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JP2000316521A - 酸性水中油型乳化物 - Google Patents

酸性水中油型乳化物

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JP2000316521A
JP2000316521A JP11131957A JP13195799A JP2000316521A JP 2000316521 A JP2000316521 A JP 2000316521A JP 11131957 A JP11131957 A JP 11131957A JP 13195799 A JP13195799 A JP 13195799A JP 2000316521 A JP2000316521 A JP 2000316521A
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water
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egg yolk
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保雄 奥冨
Satoshi Kawade
智 川出
Mitsuharu Tanaka
光治 田中
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温または冷凍状態から、例えば電子レンジ
加熱、オーブンによる加熱、油ちょう、その他煮る・焼
く・蒸す等の加熱処理、更にはレトルト加熱を行って
も、乳化が破壊されず安定であり、また加熱後も、保形
性が良好で、かつ食感がクリーミーで、風味が良好な酸
性水中油型乳化物を提供すること。 【解決手段】 油脂、酵素処理卵黄、メチルセルロース
及び水を含有することを特徴とする酸性水中油型乳化
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性水中油型乳化
物に関する。詳しくは、マヨネーズ、タルタルソース、
乳化型ドレッシング等の酸性水中油型乳化物に関し、更
に詳しくは、電子レンジ加熱、オーブンによる加熱、油
ちょう、その他煮る・焼く・蒸す等の加熱処理、更には
レトルト加熱を行っても、乳化が破壊されず、また保形
性が良好で、食感がクリーミーである酸性水中油型乳化
物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
マヨネーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング等の
酸性水中油型乳化物は、電子レンジで加熱する、オーブ
ンで焼成する、油で揚げる、煮る、焼く、蒸す等の加熱
処理によって、水分の蒸発や原材料の加熱変性によって
水中油型乳化が破壊され、油が分離し食品の外観、食
感、風味が著しく損なわれるという問題がある。特に電
子レンジでの加熱や、油ちょうでは、秒単位で品温が急
激に上昇するため、急激な水分の蒸発や、加熱変性が起
こるため、水中油型乳化が破壊される、形がくずれ原形
をとどめない、元の酸性水中油型乳化物のクリーミーな
食感が失われる、酸性水中油型乳化物に特有の風味を形
成している食酢等の揮発性の呈味成分やフレーバー成分
が揮散し元の酸性水中油型乳化物らしい風味が著しく失
われる、等の問題がある。
【0003】これらの酸性水中油型乳化物の問題を解決
するために、種々の方法が提案されている。例えば、セ
ルロースIIの結晶型を持つセルロースと、ポリペプチド
及び食用多糖類の中から選ばれた少なくとも一種のゲス
ト成分とを配合する方法(特開平1−98448号公
報)、加熱処理したホエー蛋白質濃縮物を配合する方法
(特開平4−126050号公報)、カゼインまたは/
及びアラビアガムとポリグリセリン脂肪酸エステルとを
併用し、かつ特定の固体脂含量の油脂を配合する方法
(特開平7−194336号公報)等が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法では、加熱後の保形性
は改善されるが、クリーミーな食感の保持や、特に酸性
水中油型乳化物の風味を決定付けている食酢等の揮発性
の呈味成分やフレーバー成分を保持するという点ではい
まだ不十分であった。
【0004】従って、本発明の目的は、常温または冷凍
