JP2000290506A - ポリサルホン樹脂組成物および製造方法 - Google Patents
ポリサルホン樹脂組成物および製造方法Info
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- JP2000290506A JP2000290506A JP11102221A JP10222199A JP2000290506A JP 2000290506 A JP2000290506 A JP 2000290506A JP 11102221 A JP11102221 A JP 11102221A JP 10222199 A JP10222199 A JP 10222199A JP 2000290506 A JP2000290506 A JP 2000290506A
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 滞留熱安定性を損なわずに機械的特性や耐熱
性が改良されたポリサルホン樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)ポリサルホン樹脂、及び(b)ア
ミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物と膨潤性ケ
イ酸塩とを分散媒中で混合することによって調製される
粘土層間化合物、を含有するポリサルホン樹脂組成物。
性が改良されたポリサルホン樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (a)ポリサルホン樹脂、及び(b)ア
ミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物と膨潤性ケ
イ酸塩とを分散媒中で混合することによって調製される
粘土層間化合物、を含有するポリサルホン樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリサルホン樹脂
および粘土層間化合物を含有するポリサルホン樹脂組成
物、および該樹脂組成物の製造方法に関する。
および粘土層間化合物を含有するポリサルホン樹脂組成
物、および該樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリサルホン樹脂は優れた耐熱性、透明
性、耐衝撃性、寸法精度および耐クリープ特性を利用し
て、電気・電子、精密機械、食品・医療など、種々の分
野で広く用いられている。ポリサルホン樹脂にガラス繊
維のような繊維状強化剤を配合することにより、成形収
縮率がより小さくなり機械的強度や弾性率が向上するた
め、主に電子部品として好適な材料となり、リレー、ス
イッチ、コネクター、ソケット、コイルボビンなどに応
用されている。ガラス繊維にはエポキシ樹脂などの収束
剤で表面処理を施し、ガラス繊維自体の収束性を付与し
て配合性を容易にしたりポリサルホン樹脂との親和性を
向上させているが、その様な場合、ポリサルホン樹脂の
溶融熱安定性が損なわれる場合がある。すなわち、ポリ
サルホン樹脂の溶融粘度が比較的高い理由から、特に小
物で複雑な形状を有する部品や薄肉部を有する部品など
を射出成形する場合に高い成形温度・射出圧力・射出速
度を必要とする為、射出時あるいシリンダー内での溶融
滞留時の熱が原因で収束剤による架橋反応を起こして増
粘・ゲル化に至る場合もあった。また、ガラス繊維が射
出成形時に配向するために異方性が生じて寸法精度が低
下したり、ガラス繊維の浮きによる成形品の表面平滑性
が損なわれるという別の問題も発生していた。
性、耐衝撃性、寸法精度および耐クリープ特性を利用し
て、電気・電子、精密機械、食品・医療など、種々の分
野で広く用いられている。ポリサルホン樹脂にガラス繊
維のような繊維状強化剤を配合することにより、成形収
縮率がより小さくなり機械的強度や弾性率が向上するた
め、主に電子部品として好適な材料となり、リレー、ス
イッチ、コネクター、ソケット、コイルボビンなどに応
用されている。ガラス繊維にはエポキシ樹脂などの収束
剤で表面処理を施し、ガラス繊維自体の収束性を付与し
て配合性を容易にしたりポリサルホン樹脂との親和性を
向上させているが、その様な場合、ポリサルホン樹脂の
溶融熱安定性が損なわれる場合がある。すなわち、ポリ
サルホン樹脂の溶融粘度が比較的高い理由から、特に小
物で複雑な形状を有する部品や薄肉部を有する部品など
を射出成形する場合に高い成形温度・射出圧力・射出速
度を必要とする為、射出時あるいシリンダー内での溶融
滞留時の熱が原因で収束剤による架橋反応を起こして増
粘・ゲル化に至る場合もあった。また、ガラス繊維が射
出成形時に配向するために異方性が生じて寸法精度が低
下したり、ガラス繊維の浮きによる成形品の表面平滑性
が損なわれるという別の問題も発生していた。
【0003】機械的強度や弾性率を向上させるための別
の手段としては粒子状無機物が利用されてきた。粒子状
無機物には収束剤は必要ないので溶融熱安定性を損なう
こともなく、また射出成形時に配向することもないので
異方性が生じる心配もない。しかしながら、粒子状無機
物を単に樹脂と溶融混練するだけでは、機械強度や弾性
率の改善効果は十分なものではなかった。こうした粒子
状無機物の配合における欠点は、一般に、該粒子状無機
物の分散粒子のサイズが大きすぎることに起因するもの
と考えられ、粒子の均一微分散化による物性改善の試み
が種々なされている。
の手段としては粒子状無機物が利用されてきた。粒子状
無機物には収束剤は必要ないので溶融熱安定性を損なう
こともなく、また射出成形時に配向することもないので
異方性が生じる心配もない。しかしながら、粒子状無機
物を単に樹脂と溶融混練するだけでは、機械強度や弾性
率の改善効果は十分なものではなかった。こうした粒子
状無機物の配合における欠点は、一般に、該粒子状無機
物の分散粒子のサイズが大きすぎることに起因するもの
と考えられ、粒子の均一微分散化による物性改善の試み
が種々なされている。
【0004】粒子状無機物として層状ケイ酸塩を用い、
該層状ケイ酸塩を微粒子化する目的から層を劈開し易く
する技術として、(1)ヘキサメチレンジアミン等の低
分子化合物(インターカラントモノマー)を層状ケイ酸
塩の層間にインターカレートして層間化合物とする技術
(特開平9−175816号、欧州特許0780340
号)が開示されている。
該層状ケイ酸塩を微粒子化する目的から層を劈開し易く
する技術として、(1)ヘキサメチレンジアミン等の低
分子化合物(インターカラントモノマー)を層状ケイ酸
塩の層間にインターカレートして層間化合物とする技術
(特開平9−175816号、欧州特許0780340
号)が開示されている。
【0005】また、別の技術としては、(2)熱可塑性
樹脂中に平均層厚が25〜1000Åでアスペクト比が
20〜300である層状ケイ酸塩が分散された樹脂組成
物に関する発明(特開平9−124836号公報)が開
示されている。
樹脂中に平均層厚が25〜1000Åでアスペクト比が
20〜300である層状ケイ酸塩が分散された樹脂組成
物に関する発明(特開平9−124836号公報)が開
示されている。
【0006】しかし上記(1)の発明では、層間化合物
は開示されているが、該層間化合物を劈開してポリサル
ホン樹脂へ均一微分散化して物性を改善する技術に関し
ては全く開示されていないため、ポリサルホン樹脂中に
層状粒子を微分散させて、物性が改善されたポリサルホ
ン樹脂組成物を得る事は困難である。
は開示されているが、該層間化合物を劈開してポリサル
ホン樹脂へ均一微分散化して物性を改善する技術に関し
ては全く開示されていないため、ポリサルホン樹脂中に
層状粒子を微分散させて、物性が改善されたポリサルホ
ン樹脂組成物を得る事は困難である。
【0007】また、上記(2)の技術では、層状ケイ酸
塩として膨潤性雲母を用い、水で膨潤化した膨潤性雲母
またはキシレンで膨潤化したアルキルアンモニウム処理
膨潤性雲母をポリプロピレン樹脂等と2軸押出して得ら
れる樹脂組成物の技術が開示されている。しかしなが
ら、上記技術をポリサルホン樹脂に直接適用しても、層
状ケイ酸塩は部分的に微分散化されてはいても不完全で
かつ不均一であるため所望の物性を有するポリサルホン
樹脂組成物を得ることができない。
塩として膨潤性雲母を用い、水で膨潤化した膨潤性雲母
またはキシレンで膨潤化したアルキルアンモニウム処理
膨潤性雲母をポリプロピレン樹脂等と2軸押出して得ら
れる樹脂組成物の技術が開示されている。しかしなが
ら、上記技術をポリサルホン樹脂に直接適用しても、層
状ケイ酸塩は部分的に微分散化されてはいても不完全で
かつ不均一であるため所望の物性を有するポリサルホン
樹脂組成物を得ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、滞留熱安定
性、寸法精度、表面平滑性を損なわずに、機械強度や弾
性率が十分に改善されたポリサルホン樹脂組成物を得る
技術は未だ提供されていないのが現状であり、本発明の
目的はこのような従来の問題を解決することにある。
性、寸法精度、表面平滑性を損なわずに、機械強度や弾
性率が十分に改善されたポリサルホン樹脂組成物を得る
技術は未だ提供されていないのが現状であり、本発明の
目的はこのような従来の問題を解決することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、膨潤性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開し、
1つの膨潤性ケイ酸塩の凝集粒子を非常に多数の極微小
な薄板状の粒子に細分化して調製される薄板状の粘土層
間化合物が、ポリサルホン樹脂中に均一に分散されるこ
とによって、上記目的を達成できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
した結果、膨潤性ケイ酸塩の単位層同士を分離劈開し、
1つの膨潤性ケイ酸塩の凝集粒子を非常に多数の極微小
な薄板状の粒子に細分化して調製される薄板状の粘土層
間化合物が、ポリサルホン樹脂中に均一に分散されるこ
とによって、上記目的を達成できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明の第1は、(a)ポリサルホ
ン樹脂、及び(b)アミノ基を少なくとも1個有するア
ミノ化合物と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合するこ
とによって調製される粘土層間化合物、を含有するポリ
サルホン樹脂組成物に関する。
ン樹脂、及び(b)アミノ基を少なくとも1個有するア
ミノ化合物と膨潤性ケイ酸塩とを分散媒中で混合するこ
とによって調製される粘土層間化合物、を含有するポリ
サルホン樹脂組成物に関する。
【0011】好ましい実施態様としては、アミノ化合物
が、1級、2級および3級アミノ基から成る群より選択
される1種以上のアミノ基を少なくとも1個有する炭素
数1〜25の炭化水素化合物である前記記載のポリサル
ホン樹脂組成物に関する。
が、1級、2級および3級アミノ基から成る群より選択
される1種以上のアミノ基を少なくとも1個有する炭素
数1〜25の炭化水素化合物である前記記載のポリサル
ホン樹脂組成物に関する。
【0012】更に好ましい実施態様としては、アミノ化
合物が、水酸基、メルカプト基、エーテル基、カルボニ
ル基、ニトロ基および塩素原子より成る群から選択され
る1種以上の置換基を有する、前記いずれか記載のポリ
サルホン樹脂組成物に関する。
合物が、水酸基、メルカプト基、エーテル基、カルボニ
ル基、ニトロ基および塩素原子より成る群から選択され
る1種以上の置換基を有する、前記いずれか記載のポリ
サルホン樹脂組成物に関する。
【0013】更に好ましい実施態様としては、ポリサル
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平均層厚が500
Å以下である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂組
成物に関する。
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平均層厚が500
Å以下である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂組
成物に関する。
【0014】更に好ましい実施態様としては、ポリサル
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の最大層厚が200
0Å以下である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂
組成物に関する。
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の最大層厚が200
0Å以下である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂
組成物に関する。
【0015】更に好ましい実施態様としては、樹脂組成
物の面積100μm2中に存在する、粘土層間化合物の
単位比率当たりの粒子数であると定義される[N]値が
30以上である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂
組成物に関する。
物の面積100μm2中に存在する、粘土層間化合物の
単位比率当たりの粒子数であると定義される[N]値が
30以上である、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂
組成物に関する。
【0016】更に好ましい実施態様としては、ポリサル
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平均アスペクト比
(層長さ/層厚の比)が10〜300である、前記いず
れか記載のポリサルホン樹脂組成物に関する。
ホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平均アスペクト比
(層長さ/層厚の比)が10〜300である、前記いず
れか記載のポリサルホン樹脂組成物に関する。
【0017】本発明の第2は、(A)粘土層間化合物と
分散媒を含む粘土分散体を調製する工程、(B)ポリサ
ルホン樹脂の重合性モノマーと上記の粘土分散体とを混
合する工程、(C)重合性モノマーを重合する工程を包
含する、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂組成物の
製造方法に関する。
分散媒を含む粘土分散体を調製する工程、(B)ポリサ
ルホン樹脂の重合性モノマーと上記の粘土分散体とを混
合する工程、(C)重合性モノマーを重合する工程を包
含する、前記いずれか記載のポリサルホン樹脂組成物の
製造方法に関する。
【0018】好ましい実施態様としては、工程(A)で
得られる粘土分散体中の粘土層間化合物の底面間隔が、
膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍以上であることを特徴
とする、前記記載のポリサルホン樹脂組成物の製造方法
に関する。
得られる粘土分散体中の粘土層間化合物の底面間隔が、
膨潤性ケイ酸塩の底面間隔の3倍以上であることを特徴
とする、前記記載のポリサルホン樹脂組成物の製造方法
に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリサルホン
樹脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびスルホン
結合が必須の構成単位であって、アリーレン単位がエー
テル結合およびスルホン結合と共に無秩序に、または秩
序正しく位置するポリアリーレン化合物として定義され
る。代表的な例としては次の一般式(1)、(2)、
(3)のような繰り返し単位を有するものが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
樹脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびスルホン
結合が必須の構成単位であって、アリーレン単位がエー
テル結合およびスルホン結合と共に無秩序に、または秩
序正しく位置するポリアリーレン化合物として定義され
る。代表的な例としては次の一般式(1)、(2)、
(3)のような繰り返し単位を有するものが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0020】
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均の繰り返
し単位数を示し、mとnは0.1〜100の正数であ
る。各R1は互いに同一であっても異なっていても良
い。各pは互いに同一であっても異なっていても良い。
また、(2)の化合物はランダム共重合体を含む)、
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均の繰り返
し単位数を示し、mとnは0.1〜100の正数であ
る。各R1は互いに同一であっても異なっていても良
い。各pは互いに同一であっても異なっていても良い。
また、(2)の化合物はランダム共重合体を含む)、
【0021】
【化2】 (式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均の繰り返
し単位数を示し、mとnは0.1〜100の正数であ
る。各R2は互いに同一であっても異なっていても良
い。各pは互いに同一であっても異なっていても良い。
また、(3)の化合物はランダム共重合体を含む)、
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。m、nは平均の繰り返
し単位数を示し、mとnは0.1〜100の正数であ
る。各R2は互いに同一であっても異なっていても良
い。各pは互いに同一であっても異なっていても良い。
また、(3)の化合物はランダム共重合体を含む)、
【0022】
【化3】 (式中、R3は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。q、m、nは平均の繰
り返し単位数を示し、qは1〜3の整数、mとnは0.
