JP2000129596A - 偽造防止用紙 - Google Patents
偽造防止用紙Info
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Abstract
視認できる偽造防止用紙を得る。 【解決手段】 水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染
料粒子を用紙中に含ませる。通常の照明下では染料粒子
の存在を視認できず、有機溶剤で改竄を試みた箇所に紫
外線の照射で特定の色相が現れることで改竄の痕跡を検
知でき、また改竄を試みる者に改竄を諦めさせる効果が
ある。
Description
る。詳しくは有機溶剤を用いて改竄を試みてもその痕跡
が視認できる偽造防止用紙に関する。
手等は、不正に偽造されないように各種の偽造防止対策
が施されている。偽造防止対策の考えの一つは、自然光
や通常の照明下では偽造防止手段を視認することができ
ず、特殊な機器を用いることで偽造防止手段を視認でき
るようにすることである。この考えに基づき、例えば、
紫外線の照射によって各種色相に発色する蛍光染料や蛍
光顔料を使用した偽造防止用紙や偽造防止印刷物、及び
これらに使用する材料についての提案がなされている。
案されているように用紙の表面に蛍光顔料とベヒクルを
主成分とするインキで文字や図柄を印刷した偽造防止印
刷物は広く知られている。
昭56−16328号には、用紙中に、蛍光染色した繊
維を蛍光染色を施していない繊維と配合して抄造するこ
とを特徴とする偽造防止用紙の製造方法が提案されてい
る。また、特開平6−128807号等には、酸化物系
の蛍光顔料を紡糸時に添加した蛍光発色性繊維の製造方
法が提案されている。
98号において、紫外線の照射で蛍光色を発し、抄紙工
程で基紙と接着可能な性能を有する細片を基紙の全面に
遍在、若しくは筋状に偏在させた偽造防止用紙の提案を
行った。
改竄されたことが容易に判断できる偽造防止用紙も過去
種々提案されている。例えば、特許第78774号や特
許第77962号では、マンガンのフェロサイアナイド
を用紙中に含ませ、金額欄に記載された文字をインク消
しで消そうとすると褐色に変色する証券用紙の提案があ
る。
により変色する物質とタンニン質と浸透剤を用紙に加工
し、インク消しで改竄を試みると消滅することのない色
が出る改竄防止用紙の提案がある。
のピレンスルホン酸金属塩系の反応性蛍光染料を用紙中
に含有させ、インク消しや弱アルカリで改竄を試みると
蛍光色を呈する安全紙の提案がある。
去可能なインクの溶剤を含む微小カプセルを用紙表面に
含有させて、消しゴム等で改竄を試みてもその圧力でカ
プセルが開裂し、インクを紙層中に溶出浸透させて改竄
の痕跡が残るようにした偽造防止用紙の提案がある。
ロイコ染料と、フェノール性物質、バインダーを主成分
とする発色層を用紙表面に設け、有機溶剤で改竄を試み
ても溶剤の浸透でロイコ染料と、フェノール性物質が溶
出し両者が化学反応し発色する改竄防止用紙の提案があ
る。
うに種々知られているが、偽造を試みる者は後を絶た
ず、常に新規な偽造防止手段を採用した偽造防止用紙が
求められているのが現状である。本発明はこのような背
景でなされたものであって、本発明は、水不溶性でかつ
有機溶剤可溶性の蛍光染料を使用して、これら従来提案
された偽造防止用紙と全く異なる構成の、改竄の痕跡を
視認できるタイプの新規な偽造防止用紙を開発すること
を課題とする。
ろは、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子が
用紙中に含まれていることを特徴とする偽造防止用紙で
ある。なお、本発明で用いる「通常の光源」とは、自然
光、白熱電球、蛍光灯の光源を意味し、「蛍光染料」と
は、紫外線の照射によって可視光域の特定の光を発する
染料を意味し、増白効果を目的とした蛍光増白剤もこの
範疇に含まれる。
は、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性であることが必要で
ある。水溶性であると用紙製造中に該染料粒子が水に溶
解してしまい本発明の目的を達成できなくなるからであ
る。また、有機溶剤に可溶性でないと、溶剤で改竄を試
みた場合に改竄された痕跡を視認できなくなるからであ
る。
性でかつ有機溶剤に可溶性であればどのようなものでも
使用できるが、クマリン系、オキサゾール系、ピラゾリ
ン系等の、合成樹脂用に開発された蛍光増白用の蛍光染
料が一例として挙げられる。これらの蛍光染料は、蛍光
染料粒子そのものを容器に充填して見える色相は、通常
の光源のもとでは無色であるが、紫外線の照射により青
白色に発光する。この種の蛍光染料としては、染料メー
カー各社で販売されているが一例を挙げると、(商品名
「Mikawhite ATN conc.」、日本化
薬(株)製造:通常の光源のもとで無色、紫外線の照射
で赤味掛かった白色に発色)、(商品名「Leucop
her EF 2N」、クラリアント(株)製造:通常
の光源のもとで無色、紫外線の照射でわずかに青味の白
色に発色)、(商品名「TBO」、住友精化(株)製
造:通常の光源のもとで無色、紫外線の照射で青白色に
発色)、等々である。
を容器に充填して見える色相が通常の光源のもとで有彩
色で、紫外線の照射で各種色相に発光するアミノケトン
系等の染料も使用できる。この種の蛍光染料も染料メー
カー各社で販売されているが一例を挙げると、(商品名