状態から、例えば電子レンジ加熱、オーブンによる加
熱、油ちょう、その他煮る・焼く・蒸す等の加熱処理、
更にはレトルト加熱を行っても、乳化が破壊されず安定
であり、また加熱後も、保形性が良好で、かつ食感がク
リーミーで、風味が良好な酸性水中油型乳化物を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、油脂、酵素処
理卵黄、メチルセルロース及び水を含有することを特徴
とする酸性水中油型乳化物を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の酸性水中油型乳化
物について詳述する。本発明で使用する油脂としては、
食用に適する油脂であればよく、例えば、大豆油、菜種
油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、
べに花油、ひまわり油等の常温で液体の油脂が一般的で
あるが、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マン
ゴ脂、乳脂等の常温で固体の油脂も使用でき、更にこれ
らの硬化油、分別油、エステル交換油等の物理的または
化学的処理を施した油脂を使用することもできる。
【0007】上記油脂の含有量は、水中油型乳化の安定
化と、風味や食感を良くするために5〜50重量%とす
るのが好ましく、更に好ましくは8〜40重量%、最も
好ましくは10〜35重量%である。油脂の含有量が5
0重量%よりも多いと、加熱処理によって水中油型乳化
が不安定化し乳化が破壊されやすく、また5重量%より
も少ないと、得られる酸性水中油型乳化物の食感が悪く
なりやすい。
【0008】本発明では、酸性水中油型乳化物の乳化の
安定化のため、乳化剤として、酵素で処理した卵黄(酵
素処理卵黄)を使用する。酵素で処理しない卵黄を用い
ると、得られる酸性水中油型乳化物は、加熱後に卵黄が
熱凝固し卵黄の界面活性が失われ、水中油型乳化が破壊
されたり、クリーミーな食感が失われる等、品質が劣っ
たものとなる。上記酵素処理卵黄は、基質としては生卵
黄、殺菌卵黄、加塩卵黄、加糖卵黄のいずれをも使用す
ることができるが、得られる水中油型乳化物の風味や、
酵素反応時の微生物の増殖を抑えることを考慮すると加
塩卵黄が適しており、例えば食塩が3〜20重量%添加
された加塩卵黄を用いるのが良く、更に好ましくは食塩
が5〜8重量%添加された加塩卵黄を用いるのが良い。
【0009】上記酵素処理卵黄において、基質の卵黄の
酵素処理の際に用いる酵素としては、ホスホリパーゼA
やプロテアーゼを使用することができる。上記ホスホリ
パーゼAは、リン脂質加水分解酵素とも呼ばれ、リン脂
質をリゾリン脂質に分解する反応を触媒する酵素であ
り、作用するエステル結合の位置の違いにより、ホスホ
リパーゼA1(EC3.1.1.32)とホスホリパー
ゼA2(EC3.1.1.4)の2種類を使用すること
ができ、豚等の哺乳類の膵液や、微生物を起源とした市
販のホスホリパーゼAを使用することができる。また、
上記プロテアーゼは、蛋白質を加水分解する反応を触媒
する酵素であり、植物、動物または微生物を起源とし
た、例えばパイナップルを起源としたブロメライン、パ
パイヤを起源としたパパイン、哺乳類の膵液を起源とし
たトリプシン、哺乳類の胃液を起源としたペプシン、カ
ビ由来のプロテアーゼ等、市販のプロテアーゼを使用す
ることができ、特にブロメラインが最適である。
【0010】卵黄の酵素処理の際、ホスホリパーゼAの
みを用いてもよく、プロテアーゼのみを用いてもよく、
ホスホリパーゼAとプロテアーゼとを併用してもよい
が、卵黄をホスホリパーゼAとプロテアーゼとを併用し
て処理した酵素処理卵黄を使用するのが好ましい。ホス
ホリパーゼAとプロテアーゼとを併用する場合、これら
の酵素による処理は、任意の順序で、または同時に行う
ことができるが、プロテアーゼによるホスホリパーゼA
の加水分解を避けるためには、ホスホリパーゼAによる
酵素処理後、プロテアーゼによる酵素処理を行うのが好
ましい。
【0011】ホスホリパーゼAの添加量は、卵黄1gに
対し、好ましくは0.2〜100ホスホリパーゼユニッ
ト、更に好ましくは0.5〜20ホスホリパーゼユニッ
トの活性量に相当する量を作用させるのが良い。ホスホ
リパーゼユニットとは、ホスホリパーゼの活性量を表す
単位であり、1ホスホリパーゼユニットとは、pH8.
