JP2712669B2 - 光学活性1,2―プロパンジアミンの製法 - Google Patents
光学活性1,2―プロパンジアミンの製法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光学活性1,2−プロパンジアミンの製法に
関するものである。
関するものである。
<従来の技術> 光学活性1,2−プロパンジアミンは、制ガン剤などの
医薬品の合成原料として有用な化合物であるが、化学的
に合成された1,2−プロパンジアミンは、RS体であるの
で前記合成原料とするには光学分割して光学活性なもの
にしなければならない。1,2−プロパンジアミンの光学
分割方法として、酒石酸を用いる方法(J.Am.Chem.Soc.
81 290〜294(1959))が知られている。
医薬品の合成原料として有用な化合物であるが、化学的
に合成された1,2−プロパンジアミンは、RS体であるの
で前記合成原料とするには光学分割して光学活性なもの
にしなければならない。1,2−プロパンジアミンの光学
分割方法として、酒石酸を用いる方法(J.Am.Chem.Soc.
81 290〜294(1959))が知られている。
<発明が解決しようとする課題> しかし、前記の方法は再沈を10回するなど操作が非常
に繁雑である上に収率が低く、工業的に実用化可能なレ
ベルではない。そこで、本発明者らは光学活性1,2−プ
ロパンジアミンの実用的な製造法の確立を目的として鋭
意検討をかさねた。
に繁雑である上に収率が低く、工業的に実用化可能なレ
ベルではない。そこで、本発明者らは光学活性1,2−プ
ロパンジアミンの実用的な製造法の確立を目的として鋭
意検討をかさねた。
<課題を解決するための手段> その結果、上記目的は、光学活性ジベンゾイル酒石酸
を分割剤として、(RS)−1,2−プロパンジアミンを分
割することによって達成されることがわかった。
を分割剤として、(RS)−1,2−プロパンジアミンを分
割することによって達成されることがわかった。
すなわち、本発明は、光学活性ジベンゾイル酒石酸を
分割剤として(RS)−1,2−プロパンジアミンを光学分
割することを特徴とする光学活性1,2−プロパンジアミ
ンの製法である。
分割剤として(RS)−1,2−プロパンジアミンを光学分
割することを特徴とする光学活性1,2−プロパンジアミ
ンの製法である。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明で用いる分割剤は光学活性ジベンゾイル酒石酸
であり、そのD体およびL体のいずれも用ることができ
る。
であり、そのD体およびL体のいずれも用ることができ
る。
本発明において、原料として用いられる(RS)−1,2
−プロパンジアミンは、(R)−1,2−プロパンジアミ
ンと(S)−1,2−プロパンジアミンとを等量含むラセ
ミ型混合物のみならず、いずれか一方の光学異性体を等
量以上に含む混合物をも包含するものである。
−プロパンジアミンは、(R)−1,2−プロパンジアミ
ンと(S)−1,2−プロパンジアミンとを等量含むラセ
ミ型混合物のみならず、いずれか一方の光学異性体を等
量以上に含む混合物をも包含するものである。
(RS)−1,2−プロパンジアミンの光学分割は次の手
順と条件で行う。
順と条件で行う。
まず、溶媒中で(RS)−1,2−プロパンジアミン1モ
ルに対して0.1〜2.0モル、好ましくは0.3〜1.0モル量の
ジベンゾイル−D−酒石酸もしくはジベンゾイル−L−
酒石酸を接触させる。また、この時、塩酸、硫酸、りん
酸などの鉱酸あるいは酢酸などの有機酸を共存させても
よい。共存量は分割剤と合わせて0.4〜1.2モル、好まし
くは0.5〜1.0モル量である。
ルに対して0.1〜2.0モル、好ましくは0.3〜1.0モル量の
ジベンゾイル−D−酒石酸もしくはジベンゾイル−L−
酒石酸を接触させる。また、この時、塩酸、硫酸、りん
酸などの鉱酸あるいは酢酸などの有機酸を共存させても
よい。共存量は分割剤と合わせて0.4〜1.2モル、好まし
くは0.5〜1.0モル量である。
ここで使用する溶媒としては、1,2−プロパンジアミ
ンとジベンゾイル酒石酸を溶解するとともに溶液中でこ
れらの化合物を化学的に変質せしめることなく、かつジ
アステレオマー塩を析出せしめるものであればよく、た
とえば、水、エタノール、プロパノール、アセトン、ア
セトニトリルなどのプロトン溶媒またはこれらの混合溶
媒を用いることができる。好ましい溶媒は水である。
ンとジベンゾイル酒石酸を溶解するとともに溶液中でこ
れらの化合物を化学的に変質せしめることなく、かつジ
アステレオマー塩を析出せしめるものであればよく、た
とえば、水、エタノール、プロパノール、アセトン、ア
セトニトリルなどのプロトン溶媒またはこれらの混合溶
媒を用いることができる。好ましい溶媒は水である。
(RS)−1,2−プロパンジアミンに前記分割剤を接触
させる方法としては、上記した溶媒中に(RS)−1,2−
プロパンジアミンおよび分割剤を別個に溶解して混合し
てもよいし、また溶媒中にそれらを順次溶解してもよ
い。さらにあらかじめ(RS)−1,2−プロパンジアミン
と分割剤とからつくった塩を該溶媒中に添加溶解しても
よい。
させる方法としては、上記した溶媒中に(RS)−1,2−
プロパンジアミンおよび分割剤を別個に溶解して混合し
てもよいし、また溶媒中にそれらを順次溶解してもよ
