JP2000265920A - 電磁式燃料噴射装置 - Google Patents
電磁式燃料噴射装置Info
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- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Magnetically Actuated Valves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】開弁用,開弁保持用,閉弁用の各コイルを組み
合わせて用いることにより、低パルス域での安定した噴
射量が得られる電磁式燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】内燃機関に燃料を供給する弁体を磁気力に
より開閉させる電磁式燃料噴射弁30内のコイルを、起
磁力の時間変化率が大きい開弁用コイル2と、該開弁用
コイル2より起磁力の時間的変化率が小さい開弁保持用
コイル3と、開弁用コイル2及び開弁保持用コイル3に
対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コイル4とで構
成する、これにより、閉弁時、開弁保持状態で発生して
いた磁束を、強制的に急速に取り除き、閉弁時のコイル
の応答特性が向上させて閉弁遅れを短縮することによ
り、低パルス域での安定した噴射量を得ることができ
る。
合わせて用いることにより、低パルス域での安定した噴
射量が得られる電磁式燃料噴射装置を提供する。 【解決手段】内燃機関に燃料を供給する弁体を磁気力に
より開閉させる電磁式燃料噴射弁30内のコイルを、起
磁力の時間変化率が大きい開弁用コイル2と、該開弁用
コイル2より起磁力の時間的変化率が小さい開弁保持用
コイル3と、開弁用コイル2及び開弁保持用コイル3に
対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コイル4とで構
成する、これにより、閉弁時、開弁保持状態で発生して
いた磁束を、強制的に急速に取り除き、閉弁時のコイル
の応答特性が向上させて閉弁遅れを短縮することによ
り、低パルス域での安定した噴射量を得ることができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用電磁式
燃料噴射装置に関し、特に低電圧駆動に有効な電磁式燃
料噴射装置に関するものである。
燃料噴射装置に関し、特に低電圧駆動に有効な電磁式燃
料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電磁式燃料噴射弁、すなわちインジェク
タは、インジェクタ内部のコイルに通電し、発生する磁
気力によりボール弁が固定されたプランジャを吸引し、
バルブが開き燃料が噴射され、通電が中止されると磁気
力が減衰し、プランジャに取り付けられたリターンスプ
リングによりバンブが閉じる構造となっている。
タは、インジェクタ内部のコイルに通電し、発生する磁
気力によりボール弁が固定されたプランジャを吸引し、
バルブが開き燃料が噴射され、通電が中止されると磁気
力が減衰し、プランジャに取り付けられたリターンスプ
リングによりバンブが閉じる構造となっている。
【0003】インジェクタの性能基準となる低パルス域
での安定した噴射量を達成すめためには、開弁指令,閉
弁指令に対して遅れなくボール弁を追従させる必要があ
る。従来、昇圧回路により高電圧を作り、インジェクタ
に投入することにより短時間に電流を流し込み、開弁立
ち上がり特性を改善し、また、閉弁時には、開弁時とは
逆方向にこの高電圧を印加し(逆起付昇圧回路)閉弁特
性を改善するような方法が取られていた。
での安定した噴射量を達成すめためには、開弁指令,閉
弁指令に対して遅れなくボール弁を追従させる必要があ
る。従来、昇圧回路により高電圧を作り、インジェクタ
に投入することにより短時間に電流を流し込み、開弁立
ち上がり特性を改善し、また、閉弁時には、開弁時とは
逆方向にこの高電圧を印加し(逆起付昇圧回路)閉弁特
性を改善するような方法が取られていた。
【0004】また、別の方法として特開平8−326620 号
公報に記載されている従来のインジェクタには、コイル
を複数個設け、開弁作動時には開弁状態保持時よりも多
くのコイルに通電する構造とする方法が開示されてい
る。これは、開弁のための吸引力を大きくし、開弁時間
遅れを短縮すると共に、開弁保持状態では吸引力を小さ
くすることで、閉弁遅れも短縮できる。
公報に記載されている従来のインジェクタには、コイル