0、40℃で卵黄にホスホリパーゼAを作用させた時
に、卵黄中のリン脂質から、1分間に1マイクロモルの
脂肪酸を遊離する活性量である。
【0012】プロテアーゼの添加量は、卵黄1gに対
し、好ましくは0.01〜10プロテアーゼユニット、
更に好ましくは0.1〜5プロテアーゼユニットの活性
量に相当する量を作用させるのが良い。プロテアーゼユ
ニットとは、プロテアーゼの活性量を表す単位であり、
1プロテアーゼユニットとは、pH7.0、37℃でミ
ルクカゼインにプロテアーゼを作用させた時に、1分間
に1マイクロモルのチロシンに相当する呈色度を示す活
性量である。尚、ホスホリパーゼA及びプロテアーゼの
併用からなる上記酵素は、次のような基準で添加しても
良い。即ち、上記酵素の添加量(合計量)は、卵黄10
0重量部に対し、好ましくは0.001〜0.8重量部
であり、更に好ましくは0.01〜0.3重量部であ
る。このとき、ホスホリパーゼAとプロテアーゼとの重
量比は、好ましくは20/80〜90/10であり、更
に好ましくは40/60〜85/15である。
【0013】卵黄の酵素処理は、卵黄の蛋白質や酵素が
熱により変性せず、また酵素の最適温度で行うのが良
く、通常20〜60℃、好ましくは40〜55℃の温度
範囲で行うのが良い。また、酵素処理中に攪拌機等で攪
拌を行うのが有利である。卵黄の酵素処理の際に、至適
pH、通常pH5〜9の範囲に調整するのが良く、この
目的のpH調整剤としては、食品用であれば特に限定さ
れず、例えば乳酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン
酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、
アスコルビン酸、酢酸等の酸味料や、リン酸二水素ナト
リウム、リン酸二水素カリウム、食酢、果汁、発酵乳等
の酸性物質や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
リン酸三ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等を用
いることができる。また、卵黄の酵素処理の際に、酵素
の安定剤として食品用の塩化カルシウム、リン酸二水素
カルシウム等のカルシウム化合物を添加しても良い。
【0014】卵黄の酵素処理の際の反応時間に特に制約
はないが、0.5〜30時間の範囲内で行うのが良い。
ホスホリパーゼAによる卵黄のリン脂質のリゾリン脂質
への分解の程度と、プロテアーゼによる卵黄の蛋白質の
加水分解の程度は、酵素の添加量、反応温度、反応開始
時のpH、酵素の安定剤の有無、反応時間の影響を受け
るが、特に限定されない。例えば、ホスホリパーゼAに
よる卵黄のリン脂質のリゾリン脂質への分解の程度は、
卵黄に含まれる全リン脂質の30〜100%がリゾリン
脂質に分解される程度までに分解するのが良く、また、
プロテアーゼによる卵黄の蛋白質の加水分解の程度は、
卵黄に含まれる蛋白質の加熱凝固性が完全に失われる程
度までに分解するのが良い。このようにして得られた酵
素処理卵黄に食塩や糖類を添加して、酵素処理加塩卵黄
や酵素処理加糖卵黄としてもよい。
【0015】上記酵素処理卵黄の含有量は、酸性水中油
型乳化物の安定化と、風味や食感を良くするために1〜
15重量%とするのが好ましく、更に好ましくは2〜1
3重量%、最も好ましくは4〜12重量%である。酵素
処理卵黄の含有量が15重量%より多いと、得られる酸
性水中油型乳化物の粘度が上昇しやすく、作業性が低下
しやすい。また、酵素処理卵黄の含有量が1重量%より
少ないと、加熱処理によって水中油型乳化が不安定化し
乳化が破壊されやすい。
【0016】本発明で使用するメチルセルロースとは、
日本食品添加物公定書に記載されている様に、パルプを
アルカリで処理してアルカリセルロースとした後、これ
を塩化メチルにてメチル化し、セルロースの水酸基の一
部をメチル基でエーテル置換したもので,分子内に親油
基であるメトキシ基と親水基である水酸基を有し、水溶
性としたものである。食品添加物として市販されている
ものは、一般に2重量%水溶液の粘度により、各種のグ
レードが規格化されている。本発明で使用するメチルセ
ルロースとしては、2重量%水溶液をJISウベローデ
粘度計で20℃にて測定した時の粘度が100mpa・
s以上のものが好ましく、更に好ましくは300mpa
・s以上のもの、最も好ましくは500mpa・s以上
のものである。
【0017】上記メチルセルロースの含有量は、酸性水
中油型乳化物の乳化の安定化と、加熱処理後の保形性の
