JP2000297471A - 柱脚部の支持構造および耐震建物 - Google Patents
柱脚部の支持構造および耐震建物Info
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Abstract
せしめる。 【解決手段】 建物の隅柱1を支持面上にギャップ2を
確保して浮かせた状態で設け、該隅柱の柱脚部に隣接せ
しめて支持構造体3を設けるとともに該支持構造体と前
記柱脚部とを支持部材4により連結し、該支持部材は柱
に作用する長期荷重を支持可能であるとともにそれを越
える荷重を受けた際には降伏して前記柱の下方変位を許
容せしめて該荷重を前記支持面に伝達可能とする。支持
部材として極軟鋼からなる鋼材ダンパーを採用する。柱
脚部および支持構造体には引き抜きを防止するストッパ
機構13を設ける。前記支持構造による柱を千鳥配置す
る。前記支持構造による柱と高靭性柱とによって連層耐
震壁を支持する。
Description
部の支持構造およびその構造を採用した耐震建物に関す
る。
用した場合、図10に示すような転倒モーメントにより
柱に大きな軸力が生じる。その軸力は内周部に位置する
柱よりも外周部に位置する柱において大きく、特に、二
方向の地震力を受ける形態の建物では建物の隅部に位置
する隅柱1に過大な軸力が作用し、したがって杭の反力
も過大になり、それら隅柱1や杭の設計が困難になる場
合がある。
明は地震時に柱に作用する軸力や杭の反力を低減せしめ
ることの可能な柱脚部の支持構造と、その構造の採用に
より優れた耐震性能を有する耐震建物を提供することを
目的とする。
の支持構造は、建物の柱を支持面上にギャップを確保し
て浮かせた状態で設け、該柱の柱脚部に隣接せしめて支
持構造体を設けるとともに該支持構造体と前記柱脚部と
を支持部材により連結し、該支持部材は柱に作用する長
期荷重を支持可能であるとともにそれを越える荷重を受
けた際には降伏して前記柱の下方変位を許容せしめて該
荷重を前記支持面に伝達可能としたものである。
記支持部材として極軟鋼からなる鋼材ダンパーを採用し
たものである。
記柱脚部および前記支持構造体には、前記柱に引き抜き
荷重が作用して柱脚部が上方に変位した際に係合して引
き抜きを防止するストッパ機構を設けてなるものであ
る。
造によって柱脚部を支持してなる柱を建物の隅部に配置
してなるものである。
造によって柱脚部を支持してなる柱を千鳥配置してなる
ものである。
造によって柱脚部を支持してなる柱を連層耐震壁の下層
に配置して該柱により前記連層耐震壁を支持せしめると
ともに、該柱と対をなして前記連層耐震壁を支持する他
の柱として相対的に高靭性の柱を採用し、かつ、前記連
層耐震壁を2組設けてそれら連層耐震壁どうしを鋼材ダ
ンパーとして機能するつなぎ梁により各層で連結してな
るものである。
3を参照して説明する。本第1実施形態は、図1に示す
ように、建物の隅部に位置する隅柱1を支持面上に若干
のギャップ(間隙)2を確保して浮かせた状態で設け、
その隅柱1の柱脚部に隣接せしめて設けた支持構造体3
と柱脚部とを支持部材4により連結したものである。符
号5は中間部に位置する通常の柱、6は梁、7は基礎で
あり、その基礎7はフーチング8、杭9、地中梁10か
ら構成されている。
た高剛性のフレームである。また、上記の支持部材4は
隅柱1に作用する長期荷重を支持構造体3とともに支持
可能なものであり、かつ、地震時に隅柱1が短期荷重を
受けた際には降伏して隅柱1の下方変位を許容し、以て
隅柱1の下端面を支持面に当接せしめて短期荷重を直接
的に基礎7に対して伝達するものである。支持部材4と
しては極軟鋼が用いられ、降伏した際には塑性変形によ
り振動エネルギーを吸収する鋼材ダンパーとしても機能
するものとされている。また、柱脚部に設けた鍔部11
と支持構造体3の上部とは若干のギャップ(間隙)12
を介して係合可能とされてそれらはストッパ機構13を
構成しており、引き抜き荷重による隅柱1の過大な上方
変位がそのストッパ機構13によって拘束されるように
なっている。図1における14は衝撃緩衝用のゴム部材
である。
図2に示すような挙動を呈する。すなわち、この隅柱1
は通常時は支持部材4および支持構造体3を介して長期
荷重を支障なく支持しているが、地震時に想定値以上の
短期圧縮軸力が作用した場合には支持部材4が降伏して
隅柱1の下方変位が許容され、隅柱1の下端面が支持面
