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JP2000276953A - 被覆電線 - Google Patents

被覆電線

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JP2000276953A
JP2000276953A JP11077959A JP7795999A JP2000276953A JP 2000276953 A JP2000276953 A JP 2000276953A JP 11077959 A JP11077959 A JP 11077959A JP 7795999 A JP7795999 A JP 7795999A JP 2000276953 A JP2000276953 A JP 2000276953A
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JP
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electric wire
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vinyl chloride
chloride resin
parts
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JP11077959A
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Kazunori Tsuji
一則 辻
Masashi Sato
正史 佐藤
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Publication date
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    • H01B3/00Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties
    • H01B3/18Insulators or insulating bodies characterised by the insulating materials; Selection of materials for their insulating or dielectric properties mainly consisting of organic substances
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性と皮剥性に優れた被覆電線を提供す
る。 【解決手段】塩化ビニル樹脂100重量部に対して、カ
ルシウム−亜鉛系安定剤を10重量部以下、ハイドロタ
ルサイトを2〜10重量部、ステアリン酸を0.1〜1
重量部配合した樹脂組成物にて電線を被覆する。電線サ
イズを0.3〜2sq、被覆の肉厚を0.2〜0.5m
mとした場合が最も効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆電線に関し、よ
り詳しくは、鉛化合物を含まない塩化ビニル系樹脂組成
物により被覆された被覆電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用電線の絶縁やシースに
は、適度な柔軟性や耐摩耗性の面から、一般にポリ塩化
ビニル(PVC)に安定剤、滑剤等を添加した塩化ビニ
ル系の樹脂組成物が使用されている。塩化ビニル系樹脂
に使用する安定剤としては、例えば三塩基性硫酸鉛、二
塩基性亜リン酸鉛、ケイ酸鉛等、また滑剤としてはステ
アリン酸鉛等があり、このような鉛系の化合物をを使用
する場合が多い。
【0003】ところで、自動車を廃車する際には、自動
車用電線等からなるワイヤハーネスは、シュレッダーダ
ストとして処理され、地中に埋められる。ところが、こ
の埋め立てられたシュレッダーダストからは、雨水等に
より安定剤や滑剤に含まれていた鉛化合物が溶出するた
め、環境汚染に繋がる恐れがあるという問題がある。こ
のような理由から、近年では、非鉛系の安定剤を使用す
る傾向が強まっている。非鉛系の安定剤としては、例え
ばカルシウム−亜鉛系安定剤が用いられ、これとハイド
ロタルサイトとを併用することによって、塩化ビニル系
樹脂被覆の耐熱性や耐候性を向上させている。
【0004】ところが、このようなハイドロタルサイト
を配合した塩化ビニル系樹脂によって電線を被覆する
と、銅導体と塩化ビニル系樹脂被覆との密着力が従来よ
り強くなるため、不具合が生じるという問題がある。す
なわち、電線においては、例えばワイヤハーネス加工時
に電線の中間で被覆に刃を入れ、圧着可能なスペース分
だけ被覆を移動させる中間皮剥等の皮剥作業が必須であ
る。ところが、上記した被覆電線では、銅導体と被覆と
の密着力が強いために、この皮剥の過程において、被覆
を銅導体から無理に引き剥がそうとして被覆に亀裂が生
じたり、被覆が銅導体に沿ってうまく移動せずにコブが
発生したりする場合がある。中間皮剥においてこのよう
な事象が発生すると、中間部の圧着が困難になるとい
う、電線にとっては大きな問題となるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、ハイドロタルサイトを配合し
て熱安定性を向上させながら、皮剥性にも優れた被覆電
線を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用】上記課題を解決す
るため、本発明では、塩化ビニル樹脂100重量部当た
り、カルシウム−亜鉛系安定剤を10重量部以下、ハイ
ドロタルサイトを2〜10重量部、ステアリン酸を0.
1〜1重量部含む塩化ビニル系樹脂組成物によって、電
線を被覆した(請求項1の発明)。上記発明を実施する
上で、電線サイズを0.3〜2sq、被覆の肉厚を0.