1〜100の正数である。各R3は互いに同一であって
も異なっていても良い。各pは互いに同一であっても異
なっていても良い。この化合物はランダム共重合体を含
む。)。
10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を
表し、pは0〜4の整数である。q、m、nは平均の繰
り返し単位数を示し、qは1〜3の整数、mとnは0.
1〜100の正数である。各R3は互いに同一であって
も異なっていても良い。各pは互いに同一であっても異
なっていても良い。この化合物はランダム共重合体を含
む。)。
【0023】本発明で用いられるポリサルホン樹脂とし
ては、上記一般式(2)または(3)で表される繰り返
し単位中の(m/m+n)は0.8以上であることが好
ましい。また、(3)の構造単位中のqは1であること
が好ましい。
ては、上記一般式(2)または(3)で表される繰り返
し単位中の(m/m+n)は0.8以上であることが好
ましい。また、(3)の構造単位中のqは1であること
が好ましい。
【0024】従って本発明で用いられるポリサルホン樹
脂の具体例としては、次の(4)〜(19):
脂の具体例としては、次の(4)〜(19):
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】 のような構造式で表されるものが挙げられる。中でも
(4)〜(9)の構造を有するモノが好ましい。上記の
ポリサルホン樹脂は単独で、または組成あるいは成分の
異なるもの及び/または分子量の異なるものを2種以上
組み合わせて使用し得る。
(4)〜(9)の構造を有するモノが好ましい。上記の
ポリサルホン樹脂は単独で、または組成あるいは成分の
異なるもの及び/または分子量の異なるものを2種以上
組み合わせて使用し得る。
【0041】本発明で用いられる粘土層間化合物とは、
分散媒中で、膨潤性ケイ酸塩およびアミノ基を少なくと
も1つ有するアミノ化合物とを混合することにより調製
されるものである。
分散媒中で、膨潤性ケイ酸塩およびアミノ基を少なくと
も1つ有するアミノ化合物とを混合することにより調製
されるものである。
【0042】上記の膨潤性ケイ酸塩は、主として酸化ケ
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合が、本発明のポリサルホン樹脂組成物中にお
ける膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ及び樹脂組
成物の物性改善の点から好ましい。
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから成り、その例としては、例えば、スメクタイ
ト族粘土および膨潤性雲母などが挙げられる。膨潤性ケ
イ酸塩としてスメクタイト族粘土および膨潤性雲母を使
用する場合が、本発明のポリサルホン樹脂組成物中にお
ける膨潤性ケイ酸塩の分散性、入手の容易さ及び樹脂組
成物の物性改善の点から好ましい。
【0043】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(20): X0.2〜0.6Y2〜3Z4O10(OH)2・nH2O (20) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
(20): X0.2〜0.6Y2〜3Z4O10(OH)2・nH2O (20) (ただし、XはK、Na、1/2Ca、及び1/2Mg
から成る群より選ばれる1種以上であり、YはMg、F
e、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrから成る
群より選ばれる1種以上であり、ZはSi、及びAlか
ら成る群より選ばれる1種以上である。尚、H2Oは層
間イオンと結合している水分子を表すが、nは層間イオ
ンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で表され
る、天然または合成されたものである。該スメクタイト
族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナ
イト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト及
びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメクタイト
族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約10〜1
7Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の平均粒
径はおおよそ1000Å〜1000000Åである。
【0044】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式(2
1): X0.5〜1.0Y2〜3(Z4O10)(F、OH)2 (21) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性雲母の
初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17
Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約10
00〜1000000Åである。
1): X0.5〜1.0Y2〜3(Z4O10)(F、OH)2 (21) (ただし、XはLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、及
びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、YはM
g、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群より
選ばれる1種以上であり、ZはSi、Ge、Al、F
e、及びBから成る群より選ばれる1種以上である。)
で表される、天然または合成されたものである。これら
は、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及び水と
該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する物であ
り、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウム型テ
ニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナトリウム
型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あ
るいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性雲母の
初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10〜17
Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は約10
00〜1000000Åである。
【0045】上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライ
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(22): (Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O (22) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面
間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均
粒径は約1000〜5000000Åである。
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(22): (Mg,Fe,Al)2〜3(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O (22) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面
間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均
粒径は約1000〜5000000Åである。
【0046】膨潤性ケイ酸塩は単独で用いても良く、2
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のポリサルホン樹脂組成物中での分散性、入手の容易さ
及び樹脂組成物の物性改善効果の点から好ましい。
種以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、
モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび
層間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、本発明
のポリサルホン樹脂組成物中での分散性、入手の容易さ
及び樹脂組成物の物性改善効果の点から好ましい。
【0047】膨潤性ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
規則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましい
が、結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合っ
た、いわゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0048】本発明で用いられるアミノ化合物とは、1
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、エ
ーテル基、メルカプト基、カルボニル基、ニトロ基およ
び塩素原子から成る群よりから選択される1種以上の置
換基を有していても良い、炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるのが好ましい。
級、2級および3級アミノ基からなる群より選択される
1種以上のアミノ基を少なくとも1個有し、水酸基、エ
ーテル基、メルカプト基、カルボニル基、ニトロ基およ
び塩素原子から成る群よりから選択される1種以上の置
換基を有していても良い、炭素数1〜25の炭化水素化
合物であるのが好ましい。
【0049】本明細書において炭化水素化合物中の炭化
水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有す
る)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基を意
味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙
げられる。本明細書において、「アルキル基」という場
合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の
炭化水素基を包含することを意図する。同様にアルケニ
ル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシ
クロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニ
レン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアル
キレン基等を包含する。
水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有す
る)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基を意
味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙
げられる。本明細書において、「アルキル基」という場
合は、特に指示が無い限り「アルキレン基」等の多価の
炭化水素基を包含することを意図する。同様にアルケニ
ル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシ
クロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニ
レン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアル
キレン基等を包含する。
【0050】上記のアミノ化合物の具体例として、1
級、2級及び3級アミノ基からなる群から選択される1
種以上のアミノ基と炭素数1〜25の炭化水素基が構成
成分である場合の例としては、ブチルアミン、N,N−
ジメチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミ
ン、ドデシルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘキ
シルアミン、3−ペンチルアミン、ジメチルアミノエチ
ルアミン、2−オクチルアミン、エチルアミノエチルア
ミン、ジエチルアミノエチルアミン、テトラメチルエチ
レンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミ
ノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジ
エチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピル
アミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N
−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−ビ
ス(アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、
N,N’−ビス(アミノプロピル)−1,4−ブチレン
ジアミン、ジアリルアミン、イソアミルアミン、N−エ
チルイソアミルアミン、2−ヘキセニルアミン、N,N
−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N
−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ジイソブ
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、β
−ナフチルアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、N,
N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、ジビニルプ
ロピルアミン等が挙げられる。水酸基を有するアミノ化
合物の例としては、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タノール、N−イソメチルジエタノールアミン、2−ア
ミノプロパノール、3−アミノプロパノール、3−ジメ
チルアミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−
メチルアミノブタノール、2−ヒドロキシエチルアミノ
プロピルアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、