確保、酸性水中油型乳化物特有の風味や食感を良くする
ために0.1〜3重量%とするのが好ましく、更に好ま
しくは0.2〜2.5重量%、最も好ましくは0.4〜
2重量%である。メチルセルロースの含有量が3重量%
よりも多いと、得られる酸性水中油型乳化物の粘度が上
昇しやすく、作業性が低下しやすい。また、メチルセル
ロースの含有量が0.1重量%よりも少ないと、加熱処
理によって保形性が劣りやすく、食酢等の揮発性の呈味
成分やフレーバー成分の保持が不十分となりやすい。
【0018】本発明の酸性水中油型乳化物において、水
とは、使用成分に由来する水分も含むものであり、例え
ば酵素処理卵黄、食酢、水飴等に由来する水分を含むも
のである。この水の含有量は、好ましくは30〜85重
量%、更に好ましくは35〜75重量%、最も好ましく
は45〜70重量%である。本発明の酸性水中油型乳化
物は、このように水の割合が高い状態でも加熱処理に対
し安定である。水の含有量が85重量%よりも多いと、
加熱処理後の保形性が不十分となりやすい。また、水の
含有量が30重量%よりも少ないと、加熱処理後のクリ
ーミーな食感が不十分となりやすい。
【0019】本発明の酸性水中油型乳化物には、マヨネ
ーズ、タルタルソース、乳化型ドレッシング等の酸性水
中油型乳化物に通常使用されている水溶性、油溶性、分
散性の副原料を使用することができる。この様な原料と
して、例えば酸味料、増粘安定剤、化工澱粉、着色料、
酸化防止剤、保存料、苦味料、調味料、香辛料、香料、
食塩等の無機塩類、糖類、デキストリン、卵白・卵白粉
末・卵黄粉末等の卵製品、クリーム・脱脂粉乳・発酵乳
等の乳製品、酢漬野菜等の野菜類、等の副原料を、本発
明の目的を損なわない限り、任意に使用することができ
る。上記酸味料としては乳酸、クエン酸、グルコン酸、
アジピン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、
アスコルビン酸、醸造酢、果汁等が挙げられ、上記増粘
安定剤としてはキサンタンガム、アルギン酸ナトリウ
ム、グアーガム、タラガントガム、ローカストビーンガ
ム、ジェランガム、ペクチン、ゼラチン、微小繊維状セ
ルロース、大豆多糖類等が挙げられ、上記化工澱粉とし
てはコーン、ワキシーコーン、タピオカ、馬鈴薯、甘
薯、小麦、米等の澱粉を起源とし、この澱粉をアミラー
ゼ等の酵素で処理したものや、酸やアルカリ、エステル
化、リン酸架橋化、加熱、湿熱処理等の物理的、化学的
処理を行ったもの、更にこれら化工澱粉を、水に溶解し
易い様にあらかじめ加熱処理により糊化させたものが挙
げられる。これら副原料を配合する際には、通常、油溶
性の副原料を油相に、水溶性の副原料を水相に溶解して
から水中油型に乳化させるが、水溶性の副原料を油相に
分散させても良い。
【0020】本発明の水中油型乳化物は、例えば以下の
様にして得ることができる。水に酵素処理卵黄及び必要
に応じて醸造酢、食塩、水飴等の糖類、コショウ等の香
辛料等を混合し分散溶解させたものを水相とし、また大
豆サラダ油等の油脂にメチルセルロース及び必要に応じ
てワキシーコーンのアルファ化化工澱粉、キサンタンガ
ム等を分散させたものを油相とする。次いで、水相を攪
拌しつつ油相を加え、酸性水中油型予備乳化物を得る。
これをコロイドミル等の乳化機、ホモゲナイザー等の均
質化機で処理し仕上げ乳化を行い、本発明の酸性水中油
型乳化物が得られる。
【0021】本発明の酸性水中油型乳化物は、例えば外
食・サラダ等の惣菜用のトッピングや、製菓・製パン用
のフィリング、トッピング等のようにそのまま食した
り、また製菓・製パン用の焼きこみ用フィリング、トッ
ピングとして、焼成前の生地にフィリング、トッピング
して焼成したり、更に冷凍食品用に畜肉や魚介類の切り
身に付着させた後、パン粉で包み込み冷凍する場合等に
用いることができる。
【0022】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するもの
ではない。
【0023】実施例1 加塩卵黄(食塩含量8重量%)を水酸化ナトリウムにて
pH8.4に調整し、この加塩卵黄100重量部に対し
て豚の膵液由来のホスホリパーゼAを0.015重量部
加え、40℃にて6時間処理し、次いでブロメライン
0.001重量部を加え、45℃にて5時間反応させ、
10℃まで冷却し、水分46重量%の酵素処理卵黄を得
た。水41重量%、水飴(水分30重量%)10重量
%、食酢(酢酸酸度10重量%、水分90重量%)7重
量%、食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.
