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JP2000290767A - アルミニウム含有部材の製造方法及びアルミニウム含有部材 - Google Patents

アルミニウム含有部材の製造方法及びアルミニウム含有部材

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Publication number
JP2000290767A
JP2000290767A JP11059011A JP5901199A JP2000290767A JP 2000290767 A JP2000290767 A JP 2000290767A JP 11059011 A JP11059011 A JP 11059011A JP 5901199 A JP5901199 A JP 5901199A JP 2000290767 A JP2000290767 A JP 2000290767A
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JP
Japan
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aluminum
nitride
containing member
base material
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP11059011A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Katsuta
祐司 勝田
Taketoshi Tsutsumi
武敏 堤
Masaaki Masuda
昌明 桝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP11059011A priority Critical patent/JP2000290767A/ja
Priority to KR1020000005403A priority patent/KR100342084B1/ko
Priority to EP00300902A priority patent/EP1026280A3/en
Priority to US09/497,892 priority patent/US6364965B1/en
Publication of JP2000290767A publication Critical patent/JP2000290767A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C12/00Solid state diffusion of at least one non-metal element other than silicon and at least one metal element or silicon into metallic material surfaces
    • C23C12/02Diffusion in one step
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の基材の表面に、簡易な方法で窒化物を形
成する新たな方法を提供することを目的とする。 【解決手段】少なくともアルミニウムを含有する基材
を、10-3torr以下、好ましくは5×10-4tor
r以下の真空中で、好ましくは450〜600℃の温度
で加熱処理する。次いで、この加熱処理と連続させて、
好ましくは1〜9.5kgf/cm2 のガス圧力のN2
雰囲気中において、好ましくは450〜600℃の温度
で加熱窒化処理し、前記基材の表面に窒化物を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム含有部
材の製造方法及びアルミニウム含有部材に関し、さらに
詳しくは、半導体製造装置及び液晶パネル製造装置など
に好適に使用することのできるアルミニウム含有部材の
製造方法及びアルミニウム含有部材に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶パネルなどの配線の微細化
に伴い、ドライプロセスによる微細加工化が進みつつあ
る。この微細加工の要求に伴って、前記半導体などの成
膜ガス及びエッチングガスなどにはハロゲン系腐食性ガ
スが用いられている。一方、このようなハロゲン系腐食
性ガスに対しては、窒化アルミニウムが高い耐腐食性を
示すことが知られている。したがって、半導体製造装置
や液晶パネル製造装置などには、窒化アルミニウムを表
面に有する部材が用いられつつある。具体的には、窒化
アルミニウム粉末を焼結した材料、CVDなどの気相成
長法を用いて基材に窒化アルミニウムを成膜した材料、
及びアルミニウム表面を改質し、窒化アルミニウムを形
成させた材料などがある。
【0003】アルミニウムは、空気と接するとその表面
が酸化されて薄い酸化膜を形成する。この酸化膜は極め
て安定な不動態相であるため、簡易な窒化法ではそのア
ルミニウム表面を窒化することができないでいた。そこ
で、特にアルミニウム表面を改質して窒化アルミニウム
を形成する方法としては、以下のような方法が開発され
てきた。
【0004】特開昭60−211061号公報には、チ
ャンバー内を所定の圧力にまで減圧した後、水素ガスな
どを導入して放電を行ってアルミニウムなどの部材の表
面を所定の温度にまで上昇させ、さらにアルゴンガスを
導入して放電を行うことにより前記部材の表面を活性化
