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JP2000283195A - 電動ディスクブレーキ - Google Patents

電動ディスクブレーキ

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Publication number
JP2000283195A
JP2000283195A JP11092713A JP9271399A JP2000283195A JP 2000283195 A JP2000283195 A JP 2000283195A JP 11092713 A JP11092713 A JP 11092713A JP 9271399 A JP9271399 A JP 9271399A JP 2000283195 A JP2000283195 A JP 2000283195A
Authority
JP
Japan
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piston
rotor
brake
pad
braking
Prior art date
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Application number
JP11092713A
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English (en)
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Inventor
Takuya Usui
拓也 臼井
Yukio Otani
行雄 大谷
Touma Yamaguchi
東馬 山口
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP11092713A priority Critical patent/JP2000283195A/ja
Publication of JP2000283195A publication Critical patent/JP2000283195A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動ディスクブレーキにおいて、ブレーキパ
ッドの摩耗を自動的に調整する。 【解決手段】 キャリパ本体3に第1および第2ボール
ねじ機構11,12、電動モータ10およびパッド摩耗補償機
構13を設ける。電動モータ10による主ロータ14の回転を
第1および第2ボールねじ機構11,12によって直線運動
に変換して、ピストン21および爪部4を介してブレーキ
パッド5,6をディスクロータに押圧して制動力を発生
させる。パッド摩耗補償機構13のロータリング28のピン
29、リミッタの円弧状の溝26A および一方向クラッチ25
によって、所定範囲を越える主ロータ14の回転変位(ブ
レーキパッド5,6の摩耗分に相当)のみをピストン25
に伝達し、調整ねじAによってピストン21を前進させて
ブレーキパッド5,6の摩耗を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータの回転
力によって制動力を発生させる電動ディスクブレーキに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の車両の制動装置とし
て、ブレーキ液を使用せず、電動モータの出力によって
制動力を発生させるようにした所謂「ドライブレーキ」
装置が知られている。
【0003】ドライブレーキ装置としては、例えば国際
特許公開第96/03301 号に開示されているように、電動
モータの回転運動をローラねじ機構(ねじ伝動機構)に
よってピストンの進退動に変換し、ピストンによってブ
レーキパッドをディスクロータに押圧させることによ
り、制動力を発生させるようにした電動ディスクブレー
キ装置がある。この種の電動ディスクブレーキ装置は、
運転者によるブレーキペダル踏力(または変位量)をセ
ンサによって検出し、コントローラによって、この検出
に応じて電動モータの回転を制御して、所望の制動力を
得るようにしている。
【0004】また、上記のような電動ディスクブレーキ
装置においては、各種センサを用いて、各車輪の回転速
度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度等の
車両状態を検出し、コントローラによってこれらの検出
