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JP2000318586A - ブレーキ力制御装置 - Google Patents

ブレーキ力制御装置

Info

Publication number
JP2000318586A
JP2000318586A JP11132930A JP13293099A JP2000318586A JP 2000318586 A JP2000318586 A JP 2000318586A JP 11132930 A JP11132930 A JP 11132930A JP 13293099 A JP13293099 A JP 13293099A JP 2000318586 A JP2000318586 A JP 2000318586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
pressure
solenoid valve
mode
determined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11132930A
Other languages
English (en)
Inventor
Kyo Murayama
経 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Akebono Brake Industry Co Ltd filed Critical Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority to JP11132930A priority Critical patent/JP2000318586A/ja
Publication of JP2000318586A publication Critical patent/JP2000318586A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ操作に対してブレーキ手段を滑らか
に追従させつつ、外乱の影響を受けにくいブレーキ力制
御装置を提供することにある。 【解決手段】 ブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ
操作検出信号に変換し、これを基にしてブレーキ力制御
手段を制御するブレーキ力制御装置であって、ブレーキ
操作検出信号を基に算出したブレーキ操作速度からレー
キ力増減率を求め、制御信号生成手段によるブレーキ装
置13の制御時に、ブレーキ力増減率を変える。液圧を
利用する場合、電磁弁として、径の異なるオリフィスを
持つ第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10C、第1、第
2減圧用電磁弁11A、11Bを設けて、ペダルストロ
ーク速度から最適なものを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキペダルの踏み
込み量をブレーキ操作検出信号に変換し、これを基にし
てブレーキ制御手段を制御してブレーキ手段に制動力を
発生させるブレーキ力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の車両用ブレーキシステムは、アン
チロックブレーキシステムの装備を始めとするブレーキ
機能のインテリジェント化がめざましい。この中で、ブ
レーキペダルの踏み込み量を一度電気信号に変換し、こ
の電気信号を基にブレーキ圧発生装置を制御し、ブレー
キ手段に制動力を発生させるブレーキ力制御装置が種々
開発されている。このような構成により、ブレーキペダ
ルから各車輪まで繋がっていたブレーキ液配管を一部不
要とすることができる。このような装置の例として、特
開平10−86802号公報に記載されたブレーキ力制
御装置のように、比例制御弁を電流制御するものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のブレ
ーキ力制御装置にあっては、制動の目標となる目標圧力
とブレーキ手段における作動程度を検出する適用量検出
手段の検出結果との比較制御によって制動力を制御する
ようにしている。ここで、運転者のブレーキ操作に対し
てブレーキ手段を滑らかに追従させるには、目標圧力と
ブレーキ手段の作動程度とのずれを少なくする必要があ
り、そのためには、この作動程度の検出をより頻繁に
し、その都度ブレーキ手段の制動力調整を実施すること
となる。このように、目標圧力とブレーキ手段の作動程
度とのずれを少なくすると、ブレーキ力を増加減少させ
る制御の切り替え頻度は高くなり、外乱(例えば、セン
サノイズ、ブレーキ手段の圧力シリンダー内の圧力振動
など)による影響を受けやすく、かえって制御状態が不
安定となることがあるという問題がある。そして、この
ような外乱を受けにくくしようとすると、ブレーキ手段
を滑らかに追従させることができず、段差の大きい階段
状のブレーキ制御となるとがあり、車両振動の発生の可
能性もあるといった問題がある。
【0004】本発明の目的は、上記問題点を解決するこ
とにあり、ブレーキ操作に対してブレーキ手段を滑らか
に追従させつつ、外乱の影響を受けにくいブレーキ力制
御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的達成
のため、ブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ操作検
出信号に変換し、これを基にしてブレーキ力制御手段を
制御してブレーキ手段に制動力を発生させるブレーキ力
制御装置であって、ブレーキ操作検出信号に比例した少
なくとも一つのしきい値を設定する制御信号生成手段
と、ブレーキ操作検出信号からブレーキ操作速度を求
め、このブレーキ操作速度を基にブレーキ力増減率を求
めるブレーキ力増減率設定手段と、ブレーキ手段の作動
程度を検出する適用量検出手段とを備え、制御信号生成
手段が適用量検出手段からの信号をブレーキ力増減率に
従ってしきい値を目標としてブレーキ力制御手段を制御
する構成としている。
【0006】すなわち、制御信号生成手段が、ブレーキ
操作検出信号に比例した少なくとも一つのしきい値に沿
うようにブレーキ力制御手段を制御するのであるが、そ
の際に、ブレーキペダルの踏み込み速度に応じたブレー
キ力増減率から各制御点でのブレーキ力の強さ(増減の
傾き)を調整するものである。このようにすることで、
ブレーキ操作量及び操作速度に対してブレーキ手段を滑
らかに追従させつつ、ブレーキ力を増加減少させる制御
の切り替え頻度を増加させないようにすることができ
る。
【0007】また、ブレーキ力制御手段が、液圧により
