JP2000289220A - 液検知方法及びその装置とインクジェット記録装置及び該装置におけるインク検出方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体または液滴に対して非接触で、高精度に
通過する液の有無、及び、或は液量を検出する。 【解決手段】 通過する液体又は液滴（インク滴）１０
１の近傍に配置され、その液体又は液滴１０１から放出
される放射波を検知する放射波検知部２０３と、その放
射波検知部２０３の出力値の変化を検出する検出回路２
０４とを有し、その通過する液体又は液滴１０１に非接
触で、その液体又は液滴の通過の有無を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液体や液滴の通過
の有無や、通過する液量を非接触で検知する液検知方法
及びその装置と、インクジェットヘッドから吐出される
インクを非接触で検出するインクジェット記録装置及び
該装置におけるインク検出方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年において、インクを記録媒体に対し
て吐出させて記録を行うインクジェット方式を採用した
記録装置が、その使い良さから広く用いられている。

【０００３】一般的に、インクジェット記録装置は、イ
ンクを吐出するための吐出口と、インク吐出のための吐
出エネルギー発生素子とを有するインクジェットヘッド
を用い、記録データに応じて、その吐出エネルギー発生
素子を駆動してインク滴を記録媒体に向けて吐出して着
弾させることにより記録を行う。また、このような吐出
エネルギー発生素子としては、インクに熱エネルギーを
印加する発熱素子や、機械的圧力を付与する圧電素子な
どが知られている。なお、吐出エネルギー発生素子とし
て発熱素子を用いる方式においては、例えば、吐出口に
連通するノズル内に吐出用ヒータを設け、そのヒータの
発熱によりインク中に急激に気泡を生成させ、その気泡
の押圧力によりノズル先端の吐出口からインクを吐出す
る構成が知られている。

【０００４】このようなインクジェット方式の記録装置
において、連続した記録動作や時間の経過等に応じてノ
ズル内のインクに気泡が徐々に成生され、その気泡によ
りインクの不吐出が発生して記録不良を起こすことが問
題となっている。また、ノズル内のインクが時間の経過
とともに固着して目詰まりを発生させ、その結果として
不吐出による画像記録時の記録不良が生じるという問題
もある。

【０００５】このような問題点を解決するために、イン
クの不吐出を検出した場合や、所定時間毎に、例えば、
インクジェットヘッドの外部からノズル内のインクを吸
引により排出し、吐出不良を解消して吐出状態を回復さ
せる回復処理を行うことが知られている。しかしなが
ら、このような吸引動作を行うことで多量のインクが排
出され、結果として記録に用いられずにインクが無駄に
消費されてしまうこととなる。また、回復動作を行った
としても、その後に吐出不良が発生しないという保証は
なかった。また、吐出エネルギー発生素子の損傷が原因
となって生じる吐出不良においては回復動作では解消で
きないという問題もあった。

【０００６】このような吐出不良の問題点に対し、不吐
出が発生しているノズルを検出し、その不吐出が発生し
ているノズルに対して回復処理を行うことにより、全ノ
ズルに対する回復処理に比べてインクの消費量を低減し
たり、不吐出によって記録が行われなかった領域に対し
て補完のための記録動作を行うことが知られている。こ
のような不吐出が発生したノズルを検出する方法とし
て、発光素子と受光素子を用いて光学的に検出する方法
が知られている。この光学的検知方法は、発光素子から
受光素子への光路に対してインクを吐出させ、受光素子
の出力に基づいて光路がインク滴により遮られた場合に
インク滴が正常に吐出されたことを検知するものであ
る。この光学的検知方法は、吐出されるインク滴に対し
て非接触で検知が可能な方法であり、インクに接触させ
て検知する方法と比較して、付着したインクの処理とい
った煩わしい作業や構造を必要とせず、また、検出部の
検出性能が劣化するといった問題もないため、有効な方
法である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
記録密度の向上に伴い、インクジェット記録ヘッドの各
ノズルから吐出されるインク滴は小液滴となってきてい
る。そのため、前述した従来の光学的検知方法では、発
光素子から受光素子に到達する全光量に対して、インク
滴により遮られる光量の割合が小さくなってしまい、十
分な検知性能が得られないという問題がある。

【０００８】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、液体または液滴に対して非接触で、高精度に通過す
る液の有無、及び、或は液量を検出できる液検知方法及
びその装置を提供することを目的とする。

【０００９】又本発明の目的は、記録ヘッドから放出さ
れるインクが通過する経路でインクの有無及び、或はイ
ンク量を非接触で正確に検出するインクジェット記録装
置及び該装置におけるインク検出方法を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の液検知装置は以下のような構成を備える。即
ち、通過する液体又は液滴の近傍に配置され、当該液体
又は液滴から放出される放射波を検知する放射波検知手
段と、前記放射波検知手段の出力値の変化を検出する検
出手段とを有し、前記通過する液体又は液滴に非接触で
前記液体又は液滴の通過の有無を検知することを特徴と
する。

【００１１】上記目的を達成するために本発明の液検知
方法は以下のような工程を備える。即ち、通過する液体
又は液滴の近傍に、当該液体又は液滴から放出される放
射波を検知するセンサを配し、前記センサの出力値の変
化を検出することにより、前記通過する液体又は液滴に
非接触で前記液体又は液滴の通過の有無を検知すること
を特徴とする。

【００１２】上記目的を達成するために本発明のインク
ジェット記録装置は以下のような構成を備える。即ち、
インクジェットヘッドから記録媒体上にインクを吐出し
て画像を記録するインクジェット記録装置であって、前
記インクジェットヘッドから吐出されたインク滴から放
出される放射波を検知する放射波検知手段と、前記放射
波検知手段の出力値の変化を検出する検出手段とを有
し、前記インクに非接触で前記インクの通過の有無を検
知することを特徴とする。

