JP2000133444A - 透光性基板の接着方法 - Google Patents
透光性基板の接着方法Info
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Abstract
の接着方法を提供する。 【解決手段】 カラーフィルタ基板31のみに液状熱硬
化性樹脂33を凸状に隆起するように落滴し、落滴した
基板33を反転させて上方よりEL素子基板24に密着
させ、樹脂33を基板22,24間の毛細管現象を利用
して基板間に広げて充填硬化させる。2枚の基板22,
24は樹脂33の表面張力により外部より力を加えなく
とも密着する方向に力がかかり、また樹脂33が周囲に
広がっていく過程において落滴した箇所から樹脂33が
排出されるため、落滴箇所の凹みを減らして歪んだEL
素子基板24を平坦化する。また基板間にスペーサ50
を介在させるとともに、基板間に挿入する樹脂量を適当
な量に設定することにより、基板凹凸の差を緩和し、樹
脂33の広がりを均一にして気泡残留を防ぎ、カラーE
L表示装置の表示品位を向上することができる。
Description
方法に関し、特に各種平面薄型表示装置に適用されるカ
ラーEL表示装置のEL素子基板とカラーフィルタ基板
との接着方法に関する。
で空間占有率の低い平面薄型表示装置への需要が高まっ
ている。このような表面薄型表示装置に応用されるデバ
イスの中で薄膜EL素子は自己発光型で視認性が良いこ
とから表示品位の優れた表示装置として開発が積極的に
進められている。
も一方に透明電極を含む2組の電極と、それに挟まれた
絶縁層と発光層とを備えた構造を有しており、2組の電
極間に交流電界を加えることにより発光が得られるもの
である。現在実用化されているものは、発光効率がよ
く、安定して発光する発光層材料であるZnS:Mn層
を用いた黄色のモノクロ表示装置のみである。産業上の
応用を広げるためにもカラーEL表示装置の開発が進め
られており、作製の簡便さなどから単一発光層をカラー
フィルタにより分光してカラー表示を行うカラーフィル
タ方式のEL表示装置の開発が主に進められている。
電極を透光性電極とし、上部電極側から光を取出せる構
造とした上で、カラーフィルタをEL素子の上部電極と
近接設置する方式と、透光性を有するEL素子のEL素
子基板から光を取出せる構造とした上で、EL素子基板
側にカラーフィルタを形成する構成とが考えられる。前
者は現在実用化されているモノクロEL表示装置と異な
り、上部電極がITO(インジウム錫酸化物)から成る
透明電極であることや、カラーフィルタをEL素子の上
部電極に近接させなくてはならないため、EL素子保護
に用いられるシール層が薄くなることから寿命特性が低
下するといった問題を有する。
るモノクロEL表示装置の構造をそのまま用いることが
できる利点がある。しかしながら、EL素子基板は1m
m程度の厚さがあるため、カラーフィルタとEL素子を
近接できないことから視野角による色ずれが生じるとい
った問題を有している。このような問題を解消するため
に、本件出願人は特願平10−168086「カラーエ
レクトロルミネッセント表示装置の製造方法およびカラ
ーエレクトロルミネッセント表示装置」において、EL
素子作製後、EL素子基板をエッチングにより薄く加工
することにより、色ずれによる視野角の低下の問題を解
消した。
ーフィルタ接着に関して、従来一方のガラス基板に接着
剤を塗布し、その後両者を密着させる方法がとられてい
るが、接着剤のうねりの各凸部がガラスと接する際、ガ
ラスと接着剤との間に空隙が生じ、この空隙に空気の逃
げ場がない時そのまま気泡となって残留するといった問
題が生じる。気泡を生じさせない方法として接着後スピ
ンナー回転により気泡を飛ばす方法(特開昭63−18
326)、基板を傾けて貼合わせる方法(特開平9−2
78497)などの解決策が試みられているが、産業上
の利用を広げるためにもさらに簡便な方法が望まれてい
る。本件出願人は特願平10−177573「カラーE
