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JP2002072481A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002072481A
JP2002072481A JP2000265557A JP2000265557A JP2002072481A JP 2002072481 A JP2002072481 A JP 2002072481A JP 2000265557 A JP2000265557 A JP 2000265557A JP 2000265557 A JP2000265557 A JP 2000265557A JP 2002072481 A JP2002072481 A JP 2002072481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
photosensitive resin
resin composition
group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000265557A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasumasa Kawabe
保雅 河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000265557A priority Critical patent/JP2002072481A/ja
Publication of JP2002072481A publication Critical patent/JP2002072481A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】露光光源として、深紫外線、特にArFエキシ
マレーザー光を用いた場合、ラインエッジラフネス、レ
ジスト形状、感度、解像力が優れるとともに、現像欠陥
の問題を生じないポジ型感光性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸
の作用により分解してアルカリ可溶性となる重合体、
(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化
合物、(C)一分子中に少なくとも4つのフッ素原子を
有し、炭素数が4から20で分子量が1000以下の脂
肪族カルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸、(D)含窒素
塩基性化合物、及び(E)フッ素系及び/又はシリコン
系界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の半導体製
造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さ
らにその他のフォトファブリケーション工程に使用され
るポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。更に詳
しくは遠紫外線、X線、電子線等の短波長の光エネルギ
ー線を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いられる
ポジ型感光性樹脂組成物に関するものであり、特にAr
Fエキシマレーザを用いる半導体素子の微細加工に好適
用いられるポジ型感光性樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は高集積化が進
み、LSIやVLSIが実用化されるとともに集積回路
の最小パターン幅はサブハーフミクロンの領域に至り、
さらに微細化が進んでいる。
【0003】そのため、微細パターン形成のためのフォ
トリソグラフィ技術に対する要求がますます厳しくなっ
ている。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レ
ジストのパターン形成の際に使用される露光光の短波長
化が知られている。
【0004】例えば64Mビットまでの集積度のDRA
Mの製造には、現在まで、高圧水銀灯のi線(365n
m)が光源として使用されてきた。256MビットDR
AMの量産プロセスには、i線に変わりKrFエキシマ
レーザー(248nm)が露光光源として実用化され、更
に1Gビット以上の集積度を持つDRAMの製造を目的
として、より短波長の光源が検討されており、ArFエ
キシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(1
57nm)、X線、電子線の利用が有効であると考えら
れている(上野巧ら、「短波長フォトレジスト材料-UL
SIに向けた微細加工-」、ぶんしん出版、1988
年)。
【0005】特にArFエキシマレーザーが次世代の露
光技術として位置づけられ、ArFエキシマレーザ露光
用の高感度、高解像力、且つドライエッチング耐性に優
れたレジストの開発が望まれている。
【0006】従来のi線及びKrFエキシマレーザー露
光用のレジスト材料としては、高いドライエッチング耐
性を得るために、芳香族ポリマーを含有するレジストが
広く用いられており、例えばノボラック樹脂系レジスト
あるいはポリビニルフェノール系の化学増幅型レジスト
が知られている。しかしながら、ドライエッチング耐性
を付与する目的で導入された芳香環はArFエキシマレ
ーザー光の波長域でほとんど光を通さないために、レジ
スト膜の底部にまで露光することが困難であり、従来の
レジストでは断面形状の良好なパターンが得られなかっ
た。
【0007】レジストの透明性の問題点の解決策の一つ
として芳香環を全く含まない脂肪族ポリマー、例えばポ
リメチルメタクリレートを用いればよいことが知られて
いる(J.Vac.Sci. Technol.,B9,3357(1991))。しかしな
がら、このようなポリマーは、十分なドライエッチング
耐性が望めないことから実用できない。このようにAr
Fエキシマレーザー露光用のレジスト材料の開発に当た
っては、透明性の向上と高いドライエッチング耐性を両
立させることが最大の課題とされている。
【0008】そこで、芳香環の代わりに脂環式炭化水素
基を含有するレジストが芳香族基と同様の耐ドライエッ
チング耐性を示し、且つ193nmの吸収が小さいこと
がProc. SPIE,1672,66(1992)で報告され、近年同ポリマ
ーの利用が精力的に研究されるようになった。
【0009】元来、脂環式炭化水素基を含有するポリマ
ーをレジストに応用する試みは古くからなされ、例えば
特開昭60-195542号、特開平1-217453号、特開平2-59751
号ではノルボルネン系のポリマーが開示されており、特
開平2-146045号には環状脂肪族炭化水素骨格と無水マレ
イン酸単位を有するアルカリ可溶性樹脂が種々開示され
ている。
【0010】さらに、特開平5-80515号ではノルボルネ
ンと酸分解基で保護されたアクリル酸系エステルの共重
合体が開示され、特開平4-39665号、特開平5-265212
号、特開平5-80515、特開平7-234511号では側鎖にアダ
マンタン骨格を有する共重合体が開示され、特開平7-25
2324号、特開平9-221526号では、有橋環式炭化水素基を
有する炭素数7〜12の脂肪族環式炭化水素基がポリマー
の側鎖に連結した化合物、例えば、トリシクロ[5.2.
