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JP2000228891A - モータ駆動装置の異常検出装置及び異常検出方法 - Google Patents

モータ駆動装置の異常検出装置及び異常検出方法

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Publication number
JP2000228891A
JP2000228891A JP11028687A JP2868799A JP2000228891A JP 2000228891 A JP2000228891 A JP 2000228891A JP 11028687 A JP11028687 A JP 11028687A JP 2868799 A JP2868799 A JP 2868799A JP 2000228891 A JP2000228891 A JP 2000228891A
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Japan
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JP11028687A
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Akira Suzuki
明 鈴木
Masaharu Niimi
雅治 新美
Hideo Nakamura
中村  秀男
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】モータ駆動装置に異常が発生したかどうかを判
断することができるようにする。 【解決手段】複数の相のステータコイルを備えたモータ
31と、前記複数の相のうちの一つを除く各相のステー
タコイルに供給される相電流を検出して各相ごとに電流
検出値を発生させる電流センサ33、34と、前記各電
流検出値及び電流指令値に基づいて各相ごとに駆動信号
を発生させる駆動信号発生手段と、前記各駆動信号に基
づいて各相ごとにステータコイルに供給される相電流を
発生させる電流発生部101とを有する。そして、前記
駆動信号発生手段は、前記電流検出値及び駆動信号のう
ちの少なくとも一方の値に基づいて、モータ駆動装置1
0に異常が発生したかどうかを判断する異常判断手段1
02を備える。電流センサをすべての相ごとに配設する
必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ駆動装置の
異常検出装置及び異常検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電動車両においては、U相、V相
及びW相のステータコイルを備えたステータ、及び該ス
テータの内側において回転自在に配設され、磁極対を備
えたロータから成るモータが使用され、モータ駆動装置
によって前記ステータコイルにU相、V相及びW相の電
流を供給することにより、前記モータが駆動されるよう
になっている。
【0003】そして、前記モータ駆動装置において、モ
ータ制御回路は、電動車両の全体の制御を行う車両制御
回路からの電流指令値を受けて、該電流指令値に対応し
たパルス幅を有するU相、V相及びW相のパルス幅変調
信号を発生させ、該パルス幅変調信号をドライブ回路に
送る。該ドライブ回路は、前記パルス幅変調信号に対応
させてスイッチング信号を発生させ、該スイッチング信
号をインバータブリッジに送る。該インバータブリッジ
は、6個のトランジスタを有し、前記スイッチング信号
がオンの間だけトランジスタをオンにして各相の電流を
発生させ、該各相の電流を前記ステータコイルに供給す
る。このようにして、モータ制御回路を作動させること
によってモータを駆動し、電動車両を走行させることが
できる。
【0004】ところで、前記モータのステータコイルは
スター結線されているので、各相の電流のうちの二つの
相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も
決まる。したがって、各相の電流を制御するために、例
えば、U相及びV相の電流が電流センサによって検出さ
れるようになっている。そして、ロータの磁極対の方向
にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採った
d−q軸モデル上でフィードバック制御が行われるよう