1重量%、動物性蛋白質加水分解物0.1重量%、から
し粉0.5重量%、及び前記酵素処理卵黄10重量%を
混合して水相を調製した。別に、大豆サラダ油27重量
%、メチルセルロース(2%水溶液の粘度がJISウベ
ローデ粘度計で20℃で測定した時に1500mpa・
sのもの)1.5重量%、及びワキシーコーンをリン酸
架橋後に糊化した化工澱粉1重量%を混合して油相を調
製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、水中油
型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、水
分55重量%の本発明の酸性水中油型乳化物を得た。こ
の酸性水中油型乳化物50gを100mlビーカーに採
取し、高周波出力500Wの電子レンジで30秒間加熱
処理後の外観、食感、風味を調べた。その結果を下記表
1に示した。
【0024】実施例2 実施例1で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0025】比較例1 水41重量%、水飴(水分30重量%)10重量%、食
酢(酢酸酸度10重量%、水分90重量%)7重量%、
食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.1重量
%、動物性蛋白質加水分解物0.1重量%、からし粉
0.5重量%、及び食塩を8重量%含有した加塩卵黄
(水分46.9重量%)10重量%を混合して水相を調
製した。別に、大豆サラダ油27重量%、メチルセルロ
ース(2%水溶液の粘度がJISウベローデ粘度計で2
0℃で測定した時に1500mpa・sのもの)1.5
重量%、及びワキシーコーンをリン酸架橋後に糊化した
化工澱粉1重量%を混合して油相を調製した。次いで、
水相を攪拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を
得、これをコロイドミルにて乳化し、水分55重量%の
酸性水中油型乳化物を得た。この酸性水中油型乳化物5
0gを100mlビーカーに採取し、高周波出力500
Wの電子レンジで30秒間加熱処理後の外観、食感、風
味を調べた。その結果を下記表1に示した。
【0026】比較例2 比較例1で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0027】比較例3 水41重量%、水飴(水分30重量%)10重量%、食
酢(酢酸酸度10重量%、水分90重量%)7重量%、
食塩1.8重量%、グルタミン酸ナトリウム0.1重量
%、動物性蛋白質加水分解物0.1重量%、からし粉
0.5重量%、及び実施例1で使用したものと同じ酵素
処理卵黄10重量%を混合して水相を調製した。別に、
大豆サラダ油27重量%、馬鈴薯起源のDE値20のデ
キストリン1.5重量%、及びワキシーコーンをリン酸
架橋後に糊化した化工澱粉1重量%を混合して油相を調
製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、水中油
型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、水
分55重量%の酸性水中油型乳化物を得た。この酸性水
中油型乳化物50gを100mlビーカーに採取し、高
周波出力500Wの電子レンジで30秒間加熱処理後の
外観、食感、風味を調べた。その結果を下記表1に示し
た。
【0028】比較例4 比較例3で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0029】実施例3 水51.3重量%、食酢(酢酸酸度10重量%、水分9
0重量%)5重量%、食塩1.5重量%、グルタミン酸
ナトリウム0.2重量%、粉末野菜エキス0.2重量
%、からし粉0.3重量%、及び実施例1で使用したも
のと同じ酵素処理卵黄6重量%を混合して水相を調製し
た。別に、菜種サラダ油35重量%、及びメチルセルロ
ース(2%水溶液の粘度がJISウベローデ粘度計で2
0℃で測定した時に4000mpa・sのもの)0.5
重量%を混合して油相を調製した。次いで、水相を攪拌
しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得、これをコ
ロイドミルにて乳化し、水分59重量%の本発明の酸性
水中油型乳化物を得た。この酸性水中油型乳化物50g
を100mlビーカーに採取し、高周波出力500Wの
電子レンジで30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を
調べた。その結果を下記表1に示した。
【0030】実施例4 実施例3で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0031】実施例5 水56.9重量%、上白糖3重量%、DE値20のデキ
ストリン7重量%、食酢(酢酸酸度10重量%、水分9
0重量%)10重量%、食塩2.2重量%、グルタミン
酸ナトリウム0.3重量%、粉末野菜エキス0.2重量
%、からし粉0.3重量%、粉末胡椒0.1重量%、及
び実施例1で使用したものと同じ酵素処理卵黄8重量%
を混合して水相を調製した。別に、大豆サラダ油10重
量%、及びメチルセルロース(2%水溶液の粘度がJI
Sウベローデ粘度計で20℃で測定した時に8000m
pa・sのもの)2.0重量%を混合して油相を調製し