に基づいて電動モータの回転を制御することにより、倍
力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車
両安定化制御等を比較的簡単に組み込むことができる。
【0005】ところで、上記電動ディスクブレーキ装置
では、非制動時の引きずりを防止するため、ディスクロ
ータとブレーキパッドとの間に所定のパッドクリアラン
スを維持する必要がある。そこで、従来は、制動を解除
する際に、ブレーキパッドがディスクロータに接触、離
間する境界である制動位置から電動モータを戻し方向に
所定角度だけ回転させることにより、ブレーキパッドの
戻し量を一定に制御して、ブレーキパッドの摩耗にかか
わらず、パッドクリアランスを常に一定に維持するよう
にしている。
【0006】また、ブレーキパッドの摩耗を補償する機
構として、例えば特開昭50−108465号公報には、ブレー
キレバーの操作によってブレーキワイヤを介してボール
ランプ機構を作動させ、ピストンに推力を発生させてブ
レーキパッドを押圧するようにした二輪車用機械式ブレ
ーキにおいて、ピストンに設けられた調整ねじと所定の
バックラッシュを有するラチェット機構とを組合せて、
一定量を越えるブレーキパッドの摩耗に対して、ラチェ
ット機構を作動させて調整ねじによってピストンを追従
させるようにしたものが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電動ディスクブレーキでは、ブレーキパッドの摩耗
にしたがってピストンを追従させるために、電動モータ
の回転運動をピストンの直線運動に変換するための伝動
機構のストローク量をブレーキパッドの摩耗量を考慮し
て充分大きく設定する必要があり、このことが伝動機構
の設計上の制約となり、問題となっている。
【0008】また、上記ブレーキパッド摩耗補償機構を
備えた二輪車用機械式ブレーキでは、ブレーキパッドの
摩耗量がラチェット機構のバックラッシュを越える毎
に、調整ねじによってピストンを一定量だけ前進させて
ブレーキパッドの摩耗にピストンを追従させるようにし
ているので、摩耗に対する調整が段階的になり、細かい
調整を行うことができないという問題がある。
【0009】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、伝動機構のストローク量を増大させることな
く、しかも、ブレーキパッドの摩耗を連続的に調整して
補償することができる電動ディスクブレーキを提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、電動モータによるロータの回
転運動を伝動機構を介してピストンの直線運動に変換
し、該ピストンの移動によってブレーキパッドをディス
クロータに押圧して制動力を発生させるようにした電動
ディスクブレーキ装置において、前記伝動機構と前記ピ
ストンとの間に調整ねじを設け、該調整ねじと前記ロー
タとの間に、前記ロータの所定範囲を越える回転変位の
みを伝達するリミッタと、一方向クラッチとを設け、前
記ロータの制動時の回転変位が所定範囲を越えたとき、
該ロータの制動解除時の回転変位を前記一方向クラッチ
を介して前記調整ねじに伝達して前記ピストンを前記デ
ィスクロータ側へ前進させるようにしたパッド摩耗補償
機構を備えていることを特徴とする。
【0011】このように構成したことにより、ブレーキ
パッドが摩耗して、制動時の電動モータのロータの回転
変位が所定範囲を越えると、その所定範囲を越えた分の
回転変位が制動解除時に一方向クラッチを介して調整ね
じに伝達されて、ピストンがディスクロータ側へ前進す
る。
【0012】また、請求項2の発明は、電動モータによ
るロータの回転運動を伝動機構を介してピストンの直線
運動に変換し、該ピストンの移動によってブレーキパッ
ドをディスクロータに押圧して制動力を発生させるよう
にした電動ディスクブレーキ装置において、前記伝動機
構と前記ピストンとの間に調整ねじを設け、該調整ねじ
と前記ロータとの間に、前記ロータの所定範囲を越える
回転変位のみを伝達するリミッタと、回転力を摩擦力に
よって伝達する摩擦伝達手段と、一方向クラッチとを設
け、前記ロータの制動時の回転変位が所定範囲を超えた
とき、その所定範囲を越えた分の回転変位を前記摩擦伝
達機構および前記一方向クラッチを介して前記調整ねじ
に伝達して前記ピストンを前記ディスクロータ側へ前進
させるようにしたパッド摩耗補償機構を備えていること
を特徴とする。
【0013】このように構成したことにより、ブレーキ
