JP2000328494A - 複合シート、軽量な繊維強化プラスチック製成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents
複合シート、軽量な繊維強化プラスチック製成形体及びそれらの製造方法Info
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- JP2000328494A JP2000328494A JP2000072179A JP2000072179A JP2000328494A JP 2000328494 A JP2000328494 A JP 2000328494A JP 2000072179 A JP2000072179 A JP 2000072179A JP 2000072179 A JP2000072179 A JP 2000072179A JP 2000328494 A JP2000328494 A JP 2000328494A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 非常に軽量かつ高剛性で機械加工性も良い繊
維強化プラスチック製複合材が成形できる、加熱膨張性
に富んだ複合シートを提供する。 【解決手段】 粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマト
リックス樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50m
mの強化用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイ
クロカプセル2〜170質量部とを含有してなる複合シ
ート。
維強化プラスチック製複合材が成形できる、加熱膨張性
に富んだ複合シートを提供する。 【解決手段】 粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマト
リックス樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50m
mの強化用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイ
クロカプセル2〜170質量部とを含有してなる複合シ
ート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合シート、さら
に詳しくは高い熱膨張性を有する複合シート、軽量な繊
維強化プラスチック製成形体、及びそれらの製造方法に
関するものである。
に詳しくは高い熱膨張性を有する複合シート、軽量な繊
維強化プラスチック製成形体、及びそれらの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を発泡させて成形したいわゆる
発泡樹脂シートは従来から良く知られ、断熱性や吸音性
を備えた軽量材として、建築材料パネルや包装材料など
に多用されている。そのような発泡樹脂シートの例とし
ては、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリ
オレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)などが挙
げられる。
発泡樹脂シートは従来から良く知られ、断熱性や吸音性
を備えた軽量材として、建築材料パネルや包装材料など
に多用されている。そのような発泡樹脂シートの例とし
ては、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリ
オレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)などが挙
げられる。
【0003】前記した発泡樹脂シートは極めて低密度で
軽量なものが得られるが、剛性が不足したり、切断、穴
あけ等の機械加工性にやや難があった。密度が相対的に
高い、剛性が比較的高い発泡樹脂シートもあるが、やは
り剛性が不足しており、機械加工性にも問題点があっ
た。
軽量なものが得られるが、剛性が不足したり、切断、穴
あけ等の機械加工性にやや難があった。密度が相対的に
高い、剛性が比較的高い発泡樹脂シートもあるが、やは
り剛性が不足しており、機械加工性にも問題点があっ
た。
【0004】他方、剛性に優れた軽量シート材として、
熱可塑性合成樹脂をマット状の強化繊維に含浸させた繊
維強化熱可塑性樹脂複合材、いわゆる軽量スタンパブル
シートが、天井材等の自動車用内装材として近年広く応
用されている。従来、このような軽量スタンパブルシー
トとして、例えば、特開平7−314442号公報に
は、強化用ガラス繊維と粒状の熱可塑性樹脂を界面活性
剤を含む水中で分散混合し、脱水、乾燥して得たウエブ
を加熱プレスして緻密化シートとし、次いで、この緻密
化シートを熱可塑性樹脂に融点以上の温度に加熱し、樹
脂を溶融させて、緻密化シートの厚みよりも膨張させて
得られる低密度の軽量スタンパブルシートが開示されて
いる。
熱可塑性合成樹脂をマット状の強化繊維に含浸させた繊
維強化熱可塑性樹脂複合材、いわゆる軽量スタンパブル
シートが、天井材等の自動車用内装材として近年広く応
用されている。従来、このような軽量スタンパブルシー
トとして、例えば、特開平7−314442号公報に
は、強化用ガラス繊維と粒状の熱可塑性樹脂を界面活性
剤を含む水中で分散混合し、脱水、乾燥して得たウエブ
を加熱プレスして緻密化シートとし、次いで、この緻密
化シートを熱可塑性樹脂に融点以上の温度に加熱し、樹
脂を溶融させて、緻密化シートの厚みよりも膨張させて
得られる低密度の軽量スタンパブルシートが開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、前記した軽量ス
タンパブルシートは、繊維強化されていることによって
剛性に優れているが、軽量化には限界がある。これはシ
ートの膨張力をガラス繊維のスプリングバックのみに依
存しているためであった。平板の剛性は、(弾性率)×
(厚み)3に比例するため、物品の剛性を高めるには厚
みを大きくすることが非常に有利である。しかし、スタ
ンパブルシートで表面が平坦な板状物品を製作する場
合、前記したように強化用繊維と樹脂からなるシートの
膨張力が十分でないために、厚み方向に多量のシートが
必要となり、軽量化の点で充分とは言えなかった。
タンパブルシートは、繊維強化されていることによって
剛性に優れているが、軽量化には限界がある。これはシ
ートの膨張力をガラス繊維のスプリングバックのみに依
存しているためであった。平板の剛性は、(弾性率)×
(厚み)3に比例するため、物品の剛性を高めるには厚
みを大きくすることが非常に有利である。しかし、スタ
ンパブルシートで表面が平坦な板状物品を製作する場
合、前記したように強化用繊維と樹脂からなるシートの
膨張力が十分でないために、厚み方向に多量のシートが
必要となり、軽量化の点で充分とは言えなかった。
【0006】以上のような状況に鑑み、本発明の課題
は、従来の軽量スタンパブルシートよりも熱膨張性に富
み、非常に軽量で高剛性な成形体が得られる複合シー
ト、軽量かつ高剛性で機械加工性も良い繊維強化プラス
チック製成形体及びそれらの製造方法を提供することに
ある。
