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JP2000321150A - 挟み込み検知センサおよび挟み込み防止装置 - Google Patents

挟み込み検知センサおよび挟み込み防止装置

Info

Publication number
JP2000321150A
JP2000321150A JP11132250A JP13225099A JP2000321150A JP 2000321150 A JP2000321150 A JP 2000321150A JP 11132250 A JP11132250 A JP 11132250A JP 13225099 A JP13225099 A JP 13225099A JP 2000321150 A JP2000321150 A JP 2000321150A
Authority
JP
Japan
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detection sensor
pinch detection
opening
pinch
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Pending
Application number
JP11132250A
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English (en)
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JP2000321150A5 (ja
Inventor
Koji Yoshino
浩二 吉野
Hiroyuki Ogino
弘之 荻野
Takeshi Nagai
彪 長井
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
Yuko Fujii
優子 藤井
Katsuhiko Yamamoto
克彦 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP11132250A priority Critical patent/JP2000321150A/ja
Priority to KR1020017014365A priority patent/KR100613534B1/ko
Priority to TW089109015A priority patent/TW513358B/zh
Priority to EP00925607A priority patent/EP1177362B1/en
Priority to DE60015524T priority patent/DE60015524T2/de
Priority to CNB2004100322834A priority patent/CN1288321C/zh
Priority to CNB008074917A priority patent/CN1152187C/zh
Priority to AT00925607T priority patent/ATE281582T1/de
Priority to US10/031,858 priority patent/US6747399B1/en
Priority to PCT/JP2000/003003 priority patent/WO2000070179A1/en
Publication of JP2000321150A publication Critical patent/JP2000321150A/ja
Priority to US10/829,567 priority patent/US6951140B2/en
Priority to US11/088,666 priority patent/US7174790B2/en
Publication of JP2000321150A5 publication Critical patent/JP2000321150A5/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
  • Window Of Vehicle (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の挟み込み検知用のセンサや防止装置
は、駆動モータの電流変化は小さくて検知精度が悪いと
か、導電体では濡れると誤検知するとか、感圧スイッチ
では経年変化で接点が劣化するとか、圧電材(PVD
F)の耐熱が低いといった課題があった。 【解決手段】 挟み込み検知センサ8が圧電材11から
成り、物体の接触による変位や歪み、圧力変化で出力を
発生するかまたは出力が変化するので、開閉部7への物
体の挟み込みを精度良く検出することができ、濡れても
誤検出が無く、接点を持たないので接触不良や短絡が無
く耐久性が良いのに加え、圧電材11がゴム弾性体の有
機基材に圧電セラミックの焼結粉体を配合して分極処理
した可撓性のあるものなので、PVDFに比べて熱に対
する安定性や耐熱性が高く、伸縮性や屈曲性が有り、成
型が容易であるといった効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窓や扉といった開閉
部への物体の挟み込みを検知する挟み込み検知センサな
らびに挟み込みを防止する挟み込み防止装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の挟み込み検知センサなら
びに挟み込み防止装置は以下のようなものであった。第
1の従来例としては、特開平6−33665号公報に記
載のように、パワーウィンドウ用モータの駆動電流の変
化に基づいて窓ガラスの上昇時の物体の挟み込みを検出
してモータを停止するものであった。
【0003】また第2の従来例としては、実開昭58−
228号公報に記載のように、閉鎖時に扉と接触する固
定部接触面に導電体を設け、この導電体の静電容量の変
化を検出して物体の挟み込みを検出して扉の閉動作を停
止するものであった。
【0004】また第3の従来例としては、特開平10−
29425号公報に記載のように、相対する導電部から
なる感圧スイッチを窓枠の密封部材に内蔵して物体の挟
み込みを検出してモータを停止するものであった。
【0005】さらに第4の従来例としては、特開平10
−132669号公報に記載のように、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)の共重合体を圧電材料として用いた
圧電ケーブルを窓枠に配設し、圧電ケーブルからの出力
発生により物体の挟み込みを検出するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
挟み込み防止装置では以下のような課題を有していた。
【0007】第1の従来例では、例えば物体が人の手や