2〜0.5mmとした場合が最も効果的である(請求項
2の発明)。
【0007】上記したように、カルシウム−亜鉛系安定
剤は塩化ビニル樹脂100重量部に対して10量部以下
で配合するとよく、ハイドロタルサイトと併用すること
によって、熱安定性や耐候性がさらに向上する。10重
量部以下とするのは、10重量部よりも多くなると熱安
定性は向上するが、耐摩耗性が低下するためである。ま
た、ハイドロタルサイトは塩化ビニル樹脂100重量部
に対して2〜10重量部配合することが好ましく、10
重量部よりも多くなると、熱安定性は向上するが、耐摩
耗性を低下させてしまう。また、2重量部未満である
と、熱安定性の効果が小さくなってしまう。
【0008】ステアリン酸は滑剤として使用され、これ
を配合することによって、ハイドロタルサイトの配合に
よって銅導体との密着性が高まる傾向を抑えることが可
能となる。ステアリン酸は塩化ビニル樹脂100重量部
に対して0.1〜1重量部配合することが好ましい。1
重量部よりも多くなると、密着力が弱くなりすぎ、端子
圧着ができなくなったり、中間皮剥後の被覆の戻りが大
きく、皮剥部の長さが短くなったりばらつきが生じ易く
なるという不具合が生じる。逆に0.1重量部未満であ
ると、密着性が充分に低減せず、上記したように、中間
皮剥時に亀裂やコブが生じ易くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用する塩化ビニル樹脂
は、従来の電線被覆材に用いられている汎用の塩化ビニ
ル樹脂でよく、通常平均重合度が1300〜3000の
ものが使用可能である。塩化ビニル樹脂に添加する可塑
剤としては、例えばフタル酸系、トリメリット酸系、ポ
リエステル系、エポキシ系等があるが、これに限らず塩
化ビニル樹脂と相溶性のあるものなら何でもよく、一種
単独、あるいは二種以上を組み合わせて使用する。可塑
剤の配合量は、塩化ビニル樹脂100重量部当たり、2
0〜60重量部であることが好ましい。
【0010】また、充填剤をを添加してもよい。充填剤
としては、例えば炭酸カルシウムやクレー等があり、塩
化ビニル樹脂100重量部当たり、50重量部以下を配
合することが好ましい。さらに上記以外にも、老化防止
剤、酸化防止剤、銅害防止剤、光安定剤、難燃剤などを
適宜添加できる。
【0011】本発明の被覆電線は、上記したような樹脂
組成物を用いて、従来の塩化ビニル樹脂製の電線の場合
と同様の製造方法により製造することができる。電線サ
イズを0.3〜2sq、被覆の肉厚を0.2〜0.5m
mとしたときが、最も効果的である。上記の樹脂組成物
を用いれば、鉛を含有しないながらも、熱安定性と皮剥
性の双方の特性に優れた被覆電線が得られる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例1〜4、及び比較例1〜6と
して、重合度1300のポリ塩化ビニル、カルシウム−
亜鉛系安定剤、ハイドロタルサイト、ステアリン酸、ス
テアリン酸亜鉛、、ステアリン酸カルシウム、可塑剤
(DIDP)、充填剤(炭酸カルシウム)を表1に示す
割合で配合した樹脂組成物を作製した。これらの樹脂組
成物を、サイズ0.5sqの7本撚導体の周囲に肉厚
0.3mmで被覆して被覆電線を作製し、電線の皮剥
性、熱安定性及び耐摩耗性を評価した。
【0013】・皮剥性試験 導体を傷つけないように被覆に平刃で刃を入れ、ずらし
て皮を剥ぎ、亀裂やコブの発生がないか、時間が経過し
ても皮がもとに戻らないか等を評価した(図1参照)。 ・熱安定性試験 熱安定性試験は、JIS K6723に基づいて行っ
た。電線を2時間加熱し、指示薬としてコンゴーレッド
を使用して、熱分解によって発生する塩化水素を検知し
た。 ・耐スクレープ摩耗性試験 スクレープ摩耗性試験は、R=0.225mmのブレー
ド先端を用い、JISD611−94のブレード往復法
により、温度23℃、荷重7Nの条件で測定した。評価
結果を表1及び表2に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表1の各実施例に示すように、カルシウム
−亜鉛系安定剤とハイドロタルサイト、及びステアリン
酸が限定範囲内のものでは、中間皮剥性、熱安定性、耐
摩耗性ともに良好であった。これに対し、表2に示すよ
うに、ハイドロタルサイトが限定範囲の2〜10よりも
少ない比較例1では、安定剤の量が他のものより多いに
も関わらず、熱安定性が充分でなかった。また、限定値
より多い比較例2では、耐摩耗性が大きく低下した。ま
た、ステアリン酸が限定値の0.1〜1よりも少ない比
較例3及び4では、導体と塩化ビニル樹脂との密着力が
強く、皮剥性に問題があった。逆にステアリン酸が限定
値よりも多い比較例5では、密着力が弱くなりすぎて、
時間が経過すると剥いだ皮がもとの位置に戻ってしま
い、端子圧着に不具合が生じた。さらに、ステアリン酸
の代わりに他の滑剤を使用した比較例6においても、充
分な量を配合しているにも関わらず、密着力が強すぎて
中間皮剥がうまくできなかった。
【0017】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、塩化ビニ
ル樹脂に、カルシウム−亜鉛系安定剤とハイドロタルサ
イト、及びステアリン酸を調整して配合した樹脂組成物
によって電線を被覆することにより、鉛を含有せず、か
つ皮剥き性や熱安定性等の特性に優れた被覆電線を得る
ことができた。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】皮剥性試験の方法を示す側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD041 DE287 EF058 EG036 EG046 FD017 FD036 FD178 GQ01 5G305 AA02 AB24 AB28 AB35 AB36 BA12 BA26 BA27 CA03 CA37 CB13 CB27 CC03 CD09 CD15 5G309 JA03 LA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部当たり、カ
    ルシウム−亜鉛系安定剤を10重量部以下、ハイドロタ
    ルサイトを2〜10重量部、ステアリン酸を0.1〜1
    重量部含む塩化ビニル系樹脂組成物によって被覆された
    被覆電線。
  2. 【請求項2】 電線サイズが0.3〜2sq、被覆の肉
    厚が0.2〜0.5mmである請求項1記載の被覆電
    線。
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