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JP2000239260A - 光学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法 - Google Patents

光学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法

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Publication number
JP2000239260A
JP2000239260A JP4221599A JP4221599A JP2000239260A JP 2000239260 A JP2000239260 A JP 2000239260A JP 4221599 A JP4221599 A JP 4221599A JP 4221599 A JP4221599 A JP 4221599A JP 2000239260 A JP2000239260 A JP 2000239260A
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JP
Japan
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optically active
piperazinecarboxylic acid
acid
pha
phenylalanine
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Application number
JP4221599A
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Hideki Kuranishi
英樹 倉西
Takashi Kurahashi
敬 倉橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学分割によって光学活性2−ピペラジンカ
ルボン酸を製造する方法において、脱色処理を行わなく
ても着色のない光学活性2−ピペラジンカルボン酸を製
造できる方法を提供すること。 【解決手段】 (RS)−2−ピペラジンカルボン酸の
光学分割により光学活性2−ピペラジンカルボン酸を製
造するにあたり、分割剤として光学活性N−ベンゼンス
ルホニル−L−フェニルアラニンを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学分割による光
学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法に関する。光
学活性2−ピペラジンカルボン酸は医薬品合成の原料と
して有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学分割による光学活性2−ピペ
ラジンカルボン酸の製造法としては、分割剤として光学
活性カンファースルホン酸を用いる方法が知られている
[Helvetica Chimica Acta,4
3,888(1960)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
法においては、ラセミ体の2−ピペラジンカルボン酸及
び分割剤の光学活性カンファースルホン酸を溶媒に溶解
し、得られた溶液を活性炭で処理して脱色した後、光学
活性−2−ピペラジンカルボン酸及び光学活性カンファ
ースルホン酸からなるジアステレオマー塩の結晶を析出
させている。即ち、ラセミ体の2−ピペラジンカルボン
酸及び光学活性カンファースルホン酸を溶媒に溶解する
と溶液が着色し、当該溶液からそのまま結晶を析出させ
ると着色したジアステレオマー塩が得られ、最終的に得
られる光学活性2−ピペラジンカルボン酸が着色する恐
れがあるので、これを防止するために上記のように活性
炭で脱色処理を行っているのである。
【0004】したがって本発明は、(RS)−2−ピペ
ラジンカルボン酸の光学分割による光学活性2−ピペラ
ジンカルボン酸の製造において、脱色処理を行わなくて
も、着色がない光学活性2−ピペラジンカルボン酸を製
造できる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために(RS)−2−ピペラジンカルボン酸の
光学分割について鋭意検討した。その結果、分割剤とし
て光学活性N−ベンゼンスルホニル−フェニルアラニン
を用いると、当該分割剤及び(RS)−2−ピペラジン
カルボン酸を溶媒に溶解した溶液が着色せず、脱色処理
を行わなくても、着色がなくしかも光学純度の高い光学
活性2−ピペラジンカルボン酸が得られることを見出し
本発明を完成させるに至った。
【0006】即ち本発明は、(RS)−2−ピペラジン
カルボン酸の光学分割により光学活性2−ピペラジンカ
ルボン酸を製造するにあたり、分割剤として光学活性N
−ベンゼンスルホニル−L−フェニルアラニンを用いる
ことを特徴とする光学活性2−ピペラジンカルボン酸の
製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書において(RS)−2−ピペラジンカルボン酸
とは、(R)−2−ピペラジンカルボン酸と(S)−2
−ピペラジンカルボン酸の両者を含むものを意味し、本
発明には両者を等量含むもの(即ちラセミ体)のほか、
(R)体と(S)体のいずれか一方を多く含むものを用
いることができる。(RS)−2−ピペラジンカルボン
酸は、公知の方法によって製造することができる。一例
を挙げると、Helvetica Chimica A
cta,43,888(1960)に記載の方法のよう
にして、2−ピラジンカルボン酸を、触媒の存在下、水
素と反応させることによって容易に製造できる。
【0008】本発明においては、分割剤として光学活性
N−ベンゼンスルホニル−フェニルアラニン(以下、光
学活性BS−PhAと略す。)を用いる。光学活性BS
−PhAは、光学活性フェニルアラニンから公知の方法
で容易に製造することができる。一例を挙げると、Jo
urnal of Medical Chemistr
y,38,4263(1995)に記載の方法のように
して、光学活性フェニルアラニンをベンゼンスルホニル
クロリドと反応させれば、光学活性BS−PhAが容易
に製造できる。光学活性フェニルアラニンとしてL−フ
ェニルアラニンを使用すればベンゼンスルホニル−L−