指のように柔らかいと窓に手や指が触れただけではモー
タの駆動電流の変化が小さいため、その時点での挟み込
みの検出はできず、さらに窓が上昇して窓と窓枠の間に
手や指が挟まれて窓の上昇が停止する段階にならないと
挟み込みの検出ができないといった課題を有していた。
【0008】また第2の従来例では、雨や洗車等により
導電体がぬれてしまうと導電体の静電容量が変化して挟
み込みを誤検出してしまうといった課題を有していた。
【0009】また第3の従来例では、経年変化により感
圧スイッチの接点が劣化して接触不良になったり、密封
部が変形して導電部が短絡する等、耐久性が悪いといっ
た課題を有していた。
【0010】さらに第4の従来例では、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)等の有機ポリマー材料(共重合体)
を圧電材料として用いているので、温度が高く(80℃
以上に)なると結晶構造が変化して感度が径時変化した
り、耐熱性自体が低い(約100℃)のに加えて、ケー
ブル状に構成されるため、伸縮性や屈曲性が低く、成型
が難しく、配設(支持)しにくいといった課題を有して
いた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の挟み込み検知セ
ンサおよび挟み込み防止装置は、上記課題を解決するた
めに、ゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉
体を配合して分極処理した可撓性のある圧電材から成
り、移動部材と当接部材とで構成される開閉部に配設さ
れ、前記開閉部への物体の挟み込みにより出力を発生す
るかまたは出力が変化するものである。
【0012】上記発明によれば、物体の接触による変位
や歪み、圧力変化を圧電材から成る挟み込み検知センサ
により検出するので、人の手や指のように柔らかい物体
でも開閉部に接触したことを検出することができる。
【0013】また圧電材から成る挟み込み検知センサは
物体との接触により生じる歪を電気的な信号に変換して
出力するので、雨や洗車等により圧電センサがぬれても
誤検出がない。
【0014】また圧電材から成る挟み込み検知センサは
感圧スイッチのような接点がないので接触不良や短絡が
なく耐久性がよい。
【0015】さらに圧電材はゴム弾性体の有機基材に圧
電セラミックの焼結粉体を配合して分極処理した可撓性
のあるものであり、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
に比べて熱に対する安定性や耐熱性が高く、伸縮性や屈
曲性が有り、成型が容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる挟み込
み検知センサは、ゴム弾性体の有機基材に圧電セラミッ
クの焼結粉体を配合して分極処理した可撓性のある圧電
材から成り、移動部材と当接部材とで構成される開閉部
に配設され、前記開閉部への物体の挟み込みにより出力
を発生するかまたは出力が変化するものである。
【0017】そして挟み込み検知センサが圧電材から成
り、物体の接触による変位や歪み、圧力変化で出力を発
生するかまたは出力が変化するので、開閉部への物体の
挟み込みを検出することができ、濡れても誤検出が起こ
りにくく、接点を持たないので接触不良や短絡などが起
こりにくく耐久性が良いのに加え、圧電材がゴム弾性体
の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を配合して分極
処理した可撓性のあるものなので、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)に比べて熱に対する安定性や耐熱性が高
く、伸縮性や屈曲性が有り、成型が容易である。
【0018】本発明の請求項2にかかる挟み込み検知セ
ンサは、圧電セラミックは、チタン酸鉛またはチタン酸
ジルコン酸鉛の少なくとも一方の焼結粉体としたもので
ある。
【0019】そして容易に可撓性のある圧電材から成る
挟み込み検知センサを実現できる。
【0020】本発明の請求項3にかかる挟み込み検知セ
ンサは、圧電材上に導電ゴムから成る可撓性のある電極
を形成したものである。
【0021】そして圧電材に加えて電極も可撓性がある
ので、挟み込み検知センサ全体としての伸縮性、屈曲性
を高くすることができる。
【0022】本発明の請求項4にかかる挟み込み検知セ
ンサは、シート状に構成されたものである。
【0023】そしてシート状の構成のためさらに屈曲性
が高く配設が容易であり、厚みが薄くなるので設置スペ
ースを少なくできる。
【0024】本発明の請求項5にかかる挟み込み検知セ
ンサは、当接部材または移動部材の少なくとも一方の端
部に沿って配設されたものである。
【0025】そして圧電材の屈曲性が高く成型が容易な
ので端部にも容易に配設できるうえ、伸縮性が高いので
安全のために端部を保護することもできる。
【0026】本発明の請求項6にかかる挟み込み検知セ
ンサは、当接部材が有するサイドバイザーに配設された
ものである。
【0027】そして圧電材の耐熱性が高いので、屋外の
直射日光にさらされて高温になりうるサイドバイザーに
も配設することができる。
【0028】本発明の請求項7にかかる挟み込み検知セ
ンサは、当接部材が有するサイドバイザーが圧電材から
成るものである。
【0029】そして圧電材の耐熱性が高いのに加えて、
伸縮性や屈曲性が有り、成型が容易なので形状に自由度
があり、サイドバイザーを兼用することができて部品点
数を削減できる。
【0030】本発明の請求項8にかかる挟み込み検知セ
ンサは、移動部材が当接部材に当接した際の隙間を密閉
する密閉部材が圧電材から成るものである。
【0031】そして圧電材に伸縮性や屈曲性が有り、成
型が容易なので形状に自由度があり、密閉部材を兼用す
ることができて部品点数を削減できる。
【0032】本発明の請求項9にかかる挟み込み検知セ
ンサは、開閉部にはめ込んで配設されたものである。
【0033】そして圧電材の伸縮性か高く、成型が容易
なので、簡単にはめ込み構成が実現できるとともに、交
換が容易である。
【0034】本発明の請求項10にかかる挟み込み防止
装置は、挟み込み検知センサの出力に基づき開閉部への
物体の挟み込みを検知し、開閉部の開閉動作を制御する
制御手段を備えたものである。
【0035】そして濡れた場合の誤検出、接触不良や短
絡などが起こりにくく、耐熱性が高く、伸縮性や屈曲性
が有り、成型が容易な挟み込みセンサで、正確に挟み込
みを検知して開閉部の開閉動作を制御できる。
【0036】本発明の請求項11にかかる挟み込み防止
装置は、移動部材を駆動する駆動手段を有し、制御手段
は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合は前記移
動部材の駆動を停止するよう前記駆動手段を制御するも
のである。