ブレーキ作用を伝達しており、このブレーキ液を通過さ
せる径の異なる複数のオリフィスを備えている構成とす
ることができる。さらに、制御信号生成手段がブレーキ
力増減率に応じて複数のオリフィスの内の1つのオリフ
ィスを選択する構成とすることができる。
【0008】すなわち、ブレーキペダルの踏み込み速度
に応じたブレーキ力増減率から各制御点でのブレーキ力
の強さ(増減の傾き)を調整するため、ブレーキ力制御
手段に備えられた複数のオリフィスの中から最適な径の
オリフィスを選択する。従って、ブレーキ手段への給油
が滑らかになり、ブレーキ操作の追従性が向上する。
【0009】ここで、制御曲線が発散することを防ぐた
め、制御信号生成手段が、ブレーキ操作検出信号を目標
として挟む二つのしきい値を生成する場合も、ブレーキ
ペダルの踏み込み速度に応じたブレーキ力増減率が有効
に働き、確実に制動力制御が可能になり、滑らか且つ信
頼性の高いブレーキ力制御装置を提供することが可能に
なる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は、本発明による実施の形態の
ブレーキ力制御装置の構成を示す概略図である。
【0011】(a)ブレーキ力制御装置の構成 図1に示すように、この実施の形態のブレーキ力制御装
置は、ブレーキペダル1の踏み込みの有無を検出するた
めのブレーキスイッチ2と、ブレーキペダル1の踏み込
み量(以下、ストローク量という)を検出するためのペ
ダルストロークセンサ3(例えば、角度センサ)と、ブ
レーキペダル1のストローク量に応じた液圧を発生する
シリンダ4と、ブレーキペダル1の踏み込み具合をシミ
ュレートすることでブレーキペダル1を踏み込んだ時の
反動を疑似的に作り、ブレーキペダル1へ与えつつペダ
ルを所定位置に復帰させるストロークシミュレータ5
と、装置各部を制御するコントローラ(制御信号生成手
段)6と、ブレーキ液圧を蓄積するためのアキュムレー
タ7と、ブレーキ液を一時的に貯留するためのリザーバ
8と、リザーバ8内のブレーキ液をアキュムレータ7側
へ送り、アキュムレータ7内のブレーキ液圧を所定圧ま
で高めるためのポンプ9と、車輪に対応して設けられ、
コントローラ6から供給されるブレーキ制御信号により
弁の開閉が制御される第1〜第3加圧用電磁弁10A〜
10C(ブレーキ制御手段)及び第1、第2減圧用電磁
弁11A、11B(ブレーキ制御手段)及び一つのフェ
ールセーフ用電磁弁(ブレーキ制御手段)12と、ブレ
ーキ装置13に供給されるブレーキ液の液圧を検出し、
実際に適用されたブレーキ圧検出を行うブレーキの適用
量検出手段として、その結果を出力するブレーキ圧力セ
ンサ14とを備えて構成される。
【0012】第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10C
は、それぞれブレーキ液を通過させるオリフィスが異な
っており、その大小関係は第1加圧用電磁弁10A<第
2加圧用電磁弁10B<第3加圧用電磁弁10Cとなっ
ている。第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bも第1
〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cと同様に、それぞれ
ブレーキ液を通過させるオリフィスが異なっており、そ
の大小関係は第1減圧用電磁弁11A<第2減圧用電磁
弁11Bとなっている。この実施の形態のブレーキ力制
御装置は、ブレーキペダル1のストローク量を電気的に
検出して、それに応じて第1〜第3加圧用電磁弁10A
〜10C、第1、第2減圧用電磁弁11A、11B、あ
るいはフェールセーフ用電磁弁12(非常時)をコント
ローラ6により制御することでブレーキ装置13に制動
をかけるものである。ブレーキペダル踏み込み中(増圧
中)においては、第1、第2減圧用電磁弁11A、11
Bが閉じた状態で第1〜第3加圧用電磁弁10のいずれ
かの開閉が繰り返される。そして、ブレーキペダル踏み
戻し中(減圧中)においては、第1〜第3加圧用電磁弁
加圧用電磁弁10が閉じた状態で第1、第2減圧用電磁
弁11のいずれかの開閉が繰り返される。フェールセー
フ用電磁弁12は異常モード時に開状態となり、それ以
外の時に閉状態となる。
【0013】さらに詳しくは、第1〜第3加圧用電磁弁
10A〜10Cの使い分けを、ブレーキペダル1を踏み
込み中のペダルストローク速度の違いに応じて行う。こ
の場合、最初はオリフィスの最も小さい第1加圧用電磁
弁10Aを選択するが、現在のペダルストローク速度に
対してこの第1加圧用電磁弁10Aのオリフィスで油圧
供給が間に合わなければ、もう一段径の大きなオリフィ
スの第2加圧用電磁弁10Bを選択する。この第2加圧
用電磁弁10Bを選択することによって油圧供給が間に
合えば、これを使用する。しかし、この第2加圧用電磁
弁10Bでも油圧供給が間に合わなければ、さらにもう
一段径の大きなオリフィスの第3加圧用電磁弁10Cを
選択する。このようにして、ブレーキをかけた時のペダ
ルストローク速度の違いに応じて第1〜第3加圧用電磁
弁10A〜10Cの中から油圧供給が間に合う最適なも
のを選択する。
【0014】一方、第1、第2減圧用電磁弁11A、1
1Bについては、ブレーキペダル1の戻し中(ブレーキ
解除中)のペダルストローク速度の違いに応じて行う。
この場合、最初はオリフィスの小さい第1減圧用電磁弁
11Aを選択するが、現時点でのペダルストローク速度
に対してこの第1減圧用電磁弁11Aのオリフィスで油
圧抜きが間に合わなければ、一段径の大きなオリフィス
の第2減圧用電磁弁11Bを選択する。このようにし
て、ブレーキ解除時のペダルストローク速度の違いに応
じて第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bの中から油
圧供給が間に合う最適なものを選択する。
【0015】本実施の形態の上記コントローラ6は、図
示せぬCPUと、制御アルゴリズムが書き込まれたメモ
リと、このメモリから制御アルゴリズムを読み出して展
開するためのワークメモリとを有して構成される。コン
トローラ6はペダルストロークセンサ3の出力から演算
によってブレーキペダル1のストローク量を求め、求め
たストローク量に所定の変換係数kを乗算してブレーキ
操作検出信号を求める。さらに、求めたブレーキ操作検
出信号を基に目標となるブレーキ制御信号を生成し、こ
の目標に対して二つのしきい値を設定する。そして、こ
の二つのしきい値を生成した時点でブレーキ圧力センサ
14からの信号を入力され、この信号を二つのしきい値
間で維持するブレーキ制御信号を第1〜第3加圧用電磁
弁10A〜10Cの中の一つ、又は第1、第2減圧用電