になっている。
【0005】そのために、前記モータ制御回路におい
て、U相及びV相の電流は、三相/二相変換が行われて
d軸電流及びq軸電流になる。そして、d軸電流とd軸
電流指令値とのd軸電流偏差、及びq軸電流とq軸電流
指令値とのq軸電流偏差がそれぞれ算出され、前記d軸
電流偏差及びq軸電流偏差が0になるようにd軸電圧指
令値及びq軸電圧指令値がそれぞれ発生させられる。続
いて、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値は、二相/三
相変換が行われてU相、V相及びW相の電圧指令値にな
り、該各相の電圧指令値に基づいてU相、V相及びW相
のパルス幅変調信号が発生させられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のモータ駆動装置においては、異常が発生したかどう
かを判断することができない。すなわち、モータ駆動装
置においては、電流センサが故障したり、電流センサの
信号線が短絡したりして異常が発生することがあるが、
すべての相の電流を電流センサによって検出するように
なっている場合には、各相の電流の合計が0になるかど
うかを判断するだけで、モータ駆動装置に異常が発生し
たかどうかを判断することができる。ところが、前述さ
れたように、二つの相の電流を電流センサによって検出
するようになっている場合には、各相の電流の合計を算
出しても0にはならないので、モータ駆動装置に異常が
発生したかどうかを判断することができない。
【0007】本発明は、前記従来のモータ駆動装置の問
題点を解決して、モータ駆動装置に異常が発生したかど
うかを判断することができるモータ駆動装置の異常検出
装置及び異常検出方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明のモ
ータ駆動装置の異常検出装置においては、複数の相のス
テータコイルを備えたモータと、前記複数の相のうちの
一つを除く各相のステータコイルに供給される相電流を
検出して各相ごとに電流検出値を発生させる電流センサ
と、前記各電流検出値及び電流指令値に基づいて各相ご
とに駆動信号を発生させる駆動信号発生手段と、前記各
駆動信号に基づいて各相ごとにステータコイルに供給さ
れる相電流を発生させる電流発生部とを有する。
【0009】そして、前記駆動信号発生手段は、前記電
流検出値及び駆動信号のうちの少なくとも一方の値に基
づいて、モータ駆動装置に異常が発生したかどうかを判
断する異常判断手段を備える。本発明の他のモータ駆動
装置の異常検出装置においては、さらに、前記駆動信号
発生手段は、各電流検出値を所定の数の軸電流に変換す
る第1の変換手段、前記各軸電流及び電流指令値に基づ
いてフィードバック制御を行って各軸ごとの偏差を算出
するフィードバック制御手段、前記各偏差に基づいて各
軸ごとの軸電圧指令値を発生させる軸電圧指令値発生手
段、前記各軸電圧指令値を各相ごとの相電圧指令値に変
換する第2の変換手段と、前記各相電圧指令値に基づい
て各相ごとのパルス幅変調信号を発生させ、及び該パル
ス幅変調信号を前記電流発生部に送るPWM発生器を備
える。
【0010】そして、前記駆動信号は、軸電流、軸電圧
指令値、相電圧指令値及びパルス幅変調信号のうちの少
なくとも一つである。本発明の更に他のモータ駆動装置
の異常検出装置においては、さらに、前記駆動信号は電
流検出値であり、前記異常判断手段は、各電流検出値の
最大値及び最小値を算出し、各電流検出値ごとの最大値
及び最小値を比較し、比較結果に基づいてモータ駆動装
置に異常が発生したかどうかを判断する。
【0011】本発明の更に他のモータ駆動装置の異常検
出装置においては、さらに、前記駆動信号は軸電流であ
り、前記異常判断手段は、各軸電流が直流成分を有する
かどうかを判断し、判断結果に基づいてモータ駆動装置
に異常が発生したかどうかを判断する。本発明のモータ
駆動装置の異常検出方法においては、複数の相のうちの
一つを除く各相のステータコイルに供給される相電流を
検出し、各相ごとに電流検出値を発生させ、該各電流検
出値及び電流指令値に基づいて各相ごとに駆動信号を発
生させ、該各駆動信号に基づいて各相ごとにステータコ
イルに供給される相電流を発生させる。
【0012】そして、前記電流検出値及び駆動信号のう
ちの少なくとも一方の値に基づいて、モータ駆動装置に