【0037】そして挟み込みを検知したらそれ以上強く
挟むことがないと同時に、伸縮性、屈曲性があるので挟
んだものを傷つけにくい。
【0038】本発明の請求項12にかかる挟み込み防止
装置は、移動部材を駆動する駆動手段を有し、制御手段
は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合は前記移
動部材を開閉部が開く方向に駆動するよう前記駆動手段
を制御するものである。
【0039】そして挟み込みを検知したら開閉部が開く
ので挟まれ続けることがないと同時に、伸縮性、屈曲性
があるので挟んだものを傷つけにくい。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0041】(実施例1)図1に本発明の実施例1の挟
み込み防止装置の外観図を示す。本実施例は開閉部とし
て例えば車両用のパワーウィンドウに応用した場合を示
している。図中、1は移動部材としての窓ガラス、2は
窓ガラス1を昇降するためのクランク、3はクランク2
を駆動する駆動手段で例えばパルス駆動の電動モータか
らなる。4は例えば駆動手段3に印加されるパルス信号
をカウントして窓ガラス1の開閉位置を検出する開閉位
置検出部である。5は例えばパルス信号を出力して駆動
手段3を制御する制御手段である。6は当接部材として
の窓枠で、窓ガラス1と窓枠6とで開閉部7を形成して
いる。8は圧電材から成る挟み込み検知センサで、窓ガ
ラス1の端部に沿って配設されており、窓ガラス1と窓
枠6との間に物体を挟み込んだ時に物体が挟み込み検知
センサ8に接触すること、あるいは挟み込んだ振動が伝
わることにより、挟み込みを検知するものである。
【0042】図2は図1の窓ガラス1と挟み込み検知セ
ンサ8のA−A’位置での断面図である。接着剤9によ
り、窓ガラスの端部10に沿ってシート状の挟み込み検
知センサ8が配設されている。挟み込み検知センサ8
は、ゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックとしてチタ
ン酸ジルコン酸鉛の焼結粉体を配合して分極処理した圧
電材11の両面に一対の電極12を形成している。具体
的には、圧電材11は、有機基材である塩素化ポリエチ
レン100に対して、圧電セラミックとして粒径10〜
300μmのチタン酸ジルコン酸鉛の焼結粉体1500
重量部を均一に分散するようにオープンロール装置にて
十分混合して、プレス加工機により任意の厚み(例えば
0.5mm)に成型し、表裏面に導電性塗料により電極を
形成した。電極は銅、アルミ等の金属箔などでもよい。
このシートを裁断機により窓の端部10に合う形状に加
工成形し、電極面を介して分極処理した(例えば分極電
圧は直流電圧5〜50KV/mm)。
【0043】なお、有機基材と圧電セラミックの混合
比、成型厚み、分極電圧の大きさ等は、用途に応じて適
宜変更すればよく、本実施例にのみ限定されるものでは
ない。また配設の方法も接着剤で貼らなくても両面テー
プ等でも良い。
【0044】図3は配設前の窓ガラス1と挟み込み検知
センサ8の構成図である。窓ガラス1の端部10の形状
に沿わせてシート状の挟み込み検知センサ8を成型して
配設している。また13は一対の電極12より出力を取
り出すためのリード線である。
【0045】図4は本実施例の挟み込み検知センサの出
力特性図である。時間t0で窓ガラス1と窓枠6の間に
物体(例えば運転手の腕)を挟み込んだとすると、挟み
込み検知センサは図4のような出力を発生する。
【0046】図5は本実施例の回路処理を示すブロック
図である。挟み込み検知センサ8のリード線からの出力
信号に基づいて物体の接触を検出する接触検出手段14
は、挟み込み検知センサ8からの出力信号のインピーダ
ンスを変換するインピーダンス変換部15、インピーダ
ンス変換部15からの出力信号を濾波する第1の濾波部
16と第2の濾波部17、前記2つの濾波部からの出力
信号に基づき物体の接触を判定する接触判定部18を有
している。なお接触検出手段14は使用環境や設置場所
等に応じて電気的ノイズから信号処理回路を遮蔽するた
め、金属ケース等で全体を電気的にシールドしてもよ
い。
【0047】また図示しないが、挟み込み検知センサ8
の先端部には電極12間の断線・短絡検出用の抵抗体が
接続されている。
【0048】図6は上記の断線・短絡検出のための回路
図の一例を示したものである。図中、Psは挟み込み検
知センサ8、R1は断線検出用の抵抗体で、上述のよう
に一対の電極12の間(図中、p1とp2)に接続され
ている。R1は他の抵抗R2を介して電源Vdと接続さ
れている。R3、R4は挟み込み検知センサ8からの信
号導出用の抵抗、Q1はインピーダンス変換用のFET
である。
【0049】次に図に基づいて動作、作用について説明
する。
【0050】図1において、例えば窓ガラス1が下方に
有り開閉部7が開口されている状態で、車両内に設置さ
れたパワーウィンドウの駆動スイッチを作動させ駆動手
段3が作動開始する際、または、駆動手段3が作動して
窓ガラス1が閉じられようとする最中に、人体の一部や
鞄などのような物体が挟み込み検知センサ8に接触する
場合を想定する。物体の接触により、挟み込み検知セン
サ8に歪が生じるので、挟み込み検知センサ8からは圧
電効果により歪に応じ図4のような電圧が発生する。発
生する電圧レベルは接触時の歪の大きさと、挟み込み検
知センサ8自体の感度、すなわち圧電材11の圧電定数
などにより変化する。
【0051】次に、挟み込み検知センサ8から発生した
信号は接触検出手段14のインピーダンス変換部15で
低インピーダンスに変換される。インピーダンス変換さ
れた信号は第1の濾波部16と第2の濾波部17で濾波
される。図7に第1の濾波部16と第2の濾波部17の
濾波特性を示す。図中、縦軸はパワーPw、横軸は周波
数fである。同図において、物体の接触、特に人体の一
部が接触する場合には主に低周波のf1を中心とする出
力信号が挟み込み検知センサ8から出力される。そのた
め、第1の濾波部16の濾波特性をf1としている。ま
た、本実施例のように車両のパワーウィンドウへの適用
の場合には、主にエンジンや走行による振動等によるf
2(>f1)を中心とする車両自体の振動がノイズ成分
として挟み込み検知センサ8に重畳してくるため、第2
の濾波部17ではこの成分を捉えるため、濾波特性をf
2としている。次に、接触判定部14では上記2つの濾
波部からの濾波信号に基づき物体の接触の判定を行う。
【0052】図8はその判定基準を図示したものであ
る。横軸は第2の濾波部17からの出力信号Vf2、縦
軸は第1の濾波部16からの出力信号Vf1である。同
図において、領域D1のようにVf1/Vf2の値が大
きい場合は物体が接触したと判定し、領域D2のように
Vf1/Vf2の値が小さい場合は接触なしと判定す
る。
【0053】図9は上記の判定の手順を示した判定フロ
ー図である。ステップ19でパワーウィンドウのSWが