磁弁11A、11Bの中の一つ、又はフェールセーフ用
電磁弁12へ出力する。
【0016】ここで、コントローラ6はストローク量の
時間的変化からペダルストローク速度を演算により求
め、求めたペダルストローク速度に所定の変換係数k1
を乗算してブレーキ力増減率に対応する目標ブレーキ圧
力レートを求める。すなわち、コントローラ6のCPU
の制御サイクル時間あたりのブレーキ操作量に応じたブ
レーキ圧力の変化量を求める。
【0017】目標ブレーキ圧力レートを求めた後、これ
と第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cおよび第1、
第2減圧用電磁弁11A、11B毎に予め決めておいた
変換係数を元に各電磁弁におけるパルスレートを求め
る。ここで、本実施の形態では、第1〜第3加圧用電磁
弁10A〜10Cと第1、第2減圧用電磁弁11A、1
1Bに2位置電磁弁(開くか閉じるかの二つの位置のみ
の電磁弁)を用いることを前提としており、ブレーキ制
御信号の制御時間(即ちパルスレートとパルスデューテ
ィ)を演算により求める。この場合の前提として、パル
スデューティは各電磁弁の駆動の1サイクルの時間で固
定値となり、パルスレートは各電磁弁が開状態にある時
間となる。そして、パルスレートを求める演算式として
は、まずは予めの実験により油圧特性を測定し、目標ブ
レーキ圧力レートに対して直線性を持った近似式とし、
各オリフィス別に変換係数を設定する。この場合、第1
加圧用電磁弁10Aにおける変換係数は(A、B)、第
2加圧用電磁弁10Bにおける変換係数は(C、D)、
第3加圧用電磁弁10Cにおける変換係数は(E、
F)、第1減圧用電磁弁11Aにおける変換係数は(A
1、B1)、第2減圧用電磁弁11Bにおける変換係数は
(C1、D1)とする。左側の計数が目標ブレーキ圧力レ
ートに乗算される係数となる。
【0018】この演算結果であるパルスレートとパルス
デューティの大小関係から第1〜第3加圧用電磁弁10
A〜10Cと第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bの
選択を行う。この場合、前提として、ブレーキ制御信号
のパルスレートを求める演算式は、実験にて油圧特性を
とり、直線性を持つように近似した式で、加減圧別、オ
リフィス径別、パルスデューティ固定で変換係数(上述
した「A、B、C、D、E、F、A’、B’、C’、
D’」)をそれぞれ設定している。ブレーキ制御信号の
パルスデューティは、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜
10C及び第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bの全
てにおいて同じ値(即ち、T1=T2=T3=T4=T5
にしている。なお、図4に示すように、ブレーキ制御信
号のパルスレートはブレーキ制御信号のオン〜オフまで
の時間であり、パルスデューティはオン〜オンまでの時
間である。
【0019】ここで、図2は本実施の形態のブレーキ制
御装置の動作を示す図であり、図3は図2の一部分を拡
大した図である。本実施の形態の場合、ブレーキ圧を基
に説明している。また、上述の目標となるブレーキ制御
信号(目標ブレーキ圧力を示す)に対して、ブレーキ圧
の高い側のしきい値をα、ブレーキ圧の低い側のしきい
値をβとしている。
【0020】図2及び図3に示すように、ペダルストロ
ークが0mmでなくなって、ブレーキ圧力が高い側のブ
レーキ圧力しきい値線β以下になると、その時点(P
1)から準備タイマをカウント(コントローラ6は準備
タイマを持っている)させる。そして、準備タイマがカ
ウントアップするまでの所定時間Tだけ継続してペダル
ストロークが0mm以外であるか否かを判定し、ペダル
ストロークが所定時間Tだけ継続して0mm以外であれ
ば、実際にブレーキペダル1が踏み込まれていると判断
して制御を開始し、まず保持状態に移行する。これに対
して、準備タイマがカウントアップする所定時間T以内
にペダルストロークが0mmに戻った場合には非制御状
態に戻す。すなわち、ブレーキペダル1が踏まれていな
かったと判断してブレーキ制御に入らない。この中で、
準備タイマを使用するのは、エンジン等から発生するノ
イズによる誤動作を防止するためである。
【0021】準備タイマがカウントアップすると、上述
の保持状態、即ち第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10
C及び第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bをそれぞ
れ閉状態にする。なお、開始準備状態から保持状態に移
行した時点で、ブレーキ圧力は0(kgf/cm2)で
所定時間Tだけが経過していることから、状態としては
ブレーキ圧力が低い側のブレーキ圧力しきい値線β以下
となっており、すぐに加圧状態に移行することになる。
【0022】加圧状態に移行すると、第1、第2減圧用
電磁弁11A、11Bは共に閉状態のままで第1〜第3
加圧用電磁弁10A〜10Cの中で現在のペダルストロ
ーク速度に見合うものを、その電磁弁の変換係数と現在
のペダルストローク速度を元に求めた目標ブレーキ圧力
レートとから求めたパルスレートで繰り返し開閉させ
る。この場合、ブレーキをかける時は、通常は、最初に
ブレーキペダル1を素速く踏み込み、その後一時的に緩
め、車両が停止する直前にまた少し早く踏み込むという
パターンになる。つまり、加圧状態に移行する初期に
は、図2に示すようにペダルストローク速度が大きくな
るので、例えば径が最も大きなオリフィスの第3加圧用
電磁弁10Cを選択する。これにより、加圧が行なわれ
てブレーキ圧が増加していく。そして、ブレーキペダル
1を踏み込んでいることからストローク量が増加して行
き、これに伴って目標ブレーキ圧力も増加して行く。そ
して、ブレーキ圧力が中心となっている目標ブレーキ圧
力よりも大きくなった時点(P2)で再び保持状態に移
行し、第3加圧用電磁弁10Cを閉状態にする。保持状
態に移行した後もブレーキペダル1が依然として踏み込
まれて続けていれば、ブレーキ圧力が増加して行くが、
このブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力しきい値線β以下
になると、再び加圧状態に移行する。
【0023】このように、ブレーキペダル1が踏み込ま
れている間は、加圧と保持を繰り返し、目標ブレーキ圧
力の最終目標すなわちブレーキペダル1の踏み込みが停
止するまで目標ブレーキ圧力と低い側のブレーキ圧力し
きい値線βの2本のしきい値に沿って加圧し、その加圧
過程においてペダルストローク速度の違いに応じて第1
〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cを択一的に選択す
る。図2の場合は、ブレーキペダル1の踏み込み初期の
期間Tb1では第3加圧用電磁弁10Cを選択し、その
後、ペダルストローク速度が一時的に小さくなった期間
b2では第1加圧用電磁弁10Aを選択し、その後、車
両停止直前でペダルストローク速度が少し大きくなった
期間Tb3では第2加圧用電磁弁10Bを選択し、最後に
ブレーキペダル1の踏み込みが停止した期間Tb4では第
1加圧用電磁弁10Aを選択する例である。
【0024】目標ブレーキ圧力の最終目標まで加圧して
保持状態にあるときに、ブレーキペダル1が戻されてス
トローク量が減少すると、中心となる目標ブレーキ圧力
も減少して行く。そして、ブレーキ圧力が高い側のブレ
ーキ圧力しきい値線α以上になると、その時点で減圧状
態に移行し、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cは
閉状態のままで、第1、第2減圧用電磁弁11A、11
Bのうちで現在のペダルストローク速度に見合うもの
を、その電磁弁の変換係数と現在のペダルストローク速
度を元に求めた目標ブレーキ圧力レートとから求めたパ
ルスレートで繰り返し開閉させる。ブレーキを解除する
時は、通常は、最初にブレーキペダル1を少し緩め、そ
の後、略一気に戻して行くというパターンになる。この
ようなことから、減圧状態に移行時初期には、図2に示
すように、ペダルストローク速度が小さいので、径が小
さなオリフィスの第1減圧用電磁弁11Aを選択するも
のとする。そして、この第1減圧用電磁弁11Aを繰り
返し開閉させた状態で、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧
力以下になると、その時点で保持状態に移行して第1減
圧用電磁弁11Aを閉状態にする。その後、ブレーキ圧
力がブレーキ圧力しきい値線α以上になると、その時点
で減圧状態に移行する。
【0025】このように、ブレーキペダル1が戻されて
いる間は、減圧と保持の繰り返し、目標ブレーキ圧力の
最終目標まで目標ブレーキ圧力とブレーキ圧力しきい値
線αの2本のしきい値に沿って減圧し、その減圧過程に
おいてペダルストローク速度の違いに応じて第1、第2
減圧用電磁弁11A、11Bを択一的に選択する。図2
の場合は、ブレーキペダル1の戻し始めの期間Tb5で第
1減圧用電磁弁11Aを選択し、その後、ペダルストロ
ーク速度が急激に大きくなる期間Tb6、及びその後に多
少小さくなる期間Tb7で第2減圧用電磁弁11Bを選択
する。
【0026】一方、保持状態、加圧状態、減圧状態のい
ずれかの状態において、ブレーキペダル1が急に戻され
て、ペダルストロークが0mmになると、終了準備状態
に移行する。この場合、終了準備状態では、ブレーキペ
ダル1が確実に踏み込まれななくなった否かを確認する
ために終了タイマ(コントローラ6は終了タイマを持っ
ている)がカウントアップするまでの所定時間、継続し
てペダルストロークが0mmであるか否かを判定し、ペ
ダルストロークが所定時間継続して0mmであれば、確
実にブレーキペダル1が踏み込まれなくなったと判断し
て非制御状態に移行する。これに対して、終了タイマが
カウントアップする所定時間以内にペダルストロークが
0mmでなくなると、保持状態に移行し、その時のブレ
ーキ圧力と目標ブレーキ圧力及び2つのしきい値の関係
により再び加減圧を行なう。
【0027】(b)ブレーキ制動装置の動作 次に、本実施の形態のブレーキ制動装置の詳細な動作に
ついて説明する。図5は、実施の形態のブレーキ制御装
置の動作のメインフローを示した図であり、図6は、図
5に示した実施の形態のブレーキ力制御装置の動作のサ
ブフローを示した図であり、図7は、図5に示した実施
の形態のブレーキ力制御装置の動作のサブフローであ
る。図8は、図5に示した実施の形態のブレーキ力制御
装置の動作のサブフローである。
【0028】(イ)メインフロー イグニッションスイッチ(図示略)がオンになって本ブ
レーキ力制御装置に電源が投入されると、まずステップ
S10で非制御モードを設定する。そして、ステップS
12でペダルストロークセンサ3の出力を取り込む。そ
して、ステップS14で、今、取り込んだペダルストロ
ークセンサ3の出力からストローク量を演算により求め
る。そして、ステップS16に進み、ストローク量に所
定の変換係数kを乗算してブレーキ制御信号である目標
ブレーキ圧力を求める。この目標ブレーキ圧力を求めた
後、ステップS18でその目標ブレーキ圧力に+m、−
nした二つのしきい値線α、βを求める。
【0029】一方、上記ステップS12〜ステップS1
8の処理とは別にステップS20とステップS22の
処理及びステップS24とステップS26の処理が
行われる。すなわち、ステップS20でブレーキ圧力セ
ンサ14の出力を取り込み、これを元にステップS22
でブレーキ圧力を演算により求める。また、ステップS
24でペダルストローク量の時間的変化からペダルスト
ローク速度を演算により求め、次いでステップS26で
ペダルストローク速度に所定の変換係数k1を乗算して
目標ブレーキ圧力レートを生成する。そして、上記ステ
ップS10〜ステップS26の処理、、を行った
後に電磁弁制御処理に移行する。電磁弁制御処理を終え
た後は、実際に第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10
C、第1、第2減圧用電磁弁11A、11B及びフェー
ルセーフ用電磁弁12を駆動する出力処理に移行する。
【0030】以下、図6を参照して電磁弁制御処理につ
いて、及び図7を参照して電磁弁選択処理、及び図8を
参照して出力処理について説明する。 (ロ)電磁弁制御処理 まず、ステップS30で現時点でのモードが非制御モー
ドであるか否かを判定する。すなわち、ブレーキペダル
1が踏み込まれたか否かを判定し、ブレーキペダル1が
踏み込まれていない場合は非制御モードになり、ブレー
キペダル1が踏み込まれた場合は制御モードになる。こ
の判定において、このステップS30で現時点が非制御
モードであると判断するとステップS32に進む。
【0031】ステップS32では、目標ブレーキ圧力−
nのしきい値線βが現在のブレーキ圧力より大きいか否
かを判定する。ここで目標ブレーキ圧力−nのしきい値
線βが現在のブレーキ圧力より小さいという判断である
と、非制御モードとして特定される。図8で示した出力
処理フローでは、ステップS100において非制御モー
ド判定がなされたことになる。そして、ステップS10
0からステップS102に進み、このステップS102
