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JP2000250496A - 能動行列型液晶表示器及びその駆動方法 - Google Patents

能動行列型液晶表示器及びその駆動方法

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Publication number
JP2000250496A
JP2000250496A JP11056268A JP5626899A JP2000250496A JP 2000250496 A JP2000250496 A JP 2000250496A JP 11056268 A JP11056268 A JP 11056268A JP 5626899 A JP5626899 A JP 5626899A JP 2000250496 A JP2000250496 A JP 2000250496A
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scanning
frame
pixel electrodes
rows
liquid crystal
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JP11056268A
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Kazuhiro Uehara
和弘 上原
Hisao Okada
久夫 岡田
Yasukuni Yamane
康邦 山根
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JP2000250496A publication Critical patent/JP2000250496A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画素電極に対して飛び越し走査するという駆
動方法を用いる場合でも、高い表示品質と低い消費電力
が図れる能動行列型液晶表示器及びその駆動方法を提供
する。 【解決手段】 本発明による能動行列型液晶表示器の駆
動方法は、行列に配置されている複数の画素電極Pによ
る表示部30と、該複数の画素電極の少なくとも一部の
画素電極を飛び越し走査する走査駆動器32と、を備え
た能動行列型液晶表示器の駆動方法であって、該少なく
とも一部の画素電極は、第1のフレームで奇数行から偶
数行という第1の走査順序で飛び越し走査される場合、
該第1のフレームに続く第2のフレームでは偶数行から
奇数行という第2の走査順序で飛び越し走査される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TFT(薄膜トラ
ンジスタ)式液晶表示器に代表される、能動行列型(ア
クティブマトリクス型)液晶表示器及びその駆動方法に
関し、特に、低消費電力が要求される携帯型機器等の表
示装置として用いられる能動行列型液晶表示器及びその
駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は液晶表示器の概念図を示す。液晶
表示器は、能動行列基板、対向基板及びそれらの間に挟
まれている液晶層を含んでいる。能動行列基板上に、図
1に示されるように、行列に配置されている複数の画素
電極Pによる表示部30と、複数の画素電極Pに走査信
号(ゲート電圧)を与えるための複数の行電極(走査線
又はゲート電極)Gと、複数の画素電極Pにデータ信号
(階調電圧)を与えるための複数の列電極(ソース電
極)Sと、画素電極Pと行電極G及び列電極Sとを接続
するためのスイッチ素子Tと、行電極Gを駆動する走査
駆動器(ゲートドライバ)32と、列電極Sを駆動する
データ駆動器(データドライバ)34と、が設けられて
いる。対向基板上には共通電極36が形成されている。
【0003】走査駆動器32は、制御部38によって制
御され、ゲート電圧発生回路40からゲート電圧を受け
る。データ駆動器34は、制御部38によって制御さ
れ、階調電圧発生回路42から階調電圧を受ける。共通
電極36は、共通電極駆動回路44から共通電極電圧V
comを受けて駆動される。
【0004】上記の能動行列型液晶表示器を駆動する場
合、一般に、液晶に印加する電圧の極性を交互に反転す
ること(これを「液晶の交流駆動」と呼ぶ)で、液晶に
直流電圧が印加されないような工夫がなされている。こ
れは、液晶が直流電圧が印加されると特性が劣化してし
まうという性質を持っているからである。液晶の交流駆