オンされると、ステップ20で駆動手段が作動し、ステ
ップ21でVf1及びVf2が算出され、ステツプ22
でVf1とVf2の比rが算出される。次にステップ2
3でrが予め定められた設定値r0と比較され、r>r
0ならばステップ24で物体の接触ありと判定され、ス
テップ25で駆動手段が停止される。またステップ23
でr>r0でないならばステップ26で接触なしと判定
され、ステップ27で窓の閉め切りが検知されるまでス
テップ21以降の処理が継続される。窓の閉め切りの検
知は、例えば窓の閉め切りの際に駆動手段のモータに印
加される電流値がある一定値以上になることを検出して
行う。ステップ25では駆動手段を逆転させて窓を下降
するようにしても良い。
【0054】上記では2つの濾波部を設けたが、濾波部
は2つに限定するものではなく、挟み込みを検出するよ
う適用事例に応じて濾波部の特性や個数を最適化するこ
とも可能である。特に物体が接触する場合の出力信号レ
ベルが、車両の振動ノイズ等のレベルよりはるかに大き
い場合は濾波部が一つでも良いし、場合によっては濾波
部を用いなくてもよい。また、rの値は車両の振動特性
等を考慮して事前に実験等により最適化すればよい。
【0055】また、図6のように抵抗体R1を介して電
極間に電圧を印加して出力VO1をモニタすることによ
り電極の断線を検出することができる。すなわち、図6
において正常時のVO1は、電源電圧Vdに対して、R
1、R2、R3の分圧値となる。挟み込み検知センサ8
の電極が断線した場合に等価的に点p1または点p2が
オープンとなるとすれば、VO1はR2、R3の分圧値
となる。電極がショートすると等価的にはp1、p2が
ショートすることになるので、V1は0になる。このよ
うにV1の値に基づいて挟み込み検知センサ8の電極の
断線やショートといった異常を検出することができ、信
頼性を向上することができる。
【0056】以上の作用により、挟み込み検知センサの
出力信号に基づき物体の接触を検出した時点で開閉部の
開閉動作を停止することができる上、挟み込み検知セン
サは物体との接触により生じる歪を電気的な信号に変換
して出力するので、雨や洗車等により挟み込み検知セン
サが濡れても誤検出がなく挟み込みを防止できる。また
挟み込み検知センサは感圧スイッチのような接点がない
ので接触不良や短絡がなく耐久性のよい挟み込み防止装
置が実現できる。
【0057】また挟み込み検知センサが厚みの薄いシー
ト状に成形されているため窓ガラスのような薄い形状の
ものにも配設し易いし、端部に配設してもあまり目立た
ず、出っ張りが少なくて済む。
【0058】また本実施例のように、挟み込み検知セン
サが窓ガラスという移動部材側に配設されているので、
挟み込み時に間違いなく接触するため、検知ミスや検知
遅れが起こりにくい。また同様に、自動車の場合は窓枠
よりも窓の方が位置的に低く物体が挟み込まれる時には
窓枠よりも窓ガラスに先に接触する場合が多いと考えら
れるので、窓枠との間で挟み込まれて物体にダメージを
与える前に、窓ガラス側のみの接触で早めに検知するこ
とができて、挟み込まれる前に停止できる可能性が高
く、より安全である。
【0059】また挟み込み検知センサがゴム弾性体に圧
電セラミックを混合した圧電材料からなり、圧電セラミ
ックは脱分極の耐熱性に優れているので、例えば車両の
窓枠等、外界に暴露される場所に配設しても耐久性がよ
く、物体の接触を検出する際の信頼性が向上する。ま
た、ゴム弾性体を使用しているので加工性がよく任意の
形状に対応可能である。
【0060】また接触検出手段が挟み込み検知センサか
ら出力される信号のうち物体の接触時に発生する特定周
波数成分のみを検出するので、例えば開閉部の開閉動作
による振動や外来振動など物体の接触以外の振動による
挟み込み検知センサの出力信号と物体の接触による出力
信号とを区別して物体の接触を検出することができ、検
出精度が向上する。
【0061】また開閉位置検出部から出力される開閉位
置信号が予め定められた設定範囲にある場合にのみ物体
が接触したかどうかの出力信号を有効とすれば、開閉位
置が上記設定範囲を越えて正常に開閉部が閉め切られる
場合には、挟み込み検知センサが窓枠に接触して信号が
出て接触検出手段が物体の接触有りと検出してもその検
出信号を無視して開閉部の閉動作を完了できる。
【0062】また挟み込み検知センサがセンサ先端側の
電極間にセンサの断線や短絡を検出するための抵抗体を
備え、抵抗体を介して電極間に電圧を印加してモニタす
ることにより電極の断線や短絡を検出することができる
ので信頼性を向上することができる。
【0063】さらに開閉部の閉め切り時に挟み込み検知
センサから出力される信号に基づき挟み込み検知センサ
の感度の異常を判定することが可能なので、物体の接触
を検出する上での信頼性が向上する。
【0064】尚、上記実施例では挟み込み検知センサを
1本配設したが、たとえば2本配設すれば以下のような
効果が生じる。
【0065】まず1本を挟み込みの検知用に開閉部に配
設し、他の一本を車両の振動の検知用に配設すれば、両
者の出力の差をとることで車両の振動による出力だけが
相殺できて挟み込み検知の精度が向上する。
【0066】また移動部材側と当接部材側のそれぞれに
配設し、両者ともに挟み込みの出力を発生した場合のみ
駆動手段の駆動を停止するようにすれば、挟み込み防止
の精度が向上する。たとえば全開の状態から窓ガラスが
上昇し始めた時に運転手のひじが触れた程度では挟み込
みには至らないので本来停止させる必要は無い。(停止
してしまうと再度スイッチを押さなければならない。)
このような場合には停止させず、本当に挟み込まれた時
のみ停止させることができる。
【0067】ここで、本発明の圧電材(有機基材は塩素
化ポリエチレン、圧電セラミックはチタン酸ジルコン酸
鉛の焼結粉体)と従来のポリフッ化ビニリデン(PVD
F)を比較するために、それぞれ2畳程度のサイズに成
型して床に設置し、発熱体で圧電材の温度が100℃に
なるように調節しながら経過時間ごとに人が入床した時
の発生電圧を測定比較した。この時の被験者の体重は6
3kgで、発熱させる前の初期の本発明品及び従来品にお
ける入床時の発生電圧は共に200mVになるよう設計し
た。この結果を図10に示す。横軸に経過時間、縦軸に
発生電圧をとっており、本発明の圧電材の発生電圧aは
径時変化がなくほぼフラットな特性であるが、従来の圧
電材の発生電圧bは徐々に電圧が低下してくる。つまり
本発明の圧電材の方が従来の圧電材よりも長時間、安定
的に感度を維持できる。
【0068】これは、従来はポリフッ化ビニリデンフィ
ルムを使用しているので、100℃の高温中に長時間放
置されていると、電圧が発生する方向に配向していたポ
リフッ化ビニリデンの分子結晶が乱れて結晶構造が変化
し、次第に発生電圧が低下してくるためと思われる。こ
れに対して、本発明のチタン酸ジルコン酸鉛焼結粉体の
耐熱性は300℃〜350℃であるので、100℃中に