1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等が挙
げられる。エーテル基を有するアミノ化合物の例として
は、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジメチルア
ミノエトキシプロピルアミン、1,2−ビス(3−アミ
ノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテ
ル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレング
リコールエーテル、3−メトキシプロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミ
ン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシ
プロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2
−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシ
プロピルアミン等が挙げられる。メルカプト基を有する
アミノ化合物の例としては、2−メルカプトエチルアミ
ン、N−(2−メルカプトエチル)アセトアミド、2−
メルカプトピリジン等が挙げられる。カルボニル基を有
するアミノ化合物の例としては、ホルムアニリド、アセ
トアニリド、アセトアセトアニリド、ドデシルアミド、
テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド等が挙げられ
る。ニトロ基を有するアミノ化合物の例としては、2−
ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、2,4−ジニト
ロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリンが挙げら
れる。塩素原子を有するアミノ化合物の例としては、2
−クロロアニリン、3−クロロアニリン、2,5−ジク
ロロアニリン等が挙げられる。
級、2級及び3級アミノ基からなる群から選択される1
種以上のアミノ基と炭素数1〜25の炭化水素基が構成
成分である場合の例としては、ブチルアミン、N,N−
ジメチルブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミ
ン、ドデシルアミン、ヘキシルアミン、N−メチルヘキ
シルアミン、3−ペンチルアミン、ジメチルアミノエチ
ルアミン、2−オクチルアミン、エチルアミノエチルア
ミン、ジエチルアミノエチルアミン、テトラメチルエチ
レンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミ
ノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジ
エチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピル
アミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N
−(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミ
ン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−ビ
ス(アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、
N,N’−ビス(アミノプロピル)−1,4−ブチレン
ジアミン、ジアリルアミン、イソアミルアミン、N−エ
チルイソアミルアミン、2−ヘキセニルアミン、N,N
−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N
−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、ジイソブ
チルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アニリン、β
−ナフチルアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、N,
N’−ジメチル−p−フェニレンジアミン、ジビニルプ
ロピルアミン等が挙げられる。水酸基を有するアミノ化
合物の例としては、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タノール、N−イソメチルジエタノールアミン、2−ア
ミノプロパノール、3−アミノプロパノール、3−ジメ
チルアミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−
メチルアミノブタノール、2−ヒドロキシエチルアミノ
プロピルアミン、ジエタノールアミノプロピルアミン、
1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等が挙
げられる。エーテル基を有するアミノ化合物の例として
は、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジメチルア
ミノエトキシプロピルアミン、1,2−ビス(3−アミ
ノプロポキシ)エタン、1,3−ビス(3−アミノプロ
ポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテ
ル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレング
リコールエーテル、3−メトキシプロピルアミン、3−
エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミ
ン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシ
プロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、2
−エチルヘキシロキシプロピルアミン、3−デシロキシ
プロピルアミン等が挙げられる。メルカプト基を有する
アミノ化合物の例としては、2−メルカプトエチルアミ
ン、N−(2−メルカプトエチル)アセトアミド、2−
メルカプトピリジン等が挙げられる。カルボニル基を有
するアミノ化合物の例としては、ホルムアニリド、アセ
トアニリド、アセトアセトアニリド、ドデシルアミド、
テトラデシルアミド、ヘキサデシルアミド等が挙げられ
る。ニトロ基を有するアミノ化合物の例としては、2−
ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、2,4−ジニト
ロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリンが挙げら
れる。塩素原子を有するアミノ化合物の例としては、2
−クロロアニリン、3−クロロアニリン、2,5−ジク
ロロアニリン等が挙げられる。
【0051】上記のアミノ化合物の中では、ジメチルア
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミンおよびN,N’−ビス(アミノ
プロピル)−1,3−プロピレンジアミン等のように、
一分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−イソ
メチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、
3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノ
ール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノ
ール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンおよ
び1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等の
ように、水酸基を有するアミノ化合物、ビス(3−アミ
ノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピ
ルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコールエーテルおよびα,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテ
ル等のようにエーテル基を有するアミノ化合物が好まし
く使用され得る。
ミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジエチ
ルアミノエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、1,2−ジアミノプロパン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミ
ノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、テ
トラメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジア
ミノブタン、1,4−ジアミノブタン、N−(3−アミ
ノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、ペンタメチ
ルジエチレントリアミンおよびN,N’−ビス(アミノ
プロピル)−1,3−プロピレンジアミン等のように、
一分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、N−イソ
メチルジエタノールアミン、2−アミノプロパノール、
3−アミノプロパノール、3−ジメチルアミノプロパノ
ール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノ
ール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンおよ
び1−アミノ−3−フェノキシ−2−プロパノール等の
ように、水酸基を有するアミノ化合物、ビス(3−アミ
ノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエトキシプロピ
ルアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタ
ン、1,3−ビス(3−アミノプロポキシ)−2,2−
ジメチルプロパン、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリエチレングリコールエーテルおよびα,ω−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテ
ル等のようにエーテル基を有するアミノ化合物が好まし
く使用され得る。
【0052】上記のアミノ化合物の置換体、または誘導
体もまた使用し得る。これらのアミノ化合物は、単独、
又は2種以上組み合わせて使用され得る。
体もまた使用し得る。これらのアミノ化合物は、単独、
又は2種以上組み合わせて使用され得る。
【0053】本発明で用いられる粘土層間化合物の底面
間隔は、導入されたアミノ化合物の存在により、膨潤性
ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得る。例え
ば、分散媒中に分散されて底面間隔が拡大された膨潤性
ケイ酸塩は、アミノ化合物を導入しない場合、分散媒を
除去すると再び層同士が凝集した状態に戻るが、本発明
によれば、底面間隔を拡大した後にアミノ化合物を導入
することによって、分散媒を除去した後も、得られる粘
土層間化合物は層同士が凝集することなく底面間隔が拡
大された状態で存在し得る。粘土層間化合物の底面間隔
は膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて、1.1倍
以上、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍
以上、特に好ましくは1.5倍以上拡大している。底面
間隔は小角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。
この方法では、乾燥して粉末状にした粘土層間化合物の
(001)面に由来するX線回折ピーク角値をSAXS
で測定し、Braggの式に代入し算出することにより
底面間隔を求め得る。同様に初期の膨潤性ケイ酸塩の底
面間隔を測定し、この両者を比較することにより底面間
隔の拡大を確認し得る。この様に底面間隔が拡大してい
ることを確認することによって、粘土層間化合物が生成
していることを確認できる。
間隔は、導入されたアミノ化合物の存在により、膨潤性
ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて拡大し得る。例え
ば、分散媒中に分散されて底面間隔が拡大された膨潤性
ケイ酸塩は、アミノ化合物を導入しない場合、分散媒を
除去すると再び層同士が凝集した状態に戻るが、本発明
によれば、底面間隔を拡大した後にアミノ化合物を導入
することによって、分散媒を除去した後も、得られる粘
土層間化合物は層同士が凝集することなく底面間隔が拡
大された状態で存在し得る。粘土層間化合物の底面間隔
は膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔に比べて、1.1倍
以上、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.3倍
以上、特に好ましくは1.5倍以上拡大している。底面
間隔は小角X線回折法(SAXS)などで確認し得る。
この方法では、乾燥して粉末状にした粘土層間化合物の
(001)面に由来するX線回折ピーク角値をSAXS
で測定し、Braggの式に代入し算出することにより
底面間隔を求め得る。同様に初期の膨潤性ケイ酸塩の底
面間隔を測定し、この両者を比較することにより底面間
隔の拡大を確認し得る。この様に底面間隔が拡大してい
ることを確認することによって、粘土層間化合物が生成
していることを確認できる。
【0054】本発明のポリサルホン樹脂組成物におい
て、ポリサルホン樹脂100重量部に対する粘土層間化
合物の配合量が、代表的には0.1〜50重量部、好ま
しくは0.2〜45重量部、より好ましくは0.3〜40
重量部、更に好ましくは0.4〜35重量部、特に好ま
しくは0.5〜30重量部となるように調製される。粘
土層間化合物の配合量が0.1重量部未満であると機械
的特性、寸法精度の改善効果が不充分となる場合があ
り、50重量部を超えると表面平滑性が損なわれる傾向
がある。
て、ポリサルホン樹脂100重量部に対する粘土層間化
合物の配合量が、代表的には0.1〜50重量部、好ま
しくは0.2〜45重量部、より好ましくは0.3〜40
重量部、更に好ましくは0.4〜35重量部、特に好ま
しくは0.5〜30重量部となるように調製される。粘
土層間化合物の配合量が0.1重量部未満であると機械
的特性、寸法精度の改善効果が不充分となる場合があ
り、50重量部を超えると表面平滑性が損なわれる傾向
がある。
【0055】また、粘土層間化合物に由来するポリサル
ホン樹脂組成物の灰分率が、代表的には0.1〜30重
量%、好ましくは0.2〜28重量%、より好ましくは
0.3〜25重量%、更に好ましくは0.4〜23重量
%、特に好ましくは0.5〜20重量%と成るように調
