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JP2000233945A - 複合型光学部品 - Google Patents

複合型光学部品

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JP2000233945A
JP2000233945A JP3614999A JP3614999A JP2000233945A JP 2000233945 A JP2000233945 A JP 2000233945A JP 3614999 A JP3614999 A JP 3614999A JP 3614999 A JP3614999 A JP 3614999A JP 2000233945 A JP2000233945 A JP 2000233945A
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JP
Japan
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resin layer
glass substrate
outer peripheral
peripheral surface
composite optical
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Akira Inoue
晃 井上
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脆性なガラスを用いた場合でも樹脂層の応力
によるガラス割れ発生のない耐久性に優れた複合型光学
部品を提供する。 【解決手段】 ガラス基板1と透明なエネルギー硬化型
樹脂層2とが界面を形成して一体化されている複合型光
学部品にあって、ガラス基板1の外周面部1aを樹脂層
2の外周面部2aより外側に設け、且つ樹脂層2の外周
面部2aを凹形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板と成形
された透明なエネルギー硬化型樹脂とが一体的に接合さ
れて構成される複合型光学部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から前記複合型光学部品は種々提案
されている。これらの複合型光学部品のガラス基板と樹
脂層との界面では、成形時の樹脂の硬化収縮による応
力、温湿度などの環境変化あるいは経時的変化に対して
十分な接着強さを有することが必要である。そこで、十
分な接着強さを発現させるために、特開昭63―893
43号公報において、樹脂層を形成するガラス基板表面
にカップリング層を設けること、さらにガラス基板表面
に金属酸化物膜を設けることなどが提案されている。ま
た、特開昭63―225557号公報のようにガラス基
板の樹脂層形成面にスリ面を設け、樹脂層をそのスリ面
に接触させ密着力を増大させるなどの提案がされてい
る。そのため、ガラス基板と樹脂層との接着強さは十分
発現されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、脆性なガラス
よりなる基板と剛直なエネルギー硬化型樹脂層とからな
る複合型光学部品では、成形時の樹脂の硬化収縮による
応力、樹脂と金型との離型時に発生する応力、ガラスと
樹脂の熱線膨張係数の違いから発生する応力などによ
り、ガラス基板と樹脂層での界面が破壊されるのではな
く、ガラス基板が有するマイクロクラックや欠陥によ
り、ガラス基板自体が破壊することがあった。
【0004】特に、製品の小型軽量化に伴う複合型光学
部品の小型化により、樹脂に発生する応力をガラス基板
が直接受けるためガラス破壊が発生しやすい傾向にあっ
た。具体的には、小型化して円形状の光学有効径外周部
と樹脂層の外周部が同一面である構造や、円周(円形
状)レンズでなく小判型あるいは半円型などのガラス基
板端部(円形状のレンズを弦で切断して得られた切断
部)の切断時に生ずるマイクロクラックや欠陥(欠け)
の存在が多い複合型光学部品ではガラス破壊の発生は極
めて顕著であることが確認された。
【0005】一般に、エネルギー硬化型樹脂の硬化収縮
率は4〜8体積%であり、樹脂のヤング率を150kg
f/mm2 とした場合の硬化収縮による応力は、(0.