させ、次いで、窒素ガスを導入することによりアルミニ
ウム部材の表面をイオン窒化する方法が開示されてい
る。また、特開平7−166321号公報では、アルミ
ニウム粉末からなる窒化処理用助剤をアルミニウムの表
面に接触させ、窒素ガス雰囲気中で加熱処理することに
よって、窒化アルミニウムを前記アルミニウムの表面に
形成する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭60−211061号公報に記載された方法は、放
電を利用して窒化アルミニウムを形成するために装置全
体が複雑となってコスト高を生じるという問題があっ
た。さらには、複雑な形状のもの、及び大型のものへの
窒化は困難であるという問題もあった。また、特開平7
−166321号公報に記載された方法は、窒化処理用
助剤を用いているため、得られた窒化アルミニウム表面
層には気孔が存在し、緻密性が十分ではなかった。その
ため、ハロゲン系腐食性ガスに対する耐腐食性が十分で
はなく、実用上十分とは言えないのが現状であった。
【0006】また、焼結により形成した窒化アルミニウ
ムを形成する場合においても、窒化アルミニウム粉末を
高温で焼結する必要があること、及び加工が困難である
ことなどからコスト高になるという問題があった。さら
には、大型や複雑な形状の部材を形成することは極めて
困難であった。そして、CVD法によって窒化アルミニ
ウムを形成する場合においても、装置及びプロセスが複
雑かつ高価であるとともに、大型や複雑な形状の部材を
形成することが困難であるという問題があった。
【0007】本発明は、所定の基材の表面に、簡易な方
法で窒化物を形成する新たな方法を提供すること、及び
ハロゲン系腐食性ガスに対して高い腐食性を示すアルミ
ニウム含有部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも金
属アルミニウムを含有している基材を10-3torr以
下の真空中で加熱処理した後に、この加熱処理と連続さ
せて窒素雰囲気中で加熱窒化処理することにより、前記
基材の表面に窒化物を形成することを特徴とする、アル
ミニウム含有部材の製造方法である。
【0009】また、本発明は、少なくとも金属アルミニ
ウムを含有している基材と、この基材の表面に窒化物を
有するアルミニウム含有部材であって、前記窒化物は周
期律表第2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ば
れる少なくとも一つの元素を前記基材の金属アルミニウ
ム含有部分よりも高濃度に含有することを特徴とする、
アルミニウム含有部材である。
【0010】本発明者らは、アルミニウム基材の表面に
窒化物を簡易な方法で形成する新たな方法を見いだすべ
く鋭意検討を重ねた。その結果、窒化膜を形成する以前
に、アルミニウム基材を高い真空度において加熱するの
みで、意外なことに前記アルミニウム基材の表面に窒化
膜が形成されることを見いだし、本発明をするに至っ
た。この原因については明確ではないが、高真空度での
加熱処理によってアルミニウム基材表面のアルミニウム
不動態膜が除去されたためと考えられる。
【0011】図1は、真空度1.2×10-4torrで
純アルミニウム(A1050:Al含有量>99.5
%)からなる基材をMg−Si系合金(A6061)と
ともに、540℃、2時間の加熱処理を行った後、N2
ガスを8.0kgf/cm2 の圧力となるように導入
し、555℃、2時間の加熱窒化処理を行って、前記基
材の表面に窒化膜を形成した部材表面のX線回折パター
ンを示す図である。図1のX線回折パターンからは、ア
ルミニウムの他に窒化アルミニウムからのピークが観察
される。したがって、前記部材の表面には、窒化アルミ
ニウムが形成されていることが分かる。
【0012】図2は、図1と同じ部材の断面を研磨処理
したもののSEM写真を示す図である。図2からは、基
材の表面に薄い層が形成されていることが観察される。
したがって、前記窒化アルミニウムは、層状すなわち窒
化アルミニウム膜として形成されていることが分かる。
さらに、この窒化アルミニウム膜には気孔が認められ
ず、緻密性の高いことが分かる。
【0013】本発明によれば、アルミナなどに代表され
る基材表面の不動態膜を除去し、基材の表面に直接窒化
膜を形成するために、密着力の強い窒化膜を形成するこ
とができる。さらには、加熱処理のみで窒化膜を形成す
ることが可能であるため、装置全体を簡単な構成にする
ことができる。その結果、製造コストをも削減すること
ができる。
【0014】図3は、真空度1.8×10-4torrで
Mg−Si系アルミニウム合金(A6061:Al含有
量>95%)からなる基材を540℃、2時間の加熱処
理を行った後、N2 ガスを9.5kgf/cm2 の圧力
となるように導入し、540℃、2時間の加熱窒化処理
を行って、前記基材の表面に窒化アルミニウム膜を形成
した部材の断面SEM写真を示すものである。これから
明らかなように、Mg−Si系アルミニウム合金を使用
した場合においても、約10μmの厚さの窒化アルミニ
ウム膜が形成されていることが分かる。
【0015】図4は、上のようにして形成した部材表面
のEDSピーク強度を示す図である。図4からは、周期
律表第4B族であるSi及び周期律表第2A族であるM
gの含有量が、窒化アルミニウム膜において基材のA6
061 合金よりも大きくなっていることが分かる。この
ように窒化アルミニウムなどの窒化物が、Siなどの周
期律表第4B族、並びにマグネシウムなどの周期律表第
2A族を基材よりも多く含有するとAlの窒化が促進さ