1.02.6]デカンジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.0
2.6]デカンジイル基、ノルボルナンジイル基、ノルボル
ナンジメチル基、アダマンタンジイル基、が開示され、
特開平7-199467号にはトリシクロデカニル基、ジシクロ
ペンテニル基、ジシクロペンテニルオキシエチル基、ノ
ルボニル基、シクロヘキシル基がポリマーの側鎖に連結
した化合物が開示されている。
【0011】さらに特開平9-325498号にはシクロヘキサ
ン及びイソボルニル骨格を主鎖に有する重合体が開示さ
れ、さらに特開平9-230595号、特開平9-244247号、特開
平10-10739号、WO97-33198、EP794458、EP789278
号にはジシクロオレフィン等の各種環状オレフィン類が
主鎖に導入された重合体が開示され、特開平8-82925
号、特開平9-230597号にはテルペノイド骨格の内、メン
チル基又はメンチル誘導体基を有する化合物が好ましい
ことが開示されている。
【0012】上記のようなレジスト性能とは別に、リソ
グラフィープロセスに起因する欠陥(空隙)の発生が歩留
まり低下の大きな要因の一つになっており、最近、特に
重要な問題となっている。
【0013】例えば、現像欠陥は、一般に液盛り時の気
泡と現像液中の溶存気体によるマイクロバブルが一因と
なり欠陥を発生させると言われており(平野ら;第42回応
用物理学会講演予行集27p-ZW-9(1996))、ウエファーが
大口径化し、現像液の吐出量が増加するに従って、さら
に気泡対策が重要となっている。これらの気泡対策とし
て、ソフトに現像液が吐出されるような装置上の改良
(サイエンスフォーラム社出版,ULSI製造コンタミネーシ
ョンコントロール技術,41(1992)、参照)や溶存気体の脱
気機構の付加により気泡の低減の試みがなされているも
のの十分満足できるレベルではない。
【0014】また、現像欠陥を低減するために、現像液
中にノニオン系の界面活性剤を添加し、現像液の濡れ性
を向上させ気泡脱離を促進する工夫やノボラック系のレ
ジスト中の界面活性剤の種類と添加量を最適化すること
で親和性を向上させる試みがなされてきた(薄島ら;第42
回応用物理学会講演予行集27p-ZW-7(1996))。
【0015】ところが、非芳香族系のポリマーを用いた
ArF用の化学増幅系レジストの現像欠陥を低減するた
めには、これらの方法では十分でないばかりか、むし
ろ、逆効果になる場合さえあり、現像欠陥を低減するた
めにどのように対処していいのか、これまで全く改良の
指針がなかった。しかも現像欠陥を低減するために、レ
ジストの親和性を向上させると残膜率やプロファイルが
劣化する傾向があり両立化が極めて困難であった。
【0016】さらに、従来の芳香族系のポリマーを用い
たKrF用ポジ型化学増幅系レジストでは、例えばProoc.S
PIE 1672,46,(1992)、Prooc.SPIE 2438,551, (1995)、P
rooc.SPIE,2438,563(1995)、Prooc.SPIE 1925,14,(199
3)、J.Photopolym.Sci. Tech.Vol.8.No.4,535(1995)、
J.Photopolym.Sci.Tech. Vol.5. No.1,207(1992)、J.Ph
otopolym.Sci.Tech.Vol.8.No.4,561(1995)、Jpn.J.App
l.Phys.33,7023 (1994)等に報告されているように、露
光から熱処理(PEB)までの放置時間が長くなるに従い、
発生した酸が拡散したり、また、雰囲気中の塩基性不純
物によりレジスト表面部の酸が失活してしまい、感度や
現像後のレジストパターンのプロファイルや線幅が変化
してしまうという問題があった。
【0017】これらを解決する手段として、芳香族系の
ポリマーを用いた化学増幅系レジストにアミンを添加す
る技術が、特開昭63-149640号、特開平5-249662号、特
開平5-127369号、特開平5-289322号、特開平5-249683
号、特開平5-289340号、特開平5-232706号、特開平5-25
7282号、特開平6-242605号、特開平6-242606号、特開平
6-266100号、特開平6-266110号、特開平6-317902号、特
開平7-120929号、特開平7-146558号、特開平7-319163
号、特開平7-508840号、特開平7-333844号、特開平7-21
9217号、特開平7-92678号、特開平7-28247号、特開平8-