【００１３】更に上記目的を達成するために本発明のイ
ンクジェット記録装置におけるインク検出方法は以下の
ような工程を備える。即ち、インクジェットヘッドから
記録媒体上にインクを吐出して画像を記録するインクジ
ェット記録装置におけるインク検出方法であって、前記
インクジェットヘッドから吐出されたインク滴から放出
される放射波を検知する放射波検知工程と、前記放射波
検知工程で検知された出力値の変化を検出する検出工程
とを有し、前記インクに非接触で前記インクの通過の有
無を検知することを特徴とする。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する前に、本実施の形態に係る特徴点を簡単に説
明する。本実施の形態では、インク等の液体または液滴
の通過経路の近傍に、その液体または液滴から放射され
る放射波（特に赤外線）を検知する検出手段を配し、そ
の検出手段により検知される信号の変化を検出すること
により、通過する液又は液滴に非接触で、その通過の有
無を検知し、また、その検出手段の出力値の変化量に基
づいて、その通過する液の有無や液量を検知することを
特徴としている。

【００１５】ここで、液から放射される放射波の中でも
赤外波長の放射波の強度は、その液の温度（熱量）を変
えることにより、容易に制御することができる。つまり
液の温度を上げることにより、その検知感度を向上させ
ることができる。従って、検知手段として、この波長の
放射波を検知する赤外線センサを用いることが特に有効
であるが、他の波長の放射波を使用することも可能であ
る。

【００１６】また本実施の形態に係るインクジェット記
録装置は、吐出エネルギー発生素子として熱発生素子で
あるヒータを用いてインクに熱エネルギーを与えてイン
クに気泡を発生させている。このため、インク吐出時に
はヒータによる熱がインクに伝わりインクは熱を帯びて
放出されるため、本実施の形態の液検知方法には極めて
都合が良い。さらに、インク加熱手段を配備してインク
の温度を制御することにより、その検知感度も容易に制
御できる。

【００１７】尚、以下の実施の形態ではインクジェット
記録装置の場合を例に説明するが、本発明はこれに限定
されるものでなく、例えば自動車や液体燃料を使用する
機器における液体燃料の移動検知、残量検知、更には、
循環システム、化学工業プラントにおける液体の検知な
どにも適用できる。

【００１８】以下、添付図面を参照して本発明の好適な
実施の形態を詳細に説明する。

【００１９】図１は、本実施の形態のインクジェット記
録装置の記録部の構成を示す斜視図である。図１に示す
ように、記録ヘッド５は、インクタンクを内蔵し、イン
クが無くなったときに記録ヘッドごと新品と交換し得る
カートリッジ式の記録ヘッドである。

【００２０】ここで、記録ヘッド５からのインク吐出原
理について説明する。この記録ヘッド５は、一般に微細
な液体吐出口（オリフィス）、液路及びこの液路の一部
に設けられるエネルギー作用部と、その作用部にある液
体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギ
ー発生部とを備えている。

【００２１】このエネルギー発生部としてはピエゾ素子
等の電気−機械変換体を用いたもの、レーザ等の電磁波
を照射して、そこにある液体（インク）に吸収させて発
熱さて、その発熱による作用で液滴を吐出、飛翔させる
ようにしたもの、或は電気熱変換体によって液体を加熱
して液体を吐出させるようにしたもの等がある。その中
でも熱エネルギーによって液体を吐出させる方式を用い
た記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して飛翔用液滴を
形成するための液体吐出口（オリフィス）を高密度に配
列することができるため、このような記録ヘッドを用い
て高解像度で記録を行なうことが可能である。

【００２２】また、電気熱変換体をエネルギー発生部と
して用いた記録ヘッドは、全体的な小型化も容易で、か
つ、最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向
上が著しいＩＣ技術やマイクロ加工技術の長所を十二分
に活用でき、長尺化及び面状化（２次元化）が容易であ
ること等から、マルチノズル化、高密度での実装が容易
で、しかも大量生産が可能で、製造コストも安価にする
ことが可能である。

【００２３】このようにエネルギー発生部に電気熱変換
体を用い、半導体製造プロセスを経て製造された記録ヘ
ッドは、一般には各インク吐出口に対応した液路を設
け、その液路ごとに液路を満たす液体に熱エネルギーを
作用させて、対応するインク吐出口から液体を吐出して
飛翔用液滴を形成する手段としての電気熱変換体が設け
られ、各液路には、各液路に連通さている共通液室から
液体が供給される構造となっている。

【００２４】さらに続いて図１を参照して、記録部の構
成を説明する。

【００２５】図１において、キャリッジ１５は記録ヘッ
ド５を精度良く保持しながら、記録紙Ｐの搬送方向（副
走査方向、矢印Ｇ方向）とは直交する方向（主走査方
向、矢印Ｈ方向）に往復移動される。また、キャリッジ
１５は、ガイド棒１６と、ベルト１８とキャリッジ１５
とを固定する突き当て部１５ａにより、ガイド棒１６に
沿って摺動自在に保持されている。キャリッジ１５の往
復移動は、キャリッジモータ３０（図２）によって駆動
されるプーリ１７およびタイミングベルト１８によって
行われ、この時に記録ヘッド５に与えられる記録信号や
電力は、フレキシブルケーブル１９によって装置本体の
電気回路より供給されている。記録ヘッド５とフレキシ
ブルケーブル１９とは互いの接点を圧接して接続されて
いる。また、この記録部のキャリッジ１５のホームポジ
ションにはキャップ２０が設けられており、これはイン
ク受け手段として機能している。キャップ２０は必要に
応じて上下し、上昇時は記録ヘッド５に密着しそのノズ
ル部を覆いインクの蒸発やゴミの付着を防止する。

【００２６】この装置では、記録ヘッド５とキャップ２
０とが相対的に対向した位置となるように位置決めする
ために、装置本体に設けられたキャリッジホームセンサ
２１とキャリッジ１５に設けられた遮光板１５ｂが用い
られている。キャリッジホームセンサ２１には透過型の
フォトインタラプタが用いられ、キャリッジ１５が移動
してホーム位置まで移動した時に、キャリッジホームセ
ンサ２１の一部から照射された光が遮光板１５ｂによっ
てその透過が遮られることを利用して、記録ヘッド５と
キャップ２０とが相対的に対向した位置にあることを検
知する。