パッドが摩耗して、制動時の電動モータのロータの回転
変位が所定範囲を越えると、その所定範囲を越えた分の
回転変位が摩擦伝達機構および一方向クラッチを介して
調整ねじに伝達され、ピストンがディスクロータ側へ前
進する。このとき、ピストンがブレーキパッドをディス
クロータに押圧している場合には、調整ねじに大きな摩
擦力が生じるので、摩擦伝達機構に滑りが生じて調整ね
じが回転しない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0015】本発明の第1実施形態について、図1ない
し図4を参照して説明する。図1に示すように、電動デ
ィスクブレーキ1は、車輪と共に回転するディスクロー
タ2の一側(通常は車体に対して内側)にキャリパ本体
3が配置されており、キャリパ本体3には、ディスクロ
ータ2を跨いで反対側まで延びる爪部4が設けられてい
る。ディスクロータ2の両側、すなわち、ディスクロー
タ2とキャリパ本体3との間および爪部4との間にそれ
ぞれブレーキパッド5,6が設けられている。ブレーキ
パッド5,6は、車体側に固定されるキャリヤ(図示せ
ず)によってディスクロータ2の軸方向に沿って移動可
能に支持されており、キャリパ本体3は、このキャリヤ
によってディスクロータ2の軸方向に沿って移動可能に
案内されている。
【0016】キャリパ本体3の略円筒状のハウジング9
内には、電動モータ10、第1ボールねじ機構11(伝動機
構)、第2ボールねじ機構12(伝動機構)およびパッド
摩耗補償機構13が設けられ、また、円筒状の主ロータ14
(ロータ)がボールベアリング15によって回転可能に支
持されている。ハウジング5の後端部には、カバー16が
装着されている。
【0017】電動モータ10は、ハウジング9の内周部に
固定されたステータ17と、ステータ17の内周部に対向さ
せて主ロータ14の外周部に取付けられたモータロータ18
とを備え、コントローラ(図示せず)からの制御信号
(電気信号)に応答してモータロータ18すなわち主ロー
タ14を所望角度だけ回転させることができ、また、所望
トルクで回転させることができるようになっている。
【0018】第1ボールねじ機構11は、主ロータ14と、
主ロータ14内に挿入されてハウジング9に対して軸方向
に移動可能に支持され、かつ、回転方向には固定された
略円筒状のインナボディ19と、これらに形成されたねじ
溝の間に装填された複数のボール20(鋼球)とから構成
されており、主ロータ14の回転運動をインナボディ19の
直線運動に変換するようになっている。なお、主ロータ
14およびインナボディ19のねじ溝は、左ねじを形成して
おり、主ロータ14が時計回り(図1の右方から見て時計
回り、以下同じ)に回転すると、インナボディ19が図1
中の左方へ移動して、インナボディ19に装着されたピス
トン21(後述)を介してブレーキパッド5をディスクロ
ータ2へ押圧させるようになっている。
【0019】また、第2ボールねじ機構12は、主ロータ
14と、爪部4に一体的に設けられ、主ロータ14に外嵌さ
れてハウジング9に対して軸方向に移動可能に支持さ
れ、かつ、回転方向には固定された略円筒状のアウタボ
ディ22と、これらに形成されたねじ溝の間に装填された
複数のボール23(鋼球)とから構成されており、主ロー
タ14の回転運動をアウタボディ22の直線運動に変換する
ようになっている。なお、主ロータ14およびアウタボデ
ィ22のねじ溝は、右ねじを形成しており、主ロータ14が
時計回りに回転すると、アウタボディ22が図1中の右方
へ移動して、爪部4を介してブレーキパッド6をディス
クロータ2へ押圧させるようになっている。
【0020】次に、パッド摩耗補償機構13について、適
宜、図2も参照して説明する。インナボディ19の内周部
にはめねじ(台形ねじ)が形成され、ピストン21の外周
部にはおねじ(台形ねじ)が形成されており、これらが
螺合して調整ねじAを構成し、ピストン21の一端部がブ
レーキパッド5に当接されている。インナボディ19およ
びピストン21の調整ねじAは、左ねじを形成しており、
ピストン21は、インナボディ19を反時計回り(図1の右
方から見た反時計回り、以下同じ)に回転させることに
よってブレーキパッド5側へ移動する。また、インナボ
ディ19およびピストン21の調整ねじAは、軸方向に力を
加えてもセルフロックして回転を生じないようになって
いる。
【0021】ピストン21の他端部には、小径のスプライ
ン部24が一体的に設けられており、スプライン部24に
は、一方向クラッチ25を介して円筒状のリミッタ26が取
