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JP2000351645A - 光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材並びにこれらの製造方法 - Google Patents

光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材並びにこれらの製造方法

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Publication number
JP2000351645A
JP2000351645A JP11160969A JP16096999A JP2000351645A JP 2000351645 A JP2000351645 A JP 2000351645A JP 11160969 A JP11160969 A JP 11160969A JP 16096999 A JP16096999 A JP 16096999A JP 2000351645 A JP2000351645 A JP 2000351645A
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JP
Japan
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optical fiber
preform
porous
clad
base material
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Application number
JP11160969A
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Eiji Fukuda
英次 福田
Fumio Saito
文男 斉藤
Takeshi Ogino
剛 荻野
Masaru Inoue
大 井上
Tetsuya Otsusaka
哲也 乙坂
Hideo Hirasawa
秀夫 平沢
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01413Reactant delivery systems
    • C03B37/0142Reactant deposition burners
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2207/00Glass deposition burners
    • C03B2207/50Multiple burner arrangements
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のクラッド層を有する光ファイバガラス
母材中にスパイラル状気泡が発生することを防止し、大
口径、長尺、高重量のスートを堆積した光ファイバ多孔
質母材並びに気泡のない品質に優れた光ファイバガラス
母材を得る。 【解決手段】 VAD法により製造された複数のクラッ
ド層を有する光ファイバ多孔質母材において、各クラッ
ド層間の密度差が0.2g/cm3 以下に制御されたも
のであることを特徴とする光ファイバ多孔質母材および
これから作製された光ファイバガラス母材並びにこれら
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VAD法によりタ
ーゲットの周囲にスート(ガラス微粉末、SiO 2 )を
堆積させた光ファイバ多孔質母材およびこれを焼結・ガ
ラス化した光ファイバガラス母材(プリフォーム)並び
にこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバ多孔質母材は、VAD
法(Vapor−phase Axial Depos
ition、気相軸付法)によれば、例えば酸水素火炎
中にけい素の塩素化合物である原料ガスとドーパント材
のガスを流し、加水分解反応によって生成したスート
を、軸回転しながら引上げられるターゲットの下端に堆
積させて棒状に形成される。
【0003】すなわち、より具体的には、先ず、ターゲ
ットの下端にコア用バーナで棒状のコアスートを堆積さ
せ、次にこのコアスートの周囲にクラッド用バーナで円
柱状のクラッドスートを堆積させて光ファイバ多孔質母
材を作製する。そしてこの多孔質母材を加熱・脱水して
OH基を除去し、焼結・透明ガラス化して光ファイバガ
ラス母材を得る。次いで、これを溶融・延伸し、線引き
して細い光ファイバを製造する。
【0004】近年、この光ファイバ多孔質母材の大型化
が進み、特にクラッド用バーナは複数本使用するのが一
般的になってきた。そしてバーナ本数をさらに増設する
ことが検討されてきたが、バーナが増えるにつれて、母
材両端の非有効部となるテーパ部が大きくなり母材の収
率が悪くなる。そこで、各クラッドスートの堆積厚さを
厚くしてテーパ部を小さくするようになってきた。
【0005】しかし、クラッドスートの堆積厚さが厚く
なるにつれて、図2に示すように多孔質母材を焼結・ガ
ラス化した光ファイバガラス母材10のクラッド12中
に細かい気泡がスパイラル状に発生し(スパイラル状気
泡13)、その発生が頻発するようになってきた。特
に、ターゲット1に続いて成長したコア11に隣接する
第1クラッド層(不図示)と第2クラッド層(不図示)
の間に発生することが多く、この気泡の存在は光ファイ
バの諸特性の悪化を招き、光ファイバガラス母材の歩留
りを低下させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みてなされたもので、複数のクラッド層を有
する光ファイバガラス母材のクラッド中にスパイラル状
の微少気泡が発生することを防止し、大口径、長尺、高
重量のスートを堆積した光ファイバ多孔質母材並びに気
泡のない品質に優れた光ファイバガラス母材を高い歩留
りで得ることを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、VAD法によ
り製造された複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔
質母材において、各クラッド層間の密度差が0.2g/
cm3 以下に制御されたものであることを特徴とする光
ファイバ多孔質母材である。
【0008】このように、複数のクラッド層を有する光
ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を、0.