動の中で従来最も広く用いられている方法は、図2に示
す行反転方式(「ライン反転方式」とも呼ぶ)である。
この方式によれば、液晶に印加される電圧の極性が、行
(走査線)毎に且つフレーム毎に反転されている。行毎
の極性反転に列毎の極性反転をも加えた場合は、図3に
示す画素反転方式(「ドット反転」とも呼ぶ)である。
画素反転方式は、その表示品位の高さから、特にXGA
型以上の大型・高精細の表示器の駆動に対して主流にな
りつつある。
【0005】図4は、最も単純化した1画素P(i,
j)に対応する等価回路を示す。画素の容量は主とし
て、画素電極と補助電極(付加電極)とによって構成さ
れるが、図4ではその総和としての容量をCpとしてい
る。
【0006】図5は、図1に示す表示器の各部の駆動タ
イミングと印加される電圧波形を示す。図5ではVsy
n及びHsynはそれぞれ垂直同期信号、水平同期信号
を表す。j行に対応する走査駆動器の出力VG(j)が
高電位となることによってj行の画素P(i,j)に対
応するスイッチ素子T(i,j)がオンとなり、画素P
(i,j)は、そのときのデータ駆動器の出力S(i)
によって充電される。VG(j)が低電位となることで
スイッチ素子T(i,j)はオフとなり、画素P(i,
j)に充電された電荷は、次ぎにT(i,j)がオンと
なるまで保存され、その間、画素電極と共通電極との間
に充填されている液晶を駆動し続ける。なお、図5で、
水平同期信号に付した番号は、該番号の行の画素に対す
る画像信号が送信される水平期間であることを表してい
る。データ駆動器は、1行目のデータを標本化して記憶
し次の水平期間に出力するため、対応する行の走査駆動
器が出力を高電位にするのは、データが送信されてくる
水平期間より1水平期間後となっている。
【0007】図6は液晶表示器の1データ線の等価回路
を示す。Cd及びRdはそれぞれ集中定数で表したデー
タ線の容量と抵抗を示し、Cpは画素容量、Ronはス
イッチ素子のオン抵抗を示す。図6の回路がデータ駆動
器の1つの出力に対する負荷となるが、画素容量Cpは
データ線容量Cdに対して2〜3桁小さい値であるの
で、駆動器の負荷としては無視してよい。従って、駆動
器の負荷としては、データ線抵抗Rdとデータ線容量C
dを考えれば十分である。ところで図6の回路は、デー
タ駆動器の出力に1対1に対応して存在しており、表示
器全体では例えば現在では比較的中程度の解像度である
VGA型であってもカラーであれば640×3=192
0本存在しており、全体としてのデータ駆動器の負荷は
かなり大きなものとなる。各走査線毎にデータ駆動器の
出力を反転する必要のある行反転方式や画素反転方式の
駆動においては、出力動作毎に容量Cdを正負の極性の
間で充放電するため、消費電力が増加するという問題が
生じる。
【0008】上記の消費電力の増加を防ぐ1つの方法と
して、特開平8−320674公報は飛び越し走査する
ことを提案している。「飛び越し走査」というのは、す
べての奇数行(又は偶数行)の画素電極をまず走査し、
次ぎに残りの偶数行(又は奇数行)の画素電極を走査す
ることである。この方法では、極性が同一となる画素の
行を順次走査することになるので、上記消費電力の増加
を抑えることが可能となる。1つのフレームの走査(即
ち、奇数行と偶数行の両方の走査)が完了した時点で
は、図2又は図3と同様の状態が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の飛び越
し走査により消費電力は低減されるが、新たな問題とし
て、奇数行と偶数行との僅かな階調の違いによる1行お
きの微かな横縞が発生するということがある。また、時
に無視できないちらつき(フリッカ)や、動きの大きい
動画像の画質劣化なども見られる。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、画素電極に対して
飛び越し走査するという駆動方法を用いる場合でも、フ
リッカ等の画質劣化又は隣接行間の階調の違いによる横
縞が発生せず、高い表示品質と低い消費電力が図れる能
動行列型液晶表示器及びその駆動方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による能動行列型
液晶表示器の駆動方法は、行列に配置されている複数の
画素電極による表示部と、該複数の画素電極の少なくと
も一部の画素電極を飛び越し走査する走査駆動器と、を
備えた能動行列型液晶表示器の駆動方法であって、該少
なくとも一部の画素電極は、第1のフレームで奇数行か
ら偶数行という第1の走査順序で飛び越し走査される場
合、該第1のフレームに続く第2のフレームでは偶数行