を複数個設け、開弁作動時には開弁状態保持時よりも多
くのコイルに通電する構造とする方法が開示されてい
る。これは、開弁のための吸引力を大きくし、開弁時間
遅れを短縮すると共に、開弁保持状態では吸引力を小さ
くすることで、閉弁遅れも短縮できる。
【0005】また、特開平6−117312 号公報には、開弁
用コイルと保持用コイルを設けたインジェクタが開示さ
れている。また、実用新案第2582212 号には、開弁用コ
イルと閉弁用コイルを設けたインジェクタが開示されて
いる。
用コイルと保持用コイルを設けたインジェクタが開示さ
れている。また、実用新案第2582212 号には、開弁用コ
イルと閉弁用コイルを設けたインジェクタが開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術の逆起付昇圧回路は高価であり、インジェクタとその
駆動回路の合計コストであるシステムコストを低減させ
るためには、逆起付昇圧回路を用いず、インジェクタに
その機能を持たすことが望ましい。
術の逆起付昇圧回路は高価であり、インジェクタとその
駆動回路の合計コストであるシステムコストを低減させ
るためには、逆起付昇圧回路を用いず、インジェクタに
その機能を持たすことが望ましい。
【0007】したがって、インジェクタの性能基準とな
る低パルス域での安定した噴射量を安価に達成するため
には、閉弁状態から開弁し、開弁保持をした後、再び閉
弁するまでに、それぞれの状態に対して、望ましいコイ
ル特性に変化させる必要がある。特に閉弁時の応答特性
を向上させるためには、閉弁から開弁保持状態で発生し
ていた磁束を強制的に急速に取り除く必要がある。
る低パルス域での安定した噴射量を安価に達成するため
には、閉弁状態から開弁し、開弁保持をした後、再び閉
弁するまでに、それぞれの状態に対して、望ましいコイ
ル特性に変化させる必要がある。特に閉弁時の応答特性
を向上させるためには、閉弁から開弁保持状態で発生し
ていた磁束を強制的に急速に取り除く必要がある。
【0008】本発明の目的は、開弁用,開弁保持用,閉
弁用の各コイルを組み合わせて用いることにより、低パ
ルス域での安定した噴射量が得られる電磁式燃料噴射装
置を提供することにある。
弁用の各コイルを組み合わせて用いることにより、低パ
ルス域での安定した噴射量が得られる電磁式燃料噴射装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における電磁式燃料噴射装置の特徴とすると
ころは、内燃機関に燃料を供給する弁体を磁気力により
開閉させるコイルを、起磁力の時間変化率が大きい開弁
用コイルと、該開弁用コイルより起磁力の時間的変化率
が小さい開弁保持用コイルと、開弁用コイル及び開弁保
持用コイルに対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コ
イルとで構成することにある。
に、本発明における電磁式燃料噴射装置の特徴とすると
ころは、内燃機関に燃料を供給する弁体を磁気力により
開閉させるコイルを、起磁力の時間変化率が大きい開弁
用コイルと、該開弁用コイルより起磁力の時間的変化率
が小さい開弁保持用コイルと、開弁用コイル及び開弁保
持用コイルに対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コ
イルとで構成することにある。
【0010】具体的には本発明は次に掲げる装置を提供
する。本発明は、磁気回路を構成する複数のコイル及
び、該各コイルにより発生した磁気力により開閉する弁
体を有する電磁式燃料噴射弁と、外部からの開弁・閉弁
指令に応じて前記各コイルへ印加する電圧を制御する制
御回路とを有し、前記印加された電圧の状態に基づいて
前記各コイルが動作し前記弁体を動かして内燃機関に燃
料を供給する電磁式燃料噴射装置において、前記各コイ
ルは、定常電圧印加時にコイルの巻数と電流値の積で与
えられる起磁力の時間変化率が大きい開弁用コイルと、
該開弁用コイルより前記起磁力の時間的変化率が小さい
開弁保持用コイルと、前記開弁用コイル及び前記開弁保
持用コイルに対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コ
イルとで構成されていることを特徴とする電磁式燃料噴
射装置を提供する。
する。本発明は、磁気回路を構成する複数のコイル及
び、該各コイルにより発生した磁気力により開閉する弁
体を有する電磁式燃料噴射弁と、外部からの開弁・閉弁
指令に応じて前記各コイルへ印加する電圧を制御する制
御回路とを有し、前記印加された電圧の状態に基づいて
