JP2000269073A - 積層セラミックコンデンサとその製造方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサとその製造方法Info
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- JP2000269073A JP2000269073A JP7478699A JP7478699A JP2000269073A JP 2000269073 A JP2000269073 A JP 2000269073A JP 7478699 A JP7478699 A JP 7478699A JP 7478699 A JP7478699 A JP 7478699A JP 2000269073 A JP2000269073 A JP 2000269073A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 導電ペーストの燒結抑制効果を得ると同時
に、共材を多く添加した場合のように内部電極の連続性
を阻害せず、それ故高い静電容量を得ることができるよ
うにする。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサを製造するに
当たり、その内部電極5、6を形成するための導電ペー
ストのNi粉末の100重量%に対して0.5〜3.0
重量%のLa及びCrの少なくとも何れかの酸化物粉末
を含有させる。これらLaやCrの酸化物粉末の平均粒
径は0.5〜1.0μmとする。導電ペーストに含まれ
るLa2O3やCr2O3等酸化物は、燒結制御効果を有す
るため、その分だけ導電ペーストへの共材の添加量を少
なくすることができる。しかも焼成した後、LaやCr
の元素は、内部電極5、6を形成している導体内部に析
出することなく、積層体3の内部で積層された内部電極
5、6とセラミック層7との界面に偏析する。
に、共材を多く添加した場合のように内部電極の連続性
を阻害せず、それ故高い静電容量を得ることができるよ
うにする。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサを製造するに
当たり、その内部電極5、6を形成するための導電ペー
ストのNi粉末の100重量%に対して0.5〜3.0
重量%のLa及びCrの少なくとも何れかの酸化物粉末
を含有させる。これらLaやCrの酸化物粉末の平均粒
径は0.5〜1.0μmとする。導電ペーストに含まれ
るLa2O3やCr2O3等酸化物は、燒結制御効果を有す
るため、その分だけ導電ペーストへの共材の添加量を少
なくすることができる。しかも焼成した後、LaやCr
の元素は、内部電極5、6を形成している導体内部に析
出することなく、積層体3の内部で積層された内部電極
5、6とセラミック層7との界面に偏析する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、内部電極
パターンとセラミック層との積層体を有し、この積層体
の端部に前記内部電極に導通するように外部電極を設け
た積層セラミックコンデンサとこの積層セラミックコン
デンサを製造する方法に関し、特に電気特性が良好な積
層セラミックコンデンサとその製造方法に関する。
パターンとセラミック層との積層体を有し、この積層体
の端部に前記内部電極に導通するように外部電極を設け
た積層セラミックコンデンサとこの積層セラミックコン
デンサを製造する方法に関し、特に電気特性が良好な積
層セラミックコンデンサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは、内部電極
有する誘電体からなるセラミック層が多数層に積層さ
れ、この積層体の内部で内部電極が対向し、この積層体
の対向する端面に前記の内部電極が交互に引き出されて
いる。そして、これらの内部電極が引き出された積層体
の端面を含む端部に外部電極が形成され、この外部電極
が積層体の内部で対向している前記内部電極にそれぞれ
接続されている。
有する誘電体からなるセラミック層が多数層に積層さ
れ、この積層体の内部で内部電極が対向し、この積層体
の対向する端面に前記の内部電極が交互に引き出されて
いる。そして、これらの内部電極が引き出された積層体
の端面を含む端部に外部電極が形成され、この外部電極
が積層体の内部で対向している前記内部電極にそれぞれ
接続されている。
【0003】このような積層セラミックコンデンサの前
記積層体3は、例えば、図3に示すような層構造を有す
る。すなわち、内部電極5、6を有する誘電体からなる
セラミック層7、7…が図3で示す順序に積層され、さ
らにその両側に内部電極5、6が形成されてないセラミ
ック層7、7…が各々複数層積み重ねられる。そして、
このような層構造を有する積層体3の端部には内部電極
5、6が交互に露出しており、図1に示すように、この
積層体3の端部に前記の外部電極2、2が形成される。
記積層体3は、例えば、図3に示すような層構造を有す
る。すなわち、内部電極5、6を有する誘電体からなる
セラミック層7、7…が図3で示す順序に積層され、さ
らにその両側に内部電極5、6が形成されてないセラミ
ック層7、7…が各々複数層積み重ねられる。そして、
このような層構造を有する積層体3の端部には内部電極
5、6が交互に露出しており、図1に示すように、この
積層体3の端部に前記の外部電極2、2が形成される。
【0004】このような積層セラミックコンデンサは、
通常図3に示すような部品1個単位が個々に製造される
訳ではなく、実際は次に示すような製造方法がとられ