から奇数行という第2の走査順序で飛び越し走査され、
そのことにより上記目的が達成される。
【0012】本発明による他の能動行列型液晶表示器の
駆動方法は、行列に配置されている複数の画素電極によ
る表示部と、該複数の画素電極の少なくとも一部の画素
電極を飛び越し走査する走査駆動器と、を備えた能動行
列型液晶表示器の駆動方法であって、該少なくとも一部
の画素電極は列方向に複数の区域に分割され、該複数の
区域に対して順次飛び越し走査が行われ、該複数の区域
の1つにおいて画素電極が、第1のフレームで奇数行か
ら偶数行という第1の走査順序で飛び越し走査される場
合、該第1のフレームに続く第2のフレームでは偶数行
から奇数行という第2の走査順序で飛び越し走査され、
そのことにより上記目的が達成される。
【0013】ある実施形態では、好ましくは、前記第2
のフレームに続く第3のフレームでは前記第2の走査順
序で飛び越し走査が行われ、該第3のフレームに続く第
4のフレームでは前記第1の走査順序で飛び越し走査が
行われる。
【0014】本発明による能動行列型液晶表示器は、行
列に配置されている複数の画素電極による表示部と、該
複数の画素電極の少なくとも一部の画素電極を飛び越し
走査する走査駆動器と、を備えた能動行列型液晶表示器
であって、該少なくとも一部の画素電極は、第1のフレ
ームで奇数行から偶数行という第1の走査順序で飛び越
し走査される場合、該第1のフレームに続く第2のフレ
ームでは偶数行から奇数行という第2の走査順序で飛び
越し走査されており、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0015】本発明による他の能動行列型液晶表示器
は、行列に配置されている複数の画素電極による表示部
と、該複数の画素電極の少なくとも一部の画素電極を飛
び越し走査する走査駆動器と、を備えた能動行列型液晶
表示器であって、該少なくとも一部の画素電極は列方向
に複数の区域に分割され、該複数の区域に対して順次飛
び越し走査が行われ、該複数の区域の1つにおいて画素
電極が、第1のフレームで奇数行から偶数行という第1
の走査順序で飛び越し走査される場合、該第1のフレー
ムに続く第2のフレームでは偶数行から奇数行という第
2の走査順序で飛び越し走査されており、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】<1行おきの横縞の発生について
>まず、飛び越し走査による1行おきの横縞が発生する
原因を説明する。以下の説明では、同一行の画素の極性
は同一である行反転様態で説明するが、画素反転様態の
場合には列毎に極性が反転するだけで、説明の内容はそ
のまま適用できるので、画素反転様態の場合についての
説明は省略する。なお、ここで言う「行反転様態」と
は、上述したように1つのフレームの駆動が完了した時
点での画面の極性が図2の状態になっているもの、「画
素反転様態」とは、上述したように1つのフレームの駆
動が完了した時点での画面の極性が図3の状態になって
いるものを指す。
【0017】図7(a)〜(d)は画素電極を飛び越し
走査するときの電圧極性の状態遷移を示す。図7(a)
は、新しいフレームが始まる直前の状態を示す。この
時、各画素の電圧極性は行反転の状態にある。ここから
奇数行のみを走査することにより奇数行の画素の電圧極
性が反転され図7(b)の状態に移行する。次ぎに、偶
数行が走査されることにより偶数行の画素の電圧極性が
反転され図7(c)の状態に移行する。図7(c)の状
態が1フレームの走査が完了した状態である。次のフレ
ームでは同様に(但し極性は逆となって)図7(d)の
状態を経て図7(a)の状態に移行する。
【0018】図8は、列方向に隣接する4つの(即ち4
行に渡る)画素電極Pを示す(TFTスイッチ素子は省
略している)。各画素電極Pの間には走査線(ゲート
線)Gが存在しており、走査線方向の辺が平行している
ため、隣接する画素電極間に結合容量Cppが存在す
る。隣接する両画素電極の間の電圧差Vによって結合容
量Cppに電荷が保持されるが、その電荷の大きさは、
電圧差Vの函数であり、V=0のときに0であり、且つ
Vに対する単調増加函数である(但しV≧0)。なお、
液晶の誘電率はその配向状態によって変化するため、結
合容量Cpp自体も電圧差Vの函数となる。
【0019】図9(a)及び(b)はそれぞれ、結合容
量Cppに電荷が生じるとき、及び結合容量Cppに電
荷が生じないとき(即ち図8に示す4つの画素電極がす
べて同一の電位にある)の4つの画素電極の等価回路を
示す。なお、結合容量Cppに電荷が生じないときは、