では第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cが閉状態で
第1、第2減圧用電磁弁11A又は11Bが開状態の設
定とされる。
【0032】一方、ステップS32の判定において、現
在のブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力−nのしきい値線
β以下であると判断すると、ステップS32からステッ
プS34に進み、モードを開始準備モードに切り替える
と同時に準備タイマによるカウントを開始させる。つま
り、このステップS32は、ペダルのストローク量以外
の判断の視点を加えたもので、非制御モード状態のより
正確な判定を行おうとするものである。
【0033】そして、開始準備モードに切り替えるとい
うことは、図8に示した出力処理フローでは、ステップ
S100において非制御モードでないという判定がなさ
れたということで、ステップS104へ進むことにな
る。そして、ステップS104からステップS106に
進み、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cを閉状態
で、第1、第2減圧用電磁弁11A又は11Bが開状態
の設定とされる。なお、現在のブレーキ圧力が最初に目
標ブレーキ圧力−nのしきい値線β以下になる時点と
は、図3に示すP1の時点であり、P1時点以前の状態
はすべて非制御モードとしている。
【0034】図5に示すステップS30の判定におい
て、現時点でのモードが非制御モードでなければステッ
プS36で開始準備モードであるか否かを判定する。こ
のステップS36で開始準備モードであると判断すると
ステップS38に進み、ペダルストロークが0mmであ
るか否かを判定する。すなわち、ブレーキペダル1が踏
み込まれたか否かを判定する。この判定において、ペダ
ルストロークが0mmであると判断すると、ステップS
40でモードを非制御モードに設定する。そして、図8
に示す出力処理フローでは、ステップS100において
非制御モード判定がなされたということで、ステップS
102の状態となる。
【0035】これに対して、ペダルストロークが0mm
でないと判断すると、ステップS42に進み、準備タイ
マがタイムアップしたか否かを判定する。準備タイマが
タイムアップしていなければ、ステップS44で準備タ
イマのカウントを続ける。この場合、準備タイマがカウ
ントアップするまでは開始準備モードになっているの
で、出力処理フローでは、各電磁弁はステップS106
の状態である。これに対して、準備タイマがタイムアッ
プしたと判断すると、ステップS46でモードを保持モ
ードに設定する。この場合、図8に示す出力処理フロー
では、ステップS108での保持モードとの判定がなさ
れたということである。ステップS108からはステッ
プS110に進み、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜1
0Cと第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bを共に閉
状態にする。
【0036】保持モード状態であると、ステップS48
からステップS50に進み、ブレーキ圧力が目標ブレー
キ圧力−nのしきい値線β以下であるか否かを判定す
る。この判定において、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧
力−nのしきい値線β以下であると判断すると、ステッ
プS52に進み、モードを加圧モードに切り替える。そ
して、ステップS54に進む。一方、ブレーキ圧力が目
標ブレーキ圧力−nのしきい値線β以下でないと判断す
ると、保持モード状態のままステップS54に進む。
【0037】ステップS54に進むと、ブレーキ圧力が
目標ブレーキ圧力+mのしきい値線α以上であるか否か
を判定する。この判定において、ブレーキ圧力が目標ブ
レーキ圧力+mのしきい値線α以上であると判断する
と、ステップS56に進み、モードを減圧モードに切り
替える。減圧モードに設定した後、ステップS58に進
む。一方、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力+mのしき
い値線α以上でないと判断すると、加圧モード又は保持
モードの状態でステップS58に進む。
【0038】ステップS58に進むと、ペダルストロー
クが0mmであるか否かを判定し、ペダルストロークが
0mmであると判断するとステップS60に進み、モー
ドを終了準備モードに切り替え、また同時に終了タイマ
によるカウントを開始させる。この場合、図8に示す出
力処理フローでは、ステップS100の非制御モード判
定から、ステップS104での開始準備モード判定、ス
テップS108での保持モード判定、ステップS112
での加圧モード判定、ステップS116での減圧モード
判定までのすべてがNoであり、ステップS120の終
了準備モードであるという判定まで進んだ状態となる。
そして、ステップS122では、実際には保持モードと
同様の状態であり、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜1
0Cと第1、第2減圧用電磁弁11A、11Bを共に閉
状態にする。一方、ステップS58において、ペダルス
トロークが0mmでなければ、保持モード、加圧モー
ド、及び減圧モードのいずれかの状態で図8に示す出力
処理フローに移行する。従って、ステップS120の判
定まで行くことはない。
【0039】このように、ステップS48からステップ
S60までの処理では、「保持モードの状態から、ブレ
ーキ圧力が目標ブレーキ圧力−nのしきい値線β以下に
なると加圧し、目標ブレーキ圧力+mのしきい値線α以
上になると減圧する。そして、ペダルストロークが0m
mであればブレーキ操作が終了の方向にある。」とい
う、全体の処理の中で、中心となる大まかな流れを判定
及び設定している。
【0040】次に、加圧モードの状態にあると、図5に
示すステップS62からステップS64に進む。ここ
で、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力以上であるか否か
を判定し、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力以上である
と判断するとステップS66に進み、モードを保持モー
ドに切り替え、ステップS68へ進む。一方、ステップ
S64の判定において、ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧
力以上でなければ加圧モード状態でステップS68に進
む。ステップS68ではペダルストロークが0mmであ
