JP2000326314A - 木質繊維板及びその製造方法 - Google Patents
木質繊維板及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2000326314A JP2000326314A JP11137443A JP13744399A JP2000326314A JP 2000326314 A JP2000326314 A JP 2000326314A JP 11137443 A JP11137443 A JP 11137443A JP 13744399 A JP13744399 A JP 13744399A JP 2000326314 A JP2000326314 A JP 2000326314A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wood fiber
- wood
- formaldehyde
- fiber board
- phenolic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の実生産上の熱圧時間で、放出ホルムア
ルデヒド量はきわめて少なく、さらに、表面に貼り付け
た化粧突板や化粧紙に変色を生じさせることもなく、ま
た、構造材として用いた場合に、水濡れから生じる赤色
の抽出液などによる汚染も生じさせない木質繊維板を得
る。 【解決手段】 木質繊維に、触媒としての水酸化ナトリ
ウム(NaOH)とフェノール類(P)のモル比(Na
OH/P)が0.1〜0.3で反応させたレゾール型フ
ェノール系樹脂を攪拌混合し、さらに尿素のようなホル
ムアルデヒド捕捉剤を添加混合し、それを熱圧成形して
木質繊維板の製造する。
ルデヒド量はきわめて少なく、さらに、表面に貼り付け
た化粧突板や化粧紙に変色を生じさせることもなく、ま
た、構造材として用いた場合に、水濡れから生じる赤色
の抽出液などによる汚染も生じさせない木質繊維板を得
る。 【解決手段】 木質繊維に、触媒としての水酸化ナトリ
ウム(NaOH)とフェノール類(P)のモル比(Na
OH/P)が0.1〜0.3で反応させたレゾール型フ
ェノール系樹脂を攪拌混合し、さらに尿素のようなホル
ムアルデヒド捕捉剤を添加混合し、それを熱圧成形して
木質繊維板の製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質繊維板及びそ
の製造方法に関し、特に、板状、片状、繊維状、粉状な
どの木質繊維を接着剤により板状に熱圧成形して作られ
る木質繊維板であって、放出ホルムアルデヒド量がきわ
めて少なく、かつ、突板などへの汚染も少ない木質繊維
板及びその製造方法に関する。
の製造方法に関し、特に、板状、片状、繊維状、粉状な
どの木質繊維を接着剤により板状に熱圧成形して作られ
る木質繊維板であって、放出ホルムアルデヒド量がきわ
めて少なく、かつ、突板などへの汚染も少ない木質繊維
板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような木質繊維板の製造に
は、接着剤としてフェノール樹脂などのホルムアルデヒ
ド系接着剤が主に用いられている。中でも、フェノール
系樹脂は、尿素系樹脂やメラミン系樹脂と比較して放出
ホルムアルデヒド量が少なく、また、耐候性にも優れる
ことから、広く用いられている。ホルムアルデヒド捕捉
剤を併用するなど、ホルムアルデヒド系接着剤を用いて
製造される木質繊維板からの放出ホルムアルデヒド量を
さらに少なくしようとする種々の試みもなされている
(特開平10−120747号公報、特公昭51−42
164号公報など参照)。
は、接着剤としてフェノール樹脂などのホルムアルデヒ
ド系接着剤が主に用いられている。中でも、フェノール
系樹脂は、尿素系樹脂やメラミン系樹脂と比較して放出
ホルムアルデヒド量が少なく、また、耐候性にも優れる
ことから、広く用いられている。ホルムアルデヒド捕捉
剤を併用するなど、ホルムアルデヒド系接着剤を用いて
製造される木質繊維板からの放出ホルムアルデヒド量を
さらに少なくしようとする種々の試みもなされている
(特開平10−120747号公報、特公昭51−42
164号公報など参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フェノール系樹脂のか