04〜0.08)×t(樹脂層厚さ)×150(単位:
kgf)となる。
【0006】離型時に発生する応力は、樹脂と金型の接
着強さおよび接着面積に依存し、一般に十数kgfにな
ると見られている。
【0007】また、熱線膨張による応力は、線膨張係数
をそれぞれガラス:8×10-6、樹脂:1.2×1
-4、ヤング率150kgf/mm2 とすると、−10
℃〜40℃の温度範囲では、 (1.2×10-4−8×10-6)×(40−(−1
0))×150=84kgf となる。(単純計算であるため、実際の応力とは異なる
可能性が大きい、参考値とする)
【0008】さらに、ガラス基板の円周部あるいは切断
したときの切断面からなる端部に存在するマイクロクラ
ックや欠陥の存在によってガラスの理論強度より著しく
小さい応力によってガラス破壊に至ることが判った。
【0009】以上から、円形状の外周面を有するガラス
基板に限らず、円形状のガラス基板を切断したときの切
断面からなる端部を有する小判型あるいは半円型等のガ
ラス基板を用いて、小型化した複合型光学部品を作成し
ても、この小型化した複合型光学部品が破壊しないこと
が望まれている。以下、ガラス基板(および樹脂層)の
円周部とは、ガラス基板(および樹脂層)が円形状であ
り、その外周面をいう。また、ガラス基板(および樹脂
層)の端部とは、円形状を弦で切断して得られた切断面
をいう。さらに、外周面および切断面で形成されるガラ
ス基板(および樹脂層)周囲の全面を外周面部という。
【0010】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、脆性なガラスを用いた場合でも樹脂層
の応力によるガラス割れ発生のない耐久性に優れた複合
型光学部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の複合型光学部品は、ガラス基板
と透明なエネルギー硬化型樹脂層とが界面を形成して一
体化されている複合型光学部品において、前記樹脂層の
外周面部が凹形状となっていることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項2の複合型光学部品
は、ガラス基板と透明なエネルギー硬化型樹脂層とが界
面を形成して一体化されている複合型光学部品におい
て、前記ガラス基板の外周面部が前記樹脂層の外周面部
の外側にあり、且つ前記樹脂層の外周面部が凹形状とな
っていることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の請求項3の複合型光学素
子は、請求項1,2のガラス基板と透明なエネルギー硬
化型樹脂層とが界面を形成して一体化されている複合型
光学部品において、前記ガラス基板と前記樹脂層を形成
する樹脂との接触部の角度が45°以下であることを特
徴とする。
【0014】すなわち、請求項1の複合型光学部品で
は、樹脂層の外周面部が凹形状となっているので、ガラ
ス基板の外周面部と接する樹脂が少なくなり、よって、
樹脂層の硬化収縮時あるいは熱による膨張(または熱に
よる収縮)時の樹脂層による応力が、ガラス基板の外周
面部の界面では極めて小さくなるので、ガラス基板の外
周面部でのガラス破壊が生じにくくなる。
【0015】また、請求項2の複合型光学部品では、ガ
ラス基板の外周面部が樹脂層の外周面部の外側にあり、
且つ樹脂層の外周面部が凹形状となっているため、樹脂
層に発生する応力がガラス基板の外周面部に直接掛から
ない。ガラス基板の作成時には芯取り加工やその後の切
断加工で得られた端部には数十μmのマイクロクラック
や欠陥(欠け)が存在している。したがって、ガラス基
板の外周面部は極めて脆く樹脂の応力によってガラス破
壊に至りやすい。しかし、本発明では、ガラス基板の外
周面部に樹脂層が掛からない構成のため、ガラス破壊を
防ぐことができる。
【0016】以下に、図1(a)に示す複合型光学部品
を用いて、ガラス基板1の外周面部1aと樹脂層2の外
周面部2aとの隔たりΔLを変化させたときの熱線膨張
変化に伴う応力値を表1に示す。この場合、樹脂層2の
外周面部2aはR形状となっている。熱変化は20℃〜
−47℃として求めた。この結果から明らかに応力が低
減することがわかる。そして、本実験よると、熱膨張に
よる応力値が0.670kgf/mm2 の場合にはガラ
ス基板1のガラス破壊が発生することを見い出し、望ま
しくは、0.650kgf/mm2 以下、具体的には、
ガラス基板1の外周面部1aと樹脂層2の外周面部2a
との隔たりΔLを0.2mm以上設けると良いことを見
い出した。
【0017】
【表1】
【0018】さらに、請求項3の複合型光学部品では、
樹脂層の外周面部が凹形状で、ガラス基板と樹脂層を形
成する樹脂との接触部の角度が45°以下であるため、
応力集中が極めて大きいガラス基板の端部への応力が極
端に小さくなる。そのため、請求項1の作用と同様にガ
ラス破壊を防ぐことができる。
【0019】以下に、図1(b)に示す複合型光学部品
を用いて、ガラス基板1の外周面部1aと樹脂層2の外
周面部2aとのなす角度θを変化させたときの熱線膨張
変化に伴う応力値を表2に示す。この場合も、樹脂層の
外周面はR形状となっている。熱変化は20℃〜−47
℃として求めた。(ガラス基板1と樹脂層2との径が同
じ場合、ガラス基板1の表面が球面であるため角度θは
90℃ではなく107℃であった。)この結果から、明
らかに角度θが小さくなるにつれて応力が低減すること
がわかる。そして、本実験によると、熱線膨張による応
力値が0.650kgf/mm2 以下のときはガラス破
壊を防ぐことができることを見い出し、望ましくはガラ
ス基板1と樹脂層2とのなす角度θが45°以下に設定
すると良いことを見い出した。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の実施の形態】[実施の形態1,2]以下、図2
を用いて、本発明の実施の形態1,2を説明する。図2
は本実施の形態の複合型光学部品を示す半裁断面図であ
る。
【0022】本実施の形態の複合型光学部品は、図2に
示すように、ガラス基板1の外周面部1aと樹脂層2の
外周面部2aとに隔たりΔLを設けて、ガラス基板1の
外周面部1aが樹脂層2の外周面部2aの外側となるよ
うにし、且つ樹脂層2の外周面部2aを凹形状とした。
【0023】ガラス基板1は光学ガラス(PBH1)を
用い、径φL1=φ12.0mm、中心厚さT2 =2.