付けられている。一方向クラッチ25は、その内側部分が
スプライン部24に軸方向に移動可能にプライン結合さ
れ、外側部分がリミッタ26に固定されており、リミッタ
26のスプライン部24に対する時計回りの回転を許容し、
反時計回りの回転に対してはスプライン部24すなわちピ
ストン21を一体に回転させるようになっている。ここ
で、一方向クラッチ25は、できるだけバックラッシュの
少ないものが望ましい。
【0022】リミッタ26は、コイルばね27によってイン
ナボディ19に連結されており、インナボディ19に対し
て、ピストン21の移動にかかわらず、軸方向に一定距離
をもって保持され、かつ、所定の摩擦または弾性的な抵
抗をもって回転できるようになっている。リミッタ26の
一端部に設けられたフランジ部の一端面に、周方向に沿
って所定のパッドクリアランスに応じた中心角(図示の
ものでは 160°)の範囲で円弧状の溝26A が形成されて
いる。
【0023】主ロータ14の後端部には、リミッタ26のフ
ランジ部の一端面に対向させて、環状のロータリング28
が取付けられており、ロータリング28に立設されたピン
29がリミッタ26の溝26A に挿入されている。ピストン21
のスプライン部24の先端部には、六角穴30が設けられて
おり、ブレーキパッド5,6の交換の際に、カバー16に
設けられた開口31およびロータリング28の中央開口32を
通して六角穴30に工具を係合し、ピストン21を回転させ
て移動することができるようになっている。
【0024】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0025】制動時には、コントローラ(図示せず)か
らの制御信号を受けて電動モータ10のモータロータ18す
なわち主ロータ14が時計方向に回転し、第1および第2
ボールねじ機構11,12が作動して、インナボディ19およ
びアウタボディ22をそれぞれ図中の左方および右方へ移
動させ、ピストン21および爪部4によってブレーキパッ
ド5,6をディスクロータ2へ押圧させて制動力を発生
させる。そして、ブレーキパッド5,6に作用する回転
力をキャリヤ(図示せず)で支持し、また、キャリパ本
体3がキャリヤに案内されて移動することにより、ディ
スクロータ2の両側の摺動面の振れや、制動前における
ディスクロータ2に対する各ブレーキパッド5,6の離
間距離(制動時の始動位置となる)の誤差を吸収する。
【0026】制動解除時には、電動モータ10を逆回転さ
せ、主ロータ14を反時計回りに元の位置まで回転させる
と、第1および第2ボールねじ機構11,12によってイン
ナボディ19およびアウタボディ22とともにピストン21お
よび爪部4が後退して、ディスクロータ2からブレーキ
パッド5,6が離間して制動が解除される。このとき、
第1および第2ボールねじ機構11,12によってピストン
25および爪部4を後退させるので、両側のブレーキパッ
ド5,6をディスクロータ2から均等に離間させること
ができ、ブレーキパッド5,6の引きずりを軽減するこ
とができる。
【0027】次に、パッド摩耗補償機構13の作用につい
て図3および図4を参照して説明する。なお、ピストン
21とブレーキパッド5および爪部4とブレーキパッド6
の相対位置関係は同様であるから、図3および図4に
は、ピストン21とブレーキパッド5との関係のみを示
す。
【0028】ブレーキパッド5,6の摩耗がない場合、
または、後述する摩耗の調整が行われた後には、図3に
示すように、制動時には、主ロータ14の時計回りの回転
によって、ピストン21および爪部5は、非制動位置
(A)からパッドクリアランスCだけ前進してブレーキ
パッド5,6をディスクロータ2に当接させる制動開始
位置(B)へ移動し、さらに、ブレーキパッド5,6を
ディスクロータ2に押圧して制動位置(C)へ移動す
る。その後、主ロータ14の反時計回りの回転によって制
動を解除すると非制動位置(A)まで後退する。このと
き、ブレーキパッド5,6の摩耗がなければ、ピストン
21および爪部4は、一定範囲を移動し、これに対応し
て、ロータリング28のピン29は、溝26A 内の一定範囲を
回動することになり、リミッタ26が回転しないので、パ
ッドの摩耗調整は行われない。
【0029】ブレーキパッド5,6が摩耗した場合、図
4に示すように、ブレーキパッド5,6が摩耗した分W
だけ制動時のピストン21および爪部4の移動量が大きく
なり、ロータリング28のピン29の回動量も大きくなるの
で、ピストン21および爪部4が、非制動位置(A)から