前記各コイルが動作し前記弁体を動かして内燃機関に燃
料を供給する電磁式燃料噴射装置において、前記各コイ
ルは、定常電圧印加時にコイルの巻数と電流値の積で与
えられる起磁力の時間変化率が大きい開弁用コイルと、
該開弁用コイルより前記起磁力の時間的変化率が小さい
開弁保持用コイルと、前記開弁用コイル及び前記開弁保
持用コイルに対して、逆方向にコイルを巻いた閉弁用コ
イルとで構成されていることを特徴とする電磁式燃料噴
射装置を提供する。
【0011】好ましくは、前記閉弁用コイルは、前記開
弁保持用コイルより前記起磁力の時間的変化率が大き
い。
弁保持用コイルより前記起磁力の時間的変化率が大き
い。
【0012】好ましくは、前記制御回路は、前記弁体の
開き動作初期段階では、前記開弁用コイル及び前記開弁
保持用コイルに、等しい向きに磁束が発生するように電
圧を印加し、開き状態保持時には、前記開弁保持用コイ
ルに前記電圧を継続して印加する。
開き動作初期段階では、前記開弁用コイル及び前記開弁
保持用コイルに、等しい向きに磁束が発生するように電
圧を印加し、開き状態保持時には、前記開弁保持用コイ
ルに前記電圧を継続して印加する。
【0013】好ましくは、前記制御回路は、前記閉弁指
令に対し、前記開弁保持用コイルへの電圧の印加を中止
して、前記閉弁用コイルに電圧を印加する。
令に対し、前記開弁保持用コイルへの電圧の印加を中止
して、前記閉弁用コイルに電圧を印加する。
【0014】好ましくは、前記閉弁用コイルは、前記電
圧が印加されることにより前記開弁保持用コイルに発生
した磁束を打ち消す。
圧が印加されることにより前記開弁保持用コイルに発生
した磁束を打ち消す。
【0015】好ましくは、前記開弁保持用コイルと前記
閉弁用コイルとは、隣合っている。
閉弁用コイルとは、隣合っている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態例に
係る電磁式燃料噴射装置を、図を用いて説明する。
係る電磁式燃料噴射装置を、図を用いて説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施の形態例に係る電
磁式燃料噴射装置の構成を示す模式図である。電磁式燃
料噴射装置300は、電磁式燃料噴射弁30と該電磁式
燃料噴射弁30を制御する制御回路130とで構成され
ている。
磁式燃料噴射装置の構成を示す模式図である。電磁式燃
料噴射装置300は、電磁式燃料噴射弁30と該電磁式
燃料噴射弁30を制御する制御回路130とで構成され
ている。
【0018】図1に示すように、制御回路130は、バ
ッテリ120よりバッテリ電圧が供給され、エンジンコ
ントローラ100からの噴射信号に基づき、開弁用コイ
ル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用コイル4への通電
制御を行う。
ッテリ120よりバッテリ電圧が供給され、エンジンコ
ントローラ100からの噴射信号に基づき、開弁用コイ
ル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用コイル4への通電
制御を行う。
【0019】また、制御回路130には、開弁用コイル
2に対し通電制御を行う電流制御回路104と、開弁保
持用コイル3に対し通電制御を行う電流制御回路114
と、閉弁用コイル4に対し電流制御を行う電流制御回路
124とが設けられている。
2に対し通電制御を行う電流制御回路104と、開弁保
持用コイル3に対し通電制御を行う電流制御回路114
と、閉弁用コイル4に対し電流制御を行う電流制御回路
124とが設けられている。
【0020】それぞれの電流制御回路は、開弁用コイル
電流検出抵抗103、開弁保持用電流検出抵抗113及
び閉弁用コイル電流検出抵抗123で検出された、それ
ぞれのコイルへの電流情報を共有している。
電流検出抵抗103、開弁保持用電流検出抵抗113及
び閉弁用コイル電流検出抵抗123で検出された、それ
ぞれのコイルへの電流情報を共有している。
【0021】そして、これらの情報と、エンジンコント
ローラ100からの噴射信号とを基準としたタイマ11
0の出力に応じて開弁用コイル用パワートランジスタ1
02、開弁保持用コイル用パワートランジスタ112及
び閉弁用コイル用パワートランジスタ122に通電信号
を送る。
ローラ100からの噴射信号とを基準としたタイマ11
0の出力に応じて開弁用コイル用パワートランジスタ1
02、開弁保持用コイル用パワートランジスタ112及
び閉弁用コイル用パワートランジスタ122に通電信号
を送る。
【0022】開弁用コイル用パワートランジスタ10