は、従来の軽量スタンパブルシートよりも熱膨張性に富
み、非常に軽量で高剛性な成形体が得られる複合シー
ト、軽量かつ高剛性で機械加工性も良い繊維強化プラス
チック製成形体及びそれらの製造方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、当初は、粒
状のマトリックス樹脂と、繊維長が1〜50mmの強化
繊維に加えて、発泡性を得る目的でアゾジカルボンアミ
ド系やテトラゾール系の化学発泡剤を配合した水性スラ
リーを種々調製して、抄紙法で種々の複合シートを作製
したが、軽量スタンパブルシートの特徴として、加熱膨
張させてかさ密度の低い成形体を得ようとしたとき、強
化繊維のスプリングバックによって成形体内に形成され
る細孔は、連通気孔となり、したがって前記したような
化学発泡剤を添加した複合シートでは、化学発泡剤が熱
分解して発泡する時(190℃以上に加熱された時)に
は、発泡ガスは先に形成された前記の連通気孔を通って
成形体外に放出されるため、加熱膨張性能を大きく向上
させることはできなかった。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、当初は、粒
状のマトリックス樹脂と、繊維長が1〜50mmの強化
繊維に加えて、発泡性を得る目的でアゾジカルボンアミ
ド系やテトラゾール系の化学発泡剤を配合した水性スラ
リーを種々調製して、抄紙法で種々の複合シートを作製
したが、軽量スタンパブルシートの特徴として、加熱膨
張させてかさ密度の低い成形体を得ようとしたとき、強
化繊維のスプリングバックによって成形体内に形成され
る細孔は、連通気孔となり、したがって前記したような
化学発泡剤を添加した複合シートでは、化学発泡剤が熱
分解して発泡する時(190℃以上に加熱された時)に
は、発泡ガスは先に形成された前記の連通気孔を通って
成形体外に放出されるため、加熱膨張性能を大きく向上
させることはできなかった。
【0008】さらに本発明者らは、種々の条件を探索し
て実験検討を重ねた結果、粒状のマトリックス樹脂と、
繊維長が1〜50mmの強化繊維と、加熱膨張性のマイ
クロカプセルとを特定の混合比で水中媒体中にて分散混
合させたスラリーから、湿式抄紙法によって、極めて大
きな加熱膨張性を示す複合シートが得られることを見出
し、またこの複合シートを特定の温度条件で熱膨張させ
ることにより、軽量性と高剛性をハイレベルで両立さ
せ、しかも機械加工性も良い成形体が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
て実験検討を重ねた結果、粒状のマトリックス樹脂と、
繊維長が1〜50mmの強化繊維と、加熱膨張性のマイ
クロカプセルとを特定の混合比で水中媒体中にて分散混
合させたスラリーから、湿式抄紙法によって、極めて大
きな加熱膨張性を示す複合シートが得られることを見出
し、またこの複合シートを特定の温度条件で熱膨張させ
ることにより、軽量性と高剛性をハイレベルで両立さ
せ、しかも機械加工性も良い成形体が得られることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、第1に、粒状
のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス樹脂100
質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化用繊維10
〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプセル2〜1
70質量部とを含有してなることを特徴とする複合シー
トである。
のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス樹脂100
質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化用繊維10
〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプセル2〜1
70質量部とを含有してなることを特徴とする複合シー
トである。
【0010】第2に、次の2つの工程を経ることを特徴
とする上記の複合シートの製造方法である。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程。
とする上記の複合シートの製造方法である。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程。
【0011】第3に、マトリックス樹脂と、マトリック
ス樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強
化用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカ
プセル2〜170質量部とを含有してなり、かさ密度が
0.01g/cm3以上0.40g/cm3未満であるこ
とを特徴とする軽量な繊維強化プラスチック製成形体で
ある。
ス樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強
化用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカ
プセル2〜170質量部とを含有してなり、かさ密度が
0.01g/cm3以上0.40g/cm3未満であるこ
とを特徴とする軽量な繊維強化プラスチック製成形体で
ある。
【0012】第4に、次の3つの工程を経ることを特徴
とする前記の軽量な繊維強化プラスチック製成形体の製
造方法である。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程、(3)
前記(2)で得た複合シートを、当該マトリックス樹脂
の溶融温度と当該加熱膨張性マイクロカプセルの膨張開
始温度のいずれか高い方の温度以上の温度で加熱し、膨
張させる工程。
とする前記の軽量な繊維強化プラスチック製成形体の製
造方法である。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程、(3)
前記(2)で得た複合シートを、当該マトリックス樹脂
の溶融温度と当該加熱膨張性マイクロカプセルの膨張開
始温度のいずれか高い方の温度以上の温度で加熱し、膨
張させる工程。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合シート及び成形体は、マトリックス樹脂
と、繊維長1〜50mmの強化用繊維と、加熱膨張性マ
イクロカプセルとを含有してなる。本発明に用いるマト
リック樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂で
あって、常温常圧(1気圧、20℃)下で固体状態を示
すような合成樹脂を用いることができる。
本発明の複合シート及び成形体は、マトリックス樹脂
と、繊維長1〜50mmの強化用繊維と、加熱膨張性マ
イクロカプセルとを含有してなる。本発明に用いるマト
リック樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂で
あって、常温常圧(1気圧、20℃)下で固体状態を示