異常が発生したかどうかを判断する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態におけるモータ駆動装置の異常検出装置の機
能ブロック図である。図において、10はモータ駆動装
置、31は複数の相の図示されないステータコイルを備
えたモータ、33、34は前記複数の相のうちの一つを
除く各相のステータコイルに供給される相電流を検出し
て各相ごとに電流検出値を発生させる電流センサ、45
は前記各電流検出値及び電流指令値に基づいて各相ごと
に駆動信号を発生させる駆動信号発生手段としてのモー
タ制御回路、101は前記各駆動信号に基づいて各相ご
とにステータコイルに供給される相電流を発生させる電
流発生部、102は前記モータ制御回路45内に配設さ
れ、前記電流検出値及び駆動信号のうちの少なくとも一
方の値に基づいて、モータ駆動装置10に異常が発生し
たかどうかを判断する異常判断手段である。
【0014】図2は本発明の実施の形態におけるモータ
駆動装置の概略図、図3は本発明の実施の形態における
モータ制御回路の概略図、図4は本発明の実施の形態に
おけるモータ駆動装置に異常が発生していないときの電
流検出値の波形図、図5は本発明の実施の形態における
モータ駆動装置に異常が発生していないときのd軸電流
及びq軸電流の波形図、図6は本発明の実施の形態にお
けるモータ駆動装置に異常が発生していないときのd軸
電圧指令値及びq軸電圧指令値の波形図、図7は本発明
の実施の形態におけるモータ駆動装置に異常が発生して
いないときのモータに供給される電流の波形図である。
【0015】図において、10はモータ駆動装置、31
はモータであり、該モータ31としてDCブラシレスモ
ータが使用される。前記モータ31は、複数の相、すな
わち、U相、V相及びW相のステータコイル11〜13
を図示されないステータコアに巻装することによって形
成されたステータ、及び該ステータの内側において回転
自在に配設され、磁極対を備えた図示されないロータを
有する。そして、前記モータ31を駆動して電動車両を
走行させるために、バッテリ14からの直流の電流がイ
ンバータブリッジ40によって相電流としてのU相、V
相及びW相の電流IU 、IV 、IW に変換され、各相の
電流IU 、IV 、IW はそれぞれ各ステータコイル11
〜13に供給される。
【0016】そのために、前記インバータブリッジ40
は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr
1〜Tr6を備え、各トランジスタTr1〜Tr6を選
択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流
U 、IV 、IW を発生させることができるようになっ
ている。また、前記ロータにロータ位置センサ、例え
ば、レゾルバ43が連結され、該レゾルバ43に磁極位
置検出手段としてのロータ位置検出回路44が接続され
る。そして、該ロータ位置検出回路44は、前記レゾル
バ43に交流の電圧を印加するとともに、レゾルバ43
からレゾルバ信号を受けて前記ロータの位置、すなわ
ち、磁極の位置を検出し、磁極位置信号をモータ制御回
路45に送る。
【0017】したがって、電動車両の全体の制御を行う
図示されない車両制御回路が、電流指令値を発生させ、
該電流指令値をモータ制御回路45に送ると、該モータ
制御回路45は、前記電流指令値に対応するパルス幅を
計算し、該パルス幅を有する3相のパルス幅変調信号S
U 、SV 、SW を発生させ、該パルス幅変調信号SU
V 、SW をドライブ回路51に送る。該ドライブ回路
51は、前記パルス幅変調信号SU 、SV 、SW を受け
て、6個のトランジスタTr1〜Tr6を駆動するため
のスイッチング信号をそれぞれ発生させ、該スイッチン
グ信号をインバータブリッジ40に送る。なお、前記イ
ンバータブリッジ40及びドライブ回路51によって電
流発生部101(図1)が構成される。
【0018】その結果、前記ステータコイル11〜13
に各相の電流IU 、IV 、IW がそれぞれ供給され、ロ
ータにトルクが発生させられる。このようにして、前記
モータ駆動装置10を作動させることによってモータ3
1を駆動し、電動車両を走行させることができる。とこ
ろで、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残
りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の