放置しても分極した結晶構造は変化せず、感度が安定的
に維持できると考えられる。
【0069】なお、この実施例ではチタン酸ジルコン酸
鉛の焼結粉体を使用したが、耐熱性が高いもので、かつ
分極による結晶構造の配向性、即ち、圧力荷重に対して
電圧を発生する性質(ピエゾ性)を有するものであれば
良く、たとえばチタン酸鉛の焼結粉体を使用しても上記
同様の結果を得ることができる。
【0070】(実施例2)図11に本発明の実施例2の
挟み込み防止装置の外観図を、図12に図11のB−
B’断面図を示す。本実施例は挟み込み検知センサ8を
雨除け用のサイドバイザー28に配設したものである。
窓枠6に取付けられたサイドバイザー28に、はめ込み
用の孔29を有し、挟み込み検知センサ8の圧電材11
に設けた突起30を孔29にはめ込むことで配設してい
る。
【0071】圧電材11はゴム弾性体の有機基材に圧電
セラミックの焼結粉体を配合したものなので、可撓性、
伸縮性、屈曲性に優れ、サイドバイザー28の形状が曲
面であってもフィットさせることが可能であり、また成
型が容易なので突起30のような複雑な形状にも対応す
ることができる。
【0072】本実施例のようにはめ込みができると配設
の作業性が向上する効果がある。場合によっては交換す
ることも可能である。
【0073】また挟み込み検知センサは耐熱性が高い圧
電材から成るので、サイドバイザーのように直射日光に
さらされる位置でも問題はなく、挟み込みの検知に対し
て安定した感度を維持できる効果がある。
【0074】また本実施例では、圧電材11の先端の部
分(電極12のあるところ)がサイドバイザー28の端
部よりも飛び出しているので、飛び出した部分が他の部
分に比べて最も可撓性が大きくなり、感度を良くするこ
とができる。
【0075】図13は挟み込みの判定の手順を示した判
定フロー図である。ステップ31でパワーウィンドウの
SWがオンされると、ステップ32で駆動手段により開
閉部が閉まる方向に作動し、ステップ33で挟み込み検
知センサの出力V1が検出される。次にステップ34で
V1が予め定められた設定値Vsと比較され、V1>V
sならばステップ35で物体の接触ありと判定され、ス
テップ36で駆動手段により開閉部が開く方向に作動す
る。またステップ34でV1>Vsでないならばステッ
プ37で接触なしと判定され、ステップ38で窓の閉め
切りが検知されるまでステップ33以降の処理が継続さ
れる。ステップ36では駆動手段により駆動方向を逆転
させる(窓を下降させる)ようにするのだが、この場合
は挟み込まれたものをすぐに抜き出すことができる。
【0076】(実施例3)図14に本発明の実施例3の
挟み込み防止装置の要部の断面図を示す。本実施例は挟
み込み検知センサ8がサイドバイザー28を兼ねた構成
である。窓が窓枠6に当接した際の隙間を密閉する密閉
部材としてのウエザストリップ39を、窓枠6にはめ込
んで固定する時に、挟み込み検知センサ8(サイドバイ
ザー28)をも同時に保持する構成である。挟み込み検
知センサ8(サイドバイザー28)は、圧電材11上に
導電ゴムから成る可撓性のある電極12を配設し、その
状態で図14のように折り曲げて、周囲をモールド材4
0で覆っている。モールド材40により電極を保護して
耐水性を高めるとともに、強度のある材質のモールド材
を使えば補強の役割を兼ねることもできる。
【0077】本実施例によれば、挟み込み検知センサ8
がサイドバイザー28を兼ねるので、部品点数、組立て
工程を削減できる。
【0078】また本実施例によれば、電極12を可撓性
の有る導電ゴムで形成しており、挟み込み検知センサ全
体として伸縮性、屈曲性があり、形状や配設の方法に関
する自由度が飛躍的に向上する。本実施例の図14のよ
うに、電極ごと挟み込み検知センサ8を折り曲げること
も可能である。
【0079】(実施例4)図15に本発明の実施例4の
挟み込み防止装置の要部の断面図を示す。本実施例は挟
み込み検知センサ8がウエザストリップ39を兼ねた構
成である。また見方を変えれば、窓枠6の端部に沿って
挟み込み検知センサ8(ウエザストリップ39)を配設
しているとも言える。
【0080】本実施例によれば、挟み込み検知センサ8
がウエザストリップ39を兼ねるので、部品点数、組立
て工程を削減できる。
【0081】また本実施例によれば、挟み込み検知セン
サ8が窓枠のそれも窓ガラスが当接する位置に近く、ま
た実際に物体が挟み込まれた場合に圧力のかかりやすい
位置となるので、精度良く挟み込み検知ができる。
【0082】また本実施例によれば、挟み込み検知セン
サ8が窓枠6に配設されるが、一般に窓枠6は剛体であ
り、挟み込み検知センサ8は補強される。
【0083】(実施例5)図16に本発明の実施例5の
挟み込み検知センサの断面図を、図17に配設の方法を
表す構成図を示す。本実施例は挟み込み検知センサ8を
窓ガラス1の端部10を覆うように配設したものであ
る。窓ガラス1に部分的に穴41を開け、挟み込み検知
センサ8には穴41に対応した位置のツメ42と、端部
10にあてがうツメ43を形成している。配設する場合
は、ツメ42、43の間に窓ガラス1の端部10を挿入
し、ツメ42が穴41にはまり込むようにすればよい。
圧電材11に可撓性があるのでこのようなはめ込みが容
易である。
【0084】本実施例では窓ガラス1の端部10を覆う
構成なので、エッジの保護を兼ねることができる。通常
窓ガラスの端部を切断により形成する場合は非常に危険
であるため何らかの処理(研磨処理等)が必要である
が、挟み込み検知センサ8で覆うことにより従来の処理
の手間を省くことができる。
【0085】(実施例6)図18に本発明の実施例6の
挟み込み検知センサの断面図を示す。移動部材としての
窓ガラスが積層ガラス1a、1b、1cで構成され、挟
み込み検知センサ8を積層ガラス1b上で、積層ガラス
1a、1cで挟んで保持している。モールド材40は積
層ガラスと挟み込み検知センサ8を一体にモールドして
いる。本実施例では挟み込み検知センサ8の多くの部分
が積層ガラスに隠れるので、ほとんど目立たない。挟み
込み検知センサ8を図18のように薄いシート状(フィ
ルム状)に形成すれば、窓ガラスの厚み内に収めること
ができて仕上がりがきれいになり車のデザインを損ない
にくい効果がある。
【0086】(実施例7)図19に本発明の実施例7の
挟み込み検知センサの断面図を示す。本実施例の挟み込
み検知センサ8は、ウエザストリップ39と窓枠6との
間に構成されているが、ウエザストリップ39を窓枠6
にはめ込むことで、必然的に挟み込み検知センサ8は位
置決めされて固定される構成である。このような構成に
より挟み込み検知センサ8の取付け作業が容易となる効
果がある。本実施例では物体の挟み込みによりウエザス
トリップ39を介して挟み込み検知センサに圧力が加わ
ることになる。
【0087】(実施例8)図20に本発明の実施例8の
挟み込み検知センサの断面図を示す。本実施例の挟み込