るか否かを判定し、0mmであると判断すると、ステッ
プS70で終了準備モードに切り替える。これに対し
て、0mmでないと判断すると、保持モードもしくは加
圧モードの状態で出力処理に移行する。このように、ス
テップS62からステップS70では、加圧モード時に
ブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力を上回ると保持モード
となることを示しており、つまり、加圧時のブレーキ圧
は目標ブレーキ圧力と目標ブレーキ圧力−nのしきい値
線βとの間に制御されるということである。
【0041】次に、減圧モードの状態であると、ステッ
プS72からステップS74に進む。ここで、ブレーキ
圧力が目標ブレーキ圧力以下であるか否かを判定し、ブ
レーキ圧力が目標ブレーキ圧力以下であると判断すると
ステップS76に進み、保持モードに切り替える。ステ
ップS78へ進む。一方、ステップS74の判定で、ブ
レーキ圧力が目標ブレーキ圧力以下でないと判断する
と、減圧モードのままの状態でステップS78に進む。
ステップS78ではペダルストロークが0mmであるか
否かを判定し、0mmであると判断すると、ステップS
80で終了準備モードに切り替えて出力処理に移行す
る。これに対して、0mmでないと判断すると、減圧モ
ード又は保持モードの状態で出力処理に移行する。この
ように、ステップS72からステップS80では、減圧
モード時にブレーキ圧力が目標ブレーキ圧力を下回ると
保持モードとなることを示しており、つまり、減圧時の
ブレーキ圧は目標ブレーキ圧と目標ブレーキ圧+mのし
きい値線αとの間に制御されるということである。
【0042】次に、終了準備モードの状態であると、ス
テップS82からステップS84に進み、ペダルストロ
ークが0mmであるか否かを判定し、0mmでないと判
断すると、ステップS92に進み、未だ保持モードであ
るべきとの判定から、保持モードに切り替えて出力処理
に移行する。ペダルストロークが0mmであると判断す
ると、ステップS86で終了タイマがタイムアップした
か否かを判定する。この判定において、終了タイマがタ
イムアップしたと判断すると、ステップS88で非制御
モードに切り替えて出力処理に移行する。これに対し
て、終了タイマがタイムアップしていないと判断する
と、ステップS90で終了タイマのカウントを継続し、
未だ終了準備モードの状態であるとして出力処理に移行
する。
【0043】モードが非制御モード、開始準備モード、
保持モード、加圧モード、減圧モード及び終了準備モー
ドのいずれの状態にもなっていない場合は、異常モード
を設定し、出力処理で図8に示すステップS120から
ステップS124に進み、第1〜第3加圧用電磁弁10
A〜10C及び第1、第2減圧用電磁弁11A、11B
を共に閉状態とし、フェールセーフ用電磁弁12を開状
態にする。フェールセーフ用電磁弁12を開状態にする
と、シリンダ4からのブレーキ液圧が直接ブレーキ装置
13へ出力される。
【0044】以上のように、図6に示した電磁弁制御処
理では、非制御モード、開始準備モード、保持モード、
加圧モード、減圧モード、終了準備モード及び異常モー
ドのいずれかのモードで出力される。図7で示した電磁
弁選択処理フローではこれらの出力モードを判断して、
加圧モード及び減圧モードにおける電磁弁選択制御を行
う。そこで、ステップS150で加圧モードを判定し、
その次にステップS190で減圧モードを判定する。こ
れ以外のモードについては、ステップS220において
パルスレートがクリアされ、またステップS222でパ
ルスデューティがクリアされ、各モード説明で前述した
図8の処理に移行する。
【0045】ここで、図6に示した電磁弁制御処理から
の出力が加圧モードの場合を説明する。図7には電磁弁
選択処理フローを示しており、ステップS150で加圧
モード出力であると判定すると、図7に示した電磁弁選
択処理に入る。これはまずステップS152で現在の目
標ブレーキ圧力レートを基に第1加圧用電磁弁10Aに
対して設定されている変換係数(A、B)を用いて、前
述したパルスレート(t1)を求める次式の演算を行
う。 パルスレート(t1)=A×(目標ブレーキ圧力レー
ト)+B そして、このパルスレート(t1)を求めると、ステッ
プS154で、パルスレート(t1)がパルスデューテ
ィ(T1)以上であるか否かを判定する。この判定にお
いて、パルスレート(t1)がパルスデューティ(T1
以上でないと判断すると即ちパルスデューティ(T1
未満であると判断すると、ステップS156に進む。そ
して、ステップS156でパルスレート(t1)が最小
パルスレート(t1min:電磁弁が機械的に追従可能な最
小時間)未満であるか否かを判定する。この判定におい
て、パルスレート(t1)が最小パルスレート
(t1min)未満でなければ即ち最小パルスレート(t
1min)以上であれば、第1加圧用電磁弁10Aで油圧供
給が可能であるとしてステップS158に進み、そのパ
ルスレート(t1)を確定する。
【0046】ステップS156の判定において、パルス
レート(t1)が最小パルスレート(t1min)未満であ
れば、このままでは第1加圧用電磁弁10Aが対応でき
ない小ささであるとしてステップS160に進み、現在
の目標ブレーキ圧力レートを元に新たなパルスデューテ
ィ(T1n)を演算により求める。この場合、パルスデュ
ーティ(T1n)を求める場合の変換係数を(a、b)と
し、次の式により求める。 パルスデューティ(T1n)=(b−(目標ブレーキ圧力
レート))×a そして、パルスデューティ(T1n)を求めると、ステッ
プS162でパルスデューティ(T1n)を最小パルスレ
ート(t1min)でのパルスデューティとして確定する。
そして、ステップS164でパルスレート(t1min)を
最小値として確定する。
【0047】そして、ステップS158でパルスレート
を確定するか、またはステップS164でパルスレート
(t1min)を最小値として確定すると、ステップS16
6で最も径の小さいオリフィスの第1加圧用電磁弁10
Aを選択して処理を抜ける。そして、図8に示す出力処
理フローにおいて、ステップS114のように第1、第
2減圧用電磁弁11A、11Bをそれぞれ閉状態、第1
加圧用電磁弁10Aを繰り返し開閉状態にする。この場
合、パルスレート(t1)が最小パルスレート未満であ
れば、パルスレート(t1min)、パルスデューティ(T
1n)のブレーキ制御信号で第1加圧用電磁弁10Aを開
閉させ、パルスレート(t1)が最小パルスレート以上
であれば、パルスレート(t1)、パルスデューティ
(T1)のブレーキ制御信号で第1加圧用電磁弁10A
を開閉させる。
【0048】上記ステップS154でパルスレート(t