れると考えられるる。
【0016】また、図4からは窒化アルミニウム中の酸
素濃度がA6061合金基材の金属アルミニウムの含有
部分の濃度よりも小さくかつ、膜中で均一に分布してい
ることが分かる。これによって、基材表面に形成された
窒化アルミニウムなどの窒化物が均質に生成されたこと
がわかる。
【0017】以上のような2つの効果が相まって、以下
の実施例に示すように基材表面に形成された窒化物は高
い硬度を有するとともに、極めて高い耐腐食性を有する
ようになる。
【0018】なお、本発明でいう「連続」とは、上記真
空中での加熱処理の後に、何ら他の操作を行うことな
く、真空状態を維持したまま前記加熱窒化処理を行うこ
とをいう。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。本発明のアルミニウム含有
部材の製造方法では、少なくともアルミニウムを含有す
る基材を10-3torr以下の真空中で加熱処理するこ
とが必要であり、好ましくは5×10-4torr以下で
ある。
【0020】また、加熱処理における真空中の圧力の下
限は特に限定されるものではないが、10-6torrで
あることが好ましく、さらには10-5torrであるこ
とが好ましい。これ以上の真空度を達成するためには、
大型のポンプや高真空対応のチャンバーが必要となって
コスト高になる。さらには、窒化物の形成速度などにも
影響を及ぼさない。
【0021】加熱処理の温度の下限は、基材表面に窒化
物を形成できるものであれば特に限定されるものではな
い。しかしながら、窒化物を簡易かつ短時間で形成する
ためには450℃であることが好ましく、さらには50
0℃であることが好ましい。また、加熱処理の温度の上
限についても特に限定されるものではないが、650℃
であることが好ましく、さらには600℃であることが
好ましい。これによって、アルミニウムを含有した基材
の加熱変形を防止することができる。
【0022】また、本発明のアルミニウム含有部材の製
造方法では、前記基材を真空中で加熱処理した後に、連
続して窒素雰囲気中で加熱窒化処理することが必要であ
る。ここでいう「連続」とは、上記「課題を解決するた
めの手段」で述べたようにして行う処理のことをいう。
【0023】この加熱窒化処理における窒素雰囲気とし
ては、N2 ガス、NH3ガス、及びN2 /NH3 の混合
ガスなどの窒素を含有したガスを用いることができる。
前記加熱処理した基材の表面に、窒化膜を比較的短時間
で厚く形成するためには、前記窒素雰囲気中のガス圧力
を1kg/cm2 以上にすることが好ましく、さらには
1〜2000kg/cm2 の範囲に設定することが好ま
しく、特には1.5〜9.5kg/cm2 の範囲に設定
することが好ましい。
【0024】また、加熱窒化処理における加熱温度は、
前記基材の表面に窒化膜を形成できれば特に限定される
ものではない。しかしながら、上記同様に、比較的厚い
窒化膜を比較的短時間で形成するためには、加熱温度の
下限が450℃であることが好ましく、さらには500
℃であることが好ましい。
【0025】さらに、加熱窒化処理の加熱温度の上限
は、650℃であることが好ましく、さらには600℃
であることが好ましい。これによって、前記同様に、ア
ルミニウムを含有した基材の加熱変形を効果的に防止す
ることができる。
【0026】このようにして基材の表面に形成された窒
化物は、必ずしも図2に示すように、層状すなわち膜状
に存在する必要はない。すなわち、基材自体に耐腐食性
を付与することのできる状態に窒化物が形成されていれ
ばその形態については限定されない。したがって、微細
な粒子が密に分散したような状態や窒化物と基材との界
面が明確ではなく、窒化物の組成が基材に向かって傾斜
しているような状態をも含むものである。
【0027】本発明の製造方法において、基材として使
用することのできる材料は少なくともアルミニウムを含
有していることが必要である。これによって鋳造や焼結
などを簡易に行うことができ、半導体製造装置などの大
型の部材を簡易に形成することができる。また、このよ
うな基材は、大気中に放置した場合において、その表面
にアルミナなどの不動態膜を形成する。したがって、本
発明の製造方法を好適に用いることができる。
【0028】以上のような製造方法によって基材表面に
形成される窒化物は、周期律表第2A族、3A族、4A
族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの元素を前
記基材の金属アルミニウムの金属部分の表面よりも高濃
度に含有することが好ましい。また、前記窒化物の酸素
濃度が前記基材の酸素濃度よりも低いことが好ましい。
これによって、「課題を解決するための手段」で述べた
ような窒化の促進及び窒化物の均質化の効果が得られる
ため、前記窒化物の硬度を高くすることができるととも
に、前記窒化物に対して優れた耐食性を付与することが
できる。
【0029】窒化物中における前記周期律表第2A族、
3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一
つの元素の含有量は、基材の金属アルミニウム部分の含
有量の1.1倍以上であることが好ましく、さらには
1.5倍以上であることが好ましい。
【0030】これらの効果は、Mg及びSiにおいてよ
り顕著に発現する。したがって、上記周期律表第2A
族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくと
も一つの元素としては、周期律表第2A族に属するMg