い。さらにあらかじめ(RS)−1,2−プロパンジアミン
と分割剤とからつくった塩を該溶媒中に添加溶解しても
よい。
次に、接触によって得られた溶液を冷却および/ある
いは濃縮する。すると、難溶性のジアステレオマー塩が
晶析する。難溶性のジアステレオマー塩を分割溶媒から
析出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の
範囲であればよく目的に応じて適宜決められるが、通常
0℃から80℃の範囲で十分である。
いは濃縮する。すると、難溶性のジアステレオマー塩が
晶析する。難溶性のジアステレオマー塩を分割溶媒から
析出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の
範囲であればよく目的に応じて適宜決められるが、通常
0℃から80℃の範囲で十分である。
難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、過、遠心分
離などの通常の固液分離法によって容易に分離すること
ができる。
離などの通常の固液分離法によって容易に分離すること
ができる。
一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離した残りの
母液をそのまま、または濃縮および/あるいは冷却して
易溶性のジアステレオマー塩を析出せしめ、これを分離
することもできる。
母液をそのまま、または濃縮および/あるいは冷却して
易溶性のジアステレオマー塩を析出せしめ、これを分離
することもできる。
かくして得られる各ジアステレオマー塩を適当な方法
で分離することによって、分割剤と(R)−1,2−プロ
パンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンを
分離・採取することができる。
で分離することによって、分割剤と(R)−1,2−プロ
パンジアミンまたは(S)−1,2−プロパンジアミンを
分離・採取することができる。
ジアステレオマー塩の分解方法は任意であり、たとえ
ば水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方法などが適
用できる。すなわち、たとえばジアステレオマー塩水溶
液に分解剤として水酸化ナトリウムを添加し、析出する
分割剤のナトリウム塩を除去し、液を濃縮蒸留するこ
とによって、または硫酸あるいは塩酸酸性水溶液にジア
ステレオマー塩を逐次添加し、不溶物である分割剤を
別したのち、あるいは分割剤を酢酸エチルなどの有機溶
媒で抽出したのち、液を水酸化ナトリウムを加えてア
ルカリ性とし、濃縮蒸留することによって、容易に
(R)−1,2−プロパンジアミンまたは(S)−1,2−プ
ロパンジアミンを得ることができる。また液をそのま
ま濃縮晶析すれば(R)−1,2−プロパンジアミンまた
は(S)−1,2−プロパンジアミンの硫酸塩、塩酸塩が
得られる。あるいは陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹
脂を陽いて分割剤と分離し、濃縮蒸留あるいは逆浸透膜
などによっても光学活性1,2−プロパンジアミンを得る
ことができる。
ば水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方法などが適
用できる。すなわち、たとえばジアステレオマー塩水溶
液に分解剤として水酸化ナトリウムを添加し、析出する
分割剤のナトリウム塩を除去し、液を濃縮蒸留するこ
とによって、または硫酸あるいは塩酸酸性水溶液にジア
ステレオマー塩を逐次添加し、不溶物である分割剤を
別したのち、あるいは分割剤を酢酸エチルなどの有機溶
媒で抽出したのち、液を水酸化ナトリウムを加えてア
ルカリ性とし、濃縮蒸留することによって、容易に
(R)−1,2−プロパンジアミンまたは(S)−1,2−プ
ロパンジアミンを得ることができる。また液をそのま
ま濃縮晶析すれば(R)−1,2−プロパンジアミンまた
は(S)−1,2−プロパンジアミンの硫酸塩、塩酸塩が
得られる。あるいは陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹
脂を陽いて分割剤と分離し、濃縮蒸留あるいは逆浸透膜
などによっても光学活性1,2−プロパンジアミンを得る
ことができる。
<実施例> 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中、光学純度は次のように測定したもの
を示す。
を示す。
光学純度: 1,2−プロパンジアミンの0.6%水溶液0.1mlまたはジ
アステレオマー塩3.5gを2%テトラメチルエチレンジア
ミンのアセトニトリル溶液0.1mlと0.4%2,3,4,6−テト
ラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオ
シアネート(以下、GITCと略す)のアセトニトリル溶液
0.1mlとを添加して混合した。15分室温で反応させたの
ち、0.3%ジエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1mlで
未反応のGITCを分解したサンプルを高速液体クロマトグ
ラフィー(GPLC)により、次の条件で分析し、アミンの
光学純度(%ee)を求めた。
アステレオマー塩3.5gを2%テトラメチルエチレンジア
ミンのアセトニトリル溶液0.1mlと0.4%2,3,4,6−テト
ラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオ
シアネート(以下、GITCと略す)のアセトニトリル溶液
0.1mlとを添加して混合した。15分室温で反応させたの
ち、0.3%ジエチルアミンのアセトニトリル溶液0.1mlで
未反応のGITCを分解したサンプルを高速液体クロマトグ
ラフィー(GPLC)により、次の条件で分析し、アミンの
光学純度(%ee)を求めた。
HPLC条件 カラム : μ−Bondasphere 5μC18−100Å 3.9×150mm 移動層 : 0.05%H3PO4/アセトニトリル=65/35 1.0ml/min カラムT :35℃ U V :254nm 保持時間: (S)−1,2−プロパンジアミン誘導体 13.3min (R)−1,2−プロパンジアミン誘導体15.5min 実施例1 (RS)−1,2−プロパンジアミン5.0gとジベンゾイル
−L−酒石酸1水塩24.2gとを水100mlに60℃で加熱溶解
した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、8時間後22℃で析
出結晶を別、乾燥して12.8gの白色の(R)−1,2−プ
ロパンジアミン・ジベンゾイル−L−酒石酸塩を得た。
用いた(R)−1,2−プロパンジアミン量に対しての収
率は88%であった。光学純度は92.5%eeであった。
−L−酒石酸1水塩24.2gとを水100mlに60℃で加熱溶解
した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、8時間後22℃で析
出結晶を別、乾燥して12.8gの白色の(R)−1,2−プ
ロパンジアミン・ジベンゾイル−L−酒石酸塩を得た。
用いた(R)−1,2−プロパンジアミン量に対しての収
率は88%であった。光学純度は92.5%eeであった。
実施例2 (RS)−1,2−プロパンジアミン2.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.8gとを1Nの塩酸27mlおよび水2ml
に70℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、
6時間のち25℃で析出結晶を別、乾燥して4.3gの白色
の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾイル−D
−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロパンジア
ミン量に対しての収率は73%であり、光学純度は44%ee
であった。
−D−酒石酸1水塩4.8gとを1Nの塩酸27mlおよび水2ml
に70℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら冷却し、
6時間のち25℃で析出結晶を別、乾燥して4.3gの白色
の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾイル−D
−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロパンジア
ミン量に対しての収率は73%であり、光学純度は44%ee
であった。
実施例3 (RS)−1,2−プロパンジアミン2.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.8gと酢酸1.6gとを水25mlに60℃で
加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間冷却し、25
℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥して4.0gの白
色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾイル−
D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロパンジ
アミン量に対しての収率は68%であり、光学純度は77%
eeであった。
−D−酒石酸1水塩4.8gと酢酸1.6gとを水25mlに60℃で
加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間冷却し、25
℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥して4.0gの白
色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾイル−
D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロパンジ
アミン量に対しての収率は68%であり、光学純度は77%
eeであった。
実施例4 (RS)−1,2−プロパンジアミン2.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.8gと95%硫酸1.3gとを水25mlに70
℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間冷却
し、25℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥して4.
1gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾ
イル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロ
パンジアミン量に対しての収率は70%であり、光学純度
は90%eeであった。
−D−酒石酸1水塩4.8gと95%硫酸1.3gとを水25mlに70
℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しながら6時間冷却
し、25℃で一夜撹拌した。析出結晶を別、乾燥して4.
1gの白色の(S)−1,2−プロパンジアミン・ジベンゾ
イル−D−酒石酸塩を得た。用いた(S)−1,2−プロ
パンジアミン量に対しての収率は70%であり、光学純度
は90%eeであった。
実施例5 光学純度91%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジベンゾイル−D−酒石酸塩106.9gを水250mlに加え、7
0℃で1時間撹拌したのち冷却し、5時間後30℃で
別、乾燥して94.4gの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得た。この塩を9%塩酸
水溶液205mlに3時間かけて添加した。添加終了後1時
間撹拌したのち、ジベンゾイル−D−酒石酸を過、水
洗した。液と水洗液に50%水酸化ナトリウム水溶液56
gを加えてアルカリ性としたのち、常圧蒸留して、115〜
118゜の留分15.3gを得た。得られた(S)−1,2−プロ
パンジアミンは15%の水分を含有していた(収率80
%)。光学純度は98%eeであった。
ジベンゾイル−D−酒石酸塩106.9gを水250mlに加え、7
0℃で1時間撹拌したのち冷却し、5時間後30℃で
別、乾燥して94.4gの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得た。この塩を9%塩酸
水溶液205mlに3時間かけて添加した。添加終了後1時
間撹拌したのち、ジベンゾイル−D−酒石酸を過、水
洗した。液と水洗液に50%水酸化ナトリウム水溶液56
gを加えてアルカリ性としたのち、常圧蒸留して、115〜
118゜の留分15.3gを得た。得られた(S)−1,2−プロ
パンジアミンは15%の水分を含有していた(収率80
%)。光学純度は98%eeであった。
実施例6 光学純度98%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジベンゾイル−D−酒石酸塩29.4gを6%塩酸水溶液100
mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1時間撹拌
したのち、ジベンゾイル−DP酒石酸を過、水洗した。
液と洗液をあわせて8.7gまで濃縮し、エタノール30ml
を添加して5℃に冷却した。析出晶を別乾燥して8.6g
の(S)−1,2−プロパンジアミン・2塩酸塩を収率87
%で得た。光学純度は99%eeであった。
ジベンゾイル−D−酒石酸塩29.4gを6%塩酸水溶液100
mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1時間撹拌
したのち、ジベンゾイル−DP酒石酸を過、水洗した。
液と洗液をあわせて8.7gまで濃縮し、エタノール30ml
を添加して5℃に冷却した。析出晶を別乾燥して8.6g
の(S)−1,2−プロパンジアミン・2塩酸塩を収率87
%で得た。光学純度は99%eeであった。
実施例7 光学純度99%eeの(S)−1,2−プロパンジアミン・
ジベンゾイル−D−酒石酸塩45.9gを8.5%硫酸水溶液15
0mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1時間撹
拌したのち、ジベンゾイル−D−酒石酸を過、水洗し
た。液と洗液をあわせて15gまで濃縮し、エタノール3
0mlを添加して1時間室温にて撹拌した。析出晶を別
乾燥して16.6gの(S)−1,2−プロパンジアミン・硫酸
塩を収率91%で得た。光学純度は99%eeであった。
ジベンゾイル−D−酒石酸塩45.9gを8.5%硫酸水溶液15
0mlに2時間かけて分割添加した。添加終了後1時間撹
拌したのち、ジベンゾイル−D−酒石酸を過、水洗し
た。液と洗液をあわせて15gまで濃縮し、エタノール3
0mlを添加して1時間室温にて撹拌した。析出晶を別
乾燥して16.6gの(S)−1,2−プロパンジアミン・硫酸
塩を収率91%で得た。光学純度は99%eeであった。
実施例8 (RS)−1,2−プロパンジアミン1.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水17mlとアセトニトリル2
5mlとの混合溶媒に50℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌
しながら冷却し、5時間後置22℃で一夜撹拌した。析出
結晶を別、水洗、乾燥して1.99gの白色の(S)−1,2
−プロパンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得
た。用いた(S)−1,2−プロパンジアミン量に対して
の収率は68%であり、光学純度は90%eeであった。
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水17mlとアセトニトリル2
5mlとの混合溶媒に50℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌
しながら冷却し、5時間後置22℃で一夜撹拌した。析出
結晶を別、水洗、乾燥して1.99gの白色の(S)−1,2
−プロパンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得
た。用いた(S)−1,2−プロパンジアミン量に対して
の収率は68%であり、光学純度は90%eeであった。
実施例9 (RS)−1,2−プロパンジアミン1.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水10mlとアセトン30mlと