等価回路を見やすくするために結合容量Cppの関連部
分を図9(b)から省略している(以下同様)。画面全
体に同一データを書き込む場合を想定する。なお、「デ
ータを書き込む」とは、データに対応する電圧で画素電
極を充電することを意味する(以下同様)。
【0020】図7(a)の状態から図7(b)の状態へ
遷移するとき及び、図7(c)の状態から図7(d)の
状態へ遷移するときは、結合容量Cppによる電荷は現
れている状態から消滅する状態へ遷移する。単純化のた
め、図10(a)〜(d)を参照しながら、隣接2行の
画素間の影響を説明する。偶数行のスイッチ素子Aが開
いたまま、奇数行の画素が書かれる場合、電荷の移動状
態は、図10(a)から図10(b)へ、又は図10
(c)から図10(d)への遷移となる。偶数行のスイ
ッチ素子Aは開いたままであるので、容量Cppに捕ら
えられていた−q又は+qの電荷は、容量Cppの両端
の電圧差が消滅することで偶数行の画素電極に移動し
て、画素電極の電荷は−(Q+q)又は(Q+q)に増
加する。即ち、1つの行(奇数行)の画素に対するデー
タの書き込は、隣接行(偶数行)の画素の電圧を深くす
るように働く。厳密に言えば、ここで生じた僅かな電位
の違いにより、A、B間に僅かな電荷が容量Cppに残
留するが、元の電荷qに対して極めて僅かであるので無
視してよい。なお、「電圧が深くなる」とは、画素電極
と共通電極との電位差が大きくなることを言う(以下同
様)。
【0021】また、図10(a)及び(c)において奇
数行の画素の電荷がそれぞれQ−q、−(Q−q)とな
っているのは、以下の図11に関する説明で明らかにな
るように、その1つ前のフレームで図7(d)の状態か
ら図7(a)の状態、又は図7(b)の状態から図7
(c)の状態への遷移の影響を受けた結果である。隣接
行というのは上記の場合では偶数行であるので、偶数行
は本来の階調より電圧が深くかかることになる。
【0022】同様の考察で図7(b)の状態から図7
(c)の状態へ、又は図7(d)の状態から図7(a)
の状態へ遷移する場合は、等価回路が図11(b)の状
態から図11(c)又は図11(d)の状態から図11
(a)の状態へ遷移することとなる。隣接行間の電圧差
が現れることにより、画素電極の電荷が容量Cppに移
動して隣接した行の画素に対して電圧が浅くなるように
働く。「電圧が浅くなる」とは、画素電極と共通電極と
の電位差が小さくなることを言う(以下同様)。隣接す
る行とはこの場合奇数行であるので、奇数行は本来の階
調より電圧が浅くなってしまうことになる。
【0023】上記のように、ある電極の隣接電極に、そ
の電極の電圧の極性と同じ極性の電位を書き込む場合に
は、その電極の電圧は深くなり、一方逆極性の電圧を書
き込む場合には、その電極の電圧は浅くなるということ
である。これが理由で、ノーマリブラックの表示器の場
合、奇数行は本来の階調より薄く、偶数行は濃くなるこ
とにより、偶数行と奇数行との間で僅かながらの階調差
が生じ、これが一行おきの薄い横縞として観測されるこ
とになる。
【0024】図12は、表示器が8行の画素電極及び走
査線を含む場合における上記駆動の波形を示す。なお、
以下簡略化のため、特に断らない限り、表示器の走査線
を8本であるものとする。実際の表示器の走査線の数は
例えば726本というように遥かに多いが、駆動の原理
は全く同様である。図12において、VP(i,3)及
びVP(i,4)は、それぞれ3行目及び4行目の画素
電極の電位を表しており、斜線を付した部分がそれぞれ
の電位の変動部分を示す。
【0025】上述したように、ある電極の隣接電極に、
その電極の電圧の極性と同じ極性の電位を書き込む場合
にはその電極の電圧は深くなり、一方逆極性の電圧を書
き込む場合にはその電極の電圧は浅くなる。このことは
図12に示す波形に反映されている。即ち、奇数行であ
るVP(i,3)は、連続したフレームで共に電圧が浅
くなるように変動し、偶数行であるPV(i,4)は、
逆に電圧が深くなるように変動している。
【0026】なお、画素の電位を変動させる要因とし
て、例えばゲートがオフするときの引き込み電圧等の他
の要素も存在するが、それらは本発明には直接関係しな
いため煩雑を避けるため図示していない(以下同様)。
また、電位の変動は視覚的に認識できるよう極めて誇張
して記している。実際の電位変動の水準は表示器の特性
によるので一概には言えないが、例えば共通電極に対す
る画素電極電位の約1パーセントというような値であ
る。
【0027】以上の説明は、先に奇数行の画素にデータ
を書き、その後偶数行の画素にデータを書く場合につい
て説明したが、偶数行を先に書き、奇数行を後に書いた