2、開弁保持用コイル用パワートランジスタ112及び
閉弁用コイル用パワートランジスタ122が、オンにな
ると、開弁用コイル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用
コイル4にバッテリ120の電圧が印加される。
2、開弁保持用コイル用パワートランジスタ112及び
閉弁用コイル用パワートランジスタ122が、オンにな
ると、開弁用コイル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用
コイル4にバッテリ120の電圧が印加される。
【0023】101、111、121は、それぞれ開弁
用コイル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用コイル4の
内部抵抗及び駆動回路の等価抵抗である。
用コイル2、開弁保持用コイル3及び閉弁用コイル4の
内部抵抗及び駆動回路の等価抵抗である。
【0024】図2は、図1の電磁式燃料噴射弁の構成を
示す模式図である。電磁式燃料噴射弁30は、燃料ポン
プ(図示せず)から加圧された燃料が供給されており、
プランジャ7の先端に取り付けられたボール10とノズ
ル8側のシート面にてシールされてある。シート面近傍
には燃料微粒化のためのスワラ9が具備されている。
示す模式図である。電磁式燃料噴射弁30は、燃料ポン
プ(図示せず)から加圧された燃料が供給されており、
プランジャ7の先端に取り付けられたボール10とノズ
ル8側のシート面にてシールされてある。シート面近傍
には燃料微粒化のためのスワラ9が具備されている。
【0025】電磁式燃料噴射弁30には、開弁用コイル
2と、開弁保持用コイル3と、閉弁用コイル4とが具備
されている。
2と、開弁保持用コイル3と、閉弁用コイル4とが具備
されている。
【0026】開弁時には開弁用コイル2と開弁保持用コ
イル3に電圧が印加されることで磁束が発生し、コア
1,ヨーク5とプランジャ7とを磁路として通り、コア
1,ヨーク5とプランジャ7の間に吸引力が発生する。
これにより、弁体であるプランジャ7及びボール10
が、図2では上側に変位し、燃料が噴射される。
イル3に電圧が印加されることで磁束が発生し、コア
1,ヨーク5とプランジャ7とを磁路として通り、コア
1,ヨーク5とプランジャ7の間に吸引力が発生する。
これにより、弁体であるプランジャ7及びボール10
が、図2では上側に変位し、燃料が噴射される。
【0027】また、開弁保持時には、開弁保持用コイル
3にのみ電圧が印加され、プランジャ7及びボール10
が図2では上側に保持された状態となり、燃料が噴射さ
れ続ける。
3にのみ電圧が印加され、プランジャ7及びボール10
が図2では上側に保持された状態となり、燃料が噴射さ
れ続ける。
【0028】また、閉弁時には、開弁保持用コイル3に
印加された電圧が中止すると共に、閉弁用コイル4に電
圧が印加され開弁保持用コイル3にて発生した残留磁力
を取り除くことにより、吸引力が取り除かれ、プランジ
ャ7及びボール10はリターンスプリング6により閉弁
される構造となっている。さらに、開弁保持用コイル3
と閉弁用コイル4が隣合っているため、開弁保持用コイ
ル3にて発生した残留磁力を素早く取り除くことが可能
である。
印加された電圧が中止すると共に、閉弁用コイル4に電
圧が印加され開弁保持用コイル3にて発生した残留磁力
を取り除くことにより、吸引力が取り除かれ、プランジ
ャ7及びボール10はリターンスプリング6により閉弁
される構造となっている。さらに、開弁保持用コイル3
と閉弁用コイル4が隣合っているため、開弁保持用コイ
ル3にて発生した残留磁力を素早く取り除くことが可能
である。
【0029】図3は、エンジンコントローラ100から
の噴射信号に対し、開弁用コイル2、開弁保持用コイル
3及び閉弁用コイル4に流れる電流状況を示した図であ
る。
の噴射信号に対し、開弁用コイル2、開弁保持用コイル
3及び閉弁用コイル4に流れる電流状況を示した図であ
る。
【0030】図3に示すように、開弁用コイル2、開弁
保持用コイル3及び閉弁用コイル4はそれぞれ異なった
電気特性を持っている。それは、開弁用コイル2、開弁
保持用コイル3及び閉弁用コイル4が、それぞれ開弁、
開弁保持、閉弁の各段階において役割が異なるためであ
る。
保持用コイル3及び閉弁用コイル4はそれぞれ異なった
電気特性を持っている。それは、開弁用コイル2、開弁
保持用コイル3及び閉弁用コイル4が、それぞれ開弁、
開弁保持、閉弁の各段階において役割が異なるためであ
る。
【0031】開弁用コイル2は、専ら開弁初期状態で使