【００２７】記録紙Ｐは図中下側より上方へ給紙され、
給送ローラ２および紙ガイド２２によって水平方向に曲
げられて、矢印Ｇ方向（副走査方向）に搬送される。給
送ローラ２および排紙ローラ６は夫々、搬送モータ３１
（図５）の回転によって駆動され、必要に応じてキャリ
ッジ１５の往復移動と連動して高精度に記録紙Ｐを副走
査方向に搬送する。また、副走査方向には撥水性の高い
材料で形成され、その刃状の円周部のみで記録紙Ｐに接
触する拍車２３が設けられている。この拍車２３は排紙
ローラ６に対向する位置で、軸受部材２３ａにより主走
査方向に所定長離間して複数箇所に配設されており、記
録直後の記録紙上の未定着画像に接触しても画像に影響
を与えずに記録紙Ｐをガイドして搬送するようになって
いる。

【００２８】インク検出部８は、図３を参照して後述す
るように、インク滴１０１から発光される赤外光を検出
する赤外線センサ１０２を有している。図２に示すよう
に、キャップ２０と記録紙Ｐの紙端との間で、記録ヘッ
ド５のノズル列５ｃに対向した位置に配置され、記録ヘ
ッド５の複数ノズルより吐出されるインク滴１０１から
発せられる赤外線を赤外線センサ１０２で検知してい
る。

【００２９】［実施の形態１］図３は、本実施の形態１
のインク検出部８の構成を示す回路図である。

【００３０】同図において、１０２は赤外線センサ、１
０４は抵抗、１０５は赤外線センサ１０２の出力電流の
変化量を検出して、その電流の変化量に応じた信号を増
幅して出力する変化量増幅部である。１０６はコンパレ
ータを示している。

【００３１】上記構成において、記録ヘッド５のノズル
から吐出されたインク滴１０１が赤外線センサ１０２の
近傍を通過すると、赤外線センサ１０２は、このインク
滴１０１から放出される赤外光を検知し、その検知した
光量に応じた電流を流す。これにより電流と抵抗１０４
によって決まる電位が変化量増幅部１０５に入力され、
変化量増幅部１０５は、その入力電位の電化量だけを増
幅する。コンパレータ１０６は、基準電位Ｖrefと変化
量増幅部１０５の出力電位とを比較し、変化量増幅部１
０５の出力電位がＶrefを上回ったらロウレベルの信号
１０７を出力する。これにより制御部２４（図５）は、
この信号１０７がロウレベルとなっている時間幅幅（
パルス幅）を測定し、このロウレベルの時間が所定時間
以上（インク吐出量が所定量以上）であればインク吐出
有りと判定する。

【００３２】図４は、本実施の形態１に係るインク滴の
検出を説明する概念図である。

【００３３】図４において、記録ヘッド５内にはインク
が充填されている。２０１はインクを吐出させるための
ノズルである。このノズル２０１のそれぞれには、所定
のタイミングで加熱されてインクを吐出させるためのヒ
ータ２０２が設けられている。このヒータ２０２に通電
されてノズル内のインクが加熱されることにより、その
ノズル内のインクに気泡が発生し、その気泡による押圧
力によりノズル開口方向にインク滴が吐出される。１０
１はこうして吐出されたインク滴を示している。このイ
ンク滴１０１の通過経路の近傍に、放射波検知部２０３
（例えば前述した赤外線センサ１０２）をインク滴１０
１に接触しない位置に配備し、インク滴１０１に対して
非接触で、その通過の有無や、通過するインク滴の量の
検出を行う。もちろん、この放射波検知部２０３の検知
感度が指向性を有する場合は、感度の高い方向をインク
滴１０１の通過経路に向けることは言うまでもない。

【００３４】ここでノズル２０１から吐出された後のイ
ンク滴１０１は、その吐出時にヒータ２０２の熱により
加熱されている。このため、インク滴１０１が放出する
放射波の中でも赤外波長帯の放射波強度が高いため、本
実施の形態１では、この赤外波長帯の放射波を検知する
赤外線センサ１０２を放射波検出部２０３として用いて
いる。もちろんヒータ２０２をインク吐出のためではな
く、意図的にインクに温度を付与するために使用しても
よい。尚、代表的な赤外線センサ１０２としては、赤外
波長の波により電位変化を生じさせる焦電素子を用いた
焦電型赤外線センサが知られている。このような焦電素
子を用いた場合は、その赤外線センサ１０２が出力する
電圧を直接オペアンプ１０６（図３）に入力してもよ
い。

【００３５】このように放射波検知部２０３（赤外線セ
ンサ１０２）の出力は、吐出されたインク滴１０１が通
過する度に変化するため、この出力変化を検知回路２０
４で検知することにより、インク滴１０１の通過の有無
を検知することができる。また、インク滴１０１の温度
が一定温度で吐出する場合には、放射波検知部２０３
（赤外線センサ１０２）からの出力の変化量を検知回路
２０４で検知し、更に必要に応じてその信号の積分値を
求めることにより、通過したインク滴１０１の量を検知
することが可能である。

【００３６】本実施の形態１のインクジェット記録装置
においては、液（インク）が放出する放射波の内の赤外
波長帯を検知する場合、事前に液（インク）の温度を上
げておくことにより、より検知感度を上げることができ
る。このため液を事前に加熱するための加熱手段を付加
した実施の形態がより好ましいが、本実施の形態のイン
クジェット記録装置においては、インクを吐出させるた
めのヒータ２０２がその役割を果たすため、本実施の形
態に係る構成が非常に適しているといえる。