る。すなわち、まず微細化したセラミック粉末と有機バ
インダーとを混練してスラリーを作り、これをドクター
ブレード法によってポリエチレンテレフタレートフィル
ム等からなるキャリアフィルム上に薄く展開し、乾燥
し、セラミックグリーンシートを作る。次に、このセラ
ミックグリーンシートを支持フィルムの上に載ったまま
カッティングヘッドで所望の大きさに切断し、その片面
にスクリーン印刷法によって導電ペーストを印刷し、乾
燥する。これにより、図4に示すように、縦横に複数組
分の内部電極パターン2a、2bが配列されたセラミッ
クグリーンシート1a、1bが得られる。
通常図3に示すような部品1個単位が個々に製造される
訳ではなく、実際は次に示すような製造方法がとられ
る。すなわち、まず微細化したセラミック粉末と有機バ
インダーとを混練してスラリーを作り、これをドクター
ブレード法によってポリエチレンテレフタレートフィル
ム等からなるキャリアフィルム上に薄く展開し、乾燥
し、セラミックグリーンシートを作る。次に、このセラ
ミックグリーンシートを支持フィルムの上に載ったまま
カッティングヘッドで所望の大きさに切断し、その片面
にスクリーン印刷法によって導電ペーストを印刷し、乾
燥する。これにより、図4に示すように、縦横に複数組
分の内部電極パターン2a、2bが配列されたセラミッ
クグリーンシート1a、1bが得られる。
【0005】次に、前記内部電極パターン2a、2bを
有する複数枚のセラミックグリーンシート1a、1bを
積層し、さらに、内部電極パターン2a、2bを有しな
い何枚かのセラミックグリーンシート1、1…を上下に
積み重ね、これらを圧着し、積層体を作る。ここで、前
記セラミックグリーンシート1a、1bは、内部電極パ
ターン2a、2bが長手方向に半分の長さ分だけずれた
ものを交互に積み重ねる。その後、この積層体を所望の
サイズに切断して、積層生チップを製作し、この生チッ
プを焼成する。こうして図1及び図3に示すような積層
体が得られる。次に、この焼成済みの積層体3の両端に
導電ペーストを塗布し、焼付け、焼き付けた導体膜の表
面にメッキを施すことにより、両端に外部電極2、2が
形成された図1に示すような積層セラミックコンデンサ
が完成する。
有する複数枚のセラミックグリーンシート1a、1bを
積層し、さらに、内部電極パターン2a、2bを有しな
い何枚かのセラミックグリーンシート1、1…を上下に
積み重ね、これらを圧着し、積層体を作る。ここで、前
記セラミックグリーンシート1a、1bは、内部電極パ
ターン2a、2bが長手方向に半分の長さ分だけずれた
ものを交互に積み重ねる。その後、この積層体を所望の
サイズに切断して、積層生チップを製作し、この生チッ
プを焼成する。こうして図1及び図3に示すような積層
体が得られる。次に、この焼成済みの積層体3の両端に
導電ペーストを塗布し、焼付け、焼き付けた導体膜の表
面にメッキを施すことにより、両端に外部電極2、2が
形成された図1に示すような積層セラミックコンデンサ
が完成する。
【0006】前記のような積層セラミックコンデンサに
おける内部電極5、6を形成するための導電ペーストに
は、Ni粉末を主体として、これにバインダと溶剤を添
加したものが使用される。さらにこのような導電ペース
トには、焼成時の内部電極5、6の燒結抑制効果や内部
電極5、6とセラミック層7との密着性の向上を図る目
的で、導電ペースト中にいわゆる共材としてセラミック
層7に含まれるチタン酸バリウム粉末を添加することが
行われている。
おける内部電極5、6を形成するための導電ペーストに
は、Ni粉末を主体として、これにバインダと溶剤を添
加したものが使用される。さらにこのような導電ペース
トには、焼成時の内部電極5、6の燒結抑制効果や内部
電極5、6とセラミック層7との密着性の向上を図る目
的で、導電ペースト中にいわゆる共材としてセラミック
層7に含まれるチタン酸バリウム粉末を添加することが
行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】導電ペースト中に添加
させる前記のような共材の添加量を多くすると、燒結抑
制効果や内部電極5、6とセラミック層7との密着性は
向上するものの、セラミック層7を介して対向する内部
電極5、6の連続性が悪くなる。その結果、内部電極
5、6の導体組織が疎らになるため、大きな静電容量を
取得しにくくなる。他方、導電ペースト中に添加させる
前記のような共材の添加量を少なくすると、大きな静電
容量を取得しやすくなるが、十分な燒結抑制効果や内部
電極5、6とセラミック層7との密着性が得られなくな
る。
させる前記のような共材の添加量を多くすると、燒結抑
制効果や内部電極5、6とセラミック層7との密着性は
向上するものの、セラミック層7を介して対向する内部
電極5、6の連続性が悪くなる。その結果、内部電極
5、6の導体組織が疎らになるため、大きな静電容量を
取得しにくくなる。他方、導電ペースト中に添加させる
前記のような共材の添加量を少なくすると、大きな静電
容量を取得しやすくなるが、十分な燒結抑制効果や内部
電極5、6とセラミック層7との密着性が得られなくな
る。
【0008】小形でより大きな静電容量を得るために
は、内部電極5、6やセラミック層7の層厚を薄くし、
より多くの内部電極5、6を積層させる必要がある。そ
うすると、積層体3の内部における内部電極5、6が占
める割合が増え、導電ペーストに燒結を抑制するために
の共材をより多く添加する必要がある。しかし前記のよ
うな理由から、導電ペーストに添加する共材の量を多く
すると、所望の静電容量を取得することができなくな
る。
は、内部電極5、6やセラミック層7の層厚を薄くし、