5mm、樹脂層形成面(上面)の曲率半径R1 =16.
5mmの光学レンズであり、ガラス基板1の上面1bの
樹脂層2はエネルギー硬化型樹脂からなる中心厚さT1
=0.20mm、表面の曲率半径R2 =17.5mmの
光学レンズが接合された複合型光学部品である。
【0024】そして、実施の形態1の複合型光学部品
は、樹脂層2の径をφL2=11.4mmにして、ガラ
ス基板1の外周面部(外周面)1aと樹脂層2の外周面
部(外周面)2aとの隔たりΔL=0.3mmとした。
また、実施の形態2の複合型光学部品は、樹脂層2の径
をφL2=11.2mmにして、ΔL=0.4mmとし
た。
【0025】図4を用いて、複合型光学部品の基本的な
成形工程を説明する。まず、光学ガラス(PBH1)に
より形成されたガラス基板1の上面1bにエネルギー硬
化型樹脂(以下、単に樹脂という)3を必要量吐出する
(図4(a))。ガラス基板1の上面(樹脂層の形成
面)1bには予め樹脂3との密着性を向上させるためシ
ランカップリング剤層を設けてある。
【0026】次に、金型4を下降させてガラス基板1に
近づけることにより樹脂3を広げて上面1bに樹脂層2
を形成し、樹脂層2が所望の厚さになった位置で停止す
る(図4(b))。本実施の形態の複合型光学部品にお
いて、ガラス基板径、金型径および樹脂吐出量の関係
は、光学有効径とガラス破壊を防ぐためのガラス基板径
を両立させるように、すなわち、光学有効径を確保し、
さらに光学有効径の外側に樹脂層2の外周面2aがあ
り、その外側に樹脂層2のないガラス基板1が露出する
ように、樹脂吐出量を決定する。
【0027】この状態でガラス基板1の下側より紫外線
を照射して樹脂層2を硬化させる。その後、金型4を樹
脂層2から離型することで所望形状を有する複合型光学
部品が形成される(図4(c))。さらに、反射防止層
を樹脂層2の表面に設けることもできる。
【0028】樹脂層2の外周面2bに凹形状を形成する
には、図2および図4を用いて説明すると、ガラス基板
1の円周部(円形状の外周面)1aと樹脂層2の円周部
(円形状の外周面)2aとの隔たりΔLを設けるため、
樹脂3の吐出量を130mg±10mgの制御を行い、
且つ成形時の環境温度を一定に保てる設備で行ってい
る。図2に示すように、樹脂層2の外周面2aに凹形状
を作るには、図4に示すように金型4を下降して樹脂3
を広げ、樹脂3が所望の厚さ(所望の樹脂層2の厚さ)
になった後も、さらに0.002mm下降した時点でエ
ネルギーとしての紫外線を照射し、紫外線を照射しなが
ら金型4を0.002mm上昇し、停止したときに樹脂
層2の硬化が終わるようにするとよい。
【0029】[実施の形態3,4]以下、図3を用い
て、本発明の実施の形態3,4を説明する。図3は本実
施の形態の複合型光学部品を示す半裁断面図である。
【0030】本実施の形態の複合型光学部品は、図3に
示すように、ガラス基板1の外周面部1aと樹脂層2の
外周面部2aとに隔たりΔLを設けて、ガラス基板1の
外周面部1aが樹脂層2の外周面部2aの外側となるよ
うにし、且つ樹脂層2のガラス基板1との接触部5の角
度θ(以下、接触角度θという)を45°以下にし、樹
脂層2の外周面部2aを凹形状とした。
【0031】ガラス基板1は光学ガラス(PBH1)を
用い、径φL1=φ12.0mm、中心厚さT2 =2.
