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JP2648874B2 - 難熱性ポリオレフィン組成物 - Google Patents

難熱性ポリオレフィン組成物

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JP2648874B2
JP2648874B2 JP63225780A JP22578088A JP2648874B2 JP 2648874 B2 JP2648874 B2 JP 2648874B2 JP 63225780 A JP63225780 A JP 63225780A JP 22578088 A JP22578088 A JP 22578088A JP 2648874 B2 JP2648874 B2 JP 2648874B2
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典男 池ケ谷
淳一 村松
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KURABE KK
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KURABE KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、米国UL規格の接炎難燃試験UL94V−0規格
に合格することが可能な高難燃性を備えるとともに、機
械的強度及び電気特性に優れた、例えば、電線、ケーブ
ルの絶縁材料やシース材料への適用に好適な難燃性ポリ
オレフィン組成物に関するものである。
(従来の技術) ポリオレフィンはすぐれた電気絶縁性を持つ安価な樹
脂であり、放射線(例えば電子線)照射架橋あるいは化
学架橋を行うことで機械的強度,耐熱変形性などを容易
に向上することが可能であるため、機器内配線用の絶縁
電線の絶縁層若しくはシース層として広く用いられてい
る。
しかしポリオレフィン自体は可燃性物質であり、近
年、前述の用途にはポリオレフィンを適用する際には、
安全,防火上の問題からポリオレフィンに高度な難燃性
を付与する必要があった。その提案の一例をあげると、
特開昭53−60944号公報においては、ポリエチレン系重
合体に、含塩素難燃剤と含臭素難燃剤との特定比率の混
合物と、更に三酸化アンチモンを組み合わせた難燃剤を
使用することにより、高度の難燃性を得たポリオレフィ
ン組成物が示されている。また特開昭53−141353号公報
には、ポリオレフィン共重合体にハロゲン系難燃剤ある
いは含リン難燃剤と三酸化アンチモンと水酸化アルミニ
ウムの特定量を組み合わせた難燃性ポリオレフィン組成
物が示されている。
(発明が解決しようとする課題) 難燃性ポリオレフィン組成物を導体上に押出し被覆し
架橋してなる難燃性ポリオレフィン電線を前述の機器内
配線用の絶縁電線に用いる事を目的とすると、この難燃
性ポリオレフィン組成物は高度に難燃化された組成物で
なければならないとともに、耐熱性,機械的強度,電気
的性質及び材料コストなどの高度のバランスが必要とな
るものである。例えば前述の特開昭53−60944号公報に
よる難燃化技術においては確かに米国UL規格サブジェク
ト758の垂直燃焼試験に合格する組成物を得る事ができ
るが、得られた組成物の抗張力特性は米国UL規格に定め
られた規格(1.05Kgf/mm2)に対してやや上まわる程度
であり、抗張力のばらつきをも考慮に入れると充分に満
足すべきものとは言えない。また前述の特開昭53−1413
53号公報による難燃化技術においては水酸化アルミニウ
ムが多量に配合されており、特開昭60−252646号公報の
発明が解決しようとする問題点の項にも記載されている
とおり、一般にポリオレフィンに水酸化アルミニウムを
多量に配合して得られた難燃性組成物は、引張特性,加
工特性などの悪化を招き、成形体の外観が不良となり易
い欠点を有している。
この様に従来の難燃化方法をそのまま応用したのみで
は、不充分な難燃性しか得られなかったり、機械的強度
が低下したり、又は高価な難燃剤の多量配合による材料
コストの上昇をひきおこすなど、特性のバランスが取り