及び周期律表第4B族に属するSiから選ばれる少なく
とも一つであることが好ましい。
【0031】また、前記窒化物中の酸素濃度は前記基材
中の酸素濃度の2/3以下であることが好ましい。
【0032】さらに、前記窒化物中における周期律表第
2A族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少な
くとも一つの元素、並びに酸素濃度は窒化物の応力集
中、熱疲労や機械的特性の安定の観点より、窒化物の厚
さ方向において均一に分散していることが好ましい。
【0033】上記のように、酸素濃度及び周期律表第2
A族などの元素を含有する窒化物は、優れた耐食性を有
する。このため、前記のような腐食性ガスに前記窒化物
を暴露した際の重量変化は極めて小さくなり、特に基材
を前記腐食性ガスに暴露した場合に比べて著しく小さく
なる。
【0034】前記のような酸素濃度及び周期律表第2A
族などの元素を含有する窒化物が、高硬度及び高靱性、
並びに高耐腐食性を有するためには、その膜厚が2μm
以上であることが好ましく、さらには5μm以上である
ことが好ましい。
【0035】上記のような窒化物はアルミニウムを含有
する基材を用いているため、その主成分は窒化アルミニ
ウムからなる場合が多い。前記窒化物の主成分が窒化ア
ルミニウムであることにより、低熱膨張性及び高熱伝導
性という効果を得ることができる。そして、本発明のア
ルミニウム含有部材は、少なくともアルミニウムを含有
している基材を具えることが必要である。さらに、上記
のような酸素濃度及び周期律表第2A族などの元素を含
有する窒化物においては、前記基材はアルミニウム、ア
ルミニウム合金、並びに低熱膨脹材料と複合化したアル
ミニウム及びアルミニウム合金から選ばれる少なくとも
一つであることが好ましい。
【0036】上記低熱膨脹材料としては、AlN、Si
C、SiN、BeO、AlO、Mo、W、及びカーボン
などを例示することができる。これらの材料はアルミニ
ウムを含有する基材中においてネットワークを形成し、
基材自体の剛性を増大する。低熱膨張材料の含有量は1
0〜90vol %が好ましい。
【0037】また、金属、セラミックス、及びこれらの
複合材料などからなる部材の表面を、アルミニウム又は
アルミニウム合金により被覆したものを前記基材として
用いることもできる。
【0038】アルミニウムは、その表面に極めて強固で
厚い不動態膜を形成する傾向がある。したがって、基材
としてアルミニウム及びアルミニウム合金を用いる場合
は、Mg、Sr、Ca、Ba、Beなどの周期律表第2
A族、Ceなどの周期律表第3A族、Ti、Zrなどの
周期律表第4A族、及びB,Siなどの周期律表第4B
族に属する元素から選ばれる少なくとも一つを有する物
質の蒸気を含有する雰囲気中において、前記加熱処理及
び前記加熱窒化処理を行うことが好ましい。これによっ
て、前記不動態膜の除去及びアルミニウムの窒化を効率
よく行うことができる。加熱真空処理で生成した金属蒸
気によるアルミニウム表面の酸素の吸収や、加熱窒化処
理時の窒化族の生成が窒化膜生成を促進していると考え
られる。
【0039】このような金属蒸気を生成させる物質とし
ては前記金属蒸気を生成させることができる物質であれ
ば、特に限定されない。具体的には前記金属単体の他
に、これら金属を含有するA6061(Mg−Si系合
金)、A7075(Zn−Mg系合金)、及びA508
3(Mg系合金)などを例示することができる。そし
て、これらの物質を加熱処理及び加熱窒化処理時に、被
窒化基材と共存させることが望ましい。A6061(M
g−Si系合金)、A7075(Zn−Mg系合金)、
及びA5083(Mg系合金)など、窒化膜生成を促進
する金属が基材自体に含有されている場合は、別途共存
させなくてもよい。
【0040】以上のようにして基材表面に窒化物を形成
することにより、前記窒化物は、周期律表第2A族、3
A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つ
の元素を前記基材よりも高濃度に含有することができ
る。また、前記窒化物中の酸素濃度を前記基材中の酸素
濃度よりも低くすることができる。
【0041】本発明のアルミニウム含有部材は、以下の
ようにして形成する。所定の基材を真空装置を具えたチ
ャンバー内のサンプル台上に設置する。次いで、このチ
ャンバー内を真空ポンプで所定の真空度になるまで排気
する。次いで、前記チャンバー内に設置された抵抗発熱
体や赤外線ランプなどの加熱装置により、前記部材を所
定の温度にまで加熱する。そして、この温度において1
〜10時間保持する。この加熱処理においては、基材の
全体が所定の温度にまで達している必要はなく、不動態
膜が形成されている基材の表面部分が所定の温度に達し
ていればよい。
【0042】加熱処理が終了した後、前記チャンバー内
に窒素ガスなどを導入してチャンバー内を窒素雰囲気に
する。そして、前記加熱装置の入力パワーを調節するこ
とによって、前記基材を所定の温度にまで加熱する。そ
して、この温度において1〜30時間保持する。この場
合においても、基材の全体が所定の温度にまで達してい
る必要はなく、窒化膜を形成すべき基材の表面部分が所
定の温度にまで達していればよい。
【0043】所定の時間が経過した後、加熱を中止する
ともに窒素ガスの導入を中止して加熱窒化処理を終了す
る。その後、炉内冷却して、前記部材を外部に取り出
す。上記においては、加熱処理と加熱窒化処理とを同一
バッチで行ったが、これらの処理が連続していれば別バ
ッチで行うこともできる。
【0044】本発明のアルミニウム含有部材は、耐食性