すような合成樹脂を用いることができる。
【0014】本発明におけるマトリックス樹脂に用いる
ことができるそのような熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル
樹脂、ABS樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアセタール、
ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等の公知の熱可
塑性樹脂のホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。
この中でも、ポリオレフィン系樹脂が、軽量で耐薬品性
に優れ、強度や耐熱性も比較的良好で、経済的な樹脂で
ある点で好ましい。特にポリプロピレンが好ましい。ま
た、熱硬化性樹脂としては、自己硬化性変性ノボラック
樹脂や固形レゾール樹脂等のフェノール樹脂が好まし
い。これらのマトリックス樹脂は単独又は2種以上の混
合物として使用することができる。
ことができるそのような熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル
樹脂、ABS樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアセタール、
ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等の公知の熱可
塑性樹脂のホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。
この中でも、ポリオレフィン系樹脂が、軽量で耐薬品性
に優れ、強度や耐熱性も比較的良好で、経済的な樹脂で
ある点で好ましい。特にポリプロピレンが好ましい。ま
た、熱硬化性樹脂としては、自己硬化性変性ノボラック
樹脂や固形レゾール樹脂等のフェノール樹脂が好まし
い。これらのマトリックス樹脂は単独又は2種以上の混
合物として使用することができる。
【0015】本発明の複合シートを得るための粒状のマ
トリックス樹脂としては、前記したマトリックス樹脂の
粒状物を用いる。粒状物の平均粒径は、5〜2000μ
mあることが好ましく、より好ましくは10〜1000
μm、特に好ましくは20〜500μmである。平均粒
径が大きすぎると、複合シートの均一性が損なわれる傾
向があり、小さすぎると、シート原料仕込み時に飛散し
やすく取り扱いが難しくなる傾向がある。
トリックス樹脂としては、前記したマトリックス樹脂の
粒状物を用いる。粒状物の平均粒径は、5〜2000μ
mあることが好ましく、より好ましくは10〜1000
μm、特に好ましくは20〜500μmである。平均粒
径が大きすぎると、複合シートの均一性が損なわれる傾
向があり、小さすぎると、シート原料仕込み時に飛散し
やすく取り扱いが難しくなる傾向がある。
【0016】本発明で用いる強化用繊維の種類として
は、プラスチックを補強する効果のある高弾性率の繊維
であれば特に限定されない。そのような具体例として
は、メタ系又はパラ系のアラミド繊維、ポリオレフィン
繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等
の有機系繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維等の無機系繊
維の他に、ピッチ系又はポリアクリロニトリル系の炭素
繊維等が挙げられる。中でもガラス繊維や炭素繊維が好
ましく用いられる。上記した強化用繊維は単独又は2種
以上の混合物として使用することができる。
は、プラスチックを補強する効果のある高弾性率の繊維
であれば特に限定されない。そのような具体例として
は、メタ系又はパラ系のアラミド繊維、ポリオレフィン
繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等
の有機系繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維等の無機系繊
維の他に、ピッチ系又はポリアクリロニトリル系の炭素
繊維等が挙げられる。中でもガラス繊維や炭素繊維が好
ましく用いられる。上記した強化用繊維は単独又は2種
以上の混合物として使用することができる。
【0017】本発明で用いる強化用繊維の平均繊維長と
しては、1〜50mmであり、好ましくは3〜25mm
である。繊維長が1mm未満では補強効果が得られな
い。繊維長が50mmを超えると水性媒体中での分散が
困難になり、均一な複合シート及び成形体が得られな
い。また、強化用繊維の平均繊維径としては、2〜10
0μmの範囲にあることが好ましく、5〜50μmがよ
り好ましい。強化繊維の繊維径が細すぎると加熱時にス
プリングバックによる膨張効果が充分に得られない。一
方、繊維径が太すぎると補強効果が得られず、また水性
媒体中での分散が困難になり、均一な複合シート及び成
形体が得られない。
しては、1〜50mmであり、好ましくは3〜25mm
である。繊維長が1mm未満では補強効果が得られな
い。繊維長が50mmを超えると水性媒体中での分散が
困難になり、均一な複合シート及び成形体が得られな
い。また、強化用繊維の平均繊維径としては、2〜10
0μmの範囲にあることが好ましく、5〜50μmがよ
り好ましい。強化繊維の繊維径が細すぎると加熱時にス
プリングバックによる膨張効果が充分に得られない。一
方、繊維径が太すぎると補強効果が得られず、また水性
媒体中での分散が困難になり、均一な複合シート及び成
形体が得られない。
【0018】なお、前記したマトリックス樹脂と強化用
繊維の特に好ましい組み合わせ例として、ポリプロピレ
ン樹脂とガラス繊維の組み合わせ、フェノール樹脂とカ
ーボン繊維の組み合わせが挙げられる。前者は経済性に
優れ、従来のスタンパブルシートにも広く使われている
点からリサイクル面でも好適な組み合わせであり、後者
からは特に高剛性で耐熱性に富む材料が得られる。
繊維の特に好ましい組み合わせ例として、ポリプロピレ
ン樹脂とガラス繊維の組み合わせ、フェノール樹脂とカ
ーボン繊維の組み合わせが挙げられる。前者は経済性に
優れ、従来のスタンパブルシートにも広く使われている
点からリサイクル面でも好適な組み合わせであり、後者
からは特に高剛性で耐熱性に富む材料が得られる。
【0019】次に、本発明に用いる加熱膨張性マイクロ
カプセルについて説明する。本発明に用いる加熱膨張性
マイクロカプセルとしては、公知のものが使用できる
が、特にコアが液状有機物であり、これを熱可塑性樹脂
からなるシェルで内包した、コアシェル型の加熱膨張性
マイクロカプセルが好ましい。コアの液状有機物の例と
しては、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の、1気
圧、20℃における沸点が150℃以下の炭化水素類や
エーテル類が挙げられる。また、シェルを形成する熱可
塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン
系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、メタクリル樹脂、ABS樹脂、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタ
ン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、フッ
素樹脂等の公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。特に好ま
しい例としては、コアがイソブタン、ペンタン、ヘキサ
ン等の液体状の炭化水素からなり、シェルがアクリロニ
トリル共重合体等の熱可塑性樹脂からなるマイクロカプ
セルである。
カプセルについて説明する。本発明に用いる加熱膨張性
マイクロカプセルとしては、公知のものが使用できる
が、特にコアが液状有機物であり、これを熱可塑性樹脂
からなるシェルで内包した、コアシェル型の加熱膨張性
マイクロカプセルが好ましい。コアの液状有機物の例と
しては、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の、1気
圧、20℃における沸点が150℃以下の炭化水素類や
エーテル類が挙げられる。また、シェルを形成する熱可
塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン
系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、メタクリル樹脂、ABS樹脂、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタ
ン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、フッ
素樹脂等の公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。特に好ま
しい例としては、コアがイソブタン、ペンタン、ヘキサ
ン等の液体状の炭化水素からなり、シェルがアクリロニ
トリル共重合体等の熱可塑性樹脂からなるマイクロカプ
セルである。
【0020】本発明における加熱膨張性マイクロカプセ
ルの大きさとしては、加熱膨張前の平均粒子径が5〜1
000μmであることが好ましく、特に10〜30μm
であることが好ましい。また、加熱膨張後の外径の大き
さが膨張前の2倍以上、好ましくは3〜10倍程度に膨
張するものが好ましい。マイクロカプセルの粒子径が小
さすぎる場合、加熱膨張後の繊維強化プラスチック製成
形体から脱離する等ハンドリングする上で不都合が生じ
る傾向にある。一方、粒子径が大きすぎる場合、マトリ
ックス樹脂及び強化繊維と均一に混合し難くなる傾向が
ある。
ルの大きさとしては、加熱膨張前の平均粒子径が5〜1
000μmであることが好ましく、特に10〜30μm
であることが好ましい。また、加熱膨張後の外径の大き
さが膨張前の2倍以上、好ましくは3〜10倍程度に膨
張するものが好ましい。マイクロカプセルの粒子径が小
さすぎる場合、加熱膨張後の繊維強化プラスチック製成
形体から脱離する等ハンドリングする上で不都合が生じ
る傾向にある。一方、粒子径が大きすぎる場合、マトリ
ックス樹脂及び強化繊維と均一に混合し難くなる傾向が
ある。
【0021】本発明における加熱膨張性マイクロカプセ
ルは、加熱されて軟化したシェルが、コアの気化膨張す
る力によって風船のように膨張する。膨張温度は通常数
十度から百度程度の幅を持っているが、膨張開始温度
(膨張温度の下限)としては、80℃以上であることが
好ましく、より好ましくは100〜230℃、特に好ま
しくは110〜200℃である。膨張温度が低すぎる
と、充分な強度を有する繊維強化プラスチック製複合材
が得られ難くなる傾向にあり、また本発明の製造法の工
程での湿式抄紙法において、抄紙した複合シートを乾燥
させる温度を極端に低くする必要があって現実的でな
い。一方、膨張温度が高すぎる場合、加熱膨張させる時
に合成樹脂が劣化する傾向にある。
ルは、加熱されて軟化したシェルが、コアの気化膨張す
る力によって風船のように膨張する。膨張温度は通常数
十度から百度程度の幅を持っているが、膨張開始温度
(膨張温度の下限)としては、80℃以上であることが
好ましく、より好ましくは100〜230℃、特に好ま
しくは110〜200℃である。膨張温度が低すぎる
と、充分な強度を有する繊維強化プラスチック製複合材
が得られ難くなる傾向にあり、また本発明の製造法の工
程での湿式抄紙法において、抄紙した複合シートを乾燥
させる温度を極端に低くする必要があって現実的でな
い。一方、膨張温度が高すぎる場合、加熱膨張させる時
に合成樹脂が劣化する傾向にある。
【0022】なお、膨張開始温度は、当該加熱膨張性マ
イクロカプセルの初期平均粒子径をT0とし、一定温度
に設定した熱風乾燥機中に1分間放置した後の平均粒子
径をT1とした場合に、T1>1.2T0となるような温
度の下限値と定義する。平均粒子径はレーザー回折法な
どの公知の方法で測定できる。
イクロカプセルの初期平均粒子径をT0とし、一定温度
に設定した熱風乾燥機中に1分間放置した後の平均粒子
径をT1とした場合に、T1>1.2T0となるような温
度の下限値と定義する。平均粒子径はレーザー回折法な
どの公知の方法で測定できる。
【0023】本発明におけるマトリックス樹脂と強化用
繊維と加熱膨張性マイクロカプセルとの配合比は、マト
リックス樹脂100質量部に対し、強化用繊維10〜4
50質量部、加熱膨張性マイクロカプセル1〜170質
量部でなければならず、好ましい配合比は、マトリック
ス樹脂100質量部に対し、強化用繊維25〜250質
量部、加熱膨張性マイクロカプセル5〜120質量部で
ある。強化用繊維が過少であるような配合では補強効果
が得られず、また過剰の場合は、加熱膨張成形の際に強
化用繊維中に均一にマトリックス樹脂が含浸するのが困
難になる。加熱膨張性マイクロカプセルが過少であるよ
うな配合では熱膨張性能が不足し、また過剰の場合は成
形体の強度が不足する。
繊維と加熱膨張性マイクロカプセルとの配合比は、マト
リックス樹脂100質量部に対し、強化用繊維10〜4
50質量部、加熱膨張性マイクロカプセル1〜170質
量部でなければならず、好ましい配合比は、マトリック
ス樹脂100質量部に対し、強化用繊維25〜250質
量部、加熱膨張性マイクロカプセル5〜120質量部で
ある。強化用繊維が過少であるような配合では補強効果
が得られず、また過剰の場合は、加熱膨張成形の際に強
化用繊維中に均一にマトリックス樹脂が含浸するのが困
難になる。加熱膨張性マイクロカプセルが過少であるよ
うな配合では熱膨張性能が不足し、また過剰の場合は成
形体の強度が不足する。
【0024】本発明の軽量な繊維強化プラスチック製成
形体のかさ密度の範囲としては、0.01g/cm3以
上0.40g/cm3未満であることが必要であり、
0.04g/cm3〜0.30g/cm3であることが好
ましく、0.04g/cm3以上0.20g/cm3未満
であることが軽量化の点で特に好ましい。かさ密度が小
さすぎると強度が不足し、また大きすぎると軽量化の効
果が期待できない。
形体のかさ密度の範囲としては、0.01g/cm3以
上0.40g/cm3未満であることが必要であり、
0.04g/cm3〜0.30g/cm3であることが好
ましく、0.04g/cm3以上0.20g/cm3未満
であることが軽量化の点で特に好ましい。かさ密度が小