1)がパルスデューティ(T1)以上であると判断する
と、第1加圧用電磁弁10Aの径では油圧供給が間に合
わないので、ステップS168に進み、現在の目標ブレ
ーキ圧力レートを元に第2加圧用電磁弁10Bに対して
設定されている変換係数(C、D)を用いてパルスレー
ト(t2)を求める次式の演算を行う。 パルスレート(t2)=C×(目標ブレーキ圧力レー
ト)+D そして、パルスレート(t2)を求めた後、ステップS
170でそのパルスレート(t2)がパルスデューティ
(T2)以上であるか否かを判定する。この判定におい
て、パルスレート(t2)がパルスデューティ(T2)以
上でないと判断すると即ちパルスデューティ(T2)未
満であると判断すると、第2加圧用電磁弁10Bで油圧
供給が可能であるので、ステップS172に進み、その
パルスレート(t2)を確定する。パルスレート(t2
を確定した後、ステップS174で第2加圧用電磁弁1
0Bを選択して処理を抜ける。そして、図8に示す出力
処理フローにおいて、ステップS114のように第1、
第2減圧用電磁弁11A、11Bをそれぞれ閉状態、第
2加圧用電磁弁10Bを繰り返し開閉状態にする。この
場合、パルスレート(t2)、パルスデューティ(T2
のブレーキ制御信号で第2加圧用電磁弁10Bを開閉さ
せる。
【0049】上記ステップS170の判定において、パ
ルスレート(t2)がパルスデューティ(T2)以上であ
ると判断すると、第2加圧用電磁弁10Bの径では油圧
供給が間に合わないので、ステップS176に進み、現
在の目標ブレーキ圧力レートを元に第3加圧用電磁弁1
0Cに対して設定されている変換係数(E、F)を用い
てパルスレート(t3)を求める次式の演算を行う。 パルスレート(t3)=E×(目標ブレーキ圧力レー
ト)+F パルスレート(t3)を求めた後、ステップS178で
そのパルスレート(t3)がパルスデューティ(T3)以
上であるか否かを判定する。この判定において、パルス
レート(t3)がパルスデューティ(T3)以上でないと
判断すると即ちパルスデューティ(T3)未満であると
判断すると、第3加圧用電磁弁10Cで油圧供給が可能
であるので、ステップS180に進み、そのパルスレー
ト(t3)を確定する。パルスレート(t3)を確定した
後、ステップS182で第3加圧用電磁弁10Cを選択
して処理を抜ける。そして、図8に示す出力処理フロー
において、ステップS114のように第1、第2減圧用
電磁弁11A、11Bをそれぞれ閉状態、第3加圧用電
磁弁10Cを開閉状態にする。この場合、パルスレート
(t3)、パルスデューティ(T3)のブレーキ制御信号
で第3加圧用電磁弁10Cを開閉させる。
【0050】上記ステップS178の判定において、パ
ルスレート(t3)がパルスデューティ(T3)以上であ
ると判断すると、ステップS184に進み、パルスレー
トをフル加圧レート(t3max)として確定する。そし
て、ステップS182で第3加圧用電磁弁10Cを選択
して処理を抜ける。そして、上記同様に図8に示す出力
処理フローにおいて、ステップS114のように第1、
第2減圧用電磁弁11A、11Bをそれぞれ閉状態、第
3加圧用電磁弁10Cを開閉状態にする。この場合、パ
ルスレート(t3max)、パルスデューティ(T3)のブ
レーキ制御信号で第3加圧用電磁弁10Cを開閉させ
る。なお、t3max=T3として電磁弁10Cを開状態と
しても良い。
【0051】一方、図6に示した電磁弁制御処理からの
出力が減圧モードの場合を説明する。ステップS150
で減圧モード出力であると判定すると、ステップS19
0で現在の目標ブレーキ圧力レートを基に第1減圧用電
磁弁11Aに対して設定されている変換係数(A1
1)を用いてパルスレート(t4)を求める次式にて演
算を行う。 パルスレート(t4)=A1×(目標ブレーキ圧力レー
ト)+B1 そして、ステップS194に進み、今求めたパルスレー
ト(t4)がパルスデューティ(T4)以上であるか否か
を判定する。この判定において、パルスレート(t4
がパルスデューティ(T4)以上でないと判断すると即
ちパルスデューティ(T4)未満であると判断すると、
第1減圧用電磁弁11Aで油圧供給が可能であるので、
ステップS196に進み、そのパルスレート(t4)が
最小パルスレート未満であるか否かを判定する。この判
定において、パルスレート(t4)が最小パルスレート
未満でなければ即ち最小パルスレート以上であれば、ス
テップS206に進み、そのパルスレート(t4)を確
定し、ステップS204で第1減圧用電磁弁11Aを選
択して処理を抜ける。
【0052】これに対して、パルスレート(t4)が最
小パルスレート(t4min)未満であれば、このままでは
第1減圧用電磁弁11Aでも小さすぎるため、ステップ
S198で現在の目標ブレーキ圧力レートを基に新たな
パルスデューティ(T4n)を演算により求める。この場
合、パルスデューティ(T4n)を求める際の変換係数
(a1、b1)を使用して次式により求める。 パルスデューティ(T4n)=(b1−(目標ブレーキ圧
力レート))×a1 新たなパルスデューティ(T4n)を求めた後、ステップ
S200で、パルスデューティ(T4n)を最小パルスレ
ート(t4min)未満でのパルスデューティとして確定す
る。またステップS202でパルスレート(t4min)を
最小値として確定し、ステップS204で第1減圧用電
磁弁11Aを選択して処理を抜ける。そして、図8に示
す出力処理フローにおいて、ステップS118のように
第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cをそれぞれ閉状
態、第1減圧用電磁弁11Aを開閉状態にする。この場
合、パルスレート(t4)が最小パルスレート
(t4min)未満であれば、パルスレート(t4min)、パ
ルスデューティ(T4n)のブレーキ制御信号で第1減圧
用電磁弁11Aを開閉させ、パルスレート(t4)が最
小パルスレート(t4min)以上であれば、パルスレート
(t4)、パルスデューティ(T4)のブレーキ制御信号
で第1減圧用電磁弁11Aを開閉させる。
【0053】上記ステップS194の判定において、パ
ルスレート(t4)がパルスデューティ(T4)以上であ
ると判断すると、第1減圧用電磁弁11Aでは油圧供給
が間に合わないので、ステップS208に進み、現在の
目標ブレーキ圧力レートを基に第2減圧用電磁弁11B
に対して設定されている変換係数(C1、D1)を用いて
パルスレート(t5)を求める次式の演算を行う。 パルスレート(t5)=C1×(目標ブレーキ圧力レー
ト)+D1 パルスレート(t5)を求めた後、ステップS210に
進み、今求めたパルスレート(t5)がパルスデューテ
ィ(T5)以上であるか否かを判定する。この判定にお
