[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2000265282A - 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板 - Google Patents

塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板

Info

Publication number
JP2000265282A
JP2000265282A JP2000003814A JP2000003814A JP2000265282A JP 2000265282 A JP2000265282 A JP 2000265282A JP 2000003814 A JP2000003814 A JP 2000003814A JP 2000003814 A JP2000003814 A JP 2000003814A JP 2000265282 A JP2000265282 A JP 2000265282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
weight
parts
coating
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000003814A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
Kohei Ueda
浩平 植田
Hiromasa Nomura
広正 野村
Akira Takahashi
高橋  彰
Hiroshi Kanai
洋 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2000003814A priority Critical patent/JP2000265282A/ja
Publication of JP2000265282A publication Critical patent/JP2000265282A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

Landscapes

  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒性に問題のあるクロメート処理層及びクロ
ム系防錆顔料を含まない、塗膜密着性及び耐食性に優れ
るノンクロム系プレコート金属板を提供する。 【解決手段】 金属板の少なくとも片面に、固形分とし
て水性樹脂100重量部、シランカップリング剤0.1
〜3000重量部を含有する皮膜層を下地処理層として
設け、さらにその上に着色された皮膜層を上層として設
ける。また、下地処理層の皮膜層に固形分として、微粒
シリカ1〜2000重量部、エッチング性フッ化物0.
1〜1000重量部のうちいずれか1種以上をさらに含
有してもよい。さらには、下地処理層と着色皮膜の間に
防錆顔料を含む皮膜層を下塗り層として設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐食性に優れるプレ
コート金属板に関するものであり、特に有毒とされてい
るクロムを含まないプレコート金属板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】家電用、建材用、自動車用などに、従来
の加工後塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着
色した有機皮膜を被覆したプレコート鋼板が使用される
ようになってきている。この鋼板は、防錆処理を施した
鋼板およびめっき鋼板に有機皮膜を被覆したもので、美
観を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好であると
いう特性を有している。
【0003】例えば、特開平8−168723号公報に
は皮膜の構造を規定することによって加工性と対汚染
性、硬度に優れたプレコート鋼板を得る技術が開示され
ている。また、特開平3−100180号公報には、特
定のクロメート処理液を用いることで端面耐食性を改善
したプレコート鋼板が開示されている。
【0004】これらのプレコート鋼板は、めっき、クロ
メート、クロム系防錆顔料を添加した有機皮膜の複合効
果によって耐食性と共に、加工性、塗料密着性を有し、
加工後塗装を省略して、生産性や品質改良を目的とする
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなプレコート
鋼板においても、耐食性付与には主としてクロメート系
の防錆処理が行われており、また、有機被覆の中にもク
ロム系防錆顔料が配合されている。クロメート処理およ
びクロム系顔料に含まれる6価のクロムは水溶性であ
り、これが溶出することによって、皮膜に発生した塗膜
の傷を補修する性質がある。従って、特に亜鉛系めっき
鋼板の防錆用途では、耐食性付与皮膜としてクロメート
処理が専ら今日まで使用されてきている。
【0006】しかしながら、クロメート処理及びクロム
系防錆顔料を含む有機皮膜から溶出する可能性のある6