さすぎると強度が不足し、また大きすぎると軽量化の効
果が期待できない。
【0025】本発明の複合シート及び軽量な繊維強化プ
ラスチック製成形体は、本発明の製造方法によって、例
えば以下のように製造できる。まず、粒状のマトリック
ス樹脂と、粒状のマトリックス樹脂100質量部に対し
て繊維長1〜50mmの強化用繊維10〜450質量部
と加熱膨張性マイクロカプセル2〜170質量部とを水
等の水性媒体中で分散混合して、湿式抄紙用のスラリー
を調製する。前記の成分以外に加熱膨張性マイクロカプ
セルの捕捉性を向上させる目的で、必要に応じてパルプ
形状の合成繊維(以下、合成パルプと略記する)を添加
してもよい。この場合、合成パルプの添加量としては、
粒状のマトリックス樹脂100質量部に対して5〜30
質量部が望ましい。合成パルプの具体例としては、変性
ポリプロピレンや変性ポリエチレン等のポリオレフィン
繊維パルプ、アラミド繊維パルプがある。また、水性媒
体中で分散混合する際には、分散性を向上させて均一な
シートを得るために、合成樹脂や天然多糖類(キサンタ
ンガム等)からなる増粘剤を用いることが好ましい。こ
のような増粘剤の添加量としては、複合シートの全質量
に対して2質量%未満であることが好ましい。また、有
機ポリマーラテックス等の結合剤を少量、すなわち、複
合シートの全質量に対して約3質量%未満、好ましくは
1質量%未満で用いることもできる。
ラスチック製成形体は、本発明の製造方法によって、例
えば以下のように製造できる。まず、粒状のマトリック
ス樹脂と、粒状のマトリックス樹脂100質量部に対し
て繊維長1〜50mmの強化用繊維10〜450質量部
と加熱膨張性マイクロカプセル2〜170質量部とを水
等の水性媒体中で分散混合して、湿式抄紙用のスラリー
を調製する。前記の成分以外に加熱膨張性マイクロカプ
セルの捕捉性を向上させる目的で、必要に応じてパルプ
形状の合成繊維(以下、合成パルプと略記する)を添加
してもよい。この場合、合成パルプの添加量としては、
粒状のマトリックス樹脂100質量部に対して5〜30
質量部が望ましい。合成パルプの具体例としては、変性
ポリプロピレンや変性ポリエチレン等のポリオレフィン
繊維パルプ、アラミド繊維パルプがある。また、水性媒
体中で分散混合する際には、分散性を向上させて均一な
シートを得るために、合成樹脂や天然多糖類(キサンタ
ンガム等)からなる増粘剤を用いることが好ましい。こ
のような増粘剤の添加量としては、複合シートの全質量
に対して2質量%未満であることが好ましい。また、有
機ポリマーラテックス等の結合剤を少量、すなわち、複
合シートの全質量に対して約3質量%未満、好ましくは
1質量%未満で用いることもできる。
【0026】また、抄紙スクリーンの網目よりも細かい
ような粒子径の小さいマトリックス樹脂やマイクロカプ
セルを用いたい場合には、上記した結合剤としてイオン
電荷を有する結合剤を用い、さらにこれと反対のイオン
電荷を有する凝集剤を併用して、前記スクリーンの網目
以上の大きさのフロックに凝集させればよい。イオン電
荷を有する結合剤としては、結合したスルホニウム基、
イソチオウロニウム基、ピリジニウム基、第四アンモニ
ウム基、サルフェート基、スルホネート基又はカルボキ
シレート基を含有するアクリルポリマー又はスチレン・
ブタジエンポリマーのような結合した陰イオンもしくは
陽イオン電荷を有する実質的に水に不溶な有機ポリマー
からなるポリマーラテックス、さらには酵素的又は化学
的に変性したイオン澱粉が挙げられる。また、好適な有
機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アル
ミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解した
ポリアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミ
ド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド等の種々の
有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量として
は、複合シートの全質量に対して約3質量%未満、特に
1質量%未満が好ましい。
ような粒子径の小さいマトリックス樹脂やマイクロカプ
セルを用いたい場合には、上記した結合剤としてイオン
電荷を有する結合剤を用い、さらにこれと反対のイオン
電荷を有する凝集剤を併用して、前記スクリーンの網目
以上の大きさのフロックに凝集させればよい。イオン電
荷を有する結合剤としては、結合したスルホニウム基、
イソチオウロニウム基、ピリジニウム基、第四アンモニ
ウム基、サルフェート基、スルホネート基又はカルボキ
シレート基を含有するアクリルポリマー又はスチレン・
ブタジエンポリマーのような結合した陰イオンもしくは
陽イオン電荷を有する実質的に水に不溶な有機ポリマー
からなるポリマーラテックス、さらには酵素的又は化学
的に変性したイオン澱粉が挙げられる。また、好適な有
機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリド(アル
ミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水分解した
ポリアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリルアミ
ド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド等の種々の
有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量として
は、複合シートの全質量に対して約3質量%未満、特に
1質量%未満が好ましい。
【0027】このようにして、粒状のマトリックス樹
脂、強化用繊維、加熱膨張性マイクロカプセル、及び必
要に応じて添加される合成パルプや薬剤を混合して水性
媒体中で分散混合したスラリーを、望ましくは、抄紙機
等を用いて、湿式抄紙の要領で水性媒体中の固形分をシ
ート状となすように固液分離する。次いで、この湿った
シートを乾燥して、本発明の複合シートが得られる。複
合シートの坪量としては50〜2000g/m2である
ことが好ましく、100〜1000g/m2であること
がより好ましい。坪量が小さすぎるとハンドリングに必
要なシート強度が得られず、また坪量が大きすぎるとシ
ートの乾燥が困難になったり、厚みが増して巻き取りが
困難になるので好ましくない。
脂、強化用繊維、加熱膨張性マイクロカプセル、及び必
要に応じて添加される合成パルプや薬剤を混合して水性
媒体中で分散混合したスラリーを、望ましくは、抄紙機
等を用いて、湿式抄紙の要領で水性媒体中の固形分をシ
ート状となすように固液分離する。次いで、この湿った
シートを乾燥して、本発明の複合シートが得られる。複
合シートの坪量としては50〜2000g/m2である
ことが好ましく、100〜1000g/m2であること
がより好ましい。坪量が小さすぎるとハンドリングに必
要なシート強度が得られず、また坪量が大きすぎるとシ
ートの乾燥が困難になったり、厚みが増して巻き取りが
困難になるので好ましくない。
【0028】次に前記で得られた複合シートを1枚もし