製される。灰分率が0.1重量%未満であると機械的特
性、寸法精度の改善効果が不充分となる場合があり、3
0重量%を超えると表面平滑性が損なわれる傾向があ
る。
ホン樹脂組成物の灰分率が、代表的には0.1〜30重
量%、好ましくは0.2〜28重量%、より好ましくは
0.3〜25重量%、更に好ましくは0.4〜23重量
%、特に好ましくは0.5〜20重量%と成るように調
製される。灰分率が0.1重量%未満であると機械的特
性、寸法精度の改善効果が不充分となる場合があり、3
0重量%を超えると表面平滑性が損なわれる傾向があ
る。
【0056】本発明のポリサルホン樹脂組成物中で分散
している粘土層間化合物の構造は、配合前の膨潤性ケイ
酸塩が有していたような、層が多数積層したμmサイズ
の凝集構造とは全く異なる。すなわち、マトリックス樹
脂と親和性を有するアミノ化合物が導入され、かつ初期
の膨潤性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大された粘土層
間化合物を用いることによって、層同士が劈開し、互い
に独立して細分化する。その結果、粘土層間化合物はポ
リサルホン樹脂組成物中で非常に細かく互いに独立した
薄板状で分散し、その数は、原料である膨潤性ケイ酸塩
に比べて著しく増大する。この様な薄板状の粘土層間化
合物の分散状態は以下に述べるアスペクト比(層長さ/
層厚の比率)、分散粒子数、最大層厚および平均層厚で
表現され得る。
している粘土層間化合物の構造は、配合前の膨潤性ケイ
酸塩が有していたような、層が多数積層したμmサイズ
の凝集構造とは全く異なる。すなわち、マトリックス樹
脂と親和性を有するアミノ化合物が導入され、かつ初期
の膨潤性ケイ酸塩に比べて底面間隔が拡大された粘土層
間化合物を用いることによって、層同士が劈開し、互い
に独立して細分化する。その結果、粘土層間化合物はポ
リサルホン樹脂組成物中で非常に細かく互いに独立した
薄板状で分散し、その数は、原料である膨潤性ケイ酸塩
に比べて著しく増大する。この様な薄板状の粘土層間化
合物の分散状態は以下に述べるアスペクト比(層長さ/
層厚の比率)、分散粒子数、最大層厚および平均層厚で
表現され得る。
【0057】まず、平均アスペクト比を、樹脂中に分散
した粘土層間化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であ
ると定義すると、本発明のポリサルホン樹脂組成物中の
粘土層間化合物の平均アスペクト比は10〜300であ
り、好ましくは15〜300であり、更に好ましくは2
0〜300である。粘土層間化合物平均アスペクト比が
10未満であると、本発明のポリサルホン樹脂組成物の
機械的特性や寸法精度の改善効果が十分に得られない場
合がある。また、300より大きくても効果はそれ以上
変わらないため、平均アスペクト比を300より大きく
する必要はない。
した粘土層間化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であ
ると定義すると、本発明のポリサルホン樹脂組成物中の
粘土層間化合物の平均アスペクト比は10〜300であ
り、好ましくは15〜300であり、更に好ましくは2
0〜300である。粘土層間化合物平均アスペクト比が
10未満であると、本発明のポリサルホン樹脂組成物の
機械的特性や寸法精度の改善効果が十分に得られない場
合がある。また、300より大きくても効果はそれ以上
変わらないため、平均アスペクト比を300より大きく
する必要はない。
【0058】また、[N]値を、ポリサルホン樹脂組成
物の面積100μm2における、膨潤性ケイ酸塩の単位
重量比率当たりの分散粒子数であると定義すると、本発
明のポリサルホン樹脂組成物における粘土層間化合物の
[N]値は、30以上であり、好ましくは45以上であ
り、より好ましくは60以上である。上限値は特にない
が、[N]値が1000程度を越えると、それ以上効果
は変わらなくなるので、1000より大きくする必要は
ない。[N]値は、例えば、次のようにして求められ得
る。すなわち、ポリサルホン樹脂組成物を約50μm〜
100μm厚の超薄切片に切り出し、該切片をTEM等
で撮影した像上で、面積が100μm2の任意の領域に
存在する粘土層間化合物の粒子数を、用いた膨潤性ケイ
酸塩の重量比率で除すことによって求められ得る。ある
いは、TEM像上で、100個以上の粒子が存在する任
意の領域(面積は測定しておく)を選んで該領域に存在
する粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除
し、面積100μm2に換算した値を[N]値としても
よい。従って、[N]値はポリサルホン樹脂組成物のT
EM写真等を用いることにより定量化できる。
物の面積100μm2における、膨潤性ケイ酸塩の単位
重量比率当たりの分散粒子数であると定義すると、本発
明のポリサルホン樹脂組成物における粘土層間化合物の
[N]値は、30以上であり、好ましくは45以上であ
り、より好ましくは60以上である。上限値は特にない
が、[N]値が1000程度を越えると、それ以上効果
は変わらなくなるので、1000より大きくする必要は
ない。[N]値は、例えば、次のようにして求められ得
る。すなわち、ポリサルホン樹脂組成物を約50μm〜
100μm厚の超薄切片に切り出し、該切片をTEM等
で撮影した像上で、面積が100μm2の任意の領域に
存在する粘土層間化合物の粒子数を、用いた膨潤性ケイ
酸塩の重量比率で除すことによって求められ得る。ある
いは、TEM像上で、100個以上の粒子が存在する任
意の領域(面積は測定しておく)を選んで該領域に存在
する粒子数を、用いた膨潤性ケイ酸塩の重量比率で除
し、面積100μm2に換算した値を[N]値としても
よい。従って、[N]値はポリサルホン樹脂組成物のT
EM写真等を用いることにより定量化できる。
【0059】また、平均層厚を、薄板状で分散した粘土
層間化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本
発明のポリサルホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平
均層厚の上限値は500Å以下であり、好ましくは45
0Å以下であり、より好ましくは400Å以下である。
平均層厚が500Åより大きいと、本発明のポリサルホ
ン樹脂組成物の機械的特性や寸法精度の改良効果が十分
に得られない場合がある。平均層厚の下限値は特に限定
されないが、好ましくは50Åより大きく、より好まし
くは60Å以上であり、更に好ましくは70Å以上であ
る。
層間化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本
発明のポリサルホン樹脂組成物中の粘土層間化合物の平
均層厚の上限値は500Å以下であり、好ましくは45
0Å以下であり、より好ましくは400Å以下である。
平均層厚が500Åより大きいと、本発明のポリサルホ
ン樹脂組成物の機械的特性や寸法精度の改良効果が十分
に得られない場合がある。平均層厚の下限値は特に限定
されないが、好ましくは50Åより大きく、より好まし
くは60Å以上であり、更に好ましくは70Å以上であ
る。
【0060】また、最大層厚を、本発明のポリサルホン
樹脂組成物中に薄板状に分散した粘土層間化合物の層厚
みの最大値であると定義すると、粘土層間化合物の最大
層厚の上限値は、2000Å以下であり、好ましくは1
800Å以下であり、より好ましくは1500Å以下で
ある。最大層厚が2000Åより大きいと、本発明のポ
リサルホン樹脂組成物の機械的特性、寸法精度、表面平
滑性のバランスが損なわれる場合がある。粘土層間化合
物の最大層厚の下限値は特に限定されないが、好ましく
は100Åより大きく、より好ましくは150Å以上で
あり、更に好ましくは200Å以上である。
樹脂組成物中に薄板状に分散した粘土層間化合物の層厚
みの最大値であると定義すると、粘土層間化合物の最大
層厚の上限値は、2000Å以下であり、好ましくは1
800Å以下であり、より好ましくは1500Å以下で
ある。最大層厚が2000Åより大きいと、本発明のポ
リサルホン樹脂組成物の機械的特性、寸法精度、表面平
滑性のバランスが損なわれる場合がある。粘土層間化合
物の最大層厚の下限値は特に限定されないが、好ましく
は100Åより大きく、より好ましくは150Å以上で
あり、更に好ましくは200Å以上である。
【0061】層厚および層長さは、本発明のポリサルホ
ン樹脂組成物を加熱溶融した後に、熱プレス成形あるい
は延伸成形して得られるフィルム、および溶融樹脂を射
出成形して得られる薄肉の成形品等を、顕微鏡等を用い
て撮影される像から求めることができる。
ン樹脂組成物を加熱溶融した後に、熱プレス成形あるい
は延伸成形して得られるフィルム、および溶融樹脂を射
出成形して得られる薄肉の成形品等を、顕微鏡等を用い
て撮影される像から求めることができる。
【0062】すなわち、いま仮に、X−Y面上に上記の
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の粘土層間化合物を
含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化
し、計算機処理する事等により定量化できる。あるい
は、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の粘土層間化合物を
含む任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化
し、計算機処理する事等により定量化できる。あるい
は、定規などを用いて計測しても求めることもできる。
【0063】本発明のポリサルホン樹脂組成物の製造方
法には特に制限はないが、例えば、(A)粘土層間化合
物と分散媒を含む粘土分散体を調製する工程、(B)ポ
リサルホン樹脂の重合性モノマーと上記の粘土分散体と
を混合する工程、(C)重合性モノマーを重合する工
程、を包含する方法が好ましい。
法には特に制限はないが、例えば、(A)粘土層間化合
物と分散媒を含む粘土分散体を調製する工程、(B)ポ
リサルホン樹脂の重合性モノマーと上記の粘土分散体と
を混合する工程、(C)重合性モノマーを重合する工
程、を包含する方法が好ましい。
【0064】まず、工程(A)を詳細に述べる。工程
(A)の中で、粘土層間化合物は、例えば、膨潤性ケイ
酸塩を分散媒中で底面間隔を拡大させた後に、アミノ化
合物を添加して混合する事により得られる。
(A)の中で、粘土層間化合物は、例えば、膨潤性ケイ
酸塩を分散媒中で底面間隔を拡大させた後に、アミノ化
合物を添加して混合する事により得られる。
【0065】上記の分散媒とは、水、水と任意の割合で
相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意
図する。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2
−ピロリドン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独
で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
相溶する極性溶媒、及び水と該極性溶媒の混合溶媒を意
図する。該極性溶媒としては、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
化合物、その他の溶媒であるジメチルスルホキシドや2
−ピロリドン等が挙げられる。これらの極性溶媒は単独
で用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0066】膨潤性ケイ酸塩を分散媒中で底面間隔を拡
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、より好ましくは4倍以上であ
り、更に好ましくは5倍以上である。上限値は特にな
い。ただし、底面間隔が約10倍以上に拡大すると、底
面間隔の測定が困難になるが、この場合、膨潤性ケイ酸
塩は実質的に単位層で存在する。
大させることは、該膨潤性ケイ酸塩を該分散媒中で充分
に撹拌して分散させる事によりなし得る。拡大後の底面
間隔は初期の膨潤性ケイ酸塩の底面間隔に比べて、好ま
しくは3倍以上であり、より好ましくは4倍以上であ
り、更に好ましくは5倍以上である。上限値は特にな
い。ただし、底面間隔が約10倍以上に拡大すると、底
面間隔の測定が困難になるが、この場合、膨潤性ケイ酸
塩は実質的に単位層で存在する。
【0067】ここで、本明細書において、膨潤性ケイ酸
塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する前の、単位
層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔である事を意図する。底面間隔は小角X線
回折法(SAXS)などで確認し得る。すなわち、分散
媒と膨潤性ケイ酸塩から成る混合物におけるX線回折ピ
ーク角値をSAXSで測定し、該ピーク角値をBrag
gの式に代入して算出することにより底面間隔を求め得
る。
塩の初期の底面間隔とは、分散媒に添加する前の、単位
層が互いに積層し凝集状態である粒子状の膨潤性ケイ酸
塩の底面間隔である事を意図する。底面間隔は小角X線
回折法(SAXS)などで確認し得る。すなわち、分散
媒と膨潤性ケイ酸塩から成る混合物におけるX線回折ピ
ーク角値をSAXSで測定し、該ピーク角値をBrag
gの式に代入して算出することにより底面間隔を求め得
る。
【0068】膨潤性ケイ酸塩の底面間隔を効率的に拡大
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが
好ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例
えば、上記の分散媒が好ましい。
させるためには、数千rpm以上で撹拌するか、以下に
示す物理的な外力を加える方法が挙げられる。物理的な
外力は、一般に行われるフィラーの湿式微粉砕方法を用
いることによって加えられ得る。一般的なフィラーの湿
式微粉砕方法としては、例えば、硬質粒子を利用する方
法が挙げられる。この方法では、硬質粒子と膨潤性ケイ
酸塩と任意の溶媒とを混合して撹拌し、硬質粒子と膨潤
性ケイ酸塩との物理的な衝突によって、膨潤性ケイ酸塩
を分離させる。通常用いられる硬質粒子はフィラー粉砕
用ビーズであり、例えば、ガラスビーズまたはジルコニ
アビーズ等が挙げられる。これら粉砕用ビーズは、膨潤
性ケイ酸塩の硬度、または撹拌機の材質を考慮して選択
され、上述したガラスまたはジルコニアに限定されな
い。その粒径もまた、膨潤性ケイ酸塩のサイズなどを考
慮して決定されるために一概に数値で限定されるもので
はないが、直径0.1〜6.0mmの範囲にあるものが
好ましい。ここで用いる溶媒は特に限定されないが、例
えば、上記の分散媒が好ましい。
【0069】上記のように、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
を拡大して、凝集状態であった層を劈開してばらばらに
し、個々独立に存在させた後にアミノ化合物を添加して
十分に撹拌して混合する事によって粘土層間化合物が得
られる。
を拡大して、凝集状態であった層を劈開してばらばらに
し、個々独立に存在させた後にアミノ化合物を添加して
十分に撹拌して混合する事によって粘土層間化合物が得
られる。
【0070】アミノ化合物による膨潤性ケイ酸塩の処理
は、分散媒を用いる方法の場合は、底面間隔が拡大され