うコイルであり、開弁保持用コイル3は開弁保持状態で
使うコイルであり、閉弁用コイル4は閉弁時に使うコイ
ルである。以下、それぞれの違いを述べる。
うコイルであり、開弁保持用コイル3は開弁保持状態で
使うコイルであり、閉弁用コイル4は閉弁時に使うコイ
ルである。以下、それぞれの違いを述べる。
【0032】まず、開弁時にコイルに要求される特性
を、以下に示す。開弁時には前述のリターンスプリング
6によるセット荷重と、加圧された燃料による燃圧がボ
ール10に働くため、開弁保持時に比較して大きな力が
必要となる。電磁力がこれらの力に打ち勝つ大きさに到
達した時点で初めてプランジャ7が変位を始める。従っ
て、力を発生させるのに必要な時間は、開弁遅れに影響
を及ぼすためできるだけ短くする必要がある。
を、以下に示す。開弁時には前述のリターンスプリング
6によるセット荷重と、加圧された燃料による燃圧がボ
ール10に働くため、開弁保持時に比較して大きな力が
必要となる。電磁力がこれらの力に打ち勝つ大きさに到
達した時点で初めてプランジャ7が変位を始める。従っ
て、力を発生させるのに必要な時間は、開弁遅れに影響
を及ぼすためできるだけ短くする必要がある。
【0033】ここで、起磁力は、コイルの巻数N(T)
に流入電流I(A)を掛け合わせた値U(=NI)であ
り、微少時間に到達できる起磁力の評価に適用される。
駆動回路の内部抵抗がゼロの場合は、巻数を少なくすれ
ばするほどインダクタンス成分と抵抗成分が小さくな
り、多くの電流が流れ、結果として微少時間の間に到達
できる起磁力は大きくなる。しかしながら、実際には駆
動回路には内部抵抗が存在し、到達起磁力の最大値に制
限を加えると同時に、最適な巻数が駆動回路内部抵抗値
により変化する。
に流入電流I(A)を掛け合わせた値U(=NI)であ
り、微少時間に到達できる起磁力の評価に適用される。
駆動回路の内部抵抗がゼロの場合は、巻数を少なくすれ
ばするほどインダクタンス成分と抵抗成分が小さくな
り、多くの電流が流れ、結果として微少時間の間に到達
できる起磁力は大きくなる。しかしながら、実際には駆
動回路には内部抵抗が存在し、到達起磁力の最大値に制
限を加えると同時に、最適な巻数が駆動回路内部抵抗値
により変化する。
【0034】続いて開弁保持時にコイルに要求される特
性を、以下に示す。開弁保持動作では、開弁時に比べ小
さな起磁力で、弁体であるボール10とプランジャ7を
開弁状態に保持できる。これは、開弁により燃料が噴射
されボール10の前後で圧力がバランスし、燃料圧力に
よる力が小さくなると同時に、コア1,ヨーク5とプラ
ンジャ7とのギャップが小さくなるため、ギャップの磁
束密度が上昇し起磁力を有効に使えるためである。
性を、以下に示す。開弁保持動作では、開弁時に比べ小
さな起磁力で、弁体であるボール10とプランジャ7を
開弁状態に保持できる。これは、開弁により燃料が噴射
されボール10の前後で圧力がバランスし、燃料圧力に
よる力が小さくなると同時に、コア1,ヨーク5とプラ
ンジャ7とのギャップが小さくなるため、ギャップの磁
束密度が上昇し起磁力を有効に使えるためである。
【0035】また、開弁保持時の起磁力が大きすぎる
と、残留磁力が多くなり閉弁遅れに繋がる。従って、開
弁保持時には保持限界に近い、低い起磁力で保持してお
く必要がある。
と、残留磁力が多くなり閉弁遅れに繋がる。従って、開
弁保持時には保持限界に近い、低い起磁力で保持してお
く必要がある。
【0036】最後に、閉弁時にコイルに要求される特性
を、以下に示す。閉弁動作では、開弁保持動作にて開弁
保持用コイル3に印加されている電圧を中止すると共
に、開弁保持用コイル3に対し逆向きに巻いた閉弁用コ
イルに電圧を印加することでコア1,ヨーク5及びプラ
ンジャ7に存在している残留磁力を取り除くことで急激
に起磁力が低下し、磁気力が低下していき、スプリング
6のセット荷重以下になると閉弁動作が始まる。
を、以下に示す。閉弁動作では、開弁保持動作にて開弁
保持用コイル3に印加されている電圧を中止すると共
に、開弁保持用コイル3に対し逆向きに巻いた閉弁用コ
イルに電圧を印加することでコア1,ヨーク5及びプラ
ンジャ7に存在している残留磁力を取り除くことで急激
に起磁力が低下し、磁気力が低下していき、スプリング
6のセット荷重以下になると閉弁動作が始まる。
【0037】閉弁用コイル4に要求される特性は、でき
るだけ短い時間でコア1,ヨーク5及びプランジャ7に
存在している磁留磁力を取り除くことだけである。
るだけ短い時間でコア1,ヨーク5及びプランジャ7に
存在している磁留磁力を取り除くことだけである。