価のクロムの毒性問題から、最近ではノンクロム防錆処
理、ノンクロム有機皮膜に対する要望が高まっている。
【0007】そこで、本発明においては、このような要
望に答え、耐食性に優れるノンクロム系プレコート鋼板
を始めとするプレコート金属板を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属板の少な
くとも片面に、固形分として水性樹脂100重量部、シ
ランカップリング剤0.1〜3000重量部を含有する
皮膜層を下地処理層として有し、さらにその上に着色さ
れた皮膜層を上層として有することを特徴とするプレコ
ート金属板である。また、下地処理層の皮膜層に固形分
として、微粒シリカ1〜2000重量部、エッチング性
フッ化物0.1〜1000重量部のうちいずれか1種以
上をさらに含有してもよい。さらには、前記プレコート
金属板において、下地処理層と着色皮膜の間に防錆顔料
を含む皮膜層を下塗り層として有するプレコート金属板
も提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のプレコート金属板に用い
る下地処理剤は、鋼板を含む各種金属板(めっき金属板
を含む)の防錆を目的として開発されたものであり、熱
延鋼板、冷延鋼板や、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛め
っき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき
鋼板、アルミめっき鋼板、クロムめっき鋼板、ニッケル
めっき鋼板、銅めっき鋼板などのめっき鋼板、ステンレ
ス鋼板、アルミ板、銅板、アルミ合金板など、公知の金
属板を適用できる。この金属板には、下地処理前に湯
洗、アルカリ脱脂などの通常の処理を行うことができ
る。
【0010】本発明のプレコート金属板に用いる下地処
理層は、水性樹脂をベースとしてシランカップリング剤
を含むことを特徴としている。水性樹脂としては、水溶
性樹脂のほか、本来水不溶性でありながらエマルジョン
やサスペンジョンのように不溶性樹脂が水中に微分散さ
れた状態になりうるもの(水分散性樹脂)を含めて言
う。このような水性樹脂として使用できる樹脂として
は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリルオレフィ
ン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系
樹脂、フェノール系樹脂、その他の加熱硬化型の樹脂な
どを例示でき、架橋可能な樹脂であることが望ましい。
特に好ましい樹脂は、アクリルオレフィン系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、及び両者の混合樹脂である。これらの
水性樹脂の2種類以上を混合、あるいは重合して使用し
てもよい。
【0011】シランカップリング剤は、水性樹脂の存在
下で、原板となる金属板表面と上層皮膜層とのバインダ
ー効果を示し、塗膜密着性を飛躍的に向上させ、ひいて
は耐食性を向上させる。シランカップリング剤として
は、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、アミノシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−
(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタ
デシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、トリメチルクロロシランなどを挙げるこ
とができる。
【0012】シランカップリング剤の含有量は固形分換
算で、水性樹脂100重量部に対して、0.1〜300
0重量部であることが好ましい。0.1重量部未満で
は、加工時に十分な塗膜密着性が得られず、耐食性も十
分ではない。3000重量部を越えると塗膜密着性が低
下する。
【0013】下地処理層の皮膜層に微粒シリカを添加す
ると、さらに防錆作用(耐食性)が促進される。しかも
耐食性に加えて、乾燥性、耐擦傷性、塗膜密着性も向上
される。
【0014】本発明において微粒シリカとは、微細な粒
径をもつために水中に分散させた場合に安定に水分散状
態を維持でき半永久的に沈降が認められないような特色
を有するシリカを総称していうものである。上記微粒シ
リカとしては、ナトリウムなどの不純物が少なく、弱ア
ルカリ系のものであれば、特に限定されない。例えば
「スノーテックスN」(日産化学工業社製)、「アデラ
イトAT−20N」(旭電化工業社製)などの市販のシ
リカなどを用いることができる。
【0015】微粒シリカの含有量は固形分換算で、水性
樹脂100重量部に対して、1〜2000重量部、さら
に好ましくは10〜400重量部であることが好まし
い。1重量部未満では添加の効果が少なく、2000重
量部を超えると耐食性向上の効果が飽和して不経済であ
る。
【0016】また、下地処理層の皮膜層にエッチング性
フッ化物を添加すると、塗膜密着性が向上される。ここ
でエッチング性フッ化物としては、フッ化亜鉛四水和