難い不都合があった。つまり従来の技術の範囲内では、
ポリオレフィンベース樹脂に難燃剤を配合し高度な難燃
特性を得ようとすると、その他の機械的特性や耐熱性と
いった特性とのバランスを失いやすく、それ故ベース樹
脂に関しては機械的強度や耐熱性に優れ、それ自体が難
燃剤の配合により、より難燃化しやすい性質を持つもの
を、難燃剤に関してはより少量で効果のある組み合わせ
を見出さなければならなかった。又、一般にポリオレフ
ィンに難燃剤を配合することによって、あるいはより難
燃化しやすい性質を持つポリオレフィンを使用すること
によって電気絶縁性の低下を招きやすく、高度な電気特
性(体積抵抗率1×1016Ω・cm以上)を必要とされる用
途においては更なる改良が望まれていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは前述の課題を解決するために安価で押出
被覆の容易なポリオレフィンの難燃特性を他の諸特性特
に電気特性とのバランスを取りつつ、しかも材料コスト
の大幅な上昇をもたらさずに向上させるため、種々検討
した結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、組
成物中の酢酸ビニル成分含有量が6〜15重量%であるポ
リオレフィン組成物100重量部に対し、臭素系難燃剤20
〜40重量部、三酸化アンチモン10〜30重量部、水酸化マ
グネシウム10〜60重量部、亜鉛化合物2〜20重量部、及
びオルガノポリシロキサンによって変性されたエチレン
−プロピレン系共重合体0.5〜5重量部を配合すること
により、ポリオレフィン組成物の難燃特性を他の諸特性
特に電気特性とのバランスを取りつつ、しかも材料コス
トの大幅な上昇をもたらさずに著しく向上した難燃性ポ
リオレフィン組成物を見出した。
本発明にいう酢酸ビニル成分を6〜15重量%含んでな
るポリオレフィン組成物とは、酢酸ビニル成分含有量が
JISK6730−1981に規定された測定方法により決定された
エチレン−酢酸ビニル共重合体をA,エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を除くポリオレフィン樹脂をBとするとき、
このAとBの混和物に対する酢酸ビニル成分含有量が、
計算上6〜15重量%であるようなポリオレフィン組成物
が好ましく使用される。ここでエチレン−酢酸ビニル共
重合体を除くポリオレフィン樹脂とはポリエチレン,エ
チレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン
共重合体、又はエチレン−エチルアクリレート共重合
体,エチレン−メチルメタクリレート共重合体などのエ
チレン−(メタ)アクリル酸エステル2元〜3元共重合
体等であり、2種以上の混合物としても良い。尚、本発
明のポリオレフィン組成物の酢酸ビニル成分含有量が6
重量%未満である場合は、難燃特性が低下し、これを補
うため前述の難燃剤を多量に配合すると、得られた組成
物は高価なものとなる上に特性面においても抗張力の低
下が著しく、結局、難燃性と引張特性のバランスが保て
なくなる。また酢酸ビニル成分含有量が15重量%を超え
ると、難燃特性は十分であるが組成物の体積抵抗率が著
しく低下し好ましくない。
本発明にて使用される臭素系難燃剤は従来から用いら
れているものが有効に使用できる。具体例としてはデカ
ブルモフェニルオキサイド,エチレングリコールビス
(ペンタンブロモフェニル)エーテル,ヘキサブロモベ
ンゼン,テトラデカブロモジフェノキシベンゼン,テト
ラブロモビスフェノールAなどであり、好ましくはデカ
ブロモジフェニルオキサイド,テトラデカブロモフェノ
キシベンゼンが使用される。またその配合量が20重量部
未満であると、得られた組成物は不充分な難燃特性しか
得られず、40重量部を超えると、得られた組成物は高価
なものとなる上に抗張力は著しく低下して好ましくな
い。
本発明にて使用される三酸化アンチモンは従来から用
いられているものが有効に使用できる。この時配合量が
10重量部未満であると、得られた組成物は不充分な難燃
特性しか得られず、30重量部を超えると、得られた組成
物は高価なものとなる上に抗張力は著しく低下し好まし
くない。