5mm、樹脂層形成面(上面)の曲率半径R1 =16.
5mmの光学レンズであり、ガラス基板1の上面1bの
樹脂層2はエネルギー硬化型樹脂からなる中心厚さT1
=0.20mm、表面の曲率半径R2 =17.5mmの
光学レンズが接合された複合型光学部品である。
【0032】そして、実施の形態3の複合型光学部品
は、樹脂層2の径をφL2=11.6mmにして、ガラ
ス基板1の外周面部(外周面)1aと樹脂層2の外周面
部(外周面)2aとの隔たりΔL=0.2mmとした。
そして、ガラス基板1の上面1bと樹脂層2を形成する
樹脂との接触角度θを10°にした。また、実施の形態
4の複合型光学部品は、樹脂層2の径をφL2=11.
4mmにして、ΔL=0.3mmとした。そして、ガラ
ス基板1の上面1bと樹脂層2を形成する樹脂との接触
角度θを15°にした。
【0033】本実施の形態の複合型光学部品の基本的な
成形工程は、図4に示す実施の形態1,2と同様であ
り、その説明を省略する。
【0034】本実施の形態では、樹脂層2のガラス基板
1との接触部5に傾斜を設けるため、金型4の押し下げ
速度をゆっくりして樹脂層2が十分に広がるようにする
ことと、且つ所望の樹脂厚より0.01mm多く押し下
げた後、所望の樹脂厚になるように、0.01mm金型
4を押し上げる工程が必要となる。この金型4の動作に
よって、樹脂層2の外周面2aは、ガラス基板1側が大
径となり、金型2側が小径となったR形状(R面)に形
成され、その後、紫外線の照射で硬化され所望の光学部
品が得られる。
【0035】上記の成形工程にて得た4種類の複合型光
学部品(実施の形態1〜4)のガラス基板1と樹脂層1
の隔たりΔLおよび接触部5の樹脂傾斜角度θを表3に
示した。また、4種類の複合型光学部品について、ガラ
ス基材1の外周面1aの応力シミュレーションおよび2
種類の耐久試験を行い、その結果を表3に示した。な
お、参考例1,2として、実施の形態1〜4と同様のガ
ラス基材を用いて、表3に示す形状の複合型光学部品を
製造し、同様の応力シミュレーションと耐久試験を行
い、その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】応力シミュレーションは、ガラスと樹脂の
熱線膨張率の違いによる応力発生を20℃〜−50℃の
範囲で変化した場合の解析を行った。 熱線膨張係数 ガラス:8×10-6、樹脂:1.2×1
-4 ヤング率 ガラス:7000kgf/mm2、樹脂:1
50kgf/mm2 解析ソフト mechanica(ソフト:Pro/M
ECHANICA,Release18.0,Para
metric Technology Co.)
【0038】耐久試験1は、60℃(1時間)→20℃
(30分)→−10℃(1時間)の温度サイクルを20
サイクル行い、ガラス割れおよび樹脂表面に施したコー
ティングのクラックを顕微鏡で観察し、変化のないもの
を良好とした。
【0039】耐久試験2は、20℃相対湿度60%(1
時間)→60℃40%(11時間)→20℃60%(2
時間)→−50℃(10時間)の合計1サイクル1日を
3サイクル行い、ガラス割れ、クラックおよびコートク
ラックを観察し、変化のないものを良好とした。
【0040】応力シミュレーションの結果、実施の形態
1〜4の複合型光学部品は、応力値がガラス基板のガラ
ス破壊を発生しない0.650kgf/mm2 以下であ
った。また、耐久試験1,2についても、ガラス割れ、
樹脂ハクリ、コートクラックにおいて、全て良好であっ
た。
【0041】一方、参考例1,2の複合型光学部品で
は、ガラス基板と樹脂層との隔たりΔLが少ない場合や
無い場合では応力が大きくなり、ガラス端部のマイクロ
クラックや欠陥などの強度の弱い部分からガラス割れが
発生するため、耐久性能が悪くなり光学部品として使用
できないものであった。
【0042】なお、図2、図3に示す実施の形態1〜4
の複合型光学部品では、円形状のガラス基板1を用い、
円形状の樹脂層2を形成したが、図5,6に示すよう
に、ガラス基板1の円形状の外周面1aを弦で切断して
得られた切断面1cと、この切断面1cと対応する樹脂
層2の面2cとの関係においても、同様の結果が得られ
る。
【0043】すなわち、図5および図6は、円形状のガ
ラス基板1の外周面1aを弦で切断して小判型および半
円型にした複合型光学部品を示すもので、ガラス基板1
は切断面1cと円形(円弧)状の外周面1aを有してい
る。そして、ガラス基板1の上面1bにはガラス基板1
の形状に倣うように樹脂層2が形成されている。
【0044】樹脂層2の外周面2aおよび面2cは凹形