た膨潤性ケイ酸塩と分散媒を含む分散体中にアミノ化合
物を添加して撹拌することにより行われ得る。攪拌の方
法は特に限定されず、例えば、従来公知の湿式撹拌機を
用いて行われる。該湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速
回転して撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかってい
るローターとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する
湿式ミル類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、
ジェットノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝
突粉砕機類、超音波を用いる超音波粉砕機類などを挙げ
ることができる。粘土層間化合物の生成を効率的に行い
たい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、好ま
しくは1500rpm以上、より好ましくは2000r
pm以上にするか、あるいは500(1/s)以上、好
ましくは1000(1/s)以上、より好ましくは15
00(1/s)以上の剪断速度を加える。回転数の上限
値は約25000rpmであり、剪断速度の上限値は約
500000(1/s)である。上限値よりも大きい値
で撹拌を行ったり、剪断を加えても効果はそれ以上変わ
らない傾向があるため、上限値よりも大きい値で撹拌を
行う必要はない。
は、分散媒を用いる方法の場合は、底面間隔が拡大され
た膨潤性ケイ酸塩と分散媒を含む分散体中にアミノ化合
物を添加して撹拌することにより行われ得る。攪拌の方
法は特に限定されず、例えば、従来公知の湿式撹拌機を
用いて行われる。該湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速
回転して撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかってい
るローターとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する
湿式ミル類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、
ジェットノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝
突粉砕機類、超音波を用いる超音波粉砕機類などを挙げ
ることができる。粘土層間化合物の生成を効率的に行い
たい場合は、撹拌の回転数を1000rpm以上、好ま
しくは1500rpm以上、より好ましくは2000r
pm以上にするか、あるいは500(1/s)以上、好
ましくは1000(1/s)以上、より好ましくは15
00(1/s)以上の剪断速度を加える。回転数の上限
値は約25000rpmであり、剪断速度の上限値は約
500000(1/s)である。上限値よりも大きい値
で撹拌を行ったり、剪断を加えても効果はそれ以上変わ
らない傾向があるため、上限値よりも大きい値で撹拌を
行う必要はない。
【0071】物理的外力を用いる方法の場合、膨潤性ケ
イ酸塩に物理的外力を加えながら(例えば、湿式粉砕し
ながら)そこにアミノ化合物を加えることによって、粘
土層間化合物が得られる。
イ酸塩に物理的外力を加えながら(例えば、湿式粉砕し
ながら)そこにアミノ化合物を加えることによって、粘
土層間化合物が得られる。
【0072】あるいは、物理的外力によって底面間隔が
拡大された膨潤性ケイ酸塩を分散媒中に加え、上記の分
散媒を用いる方法の場合と同様に、そこにアミノ化合物
を添加してもよい。
拡大された膨潤性ケイ酸塩を分散媒中に加え、上記の分
散媒を用いる方法の場合と同様に、そこにアミノ化合物
を添加してもよい。
【0073】アミノ化合物による膨潤性ケイ酸塩の処理
は室温で充分に行い得るが、必要に応じて系を加温して
も良い。加温時の最高温度は用いるアミノ化合物の分解
温度未満であり、かつ、分散媒の沸点未満で有れば任意
に設定し得る。
は室温で充分に行い得るが、必要に応じて系を加温して
も良い。加温時の最高温度は用いるアミノ化合物の分解
温度未満であり、かつ、分散媒の沸点未満で有れば任意
に設定し得る。
【0074】アミノ化合物の使用量は、得られる粘土層
間化合物とポリサルホン樹脂、あるいは粘土分散体にお
ける分散性が十分に高まるように調製し得る。必要であ
るならば、構造の異なる複数種のアミノ化合物を併用し
得る。従って、アミノ化合物の添加量は一概に数値で限
定されるものではないが、膨潤性ケイ酸塩100重量部
に対して、0.1から200重量部であり、好ましくは
0.2から180重量部であり、より好ましくは0.3か
ら160重量部であり、更に好ましくは0.4から14
0重量部であり、特に好ましくは0.5から120重量
部である。アミノ化合物の量が0.1重量部未満である
と得られる粘土層間化合物の微分散化効果が充分で無く
なる傾向がある。また、200重量部を越えると、以上
では効果が変わらないので、200重量部より多く添加
する必要はない。
間化合物とポリサルホン樹脂、あるいは粘土分散体にお
ける分散性が十分に高まるように調製し得る。必要であ
るならば、構造の異なる複数種のアミノ化合物を併用し
得る。従って、アミノ化合物の添加量は一概に数値で限
定されるものではないが、膨潤性ケイ酸塩100重量部
に対して、0.1から200重量部であり、好ましくは
0.2から180重量部であり、より好ましくは0.3か
ら160重量部であり、更に好ましくは0.4から14
0重量部であり、特に好ましくは0.5から120重量
部である。アミノ化合物の量が0.1重量部未満である
と得られる粘土層間化合物の微分散化効果が充分で無く
なる傾向がある。また、200重量部を越えると、以上
では効果が変わらないので、200重量部より多く添加
する必要はない。
【0075】粘土分散体の調製方法は特に限定されず、
例えば、粘土層間化合物を調製した際に得られる、分散
媒と粘土層間化合物を含有する系をそのまま粘土分散体
として用いる方法(直接法と称す:この場合は、粘土層
間化合物を調製する事が工程(A)となる)、または、
粘土層間化合物を調製した際に得られる、分散媒と粘土
層間化合物を含有する系に、他の所望の分散媒を添加混
合してから置換する事により、新たに加えた所望の分散
媒と粘土層間化合物から成る系を粘土分散体として用い
る方法(置換法と称す)、あるいは、分散媒を乾燥除去
して得られる粘土層間化合物と所望の分散媒を充分に混
合する方法(混合法と称す)等が挙げられる。
例えば、粘土層間化合物を調製した際に得られる、分散
媒と粘土層間化合物を含有する系をそのまま粘土分散体
として用いる方法(直接法と称す:この場合は、粘土層
間化合物を調製する事が工程(A)となる)、または、
粘土層間化合物を調製した際に得られる、分散媒と粘土
層間化合物を含有する系に、他の所望の分散媒を添加混
合してから置換する事により、新たに加えた所望の分散
媒と粘土層間化合物から成る系を粘土分散体として用い
る方法(置換法と称す)、あるいは、分散媒を乾燥除去
して得られる粘土層間化合物と所望の分散媒を充分に混
合する方法(混合法と称す)等が挙げられる。
【0076】尚、混合を効率よく行うためには、撹拌の
回転数は500rpm以上、あるいは300(1/s)
以上の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000
rpmであり、剪断速度の上限値は500000(1/
s)である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効
果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限値より大
きい値で撹拌を行う必要はない。
回転数は500rpm以上、あるいは300(1/s)
以上の剪断速度を加える。回転数の上限値は25000
rpmであり、剪断速度の上限値は500000(1/
s)である。上限値よりも大きい値で撹拌を行っても効
果はそれ以上変わらない傾向があるため、上限値より大
きい値で撹拌を行う必要はない。
【0077】工程(A)で得られる粘土分散体に含まれ
る粘土層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩が有していたよう
な初期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失して薄板状に
細分化するか、あるいは層同士の間隔が拡大していわゆ
る膨潤状態となる。膨潤状態を表す指標として底面間隔
が用いられ得る。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面
間隔は、粘土層間化合物が樹脂中で細分化して薄板状に
成るためには、膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔の3倍
以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上更
に好ましい。
る粘土層間化合物は、膨潤性ケイ酸塩が有していたよう
な初期の積層・凝集構造はほぼ完全に消失して薄板状に
細分化するか、あるいは層同士の間隔が拡大していわゆ
る膨潤状態となる。膨潤状態を表す指標として底面間隔
が用いられ得る。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面
間隔は、粘土層間化合物が樹脂中で細分化して薄板状に
成るためには、膨潤性ケイ酸塩の初期の底面間隔の3倍
以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、5倍以上更
に好ましい。
【0078】次に、工程(B)、すなわち、上記の粘土
分散体およびポリサルホン樹脂の重合性モノマーとを混
合する工程を行う。
分散体およびポリサルホン樹脂の重合性モノマーとを混
合する工程を行う。
【0079】ポリサルホン樹脂の重合性モノマーとは、
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(「ビスフェノールA」)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン(「ビスフェノールTMC」)、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジブロモフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、4,4’
−ジヒドロキシベンゾフェノン、及びビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド等の下記一般式(23):
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(「ビスフェノールA」)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン(「ビスフェノールTMC」)、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジブロモフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、4,4’
−ジヒドロキシベンゾフェノン、及びビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルフィド等の下記一般式(23):
【0080】
【化20】 (式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−CO
−、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数6〜2
0のアルキリデン基、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10お
よびR11はいずれも水素原子、ハロゲン原子または炭素
数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ
異なっていても良い。)で表されるビスフェノール化合
物、メチルスルホン酸、クロロスルホン酸、ジクロロス
ルホン、ビス(4−クロロ−3,5−ジメチルフェニ
ル)スルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ン、ジフェニルスルホン等の下記一般式(24): R12−SO2−R13 (24) (式中、R12、R13は置換基を有していても良い炭素数
1〜15の炭化水素基、水酸基、ハロゲン原子であり、
それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良
い。)で表されるスルホン化合物を意味するが、これら
に限定されるものではない。
−、炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数6〜2
0のアルキリデン基、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10お
よびR11はいずれも水素原子、ハロゲン原子または炭素
数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ
異なっていても良い。)で表されるビスフェノール化合
物、メチルスルホン酸、クロロスルホン酸、ジクロロス
ルホン、ビス(4−クロロ−3,5−ジメチルフェニ
ル)スルフォン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ン、ジフェニルスルホン等の下記一般式(24): R12−SO2−R13 (24) (式中、R12、R13は置換基を有していても良い炭素数
1〜15の炭化水素基、水酸基、ハロゲン原子であり、
それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良
い。)で表されるスルホン化合物を意味するが、これら
に限定されるものではない。
【0081】粘土分散体と重合性モノマーとの混合の方
法は特に限定されず、例えば、粘土分散体にポリサルホ
ンの重合性モノマーを直接混合する方法や、ジメチルス
ルホキサイド(DMSO)等の溶媒に重合性モノマーを
溶解させてから、粘土分散体と混合する方法、重合の途
中、溶融状態または溶液にした重合性モノマーに粘土分
散体を一括混合する方法や、連続・逐次的に添加・混合
する方法が挙げられる。連続的に添加する場合、粘土分
散体の添加速度は特に限定されないが重合性モノマー1
00重量部に対して、粘土分散体を0.01〜10.0重
量部/分、好ましくは0.03〜8.0重量部/分、より
好ましくは0.05〜6.0重量部/分で連続的にまたは
逐次的に添加する。
法は特に限定されず、例えば、粘土分散体にポリサルホ
ンの重合性モノマーを直接混合する方法や、ジメチルス
ルホキサイド(DMSO)等の溶媒に重合性モノマーを
溶解させてから、粘土分散体と混合する方法、重合の途
中、溶融状態または溶液にした重合性モノマーに粘土分
散体を一括混合する方法や、連続・逐次的に添加・混合
する方法が挙げられる。連続的に添加する場合、粘土分
散体の添加速度は特に限定されないが重合性モノマー1
00重量部に対して、粘土分散体を0.01〜10.0重
量部/分、好ましくは0.03〜8.0重量部/分、より
好ましくは0.05〜6.0重量部/分で連続的にまたは