くは必要に応じて複数枚数積層して金型内に投入し、当
該マトリックス樹脂の溶融温度と当該加熱膨張性マイク
ロカプセルの膨張開始温度のいずれか高い方の温度以上
の温度に複合シートを加熱して熱膨張させる。なお、こ
こでいう金型には、スぺーサーで所定のクリアランスを
確保できるようにした2枚の金属板等も含む。また、所
定のクリアランスに設定したバッチ式プレス機やダブル
ベルトプレス機を金型の代わりに使用してもよい。本発
明の複合シートは、厚み方向以外の熱膨張が少ないの
で、例えばボード材を成形するような場合、平面方向を
規制する金型は必要ではない。なお、加熱膨張させて成
形する際には、所望の厚み以上に膨張しないように、必
要に応じて圧力を印加する。この加熱膨張工程におい
て、マトリックス樹脂と強化用繊維と必要に応じて添加
される合成パルプとが強固に融着すると同時に、加熱膨
張性マイクロカプセルの膨張と強化用繊維の弾性が有効
に作用して、非常に小さなかさ密度が得られるほどシー
トの厚みが膨張する。
くは必要に応じて複数枚数積層して金型内に投入し、当
該マトリックス樹脂の溶融温度と当該加熱膨張性マイク
ロカプセルの膨張開始温度のいずれか高い方の温度以上
の温度に複合シートを加熱して熱膨張させる。なお、こ
こでいう金型には、スぺーサーで所定のクリアランスを
確保できるようにした2枚の金属板等も含む。また、所
定のクリアランスに設定したバッチ式プレス機やダブル
ベルトプレス機を金型の代わりに使用してもよい。本発
明の複合シートは、厚み方向以外の熱膨張が少ないの
で、例えばボード材を成形するような場合、平面方向を
規制する金型は必要ではない。なお、加熱膨張させて成
形する際には、所望の厚み以上に膨張しないように、必
要に応じて圧力を印加する。この加熱膨張工程におい
て、マトリックス樹脂と強化用繊維と必要に応じて添加
される合成パルプとが強固に融着すると同時に、加熱膨
張性マイクロカプセルの膨張と強化用繊維の弾性が有効
に作用して、非常に小さなかさ密度が得られるほどシー
トの厚みが膨張する。
【0029】この加熱膨張工程において、加熱温度が高
すぎると、樹脂の劣化を招くだけでなく、せっかく膨張
した複合シートが再度収縮する場合がある。これは、加
熱膨張性マイクロカプセルが過度の加熱によって収縮す
るためであり、このことを考慮して加熱条件を選ぶこと
が望ましい。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場
合でも、少なくとも当該熱硬化性樹脂がゲル化して一定
の形状を保持できるようになるまでは、マイクロカプセ
ルの再収縮が起きないようにすることが望ましい。次い
で、熱膨張させた形状を保ったまま冷却させて、本発明
の軽量な繊維強化プラスチック製成形体を得る。なお、
本発明の複合シートとしては、マイクロカプセルを加熱
膨張させる前に予備的にマトリックス樹脂を溶融させ、
加熱膨張性能を残した状態でシートを緻密化しておいて
もよい。また、その際には、複数枚のシートを積層して
緻密化しておいてもよい。
すぎると、樹脂の劣化を招くだけでなく、せっかく膨張
した複合シートが再度収縮する場合がある。これは、加
熱膨張性マイクロカプセルが過度の加熱によって収縮す
るためであり、このことを考慮して加熱条件を選ぶこと
が望ましい。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場
合でも、少なくとも当該熱硬化性樹脂がゲル化して一定
の形状を保持できるようになるまでは、マイクロカプセ
ルの再収縮が起きないようにすることが望ましい。次い
で、熱膨張させた形状を保ったまま冷却させて、本発明
の軽量な繊維強化プラスチック製成形体を得る。なお、
本発明の複合シートとしては、マイクロカプセルを加熱
膨張させる前に予備的にマトリックス樹脂を溶融させ、
加熱膨張性能を残した状態でシートを緻密化しておいて
もよい。また、その際には、複数枚のシートを積層して
緻密化しておいてもよい。
【0030】以上のようにして得られる本発明の軽量な
繊維強化プラスチック製成形体は、かさ密度が非常に小
さく、厚みの大きな成形体でも質量を軽くでき、機械加
工性も良好である。さらに、熱膨張が強化用繊維のスプ
リングバックによる限界以上に大きいため、成形体内で
強化用繊維がシート平面方向に寝た状態になっているこ
とにより、例えばガラス繊維を使用した場合でも、成形
体表面の皮膚への刺激性(チクチク感)が少ないという
性質も有している。なお、本発明の複合シートは加熱膨
張性が特に優れているので、本発明の軽量な繊維強化プ
ラスチック成形体を得るための前駆体として用いられる
ことは勿論であるが、それ以外に例えばかさ密度が0.
40g/cm3程度以上という従来の軽量スタンパブル
シート並みのかさ密度を有する繊維強化プラスチック製
成形体を得るのに用いた場合には、膨張に余力があるた
め表面の平滑性を向上させることができる。
繊維強化プラスチック製成形体は、かさ密度が非常に小
さく、厚みの大きな成形体でも質量を軽くでき、機械加
工性も良好である。さらに、熱膨張が強化用繊維のスプ
リングバックによる限界以上に大きいため、成形体内で
強化用繊維がシート平面方向に寝た状態になっているこ
とにより、例えばガラス繊維を使用した場合でも、成形
体表面の皮膚への刺激性(チクチク感)が少ないという
性質も有している。なお、本発明の複合シートは加熱膨
張性が特に優れているので、本発明の軽量な繊維強化プ
ラスチック成形体を得るための前駆体として用いられる
ことは勿論であるが、それ以外に例えばかさ密度が0.
40g/cm3程度以上という従来の軽量スタンパブル
シート並みのかさ密度を有する繊維強化プラスチック製
成形体を得るのに用いた場合には、膨張に余力があるた
め表面の平滑性を向上させることができる。
【0031】また、本発明の軽量な繊維強化プラスチッ
ク成形体は、連続気孔構造を有しており、かつ圧縮が加
わっても変形しにくいので、これを例えば袋状のガスバ
リア性容器に挿入し、上記ガスバリア容器内を真空排気
した後に開口部をシールすることにより、真空断熱材を
得ることもできる。
ク成形体は、連続気孔構造を有しており、かつ圧縮が加
わっても変形しにくいので、これを例えば袋状のガスバ
リア性容器に挿入し、上記ガスバリア容器内を真空排気
した後に開口部をシールすることにより、真空断熱材を
得ることもできる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】なお、実施例及び比較例に用いた粒状のマ
トリックス樹脂を表1に、強化用繊維を表2に、加熱膨
張性マイクロカプセルを表3に、合成パルプを表4に示
す。
トリックス樹脂を表1に、強化用繊維を表2に、加熱膨
張性マイクロカプセルを表3に、合成パルプを表4に示
す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】実施例1〜9 水12.5リットル中に、攪拌しながらキサンタンガム
0.31gを加えた後、加熱膨張性マイクロカプセル、
粒状マトリックス樹脂、必要に応じて合成パルプを、表
2に示す組成で加え、5分間攪拌してよく分散させた。
次いで、この分散物に強化用繊維と、60%の水分を含
む固体アクリルポリマーラテックス[大日本インキ化学
工業(株)社製、商品名ボンコートSFC−55]0.
