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JP2000112130A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物

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Publication number
JP2000112130A
JP2000112130A JP28003098A JP28003098A JP2000112130A JP 2000112130 A JP2000112130 A JP 2000112130A JP 28003098 A JP28003098 A JP 28003098A JP 28003098 A JP28003098 A JP 28003098A JP 2000112130 A JP2000112130 A JP 2000112130A
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photosensitive resin
polymer
resin composition
acid
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JP28003098A
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JP3841379B2 (ja
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Yasumasa Kawabe
保雅 河辺
Hajime Nakao
元 中尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 深紫外線、特にArFエキシマレーザー光に
対して、特に残膜率、レジストパターンプロファイル、
解像力、ドライエッチング耐性に優れ、しかも現像欠陥
の問題を生じないポジ型感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作
用により分解しアルカリ可溶性となる重合体、特定の構
造の低分子化合物、活性光線の照射により酸を発生する
化合物、含窒素塩基性化合物、フッ素系及び/またはシ
リコシ系界面活性剤、溶剤を含有するポジ型感光性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の半導体製
造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さ
らにその他のフォトファブリケーション工程に使用され
るポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。更に詳
しくは遠紫外線、X線、電子線等の短波長の光エネルギ
ー線を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いられる
ポジ型感光性樹脂組成物に関するものであり、特にAr
Fエキシマレーザを用いる半導体素子の微細加工に好適
に用いられるポジ型感光性樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は高集積化が進
み、LSIやVLSIが実用化されるとともに集積回路
の最小パターン幅はサブハーフミクロンの領域に至り、
さらに微細化が進んでいる。そのため、微細パターン形
成のためのフォトリソグラフィ技術に対する要求がます
ます厳しくなっている。パターンの微細化を図る手段の
一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される
露光光の短波長化が知られている。例えば64Mビット
までの集積度のDRAMの製造には、現在まで、高圧水
銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。
256MビットDRAMの量産プロセスには、i線に変
わりKrFエキシマレーザー(248nm)が露光光源と
して実用化され、更に1Gビット以上の集積度を持つD
RAMの製造を目的として、より短波長の光源が検討さ
れており、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2
エキシマレーザー(157nm)、X線、電子線の利用が
有効であると考えられている(上野巧ら、「短波長フォ
トレジスト材料-ULSIに向けた微細加工-」、ぶんし
ん出版、1988年)。
【0003】特にArFエキシマレーザーが次世代の露
光技術として位置づけられ、ArFエキシマレーザ露光
用の高感度、高解像力、且つドライエッチング耐性に優
れたレジストの開発が望まれている。従来のi線及びK
rFエキシマレーザー露光用のレジスト材料としては、
高いドライエッチング耐性を得るために、芳香族ポリマ
ーを含有するレジストが広く用いられており、例えばノ
ボラック樹脂系レジストあるいはポリビニルフェノール
系の化学増幅型レジストが知られている。しかしなが
ら、ドライエッチング耐性を付与する目的で導入された
芳香環はArFエキシマレーザー光の波長域でほとんど
光を通さないために、レジスト膜の底部にまで露光する
ことが困難であり、従来のレジストでは断面形状の良好
なパターンが得られなかった。
【0004】レジストの透明性の問題点の解決策の一つ
として芳香環を全く含まない脂肪族ポリマー、例えばポ
リメチルメタクリレートを用いればよいことが知られて
いる(J.Vac.Sci. Technol.,B9,3357(1991))。しかしな
がら、このようなポリマーは、十分なドライエッチング
耐性が望めないことから実用できない。このようにAr
Fエキシマレーザー露光用のレジスト材料の開発に当た
っては、透明性の向上と高いドライエッチング耐性を両
立させることが最大の課題とされている。そこで、芳香
環の代わりに脂環式炭化水素基を含有するレジストが芳
香族基と同様のドライエッチング耐性を示し、且つ19
3nmの吸収が小さいことがProc. SPIE,1672,66(1992)
で報告され、近年同ポリマーの利用が精力的に研究され
るようになった。
【0005】元来、脂環式炭化水素基を含有するポリマ
ーをレジストに応用する試みは古くからなされ、例えば
特開昭60-195542号、特開平1-217453号、特開平2-59751
号ではノルボルネン系のポリマーが開示されており、特
開平2-146045号には環状脂肪族炭化水素骨格と無水マレ
イン酸単位を有するアルカリ可溶性樹脂が種々開示され
ている。さらに、特開平5-80515号ではノルボルネンと
酸分解基で保護されたアクリル酸系エステルの共重合体
が開示され、特開平4-39665号、特開平5-265212号、特
開平5-80515、特開平7-234511号では側鎖にアダマンタ
ン骨格を有する共重合体が開示され、特開平7-252324
号、特開平9-221526号では、有橋環式炭化水素基を有す
る炭素数7〜12の脂肪族環式炭化水素基がポリマーの側
鎖に連結した化合物、例えば、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカンジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.02,6]