なでも、レゾール型フェノール系樹脂はナトリウム存在
下でナトリウムフェノキシドとなり水溶性が付与されて
安定化し、硬化後、樹脂の分解によるホルムアルデヒド
の放出が抑制されて、放出ホルムアルデヒド量がさらに
少なくなることも知られている。しかし、木質繊維板の
製造に通常使用されるレゾール型フェノール系樹脂は高
アルカリ性のものであり、レゾール型フェノール系樹脂
を接着剤として用いて製造した木質繊維板を化粧板や構
造用材として使用する場合に、表面化粧に用いられる突
板や化粧紙を変色させたり、水に濡れて有色の抽出液が
生じるなど、非常に汚染しやすい欠点があり、使用範囲
が限られるという不都合を有している。
なでも、レゾール型フェノール系樹脂はナトリウム存在
下でナトリウムフェノキシドとなり水溶性が付与されて
安定化し、硬化後、樹脂の分解によるホルムアルデヒド
の放出が抑制されて、放出ホルムアルデヒド量がさらに
少なくなることも知られている。しかし、木質繊維板の
製造に通常使用されるレゾール型フェノール系樹脂は高
アルカリ性のものであり、レゾール型フェノール系樹脂
を接着剤として用いて製造した木質繊維板を化粧板や構
造用材として使用する場合に、表面化粧に用いられる突
板や化粧紙を変色させたり、水に濡れて有色の抽出液が
生じるなど、非常に汚染しやすい欠点があり、使用範囲
が限られるという不都合を有している。
【0004】レゾール型フェノール系樹脂でも低アルカ
リ性、あるいはほぼ中性に近いものが存在しており、そ
のような樹脂を使用すれば上記の不都合は解消できる
が、強アルカリ性のものと比較して放出ホルムアルデヒ
ド量が多くなる、安定性に不足する、樹脂の硬化時間が
長く熱プレスに長時間を要してしまい実生産性に欠け
る、などの理由から、木質繊維板製造用の接着剤として
は、通常、用いられない。用いられる場合もあるが、樹
脂の硬化不良に起因して放出ホルムアルデヒド量が増加
することが起こりかねない。
リ性、あるいはほぼ中性に近いものが存在しており、そ
のような樹脂を使用すれば上記の不都合は解消できる
が、強アルカリ性のものと比較して放出ホルムアルデヒ
ド量が多くなる、安定性に不足する、樹脂の硬化時間が
長く熱プレスに長時間を要してしまい実生産性に欠け
る、などの理由から、木質繊維板製造用の接着剤として
は、通常、用いられない。用いられる場合もあるが、樹
脂の硬化不良に起因して放出ホルムアルデヒド量が増加
することが起こりかねない。
【0005】レゾール型フェノール系樹脂の製造工程
で、低アルカリ化と熱硬化時間の短縮の双方を満足させ
るための種々の試み、例えば、トリアセチン、PPC、
β−プチロラクトン、炭酸アンモニウムなどを添加する
試みなどがなされているが、十分な効果が得られなかっ
たり、所期の効果が得られてもコストが高くライン適正
が悪かったりと、実生産には不向きな場合が多く、木質
繊維板製造用の接着剤としてはいずれも実用化にいたっ
ていない。
で、低アルカリ化と熱硬化時間の短縮の双方を満足させ
るための種々の試み、例えば、トリアセチン、PPC、
β−プチロラクトン、炭酸アンモニウムなどを添加する
試みなどがなされているが、十分な効果が得られなかっ
たり、所期の効果が得られてもコストが高くライン適正
が悪かったりと、実生産には不向きな場合が多く、木質
繊維板製造用の接着剤としてはいずれも実用化にいたっ
ていない。
【0006】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
ものであり、低コストで低アルカリ性レゾール型フェノ
ール系樹脂を得、それを用いて木質繊維板を熱圧成形す
ることにより、表面化粧に用いられる突板や化粧紙に対
する汚染程度を低減でき、同時に、放出ホルムアルデヒ
ド量も低減できる木質繊維板及びその製造方法を提供す
ることにある。
ものであり、低コストで低アルカリ性レゾール型フェノ
ール系樹脂を得、それを用いて木質繊維板を熱圧成形す
ることにより、表面化粧に用いられる突板や化粧紙に対
する汚染程度を低減でき、同時に、放出ホルムアルデヒ
ド量も低減できる木質繊維板及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために、鋭意検討した結果、フェノール類と
ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とをアルカリ性触