本発明にて使用される水酸化マグネシウムは、ベース
ポリマーとの混和性に富む表面処理されたものが好まし
く、好適なものを容易に入手することができる。この時
配合量が10重量部未満であると、得られた組成物は不充
分な難燃特性しか得られず、60重量部を超えると、得ら
れた組成物は抗張力及び体積抵抗率が低下し好ましくな
い。
本発明にて使用される亜鉛化合物としては酸化亜鉛及
びホウ酸亜鉛が好適であり、いずれも容易に入手でき
る。この時配合量は2重量部以上、好ましくは5重量部
以上20重量部以下で優れた難燃特性を得ることができ
る。配合量が2重量部未満であると、得られた組成物は
不充分な難燃特性しか得られず、20重量部を超えると、
得られた組成物は高価なものとなってしまう。
本発明にて使用されるオルガノポリシロキサンによっ
て変性されたエチレン−プロピレン系共重合体は一般に
SEPラバーと称され、オルガノポリシロキサンを1〜30
%含むものが一般的である。又、充填剤等を含んだもの
を使用しても良い。この時配合量が0.5重量部未満であ
ると、体積抵抗率が改良されず、5重量部を越えると抗
張力が低下し好ましくない。
尚、本発明の難燃性ポリオレフィン組成物には必要に
応じて酸化防止剤、架橋助剤、滑剤、着色剤、無機充填
剤などを適宜配合する事ができ、また高エネルギー電子
線を用いた照射架橋もしくは有機過酸化物による化学架
橋の手段を用いて架橋物としても良い。
(作用) 本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、約0.8mmの
厚さの試験片にて、米国UL規格の接炎難燃性試験UL94V
−0規格に合格するとともに、抗張力1.3kgf/mm2以上,
伸び350%以上の機械的特性を有し、体積抵抗率は1×1
016(Ω・cm)以上と極めて優れた電気絶縁性を有す
る。
(実施例) 以下、本発明の難燃性ポリオレフィン組成物を実施例
により説明する。
実施例及び比較例として、先ず表−1及び表−2に記
載した配合組成物を6インチロールにて100℃,15分間の
条件で混練りした後、プレス機にて加硫温度190℃,加
硫時間10分間,プレス圧力60kgf/cm2の条件で加熱架橋
して厚さ約0.8mmのシートを得た。これらのシートを使
用してJIS C 3005,JIS K 6911,JIS K 6730,UL 94 に基
づき各評価を行いこれらの結果を表−1に併記した。
比較例1は表−2記載の配合組成によりベースポリマ
ーの酢酸ビニル含有量を3重量%としてものであるが、
米国UL94の接炎難燃試験を実施したところ、すべての試
験片がドリップ現象を起こしたため94V−2ランクと判
定され、従って難燃特性は不充分なものである。また比
較例2はベースポリマーの酢酸ビニル含有量を20重量%
に調整したものであるが、組成物の体積抵抗率が1×10
16(Ω・cm)以上を目標とする時、この組成物の体積抵
抗率は目標値に達しない。実施例1〜5はベースポリマ
ーの酢酸ビニル含有量を6〜15重量%に調整したもので
あるが、いずれの組成物においても抗張力1.3kgf/mm2
上、伸び350%以上、体積抵抗率1×1016(Ω・cm)以
上を保ちつつUL94接炎難燃試験において94V−0と判定
され、極めて優れた難燃特性を示した。実施例6及び7
においてはベースポリマーにエチレン‐プロピレン共重
合体を20重量部配合した上で酢酸ビニル含有量を6及び
15重量%に調整した表−1記載の組成物であるが、引張
特性,難燃特性,電気絶縁特性のいずれも目標値を上ま
わる特性を示してる。以上これまでに記述した表−1記
載の難燃処方によれば、ベースポリマーの酢酸ビニル含
有量を6〜15重量%とする事により、諸特性のバランス
の取れた難燃ポリオレフィン組成物を容易に得られるこ
とが判る。
次に比較例3及び実施例8及び9はベースポリマーの
酢酸ビニル含有量を12重量%に調整した上でデカブロモ
ジフェニルオキイサイド配合量をそれぞれ10,20,40重量
部としたものであるが、比較例3においてはUL94接炎難
燃試験を実施したところ試験片は全焼したため難燃特性
は劣ることが判る。これに対して実施例8及び9は諸特
性のバランスの取れた難燃特性の優れた難燃ポリオレフ