に当接して初めて短期荷重が基礎7に伝達され、それ以
降は十分な軸圧縮耐力を発揮する。また、想定値以上の
引き抜き荷重が作用した際には支持部材4が降伏して隅
柱1の上方変位が許容され、ストッパ機構13が係合し
て初めて引き抜き荷重が基礎7に伝達され、それ以降は
優れた軸引張耐力を発揮する。したがって、上記構造に
よれば従来のように隅柱1やそれを支持する杭9に対し
て直ちに過大な軸力が作用することがなく、図3に示す
ように隅柱1やそれを支持する杭9の軸力を他の柱5と
同等程度にまで低減することができ、その結果、従来に
比較して隅柱1やその杭9の設計が容易となり、コスト
ダウンを図ることができる。また、支持部材4が鋼材ダ
ンパーとしても機能するので、そのエネルギー吸収によ
る応答低減も可能である。
のサポート部材により隅柱1を浮かせた状態で仮支持し
つつ支持構造体3および支持部材4を施工し、最終的に
サポート部材を撤去することで何等支障なく行うことが
できる。その際、長期荷重による沈下も考慮する。ま
た、地震後に残留変形が生じた場合には、ジャッキで隅
柱1の高さを調整して支持部材4を交換すれば良い。
(図5は図4におけるV部の立面図である)。本第2実
施形態は、図5に示すように、柱脚部を支持部材20を
介して支持構造体21によりギャップ(間隙)22を確
保して浮かせた状態で支持してなる柱23を、図4に示
すような平面形状の建物において千鳥配置したものであ
る。符号24は通常の形態で支持されている通常の柱で
あり、これは結果的に上記の柱23と交互に千鳥配置さ
れることになる。符号25はそれら柱23,24間に架
設されている梁である。本第2実施形態における支持構
造体21も第1実施形態における支持構造体3と同様の
高剛性のフレームであるが、本第2実施形態では引き抜
き拘束用のストッパ機構13は省略している。本第2実
施形態における支持部材20も第1実施形態の場合と同
様に極軟鋼からなるもので、長期荷重を支持可能である
とともに地震時には降伏して柱23の下方変位を許容し
短期荷重を基礎7へ伝達するものであり、かつその際に
鋼材ダンパーとしても機能するものである。
よるエネルギー吸収効果が得られるのみならず、上記の
柱23と通常の柱24とが千鳥配置されていることから
地震時にはそれら柱23,24が異なる変形挙動を呈す
ることになり、したがってそれら柱23,24間に架設
されている梁25にも変形が生じ、その非線形化による
エネルギー吸収効果も期待できる。その結果、建物全体
に大きな減衰が付加されて応答が低減するので、柱2
3,24および杭9の設計が容易となり、コストダウン
を図ることができる。
(図7は図6におけるVII部の拡大図である)。これ
は、第2層から上の各層に設けた耐震壁30による一連
の連層耐震壁31を第1層において対の柱32,33に
より支持し、かつ、それら連層耐震壁31を2組設けて
それらを各層においてつなぎ梁34により連結してなる
構造の建物に適用したものであり、各連層耐震壁31を
支持する対の柱32,33のうち、柱32を第2実施形
態と同様にギャップ35を確保して浮かせた状態で支持
部材36を介して支持構造体37により支持し、かつ、
他方の柱33をより高靭性の柱としたものである。
よび支持部材36は第2実施形態と同様のものである。
また、上記の高靭性の柱33としてはたとえば鋼管内に
コンクリートを充填してなる充填鋼管コンクリート柱が
好適に採用可能である。また、各層のつなぎ梁34は極
軟鋼からなるもので、地震時の変形により振動エネルギ
ーを吸収する鋼材ダンパーとして機能するものである。
持部材36が降伏することにより柱32の下方変位が許
容され、かつ高靭性の柱33の弾性的な変形が許容され
ることにより、図8に示すように2組の連層耐震壁31
が傾斜するように変形し、それによって各層のつなぎ梁
34が大きく変形し、それらつなぎ梁34により各層に
おいて優れたエネルギー吸収効果が得られ、その結果、
建物全体の応答が低減するものとなる。また、2組の連
層耐震壁31とつなぎ梁34とで門形のフレームを構成
しているので、つなぎ梁34が破断するか、柱33が破
壊されない限りは建物が崩壊することはなく、極めて安
全な架構となっている。
合、従来一般には図9に示すように第1層を含めて全て
の層に耐震壁30を設けることが一般的であった。しか
し、そのようにした場合は第1層の耐震壁30に応力が
集中してしまってそれが圧壊してしまうことがあるし、