逐次的に添加する。
【0082】そして工程(C)、すなわち、重合性モノ
マーを重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるポリサルホン樹脂の重合方法
によってなし得るが、溶液中での脱塩重縮合が好ましく
採用される。
マーを重合する工程を行い得る。重合方法は特に限定さ
れず、通常一般に行われるポリサルホン樹脂の重合方法
によってなし得るが、溶液中での脱塩重縮合が好ましく
採用される。
【0083】脱塩重縮合では、例えば、水酸化ナトリウ
ム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解したビスフェノール
A等のビスフェノール化合物と、DMSO等の非プロト
ン性極性溶媒に溶解した4,4’−ジクロロジフェニル
スルホン等のスルホン化合物とを、触媒の存在化に常温
で反応させるが、上記アルカリ水溶液および非プロトン
性極性溶媒の何れか一方または両方が、粘土層間化合物
が分散している粘土分散体である。あるいは、アルカリ
水溶液に溶解したビスフェノール化合物と非プロトン性
極性溶媒に溶解したスルホン化合物との反応の任意の段
階で、別に用意した粘土分散体を添加混合する方法も好
ましく行われ得る。
ム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解したビスフェノール
A等のビスフェノール化合物と、DMSO等の非プロト
ン性極性溶媒に溶解した4,4’−ジクロロジフェニル
スルホン等のスルホン化合物とを、触媒の存在化に常温
で反応させるが、上記アルカリ水溶液および非プロトン
性極性溶媒の何れか一方または両方が、粘土層間化合物
が分散している粘土分散体である。あるいは、アルカリ
水溶液に溶解したビスフェノール化合物と非プロトン性
極性溶媒に溶解したスルホン化合物との反応の任意の段
階で、別に用意した粘土分散体を添加混合する方法も好
ましく行われ得る。
【0084】本発明のポリサルホン樹脂組成物は以下に
示す方法によっても製造され得る。
示す方法によっても製造され得る。
【0085】まず、DMSOなどのポリサルホン樹脂の
良溶媒と、予め調製した粘土層間化合物を十分に混合す
る。混合時の撹拌数等は上記の条件と同様であり、混合
後の粘土層間化合物の底面間隔は、膨潤性ケイ酸塩の初
期の底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好
ましく、5倍以上更に好ましい。次いで、ポリサルホン
樹脂を添加溶解させ、十分に混合した後に溶媒を除去す
る事によって、ポリサルホン樹脂組成物が得られる。
良溶媒と、予め調製した粘土層間化合物を十分に混合す
る。混合時の撹拌数等は上記の条件と同様であり、混合
後の粘土層間化合物の底面間隔は、膨潤性ケイ酸塩の初
期の底面間隔の3倍以上が好ましく、4倍以上がより好
ましく、5倍以上更に好ましい。次いで、ポリサルホン
樹脂を添加溶解させ、十分に混合した後に溶媒を除去す
る事によって、ポリサルホン樹脂組成物が得られる。
【0086】本発明のポリサルホン樹脂組成物が、寸法
精度および表面平滑性を損なわずに、機械強度や弾性率
が優れる理由は、ポリサルホン樹脂中に粘土層間化合物
が、多数の微小な薄板状粒子となって分散し、その分散
状態の指標となる粘土層間化合物の平均層厚、最大層
厚、分散粒子数および平均アスペクト比が前述した範囲
になっているためである。
精度および表面平滑性を損なわずに、機械強度や弾性率
が優れる理由は、ポリサルホン樹脂中に粘土層間化合物
が、多数の微小な薄板状粒子となって分散し、その分散
状態の指標となる粘土層間化合物の平均層厚、最大層
厚、分散粒子数および平均アスペクト比が前述した範囲
になっているためである。
【0087】粘土層間化合物の分散状態は、上記のポリ
サルホン樹脂組成物の製造方法における工程(A)およ
び工程(B)から選ばれる1種以上の工程によって制御
され得る。
サルホン樹脂組成物の製造方法における工程(A)およ
び工程(B)から選ばれる1種以上の工程によって制御
され得る。
【0088】すなわち、例えば、工程(A)における直
接法では、膨潤性ケイ酸塩を分散させる際の撹拌力や剪
断力が一定であるならば、分散媒の種類、複数種の分散
媒を用いる場合はその混合比率および混合の順番に伴っ
て、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は変化する。例
えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナイトを用いた
場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナイトはほぼ単
位層に近い状態にまで膨潤・劈開するので、その状態で
水酸基、メルカプト基またはニトロ基等の極性が高い基
を有するアミノ化合物を反応させれば、ほぼ単位層厚の
粘土層間化合物が分散した分散体が調製される。一方、
エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエ
チルケトン(MEK)やピリジン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等の極
性溶媒と水との混合溶媒を分散媒とした場合や、該極性
溶媒にモンモリロナイトを分散させ次いで水を加える等
した場合は、約数枚〜約百数十枚程度の単位層が積層し
た状態に劈開、細分化する。その状態でアミノ化合物を
混合すれば、ほぼ数枚〜約百数十枚分の厚みを有する粘
土層間化合物が分散した分散体が調製される。それらの
状態を保持するように、ポリサルホン樹脂組成物の製造
方法における工程(B)および(C)を行う事によって
粘土層間化合物の分散状態を制御し得る。
接法では、膨潤性ケイ酸塩を分散させる際の撹拌力や剪
断力が一定であるならば、分散媒の種類、複数種の分散
媒を用いる場合はその混合比率および混合の順番に伴っ
て、膨潤性ケイ酸塩の膨潤・劈開の状態は変化する。例
えば、膨潤性ケイ酸塩としてモンモリロナイトを用いた
場合、分散媒が水のみでは、モンモリロナイトはほぼ単
位層に近い状態にまで膨潤・劈開するので、その状態で
水酸基、メルカプト基またはニトロ基等の極性が高い基
を有するアミノ化合物を反応させれば、ほぼ単位層厚の
粘土層間化合物が分散した分散体が調製される。一方、
エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエ
チルケトン(MEK)やピリジン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等の極
性溶媒と水との混合溶媒を分散媒とした場合や、該極性
溶媒にモンモリロナイトを分散させ次いで水を加える等
した場合は、約数枚〜約百数十枚程度の単位層が積層し
た状態に劈開、細分化する。その状態でアミノ化合物を
混合すれば、ほぼ数枚〜約百数十枚分の厚みを有する粘
土層間化合物が分散した分散体が調製される。それらの
状態を保持するように、ポリサルホン樹脂組成物の製造
方法における工程(B)および(C)を行う事によって
粘土層間化合物の分散状態を制御し得る。
【0089】工程(A)における置換法(粘土層間化合
物の調製時に用いた分散媒を他の所望の分散媒と置換す
る方法)では、新たに加える分散媒の種類、複数種の分
散媒を用いる場合はその混合比率および混合の順番によ
って、粘土分散体中での粘土層間化合物の分散状態は変
化する。例えば、単位層状態の粘土層間化合物を含有す
る水マトリックスの分散体に、アミノ化合物の官能基と
親和性が低い極性溶媒を加えて水と置換すると、単位層
状態であった粘土層間化合物は約数枚〜約数十枚が凝集
し、積層化し得る。それらの状態を保持するように、ポ
リサルホン樹脂組成物の製造方法における工程(B)お
よび(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態
を制御し得る。
物の調製時に用いた分散媒を他の所望の分散媒と置換す
る方法)では、新たに加える分散媒の種類、複数種の分
散媒を用いる場合はその混合比率および混合の順番によ
って、粘土分散体中での粘土層間化合物の分散状態は変
化する。例えば、単位層状態の粘土層間化合物を含有す
る水マトリックスの分散体に、アミノ化合物の官能基と
親和性が低い極性溶媒を加えて水と置換すると、単位層
状態であった粘土層間化合物は約数枚〜約数十枚が凝集
し、積層化し得る。それらの状態を保持するように、ポ
リサルホン樹脂組成物の製造方法における工程(B)お
よび(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態
を制御し得る。
【0090】また、工程(B)では、粘土分散体と混合
される重合性モノマーの種類や分子量等で粘土層間化合
物の分散状態は変化する。それらの状態を保持するよう
に、ポリサルホン樹脂組成物の製造方法における工程
(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態を制
御し得る。
される重合性モノマーの種類や分子量等で粘土層間化合
物の分散状態は変化する。それらの状態を保持するよう
に、ポリサルホン樹脂組成物の製造方法における工程
(C)を行う事によって粘土層間化合物の分散状態を制
御し得る。
【0091】本発明のポリサルホン樹脂組成物には、必
要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフィンの単
独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体(ラン
ダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合体も含
み、これらの混合物であっても良い)、またはオレフィ
ン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの耐衝
撃性改良剤を添加することができる。これらは無水マレ
イン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタクリレート
等のエポキシ化合物で変性されていても良い。また、機
械的特性、成形性などの特性を損なわない範囲で、他の
任意の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリエ
ステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ゴ
ム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可塑性樹脂や、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール
ノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂の単独または2種以上
を組み合わせて使用し得る。
要に応じて、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体、アクリルゴム、アイオノマー、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、α−オレフィンの単
独重合体、2種以上のα−オレフィンの共重合体(ラン
ダム、ブロック、グラフトなど、いずれの共重合体も含
み、これらの混合物であっても良い)、またはオレフィ
ン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの耐衝
撃性改良剤を添加することができる。これらは無水マレ
イン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタクリレート
等のエポキシ化合物で変性されていても良い。また、機
械的特性、成形性などの特性を損なわない範囲で、他の
任意の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリエ
ステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ゴ
ム質重合体強化スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可塑性樹脂や、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、及びフェノール
ノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂の単独または2種以上
を組み合わせて使用し得る。
【0092】更に、本発明のポリサルホン樹脂組成物に
は、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、
及び帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。本
発明のポリサルホン樹脂組成物は、射出成形や押出成
形、熱プレス成形で成形しても良く、ブロー成形にも使
用できる。そのような成形品は外観、機械的特性等に優
れる為、例えば、自動車部品、家庭用電気製品部品、精
密機械部品、家庭日用品、包装・容器資材、電気磁気基
材、その他一般工業用資材に好適に用いられる。
は、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、
及び帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。本
発明のポリサルホン樹脂組成物は、射出成形や押出成
形、熱プレス成形で成形しても良く、ブロー成形にも使
用できる。そのような成形品は外観、機械的特性等に優
れる為、例えば、自動車部品、家庭用電気製品部品、精
密機械部品、家庭日用品、包装・容器資材、電気磁気基
材、その他一般工業用資材に好適に用いられる。
【0093】本発明のポリサルホン樹脂組成物中では粘
土層間化合物が非常に細かく、かつ薄い板状で均一分散
していることから、寸法精度や表面平滑性を損なうこと
なく、機械的特性を改善することができる。
土層間化合物が非常に細かく、かつ薄い板状で均一分散
していることから、寸法精度や表面平滑性を損なうこと
なく、機械的特性を改善することができる。
【0094】
【実施例】実施例、及び比較例で使用する主要原料を以
下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の精
製は行っていない。 (原料) ・4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン:和光純薬
(株)の4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン(和
光1級)(以降、DCDPSと称す)を用いた。 ・ビスフェノールA:和光純薬(株)の2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(和光1級)
(以降、ビスフェノールAと称す)を用いた。 ・ジメチルスルホキサイド:和光純薬(株)のジメチル
スルホキサイド(試薬特級)(以降、DMSOと称す)
を用いた。 ・膨潤性ケイ酸塩:クニミネ工業(株)のクニピアF
(以降、クニピアFと称す、底面間隔=13Å)および
豊順洋行(株)のベンゲルHVP(以降、ベンゲルHV
Pと称す、底面間隔=13Å)を用いた。 ・α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレング
リコールエーテル;広栄化学(株)のアミノ化合物を用
いた(以降、αωAPEGと称す)。 ・1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン:広
栄化学(株)のアミノ化合物を用いた(以降、BAPE
と称す)。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (分散状態の測定)粘土層間化合物に関しては、TEM
を用いて以下のように行った。
下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の精
製は行っていない。 (原料) ・4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン:和光純薬
(株)の4,4’−ジクロロジフェニルスルフォン(和
光1級)(以降、DCDPSと称す)を用いた。 ・ビスフェノールA:和光純薬(株)の2,2’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(和光1級)
(以降、ビスフェノールAと称す)を用いた。 ・ジメチルスルホキサイド:和光純薬(株)のジメチル
スルホキサイド(試薬特級)(以降、DMSOと称す)
を用いた。 ・膨潤性ケイ酸塩:クニミネ工業(株)のクニピアF
(以降、クニピアFと称す、底面間隔=13Å)および
豊順洋行(株)のベンゲルHVP(以降、ベンゲルHV
Pと称す、底面間隔=13Å)を用いた。 ・α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレング
リコールエーテル;広栄化学(株)のアミノ化合物を用
いた(以降、αωAPEGと称す)。 ・1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン:広
栄化学(株)のアミノ化合物を用いた(以降、BAPE
と称す)。 また、実施例および比較例における評価方法を以下にま
とめて示す。 (分散状態の測定)粘土層間化合物に関しては、TEM
を用いて以下のように行った。
【0095】厚み50〜100μmの超薄切片を用い
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
で粘土層間化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写
真において、100個以上の分散粒子が存在する領域を
選択し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目盛
り付きの定規を用いた手計測または、必要に応じてイン
タークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処
理する事により測定した。
た。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200E
X)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万倍
で粘土層間化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写
真において、100個以上の分散粒子が存在する領域を
選択し、粒子数([N]値)、層厚および層長を、目盛
り付きの定規を用いた手計測または、必要に応じてイン
タークエスト社の画像解析装置PIASIIIを用いて処
理する事により測定した。
【0096】平均アスペクト比は個々の粘土層間化合物
の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測定は
以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選択し
た領域に存在する粘土層間化合物の粒子数を求める。こ
れとは別に、粘土層間化合物に由来する樹脂組成物の灰
分率を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、面積10
0μm2に換算した値を[N]値とした。
の層長と層厚の比の数平均値とした。[N]値の測定は
以下のようにして行った。まず、TEM像上で、選択し
た領域に存在する粘土層間化合物の粒子数を求める。こ
れとは別に、粘土層間化合物に由来する樹脂組成物の灰
分率を測定する。上記粒子数を灰分率で除し、面積10
0μm2に換算した値を[N]値とした。
【0097】平均層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の
数平均値、最大層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の中
で最大の値とした。
数平均値、最大層厚は個々の粘土層間化合物の層厚の中
で最大の値とした。
【0098】分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
280〜320℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
当である場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製
の光学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で
[N]値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルは
LINKAM製のホットステージTHM600を用いて
280〜320℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒
子の状態を測定した。
【0099】板状に分散しない分散粒子のアスペクト比
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意図する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微鏡
像等において、対象となる粒子の外接する長方形のうち
面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の長
辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方形
の短辺を意図する。 (小角X線回折法(SAXS)による底面間隔の測定)
X線発生装置(理学電機(株)製、RU−200B)を
用い、ターゲットCuKα線、Niフィルター、電圧4
0kV、電流200mA、走査角2θ=0.2〜16.0
°、ステップ角=0.02°の測定条件で底面間隔を測
定した。
【0100】底面間隔は、小角X線回折ピーク角値をB
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (滞留熱安定性)東洋精機製作所のキャピログラフを用
い、径1mmφ、長さ10mmのオリフィスを使用し、
設定温度380℃、剪断速度1000(1/S)での見
かけの溶融粘度を測定した。溶融粘度の変化が小さいほ
ど滞留熱安定性が優れている。 (曲げ特性)ポリサルホン樹脂組成物を乾燥(120
℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機(東芝機
械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度320
℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%の条件で
射出成形して、寸法約10×100×6mmの試験片を
作製した。得られた試験片の曲げ強度および曲げ弾性率
を、ASTMD−790に従って測定した。測定値が大
きいほど、曲げ特性が優れている。 (異方性)上記と同様の条件で作製した、厚さ約3mm
のJIS1号ダンベル状試験片のMD方向とTD方向の
線膨張係数の比率で異方性を評価した。比率が1に近い
ほど異方性が小さく、等方性であり優れている。尚、線
膨張係数は以下のようにして測定した。
raggの式に代入して算出した。ただし、小角X線ピ
ーク角値の確認が困難である場合は、層が十分に劈開し
て結晶性が実質的に消失したかあるいは、ピーク角値が
おおよそ0.8°以下である為に確認が困難であるとみ
なし、底面間隔の評価結果としては>100Åとした。 (滞留熱安定性)東洋精機製作所のキャピログラフを用
い、径1mmφ、長さ10mmのオリフィスを使用し、
設定温度380℃、剪断速度1000(1/S)での見
かけの溶融粘度を測定した。溶融粘度の変化が小さいほ
ど滞留熱安定性が優れている。 (曲げ特性)ポリサルホン樹脂組成物を乾燥(120
℃、5時間)した。型締圧75tの射出成形機(東芝機
械(株)製、IS−75E)を用い、樹脂温度320
℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約50%の条件で
射出成形して、寸法約10×100×6mmの試験片を
作製した。得られた試験片の曲げ強度および曲げ弾性率
を、ASTMD−790に従って測定した。測定値が大
きいほど、曲げ特性が優れている。 (異方性)上記と同様の条件で作製した、厚さ約3mm
のJIS1号ダンベル状試験片のMD方向とTD方向の
線膨張係数の比率で異方性を評価した。比率が1に近い
ほど異方性が小さく、等方性であり優れている。尚、線
膨張係数は以下のようにして測定した。
【0101】上記のダンベル状試験片の中心部分を約7
mm×7mmに切り取り、セイコー電子(株)社製のS
SC−5200およびTMA−120Cを用いて測定し
た。 (反り)ポリサルホン樹脂組成物を乾燥(120℃、5
時間)した後、型締圧75tの射出成形機(東芝機械
(株)製、IS−75E)を用い、金型温度80℃、樹
脂温度320℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約5
0%の条件で射出成形して、寸法約120×120×1
mmの平板状試験片を作製した。平面上に上記の平板状
試験片を置き、反りの程度をみた。 (表面平滑性)寸法精度の場合と同様の条件で作製し
た、厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片の中心
線平均粗さで評価した。中心線表面粗さは、東京精密
(株)製の表面粗さ計;surfcom1500Aを用
いて測定した。測定値が小さいほど表面が平滑であり優
れている。 (灰分率)粘土層間化合物に由来する、ポリサルホン樹
脂組成物の灰分率は、JISK7052に準じて測定し
た。 (実施例1) 工程(A) 3500gのイオン交換水と160gのクニピアFを、
日本精機(株)製の湿式ミルを用いて5000rpm、
5分間撹拌して混合した。その後、25gのαωAPE
Gを加えてから更に、表1に示した条件で撹拌した。
(粘土層間化合物の確認は、固形分を分離、乾燥、粉砕
したものをSAXSにより底面間隔を測定することによ
り行った。結果は表1に示した。実施例2〜5も同
様)。次いで4000mLのDMSOを加えて十分に混
合したあと加熱して水を除去する事、すなわち置換法に
よって、粘土層間化合物およびDMSOを含む粘土分散
体を調製した。結果は表1に示す。粘土分散体中の粘土
層間化合物の底面間隔は、>100Åであった。
mm×7mmに切り取り、セイコー電子(株)社製のS
SC−5200およびTMA−120Cを用いて測定し
た。 (反り)ポリサルホン樹脂組成物を乾燥(120℃、5
時間)した後、型締圧75tの射出成形機(東芝機械
(株)製、IS−75E)を用い、金型温度80℃、樹
脂温度320℃、ゲージ圧約10MPa、射出速度約5
0%の条件で射出成形して、寸法約120×120×1
mmの平板状試験片を作製した。平面上に上記の平板状
試験片を置き、反りの程度をみた。 (表面平滑性)寸法精度の場合と同様の条件で作製し
た、厚さ約3mmのJIS1号ダンベル状試験片の中心
線平均粗さで評価した。中心線表面粗さは、東京精密
(株)製の表面粗さ計;surfcom1500Aを用
いて測定した。測定値が小さいほど表面が平滑であり優
れている。 (灰分率)粘土層間化合物に由来する、ポリサルホン樹
脂組成物の灰分率は、JISK7052に準じて測定し
た。 (実施例1) 工程(A) 3500gのイオン交換水と160gのクニピアFを、
日本精機(株)製の湿式ミルを用いて5000rpm、
5分間撹拌して混合した。その後、25gのαωAPE
Gを加えてから更に、表1に示した条件で撹拌した。
(粘土層間化合物の確認は、固形分を分離、乾燥、粉砕
したものをSAXSにより底面間隔を測定することによ
り行った。結果は表1に示した。実施例2〜5も同
様)。次いで4000mLのDMSOを加えて十分に混
合したあと加熱して水を除去する事、すなわち置換法に
よって、粘土層間化合物およびDMSOを含む粘土分散
体を調製した。結果は表1に示す。粘土分散体中の粘土
層間化合物の底面間隔は、>100Åであった。
【0102】
【表1】 工程(B) 窒素雰囲気下、上記の粘土分散体に更に10000mL
のDMSOを加えて充分に混合した。次いで中に、15
50gのDCDPSを溶解・攪拌混合した。 工程(C) 窒素雰囲気下、14000gのイオン交換水中に、13
90gのビスフェノールA、44gのp−t−ブチルフ
ェノール、3120mLの5N水酸化ナトリウム水溶液
を投入して充分に混合し、ビスフェノールAのアルカリ
水溶液を調製した。
のDMSOを加えて充分に混合した。次いで中に、15
50gのDCDPSを溶解・攪拌混合した。 工程(C) 窒素雰囲気下、14000gのイオン交換水中に、13
90gのビスフェノールA、44gのp−t−ブチルフ
ェノール、3120mLの5N水酸化ナトリウム水溶液
を投入して充分に混合し、ビスフェノールAのアルカリ
水溶液を調製した。
【0103】次いで、窒素雰囲気下、別に用意した反応
容器中にイオン交換水4000mlおよび重合触媒を仕
込んた。
容器中にイオン交換水4000mlおよび重合触媒を仕
込んた。
【0104】前記の重合触媒を含む水溶液を500〜8
00rpmで撹拌しながら、予め調製しておいた上記ビ
スフェノールAのアルカリ水溶液、工程(B)で調製し
た粘土分散体とDCDPSを含有する混合物を、混合し
ながら、同時に約30分かけて連続的に添加し、そのま
ま3時間撹拌した。その後、中和、水洗脱塩、乾燥を行
うことによって、ポリサルホン樹脂組成物を得、評価し
た。結果は表2に示す。
00rpmで撹拌しながら、予め調製しておいた上記ビ
スフェノールAのアルカリ水溶液、工程(B)で調製し
た粘土分散体とDCDPSを含有する混合物を、混合し
ながら、同時に約30分かけて連続的に添加し、そのま
ま3時間撹拌した。その後、中和、水洗脱塩、乾燥を行
うことによって、ポリサルホン樹脂組成物を得、評価し
た。結果は表2に示す。
【0105】
【表2】 (実施例2) 工程(A) αωAPEGの量を13gとした以外は、実施例1と同
様に粘土分散体を調製した。結果は表1に示す。粘土分
散体中の粘土層間化合物の底面間隔は、81Åであっ
た。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例3) 工程(A) αωAPEGの代わりに、30gのBAPEを用いた以
外は、実施例1と同様に粘土分散体を調製した。結果は
表1に示す。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面間隔