デカンジイル基、ノルボルナンジイル基、ノルボルナン
ジメチル基、アダマンタンジイル基、が開示され、特開
平7-199467号にはトリシクロデカニル基、ジシクロペン
テニル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基、ノルボ
ニル基、シクロヘキシル基がポリマーの側鎖に連結した
化合物が開示されている。
【0006】さらに特開平9-325498号にはシクロヘキサ
ン及びイソボルニル骨格を主鎖に有する重合体が開示さ
れ、さらに特開平9-230595号、特開平9-244247号、特開
平10-10739号、WO97-33198、EP794458、EP789278
号にはジシクロオレフィン等の各種環状オレフィン類が
主鎖に導入された重合体が開示され、特開平8-82925
号、特開平9-230597号にはテルペノイド骨格の内、メン
チル基又はメンチル誘導体基を有する化合物が好ましい
ことが開示されている。
【0007】また、低分子の溶解阻止剤を添加すること
で解像力を高める工夫がなされている。特開平8-15865
号にはアンドロスタンのt−ブチルエステルの溶解阻止
剤が開示され、特開平9-265177号にはノルボルニル基、
アダマンチル基、デカニル基、またはシクロヘキシル基
に酸分解基が連結された低分子の溶解阻止剤が開示され
ている。さらに、Proc.SPIE 3049,84,(1997)には、リト
コール酸のt-ブチルエステルオリゴマーを溶解阻止剤と
して用いることで、密着性、コントラストが改良できる
ことが報告されている。
【0008】さらに、従来の芳香族系のポリマーを用い
たKrF用ポジ型化学増幅系レジストでは、例えばProoc.S
PIE 1672,46,(1992)、Prooc.SPIE 2438,551,(1995)、P
rooc.SPIE ,2438,563(1995)、Prooc.SPIE 1925,14,(199
3)、J.Photopolym.Sci.Tech.Vol.8.No.4,535(1995)、J.
Photopolym.Sci.Tech.Vol.5.No.1,207(1992)、J.Photop
olym.Sci.Tech.Vol.8.No.4,561(1995)、Jpn.J.Appl.Phy
s.33,7023(1994)等に報告されているように、露光から
熱処理(PEB)までの放置時間が長くなるに従い、発生し
た酸が拡散したり、また、雰囲気中の塩基性不純物によ
りレジスト表面部の酸が失活してしまい、感度や現像後
のレジストパターンのプロファイルや線幅が変化してし
まうという問題があった。これらを解決する手段とし
て、芳香族系のポリマーを用いた化学増幅系レジストに
アミンを添加する技術が、特開昭63-149640号、特開平5
-249662号、特開平5-127369号、特開平5-289322号、特
開平5-249683号、特開平5-289340号、特開平5-232706
号、特開平5-257282号、特開平6-242605号、特開平6-24
2606号、特開平6-266100号、特開平6-266110号、特開平
6-317902号、特開平7-120929号、特開平7-146558号、特
開平7-319163号、特開平7-508840号、特開平7-333844
号、特開平7-219217号、特開平7-92678号、特開平7-282
47号、特開平8-22120号、特開平8-110638号、特開平8-1
23030号、特開平9-274312号、特開平9-166871号、特開
平9-292708号、特開平9-325496号、特表平7-508840号、
USP5525453号、USP5629134号、USP5667938号等に多く開
示されており公知である。しかしながらこれらのアミン
を環状脂肪族炭化水素骨格構造を有する非芳香族系のポ
リマーを用いたArF用の化学増幅系レジストに添加す
ると確かに、芳香族系のポリマーを用いた場合と同様、
感度変化や現像後のレジストパターンのプロファイル変
化や線幅変化に対して効果があるものの、現像欠陥が極
めて劣る結果となりその対策が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題点を鑑みてなされたものであり、深紫外線、特に
ArFエキシマレーザー光に対して、特に残膜率、レジス
トパターンプロファイル、解像力、ドライエッチング耐
性に優れ、しかも現像欠陥の問題を生じないポジ型感光
性樹脂組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポジ型化
学増幅系レジスト組成物の構成材料を検討した結果、脂
環式炭化水素骨格構造単位を含む重合体、特定の低分子
化合物、光酸発生剤、含窒素塩基性化合物、フッ素系及
び/又はシリコン系界面活性剤、及び溶剤を用いること
によって上記目的が達成されることを知り本発明に至っ
た。即ち、本発明の構成を下記に示す。 (1)(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作用
により分解しアルカリ可溶性となる重合体、(B)下記
一般式(I)で表される化合物、(C)活性光線の照射
により酸を発生する化合物、(D)含窒素塩基性化合
物、(E)フッ素系及び/またはシリコシ系界面活性
剤、並びに(F)溶剤を含有することを特徴とするポジ
型感光性樹脂組成物。
【0011】
【化2】
【0012】(一般式(I)において、R1、R2は各々
独立にアルキル基を表し、また、R1とR2とが互いに結
合して、炭素原子とともに環構造を形成していてもよ
い。R3、R4は、各々独立に、水素原子又は水酸基を表
す。nは繰り返し数であって、1から5の整数を表
す。) (2) 活性光線として、220nm以下の波長の遠紫
外光を使用することを特徴とする上記(1)に記載のポ
ジ型感光性樹脂組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に使用する化合物に
ついて詳細に説明する。まず、本発明における(A)環状
脂肪族炭化水素骨格構造を有する、酸の作用により分解
しアルカリ可溶性となる重合体としては、従来知られて
いるものを用いることができるが、その重合体の具体例
としては、例えば下記(a-1)〜(a-15)で表されるような
主鎖に環状脂肪族炭化水素骨格単位を有し、酸の作用に
より分解する基(酸分解性基ともいう)を有する重合体
や、側鎖に環状脂肪族炭化水素骨格を有する下記(b-1)
〜(b-8)で表される繰り返し単位と、酸分解性基を有す
る重合体を挙げることができる。また、下記(a-1)〜(a-
15)、(b-1)〜(b-8)で表される構造単位等の環状脂肪族
炭化水素骨格構造を有する構造単位は、本発明の関わる
重合体には必須であるが、下記(c-1)〜(c-4)で表される
構造単位を共重合成分として含んでもよい。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】前記(a-1)〜(a-15)、(b-1)〜(b-8)で表さ
れる構造単位において、A、Bは各々独立に水素原子、