場合にも生じる問題の原因は同一であるので、説明は省
略する。
【0028】本発明は、低消費電力化を行うために、画
面の全部又は一部を飛び越し走査を行う場合でも、以上
のような同一列上での隣接画素間の結合容量に基づく画
像の表示劣化を防ぎ、横縞のない高品位な表示を実現す
るためになされたものである。
【0029】<本発明の基本的なコンセプト>以上に考
察したように、あるフィールドで画面の全部又は一部を
飛び越し走査する場合、隣接行の画素の電圧極性が異な
る状態から同一の状態になるように変化するときには、
その前のフィールドで書き込まれた画素の電圧は深くな
るように変化する。また、隣接行の画素の電圧極性が同
一の状態から異なる状態に変化するときには、その前の
フィールドで書き込まれた画素の電圧は浅くなるように
変化する。
【0030】この事情を考慮し、1行おきの横縞を消去
するために、本発明は、ある行の画素があるフレームで
は電圧が浅くなるように、そしてそれに続く次のフレー
ムでは電圧が深くなるようにする。このことによって、
連続したフレームで画素の電圧の変化が打ち消され、画
素には実効値として均等な電圧が印加されることにな
る。より具体的には、飛び越し走査を行う部分におい
て、あるフレームで、奇数行の画素電極の走査の後に偶
数行の画素電極の走査を行うという第1の走査順序で走
査する場合は、その次のフレームでは、第1の走査順序
とは反対に偶数行の画素電極の走査の後に奇数行の画素
電極の走査を行うという第2の走査順序で走査する。即
ち、第1の走査順序と第2の走査順序とをフレーム毎に
交替させることにより、1行おきの横縞を消去する。
【0031】(第1の実施形態)以下に、本発明による
能動行列型液晶表示器の駆動方法の第1の実施形態を詳
細に説明する。本発明における能動行列型液晶表示器
は、図1に示す構成と基本的に同様な構成を有し、その
説明を省略する。
【0032】本実施形態の能動行列型液晶表示器の駆動
方法を、図13を参照しながら説明する。図13は、1
行の画素を1ラインとして示した表示部30(図1)の
概略図である。この図は、2フレーム((a)のフレー
ム及び(b)のフレーム)に渡る走査の順序を示す。左
端に記した番号は画面上部から順に数えた画素行の番号
であり、○内に示した番号は走査の順序を示している。
【0033】まず(a)のフレームで、第1、3、5及
び7行の奇数行を走査し(第1フレーム第1フィール
ド)、次に第2、4、6及び8行の偶数行を走査する
(第1フレーム第2フィールド)。次の(b)のフレー
ムでは、逆に、第2、4、6及び8行の偶数行を先に走
査し(第2フレーム第1フィールド)、次ぎに第1、
3、5及び7行の奇数行を走査する(第2フレーム第2
フィールド)。
【0034】図14(a)〜(d)は、上記の走査にお
ける画素の極性の状態遷移を示す。第1フレーム第1フ
ィールドでは、第1、3、5及び7行は正から負へ変化
する((a)の状態から(b)の状態への遷移)。従っ
て、隣接行(第2、4、6及び8行)の画素が、第1、
3、5及び7行の画素に対して異なる極性から同一極性
の同一電位へ遷移することになるので、その前のフィー
ルドで書かれた第2、4、6及び8行の画素電圧が深く
なる(実際には、浅くなっていた電位が元に戻る)。
【0035】第1フレーム第2フィールドでは第2、
4、6及び8行の画素の極性が負から正へ変化する
((b)の状態から(c)の状態への遷移)。従って、
隣接行(第1、3、5及び7行)の画素が、第2、4、
6及び8行の画素に対して同じ極性の同一電位から異な
る極性へ遷移することになるので、その前のフィールド
で書かれた第1、3、5及び7行の画素電圧が浅くな
る。
【0036】第2フレーム第1フィールドでは、第2、
4、6及び8の行の画素の極性は正から負へ変化する
((c)の状態から(d)の状態への遷移)。従って、
隣接行(第1、3、5及び7行)の画素が、第2、4、
6及び8の行の画素に対して異なる極性から同一極性の
同一電位へ遷移するので、電位が深くなる(実際には浅
くなっていた電位が元に戻る)。
【0037】第2フレーム第2フィールドでは、第1、
3、5及び7行の画素の極性が負から正へ変化する
((d)の状態から(a)の状態への遷移)。従って、
第2、4、6及び8の行の画素が、第1、3、5及び7
行の画素に対して同一の極性から異なる極性への遷移な
ので電位が浅くなる。
【0038】図15は、上記走査の駆動波形を示す。奇
数行の画素P(i,3)も偶数行の画素P(i,4)も
共にその負の時限における電位(VP(i,3)及びV
P(i,4))が浅くなるように変動しているため、奇