た。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、水中油型予
備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化し、水分7
0重量%の本発明の酸性水中油型乳化物を得た。この酸
性水中油型乳化物50gを100mlビーカーに採取
し、高周波出力500Wの電子レンジで30秒間加熱処
理後の外観、食感、風味を調べた。その結果を下記表1
に示した。
【0032】実施例6 実施例5で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0033】比較例5 水41重量%、水飴(水分30重量%)10重量%、食
酢(酢酸酸度10重量%、水分90重量%)7重量%、
食塩2.6重量%、グルタミン酸ナトリウム0.1重量
%、動物性蛋白質加水分解物0.1重量%、からし粉
0.5重量%、及び生卵黄(水分51重量%)9.2重
量%を混合して水相を調製した。別に、大豆サラダ油2
7重量%、メチルセルロース(2%水溶液の粘度がJI
Sウベローデ粘度計で20℃で測定した時に1500m
pa・sのもの)1.5重量%、及びワキシーコーンを
リン酸架橋後に糊化した化工澱粉1重量%を混合して油
相を調製した。次いで、水相を攪拌しつつ油相を加え、
水中油型予備乳化物を得、これをコロイドミルにて乳化
し、水分55重量%の酸性水中油型乳化物を得た。この
酸性水中油型乳化物50gを100mlビーカーに採取
し、高周波出力500Wの電子レンジで30秒間加熱処
理後の外観、食感、風味を調べた。その結果を下記表1
に示した。
【0034】比較例6 比較例5で得られた酸性水中油型乳化物50gを100
mlビーカーに採取し、−20℃の冷凍庫で30日保管
後、冷凍状態のまま高周波出力500Wの電子レンジで
30秒間加熱処理後の外観、食感、風味を調べた。その
結果を下記表1に示した。
【0035】実施例7 加塩卵黄(食塩含量8重量%)を水酸化ナトリウムにて
pH8.4に調整し、この加塩卵黄100kgに対して
豚の膵液由来のホスホリパーゼAを600000ホスホ
リパーゼユニット加え、40℃にて6時間処理し、次い
でブロメラインを15000プロテアーゼユニット加
え、45℃にて5時間反応させ、10℃まで冷却し、水
分46重量%の酵素処理卵黄を得た。水41重量%、水
飴(水分30重量%)10重量%、食酢(酢酸酸度10
重量%、水分90重量%)7重量%、食塩1.8重量
%、グルタミン酸ナトリウム0.1重量%、動物性蛋白
質加水分解物0.1重量%、からし粉0.5重量%、及
び前記酵素処理卵黄10重量%を混合して水相を調製し
た。別に、大豆サラダ油27重量%、メチルセルロース
(2%水溶液の粘度がJISウベローデ粘度計で20℃
で測定した時に1500mpa・sのもの)1.5重量
%、及びワキシーコーンをリン酸架橋後に糊化した化工
澱粉1重量%を混合して油相を調製した。次いで、水相
を攪拌しつつ油相を加え、水中油型予備乳化物を得、こ
れをコロイドミルにて乳化し、水分55重量%の本発明
の酸性水中油型乳化物を得た。この酸性水中油型乳化物
50gを100mlビーカーに採取し、高周波出力50
0Wの電子レンジで30秒間加熱処理後の外観、食感、
風味を調べた。その結果を下記表1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の酸性水中油型乳化物は、常温ま
たは冷凍状態から、例えば電子レンジ加熱、オーブンに
よる加熱、油ちょう、その他煮る・焼く・蒸す等の加熱
処理、更にはレトルト加熱を行っても、乳化が破壊され
ず安定であり、また加熱後も、保形性が良好で、かつ食
感がクリーミーで、風味が良好なものであり、本発明の
酸性水中油型乳化物を用いることにより、商品性を高め
た惣菜やパン製品、菓子製品、冷凍食品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 光治 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B047 LB09 LE03 LG10 LG29 LG53 LG58 LP03 LP18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂、酵素処理卵黄、メチルセルロース
    及び水を含有することを特徴とする酸性水中油型乳化
    物。
  2. 【請求項2】 油脂の含有量が5〜50重量%、酵素処
    理卵黄の含有量が1〜15重量%、メチルセルロースの
    含有量が0.1〜3重量%、水の含有量が30〜85重
    量%である請求項1記載の酸性水中油型乳化物。
  3. 【請求項3】 酵素処理卵黄が、卵黄をホスホリパーゼ
    A及び/またはプロテアーゼで処理することにより得ら
    れた酵素処理卵黄である請求項1または2記載の酸性水
    中油型乳化物。
  4. 【請求項4】 酵素処理卵黄が、卵黄をホスホリパーゼ
    Aで処理し、次いでプロテアーゼで処理することにより
    得られた酵素処理卵黄である請求項1〜3の何れかに記
    載の酸性水中油型乳化物。
  5. 【請求項5】 メチルセルロースを添加した油相と酵素
    処理卵黄を添加した水相とを乳化することを特徴とする
    酸性水中油型乳化物の製造方法。
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