L表示装置の製造方法および透光性基板の接着方法」に
おいてカラー基板上に液状硬化性樹脂を凸状に隆起する
ように落滴し、両基板を貼合わせて基板間に樹脂を充填
させて、硬化させることにより、接着剤のうねりの凹凸
によって生じる気泡の発生を防いで透光性基板を接着す
る接着方法を提案した。
子は、EL素子基板の一表面上にEL素子部が設けら
れ、EL素子部を外囲するように掘込み加工された保護
ガラスがEL素子基板に設けられ、EL素子部と保護ガ
ラスとの間の空間に防湿用のオイルが注入されて製造さ
れる。EL素子部が設けられる側と反対側の表面と、カ
ラーフィルタ基板の一表面との間に液状硬化性樹脂を介
在させて両基板を貼合わてEL表示装置は製造される。
グによって100μm程度に薄く加工されており、EL
素子部側の表面は防湿オイルが封止されているので、言
わば防湿オイルの上に薄い基板が浮いているような状態
となっている。このような状態で、EL素子基板の一表
面に液状硬化性樹脂を凸状に隆起するように落滴し、カ
ラーフィルタ基板を貼合わせてカラーフィルタ基板側か
ら力を加えて基板間に樹脂を押広げると、落滴した樹脂
が薄いEL素子基板を防湿オイル側に凹ませ、それがそ
のままEL素子基板の歪みとなってEL表示画面の歪み
として残るといった問題を有する。
れる側には、防湿オイルを封止する保護ガラスが設けら
れるので、EL素子部側から直接EL素子基板に力を加
える事ができないため、従来のように一方のガラス基板
に接着剤を塗布し、その後相互に密着するように両基板
を押さえて歪みを解消させるといったことができない。
いばかりでなく、凹んだ部分はEL素子とカラーフィル
タとが比較的離れた状態になるため、他の部分より視野
角が悪くなり、視野角の面むらが生じ、表示品位を著し
く低下せることになる。
子基板の歪みとは別に、局所的で小さな凹凸が存在す
る。図6は、このような局所的な凹部が存在する基板を
貼合わせて接着するときの状態を模式的に示す平面図で
ある。両基板を密着させて基板間に液状硬化性樹脂を押
広げると、図6に示されるように局所的な凹部Pが存在
しない領域では樹脂の広がる速度が一様であるが、局所
的な凹部Pでは樹脂の広がる速度が周りに比べて遅くな
り、このため図6に示されるように、凹部P付近では、
凹部P周辺に先に樹脂が回り込み、凹部Pに樹脂が広が
らない状態で樹脂が周囲を満たし、凹部Pに気泡が残留
することになる。上述した特願平10−177573で
提案された透光性基板の接着方法ではこのような局所的
な凹部に起因する気泡の発生を防ぐことができない。
は、基板上で樹脂が凸状に隆起するように落滴し、基板
間に樹脂を押広げて樹脂面の凹凸を起因する気泡の発生
を防いだが、基板上に樹脂を凸状に隆起させるためには
樹脂の粘度を高くする必要があり、粘度を高くすると基
板を貼合わせたとき、基板間に薄く押広げることが困難
になり、また上述したように薄いEL素子基板を歪ませ
てしまうといった問題を有する。
硬化性樹脂を気泡を混入させずに充填して基板を接着す
るとともに、基板の歪みを防ぎ、基板の局所的な凹部に
起因する気泡の発生を防ぐことができる透光性基板の接
着方法を提供することである。
は、少なくとも一方が透光性基板である2枚の基板を貼
合わせて接着する透光性基板の接着方法において、一方
の基板の表面に液状硬化性樹脂を凸状に隆起するように
落滴し、前記樹脂が落滴した表面を下方に向けて他方の
基板に対向させ、両基板を貼り合せて基板間に樹脂を広
げて充填し、その後樹脂を硬化させることを特徴とする
透光性基板の接着方法である。
基板のみに落滴するので、生産コストを低減できるとと
もに、落滴樹脂が下方を向くように基板を貼合わせるの
で、粘度の低い樹脂であっても効果的に凸状に隆起させ
て貼合わせることができる。これによって粘度の低い樹
脂を用いることができ、基板が薄い場合であっても基板
を歪ませることなく、気泡を混入させずに基板間に薄く
一様に樹脂を広げて基板を接着することができる。
が透光性基板である2枚の基板を貼合わせて接着する透