より多くの内部電極5、6を積層させる必要がある。そ
うすると、積層体3の内部における内部電極5、6が占
める割合が増え、導電ペーストに燒結を抑制するために
の共材をより多く添加する必要がある。しかし前記のよ
うな理由から、導電ペーストに添加する共材の量を多く
すると、所望の静電容量を取得することができなくな
る。
【0009】そこで、本発明は、前記従来技術の課題に
鑑み、導電ペーストの燒結抑制効果を得ると同時に、共
材を多く添加した場合のように内部電極の連続性を阻害
せず、それ故高い静電容量を得ることができる積層セラ
ミックコンデンサとその製造方法を提供することを目的
とする。
鑑み、導電ペーストの燒結抑制効果を得ると同時に、共
材を多く添加した場合のように内部電極の連続性を阻害
せず、それ故高い静電容量を得ることができる積層セラ
ミックコンデンサとその製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、内部電極5、6を形成するための導電
ペーストに、燒結制御効果を有するLaまたはCrの少
なくとも何れかの酸化物La2O3、Cr2O3を添加した
ものである。これにより、共材の添加量を少なくするこ
とができる。しかも、LaやCrの元素は、内部電極
5、6の内部ではなく、内部電極5、6とセラミック層
7との界面に偏析するため、セラミック層7を介して対
向する内部電極5、6の連続性に影響を与えないので、
静電容量が低減しない。
を達成するため、内部電極5、6を形成するための導電
ペーストに、燒結制御効果を有するLaまたはCrの少
なくとも何れかの酸化物La2O3、Cr2O3を添加した
ものである。これにより、共材の添加量を少なくするこ
とができる。しかも、LaやCrの元素は、内部電極
5、6の内部ではなく、内部電極5、6とセラミック層
7との界面に偏析するため、セラミック層7を介して対
向する内部電極5、6の連続性に影響を与えないので、
静電容量が低減しない。
【0011】すなわち、本発明による積層セラミックコ
ンデンサは、セラミック層7と内部電極5、6とが交互
に積層された積層体3と、この積層体3の端部に設けら
れた外部電極2、2とを有し、前記内部電極5、6がセ
ラミック層7の互いに対向する少なくとも一対の縁の何
れか一方に各々達していることにより、積層体3の対向
する端面に内部電極5、6が各々導出され、同積層体3
の端面に導出された内部電極5、6が前記外部電極2、
2に各々接続されているものであって、前記セラミック
層7を介して積層体3の内部で対向する内部電極5、6
にLaまたはCrの少なくとも何れかの元素が含んでい
ることを特徴とする。特に、LaまたはCrの少なくと
も何れかの元素は、内部電極5、6とセラミック層7と
の界面に偏析している。
ンデンサは、セラミック層7と内部電極5、6とが交互
に積層された積層体3と、この積層体3の端部に設けら
れた外部電極2、2とを有し、前記内部電極5、6がセ
ラミック層7の互いに対向する少なくとも一対の縁の何
れか一方に各々達していることにより、積層体3の対向
する端面に内部電極5、6が各々導出され、同積層体3
の端面に導出された内部電極5、6が前記外部電極2、
2に各々接続されているものであって、前記セラミック
層7を介して積層体3の内部で対向する内部電極5、6
にLaまたはCrの少なくとも何れかの元素が含んでい
ることを特徴とする。特に、LaまたはCrの少なくと
も何れかの元素は、内部電極5、6とセラミック層7と
の界面に偏析している。
【0012】さらに、このような積層セラミックコンデ
ンサを製造する方法は、セラミック層7を形成するため
のセラミックグリーンシート1、1a、1bを得る工程
と、これらのセラミックグリーンシート1a、1bの一
部に導電ペーストを使用して内部電極パターン2a、2
bを印刷する工程と、セラミックグリーンシート1、1
a、1bを所定の順序で積層する工程と、積層したセラ
ミックグリーンシート1、1a、1bを裁断する行程
と、セラミックグリーンシート1、1a、1bの積層体
を焼成し、内部電極5、6を有する焼成済みの積層体3
を得る行程と、積層体3の内部電極5、6が導出された
端部に外部電極2、2を形成する行程とを有する。この
場合において、内部電極5、6を形成するための導電ペ
ーストは、Ni粉末の100重量%に対して0.5〜
3.0重量%のLa及びCrの少なくとも何れかの酸化
物粉末を含有させる。導電ペーストに添加するLa及び
Crの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径は0.
5〜1.0μmとする。
ンサを製造する方法は、セラミック層7を形成するため
のセラミックグリーンシート1、1a、1bを得る工程
と、これらのセラミックグリーンシート1a、1bの一
部に導電ペーストを使用して内部電極パターン2a、2
bを印刷する工程と、セラミックグリーンシート1、1
a、1bを所定の順序で積層する工程と、積層したセラ
ミックグリーンシート1、1a、1bを裁断する行程
と、セラミックグリーンシート1、1a、1bの積層体
を焼成し、内部電極5、6を有する焼成済みの積層体3
を得る行程と、積層体3の内部電極5、6が導出された
端部に外部電極2、2を形成する行程とを有する。この
場合において、内部電極5、6を形成するための導電ペ
ーストは、Ni粉末の100重量%に対して0.5〜
3.0重量%のLa及びCrの少なくとも何れかの酸化
物粉末を含有させる。導電ペーストに添加するLa及び
Crの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径は0.