数・偶数行での階調への影響は同一であり横縞が発生し
なくなる。しかし、本実施形態は、正極性と負極性との
駆動時間が異なっているため、平均値としては僅かなが
ら直流が印加されることになる。しかしそれが直ぐ実用
レベルでの問題となるわけではない。平均値としての直
流が印加されても僅かの電圧であれば液晶の不可逆的な
破壊には至らない。例えば残像が生じやすくなる等の問
題が生じるが、それが実用的なレベルから見て問題がな
ければ構わないからである。その意味で、本実施形態
は、表示器の使用目的によっては使用上十分なレベルの
実用性を有する。
【0039】なお、以上の説明では、分りやすくするた
めに、全画面が同一階調を表示する場合について説明し
ている。隣接行の画素の階調が異なる場合には、結合容
量Cppには常に電荷が残ることになるが、同様の機構
によって電荷の移動が生じ、本来の階調から僅かに異な
ってしまうことは同様である。以下の説明でも、全画面
が同一階調を表示する場合を説明する。
【0040】(第2の実施形態)以下に、本発明による
能動行列型液晶表示器の駆動方法の第2の実施形態を説
明する。本実施形態において、第1フレーム及び第2フ
レームの走査順序は第1の実施形態の場合と同一とし
て、第3フレーム及び第4フレームは、第1フレーム及
び第2フレームの場合と逆な走査順序にする。即ち、第
3フレームでは偶数行を先に奇数行を後に走査し、第4
フレームでは奇数行を先に偶数行を後に走査する。
【0041】図16(a)〜(d)は、上記のような連
続する4つのフレームの走査順序を示す。図17はその
駆動波形を示す。図17に示されるように、3行目の画
素P(i,3)の電圧VP(i,3)のT1(+)、T2
(+)、T1(−)、T2(−)の部分は、それぞれ4行
目の画素P(i,4)の電圧VP(i,4)のT
1(+)、T2(+)、T1(−)、T2(−)の部分と共
通電極に対して反転した波形となっている。従って(交
流の)実効値としてはほぼ同一となり階調の差は生じず
横縞は発生しない。
【0042】本実施形態が第1の実施形態より優れてい
る点は、4つのフレームを1つの周期として、奇数行の
画素も偶数行の画素も、正極性である時間と負極性であ
る時間が同じになる点にある。画素P(i,3)及び画
素P(i,4)は共に、T1(+)とT2(+)を加えた
時間がT1(−)とT2(−)を加えた時間と等しくなる
からである。従って、平均値としての直流電圧の印加を
防ぐための液晶の交流駆動を犠牲にすることなく、横縞
の発生を防ぐことができる。なお、1フレームの時間を
1/60秒とすると、4フレームでの周期は1/15秒
となるが、いまここで問題にしている電圧差は極めて僅
かであるので、このことによりちらつきが発生すること
はない。
【0043】(第3の実施形態)以下に、本発明による
能動行列型液晶表示器の駆動方法の第3の実施形態を説
明する。
【0044】図18は、上記第1の実施形態を18行の
画素を含む表示器に適用する場合の駆動波形を示す。図
18において、9行目以後の画素の駆動波形は割愛して
記している。なお、Hsynの波形に付した番号は、走
査が開始される期間に対応する水平期間から順番に付し
た番号である(図5においてHsynの波形に付した番
号とは意味付けが異なっている)。図18の駆動の場合
の課題は、図15の駆動の場合に比較して、画素に正の
電圧が印加される時間と負の電圧が印加される時間の不
均衡が大きくなることである。この不均衡は、行数が大
きくなるほど拡大する。
【0045】本発明による第3の実施形態は、この課題
を解決するためのものである。図19(a)及び(b)
は、本実施形態における2フレームに渡る画素の走査順
序を示す。本実施形態では、表示部の画素を8行毎の2
つの区域(第1区域及び第2区域)に分け、各区域毎
に、○に囲まれている数字の順序で跳び越し走査を完結
させる。
【0046】図20は、上記の走査の駆動波形を示す。
なお、図18と同様に9行目以後の画素の駆動波形を割
愛している。図から明らかなように、各区域内で跳び越
し走査が完結するため、各画素の正負の電圧がかかる時
間の不均衡が図18の場合より少なくなる。画素の行数
が更に多くなる場合でも、区域の数を増やすことで、正
負の不均衡の増大を抑えることができる。例えば、画素
の行数が480本の場合、8本毎に60の区域に分けれ
ばよい。もちろん、1つの区域に含まれる行数は8本に
限られることはなく、任意の数に決定することができ
る。
【0047】なお、上記のような、表示部を列方向に複
数の区域に分割し、各区域毎に飛び越し走査を完了させ
る方法は、本出願人により既に出願されている特願平1