2g/cm3 以下に制御されたものとすれば、これを焼
結・ガラス化したガラス母材内の各クラッド層間に微少
気泡がスパイラル状に発生するのを防止できる光ファイ
バ多孔質母材となる。その結果、光ファイバ多孔質母材
の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共
に、品質を高め、製造コストを著しく低減することがで
きる。
【0009】この場合、請求項2に記載したように、多
孔質母材の直径が100mm以上とすることができる。
これは、光ファイバガラス母材の各クラッド層間に見ら
れるスパイラル状気泡の発生が、近年要求される直径1
00mm以上といった大口径の多孔質母材を焼結・ガラ
ス化した場合に見られることが多く、前記のように多孔
質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3
下に制御すれば効果的に作用し、大口径のガラス母材中
のスパイラル状気泡の発生を防止することができるから
である。
【0010】そして、本発明の請求項3に記載した発明
は、請求項1または請求項2に記載の光ファイバ多孔質
母材から作製されたことを特徴とする光ファイバガラス
母材である。このように、例えば複数のクラッド層を有
し、母材直径が100mm以上の光ファイバ多孔質母材
の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制
御されたものとし、これを焼結・ガラス化したガラス母
材は、ガラス母材内の各クラッド層間にスパイラル状微
少気泡の発生が殆どないものとすることができる光ファ
イバガラス母材となる。その結果、光ファイバガラス母
材の製造歩留り、生産性の向上を図ることができると共
に、品質を高め、製造コストを著しく低減することがで
きる。
【0011】次に、本発明の請求項4に記載した発明
は、VAD法によりクラッド用バーナを複数本使用して
光ファイバ多孔質母材を製造する方法において、各クラ
ッド用バーナによって形成される各クラッド層間の密度
差を0.2g/cm3 以下に制御することを特徴とする
光ファイバ多孔質母材の製造方法である。
【0012】このように、複数のクラッド層を有する光
ファイバ多孔質母材の各クラッド層間の密度差を、0.
2g/cm3 以下に制御するようにすれば、これを焼結
・ガラス化したガラス母材内の各クラッド層間に微少気
泡がスパイラル状に発生するのを防止することができ
る。その結果、光ファイバ多孔質母材の製造歩留り、生
産性の向上を図ることができると共に、品質を高め、製
造コストを著しく低減することができる。
【0013】この場合、請求項5に記載したように、各
クラッド用バーナの火力を制御することにより、各クラ
ッド層間の密度差を制御することができる。このよう
に、各クラッド層間の密度差を制御するには、各クラッ
ド用バーナの火力を制御することで達成できる。
【0014】そして、この場合、請求項6に記載したよ
うに、多孔質母材の直径が100mm以上の場合に適用
することが望ましい。これは、光ファイバガラス母材の
各クラッド層間に見られるスパイラル状気泡の発生が、
直径100mm以上の大口径の多孔質母材を焼結・ガラ
ス化した場合に見られることが多く、前記のように多孔
質母材の各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3
下に制御すれば、大口径ガラス母材中のスパイラル状気
泡の発生を有効に防止することができるからである。
【0015】また、本発明の請求項7に記載した発明
は、請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載した
製造方法により製造された光ファイバ多孔質母材を焼結
・ガラス化することを特徴とする光ファイバガラス母材
の製造方法である。このように、複数のクラッド層を有
し、例えば母材直径が100mm以上の光ファイバ多孔
質母材の各クラッド層間の密度差を、0.2g/cm3
以下に制御し、できた多孔質母材を焼結・ガラス化すれ
ば、光ファイバガラス母材の各クラッド層間にスパイラ
ル状気泡が発生することを防止することができる。その
結果、光ファイバガラス母材の製造歩留り、生産性の向
上を図ることができると共に、品質を高め、製造コスト
を改善することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明者等は上記課題を解決するため鋭意調査、検討した
結果、光ファイバガラス母材の各クラッド層間に存在す