水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、炭
素数が1〜10個の置換もしくは非置換の、アルキル基、
アルコキシ基又はアルケニル基を表し、AとBとが結合
して環を形成してもよい。X、Yは、各々独立に酸の作
用により分解する基を表す。前記式(b-1)〜(b-8)、(c-
1)〜(c-4)においてRは水素原子、メチル基等の炭素数
1〜3個のアルキル基を表す。Z1は水素原子、炭素数
が1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、アルコキ
シカルボニル基もしくは酸の作用により分解する基を表
す。
【0018】上記において、アルコキシカルボニル基と
しては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。炭素数が1
〜10個のアルキル基としては、置換されていてもよい、
直鎖、分岐あるいは環状アルキル基が挙げられ、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエ
チル基等が挙げられる。炭素数が1〜10個のアルコキシ
基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ
基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基
等が挙げられる。炭素数が2〜10個のアルケニル基とし
ては、アリル基、ビニル基、2−プロペニル基等が挙げ
られる。AとBとが結合して形成する環としては、Aと
Bが結合して −C(=O)−O−C(=O)−、−C(=O)−NH
−C(=O)−、−CH2 −C(=O)−O−C(=
O)−、 等を形成して環となったものが挙げられる。
【0019】酸の作用により分解する基としては、−
(CH2n −COORa基もしくは−(CH2n−O
CORb基が挙げられる。ここでRaは、炭素数2〜2
0個の炭化水素基を表し、その炭化水素基としては、t
−ブチル基、ノルボルニル基、シクロデカニル基等が挙
げられる。Rbとしては、テトラヒドロフラニル基、テ
トラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、イソプロピ
ルエチル基等のアルコキシエチル基、ラクトン基、又は
シクロヘキシロキシエチル基を表す。nは0又は1を表
す。
【0020】上記各基における更なる置換基としては、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0021】上記式(a−1)〜(a−6)で示される
構造単位からなる重合体(A)は、例えば環状オレフィ
ン類をメタセシス触媒の存在下、有機溶媒中、あるいは
非有機溶媒中で開環重合し、引き続き水素化することに
よって得られる。開環(共)重合は、例えばW.L.Truett
ら;J.Am.Chem.Soc.,82,2337(1960)、A.Pacreau;Macromo
l.Chem.,188,2585(1987)、特開昭51-31800号、特開平1-
197460号、特開平2-42094号、EP−0789278号等に記載の
合成方法により容易に重合できる。ここで用いられるメ
タセシス触媒としては、例えば高分子学会編:高分子の
合成と反応(1),共立出版p375-381(1992)、特開昭49-779
99号に記載の化合物、具体的にはタングステン及び/又
はモリブデン系などの遷移金属のハロゲン化合物と有機
アルミニウム化合物又はこれらと第三成分とからなる触
媒系を挙げることができる。
【0022】上記タングステン及びモリブデン化合物の
具体例としては、五塩化モリブデン、六塩化タングステ
ン及びタングステンオキシテトラクロライドが挙げら
れ、有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、
ジ−n−ブチルアルミニウムモノクロライド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムモ
ノブトオキサイド及びトリエチルアルミニウム−水(モ
ル比1:0.5)が挙げられる。開環重合をおこなうに
あたり、上記タングステン又はモリブデン化合物1モル
に対する有機アルミニウム化合物の使用割合は0.5モ
ル以上が好ましい。触媒の重合活性等を向上させるため
の第三成分としては、水、過酸化水素、酸素含有有機化
合物、チッソ含有有機化合物、ハロゲン含有有機化合
物、リン含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、金属含
有有機化合物が挙げられ、タングステン又はモリブデン
化合物1モルに対して5モル以下の割合で併用される。単
量体に対する触媒の使用割合は、それらの種類にもよる
が通常、単量体100モルに対して0.1〜20モルの
割合で使用される。
【0023】開環(共)重合における重合温度は−40℃
〜+150℃が好ましく、不活性ガス雰囲気中で行うの
が望ましい。使用される溶媒としては、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロ
ペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチ
レン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチ
レン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−ク
ロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル系化合物が挙げられる。
【0024】このような開環(共)重合により得られた重
合体を水素化することにより、本発明に用いられる重合
体(A)が得られる。水素化反応において用いられる触
媒は通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いら
れている不均一触媒あるいは均一触媒を使用することが
できる。不均一触媒としては、例えばパラジウム、白
金、ニッケル、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属触媒
をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に
担持させた固体触媒などが挙げられる。また均一触媒と
しては、例えばナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミ
ニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルア
ルミニウム、オクテン酸コバルト/n-ブチルリチウム、
チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロ
リド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホス
フィン)ロジウムなどのロジウム触媒を挙げることがで
きる。これらの触媒のうち、不均一触媒は、反応活性が
高く、反応後の触媒除去も容易であり、得られる重合体
が着色しないので好都合である。