が要求される半導体製造装置用部品、液晶製造装置用部
品、及び自動車部品などに使用することができる。さら
に、本発明のアルミニウム含有部材は放熱性に優れてい
る。したがって、本発明のアルミニウム含有部材は放熱
性が要求される放熱部品においても好適に用いることが
できる。
【0045】図5は、本発明のアルミニウム含有部材を
用いた放熱部品の一例を示す断面図である。図5に示す
放熱部品10は、基材1上に窒化物2が形成され、さら
にこの窒化物2の上に結合剤3を介して、窒化アルミニ
ウム又は窒化珪素からなる基板4が形成されている。そ
して、この基板4上に結合剤5を介してSiチップ6が
積層されている。基材1と窒化物2とで本発明のアルミ
ニウム含有部材7を構成している。窒化アルミニウム及
び窒化珪素は高熱伝導、高絶縁性という性質を有するた
め、アルミニウム含有部材7上に結合剤3を介してこれ
らの材料からなる基板4を形成することにより、Siチ
ップの発熱を効率よく除去できる。
【0046】このため基板4に使用する窒化アルミニウ
ムの熱伝導率は、150W/mK以上であることが好ま
しく、さらには180W/mK以上であることが好まし
い。また、基板4に使用する窒化珪素の熱伝導率は70
W/mK以上であることが好ましく、さらには80W/
mK以上であることが好ましい。なお、発熱部品であれ
ば、Siチップ以外にも当然適用できる。結合剤5は、
液相温度が600℃以下のロウ材を用いることが好まし
い。例えば、BA4004やはんだを用いることができ
る。
【0047】本発明のアルミニウム含有部材を図5に示
すような放熱部品10に使用する場合、窒化物2の厚さ
は2μm以上が好ましく、さらに5〜20μmであるこ
とが好ましい。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 実施例1〜9 (アルミニウム含有部材の製造)基材として、大きさ5
0×50×2mmの純アルミニウム(A1050:Al
含有量>99.5%)を用いた。この基材及びこの基材
と同形状のMg−Si系Al合金(A6061)を黒鉛
ヒータ製の電気炉内の黒鉛サヤ内に設置した後、真空ポ
ンプによって前記電気炉内の真空度が表1に示すような
値になるまで排気した。次いで、ヒータに通電すること
によって前記基材を表1に示す温度にまで加熱した後、
この加熱温度において表1に示すそれぞれの時間保持し
た。
【0049】次いで、表1に示す設定圧力になるまで前
記電気炉内にN2 ガスを導入した。設定圧力に到達後、
2L/分の割合でN2 ガスを導入し、炉内圧力が設定圧
力の±0.05kg/cm2 となるように制御した。そ
の後、基材の温度及び保持時間を表1に示すように設定
して純アルミニウム基材の表面に窒化膜の形成を行っ
た。窒化膜の形成された部材の温度が50℃以下になっ
たところで、前記部材を前記チャンバーから取り出し
た。
【0050】得られた部材の表面は褐色又は黒色を呈し
ていた。この部材の表面をX線回折によって調べたとこ
ろ、窒化アルミニウムからのピークが観察され、前記部
材の表面には窒化アルミニウムが形成されていることが
判明した。一方、部材の断面をSEMによって観察した
ところ、前記窒化アルミニウムは層状に存在しているこ
とが判明した。また、窒化アルミニウム膜の厚さを実測
したところ、各々表1に示すような値であった。
【0051】(はく離試験)窒化アルミニウム膜が形成
された部材にはく離試験を行って窒化アルミニウム膜の
密着性を評価した。はく離試験は、市販のガムテープを
10mm幅に切断し、窒化アルミニウム膜表面に強く貼
り付けた後、テープをはがすことによって実施した。表
1に示すように、上記のようにして形成された窒化アル
ミニウム膜のはく離は認められず、前記窒化アルミニウ
ムの密着力が極めて高いことが分かる。
【0052】(熱サイクル試験による特性評価)窒化ア
ルミニウム膜の形成された部材に熱サイクル試験を行っ
て、窒化アルミニウム膜の密着強度を調べた。熱サイク
ル試験は、10-4torr以下の真空値において、前記
部材を室温から450℃の温度にまで600℃/時間の
昇温速度で昇温し、450℃で2時間保持した後、10
0℃/時間の降温速度で降温し、100℃まで冷却する
工程を1サイクルとして計10サイクル実施した。
【0053】熱サイクル試験後の部材の表面をSEMに
よって観察したところ、アルミニウム基材の表面に形成
された窒化アルミニウム膜において、クラックの発生は
見られなかった。同様に、前記部材の断面をSEM観察
したところ、窒化アルミニウム膜の剥離は確認されなか
った。また、テープによるはく離試験を実施したとこ
ろ、窒化アルミニウム膜のはく離は見られなかった。す
なわち、本発明の方法によって形成された窒化膜は、極
めて高い密着性を有することが分かる。
【0054】比較例1〜9 加熱処理条件における真空度、加熱温度、及び加熱時間
を表1に示すように設定し、加熱窒化処理条件における
窒素雰囲気ガス圧力、加熱温度、及び加熱時間を表1に
示すように設定した以外は、実施例1〜8と同様にして
実施した。得られた部材の表面をX線回折によって調べ
たところ、窒化アルミニウムからのピークは観察されな
かった。また、断面SEM観察においても、基材となる
アルミニウム上には何の物質も形成されていないことが
判明した。
【0055】
【表1】
【0056】実施例10〜16 (アルミニウム含有部材の製造)Al合金基材として、
大きさ50×50×2mmのMg−Si系合金(A60
61)、Cu−Mg合金(A2024)、Mg系合金
(A5083)、Zn−Mg系合金(A7075)を用