フェニルアラニン(BS−L−PhAと略す。)が得ら
れ、D−フェニルアラニンを使用すればベンゼンスルホ
ニル−D−フェニルアラニン(BS−D−PhAと略
す。)が得られる。
【0009】本発明の光学分割には、通常溶媒を用い
る。溶媒としては、水、水及び水と混合する有機溶媒の
混合溶媒が挙げられ、好ましくは水又は水とアルコール
(特にメタノール)の混合溶媒である。
【0010】本発明を実施するには、例えば、溶媒に
(RS)−2−ピペラジンカルボン酸及び光学活性BS
−PhAを加え、撹拌下、80℃程度に加熱して溶解
し、次に冷却して光学活性2−ピペラジンカルボン酸と
光学活性BS−PhAとにより形成されたジアステレオ
マー塩のうちの難溶性塩の結晶を析出させる。析出した
難溶性塩の結晶を濾別し、得られた難溶性塩を塩分解す
れば、分割剤である光学活性BS−PhAから遊離した
光学活性2−ピペラジンカルボン酸を得ることができ
る。
【0011】本発明の光学分割における光学活性BS−
PhAの使用量は、(RS)−2−ピペラジンカルボン
酸1モルに対して0.3〜3.0モルが適当である。
尚、光学活性BS−PhAは実質的に水に不溶である
が、(RS)−2−ピペラジンカルボン酸1モルに対す
る光学活性BS−PhAの使用量が0.5〜1.2モル
の範囲では、(RS)−2−ピペラジンカルボン酸及び
光学活性BS−PhAを水に溶解した溶液が得られる。
また分割剤である光学活性BS−PhAを水に溶解させ
るため、アンモニアやアミンのような弱塩基性物質を加
え(RS)−2−ピペラジンカルボン酸1モルに対して
光学活性BS−PhAを1.2モルより多く使用して実
施することができる。
【0012】本発明で難溶性塩として析出するジアステ
レオマー塩は、光学活性2−ピペラジンカルボン酸1分
子及び光学活性BS−PhA2分子からなる塩である。
そして分割剤として用いた光学活性BS−PhAがBS
−L−PhAの場合は、これと難溶性の塩を生成するの
は(R)−2−ピペラジンカルボン酸である。
【0013】上記のようにして得られる難溶性ジアステ
レオマー塩を塩分解すれば、分割剤である光学活性BS
−PhAから光学活性2−ピペラジンカルボン酸を遊離
させることができる。塩分解は、一般に公知の方法で行
えばよく、例えば、難溶性ジアステレオマー塩をアルコ
ール等の溶媒に溶解した溶液に、難溶性ジアステレオマ
ー塩中の光学活性2−ピペラジンカルボン酸1モルに対
して2モルの塩酸を加えると、光学活性2−ピペラジン
カルボン酸2塩酸塩が析出する。次いで析出物を濾過
し、濾滓をメタノールで洗浄後、乾燥すれば光学活性2
−ピペラジンカルボン酸2塩酸塩の白色結晶が単離でき
る。一方、上記光学活性2−ピペラジンカルボン酸2塩
酸塩を濾別した濾液からは、これを濃縮乾固すれば残渣
として分割剤である光学活性BS−PhAを回収するこ
とができる。
【0014】
【実施例】次に実施例を示し本発明を説明するが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。尚、以下の
実施例において光学純度は下記条件で測定した。(R)
−2−ピペラジンカルボン酸の保持時間は6.1分であ
り、(S)−2−ピペラジンカルボン酸の保持時間は1
0.8分であった。
【0015】高速液体クロマトグラフィー分析条件 カラム:SUMICHIRAL OA−5000L(内
径4.6mm×150mm) 溶離液:酢酸銅1.0ミリモル及び酢酸アンモニウム1
00ミリモルを水1リットルに溶解した溶液 流速:1.0ml/分 検出:UV 254nm
【0016】実施例1 ラセミ体である(RS)−2−ピペラジンカルボン酸
4.26g(32.75ミリモル)及びBS−L−Ph
A5.0g(16.38ミリモル)を水30gに加え、
撹拌下、80℃に加熱して溶解した。このとき溶液に着
色は見られなかった。得られた溶液を徐々に30℃まで
冷却して結晶を析出させ、析出した結晶を濾別し、少量
の水で洗浄した後、乾燥してジアステレオマー塩3.7
3g[4.91ミリモル、収率15.0%:(RS)−
2−ピペラジンカルボン酸基準]を得た。得られたジア
ステレオマー塩をメタノール19gに加え、撹拌下、6
0℃まで加熱して溶解した後、36%塩酸0.99g
(9.82ミリモル)を加え、同温度に30分間保っ
た。次いで25℃まで冷却して同温度に30分間保ち、
析出した結晶を濾別して少量のメタノールで洗浄した
後、乾燥して光学純度98.2%の(R)−2−ピペラ
ジンカルボン酸2塩酸塩の白色結晶0.91g[4.4
7ミリモル、ジアステレオマー塩からの収率91.0
%]を得た。また(R)−2−ピペラジンカルボン酸2
塩酸塩を濾別した濾液を濃縮乾固して、分割剤のBS−
L−PhA3.04g[9.94ミリモル、ジアステレ
オマー塩からの回収率98.0%]を得た。
【0017】実施例2 ラセミ体である(RS)−2−ピペラジンカルボン酸
2.13g(16.37ミリモル)及びBS−L−Ph
A5.0g(16.38ミリモル)を水32とメタノー
ル32gの混合液に加え、撹拌下80℃まで加熱して溶
解した。このとき溶液に着色は見られなかった。得られ
た溶液を徐々に30℃まで冷却し、次いで析出したジア
ステレオマー塩を濾別して少量の水で洗浄し、乾燥して
ジアステレオマー塩の白色結晶2.61g(3.33ミ
リモル)を得た。得られたジアステレオマー塩は、光学
純度87.6%の(R)−2−ピペラジンカルボン酸・
2(BS−L−PhA)であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (RS)−2−ピペラジンカルボン酸の
    光学分割により光学活性2−ピペラジンカルボン酸を製
    造するにあたり、分割剤として光学活性N−ベンゼンス
    ルホニル−L−フェニルアラニンを用いることを特徴と
    する光学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法。
JP4221599A 1999-02-19 1999-02-19 光学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法 Expired - Fee Related JP4384748B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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