光性基板の接着方法において、基板間に液状硬化性樹脂
を介在させ、樹脂の毛細管現象を利用して基板間に液状
硬化性樹脂を広げ、その後樹脂を硬化させることを特徴
とする透光性基板の接着方法である。
現象によって基板間に広がって基板間に充填されること
になる。すなわち、基板間隙は非常に小さいため、基板
間に液状硬化性樹脂が介在されると、樹脂の表面張力に
よる毛細管現象によって樹脂は基板全面に広がることに
なる。表面張力は両基板を密着させる方向に力を作用さ
せるため、両基板に外部より力を加えなくとも2枚の基
板を相互に密着する方向に力がかかる。基板の表面に樹
脂を落滴して2枚の基板を貼合わせたとき、基板が薄い
場合には落滴した箇所が凹むことになるが、毛細管現象
によって樹脂が周囲に広がっていく過程において、落滴
して凹んだ箇所から樹脂が排出されるため、落滴箇所に
おいて凹みが低減され、基板が平坦化されることにな
る。基板間に樹脂を介在させる方法は基板表面に樹脂を
落滴させて貼合わせる方法のほか、密着させた2枚の基
板の周縁に樹脂を落滴して基板間に樹脂を広げる方法も
可能である。
樹脂は熱硬化性樹脂であり、常温時の粘度が熱硬化時の
粘度よりも高いことを特徴とする。
の粘度よりも高い熱硬化性樹脂を用いることにより、落
滴時には粘度が高く、効果的に凸状に隆起させて落滴す
ることができる。この状態で2枚の基板を貼合わせて加
熱すると、基板間の樹脂の粘度が低下して基板間に樹脂
が薄く広げられることになり、さらに加熱して硬化温度
に達すると薄く広げられた状態で樹脂が加熱硬化して基
板を接着することができる。このようにして気泡の混入
を確実に防いで基板間に薄く樹脂を広げて基板を接着す
ることができる。
の粒径のスペーサを基板間に介在させることを特徴とす
る。
スペーサが介在されるので、基板は一定の間隙を保つこ
とができる。基板間の樹脂が広がるときには前述したよ
うに表面張力によって両基板が密着する方向に力が作用
するが、両基板が完全に密着した場合には樹脂の広がり
が妨げられる。これに対して本発明では、基板間にスペ
ーサを介在させることによって基板が完全に密着するこ
とが妨げられ、これによって基板間にスムーズに樹脂を
広げることができる。
は、予め一方の基板の表面に固着させ、その後両基板を
貼合わせることを特徴とする。
表面に予め固着し、その後両基板を貼り合わせるので、
生産性が良好である。また、予め固着されるので、貼り
合わせたときにスペーサが落下するといったことが防が
れる。
粒径は、10μm以上とすることを特徴とする。
m以上である。基板表面に局所的な凹部があり、凹部で
の基板間隔とその周辺部での基板間隔との差が大きい場
合には局所的な凹部とその周辺部とで樹脂の広がりの速
度が異なり、局所的な凹部に気泡が残留することにな
る。本発明では10μm以上のスペーサを介在させるこ
とによって、局所的な凹部とその周辺部での基板間隔の
差を小さくすることができ、これによって樹脂の広がり
をほぼ均一として気泡の発生を確実に防ぐことができ
る。
るべき基板間の領域の面積をSとし、スペーサの粒径を
dとしたとき、基板間に挿入する液状硬化性樹脂の樹脂
量Dは、 S・d < D < S・(d+12μm) の範囲に選ばれることを特徴とする。
範囲内に選ばれる。落滴する樹脂量が多すぎると、落滴
箇所から充分に樹脂が排出されないうちに基板間全面に
樹脂が充填し、毛細管現象による樹脂の広がりが停止し
てしまう。すると落滴箇所に余分な樹脂がのこり凹みと
して基板に歪みを生じさせてしまう。また落滴する樹脂
が少すぎると充填されるべき領域に樹脂を完全に充填す
ることができない。このため、基板間に入れる樹脂量を
適当な量に設定する必要がある。基板間にはスペーサが
介在されて基板間隔は一定に保たれているので、基板間
に挿入する樹脂量Dは理想的には、 D = S・d に選ばれることになる。上記式を満たす樹脂量を基板間
に挿入すると過不足なく基板間を樹脂が充填し、落滴箇
所に凹みも生じず、気泡発生も生じないことになる。し