0−161199により詳細に説明されている。この方
法では、消費電力の削減は確実に行え、ちらつき(フリ
ッカ)や、動きの大きい動画像の画質劣化を抑えること
ができる。
【0048】(第4の実施形態)図21(a)〜(d)
は、本発明の能動行列型液晶表示器の駆動方法の第4の
実施形態による画素の走査順序を示す。本実施形態は、
第3の実施形態(図19)に、第2の実施形態(図1
6)の概念を加えた場合である。
【0049】本実施形態によれば、各画素の正負の電圧
がかかる時間の不均衡を抑制し(第3の実施形態による
効果)、奇数行の画素も偶数行の画素も正極性である時
間と負極性である時間を同じにすることで平均値として
の直流電圧の印加を防ぎ(第2の実施形態による効果)
ながら、横縞の発生を防止することができる。
【0050】(第5の実施形態)図22(a)及び
(b)は、本発明の能動行列型液晶表示器の駆動方法の
第5の実施形態による画素の走査順序を示す。
【0051】本実施形態は、図19の実施形態(第3の
実施形態)の変形例であり、各区域間で、図22(a)
及び(b)に示されるように走査の順序が入れ換えられ
ている。より具体的に言うと、第1区域内で、奇数行か
ら偶数行という第1の走査順序で飛び越し走査を行う場
合、第2区域では、偶数行から奇数行という第2の走査
順序で飛び越し走査を行う。また、言うまでもないが、
第1区域内で第2の走査順序で飛び越し走査を行う場合
は、第2区域では第1の走査順序で飛び越し走査を行
う。
【0052】このように、本実施形態では、各区域の走
査順序を独立に設定しても、本発明の本質を外れるもの
ではなく、上述した効果が得られる。
【0053】なお、以上の全ての実施形態において、画
素電位の正負の極性を各フレームで逆にしても差し支え
ないことは言うまでもない。また、本発明の本質には直
接関係しないことで以上の実施形態では明記しなかった
が、データ駆動器は、それぞれの行の画素電極の走査に
対応してデータを画素電極に出力するように制御されて
いることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】表示部に対し飛び越し走査を行う駆動方
法において、画素電極を、あるフレームで奇数行(又は
偶数行)の画素電極を走査した後に偶数行(又は奇数
行)の画素電極を走査する場合、その次のフレームでは
偶数行(又は奇数行)の画素電極を走査した後に奇数行
(又は偶数行)の画素電極を走査する。このことによ
り、消費電力が低減されると同時に、1行おきの横縞の
発生を防止できる。
【0055】また、表示部が列方向に複数の区域に分割
され、1つの区域において画素電極が、第1のフレーム
で第1の走査順序で飛び越し走査される場合、第1のフ
レームに続く第2のフレームでは第2の走査順序で飛び
越し走査される。このことにより、ちらつき(フリッ
カ)や動きの大きい動画像の画質劣化を抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示器の概念図
【図2】行反転方式の画素電圧の極性分布と遷移を示す
【図3】画素反転方式の画素電圧の極性分布と遷移を示
す図
【図4】TFTと画素の最も単純化した等価回路図
【図5】TFT液晶表示器の駆動タイミングと画素電圧
の波形を示す図
【図6】データ線の等価回路図
【図7】(a)〜(d)は飛び越し走査するときの画素
電圧の極性の状態遷移を示す図
【図8】同一列上の連続した画素電極を示す図
【図9】(a)及び(b)は同一列上の連続した画素電
極の等価回路図
【図10】(a)〜(d)は奇数行の画素が充電される
ときの等価回路の状態変化を示す図
【図11】(a)〜(d)は偶数行の画素が充電される
ときの等価回路の状態変化を示す図
【図12】表示品質の劣化が生じる場合の表示器の駆動
波形を示す図
【図13】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態
における画素電極の走査順序を示す図
【図14】(a)〜(d)は図13の走査における画素
電圧の極性の状態遷移を示す図
【図15】図13の走査の駆動波形を示す図
【図16】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に
おける画素電極の走査順序を示す図
【図17】図16の走査の駆動波形を示す図
【図18】画素の行数が多い場合の本発明の第1の実施
形態による走査の駆動波形を示す図
【図19】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態
における画素電極の走査順序を示す図