媒で反応させてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を製
造するに際して、アルカリ性触媒としてアルカリ金属水
酸化物(AOH)、好ましくは水酸化ナトリウム(Na
OH)を用い、かつ、フェノール類(P)とのモル比を
特定値としてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を得、
該接着剤と木質繊維とをホルムアルデヒド捕捉剤と共に
攪拌混合して熱圧成形することにより、放出ホルムアル
デヒド量が少なく、短時間で熱圧成形ができ、かつ、突
板などへの汚染程度も大きく低減できる木質繊維板が得
られることを知見するにいたった。
を解決するために、鋭意検討した結果、フェノール類と
ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とをアルカリ性触
媒で反応させてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を製
造するに際して、アルカリ性触媒としてアルカリ金属水
酸化物(AOH)、好ましくは水酸化ナトリウム(Na
OH)を用い、かつ、フェノール類(P)とのモル比を
特定値としてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を得、
該接着剤と木質繊維とをホルムアルデヒド捕捉剤と共に
攪拌混合して熱圧成形することにより、放出ホルムアル
デヒド量が少なく、短時間で熱圧成形ができ、かつ、突
板などへの汚染程度も大きく低減できる木質繊維板が得
られることを知見するにいたった。
【0008】すなわち、本発明は、木質繊維と、アルカ
リ金属水酸化物(AOH)、好ましくは水酸化ナトリウ
ム(NaOH)、とフェノール類(P)のモル比(AO
H/P)が0.1〜0.3であるレゾール型フェノール
系樹脂と、ホルムアルデヒド捕捉剤とを用いてなる木質
繊維板、及び、木質繊維にフェノール系樹脂を接着剤と
して用いて木質繊維板を製造するに際して、フェノール
系樹脂として、アルカリ金属水酸化物(AOH)、好ま
しくは水酸化ナトリウム(NaOH)、とフェノール類
(P)のモル比(NaOH/P)が0.1〜0.3であ
るレゾール型フェノール系樹脂を用い、木質繊維に該レ
ゾール型フェノール系樹脂と共にホルムアルデヒド捕捉
剤を添加混合して、熱圧成形することを特徴とする木質
繊維板の製造方法である。
リ金属水酸化物(AOH)、好ましくは水酸化ナトリウ
ム(NaOH)、とフェノール類(P)のモル比(AO
H/P)が0.1〜0.3であるレゾール型フェノール
系樹脂と、ホルムアルデヒド捕捉剤とを用いてなる木質
繊維板、及び、木質繊維にフェノール系樹脂を接着剤と
して用いて木質繊維板を製造するに際して、フェノール
系樹脂として、アルカリ金属水酸化物(AOH)、好ま
しくは水酸化ナトリウム(NaOH)、とフェノール類
(P)のモル比(NaOH/P)が0.1〜0.3であ
るレゾール型フェノール系樹脂を用い、木質繊維に該レ
ゾール型フェノール系樹脂と共にホルムアルデヒド捕捉
剤を添加混合して、熱圧成形することを特徴とする木質
繊維板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、木質繊維板とは、細片、チップ、ある
いは粉状化した木質繊維を接着剤を用いて板状に熱圧成
形したものをいい、厚み方向に一層でのものあってもよ
く多層のものであってもよい。
本発明において、木質繊維板とは、細片、チップ、ある
いは粉状化した木質繊維を接着剤を用いて板状に熱圧成
形したものをいい、厚み方向に一層でのものあってもよ
く多層のものであってもよい。
【0010】本発明でのレゾール型フェノール系樹脂と
は、ベンゼン環に水酸基が1つ以上結合したものもしく
はその誘導体であり、例えば、フェノール、レゾルシノ
ールやクレゾールであるフェノール類一種もしくは二種
以上と、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを、ア
ルカリ金属の水酸化物を触媒として反応させたものであ
り、その際に、アルカリ金属水酸化物(AOH)とフェ
ノール類(P)のモル比(AOH/P)が0.1〜0.