は、75Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例4) 工程(A) クニピアFの代わりに、180gのベンゲルHVPを用
いた以外は実施例1と同様に粘土分散体を調製した。結
果は表1に示す。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面
間隔は、>100Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例5)粘土分散体の代わりにDMSOのみを用い
た以外は、実施例1の工程(B)と(C)と同様の方法
によってポリサルホン樹脂を重合した。
様に粘土分散体を調製した。結果は表1に示す。粘土分
散体中の粘土層間化合物の底面間隔は、81Åであっ
た。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例3) 工程(A) αωAPEGの代わりに、30gのBAPEを用いた以
外は、実施例1と同様に粘土分散体を調製した。結果は
表1に示す。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面間隔
は、75Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例4) 工程(A) クニピアFの代わりに、180gのベンゲルHVPを用
いた以外は実施例1と同様に粘土分散体を調製した。結
果は表1に示す。粘土分散体中の粘土層間化合物の底面
間隔は、>100Åであった。 工程(B)、(C) 実施例1と同様に行い、ポリサルホン樹脂組成物を得、
評価した。結果は表2に示す。 (実施例5)粘土分散体の代わりにDMSOのみを用い
た以外は、実施例1の工程(B)と(C)と同様の方法
によってポリサルホン樹脂を重合した。
【0106】上記ポリサルホン樹脂の重合とは別に、実
施例1と同様に粘土分散体を調製した。得られた粘土分
散体に上記のポリサルホン樹脂2500gを徐々に添加
・混合後、乾燥することによってポリサルホン樹脂組成
物を得、評価した。結果は表2に示す。 (比較例1)実施例5と同様の方法でポリサルホン樹脂
を得、評価した。結果は表3に示す。
施例1と同様に粘土分散体を調製した。得られた粘土分
散体に上記のポリサルホン樹脂2500gを徐々に添加
・混合後、乾燥することによってポリサルホン樹脂組成
物を得、評価した。結果は表2に示す。 (比較例1)実施例5と同様の方法でポリサルホン樹脂
を得、評価した。結果は表3に示す。
【0107】
【表3】 (比較例2)160gのクニピアFと14000mLの
DMSOを高速攪拌機で5000rpm、30分攪拌・
混合した。粘土分散体の代わりに上記混合物を用いた以
外は実施例1と同様にポリサルホン樹脂を重合し、評価
した。結果は表3に示す。
DMSOを高速攪拌機で5000rpm、30分攪拌・
混合した。粘土分散体の代わりに上記混合物を用いた以
外は実施例1と同様にポリサルホン樹脂を重合し、評価
した。結果は表3に示す。
【0108】クニピアFを直接DMSOと混合しただけ
では、底面間隔はほとんど変わらない。そのような混合
物をポリサルホン樹脂の重合に用いてもクニピアFはμ
mレベルの粗大粒子で分散するのに過ぎないので、物性
は全く改善されなかった。 (比較例3)160gのクニピアFに25gのαωAP
EGをスプレーを用いて直接噴霧し、1時間混合する事
によってクニピアFをアミノ処理した。アミノ処理クニ
ピアFの底面間隔は13Åであった。この事は、該アミ
ノ処理クニピアFは、本発明で用いられる粘土層間化合
物の構造とは異なる事を意味する。粘土分散体の代わり
に、上記のアミノ処理クニピアFを用いた以外は、実施
例1と同様な方法でポリサルホン樹脂を重合し、評価し
た。結果は表3に示す。
では、底面間隔はほとんど変わらない。そのような混合
物をポリサルホン樹脂の重合に用いてもクニピアFはμ
mレベルの粗大粒子で分散するのに過ぎないので、物性
は全く改善されなかった。 (比較例3)160gのクニピアFに25gのαωAP
EGをスプレーを用いて直接噴霧し、1時間混合する事
によってクニピアFをアミノ処理した。アミノ処理クニ
ピアFの底面間隔は13Åであった。この事は、該アミ
ノ処理クニピアFは、本発明で用いられる粘土層間化合
物の構造とは異なる事を意味する。粘土分散体の代わり
に、上記のアミノ処理クニピアFを用いた以外は、実施
例1と同様な方法でポリサルホン樹脂を重合し、評価し
た。結果は表3に示す。
【0109】アミノ処理クニピアFはμmレベルの粗大
な粒子として分散しているのに過ぎないので、物性は全
く改善されなかった。
な粒子として分散しているのに過ぎないので、物性は全
く改善されなかった。
【0110】(比較例4)3500gのイオン交換水に
160gのクニピアを添加し、湿式ミル(日本精機
(株)製)を用い、5000rpmで5分間撹拌した。
次いで、和光純薬(株)のn−ブチルアルデヒド25g
を添加し、更に5000rpm、3時間撹拌する事によ
り、混合物を得た。次いで、実施例1と同様の方法で重
合を行うことによりポリサルホン樹脂組成物を得、評価
した。結果は表3に示す。
160gのクニピアを添加し、湿式ミル(日本精機
(株)製)を用い、5000rpmで5分間撹拌した。
次いで、和光純薬(株)のn−ブチルアルデヒド25g
を添加し、更に5000rpm、3時間撹拌する事によ
り、混合物を得た。次いで、実施例1と同様の方法で重
合を行うことによりポリサルホン樹脂組成物を得、評価
した。結果は表3に示す。
【0111】クニピアFをn−ブチルアルデヒドと混合
しても、底面間隔はあまり変わらないので、ポリサルホ
ン樹脂の重合に用いてもクニピアFはμmレベルの粗大
粒子で分散するのに過ぎず、物性は全く改善されなかっ
た。 (比較例5)768gのイオン交換水と256gのクニ
ピアFとを超音波をかけて混合し、クニピアFを膨潤さ
せた。
しても、底面間隔はあまり変わらないので、ポリサルホ
ン樹脂の重合に用いてもクニピアFはμmレベルの粗大
粒子で分散するのに過ぎず、物性は全く改善されなかっ
た。 (比較例5)768gのイオン交換水と256gのクニ
ピアFとを超音波をかけて混合し、クニピアFを膨潤さ
せた。
【0112】2軸押出機(日本製鋼(株)、TEX4
4)を用い、温度300〜320℃、回転数350rp
mの条件にて、実施例5と同様の方法で重合したポリサ
ルホン樹脂4000gと上記混合物を溶融混練した。揮
発する水分はベント口から減圧除去した。
4)を用い、温度300〜320℃、回転数350rp
mの条件にて、実施例5と同様の方法で重合したポリサ
ルホン樹脂4000gと上記混合物を溶融混練した。揮
発する水分はベント口から減圧除去した。
【0113】このように、水で膨潤させたクニピアFを
樹脂とポリサルホン樹脂とを溶融混練しても、クニピア
Fは均一微分散しないために物性が改善されたポリサル
ホン樹脂組成物は得られなかった。結果は表3に示す。
樹脂とポリサルホン樹脂とを溶融混練しても、クニピア
Fは均一微分散しないために物性が改善されたポリサル
ホン樹脂組成物は得られなかった。結果は表3に示す。
【0114】(比較例6)実施例5と同様の方法で重合
したポリサルホン樹脂2500gおよびエポキシ樹脂
(0.4重量部)で表面処理されたガラス繊維440g
を、30mm径2軸押出機(日本製鋼(株)製、LAB
OTEX30)を用い、温度300〜320℃、回転数
100rpmの条件にて溶融混練した。結果は表3に示
す。
したポリサルホン樹脂2500gおよびエポキシ樹脂
(0.4重量部)で表面処理されたガラス繊維440g
を、30mm径2軸押出機(日本製鋼(株)製、LAB
OTEX30)を用い、温度300〜320℃、回転数
100rpmの条件にて溶融混練した。結果は表3に示
す。
【0115】
【発明の効果】ポリサルホン樹脂中で、膨潤性ケイ酸塩
の単位層同士を分離劈開して、1つの膨潤性ケイ酸塩の
凝集粒子を、非常に多数の極微小な薄板状の層に細分化
することによって、滞留熱安定性や表面平滑性、寸法安
定性を損なうことなく、機械的特性改善の効果が効率的
に得られるポリサルホン樹脂組成物が得られる。
の単位層同士を分離劈開して、1つの膨潤性ケイ酸塩の
凝集粒子を、非常に多数の極微小な薄板状の層に細分化
することによって、滞留熱安定性や表面平滑性、寸法安
定性を損なうことなく、機械的特性改善の効果が効率的
に得られるポリサルホン樹脂組成物が得られる。
Claims (9)
- 【請求項1】 (a)ポリサルホン樹脂、及び(b)ア
ミノ基を少なくとも1個有するアミノ化合物と膨潤性ケ
イ酸塩とを分散媒中で混合することによって調製される
粘土層間化合物、を含有するポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項2】 アミノ化合物が、1級、2級および3級
アミノ基から成る群より選択される1種以上のアミノ基
を少なくとも1個有する炭素数1〜25の炭化水素化合
物である請求項1記載のポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項3】 アミノ化合物が、水酸基、メルカプト
基、エーテル基、カルボニル基、ニトロ基および塩素原
子より成る群から選択される1種以上の置換基を有す
る、請求項1または2記載のポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリサルホン樹脂組成物中の粘土層間化
合物の平均層厚が500Å以下である、請求項1〜3記
載のポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリサルホン樹脂組成物中の粘土層間化
合物の最大層厚が2000Å以下である、請求項1〜4
記載のポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項6】 樹脂組成物の面積100μm2中に存在
する、粘土層間化合物の単位比率当たりの粒子数である
と定義される[N]値が30以上である、請求項1〜5
記載のポリサルホン樹脂組成物。 - 【請求項7】 ポリサルホン樹脂組成物中の粘土層間化
合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚の比)が10〜
300である、請求項1〜6記載のポリサルホン樹脂組
成物。 - 【請求項8】 (A)粘土層間化合物と分散媒を含む粘
土分散体を調製する工程、(B)ポリサルホン樹脂の重
合性モノマーと上記の粘土分散体とを混合する工程、
(C)重合性モノマーを重合する工程を包含する、請求
項1〜7記載のポリサルホン樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項9】 工程(A)で得られる粘土分散体中の粘
土層間化合物の底面間隔が、膨潤性ケイ酸塩の底面間隔
の3倍以上であることを特徴とする、請求項8記載のポ
リサルホン樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11102221A JP2000290506A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | ポリサルホン樹脂組成物および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11102221A JP2000290506A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | ポリサルホン樹脂組成物および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000290506A true JP2000290506A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14321622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11102221A Pending JP2000290506A (ja) | 1999-04-09 | 1999-04-09 | ポリサルホン樹脂組成物および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000290506A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7138452B2 (en) | 2001-12-27 | 2006-11-21 | Lg Chem, Ltd. | Nanocomposite blend composition having super barrier property |
CN104059228A (zh) * | 2013-10-25 | 2014-09-24 | 陈元文 | 一种双酚a型聚硫酸(氨)酯类化合物及其合成方法 |
RU2686329C1 (ru) * | 2018-09-18 | 2019-04-25 | Российская Федерация, от имени которой выступает ФОНД ПЕРСПЕКТИВНЫХ ИССЛЕДОВАНИЙ | Композиционный материал на основе полифениленсульфона |
CN110358088A (zh) * | 2019-06-06 | 2019-10-22 | 南京清研高分子新材料有限公司 | 一种制备聚砜的方法 |
RU2757582C1 (ru) * | 2020-08-31 | 2021-10-19 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Кабардино-Балкарский государственный университет им. Х.М. Бербекова» (КБГУ) | Композиционный материал |
-
1999
- 1999-04-09 JP JP11102221A patent/JP2000290506A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7138452B2 (en) | 2001-12-27 | 2006-11-21 | Lg Chem, Ltd. | Nanocomposite blend composition having super barrier property |
CN104059228A (zh) * | 2013-10-25 | 2014-09-24 | 陈元文 | 一种双酚a型聚硫酸(氨)酯类化合物及其合成方法 |
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CN110358088A (zh) * | 2019-06-06 | 2019-10-22 | 南京清研高分子新材料有限公司 | 一种制备聚砜的方法 |
CN110358088B (zh) * | 2019-06-06 | 2020-04-07 | 南京清研高分子新材料有限公司 | 一种制备聚砜的方法 |
RU2757582C1 (ru) * | 2020-08-31 | 2021-10-19 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Кабардино-Балкарский государственный университет им. Х.М. Бербекова» (КБГУ) | Композиционный материал |
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