【0025】水素化反応は、常圧〜300気圧、好まし
くは3〜200気圧の水素ガス雰囲気下において、0〜
200℃、好ましくは20〜180℃で行うことができ
る。水素添加率は通常50%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上である。水素添加率が
50%未満の場合には、レジストの熱安定性や経時安定
性を悪化させるので好ましくない。
【0026】上記式(a−7)〜(a−15)で示され
る構造単位からなる重合体は、例えばフリーラジカル重
合開始剤の有効量の存在下に、環状脂肪族炭化水素モノ
マーのラジカル(共)重合により合成できる。具体的に
は、J.Macromol.Sci.Chem.A-5(3)491(1971)、同A-5(8)1
339(1971)、Polym.Lett.Vol.2,469(1964)、USP3143533
号、USP3261815号、USP3510461号、USP3793501号、USP3
703501号、特開平2-146045号記載の方法により合成でき
る。ラジカル(共)重合に用いられる好ましい開始剤は
2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)や
過酸化ベンゾイル,過酸化ジクミル等を挙げることがで
きる。開始剤の濃度は、単量体の総重量に対して、通常
0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%で
ある。重合温度は広範囲に変えられ、通常室温〜250
℃の範囲、好ましくは40〜200℃の範囲、さらに好
ましくは60〜160℃の範囲で重合が行われる。
【0027】重合もしくは共重合は、有機溶剤中で行な
うのが好ましい。所定の温度で単量体を溶解し、また生
成重合体をも溶解する溶剤が好ましい。好ましい溶剤は
共重合する単量体の種類によっても変わるが、例えばト
ルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル等の脂肪族;
芳香族エステル類;テトラヒドロフラン等の脂肪族エー
テル類を挙げることができる。所定時間反応後、得られ
た重合体と未反応の単量体成分、溶剤等を分離する目的
で減圧蒸留、精製を行うのが好ましい。
【0028】(b−1)〜(b−8)の構造単位を有す
る重合体、あるいは共重合成分(c−1)〜(c−4)
を含むものは、フリーラジカル開始剤の有効量存在下で
ラジカル(共)重合により合成できる。重合体(A)
中、環状脂肪族炭化水素骨格を有する構造単位の含有量
は、全構造単位の10モル%以上が好ましく、より好ま
しくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上
である。また、重合体(A)中、酸分解性基を有する構
造単位の含有量は、全構造単位の10〜90モル%であ
り、好ましくは15〜85モル%、更に好ましくは20
〜80モル%である。また、本発明に用いられる重合体
中、(c−1)〜(c−4)で表される単位等の他の共
重合成分の含有量は全単量体の繰り返し単位中3〜60
モル%が好ましく、より好ましくは5〜55モル%、更に
好ましくは10〜50モル%である。
【0029】重合体(A)は、重量平均分子量が150
0〜100000の範囲にあることが好ましく、さらに
好ましくは2000〜70000の範囲、特に好ましく
は3000〜50000の範囲である。分子量が150
0未満ではドライエッチング耐性、耐熱性、基板との密
着性が不十分であり、分子量が100000を越えると
レジスト感度が低下するため好ましくない。また、分子
量分布(Mw/Mn)は好ましくは1.0〜6.0、よ
り好ましくは1.0〜4.0であり小さいほど耐熱性、
画像性能(レジストプロファイル、デフォーカスラチチ
ュード等)が良好となる。なお、重合体(A)の重量平
均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)は、屈折率検知
器をつけたゲルパーミエーションクロマトグラフィー
で、ポリスチレン換算値として測定される。本発明のポ
ジ型感光性樹脂組成物において、重合体(A)の含有量
は、固形分換算で70〜99重量%の範囲が好ましい。
重合体(A)のうち2種類以上をブレンドすることもで
きる。また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物におい
て、重合体(A)以外に、必要により他のポリマーを含
有することができる。他のポリマーの含有量は、重合体
(A)100重量部あたり、好ましくは20重量部以
下、さらに好ましくは10重量部以下、特に好ましくは
5重量部以下である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物
が含有することができる上記他のポリマーとして、本発
明の重合体(A)と相溶するものであればよく、ポリp
−ヒドロキシエチレン、水素化ポリp−ヒドロキシエチ
レン、ノボラック樹脂等を挙げることができる。
【0030】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に含
有される(B)低分子化合物について説明する。R1
2のアルキル基としては、置換されていてもよい、直
鎖、分岐あるいは環状アルキル基が挙げられ、具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエ
チル基等が挙げられる。R1とR2とが互いに結合して、
炭素原子とともに形成する環構造としては、脂環式環が
好ましく、具体的には、シクロプロパン環、シクロブタ
ン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、デカヒド
ロナフタレン環等が挙げられ、これらは置換基を有して
してもよく、その置換基としては、上記アルキル基、水
酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。R3、R4として
は、水酸基が好ましい。一般式(I)で示される化合物
の具体例としては下記(I−1)〜(I−5)を挙げる
ことができる。しかし、本発明の内容がこれらに限定さ
れるものではない。
【0031】
【化6】
【0032】これらの化合物は例えば,M.Yamashitaら;
Agric.Biol.Chem.48(7),1841(1984)に記載の方法で合成
することができる。また市販試薬を用いてもよい。これ
らの低分子化合物は単独でまたは2種以上の組み合わせ
で使用することができる。本発明の感光性樹脂組成物中
の低分子化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の全重量
(固形分)を基準として、通常1〜50重量%の範囲で用いら
れ、好ましくは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%
の範囲で用いられる。本発明の低分子化合物を添加する
と、現像欠陥がさらに改良され、且つ耐ドライエッチン
グ性、解像力が改良される。
【0033】次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物に
含有される(C)活性光線の照射により分解して酸を発生
する化合物(以下、「(C)光酸発生剤」ともいう)につ
いて説明する。本発明で使用される(C)光酸発生剤の
例としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重
合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又は紫外
線、遠紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシ
マレーザー光、電子線、X線、分子線、イオンビームな
どにより酸を発生するマイクロフォトレジストで公知の
光酸発生剤及びそれらの混合物を適宜に選択して使用す
ることができる。なお、本発明においては、活性光線
は、上記した如く放射線を包含する広い概念で用いられ
る。
【0034】(C)光酸発生剤は、本発明のポジ型感光
性樹脂組成物に用いられる後述の有機溶剤に溶解するも
のであれば特に制限されないが、220nm以下の光で
酸を発生する光酸発生剤であることが好ましい。また、
単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いてもよく、
適当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
【0035】使用可能な(C)光酸発生剤の例として
は、例えばJ.Org.Chem.Vol.43,N0.15,3055(1978)に記載
のトリフェニルスルホニウム塩誘導体及び特願平9-2790
71号に記載の他のオニウム塩(スルホニウム塩、ヨード
ニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニ
ウム塩)も用いることができる。オニウム塩の具体例と
しては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェ
ニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨー
ドニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニル
スルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホ
ニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニ
ユムカンファースルホニウム、(4−メトキシフェニ
ル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネ
ート、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフ
ルオロメタンスルホネート等を挙げることができる。
【0036】また、特開平3-103854号、特開平3-103856
号、特開平4-1210960号で示されるジアゾジスルホン類
やジアゾケトスルホン類、特開昭64-18143号、特開平2-
245756号に記載のイミノスルホネート類、特開平2-7127
0号に記載のジスルホン類も好適に用いることができ
る。更に、USP3849137号、特開昭63-26653号、特開昭62
-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号、特
開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の光によ
り酸を発生する基をポリマーの主鎖もしくは側鎖に導入
した化合物も用いることができ、特開平7-25846号、特
開平7-28237号、特開平7-92675号、特開平8-27120号記
載の2−オキソシクロヘキシル基を有する脂肪族アルキ
ルスルホニウム塩類、及びN−ヒドロキシスクシンイミ
ドスルホネート類、さらにはJ.Photopolym.Sci.,Tech.,
Vol.7,No.3,423(1994)に記載のスルホニウム塩なども好
適に用いることができ、単独でもしくは2種以上の組み
合わせで用いられる。
【0037】これらの(C)活性光線の照射により分解
して酸を発生する化合物の含有量は、感光性樹脂組成物
の全重量(固形分)を基準として、通常0.001〜40
重量%、好ましくは0.01〜20重量%、更に好まし
くは0.1〜5重量%である。(C)光酸発生剤の量が
0.001重量%より少ないと感度が低くなり、40重
量%より多いとレジストの光吸収が高くなりすぎプロフ
ァイルの劣化やプロセスマージン、特にベークマージン
が狭くなり好ましくない。
【0038】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に含
有される(D)含窒素塩基性化合物について説明する。
(D)含窒素塩基性化合物としては、有機アミン、塩基
性のアンモニウム塩、スルホニウム塩などが用いられ、
昇華やレジスト性能を劣化させないものであればよい。
例えば特開昭63-149640号、特開平5-249662号、特開平5
-127369号、特開平5-289322号、特開平5-249683号、特
開平5-289340号、特開平5-232706号、特開平5-257282
号、特開平6-242605号、特開平6-242606号、特開平6-26
6100号、特開平6-266110号、特開平6-317902号、特開平
7-120929号、特開平7-146558号、特開平7-319163号、特
開平7-508840号、特開平7-333844号、特開平7-219217
号、特開平7-92678号、特開平7-28247号、特開平8-2212
0号、特開平8-110638号、特開平8-123030号、特開平9-2
74312号、特開平9-166871号、特開平9-292708号、特開
平9-325496号、特表平7-508840号、USP5525453号、USP5
629134号、USP5667938号等に記載の塩基性化合物を用い
ることができる。
【0039】特に好ましくは、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリ
ジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレ
ンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン
類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、ピリジニウムp−トルエンスルホナート、2,4,
6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホナー
ト、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナー
ト、及びテトラブチルアンモニウムラクテート等が挙げ
られる。(D)含窒素塩基性化合物は、1種単独である
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】含窒素塩基性化合物の含有量は、感光性樹
脂組成物(固形分)100重量部に対し、通常、0.0
01〜0.5重量部である。0.001重量部未満では
本発明の添加効果が十分得られない。一方、0.5重量
部を越えると感度の低下や非露光部の現像性が著しく悪
化する傾向がある。これらの含窒素塩基性化合物は、単
独で用いても良いし、2種以上混合して用いることもで
きる。
【0041】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に含
有される(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性
剤について説明する。本発明の感光性樹脂組成物には、
フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素
原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれ
か、あるいはそれら2種以上を含有することができる。
これらの(E)界面活性剤として、例えば特開昭62-366
63号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭
62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、
特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号記
載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活
性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の
界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、
(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリ
ーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F18
9、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、
SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等
のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げ
ることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341
(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤とし
て用いることができる。(E)界面活性剤の配合量は、
本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、0.0
03〜0.10重量部が好ましい。
【0042】本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必
要に応じて、さらに現像液に対する溶解促進性化合物、
ハレーション防止剤、可塑剤、上記以外の界面活性剤、
光増感剤、接着助剤、架橋剤、光塩基発生剤等を含有す
ることができる。
【0043】本発明で使用できる現像液に対する溶解促
進性化合物の例としては、例えば特開平3-206458号記載
のフェノール性水酸基を2個以上含有する化合物、1−
ナフトールなどのナフトール類又はカルボキシル基を1
個以上有する化合物、カルボン酸無水物、スルホンアミ
ド化合物やスルホニルイミド化合物などの分子量100
0以下の低分子化合物等を挙げることができる。これら
の溶解促進性化合物の配合量としては、組成物全重量
(固形分)に対して、好ましくは30重量%以下、より好
ましくは20重量%以下である。
【0044】好適なハレーション防止剤としては、照射
する放射線を効率よく吸収する化合物が好ましく、フル
オレン、9−フルオレノン、ベンゾフェノンのような置
換ベンゼン類;アントラセン、アントラセン−9−メタ
ノール、アントラセン−9−カルボキシエチル、フェナ
ントレン、ペリレン、アジレンのような多環式芳香族化
合物などが挙げられる。なかでも、多環式芳香族化合物
が特に好ましい。これらのハレーション防止剤は基板か
らの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を
少なくさせることで、定在波改良の効果を発現する。
【0045】本発明の感光性樹脂組成物の塗布性を改良
したり、現像性を改良する目的で、ノニオン系界面活性
剤を併用することができる。併用できるノニオン系界面
活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラ
ウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノラウレート等が挙げられる。
【0046】また露光による酸発生率を向上させるため
に、光増感剤を添加することができる。好適な光増感剤
として、ベンゾフェノン、p,p'−テトラメチルジアミ
ノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アント
ロン、9−エトキシアントラセン、ピレン、フェノチア
ジン、ベンジル、ベンゾフラビン、アセトフェノン、フ
ェナントレン、ベンゾキノン、アントラキノン、1,2
−ナフトキノン等を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。これらの光増感剤は前記ハレー
ション防止剤としても使用可能である。
【0047】本発明の感光性樹脂組成物は、上記各成分
を溶解する溶剤(F)に溶解した後、通常例えば孔径
0.05μm〜0.2μm程度のフィルターで濾過する
ことによって溶液として調製される。ここで使用される
溶剤(F)としては、例えばエチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプ
タノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプ
ロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸
エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸
エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシ
レン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N
−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、
γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドな
どが挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは組み合わ
せて用いられる。溶媒の選択は、本発明の感光性樹脂組
成物に対する溶解性や基板への塗布性、保存安定性等に
影響するため重要である。また溶媒に含まれる水分はこ
れらの性能に影響するため、少ない方が好ましい。
【0048】さらに本発明の感光性樹脂組成物は、メタ
ル等の金属不純物やクロルイオンなどの不純物成分を1
00ppb以下に低減しておくことが好ましい。これら
の不純物が多く存在すると、半導体デバイスを製造する
上で動作不良、欠陥、収率低下を招いたりするので好ま
しくない。
【0049】本発明の感光性樹脂組成物を基板上にスピ
ナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、プリ
ベーク(露光前加熱)し、所定のマスクを通して220
nm以下の波長の露光光で露光し、PEB(露光後ベー
ク)を行い現像することにより良好なレジストパターン
を得ることができる。ここで用いられる基板としては半
導体装置その他の製造装置において通常用いられる基板
であればよく、例えばシリコン基板、ガラス基板、非磁
性セラミックス基板などが挙げられる。また、これらの
基板上にさらに必要に応じて追加の層、例えばシリコン
酸化物層、配線用金属層、層間絶縁膜、磁性膜、反射防
止膜層などが存在してもよく、また各種の配線、回路な
どが作り込まれていてもよい。さらにまた、これらの基
板はレジスト膜の密着性を高めるために、常法に従って
疎水化処理されていてもよい。適当な疎水化処理剤とし
ては、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジ
シラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0050】基板上に塗布されるレジスト膜厚は、約
0.1〜10μmの範囲が好ましく、ArF露光の場合
は、約0.1〜1.5μm厚が推奨される。 基板上に
塗布されたレジスト膜は、約60〜160℃の温度で約
30〜300秒間プリベークするのが好ましい。プリベ
ークの温度が低く、時間が短かければレジスト膜中の残
留溶剤が相対的に多くなり、密着性が劣化するなどの弊
害を生じるので好ましくない。また、逆にプリベークの
温度が高く、時間が長ければ、感光性樹脂組成物のバイ
ンダー、光酸発生剤などの構成成分が分解するなどの弊
害が生じるので好ましくない。
【0051】プリベーク後のレジスト膜を露光する装置
としては市販の紫外線露光装置、X線露光装置、電子ビ
ーム露光装置、KrFエキシマ露光装置、ArFエキシ
マ露光装置、F2エキシマ露光装置等が用いられ、特に
本発明ではArFエキシマレーザーを露光光源とする装
置が好ましい。露光後ベークは酸を触媒とする保護基の
脱離を生じさせる目的や定在波を消失させる目的、酸発
生剤などを膜中に拡散させる目的等で行われる。この露
光後ベークは先のプリベークと同様にして行うことがで
きる。例えば、ベーキング温度は約60〜160℃、好
ましくは約90〜150℃である。
【0052】本発明の感光性樹脂組成物の現像液として
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ
類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン
類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第2ア
ミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の
第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアルコールアミン類、水酸化テトラメチ
ルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアン
モニウム(TEAH)、トリメチルヒドロキシメチルア
ンモニウムヒドロキシド、トリエチルヒドロキシメチル
アンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム
塩、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ−[4.3.0]−5−ノナン等の環状アミン類等
のアルカリ水溶液を使用することができる。
【0053】更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール
類やケトン類などの親水性の有機溶剤やノニオン系や陰
イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤や消泡剤
等を適当量添加しても使用することができる。これらの
添加剤は、レジストの性能を向上させる目的以外にも基
板との密着性を高めたり、現像液の使用量を低減させた
り、現像時の気泡に起因する欠陥を低減させる目的等で
アルカリ性水溶液に添加される。
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明がこれにより限定されるものではない。
【0055】合成例1(重合体Aの合成) 特開平9−244247号公報、第4例に記載のノルボ
ルネン誘導体の開環重合体の水素化物(繰り返し構造単
位を下記する)を、EP0789278号明細書記載の
方法に従って合成した。(重量平均分子量22000)
【0056】
【化7】
【0057】合成例2(重合体Bの合成) 特開平9−244247号公報、第1例に記載のノルボ
ルネン誘導体の開環重合体の水素化物(繰り返し構造単
位を下記する)をEP0789278号明細書記載の方
法に従って合成した。(重量平均分子量17000)
【0058】
【化8】
【0059】合成例3(重合体Cの合成) ノルボルネン、無水マレイン酸、アクリル酸t−ブチル
及びアクリル酸の共重合体(繰り返し構造単位を下記す
る)を特開平10−10739号公報、第7例に記載の
方法に従って合成した。(重量平均分子量17000、
各繰り返し単位のモル比50/25/25)
【0060】
【化9】
【0061】合成例4(重合体Dの合成) メタクリル酸アダマンチルとアクリル酸t−ブチルの共
重合体(繰り返し構造単位を下記する)を特開平7−23
4511号公報、第1例に記載の方法に従って合成し
た。(重量平均分子量5000、各繰り返し単位のモル
比58/42)
【0062】
【化10】
【0063】合成例5(低分子化合物aの合成):比較例
用 コール酸122.7g(0.3モル)とチオニルクロラ
イド120mlの混合物を1時間還流した。過剰のチオ
ニルクロリドを除去し、得られた固体をテトラヒドロフ
ラン150mlに溶かし、カリウム−t−ブシトキシド
40g(0.35モル)を徐々に加え、反応混合物を6
時間還流した後、冷却し、水中に注いだ。得られた固体
を濾過して集め、水で洗い減圧下で乾燥した。この粗製
物をn−ヘキサンで再結晶し70%の収率でコール酸−
t−ブチルを得た。
【0064】
【化11】
【0065】実施例1〜4、比較例1〜4 (感光性樹脂組成物の調整)以下のように感光性樹脂成分
を調製した。感光性樹脂成分の調製では、表−1に記載
した成分、即ち、合成例1〜4で合成した重合体A、
B、C、Dを用い、光酸発生剤としてトリフェニルスル
ホニウムトリフレート(PAG−1)を用いた。また、低
分子化合物としては次の通りである。実施例1〜4で
は、低分子化合物の例としてI−1を用いた。比較例4