3とされる。モル比が0.1未満では、低アルカリ性の
目的では有効であるが、低温下で樹脂が結晶化してしま
い、樹脂の溶解度が低下して実用に共しなくなる。ま
た、0.3を超えるとアルカリ度が高くなり、突板など
の化粧材にアルカリ変色汚染を与える懸念がある。ま
た、水濡れなどから生じる抽出溶液が赤みを帯びてく
る。なお、上記のモル比で反応させたレゾール型フェノ
ール系樹脂接着剤のpHはほぼ10程度である。
は、ベンゼン環に水酸基が1つ以上結合したものもしく
はその誘導体であり、例えば、フェノール、レゾルシノ
ールやクレゾールであるフェノール類一種もしくは二種
以上と、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを、ア
ルカリ金属の水酸化物を触媒として反応させたものであ
り、その際に、アルカリ金属水酸化物(AOH)とフェ
ノール類(P)のモル比(AOH/P)が0.1〜0.
3とされる。モル比が0.1未満では、低アルカリ性の
目的では有効であるが、低温下で樹脂が結晶化してしま
い、樹脂の溶解度が低下して実用に共しなくなる。ま
た、0.3を超えるとアルカリ度が高くなり、突板など
の化粧材にアルカリ変色汚染を与える懸念がある。ま
た、水濡れなどから生じる抽出溶液が赤みを帯びてく
る。なお、上記のモル比で反応させたレゾール型フェノ
ール系樹脂接着剤のpHはほぼ10程度である。
【0011】アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水
酸化リチウム(LiOH)などを用いることはコストの
面、反応性の面から有効である。本発明において、ホル
ムアルデヒドと反応しうるホルムアルデヒド捕捉剤と
は、ホルムアルデヒドと反応しうる物質であれば特に限
定するものではなく、尿素、メラミン、レゾルジン、過
酸化水素、酸アミド、アンモニウム塩、アミン、カテキ
ン、タンニン酸のようなものであってよいが、中でも、
尿素は、木質繊維板製造の際の熱圧成形時に、プレス温
度を所定温度(ほぼ170℃程度以上)としたときに、
熱圧成形に要する時間を短縮することを知見しており、
特に有効である。
トリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水
酸化リチウム(LiOH)などを用いることはコストの
面、反応性の面から有効である。本発明において、ホル
ムアルデヒドと反応しうるホルムアルデヒド捕捉剤と
は、ホルムアルデヒドと反応しうる物質であれば特に限
定するものではなく、尿素、メラミン、レゾルジン、過
酸化水素、酸アミド、アンモニウム塩、アミン、カテキ
ン、タンニン酸のようなものであってよいが、中でも、
尿素は、木質繊維板製造の際の熱圧成形時に、プレス温
度を所定温度(ほぼ170℃程度以上)としたときに、
熱圧成形に要する時間を短縮することを知見しており、
特に有効である。
【0012】本発明において、木質繊維とレゾール型フ
ェノール系樹脂とは、木質繊維板の定法による製造方法
に従って、混合され攪拌され、通常の製造装置を用いて
熱圧成形される。その際に、前記ホルムアルデヒド捕捉
剤の添加は、レゾール型フェノール系樹脂を混合する前
に行ってもよく、後で行ってもよい。添加量は絶乾木質
繊維に対して1〜20重量%、好ましくは3〜15重量
%程度である。本発明による製造方法によれば、従来の
実生産上の熱圧時間で所要の木質繊維板を得ることがで
き、得られた木質繊維板は、放出ホルムアルデヒド量は
きわめて少なく、さらに、表面に貼り付けた化粧突板や
化粧紙に変色を生じさせることもなく、また、構造材と
して用いた場合に、水濡れから生じる赤色の抽出液など
による汚染も生じさせない。
ェノール系樹脂とは、木質繊維板の定法による製造方法
に従って、混合され攪拌され、通常の製造装置を用いて
熱圧成形される。その際に、前記ホルムアルデヒド捕捉
剤の添加は、レゾール型フェノール系樹脂を混合する前
に行ってもよく、後で行ってもよい。添加量は絶乾木質
繊維に対して1〜20重量%、好ましくは3〜15重量
%程度である。本発明による製造方法によれば、従来の
実生産上の熱圧時間で所要の木質繊維板を得ることがで
き、得られた木質繊維板は、放出ホルムアルデヒド量は
きわめて少なく、さらに、表面に貼り付けた化粧突板や
化粧紙に変色を生じさせることもなく、また、構造材と
して用いた場合に、水濡れから生じる赤色の抽出液など
による汚染も生じさせない。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明がこの実施例に限定されないことはいうまでもな
い。フェノール類としてのフェノール、ホルムアルデヒ
ドとしての37%ホルムアルデヒド水溶液、触媒として
の水酸化ナトリウムNaOH水溶液とを、表1に1〜1
1に示すような配合割合で反応容器に入れ、85℃で2
時間反応させてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を得
た。
発明がこの実施例に限定されないことはいうまでもな
い。フェノール類としてのフェノール、ホルムアルデヒ
ドとしての37%ホルムアルデヒド水溶液、触媒として
の水酸化ナトリウムNaOH水溶液とを、表1に1〜1