5〜1.0μmとする。
【0013】導電ペーストに含まれるLa2O3やCr2
O3等酸化物は、共材より高い燒結制御効果を有するた
め、その分だけ導電ペーストへの共材の添加量を少なく
することができる。しかも焼成した後、LaやCrの元
素は、内部電極5、6を形成している導体内部に析出す
ることなく、積層体3の内部で積層された内部電極5、
6とセラミック層7との界面に偏析する。このため、L
aやCrの元素がセラミック層7を介して対向する内部
電極5、6の連続性に影響を与えないため、所得する静
電容量が低減されない。
O3等酸化物は、共材より高い燒結制御効果を有するた
め、その分だけ導電ペーストへの共材の添加量を少なく
することができる。しかも焼成した後、LaやCrの元
素は、内部電極5、6を形成している導体内部に析出す
ることなく、積層体3の内部で積層された内部電極5、
6とセラミック層7との界面に偏析する。このため、L
aやCrの元素がセラミック層7を介して対向する内部
電極5、6の連続性に影響を与えないため、所得する静
電容量が低減されない。
【0014】導電ペーストに添加するLa及びCrの少
なくとも何れかの酸化物粉末がNi粉末の100重量%
に対して0.5重量%に満たないと、所望の燒結抑制効
果が得られない。他方、La及びCrの少なくとも何れ
かの酸化物粉末がNi粉末の100重量%に対して3.
0重量%を越えると、燒結抑制効果が大きすぎ、全体の
燒結性に影響を与え、所望の静電容量や電気的特性が得
られなくなる。
なくとも何れかの酸化物粉末がNi粉末の100重量%
に対して0.5重量%に満たないと、所望の燒結抑制効
果が得られない。他方、La及びCrの少なくとも何れ
かの酸化物粉末がNi粉末の100重量%に対して3.
0重量%を越えると、燒結抑制効果が大きすぎ、全体の
燒結性に影響を与え、所望の静電容量や電気的特性が得
られなくなる。
【0015】また、導電ペーストに添加するLa及びC
rの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径が0.5
μm以下であると、焼成時におけるそれらの酸化物の反
応性が強すぎ、焼成後にLaやCrの元素が内部電極
5、6の内部に留まって、セラミック層7との界面に偏
析しにくい。他方、導電ペーストに添加するLa及びC
rの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径が1.0
μm以上であると、焼成後にLaやCrの元素が内部電
極5、6とセラミック層7との界面に偏析しやすいが、
内部電極5、6の表面に凹凸を生じやすく、内部電極
5、6の膜厚にむらが生じやすい。
rの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径が0.5
μm以下であると、焼成時におけるそれらの酸化物の反
応性が強すぎ、焼成後にLaやCrの元素が内部電極
5、6の内部に留まって、セラミック層7との界面に偏
析しにくい。他方、導電ペーストに添加するLa及びC
rの少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径が1.0
μm以上であると、焼成後にLaやCrの元素が内部電
極5、6とセラミック層7との界面に偏析しやすいが、
内部電極5、6の表面に凹凸を生じやすく、内部電極
5、6の膜厚にむらが生じやすい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。ま
ず、チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料粉末を
エタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機バイン
ダに均一に分散し、セラミックスラリを調整する。この
セラミックスラリをポリエチレンテレフタレートフィル
ム等のベースフィルム上に10μm以下の薄く均一な厚
さで塗布し、乾燥し、膜状のセラミックグリーンシート
を作る。その後、このセラミックグリーンシートを適当
な大きさに裁断する。
明の実施の形態について具体的且つ詳細に説明する。ま
ず、チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料粉末を
エタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機バイン
ダに均一に分散し、セラミックスラリを調整する。この
セラミックスラリをポリエチレンテレフタレートフィル
ム等のベースフィルム上に10μm以下の薄く均一な厚
さで塗布し、乾燥し、膜状のセラミックグリーンシート
を作る。その後、このセラミックグリーンシートを適当
な大きさに裁断する。
【0017】次に、図4に示すように、この裁断したセ
ラミックグリーンシート1a、1bの上に、ニッケル、
銅、銀、パラジウム、銀パラジウム等の導電ペーストを
使用し、2種類の内部電極パターン2a、2bを各々印
刷する。例えば導電ペーストは、Ni粉末の100重量
%に対して、バインダとしてエチルセルロース、アクリ
ル、ポリエステル等を3〜12重量%、溶剤としてブチ
ルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テル
ピネオール、エチルセロソルブ、炭化水素等を80〜1
20重量%、いわゆる共材としてチタン酸バリウム、酸
化バリウム、酸化チタン等の粉末を5〜30重量%、L
a2O3及びCr2O3の少なくとも何れかの粉末を0.5
〜3重量%添加し、均一に混合、分散したものを使用す
る。La 2O3及びCr2O3の少なくとも何れかの粉末
は、平均粒径0.5〜1.0μmのものを使用する。
ラミックグリーンシート1a、1bの上に、ニッケル、
銅、銀、パラジウム、銀パラジウム等の導電ペーストを
使用し、2種類の内部電極パターン2a、2bを各々印
刷する。例えば導電ペーストは、Ni粉末の100重量
%に対して、バインダとしてエチルセルロース、アクリ
ル、ポリエステル等を3〜12重量%、溶剤としてブチ
ルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テル
ピネオール、エチルセロソルブ、炭化水素等を80〜1
20重量%、いわゆる共材としてチタン酸バリウム、酸
化バリウム、酸化チタン等の粉末を5〜30重量%、L
a2O3及びCr2O3の少なくとも何れかの粉末を0.5
〜3重量%添加し、均一に混合、分散したものを使用す
る。La 2O3及びCr2O3の少なくとも何れかの粉末
は、平均粒径0.5〜1.0μmのものを使用する。