るスパイラル状気泡の発生を防止するには、多孔質母材
の製造時における各クラッド層間の密度差が大きく影響
を及ぼしていることを見出し、諸条件を精査して本発明
を完成させた。
【0017】先ず、図1に本発明に関わるVAD法光フ
ァイバ多孔質母材の製造装置の一つの実施の形態を示
す。図1において、ターゲット1は種棒であって、これ
はチャンバ(不図示)内に回転自在に収納されると共
に、その片端はチャック等により回転引上げ装置7で吊
り下げられており、一定速度で回転しながら、所定速度
で引上げられるようになっている。そして、ターゲット
1の周囲にはコア用バーナ5cからの火炎が吹き付けら
れて、生成したスート(ガラス微粉末)2が堆積され、
コア部3が成長するようになっている。
【0018】そして、上記コア用バーナ5cの上部には
第1クラッド用バーナ5aが、その上には第2クラッド
用バーナ5bが配置されており、それぞれ第1クラッド
層2a、第2クラッド層2bを形成するようになってい
る。コア用バーナ5c、第1クラッド用バーナ5a、第
2クラッド用バーナ5bにはそれぞれ原料・燃料ガス供
給装置6からスート用原料ガス(例えば、四塩化けい素
SiCl4 等の珪素化合物)および燃料ガス(例えば、
水素H2 、酸素O2等)が供給されるようになってい
る。
【0019】そして、不図示のチャンバには、未反応ガ
スや反応生成ガス、未堆積のガラス微粉末などを排気す
るための排気口が設けてあり、この排気口からチャンバ
内を所定の吸引力(排気引圧)で吸引しながら堆積する
ようになっている。
【0020】次に、VAD法による光ファイバ多孔質母
材の製造方法を説明する。図1に示すように、ターゲッ
ト1を一定速度で回転させながら所定速度で引上げ、そ
の周囲にスート2を堆積させる。ターゲット1を回転さ
せることによりスート2を均一に堆積させることができ
る。回転速度は、適宜選択されるが、例えば10〜50
rpmの範囲がよい。
【0021】そしてターゲット1を回転させながら且つ
火炎バーナ5a、5b、5cから火炎をターゲット1の
周囲に吹き付ける。燃料ガスによる酸水素火炎中におい
て原料ガスが加水分解してスート2が生成し、この生成
したスート2がターゲット1の周囲に吹き付けられて堆
積する。中心にはコア用バーナ5cからのスートが均一
に堆積し、棒状のコア部3が形成される。そして、コア
部3の回りには第1クラッド用バーナ5aからのスート
を堆積し、第1クラッド層2aが形成される。さらに第
1クラッド層2aの回りには、第2クラッド用バーナ5
bからのスートを堆積し、第2クラッド層2bを形成さ
せる。この上にさらにクラッド層を設ける場合には、第
2クラッド用バーナ5bの上部に第3クラッド用バーナ
(不図示)を設けてスートを生成させ、第3クラッド層
を形成させることができる。
【0022】上記のようにして製造した光ファイバ多孔
質母材は、次工程で溶融ガラス化して光ファイバガラス
母材を得る。具体的には、上記光ファイバ多孔質母材を
例えば電気炉内等に入れ、必要に応じ塩素ガス等により
脱水工程を行いつつ、例えば1300〜1700℃に加
熱することにより光ファイバガラス母材を製造する。
【0023】次に、本発明の光ファイバ多孔質母材の製
造方法において、各クラッド層間の密度差が小さくなる
ように各クラッド用バーナの火力を制御することによ
り、光ファイバガラス母材中のスパイラル状気泡の発生
を防止することが可能となる作用について説明する。
【0024】先ず、従来の製造条件で作製された光ファ
イバ多孔質母材から作製されるガラス母材中にスパイラ
ル状の気泡が発生する原因を追及すべく、多孔質母材の
径方向の密度分布を調査した結果、クラッド用バーナに
より形成される各クラッド層間には、図3に示すような
密度差が存在していることが判った。そしてこのような
密度差がある多孔質母材を焼結・ガラス化すると光ファ
イバガラス母材中のクラッド層間にスパイラル状の気泡
が発生することが判ってきた。
【0025】その理由は、以下のように考えられる。従
来、クラッド用バーナの内、コア部に隣接する第1クラ
ッド層を堆積させる第1クラッド用バーナは、クラッド
層を堆積させることと、コア部のサイドを焼くことによ
る屈折率分布を調整することの二つの役割を担ってお
り、その外側の第2クラッド用バーナに比べると、火力
が小さい。そのため多孔質母材が、大型化するにつれ、
第1クラッド層が厚くなり、第2クラッド用バーナの火
炎が届かない部分が生じ、そのため第1クラッド層が低
密度化し、第2クラッド層との間に密度差が生ずること