み検知センサ8は、ウエザストリップ39上に配設され
ている。
【0088】(実施例9)図21に本発明の実施例8の
挟み込み検知センサの断面図を示す。本実施例の挟み込
み検知センサ8は、窓枠6上に配設されている。
【0089】(実施例10)図22、図23に本発明の
実施例10の挟み込み検知センサの断面図を示す。図2
2は実装状態で、ウエザストリップ39の隙間内にケー
ブル状の2つの挟み込み検知センサ8を挿入している。
これはウエザストリップの屈曲性を上げる目的でもとも
と設けられていた空間内に挟み込み検知センサ8を挿入
したもので、ウエザストリップ39や窓枠6などの開閉
部に特別の加工を施す必要が無く、取付け作業も容易で
ある。図23は図22に示したケーブル状の挟み込み検
知センサ8の断面図を拡大したものである。図23に示
すように、挟み込み検知センサ8は中心電極12aと外
層電極12bとの間に圧電材11を配設し、被覆材44
で全体を被覆して同軸ケーブル状に成形されている。こ
の場合、外層電極12bは電気的なシールド層も兼ねる
ことができる。具体的に挟み込み検知センサ8を同軸ケ
ーブル状に成型する方法は、たとえばニッケルメッキの
銅芯線状の中心電極12a上に圧電材11を押しだしチ
ュービングして中心電極12aを被覆形成し、圧電材1
1上に同心円上に銅線の外側電極12bを設け、その外
側に塩化ビニルの絶縁外被である被覆材44を設けても
よい。
【0090】(実施例11)図24は本発明の実施例9
の挟み込み検知センサの動作ブロック図である。図24
では挟み込み検知センサ8の断面も示している。本実施
例が他の実施例と異なる点は挟み込み検知センサ8が電
極12cと12d、12eと12fを備えた2つの圧電
材11a、11bを積層して成形され、挟み込み検知セ
ンサ8を構成する一方の圧電材11bの電極12eと1
2fに特定周波数の電圧信号を印加して振動を発生させ
る信号印加部45を備え、接触検出手段14は、前記振
動により他の圧電材11aの電極12cと12d間に発
生する出力信号に基づき挟み込み検知センサ8に印加さ
れる圧力を演算する圧力演算部46と、圧力演算部46
の出力信号に基づき物体の接触を判定する接触判定部4
7とを備えたところにある。接触検出手段14は、信号
印加部45の発生周波数f3を中心周波数とする第1の
バンドパスフィルタ48と、図7のf1を中心周波数と
する第2のバンドパスフィルタ49を備えている。な
お、挟み込み検知センサ8の外側についてはPET等の
保護層や電気的シールドのための金属フィルムで封止し
てもよい。
【0091】次に動作、作用について説明する。
【0092】一言で言えば、他の実施例は挟み込み検知
センサの出力発生により挟み込みを検知していたのに対
し、本実施例は挟み込み検知センサの出力の変化により
挟み込みを検知するものである。
【0093】挟み込み検知センサ8では信号印加部45
で発生する周波数f3の電圧信号に応じて圧電材11b
が振動する。そしてその振動に応じて圧電材11aでは
圧電起電力が発生する。発生した出力信号は第1のバン
ドパスフィルタ48で濾波される。この時の信号印加部
45の発振信号V3、第1のバンドパスフィルタ48の
出力V4の信号波形は、それぞれ図25(a)、(b)
のようになる。図25(a)、(b)で縦軸はV3とV
4、横軸は時間tで、時刻t1で物体が挟み込み検知セ
ンサ8に接触して圧力Pr1が印加されたものとする。
物体が接触していない状態(t<t1)では、V4の振
幅はD40である。そして時刻t1で物体が接触し挟み
込み検知センサ8に圧力Pr1が印加されると、V4の
振幅はD41に変化する。ここで、V4の振幅D4と圧
力Prとの間には図26に示すような関係があり、圧力
Prが増加するとD4は減少する特性をもつ。この特性
は発振周波数f3や圧電材11a、11bの形状等によ
り変化するので、用途に応じて予め実験等により最適化
すればよい。圧力演算部46では図26の関係に基づい
てD41からPr1を算出する。そして接触判定部47
ではPr1がある閾値Pr0以上ならば物体が接触した
と判し、Pr1がPr0より小ならば物体の接触は無い
と判定する。そして窓ガラスなどの移動部材の閉動作中
に上記のようにして物体の接触が検出されると、閉動作
を逆転し物体の挟み込みを防止する。
【0094】上記作用により、例えば車両の走行時の振
動が窓枠に配設された挟み込み検知センサ8に印加され
る場合は、実施例1のように圧電センサ8が振動や歪み
を検出するタイプであると、走行振動による挟み込み検
知センサ8の出力信号と物体の接触による挟み込み検知
センサ8の出力信号との区別が困難となる場合がある
が、本実施例の挟み込み検知センサ8は物体の接触圧に
応じた信号を出力し、接触検出手段14の圧力演算部4
6により物体の接触圧を検出し、接触判定部47により
接触を判定するので、上記のような走行振動が印加され
ても精度よく物体の接触を検出することができる。
【0095】尚、接触判定部47ではPr1がある閾値
Pr0以上ならば物体が接触したと判定するが、Pr1
の変化率や変動パターンに基づき物体の接触を判定する
ようにしてもよい。
【0096】また、図24に示すように接触検出手段1
4はf1を中心周波数とする第2のバンドパスフィルタ
49を備えており、接触判定部47が第2のバンドパス
フィルタ49と圧力演算部46の双方の出力信号に基づ
き物体の接触を検出する構成としてもよい。この構成に
よる作用を以下に述べる。図25(c)は第2のバンド
パスフィルタ49の出力V5の信号波形を示したもので
ある。図中、縦軸はV5、横軸は時間tである。時刻t
1で挟み込み検知センサに物体が接触すると、圧電材1
1aには圧電材11aによる周波数f3の振動と、物体
の接触による歪みによりf3よりも低いf1近傍の振動
が印加され、圧電材11aからはf3とf1の重畳した
周波数成分をもつ信号が出力される。この出力信号に基
づき、圧力演算部46では第1のバンドパスフィルタ4
8経由で上述したように圧力Prが算出され、第2のバ
ンドパスフィルタ49の出力V5には例えば図25
(c)のような周波数f1で振幅D5の信号が現れる。
そして接触判定部47では、例えばD5がある閾値D5
0以上の場合は、挟み込み検知センサ8に車の走行振動
のような外来振動が印加されたとして、上述のようにP
rの値に基づき物体の接触を判定する。またD5がD5
0より小の場合は、D5の変化率や変動パターンとPr
の値の少なくとも1つに基づき物体の接触を判定する。
これにより、外来振動の有無を挟み込み検知センサ8の
出力信号により判定し、外来振動の有無に応じて接触判
定の閾値を切り替えて接触判定を行うので、挟み込み検
知センサにより検出する振動のみ或いは圧力のみで物体
の接触を検出する場合よりも検出精度が向上する。
【0097】なお、衣服のような柔らかくて厚みのない
物体の場合は、衣服が接触した程度では挟み込み検知セ
ンサ8の出力信号が小さいため、接触の検出が困難とな