物、ヘキサフルオロけい酸亜鉛六水和物等を使用するこ
とができる。エッチング性フッ化物の含有量は固形分換
算で、水性樹脂100重量部に対して、1〜1000重
量部であることが好ましい。1重量部未満では添加の効
果が少なく、1000重量部を超えると塗膜密着性向上
の効果が飽和して不経済である。
【0017】また、必要に応じて界面活性剤、防錆抑制
剤、発泡剤等も添加しても良い。
【0018】下地処理層の乾燥時の付着量は、10mg/
2 以上が好適である。10mg/m 2 未満では、防錆力
が不足する。一方付着量が多すぎると、下地処理層とし
ては不経済であるばかりでなく、塗膜密着性も低下す
る。膜厚の上限としては3000mg/m2 以下がよい。
【0019】下地処理層の塗布方法は、特に限定され
ず、一般に公知の塗装方法、例えば、ロールコート、エ
アースプレー、エアーレススプレー、浸漬などが採用で
きる。
【0020】下地処理層の乾燥、焼付けは熱風炉、誘導
加熱炉、近赤外線炉など公知の方法あるいはこれらを組
み合わせた方法で行えばよい。また使用する水性樹脂の
種類によっては、紫外線や電子線などのエネルギー線に
よって硬化させることもできる。あるいはこれらの強制
乾燥を用いずに、自然乾燥してもよいし、あるいは金属
板をあらかじめ予熟しておいて、その金属板に塗布後自
然乾燥してもよい。
【0021】本発明のプレコート金属板は、下地処理し
た金属板の上に、着色した皮膜層を有することを特徴と
している。この着色皮膜層は、金属板に意匠性を付与
し、この上にさらに塗装を施さなくても使用できる被覆
金属板を得るためには必須の層である。
【0022】この皮膜層は、着色のために必要な顔料や
染料等を含む。顔料としては、有機系、無機系、両者の
複合系にかかわらず公知のものを使用することができ、
チタン白、亜鉛黄、アルミナ白、シアニンブルー、等の
シアニン系顔料、カーボンブラック、鉄黒、べんがら、
黄色酸化鉄、モリブデートオレンジ、ハンサイエロー、
ピラゾロンオレンジ、アゾ系顔料、紺青、縮合多環系顔
料、等が例示できる。この他に、金属片・粉末、パール
顔料、マイカ顔料、樹脂ビーズ等、意匠性や導電性等の
機能性を付与するための添加物を加えても良い。
【0023】染料としても、アゾ染料、アントラキノン
染料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染
料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン染料、
その他ニトロ染料、アクリジン染料等、公知のものが用
いられる。
【0024】被覆層のバインダーとしては、有機系、無
機系のバインダーが使用できる。有機系の樹脂として
は、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹
脂、フッ素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。これら
の混合物や共重合物も使用できる。また、これらに、イ
ソシアネート樹脂、アミノ樹脂、シランあるいはチタン
カップリング剤等を架橋剤や補助成分として併用するこ
とができる。本発明による被覆金属板は、成形加工され
た後、このまま使用されることを前提としているので、
この着色層は、折り曲げやプレス成形に際して割れや剥
離がないことを求められる。このような観点からは、ポ
リエステル樹脂をメラミン樹脂で架橋する樹脂系、ポリ
エステル樹脂をウレタン樹脂(イソシアネート、イソシ
アネート樹脂)で架橋する樹脂系、塩化ビニル樹脂系、
フッ素樹脂系(溶剤可溶型、アクリル樹脂との分散混合
型)が望ましい。樹脂は水系、溶剤系、粉体系、無溶剤
系のどのような形態でも良い。
【0025】また、着色に直接関わらない顔料や添加物
成分、たとえば硫酸バリウム、炭化カルシウム、カオリ
ンクレー等の顔料、消泡剤、レベリング剤、分散補助剤
等の添加剤等、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、エ
ステル系、パラフィン系、フッ素系などの有機ワックス
成分、二硫化モリブデン等の無機ワックス成分等、塗料
粘度を下げるための希釈剤、溶剤、水等を加えることが
できる。
【0026】樹脂中の着色成分の量は特に限定されず、
必要な色や隠蔽力によって決定すればよい。例えば、黒
に着色するためにカーボンブラックを配合する場合に
は、固形分換算の顔料重量濃度で1〜5%入れれば十分
であり、例えば白に着色するためにチタン白を配合する
場合には、固形分換算の顔料重量濃度で30〜55%程
度が必要である。
【0027】着色皮膜層は、ロールコーター、カーテン
コーター、静電塗装、スプレー塗装、浸漬塗装等の公知
の方法で下地処理層の上に塗装され、その後、熱風、誘
導加熱、近赤外線、遠赤外線等の加熱によって乾燥、硬
化される。着色皮膜層の樹脂が電子線や紫外線などの放
射線によって硬化するタイプのものであれば、電子線照
射、紫外線照射によって硬化される。これらの併用であ
ってもよい。着色皮膜層の種類に応じた乾燥、硬化方式
を選択することができる。乾燥、焼き付け板温も、皮膜