制動位置(D)まで移動したとき、ロータリング28のピ
ン29がリミッタ26の溝26A の一端部から他端部まで移動
し、さらに、最大制動位置(E)まで移動する際に、ピ
ン29がロータリング28を時計回りに回転させる。このと
き、一方向クラッチ25は空転するので、ピストン21は回
転しない。その後、制動を解除してピストン21および爪
部4が制動解除位置(F)まで後退したとき、ピン29
は、溝26A の一端部に当接し、さらに、元の非制動位置
(A)に復帰する際に、ロータリング28を反時計回りに
回転させる。このとき、一方向クラッチ25が噛み合って
ロータリング28の回転がピストン21に伝達されて、ピス
トン21が反時計回りに回転して、インナボディ19からパ
ッド5側へ前進してパッドの摩耗調整を行なう。
【0030】このようにして、ブレーキパッド5,6が
摩耗した分だけロータリング28の回動範囲が大きくな
り、ピン29がリミッタ26の溝26A の範囲を越えて回動す
ることにより、その分だけリミッタ26が回転し、一方向
クラッチ25を介してピストン21を回転させてブレーキパ
ッド5側へ前進させるので、第1および第2ボールねじ
機構11,12のストロークが短くても、ブレーキパッド
5,6の摩耗を確実に調整することができる。その結
果、第1および第2ボールねじ機構11,12のリードを充
分小さく設定して倍力比を大きくすることが可能となる
ので、電動モータ10の出力が小さくてすみ、消費電力の
低減およびモータの小型化を図ることができる。また、
ボールねじ機構の代わりに、ストロークが小さく倍力比
が大きいボールランプ機構を用いることも可能となる。
また、パッド摩耗補償機構13は、主ロータ14内に収容さ
れるので、電動ディスクブレーキ1を小型化することが
できる。
【0031】次に、本発明の第2実施形態について図5
ないし図8を参照して説明する。なお、第2実施形態
は、上記第1実施形態に対してパッド摩耗調整機構のリ
ミッタの構造が異なる以外は概して同様の構造であるか
ら、上記第1実施形態のものと同様の部分についてはこ
れと同一の符号を付して異なる部分についてのみ詳細に
説明する。
【0032】図5および図6に示すように、第2実施形
態の電動ディスクブレーキ33では、パッド摩耗補償機構
34の一方向クラッチ25A の外側部分に、リミッタ機構35
が嵌合されている。一方向クラッチ25A は、その内側部
分がスプライン部24に軸方向に移動可能にプライン結合
され、外側部分がリミッタ機構35に固定されており、上
記第1実施形態のものとは反対に、リミッタ35のスプラ
イン部24に対する反時計回りの回転を許容し、時計回り
の回転に対してはスプライン部24すなわちピストン21を
一体に回転させるようになっている。ここで、一方向ク
ラッチ25A は、できるだけバックラッシュの少ないもの
が望ましい。
【0033】リミッタ機構35は、軸方の中間部外周にフ
ランジ部36a が形成された略円筒状のリミッタ本体36
と、リミッタ本体36に外嵌されてフランジ部36a の一端
面に当接する複数(図示のものでは4枚)積層された皿
ばね37と、皿ばね37の上に重ねてリミッタ本体36に外嵌
されたリミッタリング38(リミッタ)と、リミッタ本体
36の外周溝に嵌合されて皿ばね37を圧縮した状態でリミ
ッタリング38を軸方向に支持するスナップリング39とか
ら構成されており、リミッタ本体36とリミッタリング38
との間で皿ばね37の摩擦力によって回転力を伝達するよ
うになっている。リミッタリング38の一端面には、周方
向に沿って所定のパッドクリアランスに応じた中心角
(図示のものでは18°)の範囲で円弧状の溝40が形成さ
れ、溝40にロータリング28のピン29が挿入されている。
リミッタ機構35は、コイルばね27によってインナボディ
19に連結されており、インナボディ19に対して、ピスト
ン21の移動にかかわらず、軸方向に一定距離をもって保
持され、かつ、所定の摩擦または弾性的な抵抗をもって
回転できるようになっている。
【0034】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。なお、制動時の基本的な作動につ
いては、上記第1実施形態と同様である。
【0035】パッド摩耗補償機構34の作用について図7
および図8を参照して説明する。なお、ピストン21とブ
レーキパッド5および爪部4とブレーキパッド6の相対
位置関係は同様であるから、図7および図8には、ピス
トン21とブレーキパッド5との関係のみを示す。
【0036】ブレーキパッド5,6の摩耗がない場合、