また、上層部のつなぎ梁34は大きく変形するが下層部
のつなぎ梁34はさほど変形しないので全体として有効
なエネルギー吸収がなされるものではない。それに対
し、本第3実施形態では、第1層においては耐震壁30
を省略して連層耐震壁31を第1層において上記のよう
な対の柱32,33により全体としての傾斜を許容する
状態で支持することから、従来のような不具合を有効に
解消させ得ている。
建物の柱を支持面上にギャップを確保して浮かせた状態
で設け、該柱の柱脚部に隣接せしめて支持構造体を設け
るとともに該支持構造体と前記柱脚部とを支持部材によ
り連結し、該支持部材は柱に作用する長期荷重を支持可
能であるとともにそれを越える荷重を受けた際には降伏
して前記柱の下方変位を許容せしめて該荷重を前記支持
面に伝達可能としたものであるから、柱に過大な軸力が
作用することを有効に回避することができて合理的な設
計が可能である。
記支持部材として極軟鋼からなる鋼材ダンパーを採用し
たので、その鋼材ダンパーにより地震時に振動エネルギ
ーを有効に吸収して応答を低減させることができる。
記柱脚部および前記支持構造体に柱脚部の過大な上方変
位を拘束するストッパ機構を設けたから、柱の引き抜き
も有効に拘束することができる。
造によって柱脚部を支持してなる柱を建物の隅部に配置
したから、隅柱に過大な軸力が作用することを防止し得
てその設計が容易となりコストダウンを図ることができ
る。
造によって柱脚部を支持してなる柱を千鳥配置したか
ら、隣り合う柱が異なる挙動を呈するものとなって建物
全体の振動減衰効果が得られる。
造によって柱脚部を支持してなる柱を連層耐震壁の下層
に配置して該柱により前記連層耐震壁を支持せしめると
ともに、該柱と対をなして前記連層耐震壁を支持する他
の柱として相対的に高靭性の柱を採用し、かつ、前記連
層耐震壁を2組設けてそれら連層耐震壁どうしを鋼材ダ
ンパーとして機能するつなぎ梁により各層で連結したも
のであるから、2組の連層耐震壁が平行を維持したまま
で傾斜するような変形を生じ、したがって各層のつなぎ
梁全体による優れた振動減衰効果が得られる。
造とそれによる耐震建物を示す概要図である。
平面図である。
立面図である。
の挙動を示す図である。
概要図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 建物の柱を支持面上にギャップを確保し
て浮かせた状態で設け、該柱の柱脚部に隣接せしめて支
持構造体を設けるとともに該支持構造体と前記柱脚部と
を支持部材により連結し、該支持部材は柱に作用する長
期荷重を支持可能であるとともにそれを越える荷重を受
けた際には降伏して前記柱の下方変位を許容せしめて該
荷重を前記支持面に伝達可能であることを特徴とする柱
脚部の支持構造。 - 【請求項2】 前記支持部材は極軟鋼からなる鋼材ダン
パーであることを特徴とする請求項1記載の柱脚部の支
持構造。 - 【請求項3】 前記柱脚部および前記支持構造体には、
前記柱に引き抜き荷重が作用して柱脚部が上方に変位し
た際に係合して引き抜きを拘束するストッパ機構を設け
てなることを特徴とする請求項1または2記載の柱脚部
の支持構造。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の支持構造に
よって柱脚部を支持してなる柱を建物の隅部に配置して
なることを特徴とする耐震建物。 - 【請求項5】 請求項1,2または3記載の支持構造に
よって柱脚部を支持してなる柱を千鳥配置してなること
を特徴とする耐震建物。 - 【請求項6】 請求項1,2または3記載の支持構造に
よって柱脚部を支持してなる柱を連層耐震壁の下層に配
置して該柱により前記連層耐震壁を支持せしめるととも
に、該柱と対をなして前記連層耐震壁を支持する他の柱
として相対的に高靭性の柱を採用し、かつ、前記連層耐
震壁を2組設けてそれら連層耐震壁どうしを鋼材ダンパ
ーとして機能するつなぎ梁により各層で連結してなるこ
とを特徴とする耐震建物。
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- 1999-04-13 JP JP10591099A patent/JP3728650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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