電流IU 、IV 、IW を制御するために、各相のうちの
一つを除く所定の相、例えば、U相及びV相の電流
U 、IV が電流検出手段としての電流センサ33、3
4によって検出され、前記電流IU 、I V を図4に示さ
れるような波形の電流検出値SGU 、SGV (検出信
号)をモータ電流検出回路15を介してモータ制御回路
45に送られるようになっている。そして、モータ駆動
装置10に異常が発生していない場合、前記電流検出値
SG U 、SGV は、互いに等しい実効値を有し、かつ、
(2/3)πだけ位相がずれた正弦波から成る。なお、
16は前記バッテリ14の電圧を検出する直流電圧検出
回路、17は平滑用のコンデンサ、46はメモリであ
る。また、a1、a2は前記電流検出値SGU 、SGV
をモータ電流検出回路15に送るための、a3、a4は
前記電流検出値SGU 、SGV をモータ制御回路45に
送るための信号線である。なお、U相及びV相の電流I
U 、IV に代えて、V相及びW相の電流I V 、IW を検
出したり、U相及びW相の電流IU 、IW を検出したり
することもできる。
【0019】そして、ロータの磁極対の方向にd軸を、
該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モ
デル上でフィードバック制御が行われるようになってい
る。そのために、前記モータ制御回路45は、例えば、
前記電流センサ33、34によって検出されたU相及び
V相の電流IU 、IV の電流検出値SGU 、SGV及び
前記磁極位置信号を第1の変換手段としてのUV−dq
変換器61に送る。該UV−dq変換器61は、前記電
流検出値SGU 、SGV 及び前記磁極位置信号に基づい
て三相/二相変換を行い、電流IU 、IV を図5に示さ
れるような、所定の数の軸電流としてのd軸電流id
びq軸電流iq に変換する。そして、前記モータ駆動装
置10に異常が発生していない場合、d軸電流id 及び
q軸電流iq は一定の実効値を有する直流成分から成
る。
【0020】また、d軸電流id はフィードバック制御
手段としての減算器62に送られ、該減算器62におい
て、前記d軸電流id と前記電流指令値のうちのd軸電
流指令値idsとの偏差Δid が算出され、該偏差Δid
が軸電圧指令値発生手段としてのd軸電圧指令値発生部
64に送られる。一方、q軸電流iq はフィードバック
制御手段としての減算器63に送られ、該減算器63に
おいて、前記q軸電流iq と前記電流指令値のうちのq
軸電流指令値iqsとの偏差Δiq が算出され、該偏差Δ
q が軸電圧指令値発生手段としてのq軸電圧指令値発
生部65に送られる。このようにして、d軸電流id
びd軸電流指令値idsに基づいて、また、q軸電流iq
及びq軸電流指令値iqsに基づいてフィードバック制御
が行われる。
【0021】そして、前記d軸電圧指令値発生部64及
びq軸電圧指令値発生部65は、それぞれ前記偏差Δi
d 、Δiq に基づいて、図6に示されるような、軸電圧
指令値としてのd軸電圧指令値Vd * 及びq軸電圧指令
値Vq * を発生させ、該d軸電圧指令値Vd * 及びq軸
電圧指令値Vq * を第2の変換手段としてのdq−UV
変換器67に送る。
【0022】続いて、該dq−UV変換器67は、前記
d軸電圧指令値Vd * 、q軸電圧指令値Vq * 及び磁極
位置信号に基づいて二相/三相変換を行い、d軸電圧指
令値Vd * 及びq軸電圧指令値Vq * を相電圧指令値と
しての各相の電圧指令値VU * 、VV * 、VW * に変換
し、該電圧指令値VU * 、VV * 、VW * をPWM発生
器68に送る。該PWM発生器68は、前記各相の電圧
指令値VU * 、VV *、VW * 及び前記直流電圧検出回
路16によって検出された直流の電圧に基づいて各相の
パルス幅変調信号SU 、SV 、SW を発生させる。その
結果、前述されたように、前記ステータコイル11〜1
3に、図7に示されるような各相の電流IU 、IV 、I
W (図7においては、電流IU 、IV だけが示され
る。)が供給される。そして、モータ駆動装置10に異
常が発生していない場合、前記電流I U 、IV 、I
W は、互いに等しい実効値を有し、かつ、(2/3)π
だけ位相のずれた正弦波から成る。なお、前記d軸電流
d 、q軸電流iq 、d軸電圧指令値Vd * 、q軸電圧
指令値Vq * 、電圧指令値VU * 、VV * 、VW * 及び