【００３７】尚、インクの温度を上昇させる手段とし
て、吐出のための電気熱変換体であるヒータとは別に加
熱用のヒータを記録ヘッド内に設ける構成や、インクを
供給するインクタンク内に加熱用のヒータを設ける構成
などが挙げられる。上昇させるインクの温度としては、
検知手段によって検知可能な温度であればよく、加熱に
よってインクが蒸発して生じる粘度変化や固着などが不
適切に生じない範囲で加熱用ヒータの駆動が制御される
ことが好ましい。

【００３８】図５は、本実施の形態のインクジェット記
録装置の構成を示すブロック図である。

【００３９】図５において、２４は装置全体を制御する
ための制御部であり、制御部２４はＣＰＵ２５と、ＣＰ
Ｕ２５が実行する制御プログラムや各種データを記憶し
ているＲＯＭ２６と、ＣＰＵ２５が種々の処理を実行す
るにあたり作業領域として使用したり、各種データを一
時的に保存するためのＲＡＭ２７、更にはＣＰＵ２５の
制御により計時を行うタイマ２８等を有している。

【００４０】図５に示すように、記録ヘッド５はフレキ
シブルケーブル１９を介してヘッドドライバ２９に接続
され、このヘッドドライバ２９からは制御部２４からの
指示に基づいて、記録ヘッド５に対する制御信号、画像
信号等が出力される。また、インク検出部８の出力信号
は制御部２４に入力され、その信号のパルス幅やパルス
数等に応じて、ＣＰＵ２５がインクの有無やインク吐出
量を解析可能な構成となっている。キャリッジモータ３
０は、制御部２４よりの信号に基づいてモータ駆動回路
３２より出力される相励磁信号に応じて回転する。さら
に制御部２４は、モータ駆動回路３３を介しキャリッジ
モータ３０を、モータ駆動回路３２を介して搬送モータ
３１の回転を制御している。

【００４１】更にまた制御部２４は、外部コンピュータ
（ホスト）５６からの記録命令や記録データを受信する
プリンタ・インターフェース５４等を接続している。ま
た制御部２４は装置利用者が種々の操作や指示を行なう
操作パネル５８を接続しており、この操作パネル５８に
は、オペレータへの各種メッセージ表示を行なうための
表示部（ＬＣＤ）５９が設けられている。

【００４２】図６は、本発明の実施の形態１のインクジ
ェット記録装置におけるインク吐出の有無及びインク吐
出量の検出処理を示すフローチャートで、この処理を実
行する制御プログラムは制御部２４のＲＯＭ２６に記憶
されており、ＣＰＵ２５の制御の下に実行される。

【００４３】まずステップＳ１で、キャリッジモータ３
０を回転駆動して、キャリッジ１５をホーム位置方向に
移動する。ステップＳ２でキャリッジ１５がホーム位置
に到達するとステップＳ３に進み、記録ヘッド５に全ド
ットが“１”の記録データを出力し、記録ヘッド５の全
ノズルからインクを吐出させる。ステップＳ４では、信
号１０７を入力し、その信号１０７の信号レベルがロウ
レベルかどうかをみる。ロウレベルであればステップＳ
６に進み、例えばＲＡＭ２７のアドレスをカウンタとし
て使用し、そのアドレスの内容を＋１する。そしてステ
ップＳ７で信号１０７がハイレベルになるまで、この処
理を繰返す。尚、この信号１０７がロウレベルの間の時
間測定には前述のタイマ２８を使用してもよい。

【００４４】こうして信号１０７がロウレベルであった
時間を計時するとステップＳ８に進み、そのアドレスに
記憶されている計時値（ロウレベルのパルス幅）に基づ
いて、吐出されたインク量を判定する。そしてステップ
Ｓ９に進み、インクが吐出された状態である旨、又は吐
出されたインク量などの判定した結果を表示部５９に表
示して処理を終了する。

【００４５】一方、ステップＳ５で信号１０７がロウレ
ベルにならないときはステップＳ１０に進み、記録ヘッ
ド５を駆動してから所定時間が経過したかどうかを調
べ、経過していないときはステップＳ５に戻って再度信
号１０７の信号レベルをチェックする。そして所定時間
が経過しても信号１０７がロウレベルにならないときは
ステップＳ１１に進み、インクが吐出されていない状態
であることから、インクタンクのインク無しと判定して
ステップＳ９で、その旨を表示する。

【００４６】以上説明したように本実施の形態１によれ
ば、高精度にインク吐出の有無、及び吐出されたインク
量を測定することができる。

【００４７】［実施の形態２］次に本発明の実施の形態
２について説明する。この実施の形態２では、記録ヘッ
ド５を所定の駆動タイミングで駆動してインクを吐出さ
せ、その駆動タイミングに同期してインク滴を検出する
ことにより、インク滴の検出精度をより高めることを特
徴としている。尚、この実施の形態２に係るインクジェ
ット記録装置の構成は前述の実施の形態１と同様である
ため、その説明を省略する。

【００４８】図７は、本発明の実施の形態２の構成を説
明する概念図である。

【００４９】制御部２４は、記録ヘッド５を所定の駆動
タイミングで駆動して、液（インク）を吐出させる。２
０５は制御部２４により駆動されて吐出されるインク滴
の出力タイミングと、放射波検知部２０３により検知さ
れ検知回路２０４から出力される出力信号とが一致する
か否かを判別するパターン判別手段である。ここで例え
ば、所定の駆動タイミングの内のインクの吐出回数に着
目し、インクを吐出駆動した回数とインク滴を検知した
回数とが一致した場合にのみ、吐出されたインク滴を検
出したものとする。

【００５０】また、所定の駆動タイミングの内のインク
の吐出周期に着目し、インクを吐出駆動した周期とイン
ク滴を検知した周期とが一致した場合にのみ、吐出され
たインクが検出されたものとする。