になる。
【0026】このように、クラッド内部で密度差が大き
い多孔質母材を脱水、焼結した時、外側の高密度部分
(第2クラッド層)が先にガラス化し、内側の低密度部
分(第1クラッド層)のガラス化が遅いため、脱泡が十
分になされず、気泡がスパイラル状に発生するものと考
えられる。
【0027】あるいは、低密度部分は、柔らかくて、不
安定であるため、多孔質母材内部で焼結前に微少なクラ
ックが発生しており、この部分の脱泡が不十分で気泡が
スパイラル状に発生しているとも考えられる。以上の考
察から、クラッド内部での各クラッド層間密度差を小さ
くすれば、クラッド内部のスパイラル状気泡の発生を防
止できることに想到し、次のような実験・調査を行っ
た。
【0028】(実 験)図1に示したような2本のクラ
ッド用バーナを持つVAD法光ファイバ多孔質母材製造
装置を用い、クラッドが2層からなる多孔質母材の製造
を試みた。先ず、従来の製造方法である第2クラッド用
バーナの火力が第1クラッド用バーナの火力よりも強い
条件でテストした。その結果は、図3に示したように第
2クラッド層は高密度になり、この多孔質母材を焼結・
ガラス化したガラス母材のクラッド層間には図2のよう
なスパイラル状気泡が発生していた。
【0029】続いて第2クラッド用バーナの火力を小さ
くし、第2クラッド層の密度を第1クラッド層の密度
(低密度)に近づけた。火力の調整は、燃焼ガスの流量
またはバーナの位置を移動することで行うことができ
る。こうして得られた多孔質母材を焼結・ガラス化し、
第1クラッド層と第2クラッド層の間に発生するスパイ
ラル状気泡の発生の有無を調査した。このような方法を
繰り替えすことにより、第2クラッド層の密度を種々に
変更し、得られた結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1から判るように、第1クラッドの低密
度層と第2クラッドの高密度層の密度差が0.2g/c
3 以下になる場合にスパイラル状気泡が発生しないこ
とが判った。
【0032】こうして本発明の光ファイバ多孔質母材の
製造方法においては、各クラッド層間の密度差を0.2
g/cm3 以下に制御することにした。上記クラッド内
部での各クラッド層間密度差を制御するには、上記した
ようにクラッドスート用原料ガス及び燃料ガスの流量を
制御することにより行うことができる。すなわち、上記
クラッド層間密度差に直接関係があると考えられる各ク
ラッド用バーナの火力(燃焼エネルギー)に相当する燃
料ガス中の水素ガスと酸素ガスの流量を原料ガスに対し
制御することで各クラッド層間密度差を制御することが
できる。例えば、原料ガスに対し燃料ガスの流量を多く
して水素ガス及び酸素ガスを多く流せば、燃焼エネルギ
ーが大きくなってスートの密度は高くなる。逆に、原料
ガスに対し燃料ガスの流量を少なくすれば燃焼エネルギ
ーが小さくなってスートの密度は低くなる。
【0033】上記の他、バーナの火力の制御は、燃焼ガ
ス(原料ガス+燃料ガス)の流量を変えてもよいし、バ
ーナの位置を移動しても可能である。その他、ガス流量
比、原料ガスの種類あるいは、ターゲットの回転数等の
操業条件等を制御することにより、スートの密度の制御
を行うこともでき、各クラッド層間の密度差を小さくで
きる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。
【0034】このように、例えば各クラッド用バーナの
火力を制御して各クラッド層の密度を所望の値に制御
し、各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に
制御された多孔質母材とすれば、これを焼結・ガラス化
したガラス母材内の各クラッド層間にスパイラル状気泡
が発生するのを防止することができる。その結果、光フ
ァイバ多孔質母材の製造歩留り、生産性の向上を図るこ
とができると共に、品質を高め、製造コストを著しく低
減することができる。
【0035】そして、この各クラッド層間の密度差を制
御することは、多孔質母材の直径が100mm以上とい
った大口径の場合に適用することが望ましい。これは、
各クラッド層間のスパイラル状気泡の発生が、直径10
0mm以上の大口径の多孔質母材を焼結・ガラス化した
場合に見られることが多く、前記のように多孔質母材の
各クラッド層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御
すれば、大口径ガラス母材内にスパイラル状気泡を発生
させることは殆どないからである。