の混合溶媒に50℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しなが
ら冷却し、5時間後22℃で一夜撹拌した。析出結晶を
別、水洗、乾燥して2.37gの白色の(S)−1,2−プロパ
ンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得た。用い
た(S)−1.2−プロパンジアミン量に対しての収率は8
1%であり、光学純度は91%eeであった。
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水10mlとアセトン30mlと
の混合溶媒に50℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しなが
ら冷却し、5時間後22℃で一夜撹拌した。析出結晶を
別、水洗、乾燥して2.37gの白色の(S)−1,2−プロパ
ンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得た。用い
た(S)−1.2−プロパンジアミン量に対しての収率は8
1%であり、光学純度は91%eeであった。
実施例10 (RS)−1,2−プロパンジアミン1.0gとジベンゾイル
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水6mlと2−プロパノール
10mlとの混合溶媒に60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌
しながら冷却し、5時間後22℃で一夜撹拌した。析出結
晶を別、水洗、乾燥して2.66gの白色の(S)−1,2−
プロパンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得
た。用いた(S)−1,2−プロパンジアミン量に対して
の収率は91%であり、光学純度は90%eeであった。
−D−酒石酸1水塩4.83gとを水6mlと2−プロパノール
10mlとの混合溶媒に60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌
しながら冷却し、5時間後22℃で一夜撹拌した。析出結
晶を別、水洗、乾燥して2.66gの白色の(S)−1,2−
プロパンジアミン・ジベンゾイル−D−酒石酸塩を得
た。用いた(S)−1,2−プロパンジアミン量に対して
の収率は91%であり、光学純度は90%eeであった。
比較例1 (RS)−1,2−プロパンジアミン5.0gとD−酒石酸10.
1gとを水10mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しな
がら冷却したが、室温で2日間撹拌しても結晶は析出し
なかった。
1gとを水10mlに60℃で加熱溶解した。ゆっくり撹拌しな
がら冷却したが、室温で2日間撹拌しても結晶は析出し
なかった。
<発明の効果> かくして、本発明によれば、(RS)−1,2−プロパン
ジアミンをきわめて簡単な方法で収率よく、高い光学純
度で光学分割することができる。また、分割剤の光学活
性ジベンゾイル酒石酸はジアステレオマー塩を酸、アル
カリで処理することにより容易に回収でき、さらに回収
された光学活性ジベンゾイル酒石酸は再使用が可能であ
る。
ジアミンをきわめて簡単な方法で収率よく、高い光学純
度で光学分割することができる。また、分割剤の光学活
性ジベンゾイル酒石酸はジアステレオマー塩を酸、アル
カリで処理することにより容易に回収でき、さらに回収
された光学活性ジベンゾイル酒石酸は再使用が可能であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】光学活性ジベンゾイル酒石酸を分割剤とし
て(RS)−1,2−プロパンジアミンを光学分割すること
を特徴とする光学活性1,2−プロパンジアミンの製法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12823589 | 1989-05-22 | ||
JP1-128235 | 1989-05-22 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0372446A JPH0372446A (ja) | 1991-03-27 |
JP2712669B2 true JP2712669B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=14979836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31732589A Expired - Fee Related JP2712669B2 (ja) | 1989-05-22 | 1989-12-05 | 光学活性1,2―プロパンジアミンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2712669B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7358384B2 (en) | 2003-01-16 | 2008-04-15 | Toray Fine Chemicals Co., Ltd. | Processes for the recovery of optically active diacyltartaric acids |
-
1989
- 1989-12-05 JP JP31732589A patent/JP2712669B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7358384B2 (en) | 2003-01-16 | 2008-04-15 | Toray Fine Chemicals Co., Ltd. | Processes for the recovery of optically active diacyltartaric acids |
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JPH0372446A (ja) | 1991-03-27 |
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