かしながら、実際には基板表面には局所的な凹凸が存在
するため落滴して挿入する樹脂量には幅を持たせなくて
はならない。本件発明者は検討の結果、 D < S・(d+12μm) の条件を満たす場合には理想量より多いにかかわらず、
問題にならない程度の基板歪みしか生じないという結果
が得られた。また樹脂が充填されるべき基板間の領域を
満たすためには理想量以上の樹脂量が必要であるので、
挿入する樹脂量Dは、 S・d < D の条件を満たす必要がある。
樹脂を一方の基板の表面にジグザグ状に落滴して、両基
板を貼合わせることを特徴とする。
グ状に落滴されるので、各樹脂が基板間で広げられた
時、落滴した各樹脂間に空隙が形成されることが防がれ
る。したがって、矩形形状の基板であっても気泡の発生
を防ぎ、全面にほぼ均一に効率よく樹脂を充填すること
ができる。
のうちの一方の基板は、透光性を有し、一表面上に透光
性を有する第1電極、EL発光層および第2電極が形成
され、他表面からEL光を出射するEL素子基板であ
り、前記2枚の基板のうちの他方の基板は、透光性を有
し、一表面上にカラーフィルタが設けられるカラーフィ
ルタ基板であることを特徴とする。
ィルタ基板とを前述した請求項1〜8の基板の接着方法
を用いて接着することによって、基板の歪み、残留気泡
を防ぎ、表示品位を低下させることのないEL表示装置
を製造することができる。
ある透光性基板の接着方法を用いて製造されたカラーE
L表示装置20を示す断面図である。
と、カラーフィルタ基板22とを接着して構成され、E
L素子21は透光性を有するEL素子基板24と、EL
素子部23と、シール部25とから構成され、カラーフ
ィルタ基板22は透光性を有する基板31とカラーフィ
ルタ32とから構成される。
板24上にEL素子部23である第1電極26、第1絶
縁層27、発光層28、第2絶縁層29、第2電極30
を順次積層形成した2重絶縁型薄膜EL素子で、第1電
極26はITO(インジウム錫酸化物)を電子ビーム蒸
着法あるいは高周波スパッタ法により200nm程度の
厚さでEL素子基板24の一表面24a上に作製し、フ
ォトレジストを用いたウェットエッチングによりストラ
イプ状に形成する。
7は、膜厚40nm程度のSiO2膜と、膜厚220n
m程度のSi3N4膜の積層膜より成り高周波スパッタ法
により作製する。発光層28はZnS:Mn層をZn
S:Mnペレットを蒸着源とした電子ビーム蒸着法によ
り7000Å程度の膜厚で作製する。このEL発光層2
8、第1および第2電極26,30間に交流電界を加え
ることによって赤から緑色の発光領域を含む黄色発光を
示し、赤と緑のカラーフィルタで分光することにより、
赤、緑のマルチカラーEL表示装置を作製することがで
きる。
は、この発光層を用いたモノクロEL表示装置が実用化
されており、発光輝度、発光安定性などに優れた発光層
材料であることが確認されているからである。本発明が
実現されるカラーEL表示装置はこのような赤、緑のマ
ルチカラーEL表示装置に限定されるものでなく、たと
えばZnS:MnとSrS:Ce発光層を積層した白色
EL発光を赤、緑、青のカラーフィルタで分光すること
によりフルカラーのEL表示装置を作製することも可能
である。
は、たとえば膜厚100nm程度のSi3N4膜と膜厚3
5nm程度のSiO2膜の積層膜より成り、高周波スパ
ッタ法によりそれぞれ作製する。第2絶縁膜29作製後
に発光層28の結晶性を改善するために高真空アニール
を行う。高真空アニールは1×10-14Pa以下の高真
空中で630℃に加熱保持して行う。
m程度の膜厚で加熱蒸着により作製し、フォトレジスト
を用いたウェットエッチングにより第1電極と直行する
ようなストライプ状に形成しEL素子部23が完成す
る。
は、深さT1=1mm程度の深さで掘込み加工した保護
ガラス42を、EL素子部23を前記掘込み部分に封じ
込めるように配置し、保護ガラス42の周縁部をEL素
子基板24の一表面24a上にエポキシ樹脂38を用い