層の種類に応じて決定される。一般的な塗装金属板の連
続生産ラインにおいては、この板温は150〜250℃
である。
【0028】着色皮膜層の膜厚は特に限定されないが、
均一な着色外観を得るためには、5μm以上の乾燥膜厚
があることが望ましい。さらに望ましくは8μm以上が
良い。膜厚の上限はないが、塗装金属板の製造ラインで
連続的にコイルで塗装する壊合には、1回の塗装で乾燥
膜厚が50μm程度であることが多い。この上限は、主
に「ワキ」と呼ばれる塗膜中の揮発分が塗膜中から系外
に揮発する際に塗膜の粘度が上がりすぎている場合に起
こる欠陥の発生によって支配されることが多い。切り板
に断続的に塗装しながら製造する場合には、焼き付けを
緩やかな条件で行うことが可能であり、この上限乾燥膜
厚は200μm程度まで上がる。また、スプレー塗装な
どで1枚ごとに処理する場合には、さらにこの上限膜厚
は上がる。
【0029】本発明のプレコート金属板は、下地処理層
と着色皮膜層の間に、必要に応じて防錆顔料を添加した
皮膜層を下塗り層として有することができる。この下塗
り層は、主に耐食性の向上を目的とするが、その他に成
形加工性、耐薬品性などの特性も考慮して設計される。
この皮膜のベース樹脂としては、一般に公知の樹脂、例
えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などをそのままあるい
は組み合わせて使用することができる。防錆顔料として
は一般に公知のもの、例えば、(1)リン酸亜鉛、リン
酸鉄、リン酸アルミニウムなどのリン酸系防錆顔料、
(2)モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミ
ニウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系防
錆顔料、(3)酸化バナジウムなどのバナジウム系防錆
顔料、(4)ストロンチウムクロメート、ジンクロメー
ト、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリ
ウムクロメートなどのクロメート系防錆顔料、(5)水
分散シリカ、ヒュームドシリカなどの微粒シリカ、
(6)カルシウムシリケートなどのシリケート系などを
用いることができる。しかし、(4)のクロメート系防
錆顔料については環境上有毒であるため、(4)のクロ
メート系防錆顔料以外の防錆顔料を用いることが望まし
い。
【0030】このような防錆顔料の量は、皮膜の固形物
基準に1〜40重量%がよい。これより少ないと耐食性
の改良が十分でなく、40重量%を越えると加工性が低
下して、皮膜が脆くなって成形時に欠落が生ずる。防錆
顔料を含む皮膜の厚さは30μm以下が好適であり、3
0μm超では塗膜の加工性が劣る。
【0031】防錆顔料を含む皮膜の塗布方法は、一般に
公知の塗布方法、例えば、ロールコート、カーテンフロ
ーコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸
漬、バーコート、刷毛塗りなどで行うことができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。
【0033】亜鉛めっき付着量が片面当たり20g/m
2 で両面がめっきされた厚み0.6mmの電気亜鉛めっき
鋼板と、亜鉛めっき付着量が片面当たり60g/m2
両面がめっきされた厚み0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板
とをFC−364S(日本パーカライジング製)の2重
量%濃度、60℃温度の水溶液中に10秒間浸漬するこ
とで脱脂を行い、水洗後、乾燥した。次いで、表1と表
2に示す組成の下地処理剤をロールコーターにて塗布
し、熱風乾燥炉で乾燥した。乾燥時の到達板温は150
℃とした。なお、乾燥時の到達板温を70℃,220℃
として表1および2と同様の評価をしたが、いずれも到
達板温が150℃の場合と同じ結果となった。
【0034】下地処理層に用いた水性樹脂のアクリルオ
レフィンは、東亜合成社製AP−1058(12)およ
び東邦化学社製ハイテックS−7024の混合物、ウレ
タンは旭電化社製ボンタイターHUX−320、エポキ
シは昭和高分子社製ポリゾール8500であった。シラ
ンカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルトリメトキシシラン(下記の表中では
「A」と表記)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン(下記の表中では「B」と表記)、メチルクロロ
シラン(下記の表中では「C」と表記)を使用した。微
粒シリカとしては、日産化学工業社製のスノーテックス
N(下記の表中では「ST−N」と表記)とスノーテッ
クスNS(下記の表中では「ST−NS」と表記)を使
用した。また、エッチング性フッ化物としては、ヘキサ
フルオロケイ酸亜鉛六水和物(下記の表中では「D」と
表記)とフッ化亜鉛四水和物((下記の表中では「E」
と表記)を使用した。
【0035】下地処理層用塗料の塗布には、水を溶媒と
する固形分20%の溶液を使用した。