パルス幅変調信号SU 、SV 、SW によって駆動信号が
構成される。
【0023】ところで、前記モータ駆動装置10におい
ては、電流センサ33、34が故障したり、信号線a1
〜a4が短絡したりして異常が発生することがある。そ
こで、前記モータ制御回路45に異常判断手段102が
配設され、該異常判断手段102によって、モータ駆動
装置10に異常が発生したかどうかを判断することがで
きるようになっている。
【0024】次に、モータ駆動装置10に異常が発生し
たときの、モータ駆動装置10の状態の変化について説
明する。図8は本発明の実施の形態におけるモータ駆動
装置に異常が発生したときの電流検出値の波形図、図9
は本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に異常が
発生したときのd軸電流及びq軸電流の波形図、図10
は本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に異常が
発生したときのd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の波
形図、図11は本発明の実施の形態におけるモータ駆動
装置に異常が発生したときのモータに供給される電流の
波形図、図12は本発明の実施の形態における異常判断
手段の動作を示すフローチャートである。
【0025】この場合、モータ駆動装置10(図1)に
異常が発生すると、図8に示されるように、電流検出値
SGU 、SGV の波形が図4と異なる波形になり、実効
値は互いに異なり、位相のずれは(2/3)πにならな
い。また、それに伴って、図9〜11に示されるよう
に、d軸電流id 及びq軸電流iq の波形、d軸電圧指
令値Vd * 及びq軸電圧指令値Vq * の波形、並びにス
テータコイル13、11に供給される電流IU 、IV
波形が、それぞれ図5〜7と異なる波形になり、例え
ば、電流IU 、IV の波形は、図11に示されるよう
に、実効値は互いに異なり、位相のずれは(2/3)π
にならない。
【0026】そこで、モータ制御回路45(図2)の図
示されない異常検出手段は、電流検出値SGU 、SGV
を読み込み、該電流検出値SGU 、SGV の波形が、互
いに等しい実効値を有し、かつ、(2/3)πだけ位相
のずれた正弦波であるかどうかの第1の条件が成立する
がどうかを判断する。そのために、異常判断手段102
は、前記電流検出値SGU 、SGV を1周期にわたって
読み込み、電流検出値SGU の最大値SGUMAX及び最小
値SGUMIN、並びに電流検出値SGV の最大値SGVMAX
及び最小値SGVMINを決定してメモリ46に格納する。
そして、前記異常判断手段102は、最大値SGUMAX
SGVM AX同士、及び最小値SGUMIN、SGVMIN同士を比
較し、比較結果に基づいて、最大値SGUMAX、SGVMAX
の差δ1MAX δ1MAX =|SGUMAX−SGVMAX| 、及び最小値SGUMIN、SGVMINの差δ1MIN δ1MIN =|SGUMIN−SGVMIN| を算出し、前記差δ1MAX 、δ1MIN の少なくとも一方
が閾(しきい)値α1、α2以上である場合に、第1の
条件が成立したと判断する。なお、前記閾値α1、α2
は互いに等しい値にしても、異なる値にしてもよい。
【0027】そして、前記異常判断手段102は、第1
の条件が成立したときに、モータ駆動装置10に異常が
発生したと判断する。このように、電流センサ33、3
4によって電流IU 、IV を検出し、電流検出値S
U 、SGV に基づいて第1の条件が成立するかどうか
を判断し、判断結果に基づいてモータ駆動装置10に異
常が発生したかどうかを判断することができるので、電
流センサをすべての相ごとに配設する必要がなくなる。
したがって、モータ駆動装置の異常検出装置のコストを
低くすることができる。
【0028】次に、フローチャートについて説明する。 ステップS1 電流検出値SGU 、SGV を読み込む。 ステップS2 最大値SGUMAX、SGVMAX及び最小値S
UMIN、SGVMINをメモリ46に格納する。 ステップS3 1周期が終了したかどうかを判断する。
1周期が終了した場合はステップS4に進み、終了して
いない場合はステップS1に戻る。 ステップS4 最大値SGUMAX、SGVMAXの差δ
MAX 、及び最小値SGUMIN、SGVMINの差δ1MIN
少なくとも一方が閾値α1、α2以上であるかどうかを