【００５１】このように検出回路２０４の出力信号に基
づいてインク滴の吐出が検知された回数や周期などに基
づいて、インク吐出のための駆動タイミングのパターン
（時間、タイミング、周期、回数等）と、インク滴の検
出タイミングのパターンとの一致状態を判定することに
より、微小なインク滴（液滴）であっても、その検出す
るＳ／Ｎ比を向上させることが可能となる。これによ
り、インク滴の検出の精度を向上させることができると
ともに、検出の際の外乱による誤検知を防ぐことも可能
である。

【００５２】さらに微小な液の検知において有効な方法
として、制御部２４により、放射波検知部２０３（赤外
線センサ１０２）及び検出回路２０４の出力変化の時定
数に応じた周期で液（インク）の吐出を連続的に行うこ
とにより、放射波検知部２０３及び検出回路２０４の出
力値を積分し、出力のＳ／Ｎ比を上げることで液の検知
感度を向上させることができる。

【００５３】尚、本実施の形態においては、インクジェ
ット記録装置におけるインク滴の検出について説明した
が、その他の例としては、例えば、エンジンの燃料噴射
部における噴射燃料の検知などが考えられる。

【００５４】図８は、本発明の実施の形態２に係るイン
クジェット記録装置におけるインク滴の検出処理を示す
フローチャートで、この処理を実行する制御プログラム
は制御部２４のＲＯＭ２６に記憶されておりＣＰＵ２５
の制御の下に実行される。

【００５５】まずステップＳ２１で、キャリッジモータ
３０を回転駆動して、キャリッジ１５をホーム位置方向
に移動する。ステップＳ２２でキャリッジ１５がホーム
位置に到達するとステップＳ２３に進み、記録ヘッド５
を所定のパターン（データ）に従って駆動し、記録ヘッ
ド５のノズルからインクを吐出させる。ステップＳ２４
では、信号１０７を入力して、赤外線センサ１０２によ
りインク滴１０１が検出されたかどうかを判断する。検
出されないときは、ステップＳ２５に進み、記録ヘッド
５を駆動してから所定時間が経過したかどうかを調べ、
経過していないときはステップＳ２４に戻って再度信号
１０７の信号レベルをチェックする。そして所定時間が
経過しても信号１０７がロウレベルにならないときはス
テップＳ２６に進み、インクが吐出されていない状態で
あることから、インクタンクのインク無しと判定してス
テップＳ２９で、その旨を表示する。

【００５６】尚、ステップＳ２５において、所定時間が
経過したかどうかを調べる処理を行ったが、インク滴が
検出されない場合に直ちにステップＳ２６へ処理を進め
てもよい。

【００５７】一方、ステップＳ２４でインク滴が検出さ
れるとステップＳ２７に進み、その検出回数、検出した
周期をＲＡＭ２７に記憶する。そして、インク吐出が所
定回数行われたかどうかを調べ、所定回数行われていな
いときはステップＳ２３に戻り、前述の処理を実行す
る。こうして所定回数インク吐出のための駆動及びそれ
に伴うインク検出を行うとステップＳ２８に進み、吐出
駆動した回数とインク滴を検知した回数、及び／又はそ
の周期等を求めて、それらが一致しているかどうかを判
定し、完全に一致していれば、適正にインク滴の有無が
検出されたものと判定する。一方、これら回数及び周期
が一致していないときは、検出されたインクは吐出駆動
によるものではない、又或はインク吐出のための駆動を
行ってもインクが吐出されない場合がある等の判定を行
うことができる。こうして判定された結果は、操作パネ
ル５８の表示部５９に表示されたり、或はインターフェ
ースを介してホストコンピュータ等に伝送される。

【００５８】以上説明したように本実施の形態２によれ
ば、より高精度にインク吐出の有無を検出できるという
効果がある。又各ノズルに対応したパターンと、検出出
力パターンとの一致、不一致に基づいて、ノズル毎に不
吐出が発生しているかを調べることも可能である。

【００５９】［実施の形態３］次に本発明の実施の形態
３について説明する。この実施の形態３に係るインクジ
ェット記録装置の構成は前述の実施の形態と同様である
ため、それらの説明を省略する。

【００６０】この実施の形態３では、前述の赤外線セン
サ１０２により記録ヘッド５のノズルからインク滴が吐
出されたかどうかを検出し、インク滴が検出されない場
合には、記録ヘッド５の回復処理を行うかどうかを判断
して自動的に回復処理を行うことを特徴としている。

【００６１】この処理を示すのが図９のフローチャート
である。

【００６２】本実施の形態３のインクジェット記録装置
では、インク吐出動作に連動してインク滴が通過したか
否かを検知するための吐出不良検出手段（赤外線センサ
１０２、ステップＳ３０１及びＳ３０２に相当）を設け
ることにより、インクが正常に吐出されているかどうか
を検知することができる。ステップＳ３０２の結果によ
りインクの吐出不良がない場合はステップＳ３０３に進
み、通常の記録モードで記録を行う。

【００６３】一方、ステップＳ３０２でインクの吐出不
良が検出された場合はステップＳ３０４に進み、吐出不
良を解消させるための回復動作を行うかどうかを判断す
る。ここでは例えば直前に何回の回復動作を行ったかに
よって、更に回復処理を実行するか否かを判断する。回
復動作を行う場合はステップＳ３０５に進んで回復動作
を行う。その後、再度ステップＳ３０１に進み、インク
の吐出不良検知を実行する。尚、ステップＳ３０４での
判定処理は、例えば操作パネル５８のキー操作に基づい
て判定されてもよい。

【００６４】またステップＳ３０４で回復動作を実行し
ない場合はステップＳ３０６に進み、インク吐出不良の
エラー処理をするか否かを判断する。エラー表示を行う
場合はステップＳ３０７に進み、操作パネル５８の表示
部５９にその旨を表示してユーザに伝える。また、ステ
ップＳ３０６でエラー処理を行わない場合はステップＳ
３０８に進み、不吐補完記録モードに移行することもで
きる。