【0036】次に、表3および表4に示したように、日
本ペイント社製P641プライマー塗料(ポリエステル
樹脂系、表3、4中には「ポリエステル」と記載)、日
本ペイント社製P108プライマー塗料(エポキシ樹脂
系、表中には「エポキシ」と記載)、日本ペイント社製
P304プライマー塗料(ウレタン樹脂系、表中には
「ウレタン」と記載)の防錆顔料を、表3と4に記載の
防錆顔料に変更したものをロールコーターで塗布し、熱
風を吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温が220℃となる
ように硬化乾燥して、下層塗膜を形成した。防錆顔料の
うち、表中「V/P系」とあるのはバナジウム酸・リン
酸混合物防錆顔料、「Mo顔料」とあるのはモリブデン
酸系防錆顔料、「シリケート」とあるのはカルシウムシ
リケート防錆顔料である。
【0037】次に、防錆顔料を含む塗膜層の上に、更に
日本ペイント社製FL100HQ(ポリエステル樹脂
系、色は白、表3、4中において「ポリエステル」と表
記)を塗布し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温
が220℃となるように硬化乾燥して、上層塗膜を形成
した。
【0038】なお、各硬化乾燥過程のあとには、板を水
冷した。
【0039】このようにして作製したプレコート鋼板に
ついて以下の評価を行った。 1.塗膜密着性 塗装後の板を、塗装面に1mm角の碁盤目をカッターナイ
フで入れ、塗装面が凸となるようにエリクセン試験機で
7mm押し出した後に、テープ剥離試験を行った。碁盤目
の入れ方、エリクセンの押し出し方法、テープ剥離の方
法についてはJIS−K5400.8.2、及びJIS
−K5400.8.5記載の方法に準じて実施した。ま
た、テープ剥離後の評価はJIS−K5400.8.5
記載の評価の例の図によって行い、評点10点のときに
○、9点のときに○−、6点以上9点未満のときに△、
6点未満の時に×と評価した。さらに、JIS−K54
00.8.20の記載に従い、プレコート鋼板を沸騰水
に浸漬した後、取り出して24時間放置後に、前述の方
法で碁盤目エリクセン、テープ剥離を実施し、同様に評
価した。
【0040】2.折り曲げ加工性試験 塗装後の板を、180°折り曲げ加工を実施し、加工部
の塗膜を10倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調
べた。また、加工部に粘着テープを貼り付け、これを勢
い良く剥離したときの塗膜の残存状態を目視にて観察し
た。折り曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.6mmのスペ
ーサーを間に挟んで実施した。塗膜割れの評価は、塗膜
割れのない時を○、塗膜に若干の割れがある時を△、塗
膜に目視でも明確な割れのある時を×として評価した。
また、テープで剥離後の塗膜残存状態の評価は、全く剥
離せずにめっき鋼板上に残存している場合を○、塗膜が
一部剥離している場合を△、折り曲げ加工部のほぼ全面
にわたって剥離が認められる場合を×と評価した。さら
に、JIS−K5400.8.20の記載に従い、塗装
鋼板を沸騰水に浸漬した後、取り出して24時間放置後
に前述の折り曲げ加工を実施し、同様に塗膜の剥離と加
工部のテープ剥離試験後の塗膜残存状態を評価した。
【0041】3.耐食性 塗装後の板についてJIS−K5400.9.1記載の
方法で塩水噴霧試験を実施した。試験時間は電気亜鉛め
っき鋼板の場合には120時間、溶融亜鉛めっき鋼板の
場合には240時間とした。クロスカット部の塗膜の評
価方法は、クロスカット片側の最大膨れ幅が1mm未満の
場合に○、1mm以上2mm未満の場合に○−、2mm以上3
mm未満の場合に△、3mm以上の場合に×と評価した。ま
た、切断時の返り(バリ)が塗装鋼板の評価面側にくる
ように(上バリとなるように)作製した平板について
も、前述の塩水噴霧試験を実施し、端面からの塗膜の膨
れ幅を観察した。端面部の評価方法は端面からの膨れ幅
が3mm以内の場合には○、3mm以上4mm未満の場合には
○−、4mm以上5mm未満の場合には△、5mm以上の場合
には×と評価した。
【0042】評価結果を表5と表6に示す。本発明によ
るプレコート金属板(実施例1〜39)の塗膜密着性、
折り曲げ加工性、折り曲げ加工密着性、耐食性は従来の
クロメート系プレコート鋼板(比較例9〜11)と比べ
てほぼ同等以上の性能を有している。ただし、下地処理
層と着色皮膜層の間に防錆顔料を含む皮膜層を被覆して
いないもの(実施例6、7)は、被覆したものに比較し
て、若干耐食性が劣るが、実用上は問題ない程度であ
る。下地処理層のシランカップリング剤含有量が少なす
ぎる場合(比較例1、2)及び、下地処理層の付着量が
少なすぎる場合(比較例3、4)は耐食性に大きく劣
り、不適である。逆に、下地処理層の付着量が多すぎる
場合(比較例5、6)は塗膜の密着性が低下し、ひいて
は耐食性が低下し、不適である。また、下塗り層(防錆
顔料を含む皮膜層)の膜厚が厚すぎる場合(比較例7、
8)は折り曲げ加工性が大きく劣り、不適である。な
お、比較例9〜11については環境上有毒であるクロム