て接着する。その後、EL素子部23を封じ込めた封止
空間37にシリカゲルを混入したシリコンオイルを、予
め保護ガラス42に加工しておいたオイル導入口35か
ら注入し、導入口を封止ガラス36で封止して作製す
る。シリコンオイルを注入する場合、オイル導入口35
から封止空間37内の空気を排気して封止空間37内を
真空にした状態で、オイル導入口35からシリコンオイ
ルを吸引させて封止空間37内にシリコンオイルを充填
させる。このようにオイル充填時には封止空間37を真
空にする必要があるので、EL素子基板24はオイル充
填時にはこのような真空に耐える厚さを有する。
び防湿シール部25を形成した後、フッ酸(フッ化水素
酸)を用いたエッチングによりEL素子基板24のEL
素子部23に対向する部分の厚さT2が100μm程度
となるようにEL素子基板24に凹部44を形成する。
この時、カラーEL表示装置20の実装を考えて、EL
素子基板24の周縁部が枠状に残り、カラーフィルタ基
板22が嵌め込まれる部分のみを凹状にエッチング加工
する。EL素子部23とカラーフィルタ32との間に介
在されるEL素子基板24がエッチングにより薄く加工
されるので、EL素子部23の第1電極26とカラーフ
ィルタ32との間隔が小さくなり、これによって色ずれ
による視野角の低下が防がれ、大きな視野角を確保する
ことができる。
の凹部44の底面である他表面24bに直接形成し、そ
の上に基板31を接着する方法と、カラーフィルタ32
を形成した基板31をEL素子基板24の他方面24b
に接着する方法とがある。後者は、カラーフィルタ32
とEL素子基板24との間に接着層が介在されるので、
この接着層の厚さが視野角に影響を与えるが、前者は凹
部44の底面であるEL素子基板24の他表面24b、
カラーフィルタ32を直接形成する必要があり、作製が
困難であるので、本実施形態では作製が簡便な後者の方
法を採用する。
32は、透光性を有するガラス製の基板31a上に赤、
緑のフィルタR,Gを交互に並べたもので、各フィルタ
R,G間は黒色フィルタBKが形成される。このような
カラーフィルタ基板22とEL素子21のEL素子基板
24とは、カラーフィルタ基板22のカラーフィルタ3
2側の表面、すなわちEL素子基板24の他表面24b
に対向するカラーフィルタR,G,BKの表面および基
板31の一表面31aとEL素子基板24の他表面24
bとの間に熱硬化性樹脂33を充填して接着される。ま
た、カラーフィルタ32が設けられない基板31の一表
面31aとEL素子基板24とは、少くとも2点(図1
において基板31の左右両端部)で光硬化性樹脂40に
よって固定され、さらにカラーフィルタ基板22とEL
素子基板24との間にできる間隙、すなわちカラーフィ
ルタ基板22の周縁部はシリコン樹脂41で埋められ
る。このようにしてカラーフィルタ基板22とEL素子
21とは大きな強度で接着される。
板21の接着方法の概要を示す。まず、図2に示すよう
にカラーフィルタ基板22およびEL素子21を準備
し、カラーフィルタ基板22のカラーフィルタ32の表
面に、たとえば固着ビーズから成るスペーサ50を固着
し、さらに液状熱硬化性樹脂33を図2に示されるよう
にそれぞれ1つの凸部を持つ山型形状に凸状に隆起する
ように複数滴落滴する。樹脂33には気泡は混入されて
おらず、また落滴時に薄く広がらず、後述する密着時に
カラーフィルタ基板22を反転させた時に下に落下しな
い程度の粘度を有する。さらにカラーフィルタ基板22
には、基板31の一表面31aのカラーフィルタ32が
設けられない部分の少くとも2点に光硬化性樹脂40を
のせる。
25μmまたは10μmの固着性ビーズ(積水ファイン
ケミカル製:接着性スペーサ CBS−20725,C
B−210)をカラーフィルタ32上に散布した後、オ
ーブンで150℃、20分間加熱して固着させる。この
ときのビーズ散布の密度は1mm2当たり15個であ
る。
(三井化学製試作熱硬化性樹脂)を使用した。この樹脂
は常温で2000cpsの粘度を有しているので凸状に