【0018】このようなNiペースト等の導電ペースト
を使用し、セラミックグリーンシート1a、1bの上に
厚さ1.〜3.0μmの内部電極パターン2a、2bを
各々印刷する。このような内部電極パターン2a、2b
が印刷されたセラミックグリーンシート1a、1bを、
図4に示すように交互に積み重ね、さらにその両側に内
部電極パターン2a、2bが印刷されてないセラミック
グリーンシート1、1、いわゆるダミーシートを積み重
ね、これらを圧着し、積層体を得る。さらに、この積層
体を縦横に裁断し、個々のチップ状の積層体に分割す
る。その後、これらの積層体を焼成することで、図3に
示すような層構造を有する焼成済みの積層体3を得る。
を使用し、セラミックグリーンシート1a、1bの上に
厚さ1.〜3.0μmの内部電極パターン2a、2bを
各々印刷する。このような内部電極パターン2a、2b
が印刷されたセラミックグリーンシート1a、1bを、
図4に示すように交互に積み重ね、さらにその両側に内
部電極パターン2a、2bが印刷されてないセラミック
グリーンシート1、1、いわゆるダミーシートを積み重
ね、これらを圧着し、積層体を得る。さらに、この積層
体を縦横に裁断し、個々のチップ状の積層体に分割す
る。その後、これらの積層体を焼成することで、図3に
示すような層構造を有する焼成済みの積層体3を得る。
【0019】図3に示すように、積層体3は内部電極
5、6を有する誘電体からなるセラミック層7、7…が
積層され、さらにその両側に内部電極5、6が形成され
てないセラミック層7、7…が各々複数層積み重ねられ
たものである。このような積層体3は、セラミック層7
を介して対向している各内部電極5、6が、積層体3の
両端面に交互に導出されている。
5、6を有する誘電体からなるセラミック層7、7…が
積層され、さらにその両側に内部電極5、6が形成され
てないセラミック層7、7…が各々複数層積み重ねられ
たものである。このような積層体3は、セラミック層7
を介して対向している各内部電極5、6が、積層体3の
両端面に交互に導出されている。
【0020】図1に示すように、内部電極5、6が各々
導出している積層体3の両端にCuペーストなどの導電
ペーストが塗布され、これが焼き付けられる。さらにそ
の導電膜上にNiメッキと、Sn或は半田メッキが施さ
れ、外部電極2、2が形成される。これにより、積層セ
ラミックコンデンサが完成する。
導出している積層体3の両端にCuペーストなどの導電
ペーストが塗布され、これが焼き付けられる。さらにそ
の導電膜上にNiメッキと、Sn或は半田メッキが施さ
れ、外部電極2、2が形成される。これにより、積層セ
ラミックコンデンサが完成する。
【0021】前記のような積層体3の焼成工程におい
て、導電ペーストに添加したLa2O3やCr2O3は、導
電ペーストに添加したいわゆる共材と同様に、導電ペー
スト中のNi等の金属成分の燒結を抑制するが、共材よ
り効果の大きい燒結抑制剤として作用する。その結果、
Ni等の金属成分が酸化せずに、セラミック層7とは別
の金属粒子として残り、内部電極5、6が形成される。
て、導電ペーストに添加したLa2O3やCr2O3は、導
電ペーストに添加したいわゆる共材と同様に、導電ペー
スト中のNi等の金属成分の燒結を抑制するが、共材よ
り効果の大きい燒結抑制剤として作用する。その結果、
Ni等の金属成分が酸化せずに、セラミック層7とは別
の金属粒子として残り、内部電極5、6が形成される。
【0022】そしてLa2O3やCr2O3の粒子は、前記
焼成中にNi等の金属元素と反応せずに、LaやCrの
元素がLa2O3やCr2O3等の酸化物の状態で内部電極
5、6の表面へと析出する。その結果、図2に示すよう
に、LaやCrの元素は、内部電極5、6とその周囲の
セラミック層7との界面に析出する。このように、焼成
後の積層体において、LaやCrの元素は内部電極5、
6の中に残らず、内部電極5、6とセラミック層7との
界面に析出するため、内部電極5、6の連続性等に影響
を与えず、取得出来る静電容量やその他の電気特性に影
響を与えない。
焼成中にNi等の金属元素と反応せずに、LaやCrの
元素がLa2O3やCr2O3等の酸化物の状態で内部電極
5、6の表面へと析出する。その結果、図2に示すよう
に、LaやCrの元素は、内部電極5、6とその周囲の
セラミック層7との界面に析出する。このように、焼成
後の積層体において、LaやCrの元素は内部電極5、
6の中に残らず、内部電極5、6とセラミック層7との
界面に析出するため、内部電極5、6の連続性等に影響
を与えず、取得出来る静電容量やその他の電気特性に影
響を与えない。
【0023】図2は、出来上がった積層セラミックコン
デンサをアクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態でセ
ラミック層7の積層方向と直交する方向に研磨し、その
断面を露出させて光学顕微鏡により観察して得られた顕
微鏡写真を模式的に示したものである。丁度図1のA部
分の拡大図に当たる。図2に示すように、セラミック層
7の間に扁平な導体粒子が概ね1個ずつセラミック層7
との界面方向に一列に連なって内部電極5、6が形成さ
れている。しかしこの内部電極5、6は全ての部分で完
全に連なっているものではなく、所々に島状に導体膜が
存在しない間隙部9が形成されている。この内部電極
5、6とその周囲のセラミック層7との界面には、La
やCr等の元素11が析出している。
デンサをアクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態でセ
ラミック層7の積層方向と直交する方向に研磨し、その
断面を露出させて光学顕微鏡により観察して得られた顕
微鏡写真を模式的に示したものである。丁度図1のA部
分の拡大図に当たる。図2に示すように、セラミック層
7の間に扁平な導体粒子が概ね1個ずつセラミック層7
との界面方向に一列に連なって内部電極5、6が形成さ
れている。しかしこの内部電極5、6は全ての部分で完
全に連なっているものではなく、所々に島状に導体膜が
存在しない間隙部9が形成されている。この内部電極
5、6とその周囲のセラミック層7との界面には、La
やCr等の元素11が析出している。
【0024】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例とそれら
に対する比較例について説明する。 (実施例)チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料