判断する。差δ1MAX 及び差δ1MIN の少なくとも一方
が閾値α1、α2以上である場合はステップS5に進
み、差δ1MAX 及び差δ1MIN が閾値α1、α2より小
さい場合はステップS1に戻る。 ステップS5 モータ駆動装置10に異常が発生したと
判断する。
【0029】また、前記異常判断手段102は、前記d
軸電流id 及びq軸電流iq を読み込み、該d軸電流i
d 及びq軸電流iq の波形が、いずれも一定の実効値を
有する直流成分から成るかどうかの第2の条件が成立す
るかどうかを判断することもできる。そのために、前記
異常判断手段102は、前記d軸電流id 及びq軸電流
qを1周期にわたって読み込み、d軸電流id 及びq
軸電流iq を前記メモリ46に格納する。そして、前記
異常判断手段102は、d軸電流id の最大値idMAX
最小値idMINとの差δd δd =idMAX−idMIN 、及びq軸電流iq の最大値iqMAXと最小値iqMINとの
差δq δq =iqMAX−iqMIN を算出し、前記差δd 、δq の少なくとも一方が閾値β
1、β2以上である場合に、第2の条件が成立したと判
断する。なお、前記閾値β1、β2は互いに等しい値に
しても、異なる値にしてもよい。
【0030】そして、前記異常判断手段102は、第2
の条件が成立したときに、モータ駆動装置10に異常が
発生したと判断する。さらに、前記異常判断手段102
は、d軸電圧指令値Vd * 及びq軸電圧指令値Vq *
読み取り、該d軸電圧指令値Vd * 及びq軸電圧指令値
q * の波形が、いずれも一定の実効値を有する直流成
分から成るかどうかの第3の条件が成立するかどうかを
判断することもできる。
【0031】そのために、前記異常判断手段102は、
前記d軸電圧指令値Vd * 及びq軸電圧指令値Vq *
1周期にわたって読み込み、d軸電圧指令値Vd * の最
大値VdMAX * 及び最小値VdMIN * 、並びにq軸電圧指令
値Vq * の最大値VqMAX * 及び最小値VqMIN * を決定し
てメモリ46に格納する。そして、前記異常判断手段1
02は、最大値VdMAX * と最小値VdMIN * との差δ2d δ2d =VdMAX * −VdMIN * 、及び最大値VqMAX * と最小値VqMIN * との差δ2q δ2q =VqMAX * −VqMIN * を算出し、前記差δ2d 、δ2q の少なくとも一方が閾
値γ1、γ2以上である場合に、第3の条件が成立した
と判断する。なお、前記閾値γ1、γ2は互いに等しい
値にしても、異なる値にしてもよい。
【0032】そして、前記異常判断手段102は、第3
の条件が成立したときに、モータ駆動装置10に異常が
発生したと判断する。この場合、電流IU 、IV 、IW
の位相が正常ではなくなったこと、すなわち、(2/
3)πだけ位相がずれていないことを検出することもで
きる。本実施の形態においては、第1〜第3の条件のう
ちのいずれか一つの条件が成立したときに、モータ駆動
装置10に異常が発生したと判断するようになっている
が、第1〜第3の条件のうちのいずれか二つ以上の条件
が成立したときに、モータ駆動装置10に異常が発生し
たと判断することもできる。
【0033】また、本実施の形態においては、電流検出
値SGU 、SGV の各波形に基づいて、前記d軸電流i
d 及びq軸電流iq の各波形、又はd軸電圧指令値Vd
* 及びq軸電圧指令値Vq * の各波形に基づいてモータ
駆動装置10に異常が発生したかどうかを判断するよう
になっているが、dq−UV変換器67において発生さ
せられる電圧指令値VU * 、VV * の各波形、PWM発
生器68において発生させられるパルス幅変調信号
U 、SV の各波形等に基づいて、モータ駆動装置10
に異常が発生したかどうかを判断することもできる。さ
らに、各波形の組合せに基づいてモータ駆動装置10に
異常が発生したかどうかを判断することもできる。
【0034】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、モータ駆動装置の異常検出装置においては、複数
の相のステータコイルを備えたモータと、前記複数の相
のうちの一つを除く各相のステータコイルに供給される
相電流を検出して各相ごとに電流検出値を発生させる電
流センサと、前記各電流検出値及び電流指令値に基づい
て各相ごとに駆動信号を発生させる駆動信号発生手段
と、前記各駆動信号に基づいて各相ごとにステータコイ