「Yellowfluor G」、住友化学工業(株)
製造:通常の光源のもとで黄色、紫外線の照射で黄色に
発色)、(商品名「Kayaset Flavine
FN」、日本化薬(株)製造):通常の光源のもとで黄
色、紫外線の照射で黄色に発色)、(商品名「Kaya
set Flavine FG」、日本化薬(株)製
造:通常の光源のもとで黄色、紫外線の照射で黄色に発
色)、(商品名「Kayaset Yellow SF
−G」、日本化薬(株)製造):通常の光源のもとで黄
色、紫外線の照射で黄色に発色)、(商品名「Kaya
set Orange SF−R」、日本化薬(株)製
造:通常の光源のもとでオレンジ色、紫外線の照射でオ
レンジ色に発色)、(商品名「Kayaset Red
SF−B」、日本化薬(株)製造:通常の光源のもと
で赤色、紫外線の照射で赤色に発色)、(商品名「Ka
yaset RedSF−4G」、日本化薬(株)製
造:通常の光源のもとで赤色、紫外線の照射で赤色に発
色)、等々である。
溶剤可溶性の蛍光染料を粒子状で用いる。粒子の大きさ
は、通常は200μm以下であるが、本発明では該蛍光
染料粒子が通常の光源のもとで有彩色である場合には、
用紙に含まれていることを通常の光源のもとでは視認す
ることができないようにするとそれだけ偽造防止効果を
高めることができる。その場合の粒子径は色相によって
も異なるが粒子径は50μm以下のものを使用する。但
し、後に述べるように3層抄き合わせで内層に該染料粒
子を存在させ、外層に存在させない構成の偽造防止用紙
の場合には、外層により該染料が覆われるので、400
μm前後という比較的大きな粒径の染料を使用すること
ができる。水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子の用紙に対する添加量は、染料の種類や偽造防止用紙
としての用途等によって変化させるが通常は、0.00
1〜0.5重量%の範囲である。
可溶性の蛍光染料粒子を用紙中に含ませる方法として
は、どのような方法を採用してもよい。以下、例を挙げ
て説明する。なお、本発明ではこれらの蛍光染料を単独
で用いても2種類以上を併用してもよい。製造例1 用紙を抄造するスラリーの調製後に水不溶性でかつ有機
溶剤可溶性の蛍光染料粒子をスラリーに添加して抄紙す
る方法 本発明の偽造防止用紙の製造に際しては、通常、針葉樹
晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパル
プ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBS
P)、サ−モメカニカルパルプ(TMP)等の製紙用パ
ルプを主体としたスラリーを調製し、これに各種内添填
料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上
剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料等の製紙用
副資材を適宜併用し、通常フリ−ネス550〜250m
lC.S.F.にスラリーを調製し、前記した水不溶性
でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を添加して円網抄
紙機や、長網抄紙機等の周知の抄紙機を使用して抄紙す
る。
ミノスチルベンジスルホン酸誘導体、スチルベントリア
ジニル誘導体、4,4´−ビストリアジニルアミノスチ
ルベン、2,2´−ジスルホン酸誘導体、等の水溶性の
スチルベン系蛍光増白剤等をパルプに定着させて製造す
ることで用紙の見かけの白さを向上させている。この場
合、これらの蛍光増白剤は用紙を構成するセルロース繊
維表面を万遍なく覆っている状態で分布している。蛍光
増白剤も紫外線の照射で青白色や青紫色等に発光する性
質を持っているのでこの上質紙は紫外線の照射により、
全面が青白色や青紫色等に発光する。
剤可溶性の蛍光染料は、抄紙工程の水の作用によっても
溶出しないので粒子の状態で用紙中に存在する。該蛍光
染料の粒子径を適当な大きさにすることによって、通常
の照明下ではその存在が視認できず、紫外線の照射によ
り発光しその存在を視認できるようにさせることができ
る。この理由は、通常の照明下では、粒子径が小さいた
めに視認できないが、紫外線の照射では自ら強い光を発
し視認できるためと思われる。本発明の偽造防止用紙に
おいては、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を紫外線の照射で視認できるようにさせるためには、
前記した水溶性の蛍光増白剤は使用しないか、使用して
も本発明の効果を阻害しない範囲の少量に留めることが
必要である。
溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子の水懸濁液を
ポンプ等を使用して添加する方法 製造例1の水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を添加しないスラリーを使用して円網抄紙機や、長網
抄紙機等の周知の抄紙機を使用して抄紙する際に、長網
抄紙機のフローボックス内や、円網抄紙機のバット内に
水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を水に懸
濁した状態でポンプ等を使用して添加して抄紙する。
なくとも3層以上の多層抄き合わせで形成されており、