り挟み込みに至る場合があるが、窓ガラス等の移動部材
が閉め切り状態であっても衣服の引っ張り等により出力
Prや出力V5が変動することを検出して物体の接触が
あると判定し、駆動手段の開動作を行うようにしてもよ
い。
【0098】また、窓枠や窓枠の支持体等で物体が接触
しない部分に別の挟み込み検知センサを配設し、接触検
出用の挟み込み検知センサの出力信号と上記挟み込み検
知センサの出力信号との差を演算することにより、検出
用の圧電センサの出力信号から走行振動等の外来振動の
成分を除去し、物体の接触による信号のみを抽出して物
体の接触を検出する構成としてもよい。
【0099】(実施例12)図27に本発明の実施例1
2の挟み込み検知センサの断面図を示す。本実施例はド
アに窓枠が無いハードトップタイプの車両に対応し、車
両本体側に窓枠6aを構成し、窓枠6a上のウエザスト
リップ39に挟み込み検知センサ8を配設している。本
実施例の場合、窓ガラス1の閉動作による挟み込みだけ
でなく、ドア自体の閉動作においても挟み込みを検知で
きる効果がある。
【0100】なお、上記各実施例の構成はそれぞれが限
定された構成ではなく、他の実施例で示された構成に一
部置き換えたり、組み合わせたりすることが可能であ
る。たとえば挟み込み検知センサの配設位置に関して窓
ガラスに配設した実施例を示している場合、他の実施例
で示したように、窓枠、サイドバイザー、ウエザストリ
ップなどに配設するように置き換えてもよいし、端部に
配設しているものを端部でない位置に配設してもよい。
電極についても数種類示したが入れ替えてもよい。形状
についてもシート状、ケーブル状、他の部品との一体型
などをそれぞれ置き換えてもよい。接着する場合とはめ
込みの場合も同様である。実施例の効果は異なる場合が
あるが、それぞれが限定された構成ではなく、目的に応
じて最適な組み合わせを選べばよい。
【0101】なお、上述の実施例では車両用のパワーウ
インドウに挟み込み検知センサを用いた挟み込み防止装
置について説明したが、窓に限らずドアやサンルーフな
どの扉に使用してもよいし、基本的には移動部材の移動
により当接部材との隙間が変化するもの、即ち何らかの
物体を挟み込む可能性の有るものに応用できる。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る挟み込み検知センサは、挟み込み検知センサが圧電
材から成り、物体の接触による変位や歪み、圧力変化で
出力を発生するかまたは出力が変化するので、開閉部へ
の物体の挟み込みを検出することができ、濡れても誤検
出が起こりにくく、接点を持たないので接触不良や短絡
などが起こりにくく耐久性が良いのに加え、圧電材がゴ
ム弾性体の有機基材に圧電セラミックの焼結粉体を配合
して分極処理した可撓性のあるものなので、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)に比べて熱に対する安定性や耐
熱性が高く、伸縮性や屈曲性が有り、成型が容易である
といった効果がある。
【0103】また、請求項2にかかる挟み込み検知セン
サは、チタン酸鉛またはチタン酸ジルコン酸鉛の少なく
とも一方の焼結粉体としたので、容易に可撓性のある圧
電材から成る挟み込み検知センサを実現できる効果があ
る。
【0104】また、本発明の請求項3にかかる挟み込み
検知センサは、圧電材上に導電ゴムから成る可撓性のあ
る電極を形成したので、圧電材に加えて電極も可撓性が
あり、挟み込み検知センサ全体としての伸縮性、屈曲性
を高くすることができる効果がある。
【0105】また、本発明の請求項4にかかる挟み込み
検知センサは、シート状に構成されるので、さらに屈曲
性が高く配設が容易であり、厚みが薄くなるので設置ス
ペースを少なくできる効果がある。
【0106】また、本発明の請求項5にかかる挟み込み
検知センサは、当接部材または移動部材の少なくとも一
方の端部に沿って配設されるので、圧電材の屈曲性が高
く成型が容易なので端部にも容易に配設できるうえ、伸
縮性が高いので安全のために端部を保護することもでき
る効果がある。
【0107】また、本発明の請求項6にかかる挟み込み
検知センサは、当接部材が有するサイドバイザーに配設
されるが、圧電材の耐熱性が高いので、屋外の直射日光
にさらされて高温になる可能性が高いサイドバイザーに
も配設することができる。
【0108】また、本発明の請求項7にかかる挟み込み
検知センサは、当接部材が有するサイドバイザーが圧電
材から成るものであり、圧電材の耐熱性が高いのに加え
て、伸縮性や屈曲性が有り、成型が容易なので形状に自
由度があり、サイドバイザーを兼用することができて部
品点数を削減できる効果がある。
【0109】また、本発明の請求項8にかかる挟み込み
検知センサは、移動部材が当接部材に当接した際の隙間
を密閉する密閉部材が圧電材から成るもので、圧電材に
伸縮性や屈曲性が有り、成型が容易なので形状に自由度
があり、密閉部材を兼用することができて部品点数を削
減できる効果がある。
【0110】また、本発明の請求項9にかかる挟み込み
検知センサは、開閉部にはめ込んで配設されたものであ
るが、圧電材の伸縮性か高く、成型が容易なので、簡単
にはめ込み構成が実現できるとともに交換が容易となる
効果がある。
【0111】また、本発明の請求項10にかかる挟み込
み防止装置は、挟み込み検知センサの出力に基づき開閉
部への物体の挟み込みを検知し、開閉部の開閉動作を制
御する制御手段を備えたものであり、濡れた場合の誤検
出、接触不良や短絡が起こりにくく、耐熱性が高く、伸
縮性や屈曲性が有り、成型が容易な挟み込みセンサで、
正確に挟み込みを検知して開閉部の開閉動作を制御でき
る効果がある。
【0112】また、本発明の請求項11にかかる挟み込
み防止装置は、移動部材を駆動する駆動手段を有し、制
御手段は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合は
前記移動部材の駆動を停止するよう前記駆動手段を制御
するものであり、挟み込みを検知したらそれ以上強く挟
むことがないと同時に、伸縮性、屈曲性があるので挟ん
だものを傷つけにくい効果がある。
【0113】さらに、本発明の請求項12にかかる挟み
込み防止装置は、移動部材を駆動する駆動手段を有し、
制御手段は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合
は前記移動部材を開閉部が開く方向に駆動するよう前記
駆動手段を制御するものであり、挟み込みを検知したら
開閉部が開くので挟まれ続けることがないと同時に、伸
縮性、屈曲性があるので挟んだものを傷つけにくい効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における挟み込み防止装置の
外観図
【図2】同装置のA−A’位置での断面図
【図3】同装置の挟み込み検知センサと窓ガラスの外観