1に示すような配合割合で反応容器に入れ、85℃で2
時間反応させてレゾール型フェノール系樹脂接着剤を得
た。
【0014】通常のMDFの製造条件に合わせて適宜の
大きさの木材(スギ材)をチップ化して木質繊維を製造
し、接着剤添加率15重量%となるようにして、1〜1
1の接着剤と木質繊維とを混合した。各混合物に尿素を
表1に示すような配合割合で添加し、それを熱圧プレス
に設定厚み2.7mmとなるようにセットし、通常のM
DFの加工条件に合わせて、プレス温度200℃〜16
0℃、プレス時間60秒、プレス圧力26kgf/cm
2で熱圧成形してMDFを成形した。
大きさの木材(スギ材)をチップ化して木質繊維を製造
し、接着剤添加率15重量%となるようにして、1〜1
1の接着剤と木質繊維とを混合した。各混合物に尿素を
表1に示すような配合割合で添加し、それを熱圧プレス
に設定厚み2.7mmとなるようにセットし、通常のM
DFの加工条件に合わせて、プレス温度200℃〜16
0℃、プレス時間60秒、プレス圧力26kgf/cm
2で熱圧成形してMDFを成形した。
【0015】得られた1〜11のMDFを台板合板
(9.0mm)と練り合わせし、その上に、0.25m
mの突板を貼り塗装して化粧板(試料番号1〜11)と
した。接着剤は変性酢酸ビニルエマルジョンを用いた。
それぞれについて、突板汚染試験、放出ホルムアルデヒ
ド量、吸水厚さ膨潤率(TS)を試験した。その結果を
表2に示す、なお、放出ホルムアルデヒド量、吸水厚さ
膨潤率は、JIS規格試験による評価であり、吸水厚さ
膨潤率は20℃24時間水中浸漬法によった。また、放
出ホルムアルデヒド量のE0は0.5mg/L以下の場
合であり、E1は1.5mg/L以下の場合である。
(9.0mm)と練り合わせし、その上に、0.25m
mの突板を貼り塗装して化粧板(試料番号1〜11)と
した。接着剤は変性酢酸ビニルエマルジョンを用いた。
それぞれについて、突板汚染試験、放出ホルムアルデヒ
ド量、吸水厚さ膨潤率(TS)を試験した。その結果を
表2に示す、なお、放出ホルムアルデヒド量、吸水厚さ
膨潤率は、JIS規格試験による評価であり、吸水厚さ
膨潤率は20℃24時間水中浸漬法によった。また、放
出ホルムアルデヒド量のE0は0.5mg/L以下の場
合であり、E1は1.5mg/L以下の場合である。
【0016】また、突板汚染試験は、作成した化粧板
(試料番号1〜11)を40℃、100%室内湿度の環
境下で一週間から10日養生した後、40℃の乾燥機で
試験前の含水率程度まで再び乾燥させ、その後に、突板
表面を目視により観察した。表2において、○は汚染
(変色)が観察されなかったことを示し、△はやや汚染
(変色)が観察されたことを示し、×は汚染(変色)が
ハッキリと観察されたことを示している。
(試料番号1〜11)を40℃、100%室内湿度の環
境下で一週間から10日養生した後、40℃の乾燥機で
試験前の含水率程度まで再び乾燥させ、その後に、突板
表面を目視により観察した。表2において、○は汚染
(変色)が観察されなかったことを示し、△はやや汚染
(変色)が観察されたことを示し、×は汚染(変色)が
ハッキリと観察されたことを示している。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表1と表2において、試料番号1〜6のも
のは本発明に則した実施例であり、突板の汚染(変色)
は観察されず、放出ホルムアルデヒド量も吸水厚さ膨潤
率も低い値である。試料番号7〜11のものは比較例で
あり、試料番号7と8では、NaOH/Pのモル比が本
発明の範囲をはずれており、それにより突板の汚染が激
しくなっている。試料番号9では尿素の添加がなく、そ
れにより放出ホルムアルデヒド量が基準を上回ってい
る。試料番号10と11では、プレス温度が160℃と
低く、それにより、放出ホルムアルデヒド量が基準を上
回ると共に、やや突板の変色が表れている。
のは本発明に則した実施例であり、突板の汚染(変色)
は観察されず、放出ホルムアルデヒド量も吸水厚さ膨潤
率も低い値である。試料番号7〜11のものは比較例で
あり、試料番号7と8では、NaOH/Pのモル比が本
発明の範囲をはずれており、それにより突板の汚染が激
しくなっている。試料番号9では尿素の添加がなく、そ
れにより放出ホルムアルデヒド量が基準を上回ってい
る。試料番号10と11では、プレス温度が160℃と
低く、それにより、放出ホルムアルデヒド量が基準を上
回ると共に、やや突板の変色が表れている。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、従来の実生産上の熱圧
時間で、放出ホルムアルデヒド量はきわめて少なく、さ
らに、表面に貼り付けた化粧突板や化粧紙に変色を生じ
させることもなく、また、構造材として用いた場合に、
水濡れから生じる赤色の抽出液などによる汚染も生じさ
せない木質繊維板を製造することが可能となった。
時間で、放出ホルムアルデヒド量はきわめて少なく、さ
らに、表面に貼り付けた化粧突板や化粧紙に変色を生じ
させることもなく、また、構造材として用いた場合に、
水濡れから生じる赤色の抽出液などによる汚染も生じさ