隆起するように落滴することが容易であるとともに、カ
ラーフィルタ基板22を反転させたときに容易に落下す
ることが防がれる。さらに加熱時は粘度が100cps
程度まで低下し、スムーズに基板間に広がることができ
る。
22は25cm×8cm(面積200cm2)の矩形状
であるので、図に示されるようにカラーフィルタ基板2
2の長手方向に沿ってジグザグ状に16点樹脂33を落
滴する。この時の落滴位置は長手方向に隣接する落滴間
隔Lが3cmであり、ジグザグの幅Wは1.5cmであ
る。また1点あたりの落滴量は0.015〜0.03c
cであり、この程度の落滴量であればカラーフィルタ基
板22を反転させたときに樹脂33が落下することが確
実に防がれる。
L素子21とカラーフィルタ基板22を密着させる。密
着治具46はEL基板支持台45と押圧部47とを有
し、まずEL素子基板24を他表面24bが上方を向く
ようにEL基板支持台45にのせ、カラーフィルタ基板
22のカラーフィルタ32がEL素子基板24の他表面
24bに対向するようにカラーフィルタ22を反転させ
る。このようにカラーフィルタ基板22を反転させると
落滴した樹脂33が自重によってさらに凸状に隆起する
ことになり、気泡を形成することなく基板24,31間
に樹脂33を広げることができる。
22をのせて貼合わせるとき、EL素子基板24のEL
素子23の第1電極26の電極パターンとカラーフィル
タ基板31のカラーフィルタ32のパターンとの目合わ
せをしてカラーフィルタ基板22の位置決めを行い、押
圧部材47によって光硬化性樹脂40部を押圧した状態
で、光硬化性樹脂40が設けられる部分に紫外線を照射
して光硬化性樹脂40を硬化させてカラーフィルタ22
とEL素子21とを仮固定する。光硬化性樹脂を40は
前述したようにカラーフィルタ32が形成されない部分
に設けられるので、紫外線がカラーフィルタ32に吸収
されるといったことがなく、確実に硬化させてカラーフ
ィルタ基板22とEL素子21とを仮固定することがで
きる。
れた状態のカラーフィルタ22とEL素子基板21とを
そのままオーブンに入れて熱硬化性樹脂33を硬化させ
る。仮固定されたEL素子基板24とカラーフィルタ基
板22が入れられたオーブンはまず80℃で20分間加
熱される。80℃では本実施形態で用いた樹脂33は硬
化せず、粘度が100cps程度まで低下する。
2とを貼合わせるときは常温であるので、樹脂33は粘
度が高く、凸状に隆起している。また、EL素子基板2
4は視野角の低下を防ぐために厚さT2が100μm程
度に薄くなるようにエッチング加工されているので、カ
ラーフィルタ基板22とEL素子基板24とを貼合わせ
て仮固定した時点では、樹脂33の落滴部においてEL
素子基板24が凹んで歪んだ状態となる。また、カラー
フィルタ基板32とEL素子基板24との間にはスペー
サ50が介在されており、これによってカラーフィルタ
基板31とEL素子基板24との間隔が予め定める一定
の値より小さくなることが防がれる。
熱すると樹脂33は100cps程度まで粘度が低下す
る。すると、図5(a)に示されるように、粘度が低下
した樹脂33の表面における表面張力によってカラーフ
ィルタ基板22とEL素子基板24との間隙において毛
細管現象が生じ、粘度が低下した樹脂33が基板22,
24間で広げられることになる。表面張力はカラーフィ
ルタ基板22とEL素子基板24が互いに密着する方向
に力を作用させるので、両基板22,24に外力を加え
ることなく基板22,24間に樹脂33が広げられるこ
とになる。また、基板の貼合わせ時に落滴箇所において
EL素子基板24が凹んで歪んだ状態にあるけれども、
毛細管現象による樹脂33の周囲への広がり、および両
基板22および24が互いに密着する方向に作用する力
によって図5(b)に示されるように落滴箇所の凹んだ
部分の樹脂33は順次周囲に排出されることになる。こ
のようにして落滴箇所での凹みが解消されてEL素子基
板24は平坦となり、表示画面に歪みが生じるといった