かつ内層のみに前記水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍
光染料粒子が含まれていることが好ましい。この理由は
水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子が用紙表
面に露出している状態で存在していると、該染料粒子自
身には自着性が無いために、グラビア印刷の場合には問
題はないがオフセット印刷時に該染料粒子が脱落する問
題等を起こしやすくなるためである。3層以上の多層抄
き合わせの用紙を製造するには、例えば3槽式の円網抄
紙機を使用して3層抄きの用紙を抄造する際に、内層
(この場合は中央の層)のみに前記した方法を使用して
水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を存在さ
せればよい。この構成の偽造防止用紙は有機溶剤の浸透
により内層に含まれる該蛍光染料が溶解し、毛細管現象
により用紙表面に拡散するので、内層に該蛍光染料が含
まれていても本発明の目的を阻害することが無い。
溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を振りかける
方法 製造例1の水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を添加しないスラリーを使用して、長網抄紙機を使用
して用紙を抄紙する際に、長網抄紙機の抄紙網上の湿紙
に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を全面
または筋状に振り掛け装置等を使用して振り掛け、後は
常法に従って抄紙する。
溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子の水懸濁液を
振りかける方法 製造例1の水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を添加しないスラリーを使用して、長網抄紙機を使用
して用紙を抄紙する際に、長網抄紙機の抄紙網上の湿紙
に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を水に
懸濁させ全面または筋状に振り掛け装置やノズル噴射装
置を使用して振り掛け、後は常法に従って抄紙する。
光染料粒子を併用する方法 製造例1の水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を添加しないスラリーを使用して、長網抄紙機を使用
して抄紙する際に、サイズプレス装置を使用して、変性
澱粉、ポリアクリルアマイド、ポリビニルアルコール等
のサイズプレス液に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍
光染料粒子を懸濁させ湿紙表面に塗工し、後は常法に従
って抄紙する。
を塗工する際に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染
料粒子を併用する方法 製造例1の水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒
子を添加しないスラリーを使用して、長網抄紙機や円網
抄紙機を使用して抄紙後に、アート紙やコート紙製造用
塗工液等の中に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染
料粒子を添加して、エアナイフコーター、ブレードコー
ター等の塗工機を使用して用紙を製造する。
溶剤可溶性の蛍光染料粒子を添加する方法 水性インキ中に水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染
料粒子を添加し、印刷機を使用して用紙に所定の文字や
模様を印刷する。この際使用する用紙は前述した理由に
より、蛍光増白剤を使用しない用紙を用いることが必要
である。印刷は抄紙機で用紙を抄造中に行ってもよいし
(フレキソ印刷機等を使用してのオンマシン印刷)、用
紙の抄造後にグラビア印刷機等を使用して行ってもよい
(オフマシン印刷)。例えば「VOID」の文字を印刷
しておけば、有機溶剤で改竄を試みると「VOID」の
文字が浮き出るようにさせることができ、この文字は紫
外線の照射で視認できる。
うち水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子の歩
留まりがよいこと(スラリーに添加すると該蛍光染料の
粒子径が小さいので抄紙網から染料が流出し易くなる)
と、抄紙機等を汚染しないので、サイズプレス液等に水
不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を併用する
方法や、エアナイフコーター等のコーターを使用して水
系の塗料を塗工する際に該蛍光染料粒子を併用する方
法、用紙に印刷を施す際に水性インキに水不溶性でかつ
有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子を添加する方法を採用す
ることが好ましい。
は固形分換算の値を意味する。
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加えスラリーを調製した。このスラリ
ーに、平均粒径が約50μmの水不溶性でかつ有機溶剤
可溶性の蛍光染料粒子(商品名「Kayaset Ye