を使用しているため、これも不適である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明により、環境上有毒であるクロム
を使用せずに、塗膜の密着性、塗膜の加工性、耐食性に
優れたプレコート金属板を提供することが可能となっ
た。従って、本発明は工業的価値の極めて高い発明であ
るといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 広正 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 高橋 彰 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 金井 洋 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA04 AA06 AA07 AA08 AA09 AA12 AA13 BA01 BA12 BB01 BB06 BB08 BB09 CA16 CA28 CA37 CA39 CA41 EB08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、固形分とし
    て水性樹脂100重量部、シランカップリング剤0.1
    〜3000重量部を含有する皮膜層を下地処理層として
    有し、さらにその上に着色された皮膜層を上層として有
    することを特徴とするプレコート金属板。
  2. 【請求項2】 下地処理層の皮膜層に固形分として、微
    粒シリカ1〜2000重量部、エッチング性フッ化物
    0.1〜1000重量部のうちいずれか1種以上をさら
    に含有することを特徴とする、請求項1記載のプレコー
    ト金属板。
  3. 【請求項3】 金属板の少なくとも片面に、固形分とし
    て水性樹脂100重量部、シランカップリング剤0.1
    〜3000重量部を含有する皮膜層を下地処理層として
    有し、その上に防錆顔料を含む皮膜層を下塗り層として
    有し、さらにその上に着色された皮膜層を上層として有
    することを特徴とするプレコート金属板。
  4. 【請求項4】 下地処理層の皮膜層に固形分として、微
    粒シリカ1〜2000重量部、エッチング性フッ化物
    0.1〜1000重量部のうちいずれか1種以上をさら
    に含有することを特徴とする、請求項3記載のプレコー
    ト金属板。
JP2000003814A 1999-01-12 2000-01-12 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板 Pending JP2000265282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000003814A JP2000265282A (ja) 1999-01-12 2000-01-12 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP568699 1999-01-12
JP11-5686 1999-01-12
JP2000003814A JP2000265282A (ja) 1999-01-12 2000-01-12 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000265282A true JP2000265282A (ja) 2000-09-26

Family

ID=26339666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000003814A Pending JP2000265282A (ja) 1999-01-12 2000-01-12 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000265282A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003076535A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-18 Daikin Industries, Ltd. Composition de revetement a base de fluorocaoutchouc
JP2003286581A (ja) * 2002-03-29 2003-10-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 表面処理ステンレス鋼板とその製造方法
WO2004005579A1 (ja) * 2002-07-02 2004-01-15 Nippon Steel Corporation プレス成形性に優れるプレコート金属板及びその製造方法
JP2010022911A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Sumitomo Metal Ind Ltd プレコート鋼板の製造方法およびその製造方法により製造されたプレコート鋼板。