ことが防がれる。
4とが完全に密着すると樹脂33が基板22,24内に
充填することができなくなるが、本実施形態ではスペー
サ50を介在させることにより基板22,24が完全に
密着することが防がれ、粘度の低下した樹脂33をスム
ーズに基板間に広げることができる。
所的な凹所が形成されている場合には、前述の図6に関
して説明したように局所的な凹部Pとその周辺部での樹
脂33の広がりの速度の違いから気泡が発生する場合が
あり、これは凹部Pとその周辺部での基板22,24間
の間隔の差が大きい場合に発生する。したがって、局所
的な凹部Pでの基板22,24間の間隔とその周辺部で
の基板22,24間の間隔との差が小さくなるようにす
れば気泡の発生を防ぐことができる。すなわち、基板2
2,24間に介在されるスペーサ50の粒径を大きくす
れば凹部Pでの間隔とその周辺部での間隔の差を小さく
して気泡の発生を抑制することができる。
0μmとの2種類のビーズから成るスペーサ50を用い
て2種類作製し、それぞれ基板22,24間に挿入する
樹脂量を0.32cc(一落滴点当たり0.02cc、
16点落滴)として接着したところ、粒径が7.25μ
mのものには気泡残留が見られたが、10μmのもので
は気泡残留が見られなかった。このことからビーズの粒
径を10μm以上にすることによって気泡残留防止の効
果があることが判った。また、スペーサの粒径を、たと
えば100μm以上とするとカラーフィルタ基板22と
EL素子基板24との間隔が大きくなり、毛細管現象を
利用して樹脂33を広げることが困難となるとともにE
L素子部23とカラーフィルタ32との間隔が大きくな
って視野角が低下するといった問題を有する。
毛細管現象によって広がり、この広がる過程において各
基板22,24には、相互の密着する方向に力が作用し
て基板貼合わせ時に凹んだ歪みが解消されることになる
が、広がった樹脂がカラーフィルタ基板22の周縁まで
達すると、毛細管現象による樹脂33の広がりが停止し
てしまい、EL素子基板24の歪みが解消されず、表示
品位が低下してしまう。基板22,24間に挿入する樹
脂量が多すぎると、このような問題が生じるが、これと
は逆に挿入する樹脂量が少すぎると基板22,24間全
面にわたって樹脂33を広げて充填することができず、
この場合も表示品位を低下させることになる。
径10μmのビーズのスペーサ50を用いて、基板2
2,24間に挿入する樹脂量を0.28cc,0.32
cc,0.40cc,0.44cc(全て落滴数16
点)として接着したところ、0.44ccのものにはや
や目立った歪みが見られた。これにより、基板22,2
4間に挿入する樹脂量は0.44ccより少なくするこ
とが望ましい。したがって、樹脂が充填されるべき基板
22,24間の領域の面積をS、本実施形態ではEL素
子基板24の他表面24bに対向するカラーフィルタ基
板22の一表面の面積をSとし、スペーサの粒径をdと
したとき、基板間に挿入する樹脂量D、本実施形態では
カラーフィルタ基板22上に落滴する総樹脂量Dは、 D < S・(d+12μm) の条件を満たすことが望ましいことがわかった。なお、
本実施形態ではS=200cm2であり、d=10μm
であり、D=0.44ccである。
脂を広げるときの樹脂量Dの下限値はS・dとなるの
で、挿入する樹脂量Dは、 S・d < D < S・(d+12μm) の条件を満たすものが望ましい。
た樹脂が下方を向くことにより、凸状形態をとりやすく
確実に気泡混入を防いで基板間に樹脂を充填させること
ができる。
た基板間隙の毛細管現象を利用して樹脂を周囲に広げて
基板間に充填させることにより、基板に外力を加えるこ
となく、歪んだ基板を平坦化して接着させることができ
表示品位の低下を防ぐことができる。
時には粘度が高いため凸状に効果的に隆起させることが
可能であり、熱硬化時には樹脂の粘度が低下して基板間
に樹脂を効果的に広げることができる。
スペーサを介在させることにより、上下基板の完全な密