状(R形状を含む)となっており、ガラス基板1の外周
面1aおよび切断面1cと樹脂層2の外周面2aおよび
面2cとの隔たりΔL、接触角度θを実施の形態1〜4
と同様に、ΔLを0.2mm以上、θを45°以下にす
ることで、マイクロクラックや欠陥(欠け)が生ずる恐
れのある切断面1cを有するガラス基板1を用いても、
ガラス割れや樹脂ハクリなどを生じさせずに、実施の形
態1〜4の複合型光学部品と同様に良好な複合型光学部
品を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の複合型光学部品によれば、樹脂層の外周面部を凹形状
にしたので、ガラス基板の外周面部と接する樹脂が少な
くなり、ガラスと樹脂との熱線膨張係数の差による応力
がガラス基板の外周面部の界面で極めて小さくなり、ガ
ラス割れ、クラックなどが起きず、耐久性の優れた光学
部品となる。
【0046】また、本発明の請求項2の複合型光学部品
によれば、ガラス基板の外周面部を樹脂層の外周面部の
外側に設けるとともに、樹脂層の外周面部を凹形状にし
たので、ガラスと樹脂との熱線膨張係数の差による応力
から発生するガラス割れ、クラックなどが起きず、耐久
性の優れた光学部品となる。
【0047】そして、本発明の請求項3の複合型光学部
品によれば、ガラス基板と樹脂層との接触部の角度を4
5°以下にしたので、応力集中が極めて大きいガラス基
板端部への応力が極端に小さくなり、ガラスと樹脂との
熱線膨張係数の差による応力から発生するガラス割れ、
クラックなどが起きず、耐久性の優れた光学部品とな
る。
【0048】さらに、本発明の請求項1〜3の複合型光
学部品によれば、特に、光学有効径外周部の余裕が無い
構造の複合型光学部品の場合、小判型などのようにガラ
ス基板端部のマイクロクラックや欠陥の存在が多い複合
型光学部品の場合などは、請求項1〜3の効果が顕著に
現れるため、耐久性の優れた小型あるいは小判型などの
光学部品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合型光学部品を説明する説明図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態1,2の複合型光学部品を
示す半裁断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3,4の複合型光学部品を
示す半裁断面図である。
【図4】本発明の各実施の形態の複合型光学部品の成形
工程を示す断面図である。
【図5】本発明の各実施の形態の変形例を示す斜視図で
ある。
【図6】本発明の各実施の形態の変形例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板 1a 外周面部 1b 樹脂層形成面 1c 切断面 2 エネルギー硬化型樹脂層 2a 外周面部 3 樹脂 5 接触部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と透明なエネルギー硬化型樹
    脂層とが界面を形成して一体化されている複合型光学部
    品において、 前記樹脂層の外周面部が凹形状となっていることを特徴
    とする複合型光学部品。
  2. 【請求項2】 ガラス基板と透明なエネルギー硬化型樹
    脂層とが界面を形成して一体化されている複合型光学部
    品において、 前記ガラス基板の外周面部が前記樹脂層の外周面部の外
    側にあり、且つ前記樹脂層の外周面部が凹形状となって
    いることを特徴とする複合型光学部品。
  3. 【請求項3】 ガラス基板と透明なエネルギー硬化型樹
    脂層とが界面を形成して一体化されている複合型光学部
    品において、 前記ガラス基板と前記樹脂層を形成する樹脂との接触部
    の角度が45°以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の複合型光学部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008158200A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Sanyo Electric Co Ltd 光学レンズ、複合レンズおよびその製造方法、ならびに接合レンズおよびその製造方法
WO2014010571A1 (ja) * 2012-07-09 2014-01-16 株式会社クラレ 光学素子及び集光型太陽光発電装置

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