粉末をエタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機
バインダに均一に分散したセラミックスラリを作り、こ
れをポリエチレンテレフタレートフィルム等のベースフ
ィルム上に10μmの薄く均一な厚さで塗布し、乾燥
し、膜状のセラミックグリーンシートを作った。その
後、このセラミックグリーンシートをベースフィルムか
ら剥離し、150mm角のセラミックグリーンシートを
複数枚作った。
に対する比較例について説明する。 (実施例)チタン酸バリウム等の誘電体セラミック原料
粉末をエタノール等の溶剤に溶解したアクリル等の有機
バインダに均一に分散したセラミックスラリを作り、こ
れをポリエチレンテレフタレートフィルム等のベースフ
ィルム上に10μmの薄く均一な厚さで塗布し、乾燥
し、膜状のセラミックグリーンシートを作った。その
後、このセラミックグリーンシートをベースフィルムか
ら剥離し、150mm角のセラミックグリーンシートを
複数枚作った。
【0025】他方、Ni粉末の100重量%に対して、
バインダとしてエチルセルロースを8重量%、溶剤とし
てテルピネオールを100重量%、いわゆる共材として
チタン酸バリウム粉末を10重量%、La2O3を0.5
重量%添加し、均一に混合、分散し、導電ペーストを調
整した。このNiペーストを使用し、スクリーン印刷機
により各々のセラミックグリーンシートに図4に示すよ
うな内部電極パターン1a、1bを各々形成した。この
ような内部電極パターンが印刷されたセラミックグリー
ンシートを交互に所定枚数積み重ね、その上下に内部電
極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシー
ト、いわゆるダミーシートを積み重ね、合計30枚のセ
ラミックグリーンシートを積層した。この積層体を積層
方向に120℃の温度下において200tの圧力で加圧
して圧着し、積層体を得た。
バインダとしてエチルセルロースを8重量%、溶剤とし
てテルピネオールを100重量%、いわゆる共材として
チタン酸バリウム粉末を10重量%、La2O3を0.5
重量%添加し、均一に混合、分散し、導電ペーストを調
整した。このNiペーストを使用し、スクリーン印刷機
により各々のセラミックグリーンシートに図4に示すよ
うな内部電極パターン1a、1bを各々形成した。この
ような内部電極パターンが印刷されたセラミックグリー
ンシートを交互に所定枚数積み重ね、その上下に内部電
極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシー
ト、いわゆるダミーシートを積み重ね、合計30枚のセ
ラミックグリーンシートを積層した。この積層体を積層
方向に120℃の温度下において200tの圧力で加圧
して圧着し、積層体を得た。
【0026】この積層体を、5.3mm×5.0mmの
大きさに裁断し、この積層体を1320℃の温度で焼成
し、図3に示すような焼成済の積層体3を得た。さら
に、この焼成済みの積層体3の両端部にCuペーストを
塗布し、これを焼き付けた。その後、チップを電解バレ
ルメッキ槽に入れて、Ag膜をメッキ処理し、同Ag膜
上にNiメッキ及びSnメッキ膜を順次施した。これに
より、外部電極2、2を形成し、図1に示すような積層
セラミックコンデンサを得た。
大きさに裁断し、この積層体を1320℃の温度で焼成
し、図3に示すような焼成済の積層体3を得た。さら
に、この焼成済みの積層体3の両端部にCuペーストを
塗布し、これを焼き付けた。その後、チップを電解バレ
ルメッキ槽に入れて、Ag膜をメッキ処理し、同Ag膜
上にNiメッキ及びSnメッキ膜を順次施した。これに
より、外部電極2、2を形成し、図1に示すような積層
セラミックコンデンサを得た。
【0027】この積層セラミックコンデンサの50個を
アクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態で、内部電極
5、6の積層方向と直交する方向に研磨し、内部電極
5、6とセラミック層7の積層状態を光学顕微鏡により
観察した。その結果、図2に示したように、内部電極
5、6とセラミック層7との界面にLa元素の偏析が見
られた。
アクリル系樹脂に埋め込み、保持した状態で、内部電極
5、6の積層方向と直交する方向に研磨し、内部電極
5、6とセラミック層7の積層状態を光学顕微鏡により
観察した。その結果、図2に示したように、内部電極
5、6とセラミック層7との界面にLa元素の偏析が見
られた。
【0028】この積層セラミックコンデンサの両端の外
部電極2、2の間で静電容量を測定したところ、140
0pF以上であった。50個の積層セラミックコンデン
サを樹脂に埋め込み、研磨し、その研磨面を光学顕微鏡
で観察することにより、積層体3の内部のセラミック層
7の剥離、いわゆるデラミネーションの有無を調べたと
ころ、クラックやデラミネーションの発生は認められな
かった。
部電極2、2の間で静電容量を測定したところ、140
0pF以上であった。50個の積層セラミックコンデン
サを樹脂に埋め込み、研磨し、その研磨面を光学顕微鏡
で観察することにより、積層体3の内部のセラミック層
7の剥離、いわゆるデラミネーションの有無を調べたと
ころ、クラックやデラミネーションの発生は認められな
かった。
【0029】この結果を表1の試料3の欄に示した。表
1において、LaとCrの酸化物及び共材は、それぞれ
導電ペーストのNi粉末100重量部に対して添加した
重量比(wt%)で示している。静電容量は外部電極
2、2の間で測定された静電容量値が1400pF以上
であったものを○で、1400pFに満たないものを×
で示している。また、デラミネーションの発生数は、試
料50個中における数を示している。
1において、LaとCrの酸化物及び共材は、それぞれ
導電ペーストのNi粉末100重量部に対して添加した
重量比(wt%)で示している。静電容量は外部電極
2、2の間で測定された静電容量値が1400pF以上
であったものを○で、1400pFに満たないものを×
で示している。また、デラミネーションの発生数は、試
料50個中における数を示している。
【0030】これと同様にして、表1に示すように、2
3種類の積層セラミックコンデンサを製造し、前記試料
3を含め、それぞれ試料1〜23とした。導電ペースト
に添加したLa2O3、Cr2O3及び共材以外は、Ni粉
末の100重量%に対してエチルセルロースを8重量
%、テルピネオールを100重量%を一定とした。ま
た、試料20は共材をNi粉末の100重量%に対して
20重量%添加したが、それ以外の試料では、何れも共
材をNi粉末の100重量%に対して10重量%添加し