い、さらに加熱処理条件における真空度、加熱温度、及
び加熱時間を表2に示すように設定し、加熱窒化処理条
件における窒素雰囲気ガス圧力、加熱温度、及び加熱時
間を表2に示すように設定した以外は、実施例1〜9と
同様にして実施した。
【0057】得られた部材はいずれも表面が褐色又は黒
色を呈していた。また、得られた部材の表面をX線回折
によって調べたところ、窒化アルミニウムからのピーク
が観察され、前記部材の表面には窒化アルミニウムが形
成されていることが判明した。さらに、部材の断面をS
EMによって観察したところ、前記窒化アルミニウムは
層状に存在していることが判明した。また、窒化アルミ
ニウム膜の厚さを実測したところ、各々表2に示すよう
な値であった。
【0058】(はく離試験)実施例1〜9と同様にして
部材表面に形成された窒化アルミニウム膜のはく離試験
を実施した。表2に示す結果から明らかなように、前記
窒化アルミニウム膜のはく離は認められず、前記窒化ア
ルミニウム膜の密着力が高いことが分かる。
【0059】(熱サイクル試験による特性評価)実施例
1〜9と同様にして、窒化アルミニウム膜の形成された
部材に熱サイクル試験を行って、窒化アルミニウム膜の
密着強度を調べた。熱サイクル試験後の部材の表面をS
EMによって観察したところ、基材表面に形成された窒
化アルミニウム膜において、クラックの発生は見られな
かった。同様に、部材の断面をSEM観察したところ、
窒化アルミニウム膜の剥離も確認されなかった。さら
に、テープによるはく離試験を実施したところ、窒化ア
ルミニウム膜のはく離は見られなかった。すなわち、本
発明の方法によって形成された窒化膜は、極めて高い密
着性を有することが分かる。
【0060】比較例10〜13 加熱処理条件における真空度、加熱温度、及び加熱時間
を表2に示すように設定し、加熱窒化処理条件における
窒素雰囲気ガス圧力、加熱温度、及び加熱時間を表2に
示すように設定した以外は、実施例10〜13と同様に
して実施した。得られた部材の表面をX線回折によって
調べたところ、窒化アルミニウムからのピークは観察さ
れなかった。また、断面SEM観察においても、基材と
なるアルミニウム上には何の物質も形成されていないこ
とが判明した。
【0061】
【表2】
【0062】実施例17 大きさ50×50×2mmのMg−Si系Al合金(A
6061)表面に、溶射によって純度99. 9%のアル
ミニウムを厚さ50μmに被覆したものを基材として用
いた以外は、実施例7と同じ条件で加熱処理及び加熱窒
化処理を実施した。得られた部材をX線回折及びSEM
観察によって調べたところ、厚さ7μmの窒化アルミニ
ウム膜の形成されていることが判明した。さらに、上記
実施例同様にしてテープはくり試験及び熱サイクル試験
を実施した結果、クラックの発生や膜のはく離は認めら
れなかった。すなわち、本実施例によって得られた窒化
アルミニウム膜は極めて密着力の高いことが分かる。
【0063】実施例18 大きさ50×50×2mmのNi系合金表面に、溶射に
よって純度99. 9%のアルミニウムを厚さ50μmに
被覆したものを基材として用いた以外は、実施例7と同
じ条件で加熱処理及び加熱窒化処理を実施した。得られ
た部材をX線回折及びSEM観察によって調べたとこ
ろ、厚さ8μmの窒化アルミニウム膜の形成されている
ことが判明した。さらに、上記実施例同様にしてテープ
はくり試験及び熱サイクル試験を実施した結果、クラッ
クの発生や膜のはく離は認められなかった。すなわち、
本実施例によって得られた窒化アルミニウム膜は極めて
密着力の高いことが分かる。
【0064】実施例19 大きさ50×50×5mmのアルミニウム30重量%及
び窒化アルミニウム70重量%からなる複合材料を基材
として用いた以外は、実施例7と同じ条件にて加熱処理
及び加熱窒化処理を実施した。得られた部材をX線回折
及びSEM観察によって調べたところ、複合材料中のア
ルミニウム表面に厚さ10μmの窒化アルミニウム膜の
形成されていることが判明した。また、加熱処理及び加
熱窒化処理を行う前のX線回折パターンに対し、アルミ
ニウムからのピーク強度が減少し、窒化アルミニウムか
らのピーク強度が増大していた。さらに、上記実施例同
様にしてテープはくり試験及び熱サイクル試験を実施し
た結果、クラックの発生や膜のはく離は認められなかっ
た。すなわち、本実施例によって得られた窒化アルミニ
ウム膜は極めて密着力の高いことが分かる。
【0065】実施例20 本実施例では、実施例11で得られたアルミニウム含有
部材に対して耐食性試験を実施した。耐食性試験は、N
3 75sccm/N2 100sccmの混合ガスを用
い、圧力0.1Torr下、550℃の条件においてR
Fパワー800Wを印加して5時間行った。試験前後の
前記アルミニウム含有部材の重量変化を調べたところ、
0.50g/cm2 重量が増加していた。また、耐食性
試験前のアルミニウム含有部材を窒化物層と基材の元素
含有量をEDS分析した。分析はフィリップス社製SE
M(型式XL−30)とEDAX社製EDS検出器(型
式CDU−SUTW)を用い、加速電圧20kV、倍率
10000倍で5カ所スポット分析を行い、平均した。
なお、参考までに基材のJIS規格を表3に示す。その
結果、窒化物と基材との酸素、Mg、Siの存在比は表
3に示すような値であり、窒化物と基材とにおける酸素
などの存在比は、表4に示すような値であった。
【0066】実施例21 実施例3で得られたアルミニウム含有部材に、実施例2
0と同様にして耐食性試験を実施した。その結果、0.