【図20】図19の走査の駆動波形を示す図
【図21】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に
おける画素電極の走査順序を示す図
【図22】(a)及び(b)は本発明の第5の実施形態
における画素電極の走査順序を示す図
【符号の説明】
30 表示部 32 走査駆動器(ゲートドライバ) 34 データ駆動器(データドライバ) 36 共通電極 38 制御部 40 ゲート電圧発生回路 42 階調電圧発生回路 44 共通電極駆動回路
フロントページの続き (72)発明者 山根 康邦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H093 NA16 NA34 NA45 NC34 ND10 ND15 ND39 5C006 AA16 AC29 AF44 BB14 BB16 BF43 FA22 FA23 FA47 5C080 AA10 BB05 DD05 DD06 DD26 EE29 FF11 JJ02 JJ03 JJ04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行列に配置されている複数の画素電極に
    よる表示部と、 該複数の画素電極の少なくとも一部の画素電極を飛び越
    し走査する走査駆動器と、を備えた能動行列型液晶表示
    器の駆動方法であって、 該少なくとも一部の画素電極は、第1のフレームで奇数
    行から偶数行という第1の走査順序で飛び越し走査され
    る場合、該第1のフレームに続く第2のフレームでは偶
    数行から奇数行という第2の走査順序で飛び越し走査さ
    れる、能動行列型液晶表示器の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のフレームに続く第3のフレー
    ムでは前記第2の走査順序で飛び越し走査が行われ、該
    第3のフレームに続く第4のフレームでは前記第1の走
    査順序で飛び越し走査が行われる、請求項1に記載の能
    動行列型液晶表示器の駆動方法。
  3. 【請求項3】 行列に配置されている複数の画素電極に
    よる表示部と、 該複数の画素電極の少なくとも一部の画素電極を飛び越
    し走査する走査駆動器と、を備えた能動行列型液晶表示
    器の駆動方法であって、 該少なくとも一部の画素電極は列方向に複数の区域に分
    割され、該複数の区域に対して順次飛び越し走査が行わ
    れ、 該複数の区域の1つにおいて画素電極が、第1のフレー
    ムで奇数行から偶数行という第1の走査順序で飛び越し
    走査される場合、該第1のフレームに続く第2のフレー
    ムでは偶数行から奇数行という第2の走査順序で飛び越
    し走査される、能動行列型液晶表示器の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記第2のフレームに続く第3のフレー
    ムでは前記第2の走査順序で飛び越し走査が行われ、該
    第3のフレームに続く第4のフレームでは前記第1の走
    査順序で飛び越し走査が行われる、請求項3に記載の能
    動行列型液晶表示器の駆動方法。
  5. 【請求項5】 行列に配置されている複数の画素電極に
    よる表示部と、 該複数の画素電極の少なくとも一部の画素電極を飛び越
    し走査する走査駆動器と、を備えた能動行列型液晶表示
    器であって、 該少なくとも一部の画素電極は、第1のフレームで奇数
    行から偶数行という第1の走査順序で飛び越し走査され
    る場合、該第1のフレームに続く第2のフレームでは偶
    数行から奇数行という第2の走査順序で飛び越し走査さ
    れる、能動行列型液晶表示器。
  6. 【請求項6】 行列に配置されている複数の画素電極に
    よる表示部と、該複数の画素電極の少なくとも一部の画
    素電極を飛び越し走査する走査駆動器と、を備えた能動
    行列型液晶表示器であって、 該少なくとも一部の画素電極は列方向に複数の区域に分
    割され、該複数の区域に対して順次飛び越し走査が行わ
    れ、 該複数の区域の1つにおいて画素電極が、第1のフレー
    ムで奇数行から偶数行という第1の走査順序で飛び越し
    走査される場合、該第1のフレームに続く第2のフレー
    ムでは偶数行から奇数行という第2の走査順序で飛び越
    し走査される、能動行列型液晶表示器。
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