53gを加えた後、0.5質量%の陽イオン凝集剤[B
etz Laboratories社製、商品名:Be
tz1260]17.42gを徐々に加えることによっ
て凝集させてスラリーを得た。次にシートマシン[熊谷
理機工業(株)製]の原料容器に水12.5リットルを張
った上で、前記したスラリーを加え、網目間隔が0.1
8mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートを得た。
得られたシートを軽く圧縮した後に乾燥し、坪量が40
0g/m2の複合シートを得た。得られた複合シートを
それぞれ2枚積層し、所定の温度に加熱した二枚の成形
用ステンレス板の間に、所定厚さのスペーサーと共に投
入し、加熱プレス機内で10分間加熱して複合シートを
膨張させた後にステンレス板ごと取り出して冷却プレス
機内で冷却した。なお、加熱プレス機及び冷却プレス機
内では、スぺーサーを挟んだステンレス板の上から、面
圧5kg/cm2の圧力を印加した。以上のようにし
て、スぺーサーの厚さに対応した厚さ10〜20mmの
ボード状の軽量な繊維強化プラスチック製成形体を得
た。
0.31gを加えた後、加熱膨張性マイクロカプセル、
粒状マトリックス樹脂、必要に応じて合成パルプを、表
2に示す組成で加え、5分間攪拌してよく分散させた。
次いで、この分散物に強化用繊維と、60%の水分を含
む固体アクリルポリマーラテックス[大日本インキ化学
工業(株)社製、商品名ボンコートSFC−55]0.
53gを加えた後、0.5質量%の陽イオン凝集剤[B
etz Laboratories社製、商品名:Be
tz1260]17.42gを徐々に加えることによっ
て凝集させてスラリーを得た。次にシートマシン[熊谷
理機工業(株)製]の原料容器に水12.5リットルを張
った上で、前記したスラリーを加え、網目間隔が0.1
8mmのスクリーン上で脱水して湿ったシートを得た。
得られたシートを軽く圧縮した後に乾燥し、坪量が40
0g/m2の複合シートを得た。得られた複合シートを
それぞれ2枚積層し、所定の温度に加熱した二枚の成形
用ステンレス板の間に、所定厚さのスペーサーと共に投
入し、加熱プレス機内で10分間加熱して複合シートを
膨張させた後にステンレス板ごと取り出して冷却プレス
機内で冷却した。なお、加熱プレス機及び冷却プレス機
内では、スぺーサーを挟んだステンレス板の上から、面
圧5kg/cm2の圧力を印加した。以上のようにし
て、スぺーサーの厚さに対応した厚さ10〜20mmの
ボード状の軽量な繊維強化プラスチック製成形体を得
た。
【0039】実施例10 実施例1と同様にして得た坪量が400g/m2の複合
シートを用い、積層枚数を6枚とする他は実施例1と同
様の方法で、厚さ10mmのボード状の軽量な繊維強化
プラスチック製成形体を得た。
シートを用い、積層枚数を6枚とする他は実施例1と同
様の方法で、厚さ10mmのボード状の軽量な繊維強化
プラスチック製成形体を得た。
【0040】比較例1 加熱膨張性マイクロカプセルを用いない点以外は実施例
1と同様に、表5に示す組成でスラリーを調製し、坪量
が400g/m2の複合シートを得た。この複合シート
を2枚積層し、2枚のステンレス板の間に挟んで面圧1
0kg/cm2、温度190℃印加して加熱プレスし、
引き続き同じ面圧で冷却プレスすることにより、厚さ
0.8mm、密度1.0/cm3に緻密化したシートを
得た。この緻密化したシートを、190℃に加熱した二
枚の成形用ステンレス板の間に、厚さ1.8mmのスペ
ーサーと共に投入し、加熱プレス機内で10分間加熱し
てシートを膨張させた後に、ステンレス板ごと取り出し
て冷却プレス機内で冷却した。なお、加熱プレス機及び
冷却プレス機内では、スぺーサーを挟んだステンレス板
の上から、面圧5kg/cm2の圧力を印加した。以上
のようにして、厚さ1.8mmのボード状の繊維強化プ
ラスチック製成形体を得た。
1と同様に、表5に示す組成でスラリーを調製し、坪量
が400g/m2の複合シートを得た。この複合シート
を2枚積層し、2枚のステンレス板の間に挟んで面圧1
0kg/cm2、温度190℃印加して加熱プレスし、
引き続き同じ面圧で冷却プレスすることにより、厚さ
0.8mm、密度1.0/cm3に緻密化したシートを
得た。この緻密化したシートを、190℃に加熱した二
枚の成形用ステンレス板の間に、厚さ1.8mmのスペ
ーサーと共に投入し、加熱プレス機内で10分間加熱し
てシートを膨張させた後に、ステンレス板ごと取り出し
て冷却プレス機内で冷却した。なお、加熱プレス機及び
冷却プレス機内では、スぺーサーを挟んだステンレス板
の上から、面圧5kg/cm2の圧力を印加した。以上
のようにして、厚さ1.8mmのボード状の繊維強化プ
ラスチック製成形体を得た。
【0041】比較例2 ポリプロピレン樹脂100質量部中に化学発泡剤である
アゾジカルボン酸アミド9質量部を溶融混錬した混合物
を冷凍粉砕することにより、発泡性樹脂粉末を調製し
た。この発泡性樹脂粉末109質量部と強化用ガラス繊
維73質量部を用いて、実施例と同様の方法で、表5に
示す組成でスラリーを調製し、坪量が400g/m2の
複合シートを得た。この複合シートを6枚積層し、加熱
温度を230℃とする点他は実施例10と同様の方法
で、厚さ10mmのボード状の軽量な繊維強化プラスチ
ック製成形体を成形しようと試みた。しかし、得られた
成形体の厚さは10mmに達せず、表面に凹凸が見られ
た。また、積層したシートの層間の接着が不充分であ
り、手で容易に剥離できるものであった。
アゾジカルボン酸アミド9質量部を溶融混錬した混合物
を冷凍粉砕することにより、発泡性樹脂粉末を調製し
た。この発泡性樹脂粉末109質量部と強化用ガラス繊
維73質量部を用いて、実施例と同様の方法で、表5に
示す組成でスラリーを調製し、坪量が400g/m2の
複合シートを得た。この複合シートを6枚積層し、加熱
温度を230℃とする点他は実施例10と同様の方法
で、厚さ10mmのボード状の軽量な繊維強化プラスチ
ック製成形体を成形しようと試みた。しかし、得られた
成形体の厚さは10mmに達せず、表面に凹凸が見られ
た。また、積層したシートの層間の接着が不充分であ
り、手で容易に剥離できるものであった。
【0042】なお、実施例及び比較例におけるスラリー
の配合を表5に示す。また繊維強化プラスチック製成形
体を成形した際の加熱温度と使用したスペーサーの厚み
を表6に示す
の配合を表5に示す。また繊維強化プラスチック製成形
体を成形した際の加熱温度と使用したスペーサーの厚み
を表6に示す
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】さらに、実施例及び比較例で得られた繊維