ルに供給される相電流を発生させる電流発生部とを有す
る。
【0036】そして、前記駆動信号発生手段は、前記電
流検出値及び駆動信号のうちの少なくとも一方の値に基
づいて、モータ駆動装置に異常が発生したかどうかを判
断する異常判断手段を備える。この場合、複数の相のう
ちの一つを除く各相のステータコイルに供給される相電
流が検出され、各相ごとに電流検出値が発生させられ、
該各電流検出値及び電流指令値に基づいて各相ごとに駆
動信号が発生させられ、該各駆動信号に基づいて各相ご
とにステータコイルに供給される相電流が発生させられ
る。
【0037】そして、前記電流検出値及び駆動信号のう
ちの少なくとも一方の値に基づいて、モータ駆動装置に
異常が発生したかどうかが判断される。したがって、複
数の相のうちの一つを除く相の電流を電流センサによっ
て検出することにより、モータ駆動装置に異常が発生し
たかどうかを判断することができる。その結果、電流セ
ンサをすべての相ごとに配設する必要がなくなるので、
モータ駆動装置の異常検出装置のコストを低くすること
ができる。
【0038】本発明の他のモータ駆動装置の異常検出装
置においては、さらに、前記駆動信号発生手段は、各電
流検出値を所定の数の軸電流に変換する第1の変換手
段、前記各軸電流及び電流指令値に基づいてフィードバ
ック制御を行って各軸ごとの偏差を算出するフィードバ
ック制御手段、前記各偏差に基づいて各軸ごとの軸電圧
指令値を発生させる軸電圧指令値発生手段、前記各軸電
圧指令値を各相ごとの相電圧指令値に変換する第2の変
換手段と、前記各相電圧指令値に基づいて各相ごとのパ
ルス幅変調信号を発生させ、及び該パルス幅変調信号を
前記電流発生部に送るPWM発生器を備える。
【0039】そして、前記駆動信号は、軸電流、軸電圧
指令値、相電圧指令値及びパルス幅変調信号のうちの少
なくとも一つである。この場合、複数の相のうちの一つ
を除く相の電流を電流センサによって検出することによ
り、駆動信号を得ることができる。したがって、電流セ
ンサをすべての相ごとに配設する必要がなくなるので、
モータ駆動装置の異常検出装置のコストを低くすること
ができる。
【0040】本発明の更に他のモータ駆動装置の異常検
出装置においては、さらに、前記駆動信号は軸電流であ
り、前記異常判断手段は、各軸電流が直流成分を有する
かどうかを判断し、判断結果に基づいてモータ駆動装置
に異常が発生したかどうかを判断する。この場合、各相
のステータコイルに供給される相電流の位相が正常では
なくなったことを検出することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の
異常検出装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置の
概略図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるモータ制御回路の
概略図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生していないときの電流検出値の波形図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生していないときのd軸電流及びq軸電流の波
形図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生していないときのd軸電圧指令値及びq軸電
圧指令値の波形図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生していないときのモータに供給される電流の
波形図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生したときの電流検出値の波形図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置に
異常が発生したときのd軸電流及びq軸電流の波形図で
ある。
【図10】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置
に異常が発生したときのd軸電圧指令値及びq軸電圧指
令値の波形図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるモータ駆動装置
に異常が発生したときのモータに供給される電流の波形
図である。
【図12】本発明の実施の形態における異常判断手段の