【0038】図4は、本発明の他の実施の形態例に係る
電磁式燃料噴射弁の構成を示す模式図である。開弁保持
用13を、開弁用コイル12、閉弁用コイル14の外側
に置くことで、全体的に電磁力を発生することが可能で
ある。
電磁式燃料噴射弁の構成を示す模式図である。開弁保持
用13を、開弁用コイル12、閉弁用コイル14の外側
に置くことで、全体的に電磁力を発生することが可能で
ある。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、開弁用,開弁保持用,
閉弁用のコイルを組み合わせて用いることにより、特に
閉弁時のコイルの応答特性を向上させて閉弁遅れを短縮
し、ひいては低パルス域での安定した噴射量を得ること
ができる。
閉弁用のコイルを組み合わせて用いることにより、特に
閉弁時のコイルの応答特性を向上させて閉弁遅れを短縮
し、ひいては低パルス域での安定した噴射量を得ること
ができる。
【図1】本発明の一実施の形態例に係わる電磁式燃料噴
射装置の構成を示す模式図である。
射装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1の電磁式燃料噴射弁の構成を示す模式図で
ある。
ある。
【図3】開弁用コイル、開弁保持用コイル及び閉弁用コ
イルの通電状況を示した図である。
イルの通電状況を示した図である。
【図4】本発明の他の実施の形態例に係わる電磁式燃料
噴射弁の構成を示す模式図である。
噴射弁の構成を示す模式図である。
1,11…コア、2,12…開弁用コイル、3,13…
開弁保持用コイル、4,14…閉弁用コイル、5,15
…ヨーク、6,16…スプリング、7,17…プランジ
ャ、8,18…ノズル、9,19…スワラ、10,20
…ボール、30,230…電磁式燃料噴射弁、100…
エンジンコントローラ、101,111,121…内部
抵抗、102,112,122…パワートランジスタ、
103,113,123…電流検出抵抗、104,11
4,124…電流制御回路、110…タイマ、120…
バッテリ、130…制御回路、300…電磁式燃料噴射
装置
開弁保持用コイル、4,14…閉弁用コイル、5,15
…ヨーク、6,16…スプリング、7,17…プランジ
ャ、8,18…ノズル、9,19…スワラ、10,20
…ボール、30,230…電磁式燃料噴射弁、100…
エンジンコントローラ、101,111,121…内部
抵抗、102,112,122…パワートランジスタ、
103,113,123…電流検出抵抗、104,11
4,124…電流制御回路、110…タイマ、120…
バッテリ、130…制御回路、300…電磁式燃料噴射
装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 泰久 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 生井沢 保夫 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 Fターム(参考) 3G066 AB02 BA09 BA19 BA51 BA61 CC06U CC14 CC15 CC43 CD26 CE25 CE29 DA01 DC00 3G301 JA14 LB01 LC01 LC10 MA11 ND03 PB03A PB03Z PG02A PG02Z 3H106 DA07 DA13 DA23 DB02 DB14 DB15 DB17 DB23 DB32 DC04 DC17 DD03 EE04 EE48 FA08 KK18
Claims (6)
- 【請求項1】磁気回路を構成する複数のコイル及び、該
各コイルにより発生した磁気力により開閉する弁体を有
する電磁式燃料噴射弁と、外部からの開弁・閉弁指令に
応じて前記各コイルへ印加する電圧を制御する制御回路
とを有し、前記印加された電圧の状態に基づいて前記各
コイルが動作し前記弁体を動かして内燃機関に燃料を供
給する電磁式燃料噴射装置において、 前記各コイルは、定常電圧印加時にコイルの巻数と電流
値の積で与えられる起磁力の時間変化率が大きい開弁用
コイルと、該開弁用コイルより前記起磁力の時間的変化
率が小さい開弁保持用コイルと、前記開弁用コイル及び
前記開弁保持用コイルに対して、逆方向にコイルを巻い
た閉弁用コイルとで構成されていることを特徴とする電
磁式燃料噴射装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記閉弁用コイルは、
前記開弁保持用コイルより前記起磁力の時間的変化率が
大きいことを特徴とする電磁式燃料噴射装置。 - 【請求項3】請求項1において、前記制御回路は、前記