ェン組成物であることが判る。
次に比較例4及び実施例10及び11はベースポリマーの
酢酸ビニル含有量を12重量%に調整した上で三酸化アン
チモン配合量をそれぞれ5,10,30,重量部としたものであ
るが比較例4においてはUL94接炎難燃試験を実施したと
ころ試験片の発光燃焼時間が合計時間で205秒であり、
ドリップ現象が見られたため94V−2と判定され難燃特
性に劣る。これに対して実施例10及び11は諸特性のバラ
ンスの取れた難燃特性の優れた難燃ポリオレフィン組成
物である事が判る。
次に比較例5,実施例12,13及び比較例6はベースポリ
マーの酢酸ビニル含有量を12重量%に調整した上で水酸
化マグネシウムの配合量をそれぞれ5,10,60,80重量部と
したものであるが、比較例5においては難燃特性が目標
に達しておらず比較例6は難燃特性は優れているものの
引張特性及び電気特性が目標に達していないことが判
る。これに対して実施例12及び13は諸特性のバランスの
取れた組成物であることが判る。
次に比較例7及び実施例14,15はベースポリマーの酢
酸ビニル含有量を6重量%に調整した上で、比較例7は
亜鉛化合物を配合しない場合であり、実施例14及び15は
ホウ酸亜鉛及び亜鉛華1号をそれぞれ10重量部配合した
ものであるが、比較例7はUL94接炎難燃試験において発
光燃焼時間が94V−0の規定時間を上まわる試験片が見
られ、また5本の試験片中2本にドリップ現象が見られ
たため94V−2と判定され目標に達しなかった。これに
対し実施例14及び15は諸特性のバランスの取れた組成物
であることが判る。
次に比較例8,9及び実施例16,17,18及び比較例9はベ
ースポリマーの酢酸ビニル含有量を12%に調整した上
で、比較例8はポリオルガノシロキサン変性エチレン−
プロピレン系共重合体を配合しない場合であり、実施例
16,17,18及び比較例9はポリオルガノシロキサン変性エ
チレン−プロピレン系共重合体量をそれぞれ0.5,1,5及
び7重量部としたものであるが、比較例8は体積抵抗率
が5.6×1015(Ω・cm)と1×1016(Ω・cm)という目
標値に達しない。又比較例9は抗張力が1.12kgf/mm2
低く1.3kgf/mm2という目標値に達しない。これに対して
実施例16,17,18は体積抵抗率が目標値を上まわる値を示
しており、他の諸特性もバランスの取れた組成物である
ことが判る。
以上上記実施例からも明らかな如く本発明の難燃性ポ
リオレフィン組成物は高度の難燃性と引張特性のバラン
スが取れた上に電気絶縁特性が極めて優秀な組成物であ
り、その工業的価値は極めて大きい。
(発明の効果) 本発明によれば柔軟で、特に機械強度及び難燃性に優
れた組成物が得られる。この組成物は1mm以下の厚みで
の垂直難燃試験においても UL94 V−0 相当の難燃
性を示し、しかも充分な機械的強度と電気絶縁性能も示
す。この組成物を銅線上に押し出した後、有機過酸化物
によって架橋して得られる架橋ポリオレフィン電線は、
良好な外観,機械的強度,難燃性及び電気絶縁性などの
高度なバランスを示し、また柔軟であることから機器内
配線用電線として加工性,組み付け作業性の面から特に
好ましいものである。更に本発明の難燃ポリオレフィン
組成物は、難燃剤等の高価な添加物が比較的少量にて充
分な効果が得られており、抵抗コストで実用上好ましい
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08K 13/02 3:22 3:10 5:02)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、
    組成物中の酢酸ビニル成分含有量が6〜15重量%である
    ポリオレフィン組成物100重量部に対し、臭素系難燃剤2
    0〜40重量部、三酸化アンチモン10〜30重量部、水酸化
    マグネシウム10〜60重量部、亜鉛化合物2〜20重量部、
    及びオルガノポリシロキサンによって変性されたエチレ
    ン−プロピレン系共重合体0.5〜5重量部を配合してな
    る難燃性ポリオレフィン組成物。
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