いて、パルスレート(t5)がパルスデューティ(T5
以上でないと判断すると即ちパルスデューティ(T5
未満であると判断すると、ステップS212に進み、そ
のパルスレート(t5)を確定し、ステップS214で
第2減圧用電磁弁11Bを選択して処理を抜ける。そし
て、図8に示す出力処理フローにおいて、ステップS1
18のように第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10Cを
それぞれ閉状態、第2減圧用電磁弁11Bを開閉状態に
する。この場合、パルスレート(t5)、パルスデュー
ティ(T5)のブレーキ制御信号で減圧用電磁弁10B
を開閉させる。
【0054】上記ステップS210の判定において、パ
ルスレート(t5)がパルスデューティ(T5)以上であ
ると判断すると、ステップS216でパルスレートをフ
ル加圧レート(t5max)として確定し、ステップS21
4で第2減圧用電磁弁11Bを選択して処理を抜ける。
そして、上記と同様に図8に示す出力処理フローにおい
て、ステップS118のように第1〜第3加圧用電磁弁
10A〜10Cをそれぞれ閉状態、第2減圧用電磁弁1
1Bを開閉状態にする。この場合、パルスレート(t
5max)、パルスデューティ(T5)のブレーキ制御信号
で減圧用電磁弁10Bを開閉させる。
【0055】このように、この実施の形態では、ブレー
キペダル1のストローク量に応じて求めた目標ブレーキ
圧力を目標とし、この目標を挟む二つのしきい値(即ち
ブレーキ圧力α、β)が生成された時点でブレーキ圧力
センサ14からの信号を入力され、この信号を二つのし
きい値内で維持するブレーキ制御信号が第1〜第3加圧
用電磁弁10A〜10C及び第1、第2減圧用電磁弁1
1A、11Bの中の一つへ出力されるので、この制動制
御において発散が生じることがない。また、ブレーキペ
ダル1の踏み込み速度に応じてブレーキ制御信号の第1
〜第3加圧用電磁弁10A〜10C及び第1、第2減圧
用電磁弁11A、11Bに対する制御量即ちパルスレー
トを変化させるので、ブレーキ装置13への給油が滑ら
かになって、ブレーキ操作の追従性が向上する。また、
ブレーキ操作の追従性が良くなることから、しきい値を
一つにしても従来のように発散したりするようなことが
起こらない。この結果、確実に制動力の制御が可能にな
り、信頼性の高いブレーキ力制御装置を提供することが
可能になる。
【0056】なお、上記実施の形態では、目標ブレーキ
圧力と各しきい値との差の絶対値は同じ値としても良
く、異なる値としても良い。また、上記実施の形態で
は、第1〜第3加圧用電磁弁10A〜10C及び第1、
第2減圧用電磁弁11A、11Bとして2位置電磁弁を
用いてブレーキ制御信号のパルスのレート、デューティ
を演算により求めたが、比例制御弁のような電流制御の
場合でも電流の増加量、減少量を求めることができるの
で、出力デバイスは2位置電磁弁に限定されない。ま
た、上記実施の形態では、車両に適用した場合であった
が、圧力を制御するものであれば、どのようなものでも
適用できることは言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制御信号生成手段が、ブレーキ操作検出信号に比例した
少なくとも一つのしきい値に沿うようにブレーキ力制御
手段を制御する際、ブレーキペダルの踏み込み速度に応
じてブレーキ制御信号のブレーキ手段に対する制御量を
変化させるので、ブレーキ装置の制動力変化が滑らかに
なり、ブレーキ操作の追従性が向上する。ブレーキ力を
増加減少させる制御の切り替え頻度を増加させないよう
にすることができる。この結果、外乱に影響されにく
く、確実に制動力の制御が可能になり、信頼性の高いブ
レーキ力制御装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態のブレーキ制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】本発明による実施の形態のブレーキ制御装置の
動作を示す図である。
【図3】図2の一部分の拡大図である。
【図4】本発明による実施の形態のブレーキ制御装置の
ブレーキ制御信号の波形を示す図である。
【図5】本発明による実施の形態のブレーキ制御装置の
動作のメインフローを示した図である。
【図6】図5に示した実施の形態のブレーキ力制御装置
の動作のサブフローを示した図である。
【図7】図5に示した実施の形態のブレーキ力制御装置
の動作のサブフローを示した図である。
【図8】図5に示した実施の形態のブレーキ力制御装置
の動作のサブフローを示した図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブレーキスイッチ 3 ブレーキストロークセンサ 4 シリンダ 5 ストロークシミュレータ 6 ECU 7 アキュムレータ 8 リザーバ 9 ポンプ 10A〜10C 加圧用電磁弁 11A、11B 減圧用電磁弁 12 フェールセーフ用電磁弁 13 ブレーキ装置 14 ブレーキ圧力センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏み込み量をブレーキ
    操作検出信号に変換し、これを基にしてブレーキ力制御
    手段を制御してブレーキ手段に制動力を発生させるブレ
    ーキ力制御装置であって、 前記ブレーキ操作検出信号に比例した少なくとも一つの
    しきい値を設定する制御信号生成手段と、 前記ブレーキ操作検出信号からブレーキ操作速度を求
    め、このブレーキ操作速度を基にブレーキ力増減率を求
    めるブレーキ力増減率設定手段と、 前記ブレーキ手段の作動程度を検出する適用量検出手段
    とを備え、 前記制御信号生成手段が、前記適用量検出手段からの信
    号を前記ブレーキ力増減率に従って前記しきい値を目標
    として前記ブレーキ力制御手段を制御するブレーキ制御
    信号を出力することを特徴とするブレーキ力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキ力制御手段が、液圧により
    ブレーキ作用を伝達しており、このブレーキ液を通過さ
    せる径の異なる複数のオリフィスを備えていることを特
    徴とする請求項1記載のブレーキ力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御信号生成手段が前記ブレーキ力
    増減率に応じて複数のオリフィスの内の1つのオリフィ
    スを選択することを特徴とする請求項2記載のブレーキ
    力制御装置。
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