【００６５】この不吐補完記録モードとは、記録ヘッド
５内に複数のノズルを有している場合、各ノズル毎にイ
ンクが吐出されるか否かを検知し、インクを吐出しない
ノズルがある場合はそのノズルを使用しないで他の正常
なノズルで代用することにより、正常なノズルのみを使
用して画像記録を実行するモードのことである。

【００６６】尚、ノズル毎のインク吐出状態の検出につ
いては、前述した実施の形態２に示した構成により達成
することができる。

【００６７】以上説明した一連の動作を行うことによ
り、装置としては、記録ヘッドの各ノズルから実際にイ
ンクが吐出しているかどうかを正確に知ることができる
だけでなく、必要な時にのみ回復動作を行うことによ
り、無駄なインクの消費を抑え、また回復処理にかかる
時間も軽減させることができる。更に、不吐補完記録を
行うことにより、インク不吐出が発生したノズルが記録
ヘッド内に存在しても記録品質を低下させないで画像記
録が行える。

【００６８】このようなインク不吐検知処理が有効なイ
ンクジェット記録装置としては、インクジェット方式を
用いたプリンタ装置、ファクシミリ装置、カラーフィル
タ印刷装置、捺染装置などが挙げられる。

【００６９】［実施の形態４］次に本発明の実施の形態
４について説明する。この実施の形態４では、インクタ
ンクから記録ヘッドにインクを供給するチューブ（ほぼ
透明）内でのインクの移動を検知して、インクタンクの
残量を検知することを特徴としている。

【００７０】図１０は、本実施の形態４の構成を説明す
る図である。

【００７１】図中、４０１は液体（インク）の入ったタ
ンクである。このタンク４０１から液を供給するための
チューブ４０２が配備されており、タンク４０１から液
がチューブ４０２を通して排出されている。４０３はチ
ューブ４０２内を移動する液を示している。このチュー
ブ４０２内を移動する液の通過経路の途中に、前述した
放射波検知部２０３が液（チューブ）に接触しない位置
に配備されており、通過する液に対して非接触でその通
過の有無や、通過する液量の検出を行うことができるよ
うに構成されている。

【００７２】この構成においても、放射波検知部２０３
はチューブ４０２内を通過する液から放出される放射波
の内の赤外線を検知するものとし、この放射波検知部２
０３として、前述した赤外線センサ１０２を用いてい
る。この液の検知原理は、前述の実施の形態と同様であ
る。即ち、インク滴１０１が、チューブ４０２内の液体
４０３に変わったのみで同様にして検出することが可能
である。

【００７３】尚、前述の実施の形態において説明したよ
うに、検知の精度を高めるためにインクを加熱するため
のヒータを配置してもよい。このヒータを配置する箇所
としては、チューブ４０２の検知位置よりもタンク４０
１側であれば、検知位置においてインクを精度良く検知
することが可能である。

【００７４】本実施の形態に示す構成を適用できるもの
として、インクジェット記録装置における記録ヘッドへ
のインク供給システムや、エンジンへの燃料供給システ
ム及び各種オイル供給、循環システム、化学工業プラン
トにおける原材料供給システム等が挙げられる。特にエ
ンジンを配備したシステムやエンジン内を循環する液体
（例えばラジエータのクーラント液など）については、
エンジンが発する熱を使用して液体の温度を容易に上昇
できるため、本実施の形態における赤外線を検知する液
検出装置は極めて有効である。

【００７５】以上の実施の形態は、特にインクジェット
記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用さ
れるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段（例
えば電気熱変換体やレーザ光等）を備え、前記熱エネル
ギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いる
場合に適している。

【００７６】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に１対１で対応した液体
（インク）内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体（イン
ク）を吐出させて、少なくとも１つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体（イン
ク）の吐出が達成でき、より好ましい。

【００７７】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第４４６３３５９号明細書、同第４３４５２６２号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第４３１３１２４号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。

【００７８】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路または直角液流路）の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許第
４４５９６００号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭５９−１３８４６１号公報に基づいた構
成としても良い。

【００７９】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された１個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。

【００８０】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。

【００８１】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましい。これ
らを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピ
ング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、
電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこ
れらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。ま
た、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えるこ
とも安定した記録を行うために有効である。

【００８２】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも１つを備えた装置とすることもで
きる。

【００８３】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を３０°Ｃ以上７０°Ｃ以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。

【００８４】また熱エネルギーの記録信号に応じた付与
によってインクが液化し、液状インクが吐出されるもの
や、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの
等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化す
る性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能であ
る。このような場合インクは、特開昭５４−５６８４７
号公報あるいは特開昭６０−７１２６０号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。

【００８５】尚、上述した実施の形態においては、イン
クを吐出するためのエネルギーを発生する手段として電
気熱変換体であるヒータを用いたインクジェット記録装
置を例に説明したが、本発明は、圧電素子のように機械
的圧力を発生する素子を用いてインクを吐出する方式の
インクジェット記録装置にも適用することが可能であ
る。このような圧電素子を用いてインクを吐出する方式
においてはインクの温度と環境温度との差が少なく、イ
ンクの不吐出の検知の際にインクの温度を上昇させるこ
とを目的とした加熱用のヒータを設けることで、高精度
にインクの不吐出が発生した状態を検知することが可能
となる。

【００８６】加えて、本発明に係る記録装置の形態とし
ては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末と
して一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と
組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。

【００８７】なお本発明は、複数の機器（例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タなど）から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置（例えば、複写機、ファクシミリ装置
など）に適用してもよい。

【００８８】また本発明の目的は、前述した実施形態の
機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録
した記憶媒体（または記録媒体）を、システムあるいは
装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュー
タ（またはCPUやMPU）が記憶媒体に格納されたプログラ
ムコードを読み出し実行することによっても達成され
る。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコ
ード自体が前述した実施形態の機能を実現することにな
り、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明
を構成することになる。また、コンピュータが読み出し
たプログラムコードを実行することにより、前述した実
施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラム
コードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働している
オペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部
または全部を行い、その処理によって前述した実施形態
の機能が実現される場合も含まれる。