llow SF−G」、日本化薬(株)製造)を0.0
8重量部添加して分散させた。このスラリーを使用して
常法に従い長網抄紙機で坪量100g/m2の偽造防止
用紙を抄造した。この際乾燥ゾーンの途中に設置されて
いるサイズプレス装置でポリビニルアルコールの0.2
重量%水溶液を塗工した。得られた偽造防止用紙は蛍光
灯照明下で観察しても該蛍光染料粒子の存在が視認でき
なかったが、暗室内で紫外線(ブラックライト)を照射
すると黄色に発色する微細な蛍光染料粒子を視認でき
た。
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加えスラリーを調製した。このスラリ
ーを使用して常法に従い長網抄紙機で坪量100g/m
2の用紙を抄造中に乾燥ゾーンの途中に設置されている
サイズプレス装置でポリビニルアルコールの0.2重量
%水溶液に、平均粒径が約250μmの水不溶性でかつ
有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子(商品名「Kayase
t Red SF−4G」、日本化薬(株)製造)を
0.04重量%分散させた液を塗工し、常法に従い乾燥
させ偽造防止用紙を製造した。得られた偽造防止用紙は
蛍光灯照明下で観察しても該蛍光染料粒子の存在が視認
できなかったが、暗室内で紫外線(ブラックライト)を
照射すると赤色に発色する微細な蛍光染料粒子を視認で
きた。
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製造)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製造)1.0重量部、
硫酸バンドを適量加えスラリーを調製した。このスラリ
ーを使用して常法に従い長網抄紙機で坪量100g/m
2の原紙を抄造した。次いで、カオリン(商品名「UW
−90」、エンゲルハード(株)製造)75重量部、炭
酸カルシウム(商品名「TP−222HS」、奥多摩工
業(株)製造)25重量部、バインダーとして澱粉(商
品名「MC−3000」、敷島スターチ(株)製造)6
重量部、SBRラテックス(商品名「ニポールLX40
7C」、日本ゼオン(株)製造)12重量部を主体とす
る水性塗料(濃度35重量%)を常法に従い調製し、こ
れに、平均粒径が約150μmの水不溶性でかつ有機溶
剤可溶性の蛍光染料粒子(商品名「TBO」、住友精化
(株)製造)を塗料固形分に対して0.06重量%添加
した。この塗料を前記原紙の両面に15g/m2ずつエ
アナイフコーターを使用して塗工して乾燥後、スーパー
キャレンダー処理して偽造防止用紙を製造した。得られ
た偽造防止用紙は蛍光灯照明下で観察しても該蛍光染料
粒子の存在が視認できなかったが、暗室内で紫外線(ブ
ラックライト)を照射すると青白色に発色する微細な蛍
光染料粒子を視認できた。
し、これに、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料
粒子(商品名「Kayaset YellowSF−
G」、日本化薬(株)製造)、及び(商品名「TB
O」、住友精化(株)製造)、及び(商品名「Kaya
set Red SF−4G」、日本化薬(株)製造)
を塗料固形分に対して各々0.03重量%添加した。こ
の塗料を前記原紙の両面に15g/m2ずつエアナイフ
コーターを使用して塗工して乾燥後、スーパーキャレン
ダー処理して偽造防止用紙を製造した。得られた偽造防
止用紙は蛍光灯照明下で観察しても該蛍光染料粒子の存
在が視認できなかったが、暗室内で紫外線(ブラックラ
イト)を照射すると黄色、赤色、青白色に発色する微細
な蛍光染料粒子を視認できた。
性)を内添した通常の上質紙を比較例として挙げる。
た偽造防止用紙と比較例の上質紙の表面に滴下し、有機
溶剤が蒸発してから滴下したところを室内の蛍光灯照明
下、及び室内の蛍光灯照明下で紫外線(ブラックライ
ト)を照射して観察した結果を表1に示す。なお、この
結果は自然光下や白熱電球による照明下でも同一の結果
が得られることを確認した。
かつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子そのものが多量に集
まると、通常の照明下で着色して見えるが、実施例のよ
うに用紙中に微量に分布させるとその存在が通常の照明
下では視認できなくなる(極めて多量に使用すると、そ
の染料独特の色相が淡く見えるようになる)。これは人
間の目の解像度の限界を超えた微細な染料粒子が少量存
在するためによる。しかしこれら実施例で得られた偽造
防止用紙に暗室で紫外線を照射するとその染料特有の蛍
光色を発するようになり、微細な粒子として視認でき
る。なお、実施例3で使用した水不溶性でかつ有機溶剤
可溶性の蛍光染料粒子そのものが多量に集まっても無色
であるが、実施例3の偽造防止用紙に、暗室で紫外線を
照射するとその染料特有の蛍光色を発するようになり、
微細な粒子として視認できる。
面に各種有機溶剤を滴下すると、有機溶剤の作用で用紙
に含まれている染料が溶出して、毛細管現象で周囲に拡
散する。溶剤が蒸発した後に滴下面を蛍光灯照明下で観
察すると、実施例1と2では、石油エーテルの滴下の場
合を除き用いた染料に起因する色相が視認できた。実施
例3では用いた染料が無色であるので滴下面が変化が無
いように見えた。実施例4では、斑点状で異なった色相
が視認できた。
(ブラックライト)を照射すると、実施例1,2は石油
エーテルの滴下の場合を除き、滴下面に相当する部分が
各染料独特の色相に蛍光発色して見えた。
を滴下した結果を示したがいずれの場合も何ら変化がな
かった。また、比較例の上質紙の場合も何ら変化は認め
られなかった。
紫外線を照射した結果であるが、白熱電球照明下や自然
光下、及び白熱電球照明下や自然光下で紫外線を照射し
た場合でも同一の結果が得られることを確認した。な
お、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料は以上述
べた他にも種々あり、有機溶剤への溶解性も異なってい
るので、偽造防止用紙に求められる性能に応じて種々使
い分ければよい。
に構成され、下記に述べるような顕著な効果を有する。 1)パスポート、トラベラーズチェック、小切手、手
形、身分証明書等は油溶性のインキを使用したボールペ
ンで文字を記載することが多いが、本発明の偽造防止用
紙はこのようなタイプの偽造防止印刷物の用途に好適に
利用することができ、有機溶剤による改竄の痕跡を明る
い室内でも紫外線の照射により容易に視認できるし、発
色することで改竄者が改竄を諦める効果もある。 2)また、スクライブ方式のくじ用紙(当たりはずれを
印刷し、この印刷面にアルミ粉印刷を施して隠蔽させ、
購入者がアルミ粉印刷部分を爪等でこすって除去して当
落を判定する方式)に好適に利用できる。即ち、くじが
販売される前の流通過程で、有機溶剤を使用してアルミ
粉印刷部を除去して当落を読みとり、当たりくじのみを
盗み、はずれくじに再びアルミ粉印刷を行うような犯罪
に対しても防止効果が大きい。 3)また、水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料は
種類が豊富であるので、例えばロットごとに該蛍光染料
の種類や添加量を変化させて用紙に添加しておき、必要
が生じたらどのロットの製品であるのか判断を下すこと
ができる用途にも本発明の偽造防止用紙は好適に使用で
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】 水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染
料粒子が用紙中に含まれていることを特徴とする偽造防
止用紙。 - 【請求項2】 前記蛍光染料粒子が用紙に含まれている
ことを通常の光源のもとでは視認することができないこ
とを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。 - 【請求項3】 紫外線の照射で異なった色相に発色する
前記蛍光染料粒子が用紙に含まれていることを特徴とす
る請求項1または2に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項4】 前記偽造防止用紙が少なくとも3層以上
の多層抄き合わせで形成されており、かつ内層のみに前
記水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍光染料粒子が含ま
れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
項に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項5】 前記水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍
光染料が用紙表面付近に存在していることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項6】 前記水不溶性でかつ有機溶剤可溶性の蛍
光染料が文字若しくは模様状で形成されていることを特
徴とする請求項5に記載の偽造防止用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29792298A JP3633316B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 偽造防止用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29792298A JP3633316B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 偽造防止用紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129596A true JP2000129596A (ja) | 2000-05-09 |
JP3633316B2 JP3633316B2 (ja) | 2005-03-30 |
Family
ID=17852834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29792298A Expired - Lifetime JP3633316B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 偽造防止用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3633316B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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