強化プラスチック製成形体の物性を表7に示す。なお、
厚みはマイクロゲージで測定し、曲げ弾性率はJIS
K7055に準じて測定した。
強化プラスチック製成形体の物性を表7に示す。なお、
厚みはマイクロゲージで測定し、曲げ弾性率はJIS
K7055に準じて測定した。
【0046】
【表7】
【0047】上記した実施例及び比較例の結果から明ら
かなように、本発明の複合シートからは、加熱膨張性マ
イクロカプセルの作用によって、かさ密度が非常に小さ
く、剛性に富んだ軽量な繊維強化プラスチック製成形体
が得られた。また、実施例10と比較例1から明らかな
ように、本発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体
は、軽量でも厚みを大きくできるので、同程度の質量を
有する通常の軽量スタンパブルシートと比較した場合、
厚みの効果で剛性が高くなった。また、実施例で得た本
発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体は、普通の
事務用のカッターナイフでも簡単にきれいに切断でき、
良好な加工性を有していることがわかった。
かなように、本発明の複合シートからは、加熱膨張性マ
イクロカプセルの作用によって、かさ密度が非常に小さ
く、剛性に富んだ軽量な繊維強化プラスチック製成形体
が得られた。また、実施例10と比較例1から明らかな
ように、本発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体
は、軽量でも厚みを大きくできるので、同程度の質量を
有する通常の軽量スタンパブルシートと比較した場合、
厚みの効果で剛性が高くなった。また、実施例で得た本
発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体は、普通の
事務用のカッターナイフでも簡単にきれいに切断でき、
良好な加工性を有していることがわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明の複合シートは、加熱膨張性マイ
クロカプセルのもたらすシート膨張作用によって、強化
用繊維のスプリングバックによる膨張のみに依存した従
来の軽量スタンパブルシートよりも熱膨張性に優れてい
る。したがって、膨張成形によってかさ密度が非常に小
さな成形体が得られ、また、かさ密度を従来と同程度と
した場合には表面平滑性の向上した成形体が得られる。
本発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体は、かさ
密度が非常に小さく、軽量でも厚さを大きく取れるの
で、強化用繊維に由来する剛性と、厚さの効果の相乗作
用により、非常に軽量で剛性が高く、また加工性も良好
である。したがって、本発明の軽量な繊維強化プラスチ
ック製成形体は以上のような特長を活かし、建材、断熱
材を初めとする各種工業用途、さらには連続気孔構造を
活かし、吸音材の用途、あるいは冷凍冷蔵用機器や建材
に用いられる真空断熱材(パネル)のコア材等の用途に
応用が可能である。また、本発明の製造方法によれば、
上記の複合シート及び軽量な繊維強化プラスチック成形
体を容易に製造することができる。
クロカプセルのもたらすシート膨張作用によって、強化
用繊維のスプリングバックによる膨張のみに依存した従
来の軽量スタンパブルシートよりも熱膨張性に優れてい
る。したがって、膨張成形によってかさ密度が非常に小
さな成形体が得られ、また、かさ密度を従来と同程度と
した場合には表面平滑性の向上した成形体が得られる。
本発明の軽量な繊維強化プラスチック製成形体は、かさ
密度が非常に小さく、軽量でも厚さを大きく取れるの
で、強化用繊維に由来する剛性と、厚さの効果の相乗作
用により、非常に軽量で剛性が高く、また加工性も良好
である。したがって、本発明の軽量な繊維強化プラスチ
ック製成形体は以上のような特長を活かし、建材、断熱
材を初めとする各種工業用途、さらには連続気孔構造を
活かし、吸音材の用途、あるいは冷凍冷蔵用機器や建材
に用いられる真空断熱材(パネル)のコア材等の用途に
応用が可能である。また、本発明の製造方法によれば、
上記の複合シート及び軽量な繊維強化プラスチック成形
体を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 勝雄 愛知県岡崎市日名北町4−1 株式会社ユ ニチカ環境技術センター内 (72)発明者 山崎 秀信 京都府宇治市宇治戸ノ内5番地 ユニチカ 株式会社宇治工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマト
リックス樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50m
mの強化用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイ
クロカプセル2〜170質量部とを含有してなることを
特徴とする複合シート。 - 【請求項2】 次の2つの工程を経ることを特徴とする
請求項1記載の複合シートの製造方法。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程。 - 【請求項3】 マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂
100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化用繊
維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプセル
2〜170質量部とを含有してなり、かさ密度が0.0
1g/cm3以上0.40g/cm3未満であることを特
徴とする軽量な繊維強化プラスチック製成形体。 - 【請求項4】 次の3つの工程を経ることを特徴とする
請求項3記載の軽量な繊維強化プラスチック製成形体の
製造方法。 (1)粒状のマトリックス樹脂と、粒状のマトリックス
樹脂100質量部に対して、繊維長1〜50mmの強化
用繊維10〜450質量部と、加熱膨張性マイクロカプ
セル2〜170質量部とを水性媒体中にて分散混合して
スラリーを得る工程、(2)前記(1)で得たスラリー
から湿式抄紙法によって複合シートを得る工程、(3)
前記(2)で得た複合シートを、当該マトリックス樹脂
の溶融温度と当該加熱膨張性マイクロカプセルの膨張開
始温度のいずれか高い方の温度以上の温度で加熱し、膨
張させる工程。
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