着を防ぎ、樹脂の広がりを円滑にすることができる。
を予め一方の基板に固着させることにより生産性を向上
し、生産コストを低減することができる。
の粒径を10μm以上とすることにより、気泡残留の原
因となる局所的な基板凹凸を緩和し、樹脂の広がりを均
一にして気泡残留を防ぐことができる。
挿入する樹脂量Dを、 S・d < D < S・(d+12μm) の範囲に選ぶことによって、落滴箇所に余分な樹脂が残
り凹みとして基板歪みを生じさせることを防ぎ、また落
滴する樹脂が少すぎ基板間に樹脂を完全に充填すること
ができず、樹脂の広がり残りが基板間に発生することが
防がれる。
グザグ状に落滴することによって、気泡を発生させるこ
となく矩形形状の基板間に樹脂を効果的に充填すること
ができる。
〜8に記載される接着方法を用いてEL素子基板とカラ
ーフィルタ基板とを接着してカラーEL表示装置を製造
することによって、気泡の発生、表示画面の歪みおよび
視野角の低下を防いで表示品位をの向上したカラーEL
表示装置を製造することができる。
方法を用いて製造されたカラーEL表示装置20を示す
断面図である。
滴したカラーフィルタ基板22を示す断面図である。
22の平面図である。
合わせ時の状態を示す断面図である。
状態と、毛細管現象で挿入樹脂33が広がる様子を模式
的に示す図である。
を模式的に示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも一方が透光性基板である2枚
の基板を貼合わせて接着する透光性基板の接着方法にお
いて、 一方の基板の表面に液状硬化性樹脂を凸状に隆起するよ
うに落滴し、 前記樹脂が落滴した表面を下方に向けて他方の基板に対
向させ、 両基板を貼り合せて基板間に樹脂を広げて充填し、その
後樹脂を硬化させることを特徴とする透光性基板の接着
方法。 - 【請求項2】 少なくとも一方が透光性基板である2枚
の基板を貼合わせて接着する透光性基板の接着方法にお
いて、 基板間に液状硬化性樹脂を介在させ、樹脂の毛細管現象
を利用して基板間に液状硬化性樹脂を広げ、その後樹脂
を硬化させることを特徴とする透光性基板の接着方法。 - 【請求項3】 前記液状硬化性樹脂は熱硬化性樹脂であ
り、常温時の粘度が熱硬化時の粘度よりも高いことを特
徴とする請求項1または2記載の透光性基板の接着方
法。 - 【請求項4】 予め定める一定の粒径のスペーサを基板
間に介在させることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載の透光性基板の接着方法。 - 【請求項5】 前記スペーサは、予め一方の基板の表面
に固着させ、その後両基板を貼合わせることを特徴とす
る請求項4記載の透光性基板の接着方法。 - 【請求項6】 前記スペーサの粒径は、10μm以上と
することを特徴とする請求項4または5記載の透光性基
板の接着方法。 - 【請求項7】 樹脂が充填されるべき基板間の領域の面
積をSとし、スペーサの粒径をdとしたとき、基板間に
挿入する液状硬化性樹脂の樹脂量Dは、 S・d < D < S・(d+12μm) の範囲に選ばれることを特徴とする請求項4〜6のいず
れかに記載の透光性基板の接着方法。 - 【請求項8】 前記液状硬化性樹脂を一方の基板の表面
にジグザグ状に落滴して、両基板を貼合わせることを特
徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載の透光性
基板の接着方法。 - 【請求項9】 前記2枚の基板のうちの一方の基板は、
透光性を有し、一表面上に透光性を有する第1電極、E
L発光層および第2電極が形成され、他表面からEL光
を出射するEL素子基板であり、 前記2枚の基板のうちの他方の基板は、透光性を有し、
一表面上にカラーフィルタが設けられるカラーフィルタ
基板であることを特徴とする請求項1〜8のうちのいず
れかに記載の透光性基板の接着方法。
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