弁体の開き動作初期段階では、前記開弁用コイル及び前
記開弁保持用コイルに、等しい向きに磁束が発生するよ
うに電圧を印加し、開き状態保持時には、前記開弁保持
用コイルに前記電圧を継続して印加することを特徴とす
る電磁式燃料噴射装置。 - 【請求項4】請求項1において、前記制御回路は、前記
閉弁指令に対し、前記開弁保持用コイルへの電圧の印加
を中止して、前記閉弁用コイルに電圧を印加することを
特徴とする電磁式燃料噴射装置。 - 【請求項5】請求項4において、前記閉弁用コイルは、
前記電圧が印加されることにより前記開弁保持用コイル
に発生した磁束を打ち消すことを特徴とする電磁式燃料
噴射装置。 - 【請求項6】請求項1において、前記開弁保持用コイル
と前記閉弁用コイルとは、隣合っていることを特徴とす
る電磁式燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070784A JP2000265920A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 電磁式燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11070784A JP2000265920A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 電磁式燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000265920A true JP2000265920A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13441510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11070784A Pending JP2000265920A (ja) | 1999-03-16 | 1999-03-16 | 電磁式燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000265920A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6799559B2 (en) * | 2002-08-30 | 2004-10-05 | Delphi Technologies, Inc. | Method and apparatus for controlling a dual coil fuel injector |
JP2007303449A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Honda Motor Co Ltd | 燃料噴射装置の制御装置 |
US7559311B2 (en) | 2006-10-06 | 2009-07-14 | Denso Corporation | Solenoid operated valve device designed to ensure high responsiveness of valve action |
JP2012202279A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nippon Soken Inc | 燃料噴射弁 |
CN103221675A (zh) * | 2010-09-23 | 2013-07-24 | 万国引擎知识产权有限责任公司 | 控制燃料喷射器内加强器活塞的操作的方法 |
-
1999
- 1999-03-16 JP JP11070784A patent/JP2000265920A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6799559B2 (en) * | 2002-08-30 | 2004-10-05 | Delphi Technologies, Inc. | Method and apparatus for controlling a dual coil fuel injector |
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JP2012202279A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Nippon Soken Inc | 燃料噴射弁 |
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