【００８９】更に、記憶媒体から読み出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わ
るＣＰＵなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。

【００９０】尚、前述の各実施の形態の構成はそれぞれ
独立して説明したが、本発明はこれに限定されず、それ
ぞれ単独に、あるいは組合わせて構成されてもよい。

【００９１】また前述の実施の形態において、インクを
吐出させるためのヘッドを駆動する際に、記録ヘッドに
全ノズルからインクを吐出するようなデータを出力して
駆動するように説明したが、例えば各ノズルにおけるイ
ンクの吐出／不吐出を検出する場合には、特定のノズル
だけからインクを吐出させるようなデータを記録ヘッド
に出力して吐出駆動するのが望ましい。これにより１ノ
ズル単位でインクの吐出不良を検知することができる。

【００９２】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、液体や液滴に対して非接触でその液の通過の有無
や、通過する液の液量を検知することができる。特に微
少の液の検出性能を従来に比べ格段に高めることが可能
となる。

【００９３】このような液検知方法を採用することによ
り、インクジェット記録装置において、インクの吐出不
良を検知することが可能となる。又、吐出不良のノズル
が検出された場合にのみ記録ヘッドの回復動作を行うこ
とにより、無駄なインクの消費を抑え、また回復処理に
要する時間も軽減させることができる。

【００９４】更に、不吐補完記録を行うことにより、不
吐ノズルが存在しても記録品質を低下させないで画像記
録が行える。

【００９５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
体または液滴に対して非接触で、高精度に通過する液の
有無、及び、或は液量を検出できる。

【００９６】又本発明によれば、記録ヘッドから放出さ
れるインクが通過する経路でインクの有無及び、或はイ
ンク量を非接触で正確に検出できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態のインクジェット記録装置の記録
部の詳細な構成を示す斜視図である。