た。
3種類の積層セラミックコンデンサを製造し、前記試料
3を含め、それぞれ試料1〜23とした。導電ペースト
に添加したLa2O3、Cr2O3及び共材以外は、Ni粉
末の100重量%に対してエチルセルロースを8重量
%、テルピネオールを100重量%を一定とした。ま
た、試料20は共材をNi粉末の100重量%に対して
20重量%添加したが、それ以外の試料では、何れも共
材をNi粉末の100重量%に対して10重量%添加し
た。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかな通り、導電ペーストのN
i粉末の100重量部に対して、La2O3及びCr2O3
の何れかを0.5〜3重量%を添加した導電ペーストを
使用して作られた積層セラミックコンデンサである試料
3〜7、試料12〜17及び試料21〜23では、何れ
も1400pF以上の静電容量を得ることができた。ま
た、積層体内部のデラミネーションの発生も無かった。
なお、これらの積層セラミックコンデンサを樹脂に埋め
込んで研磨し、内部電極を光学顕微鏡で拡大観察したと
ころ、内部電極とセラミック層との界面にLa及びCr
の何れかの元素の偏析が見られた。
i粉末の100重量部に対して、La2O3及びCr2O3
の何れかを0.5〜3重量%を添加した導電ペーストを
使用して作られた積層セラミックコンデンサである試料
3〜7、試料12〜17及び試料21〜23では、何れ
も1400pF以上の静電容量を得ることができた。ま
た、積層体内部のデラミネーションの発生も無かった。
なお、これらの積層セラミックコンデンサを樹脂に埋め
込んで研磨し、内部電極を光学顕微鏡で拡大観察したと
ころ、内部電極とセラミック層との界面にLa及びCr
の何れかの元素の偏析が見られた。
【0033】これに対し、導電ペーストのNi粉末の1
00重量部に対して、La2O3及びCr2O3の少なくと
も何れかの添加量が0.5重量%未満の試料1、2、1
0、11では、何れも1400pF以上の静電容量を得
ることができたが、積層体内部のデラミネーションの発
生が高い頻度で見られた。
00重量部に対して、La2O3及びCr2O3の少なくと
も何れかの添加量が0.5重量%未満の試料1、2、1
0、11では、何れも1400pF以上の静電容量を得
ることができたが、積層体内部のデラミネーションの発
生が高い頻度で見られた。
【0034】また、導電ペーストのNi粉末の100重
量部に対して、La2O3及びCr2O3の何れかの添加量
が3重量%を越える試料8、9、18,19では、何れ
も積層体内部のデラミネーションの発生は無かったが、
1400pF以上の静電容量を得ることができなかっ
た。導電ペーストにLa2O3及びCr2O3の何れも添加
せず、導電ペーストのNi粉末の100重量部に対して
共材を他の試料の倍である20重量%添加した試料20
でも、積層体内部のデラミネーションの発生は無かった
が、1400pF以上の静電容量を得ることができなか
った。尚、本実施例では素体を焼成した後に外部電極を
焼き付けしたが、本発明ではこれに限らず、素体と外部
電極を同時に焼成しても同様の効果を得ることができ
る。
量部に対して、La2O3及びCr2O3の何れかの添加量
が3重量%を越える試料8、9、18,19では、何れ
も積層体内部のデラミネーションの発生は無かったが、
1400pF以上の静電容量を得ることができなかっ
た。導電ペーストにLa2O3及びCr2O3の何れも添加
せず、導電ペーストのNi粉末の100重量部に対して
共材を他の試料の倍である20重量%添加した試料20
でも、積層体内部のデラミネーションの発生は無かった
が、1400pF以上の静電容量を得ることができなか
った。尚、本実施例では素体を焼成した後に外部電極を
焼き付けしたが、本発明ではこれに限らず、素体と外部
電極を同時に焼成しても同様の効果を得ることができ
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による積層セ
ラミックコンデンサでは、内部電極5、6を形成するた
めの導電ペーストに、La2O3及びCr2O3の少なくと
も何れかを添加することにより、積層体3を焼成する際
の内部電極5、6の焼成抑制効果が得られ、焼成時のデ
ラミネーションの発生を有効に防止することができる。
しかも、導電ペーストに添加したLa2O3やCr2O
3は、積層体3の焼成の後は、内部電極5、6とセラミ
ック層7との界面に偏析するため、内部電極5、6の導
体組織の連続性を損なわない。そのため、所要の電気的
特性を容易に得ることができる。
ラミックコンデンサでは、内部電極5、6を形成するた
めの導電ペーストに、La2O3及びCr2O3の少なくと
も何れかを添加することにより、積層体3を焼成する際
の内部電極5、6の焼成抑制効果が得られ、焼成時のデ
ラミネーションの発生を有効に防止することができる。
しかも、導電ペーストに添加したLa2O3やCr2O
3は、積層体3の焼成の後は、内部電極5、6とセラミ
ック層7との界面に偏析するため、内部電極5、6の導
体組織の連続性を損なわない。そのため、所要の電気的
特性を容易に得ることができる。
【図1】本発明による積層セラミックコンデンサの例を
示す一部切欠斜視図である。
示す一部切欠斜視図である。
【図2】同積層セラミックコンデンサの図1のA部を示
す要部拡大断面図である。
す要部拡大断面図である。
【図3】同積層セラミックコンデンサの例の積層体の各
層を分離して示した分解斜視図である。
層を分離して示した分解斜視図である。
【図4】積層セラミックコンデンサを製造するためのセ
ラミックグリーンシートの積層状態を示す各層の分離斜
視図である。
ラミックグリーンシートの積層状態を示す各層の分離斜
視図である。
2 外部電極 3 積層体 5 内部電極 6 内部電極 7 セラミック層 9 間隙部 11 LaまたはCrの元素
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミック層(7)と内部電極(5)、
(6)とが交互に積層された積層体(3)と、この積層
体(3)の端部に設けられた外部電極(2)、(2)と
を有し、前記内部電極(5)、(6)がセラミック層
(7)の互いに対向する少なくとも一対の縁の何れか一
方に各々達していることにより、積層体(3)の対向す
る端面に内部電極(5)、(6)が各々導出され、同積
層体(3)の端面に導出された内部電極(5)、(6)
が前記外部電極(2)、(2)に各々接続されている積
層セラミックコンデンサにおいて、前記セラミック層
(7)を介して積層体(3)の内部で対向する内部電極