KR20210074036A (ko) * 2019-12-11 2021-06-21 주식회사 포스코 금속-플라스틱 복합소재 및 이의 제조 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003076535A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-18 Daikin Industries, Ltd. Composition de revetement a base de fluorocaoutchouc
JP2003286581A (ja) * 2002-03-29 2003-10-10 Sumitomo Metal Ind Ltd 表面処理ステンレス鋼板とその製造方法
WO2004005579A1 (ja) * 2002-07-02 2004-01-15 Nippon Steel Corporation プレス成形性に優れるプレコート金属板及びその製造方法
CN100455699C (zh) * 2002-07-02 2009-01-28 新日本制铁株式会社 具有优异的受压可成形性的预涂覆金属板及其生产方法
JP2010022911A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Sumitomo Metal Ind Ltd プレコート鋼板の製造方法およびその製造方法により製造されたプレコート鋼板。
KR20210074036A (ko) * 2019-12-11 2021-06-21 주식회사 포스코 금속-플라스틱 복합소재 및 이의 제조 방법
KR102428824B1 (ko) * 2019-12-11 2022-08-02 주식회사 포스코 금속-플라스틱 복합소재 및 이의 제조 방법
US20230016611A1 (en) * 2019-12-11 2023-01-19 Posco Metal-plastic composite material and method for manufacturing same
US11993056B2 (en) 2019-12-11 2024-05-28 Posco Metal-plastic composite material and method for manufacturing same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6893687B2 (en) Method for coating metallic surfaces
US5853890A (en) Water-based coating composition
CN100455699C (zh) 具有优异的受压可成形性的预涂覆金属板及其生产方法
JP2001089868A (ja) プレコート金属板用下地処理剤、それを塗布した塗装下地処理金属板、及びそれを使用した塗膜の加工密着性に優れるプレコート金属板
JP3950370B2 (ja) プレス成形性に優れるプレコート金属板及びその製造方法
JP2000126678A (ja) 遮熱性塗料を塗装した塗装金属板
JP2000265282A (ja) 塗膜密着性及び耐食性に優れるプレコート金属板
JP3833033B2 (ja) 耐食性に優れるプレコート鋼板
JPH09169078A (ja) 電着塗装性およびプレス成形性に優れた樹脂塗装鋼板
JP3124266B2 (ja) 塗膜密着性と加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板
JP4319957B2 (ja) 耐食性に優れるプレコート金属板
JPH029067B2 (ja)
JP2010247347A (ja) プレコート冷延鋼板およびこの製造方法
JP3090207B1 (ja) 加工部の耐食性に優れ環境負荷の小さい塗装鋼板
JPH0999517A (ja) 潤滑処理鋼板とそれに用いる皮膜形成性組成物
JP4246689B2 (ja) 耐食性に優れるプレコート金属板
JP4665821B2 (ja) 耐食性に優れた塗装鋼板
ZA200302123B (en) Method for pretreating and coating metal surfaces, prior to forming, with a paint-like coating and use of substrates so coated.
JP2002129352A (ja) 耐食性に優れた有機被覆鋼板およびその製造方法
JP2006321957A (ja) 環境対応型プレコート金属材料用水系表面処理剤及び表面処理方法
JP2003311877A (ja) 高耐久性塗装鋼板
JP2000239861A (ja) 耐食性に優れるプレコート鋼板
JP2000167482A (ja) 塗膜密着性に優れるプレコート金属板
JP4620949B2 (ja) 耐汚染性と耐溶剤性に優れるプレコート金属板
JPS60204320A (ja) 耐食性塗装積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060221