【図4】同装置の挟み込み検知センサの出力を示す特性
【図5】同装置のブロック図
【図6】同装置の断線検出用の回路図
【図7】同装置の第1の濾波部と第2の濾波部の濾波特
性を示す特性図
【図8】同装置の開閉部への物体の接触を判定するため
の判定基準を示した特性図
【図9】同装置の動作を表すフローチャート
【図10】同装置の圧電材と従来の圧電材の発生電圧の
経過時間に対する変化を比較した特性図
【図11】本発明の実施例2における挟み込み防止装置
の外観図
【図12】同装置のB−B’位置での断面図
【図13】同装置の動作を表すフローチャート
【図14】本発明の実施例3における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図15】本発明の実施例4における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図16】本発明の実施例5における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図17】同装置の挟み込み検知センサと窓ガラスの外
観図
【図18】本発明の実施例6における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図19】本発明の実施例7における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図20】本発明の実施例8における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図21】本発明の実施例9における挟み込み防止装置
の要部断面構成図
【図22】本発明の実施例10における挟み込み防止装
置の要部断面構成図
【図23】同装置の挟み込み検知センサの断面図
【図24】本発明の実施例11における挟み込み防止装
置の動作ブロック図
【図25】(a)同装置の信号印加部の発振信号V3の
波形特性図 (b)第1のバンドパスフィルタの出力V4の波形特性
図 (c)第2のバンドパスフィルタの出力V5の出力波形
を示した波形特性図
【図26】同装置の第1のバンドパスフィルタの出力V
4の振幅D4と圧力Prとの関係を示した特性図
【図27】本発明の実施例12における挟み込み防止装
置の要部断面構成図
【符号の説明】
1 窓ガラス(移動部材) 1a、1b、1c 積層ガラス(移動部材) 3 駆動手段 5 制御手段 6、6a 窓枠(当接部材) 7 開閉部 8 挟み込み検知センサ 10 端部 11、11a、11b 圧電材 12 電極 28 サイドバイザー 39 ウエザストリップ(密閉部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/24 C08L 21/00 C08L 21/00 E05F 15/20 E05F 15/20 B60J 1/17 A (72)発明者 長井 彪 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 優子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山本 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2E052 AA09 BA02 CA06 DA07 DB07 EA14 EB01 EC01 GA08 GA10 GB06 GB12 GB13 GD03 GD09 HA01 KA13 LA08 3D127 AA02 AA19 BB01 CB01 CB05 CC05 DD12 DE12 DE25 DE27 DF01 DF04 DF08 DF35 DF36 EE15 EE16 EE20 EE27 FF06 FF08 FF14 FF29 GG00 GG07 4J002 AC001 DE186 GM00 GN00 GQ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム弾性体の有機基材に圧電セラミックの
    焼結粉体を配合して分極処理した可撓性のある圧電材か
    ら成り、移動部材と当接部材とで構成される開閉部に配
    設され、前記開閉部への物体の挟み込みにより出力を発
    生するかまたは出力が変化する挟み込み検知センサ。
  2. 【請求項2】圧電セラミックは、チタン酸鉛またはチタ
    ン酸ジルコン酸鉛の少なくとも一方の焼結粉体とした請
    求項1記載の挟み込み検知センサ。
  3. 【請求項3】圧電材上に導電ゴムから成る可撓性のある
    電極を形成した請求項1または2記載の挟み込み検知セ
    ンサ。
  4. 【請求項4】シート状に構成された請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の挟み込み検知センサ。
  5. 【請求項5】当接部材または移動部材の少なくとも一方
    の端部に沿って配設された請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の挟み込み検知センサ。
  6. 【請求項6】当接部材が有するサイドバイザーに配設さ
    れた請求項1乃至4のいずれか1項に記載の挟み込み検
    知センサ。
  7. 【請求項7】当接部材が有するサイドバイザーが圧電材
    から成る請求項1乃至4のいずれか1項に記載の挟み込
    み検知センサ。
  8. 【請求項8】移動部材が当接部材に当接した際の隙間を
    密閉する密閉部材が圧電材から成る請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の挟み込み検知センサ。
  9. 【請求項9】開閉部にはめ込んで配設された請求項1乃
    至8のいずれか1項に記載の挟み込み検知センサ。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか1項に記載の
    挟み込み検知センサの出力に基づき開閉部への物体の挟
    み込みを検知し、開閉部の開閉動作を制御する制御手段
    を備えた挟み込み防止装置。
  11. 【請求項11】移動部材を駆動する駆動手段を有し、制
    御手段は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合は
    前記移動部材の駆動を停止するよう前記駆動手段を制御
    する構成とした請求項10記載の挟み込み防止装置。
  12. 【請求項12】移動部材を駆動する駆動手段を有し、制
    御手段は、開閉部への物体の挟み込みを検知した場合は
    前記移動部材を開閉部が開く方向に駆動するよう前記駆
    動手段を制御する構成とした請求項10記載の挟み込み
    防止装置。
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