50g/cm2 重量が増加していた。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】比較例14 純アルミニウム(A1050)に対して実施例20と同
様にして耐食性試験を実施した。その結果、6.50g
/cm2 重量が増加した。
【0070】比較例15 Mg−Si系アルミニウム合金(A6061)に対して
実施例20と同様にして耐食性試験を実施した。その結
果、0.90g/cm2 重量が増加した。
【0071】実施例20及び21と比較例14及び15
とから、本発明のアルミニウム含有部材は耐食性試験前
後の重量変化が少なく、腐食性ガスに対する耐腐食性の
高い事が分かる。
【0072】実施例22 本実施例においては、本発明のアルミニウム含有部材を
用いて図5に示すような放熱部品の本発明のアルミニウ
ム含有部材7と基板4の接合体を作製した。アルミニウ
ム含有部材7には、実施例11で作製したものを使用し
た。結合剤3及び5として、ロウ材(JIS BA40
04)を用いた。基板4には一辺が50mmで厚さd3
が1mmで、熱伝導率が150W/mKの窒化アルミニ
ウム基板を用いた。接合条件は、610℃で10分間、
10-5Torrの真空下、荷重を600g/cm2 とし
た。
【0073】以上のような放熱部品に対し、大気中、室
温から昇温速度10℃/minで200℃まで加熱して
1時間保持した後、4時間掛けて室温まで放冷するとい
う熱サイクルを10回負荷することにより、熱サイクル
試験を実施した。その結果、アルミニウム含有部材7と
基板4との間にはく離は見られず、良好な接合状態を維
持していた。
【0074】実施例23 基板4として窒化アルミニウム基板に代えて、厚さd3
が0.5mmで、熱伝導率が70W/mKの窒化珪素基
板を用いた以外は、実施例22と同様にして実施した。
得られた放熱部品に対し、実施例22と同様の熱サイク
ル試験を実施したところ、アルミニウム含有部材7と基
板4との間にはく離は見られず、良好な接合状態を維持
していた。
【0075】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない範囲内においてあらゆる変形や変更も可能であ
る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルミニ
ウム含有部材の製造方法は、窒化膜を形成すべき基材を
加熱窒化処理する以前において、真空中で加熱処理する
ようにしている。これによって、続く加熱窒化処理のみ
で基材表面に窒化物の形成が可能となる。また、本発明
のアルミニウム含有部材は、基材表面に形成された窒化
物が前記基材よりも、周期律表第2A族などの元素を高
濃度に含有する、さらに、前記窒化物の酸素含有量が前
記基材よりも小さい。したがって、従来にない高い耐腐
食性を有するとともに、硬さの高いアルミニウム含有部
材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製造されたアルミニウ
ム含有部材の表面の、X線回折パターンを示す図であ
る。
【図2】本発明の製造方法により製造されたアルミニウ
ム含有部材の、断面SEM写真を示す図である。
【図3】本発明のアルミニウム含有部材の断面SEM写
真を示す図である。
【図4】本発明のアルミニウム含有部材表面のEDSピ
ーク強度を示す図である。
【図5】本発明のアルミニウム含有部材を用いた放熱部
品の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材、2 窒化物、3,5 結合剤、4 基板、6
Siチップ、7 アルミニウム含有部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 691 H01L 23/36 M (72)発明者 桝田 昌明 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K028 AA02 AB02 AC03 AC08 5F036 BA03 BA23 BD03 BD14

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも金属アルミニウムを含有してい
    る基材を10-3torr以下の真空中で加熱処理した後
    に、この加熱処理と連続させて窒素雰囲気中で加熱窒化
    処理することにより、前記基材の表面に窒化物を形成す
    ることを特徴とする、アルミニウム含有部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記加熱処理の際の真空中の圧力が、10
    -3〜10-6torrであることを特徴とする、請求項1
    に記載のアルミニウム含有部材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記加熱処理の際の加熱温度が、450〜
    650℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記
    載のアルミニウム含有部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記加熱窒化処理の際の窒素雰囲気中のガ
    ス圧力が、1kg/cm 2 以上であることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれか一に記載のアルミニウム含
    有部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記加熱窒化処理の際の窒素雰囲気中のガ