または、後述する摩耗の調整が行われた後には、図7に
示すように、制動時に、主ロータ14の回転によってピス
トン21および爪部5が非制動位置(A)からパッドクリ
アランスCだけ前進してブレーキパッド5,6がディス
クロータ2に当接する制動開始位置(B)へ移動する
と、ロータリング28のピン29がリミッタリング38の溝40
に沿って回転して溝40の一端部から他端部へ移動する。
さらに、ピストン21および爪部4がブレーキパッド5,
6をディスクロータ2に押圧して制動位置(D)へ移動
すると、ピン29がリミッタリング38を時計回りに回転さ
せ、その回転力が皿ばね37および一方向クラッチを介し
てピストン21に伝達される。このとき、ピストン21がブ
レーキパッド5を押圧しており、ピストン21とインナボ
ディ19との間の調整ねじAに大きな摩擦力が生じている
ため、皿ばね37に滑りが生じてピストン21は回転しな
い。そして、制動解除時に、主ロータ14の逆回転によっ
てピストン21および爪部5が非制動位置(A)まで後退
すると、ピン29が溝40の一端部に当接してリミッタ機構
35を反時計回りに回転させるが、一方向クラッチ15A が
空転するため、ピストン21は回転しない。このようにし
て、パッドの摩耗は調整されず、一定のパッドクリアラ
ンスが維持される。
【0037】ブレーキパッド5,6が摩耗した場合、図
8に示すように、制動時に、主ロータ14の時計回りの回
転によってブレーキパッド5,6が非制動位置(A)か
らパッドクリアランスCの分だけ位置(B)まで移動
し、ピン29が溝40の一端部から他端部へ移動しても、摩
耗分Wによってピストン21および爪部5はブレーキパッ
ド5,6を押圧しない。主ロータ14がさらに回転する
と、インナボディ16およびアウタボディ22(爪部4)が
ディスクロータ2側へ位置(D)まで前進してピストン
21および爪部4がブレーキパッド5,6をディスクロー
タ2に当接させる。このとき、ピン29がリミッタリング
38を時計回りに回転させ、その回転力が皿ばね37および
一方向クラッチ15A を介してピストン21に伝達される
が、ピストン21がブレーキパッド5を押圧しておらず、
ピストン21とインナボディ19との間の調整ねじAに大き
な摩擦力が生じていないため、ピストン21が時計回りに
回転してインナボディ19からブレーキパッド5側へ前進
してパッドの摩耗が調整される。そして、ピストン21が
ブレーキパッド5をディスクロータ2に押圧させて位置
(E)まで移動する際には、ピストン21とインナボディ
19との間の調整ねじAに大きな摩擦力が生じ、皿ばね37
に滑りが生じてピストン21の回転が停止する。そして、
制動解除時に、主ロータ14の反時計回りの回転よってピ
ストン21および爪部5が非制動位置(A)まで後退する
と、ピン29が溝40の一端部に当接してリミッタ機構35を
反時計回りに回転させるが、一方向クラッチ15A が空転
するため、ピストン21は回転しない。このようにして、
ブレーキパッド5,6の摩耗分の内の一定の割合だけ1
回の動作でピストン21をインナボディ19からブレーキパ
ッド5側へ前進させることができる。これを繰り返すこ
とにより、パッドの摩耗調整を行うことができ、上記第
1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0038】なお、上記第1および第2実施形態では、
ねじ伝動機構としてボールねじ機構を用いた例について
説明しているが、本発明は、これに限らず、モータの回
転運動をピストンの直線運動に変換するものであれば、
ボールランプ機構等のその他のねじ伝動機構を用いるも
のにも同様に適用することができる。また、上記第1お
よび第2実施形態では、両側に開閉するねじ機構を用い
た例について説明しているが、片方向のみ(例えばピス
トンのみ)を進退させる機構にも適用することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の電動デ
ィスクブレーキによれば、パッド摩耗補償機構を設けた
ことにより、ブレーキパッドが摩耗して、制動時の電動
モータのロータの回転変位が所定範囲を越えると、その
所定範囲を越えた分の回転変位が制動解除時に一方向ク
ラッチを介して調整ねじに伝達されて、ピストンがディ
スクロータ側へ前進するので、ブレーキパッドの摩耗に
応じてピストンを前進させることができ、パッドの摩耗
を適宜調整するすることができる。また、ピストン後退
時(ブレーキ解除時)に補正動作を行うため、摩耗によ
るロスを最小限に抑えることができる。