(5)、(6)にLaまたはCrの少なくとも何れかの
元素(11)が含んでいることを特徴とする積層セラミ
ックコンデンサ。 - 【請求項2】 LaまたはCrの少なくとも何れかの元
素(11)が内部電極(5)、(6)とセラミック層
(7)との界面に偏析していることを特徴とする請求項
1に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項3】 セラミック層(7)を形成するためのセ
ラミックグリーンシート(1)、(1a)、(1b)を
得る工程と、これらのセラミックグリーンシート(1
a)、(1b)の一部に導電ペーストを使用して内部電
極パターン(2a)、(2b)を印刷する工程と、セラ
ミックグリーンシート(1)、(1a)、(1b)を所
定の順序で積層する工程と、積層したセラミックグリー
ンシート(1)、(1a)、(1b)を裁断する行程
と、セラミックグリーンシート(1)、(1a)、(1
b)の積層体を焼成し、内部電極(5)、(6)を有す
る焼成済みの積層体(3)を得る工程と、積層体(3)
の内部電極(5)、(6)が導出された端部に外部電極
(2)、(2)を形成する行程とを有する積層セラミッ
クコンデンサの製造方法において、内部電極(5)、
(6)を形成するための導電ペーストは、Ni粉末の1
00重量%に対して0.5〜3.0重量%のLa及びC
rの少なくとも何れかの酸化物粉末を含有していること
を特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項4】 導電ペーストに添加するLa及びCrの
少なくとも何れかの酸化物粉末の平均粒径が0.5〜
1.0μmであることを特徴とする請求項3に記載の積
層セラミックコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7478699A JP2000269073A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7478699A JP2000269073A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000269073A true JP2000269073A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13557333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7478699A Pending JP2000269073A (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 積層セラミックコンデンサとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000269073A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006310760A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-11-09 | Tdk Corp | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 |
JP2009170848A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-07-30 | Taiyo Yuden Co Ltd | セラミック電子部品及びその製造方法 |
JP2013251538A (ja) * | 2012-06-04 | 2013-12-12 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 積層セラミック部品 |
US8980139B2 (en) | 2012-04-19 | 2015-03-17 | Samhwa Capacitor Co., Ltd. | Metal paste manufacturing method for internal electrode of multi layer ceramic capacitor |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP7478699A patent/JP2000269073A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006310760A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-11-09 | Tdk Corp | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 |
JP4513981B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2010-07-28 | Tdk株式会社 | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 |
US7817402B2 (en) | 2005-03-31 | 2010-10-19 | Tdk Corporation | Multilayer ceramic electronic device and method of production of the same |
JP2009170848A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-07-30 | Taiyo Yuden Co Ltd | セラミック電子部品及びその製造方法 |
US8980139B2 (en) | 2012-04-19 | 2015-03-17 | Samhwa Capacitor Co., Ltd. | Metal paste manufacturing method for internal electrode of multi layer ceramic capacitor |
JP2013251538A (ja) * | 2012-06-04 | 2013-12-12 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 積層セラミック部品 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20031224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |