%)。競合的蛋白質結合によって生起される効力ある
薬物−薬物相互作用を測定するために、ワーファリンま
たはプロプラノロールのヒト血漿蛋白質への結合をドロ
ロキシフェンおよびラソフォキシフェンの不存在下また
は存在下に研究した。ワーファリンまたはプロプラノロ
ールの上記蛋白質への結合は平衡透析によって測定し
た。ドロロキシフェンまたはラソフォキシフェンの血漿
蛋白質結合に対する効果は2および10μg/mlのワ
ーファリン濃度ならびに50および500ng/mlのプロ
プラノール濃度で測定した。ドロロキシフェンおよびラ
ソフォキシフェンの濃度は各々200および50ng/ml
であった。従来、ワーファリンまたはプロプラノロール
の蛋白質結合測定は、市販の放射標識された化合物の純
度(典型的に97−99%)によって制限されてきた。
ワーファリンおよびプロプラノロール両方のためのHPLC
−MS検定により非標識化合物の使用が可能となり蛋白質
結合の測定が非常に正確になった。
【0033】2および10μg/mlのワーファリンの
ヒト血漿蛋白質への平均結合値は、各々、独立に透析し
たときは99.35%および99.22%、200ng
/mlのドロロキシフェンの存在下では、99.28%
および99.00%、および50ng/mlのラソフォ
キシフェンの存在下では、99.31%および99.1
5%であった。50および500ng/mlのプロプラ
ノロールのヒト血漿蛋白質への平均結合値は、各々、独
立に透析したときは78.5%および76%、200n
g/mlのドロロキシフェンの存在下では、74%およ
び76%、および50ng/mlのラソフォキシフェン
の存在下では、72%および80%であった。これらの
研究はワーファリンまたはプロプラノロールのヒト血漿
蛋白質への平均結合値はドロロキシフェンまたはラソフ
ォキシフェンのいずれの存在下でも変化を受けないこと
を示している。 実施例2 1万2千人の女性を臨床研究のために選んだ。これらの
女性は年齢(60歳以上)および胸部ガンの家族歴の故
に胸部ガンの危険が大であったが、一般的健康は良好で
あった。この研究ではプラセボ対照群を使用した。すな
わち、女性は2群に分けられ、その内の1群に活性成分
としてラソフォキシフェンの塩を投与し、他方にプラセ
ボを投与した。試験群の女性には1日当たり20−80
mgの上記薬物を経口投与した。この療法を3年間継続
した。各患者を12ヶ月ごとにマンモグラフィーによっ
て胸部ガンについて検査した。ラソフォキシフェンを投
与した群では新しく発病した胸部ガンの数がより少なか
ったので、ラソフォキシフェンは胸部ガンを防止するこ
とを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/10 A61P 19/10 35/00 35/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーファリンまたはプロプラノロールに
    よる治療をうけているヒト患者のワーファリンまたはプ
    ロプラノロールの作用に影響を与えることなく骨粗鬆
    症、心臓血管疾患および胸部ガンを治療し予防する治療
    薬であって、薬学的に有効量のエストロゲンアゴニスト
    を含む治療薬。
  2. 【請求項2】 エストロゲンアゴニストがラソフォキシ
    フェンである請求項1記載の治療薬。
  3. 【請求項3】 エストロゲンアゴニストがドロロキシフ
    ェンである請求項1記載の治療薬。
JP2000222159A 1999-07-28 2000-07-24 骨粗鬆症、心臓血管疾患および胸部ガンを治療し予防する治療薬 Pending JP2001048805A (ja)

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