【0040】また、請求項2の電動ディスクブレーキに
よれば、パッド摩耗補償機構を設けたことにより、ブレ
ーキパッドが摩耗して、制動時の電動モータのロータの
回転変位が所定範囲を越えると、その所定範囲を越えた
分の回転変位が摩擦伝達機構および一方向クラッチを介
して調整ねじに伝達され、ピストンがディスクロータ側
へ前進する。このとき、ピストンがブレーキパッドをデ
ィスクロータに押圧している場合には、調整ねじに大き
な摩擦力が生じるため、摩擦伝達機構に滑りが生じて調
整ねじが回転しないので、ブレーキパッドの摩耗に応じ
てピストンを前進させることができ、パッドの摩耗を適
宜調整するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電動ディスクブレーキ
の縦断面図である。
【図2】図1の装置のパッド摩耗補償機構の分解斜視図
である。
【図3】図1の装置のパッド摩耗補償機構のパッドの摩
耗がない場合の作動を示す説明図である。
【図4】図1の装置のパッド摩耗補償機構のパッドが摩
耗した場合の作動を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態の電動ディスクブレーキ
の縦断面図である。
【図6】図5の装置のパッド摩耗補償機構の分解斜視図
である。
【図7】図5の装置のパッド摩耗補償機構のパッドの摩
耗がない場合の作動を示す説明図である。
【図8】図5の装置のパッド摩耗補償機構のパッドが摩
耗した場合の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電動ディスクブレーキ 2 ディスクロータ 5,6 ブレーキパッド 14 主ロータ(ロータ) 11 第1ボールねじ機構(伝動機構) 12 第2ボールねじ機構(伝動機構) 13,34 パッド摩耗補償機構 21 ピストン 25,25A 一方向クラッチ 26 リミッタ 37 皿ばね(摩擦伝達手段) 38 リミッタリング(リミッタ) A 調整ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 東馬 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA43 AA48 AA53 AA63 AA69 AA73 AA78 AA83 AA87 BA41 BA57 CC15 CC63 CC77 DA17 DA29 DA32 FA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータによるロータの回転運動を伝
    動機構を介してピストンの直線運動に変換し、該ピスト
    ンの移動によってブレーキパッドをディスクロータに押
    圧して制動力を発生させるようにした電動ディスクブレ
    ーキ装置において、 前記伝動機構と前記ピストンとの間に調整ねじを設け、
    該調整ねじと前記ロータとの間に、前記ロータの所定範
    囲を越える回転変位のみを伝達するリミッタと、一方向
    クラッチとを設け、前記ロータの制動時の回転変位が所
    定範囲を越えたとき、該ロータの制動解除時の回転変位
    を前記一方向クラッチを介して前記調整ねじに伝達して
    前記ピストンを前記ディスクロータ側へ前進させるよう
    にしたパッド摩耗補償機構を備えていることを特徴とす
    る電動ディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 電動モータによるロータの回転運動を伝
    動機構を介してピストンの直線運動に変換し、該ピスト
    ンの移動によってブレーキパッドをディスクロータに押
    圧して制動力を発生させるようにした電動ディスクブレ
    ーキ装置において、 前記伝動機構と前記ピストンとの間に調整ねじを設け、
    該調整ねじと前記ロータとの間に、前記ロータの所定範
    囲を越える回転変位のみを伝達するリミッタと、回転力
    を摩擦力によって伝達する摩擦伝達手段と、一方向クラ
    ッチとを設け、前記ロータの制動時の回転変位が所定範
    囲を超えたとき、その所定範囲を越えた分の回転変位を
    前記摩擦伝達機構および前記一方向クラッチを介して前
    記調整ねじに伝達して前記ピストンを前記ディスクロー
    タ側へ前進させるようにしたパッド摩耗補償機構を備え
    ていることを特徴とする電動ディスクブレーキ。
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