せない木質繊維板を製造することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠山 哲 大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60 号 永大産業株式会社内 Fターム(参考) 2B230 AA10 AA12 AA21 BA01 BA05 CB25 CC02 CC21 CC24 EA08 EB05 EB13 EB28 EB29 2B260 AA05 AA06 AA10 BA01 BA18 BA19 CB01 DA04 DB02 DB13 DC02 EA05 EB02 EB06 EB19 EB21
Claims (6)
- 【請求項1】 木質繊維と、触媒であるアルカリ金属水
酸化物(AOH)とフェノール類(P)のモル比(AO
H/P)を0.1〜0.3として反応させたレゾール型
フェノール系樹脂と、ホルムアルデヒド捕捉剤とを用い
てなる木質繊維板。 - 【請求項2】 アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
ム(NaOH)である請求項1記載の木質繊維板。 - 【請求項3】 木質繊維にフェノール系樹脂を接着剤と
して用いて木質繊維板を製造するに際して、フェノール
系樹脂として、触媒であるアルカリ金属水酸化物(AO
H)とフェノール類(P)のモル比(AOH/P)を
0.1〜0.3として反応させたレゾール型フェノール
系樹脂を用い、木質繊維に該レゾール型フェノール系樹
脂と共にホルムアルデヒド捕捉剤を添加混合して、熱圧
成形することを特徴とする木質繊維板の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
ム(NaOH)である請求項3記載の木質繊維板の製造
方法。 - 【請求項5】 ホルムアルデヒド捕捉剤が尿素である請
求項3記載の木質繊維板の製造方法。 - 【請求項6】 加圧時の温度が170℃以上であること
を特徴とする請求項3記載の木質繊維板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11137443A JP2000326314A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 木質繊維板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11137443A JP2000326314A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 木質繊維板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000326314A true JP2000326314A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15198752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11137443A Withdrawn JP2000326314A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 木質繊維板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000326314A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100396461C (zh) * | 2006-05-16 | 2008-06-25 | 安徽科技开发公司 | 利用农业秸秆或木屑或稻糠或甘蔗渣制备木塑复合材料专用活性塑化颗粒料的工艺方法 |
CN101954664A (zh) * | 2010-06-04 | 2011-01-26 | 沈阳巴菲克实业有限公司 | 灰黑色炭纤维环保中高密度纤维板及其制造工艺 |
JP2012106476A (ja) * | 2010-10-22 | 2012-06-07 | Panasonic Corp | 木質化粧板の製造方法 |
CN102672785A (zh) * | 2012-05-22 | 2012-09-19 | 文安县天华密度板有限公司 | 臭氧熏蒸植物纤维生产多功能环保型人造板的方法 |
JP2018058359A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-12 | 群栄化学工業株式会社 | 木質ボード用バインダー組成物、木質ボード及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-05-18 JP JP11137443A patent/JP2000326314A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100396461C (zh) * | 2006-05-16 | 2008-06-25 | 安徽科技开发公司 | 利用农业秸秆或木屑或稻糠或甘蔗渣制备木塑复合材料专用活性塑化颗粒料的工艺方法 |