では、合成例5で合成した低分子化合物aを用いた。そ
の他、含窒素塩基性化合物、界面活性剤、及び溶剤の各
成分を用いた。表−1で点線が付されているものは、そ
の成分を用いなかったことを意味する。各成分を混合
後、0.1μmのテフロンフィルターにより濾過して感
光性樹脂組成物を調製した。
【0066】用いられた場合の各成分の量は、下記の通
りである。 重合体A、B、C、D 9.0g 光酸発生剤 0.10g 低分子化合物 1.0g 含窒素塩基性化合物 0.01g 界面活性剤 0.003g 溶剤 55.12g このように調製された感光性樹脂組成物につき、下記方
法により現像欠陥数、レジストの画像性能、ドライエッ
チング耐性を評価した。現像欠陥の評価結果を表2に、
画像性能の評価結果を表3に、ドライエッチング耐性の
評価結果を表4に示した。
【0067】(現像欠陥の評価方法) 現像欠陥数−I 感光性樹脂組成物をスピンコーターによりヘキサメチル
ジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布
し、140℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を
行い、0.50μmのレジスト膜を形成させた。このレ
ジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザ
ー光で露光し、露光後直ぐに140℃で90秒間ホット
プレート上で加熱した。更に2.38%のテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現
像し、30秒間純水にてリンスした後乾燥した。このよ
うにして得られたパターンの形成されたサンプルをKL
Aテンコール(株)製KLA2112機により現像欠陥数
を測定した(Threshold12 ,Pixcel Size=0.39)。 現像欠陥数−II 上記現像欠陥数−Iにおいて、露光しない以外は、加
熱、現像、リンス、乾燥したサンプルについて同様に行
い現像欠陥数を測定した。
【0068】(画像評価法)上記現像欠陥数−Iと同様
に、0.50μmのレジスト膜を形成し、この膜につい
て、露光、加熱、現像、リンス、乾燥した。その後、膜
厚を膜厚計により測定し、残膜率〔(処理後の膜厚/処
理前の膜厚)×100〕を算出した。さらに、形成され
た0.20μmラインパターンを走査型電子顕微鏡で観
察し、プロファイルを調べた。矩形な形状をしているも
のを○で表し、そうでないものを△で表した。解像力は
0.20μmのマスクパターンを再現する露光量におけ
る限界解像力を示す。
【0069】(耐ドライエッチング性の測定)表−1にお
ける実施例の本発明の感光性組成物を孔径0.1μmの
テフロンフィルターにより濾過した。スピンコーターに
てシリコン基板上に均一に塗布し、130℃で90秒間
ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.70μmのレ
ジスト膜を形成させた。得られた膜をULVAC製リア
クティブイオンエッチング装置(CSE−1110)を
用いて、CF4/O2(8/2)のガスに対するエッチン
グ速度を測定した。その結果を下記表4に示す。 表−1ポジ型感光性樹脂組成物の処方
【0070】
【表1】
【0071】PAG‐1:トリフェニルスルホニウムト
リフレート N−1:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−
ノネン N−2:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセン N−3:1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ン W−1:メガファックF176(大日本インキ(株)
製) W−2:メガファックR08(大日本インキ(株)製) S−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート S−2:乳酸エチル 低分子化合物I−1はAldrich社から購入したものをそ
のまま用いた。
【0072】表−2現像欠陥数測定結果
【表2】
【0073】表−3レジストの画像性能
【0074】
【表3】
【0075】表−4レジストの耐ドライエッチング速度
測定桔果
【0076】
【表4】
【0077】表2の結果から明らかなように、本発明の
感光性樹脂組成物は、いづれも現像欠陥が極めて少なか
った 。一方比較例1,2,3は現像欠陥が劣ってい
た。また、比較例4は、現像欠陥−IIが劣っていた。表
3の結果から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成
物は、いづれも解像力、プロファイルが極めて優れてい
た。一方、低分子化合物を含有しない比較例1,2は解
像力,プロファイルが劣っていた。表4の結果から明ら
かなように、本発明の感光性樹脂組成物は、いづれもド
ライエッチング耐性が優れていた。一方、本発明以外の
酸分解性溶解阻止剤を用いた比較例4は、本発明の感光
性樹脂組成物に比較しドライエッチング耐性が劣ってい
た。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、上記いずれ
の評価においても、全て優れた結果を示した。
【0078】
【発明の効果】以上示したことから明らかな様に、本発
明のポジ型感光性樹脂組成物は、現像欠陥が極めて少な
く、特にArFエキシマレーザー光を露光光源とする場
合、良好なパターンプロファイルと解像力を示す。しか
も耐ドライエッチング性にも優れるため半導体素子製造
に必要な微細パターンの形成に有効に用いることが可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA02 AA04 AA09 AB16 AB17 AC01 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CC03 CC04 CC20 FA03 FA12 FA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸
    の作用により分解しアルカリ可溶性となる重合体、
    (B)下記一般式(I)で表される化合物、(C)活性
    光線の照射により酸を発生する化合物、(D)含窒素塩
    基性化合物、(E)フッ素系及び/またはシリコシ系界
    面活性剤、並びに(F)溶剤を含有することを特徴とす
    るポジ型感光性樹脂組成物。 【化1】 (一般式(I)において、R1、R2は各々独立にアルキ
    ル基を表し、また、R1とR2とが互いに結合して、炭素
    原子とともに環構造を形成していてもよい。R3、R
    4は、各々独立に、水素原子又は水酸基を表す。nは繰
    り返し数であって、1から5の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 活性光線として、220nm以下の波長
    の遠紫外光を使用することを特徴とする請求項1に記載
    のポジ型感光性樹脂組成物。
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