【図２】図１の記録部のインク検出部の周辺の構成を示
す概念図である。

【図３】本発明の実施の形態のインク検出部の構成を示
す回路図である。

【図４】本実施の形態１に係るインク滴の検出を説明す
る概念図である。

【図５】本実施の形態のインクジェット記録装置の構成
を示すブロック図である。

【図６】本実施の形態１のインクジェット記録装置にお
ける動作を示すフローチャートである。

【図７】本実施の形態２に係るインク滴の検出を説明す
る概念図である。

【図８】本実施の形態２のインクジェット記録装置にお
ける動作を示すフローチャートである。

【図９】本実施の形態３のインクジェット記録装置にお
ける動作を示すフローチャートである。

【図１０】本実施の形態４に係るインク残量の検出を説
明する概念図である。

Claims (39)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通過する液体又は液滴の近傍に配置さ
   れ、当該液体又は液滴から放出される放射波を検知する
   放射波検知手段と、 前記放射波検知手段の出力値の変化を検出する検出手段
   とを有し、 前記通過する液体又は液滴に非接触で前記液体又は液滴
   の通過の有無を検知することを特徴とする液検知装置。
2. 【請求項２】 前記放射波は赤外線であることを特徴と
   する請求項１に記載の液検知装置。
3. 【請求項３】 前記検出手段は、赤外線センサを含むこ
   とを特徴とする請求項２に記載の液検知装置。
4. 【請求項４】 更に、前記検出手段により検出される出
   力値の変化量を測定する測定手段を有し、前記通過する
   液体又は液滴に非接触で前記液体又は液滴の通過量を検
   知することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項
   に記載の液検知装置。
5. 【請求項５】 前記測定手段は、前記出力値を積分して
   前記出力値の変化量を測定することを特徴とする請求項
   ４に記載の液検知装置。
6. 【請求項６】 所定パターンに従って液を送出するため
   の液送出手段と、 前記検出手段によって検出された出力値の変化が示すパ
   ターンと、前記液を送出する所定パターンとの一致状態
   を判定する判定手段とを更に有することを特徴とする請
   求項１に記載の液検知装置。
7. 【請求項７】 前記判定手段は、前記所定パターンに従
   って液を送出するタイミングと、前記検出手段によって
   検出された出力値の変化が示すタイミングとの一致状態
   を判定することを特徴とする請求項６に記載の液検知装
   置。
8. 【請求項８】 前記判定手段は、前記所定パターンに従
   って液を送出する周期と、前記検出手段によって検出さ
   れた出力値の変化が示す周期との一致状態を判定するこ
   とを特徴とする請求項６に記載の液検知装置。
9. 【請求項９】 前記判定手段は、前記所定パターンに従
   って液を送出する回数と、前記検出手段によって検出さ
   れた出力値の変化が示す回数との一致状態を判定するこ
   とを特徴とする請求項６に記載の液検知装置。
10. 【請求項１０】 前記検出手段の出力変化の時定数に応
    じた周期で液を送出する液送出手段を更に有し、前記測
    定手段は前記放射波検知手段及び前記検出手段の出力値
    を積分して前記出力値の変化量を測定することを特徴と
    する請求項４に記載の液検知装置。
11. 【請求項１１】 前記液体又は液滴を、前記放射波検知
    手段による検知に先立って加熱するための加熱手段を更
    に有することを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか
    １項に記載の液検知装置。
12. 【請求項１２】 通過する液体又は液滴の近傍に、当該
    液体又は液滴から放出される放射波を検知するセンサを
    配し、 前記センサの出力値の変化を検出することにより、前記
    通過する液体又は液滴に非接触で前記液体又は液滴の通
    過の有無を検知することを特徴とする液検知方法。
13. 【請求項１３】 前記放射波は赤外線であることを特徴
    とする請求項１２に記載の液検知方法。
14. 【請求項１４】 前記センサは赤外線センサを含むこと
    を特徴とする請求項１２に記載の液検知方法。
15. 【請求項１５】 更に、前記出力値の変化量を測定する
    測定工程を有し、前記通過する液体又は液滴に非接触で
    前記液体又は液滴の通過量を検知することを特徴とする
    請求項１２乃至１４のいずれか１項に記載の液検知方
    法。
16. 【請求項１６】 前記測定工程では、前記出力値を積分
    して前記出力値の変化量を測定することを特徴とする請
    求項１５に記載の液検知方法。
17. 【請求項１７】 所定パターンに従って液を送出するた
    めの液送出工程と、 検出された出力値の変化が示すパターンと、前記液を送
    出する所定パターンとの一致状態を判定する判定工程と
    を更に有することを特徴とする請求項１２に記載の液検
    知方法。
18. 【請求項１８】 前記判定工程では、前記所定パターン
    に従って液を送出するタイミングと、前記検出された出
    力値の変化が示すタイミングとの一致状態を判定するこ
    とを特徴とする請求項１７に記載の液検知方法。
19. 【請求項１９】 前記判定工程では、前記所定パターン
    に従って液を送出する周期と、前記検出された出力値の
    変化が示す周期との一致状態を判定することを特徴とす
    る請求項１７に記載の液検知方法。
20. 【請求項２０】 前記判定工程では、前記所定パターン
    に従って液を送出する回数と、前記検出された出力値の
    変化が示す回数との一致状態を判定することを特徴とす
    る請求項１７に記載の液検知方法。
21. 【請求項２１】 前記出力値の出力変化の時定数に応じ
    た周期で液を送出する液送出工程を更に有し、前記測定
    工程では前記センサの出力値を積分して当該出力値の変
    化量を測定することを特徴とする請求項１５に記載の液
    検知方法。
22. 【請求項２２】 前記液体又は液滴を、前記センサによ
    る検知に先立って加熱するための加熱工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項１２乃至２１のいずれか１項に
    記載の液検知方法。
23. 【請求項２３】 インクジェットヘッドから記録媒体上
    にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録
    装置であって、 前記インクジェットヘッドから吐出されたインク滴から
    放出される放射波を検知する放射波検知手段と、 前記放射波検知手段の出力値の変化を検出する検出手段
    とを有し、 前記インクに非接触で前記インクの通過の有無を検知す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
24. 【請求項２４】 前記放射波は赤外線であることを特徴
    とする請求項２３に記載のインクジェット記録装置。
25. 【請求項２５】 前記検出手段は、赤外線センサを含む
    ことを特徴とする請求項２４に記載のインクジェット記
    録装置。
26. 【請求項２６】 更に、前記検出手段により検出される
    出力値の変化量を測定する測定手段を有し、前記インク
    に非接触で前記インクの通過量を検知することを特徴と
    する請求項２３乃至２５のいずれか１項に記載のインク
    ジェット記録装置。
27. 【請求項２７】 前記測定手段は、前記出力値を積分し
    て前記出力値の変化量を測定することを特徴とする請求
    項２６に記載のインクジェット記録装置。
28. 【請求項２８】 所定パターンに従って液を送出するた
    めの液送出手段と、 前記検出手段によって検出された出力値の変化が示すパ
    ターンと、前記液を送出する所定パターンとの一致状態
    を判定する判定手段とを更に有することを特徴とする請
    求項２３に記載のインクジェット記録装置。
29. 【請求項２９】 前記判定手段は、前記所定パターンに
    従って液を送出するタイミングと、前記検出手段によっ
    て検出された出力値の変化が示すタイミングとの一致状
    態を判定することを特徴とする請求項２８に記載のイン
    クジェット記録装置。
30. 【請求項３０】 前記判定手段は、前記所定パターンに
    従って液を送出する周期と、前記検出手段によって検出
    された出力値の変化が示す周期との一致状態を判定する
    ことを特徴とする請求項２８に記載のインクジェット記
    録装置。
31. 【請求項３１】 前記判定手段は、前記所定パターンに
    従って液を送出する回数と、前記検出手段によって検出
    された出力値の変化が示す回数との一致状態を判定する
    ことを特徴とする請求項２８に記載のインクジェット記
    録装置。
32. 【請求項３２】 前記検出手段の出力変化の時定数に応
    じた周期で液を送出する液送出手段を更に有し、前記測
    定手段は前記放射波検知手段及び前記検出手段の出力値
    を積分して前記出力値の変化量を測定することを特徴と
    する請求項２６に記載のインクジェット記録装置。
33. 【請求項３３】 前記液体又は液滴を、前記放射波検知
    手段による検知に先立って加熱するための加熱手段を更
    に有することを特徴とする請求項２３乃至３２のいずれ
    か１項に記載のインクジェット記録装置。
34. 【請求項３４】 インクジェットヘッドから記録媒体上
    にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録
    装置におけるインク検出方法であって、 前記インクジェットヘッドから吐出されたインク滴から
    放出される放射波を検知する放射波検知工程と、 前記放射波検知工程で検知された出力値の変化を検出す
    る検出工程とを有し、 前記インクに非接触で前記インクの通過の有無を検知す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置におけるイ
    ンク検出方法。
35. 【請求項３５】 前記放射波は赤外線であることを特徴
    とする請求項３４に記載のインク検出方法。
36. 【請求項３６】 更に、前記検出工程で検出される出力
    値の変化量を測定する測定工程を有し、前記インクに非
    接触で前記インクの通過量を検知することを特徴とする
    請求項３４又は３５に記載のインク検出方法。
37. 【請求項３７】 所定のタイミングでインクを吐出駆動
    する駆動工程と、 前記検出工程で検出された出力値の変化が前記所定のタ
    イミングと一致しているか否かを判断するための判別工
    程とを更に有することを特徴とする請求項３４に記載の
    インク検出方法。
38. 【請求項３８】 前記測定工程では、前記出力値が所定
    の範囲にある時間を基に前記出力値の変化量を測定する
    ことを特徴とする請求項３６に記載のインク検出方法。
39. 【請求項３９】 前記測定工程では、前記出力値を積分
    して前記出力値の変化量を測定することを特徴とする請
    求項３６に記載のインク検出方法。