    ス圧力が、1〜2000kg/cm2 であることを特徴
    とする、請求項4に記載のアルミニウム含有部材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記加熱窒化処理の際の窒素雰囲気中のガ
    ス圧力が、1.5〜9.5kg/cm2 であることを特
    徴とする、請求項5に記載のアルミニウム含有部材の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記加熱窒化処理の際の加熱温度が、45
    0〜650℃であることを特徴とする、請求項1〜6の
    いずれか一に記載のアルミニウム含有部材の製造方法。
  8. 【請求項8】前記基材を、周期律表第2A族、3A族、
    4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属
    の蒸気を含有する物質の存在下において前記加熱処理を
    実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一
    に記載のアルミニウム含有部材の製造方法。
  9. 【請求項9】前記基材を、周期律表第2A族、3A族、
    4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの金属
    を含有する物質の存在下において前記加熱窒化処理を実
    施することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に
    記載のアルミニウム含有部材の製造方法。
  10. 【請求項10】少なくとも金属アルミニウムを含有して
    いる基材と、この基材の表面に窒化物を有するアルミニ
    ウム含有部材であって、前記窒化物は周期律表第2A
    族、3A族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくと
    も一つの元素を前記基材の金属アルミニウム含有部分よ
    りも高濃度に含有することを特徴とする、請求項1〜9
    のいずれか一に記載のアルミニウム含有部材の製造方
    法。
  11. 【請求項11】前記窒化物の周期律表第2A族、3A
    族、4A族、及び4B族から選ばれる少なくとも一つの
    元素の含有量が、前記基材の金属アルミニウム含有部分
    の含有量の1.1倍以上であることを特徴とする、請求
    項10に記載のアルミニウム含有部材。
  12. 【請求項12】前記窒化物の含有する元素が、Mg及び
    Siの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項
    10又は11に記載のアルミニウム含有部材。
  13. 【請求項13】前記窒化物の酸素濃度が前記基材の金属
    アルミニウム含有部分の酸素濃度の2/3以下であるこ
    とを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一に記載
    のアルミニウム含有部材。
  14. 【請求項14】前記窒化物の硬度が前記基材の金属アル
    ミニウム含有部分の硬度よりも大きいことを特徴とす
    る、請求項10〜13のいずれか一に記載のアルミニウ
    ム含有部材。
  15. 【請求項15】前記窒化物を腐食性ガスに暴露した際の
    重要変化が、前記基材を腐食性ガスに暴露した際の重量
    変化よりも小さいことを特徴とする、請求項10〜14
    のいずれか一に記載のアルミニウム含有部材。
  16. 【請求項16】前記窒化物の厚さが2μm以上であるこ
    とを特徴とする、請求項10〜15のいずれか一に記載
    のアルミニウム含有部材。
  17. 【請求項17】前記窒化物の主成分が窒化アルミニウム
    であることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか
    一に記載のアルミニウム含有部材。
  18. 【請求項18】前記基材は、アルミニウム、アルミニウ
    ム合金、並びに低熱膨張材料と複合化したアルミニウム
    及びアルミニウム合金から選ばれる少なくとも一つであ
    ることを特徴とする、請求項10〜17のいずれか一に
    記載のアルミニウム含有部材。
  19. 【請求項19】前記低熱膨脹材料は、AlN、SiC、
    Si3 4 、BeO、Al2 3 、BN、Mo、W、及
    びカーボンから選ばれる少なくとも一つであることを特
    徴とする、請求項18に記載のアルミニウム含有部材。
  20. 【請求項20】請求項10〜19のいずれか一に記載の
    アルミニウム含有部材を具えることを特徴とする、放熱
    部品。
  21. 【請求項21】前記アルミニウム含有部材上に接合剤を
    介して窒化アルミニウム又は窒化珪素からなる基板を具
    えることを特徴とする、請求項20に記載の放熱部品。
  22. 【請求項22】前記窒化アルミニウムからなる基板の熱
    伝導率が150W/mK以上であることを特徴とする、
    請求項21に記載の放熱部品。
  23. 【請求項23】前記窒化珪素からなる基板の熱伝導率が
    70W/mK以上であることを特徴とする、請求項21
    に記載の放熱部品。
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