動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 モータ駆動装置 11〜13 ステータコイル 31 モータ 33、34 電流センサ 45 モータ制御回路 61 UV−dq変換器 64、65 軸電圧指令値発生部 67 dq−UV変換器 68 PWM発生器 101 電流発生部 102 異常判断手段 IU 、IV 、IW 相電流 id 、iq 軸電流 ids、iqs 軸電流指令値 SGU 、SGV 電流検出値 SU 、SV 、SW パルス幅変調信号 Vd * 、Vq * 軸電圧指令値 VU * 、VV * 、VW * 電圧指令値 Δid 、Δiq 偏差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀男 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 5H560 AA08 BB04 BB07 BB12 DA10 DC12 EB01 EC10 GG04 JJ02 SS01 TT11 UA02 XA02 XA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の相のステータコイルを備えたモー
    タと、前記複数の相のうちの一つを除く各相のステータ
    コイルに供給される相電流を検出して各相ごとに電流検
    出値を発生させる電流センサと、前記各電流検出値及び
    電流指令値に基づいて各相ごとに駆動信号を発生させる
    駆動信号発生手段と、前記各駆動信号に基づいて各相ご
    とにステータコイルに供給される相電流を発生させる電
    流発生部とを有するとともに、前記駆動信号発生手段
    は、前記電流検出値及び駆動信号のうちの少なくとも一
    方の値に基づいて、モータ駆動装置に異常が発生したか
    どうかを判断する異常判断手段を備えることを特徴とす
    るモータ駆動装置の異常検出装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号発生手段は、各電流検出値
    を所定の数の軸電流に変換する第1の変換手段、前記各
    軸電流及び電流指令値に基づいてフィードバック制御を
    行って各軸ごとの偏差を算出するフィードバック制御手
    段、前記各偏差に基づいて各軸ごとの軸電圧指令値を発
    生させる軸電圧指令値発生手段、前記各軸電圧指令値を
    各相ごとの相電圧指令値に変換する第2の変換手段と、
    前記各相電圧指令値に基づいて各相ごとのパルス幅変調
    信号を発生させ、及び該パルス幅変調信号を前記電流発
    生部に送るPWM発生器を備えるとともに、前記駆動信
    号は、軸電流、軸電圧指令値、相電圧指令値及びパルス
    幅変調信号のうちの少なくとも一つである請求項1に記
    載のモータ駆動装置の異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動信号は電流検出値であり、前記
    異常判断手段は、各電流検出値の最大値及び最小値を算
    出し、各電流検出値ごとの最大値及び最小値を比較し、
    比較結果に基づいてモータ駆動装置に異常が発生したか
    どうかを判断する請求項1に記載のモータ駆動装置の異
    常検出装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号は軸電流であり、前記異常
    判断手段は、各軸電流が直流成分を有するかどうかを判
    断し、判断結果に基づいてモータ駆動装置に異常が発生
    したかどうかを判断する請求項1に記載のモータ駆動装
    置の異常検出装置。
  5. 【請求項5】 複数の相のうちの一つを除く各相のステ
    ータコイルに供給される相電流を検出し、各相ごとに電
    流検出値を発生させ、該各電流検出値及び電流指令値に
    基づいて各相ごとに駆動信号を発生させ、該各駆動信号
    に基づいて各相ごとにステータコイルに供給される相電
    流を発生させるとともに、前記電流検出値及び駆動信号
    のうちの少なくとも一方の値に基づいて、モータ駆動装
    置に異常が発生したかどうかを判断することを特徴とす
    るモータ駆動装置の異常検出方法。
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