CN101954664A (zh) * | 2010-06-04 | 2011-01-26 | 沈阳巴菲克实业有限公司 | 灰黑色炭纤维环保中高密度纤维板及其制造工艺 |
JP2012106476A (ja) * | 2010-10-22 | 2012-06-07 | Panasonic Corp | 木質化粧板の製造方法 |
CN102672785A (zh) * | 2012-05-22 | 2012-09-19 | 文安县天华密度板有限公司 | 臭氧熏蒸植物纤维生产多功能环保型人造板的方法 |
JP2018058359A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-12 | 群栄化学工業株式会社 | 木質ボード用バインダー組成物、木質ボード及びその製造方法 |
JP7017896B2 (ja) | 2016-09-30 | 2022-02-09 | 群栄化学工業株式会社 | 木質ボード用バインダー組成物、木質ボード及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7511485B2 (ja) | 結合用樹脂を調製するためのプロセス | |
CN101903417A (zh) | 热固性聚合物 | |
CA2663919A1 (en) | Novel hybrid binder with natural compounds for low emission products | |
IE81045B1 (en) | Modified phenol-aldehyde resin and binder system | |
NZ330691A (en) | A bonding-agent composition and its use, and a method of producing particle boards using tanins and acidic ammonium salts | |
US6132885A (en) | Composites prepared with ready-to-use resin/wax emulsion adhesives | |
JP2000326314A (ja) | 木質繊維板及びその製造方法 | |
US5763559A (en) | Phenol-formaldehyde resins modified with guanidine salts | |
JP2002146317A (ja) | 無臭木質板製板用接着剤 | |
RU2154652C2 (ru) | Способ получения связующего на основе модифицированной мочевиной фенольной смолы, предназначенного для обработки стружек средних слоев стружечных плит | |
CA1068426A (en) | Adhesive for the manufacture of plywood particle boards, fiber boards and similar products | |
US2664377A (en) | Method of impregnating and laminating fibrous materials with lignin | |
JP2005517076A (ja) | 木材をベースとする材料の結合方法 | |
US5374678A (en) | Adhesive | |
US4125502A (en) | Polyvinyl acetate-modified phenolic resin composition | |
US2781327A (en) | Phenolic resin glue compositions containing modified bark phloem flour | |
JP2002510741A (ja) | 表面の接合方法 | |
USH603H (en) | Methods of making and using adhesive resins and glue mixes | |
JP2003041225A (ja) | 合板接着剤用水性樹脂組成物及び合板の製造方法。 | |
JP2620168B2 (ja) | 木質板の製造方法 | |
US4110513A (en) | Fire resistant plywood | |
JP2000326315A (ja) | 木質繊維板及びその製造方法 | |
JP2001079806A (ja) | 化粧板及びその製造方法 | |
JP6830723B2 (ja) | フェノール樹脂とリグノフェノールとを含む接着剤およびこれを用いた木製品 | |
JP2006089677A (ja) | 合板用接着剤及び合板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060309 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070327 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070327 |