【0036】そして、本発明により製造した光ファイバ
多孔質母材は、次工程で溶融ガラス化して光ファイバガ
ラス母材を得る。その後上記のようにして製造された光
ファイバガラス母材を、通常の方法、例えば溶融延伸等
した後、線引きして光ファイバとされる。このようにし
て製造された光ファイバは、気泡、OH基等が残留せ
ず、従ってこれらによる光学的吸収や散乱損失等が殆ど
なく、伝送損失の非常に小さい光学的に非常に優れた光
ファイバとすることができる。
【0037】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数のクラッド層を有する光ファイバ多孔質母材におい
て、各クラッド層間の密度差を小さく制御した光ファイ
バ多孔質母材を製造することができる。そのため、この
多孔質母材を焼結・ガラス化してもスパイラル状気泡が
発生することはなく、長尺、大口径、高重量のスートを
堆積した光ファイバ多孔質母材および気泡のない高品質
な光ファイバガラス母材を得ることがてきる。従って、
光ファイバ多孔質母材、光ファイバガラス母材の製造歩
留りや生産能力を向上させることができ、コストダウン
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット上にスートを堆積しているところを
示す光ファイバ多孔質母材製造装置の概略図である。
【図2】従来の光ファイバガラス母材の全体概略図であ
る。
【図3】光ファイバ多孔質母材の部分概略図である。
【符号の説明】
1…ターゲット、 2…スート、 2a…第1クラッド
層、2b…第2クラッド層、 3…コア部、 5a…第
1クラッド用バーナ、5b…第2クラッド用バーナ、
5c…コア用バーナ、6…原料・燃料ガス供給装置、
7…回転引上げ装置、10…光ファイバガラス母材、
11…コア、 12…クラッド、13…スパイラル状気
泡。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 剛 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 井上 大 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 乙坂 哲也 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 4G014 AH14 AH21 4G021 EA01 EB11 EB26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VAD法により製造された複数のクラッ
    ド層を有する光ファイバ多孔質母材において、各クラッ
    ド層間の密度差が0.2g/cm3 以下に制御されたも
    のであることを特徴とする光ファイバ多孔質母材。
  2. 【請求項2】 前記多孔質母材の直径が100mm以上
    であることを特徴とする請求項1に記載した光ファイバ
    多孔質母材。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光ファ
    イバ多孔質母材から作製されたことを特徴とする光ファ
    イバガラス母材。
  4. 【請求項4】 VAD法によりクラッド用バーナを複数
    本使用して光ファイバ多孔質母材を製造する方法におい
    て、各クラッド用バーナによって形成される各クラッド
    層間の密度差を0.2g/cm3 以下に制御することを
    特徴とする光ファイバ多孔質母材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記各クラッド用バーナの火力を制御す
    ることにより、各クラッド層間の密度差を制御すること
    を特徴とする請求項4に記載した光ファイバ多孔質母材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記多孔質母材の直径が100mm以上
    の場合に適用されることを特徴とする請求項4または請
    求項5に記載した光ファイバ多孔質母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれか1項
    に記載した製造方法により製造された光ファイバ多孔質
    母材を焼結・ガラス化することを特徴とする光ファイバ
    ガラス母材の製造方法。
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