22120号、特開平8-110638号、特開平8-123030号、特開
平9-274312号、特開平9-166871号、特開平9-292708号、
特開平9-325496号、特表平7-508840号、USP5525453号、
USP5629134号、USP5667938号等、記載の塩基性化合物等
に多く開示されており公知である。
【0018】しかしながらこれらのアミンを環状脂肪族
炭化水素骨格構造を有する非芳香族系のポリマーを用い
たArF用の化学増幅系レジストに添加すると確かに、
非芳香族系のポリマーを用いた場合と同様、感度変化や
現像後のレジストパターンのプロファイル変化や線幅変
化に対して効果があるものの、前記現像欠陥が極めて劣
る結果となりその対策が望まれていた。
【0019】他方、感度向上やレジストパターンの形状
改善を目的として、KrF用エキシマレーザー光用の化
学増幅レジスト組成物にカルボン酸化合物を添加するこ
とが特開平7−92679号、特開平5−181279
号公報に開示されている。また、特開平9−6001号
公報には、アミンとカルボン酸化合物を添加し、感度、
解像力に優れ、露光からPEBの間の引置経時安定性を
改良する工夫がなされ公知である。
【0020】ところが、特開平9−6001号公報で好
ましいと開示されている強塩基性で低沸点のアミン(例
えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン)と芳香族カルボン酸(例えばサリチル酸、ニトロ安
息香酸、フタル酸)を環状脂肪族炭化水素骨格を有する
非芳香族系のポリマーを用いたArF用の化学増幅系レ
ジストに添加すると、確かに非芳香族系のポリマーを用
いたKrF用エキシマレーザー光用の化学増幅レジスト
組成物の場合と同様、露光からPEBの間の引置経時安
定性に対して効果が見られるものの、前記現像欠陥が極
めて劣る結果となりその対策が望まれていた。また、低
沸点のアミンは、PEBの間に蒸発し易い傾向のためア
ミンの添加効果が全く発現しなくなったり、ホットプレ
ート等の半導体製造に用いられる装置をアミンで汚染し
てしまうなどのプロセス上の問題を生じていた。
【0021】また、特開2000−66402号公報で
は、脂環式のアクリル樹脂にベンゼンカルボン酸誘導体
を添加したArF用レジストが開示され、基板との密着
性やドライエッチング耐性を高める工夫がなされてい
る。ところが、これらのカルボン酸を添加するとプロフ
ァイルがテーパー形状になるという問題がある。
【0022】上記のような従来のレジスト組成物では、
さらに、ラインエッジラフネスの性能に関して不充分で
あり改善が必要とされていた。ラインエッジラフネスと
は、レジストのラインパターンと基板界面のエッジがレ
ジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不
規則に変動するために、パターンを真上から見たときに
エッジが凸凹に見えることを言う。この凸凹がレジスト
をマスクとするエッチング工程により転写され、電気特
性を劣化させる為歩留りを低下させる。特にレジストパ
ターンサイズがクオーターミクロン以下になるに伴い、
ラインエッジラフネスの改善の要求が高まってきている
が、改善の指針はこれまでほとんど開示されていなかっ
た。
【0023】
【発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、露光
光源として、深紫外線、特にArFエキシマレーザー光
を用いた場合、ラインエッジラフネス、レジスト形状、
感度、解像力が優れるとともに、現像欠陥の問題を生じ
ないポジ型感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、現像欠陥
の問題を生じないポジ型感光性樹脂組成物をこれまで鋭
意検討してきた。例えば、特開平11−338150号
公報、特開2000−47385号公報に開示した環状
脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作用により分解してア
ルカリ可溶性となる重合体、活性光線又は放射線の照射
により酸を発生する化合物、分子量が1000以下の環
状脂肪族有機カルボン酸、ナフタレン骨格を有する有機
カルボン酸、カルボン酸無水物から選ばれる少なくとも
一つのカルボン酸誘導体、含窒素塩基性化合物、並びに
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を含有するポ
ジ型感光性樹脂組成物によっても現像欠陥の問題を解決
することができた。
【0025】本発明者等は、さらにポジ型化学増幅系に
於けるレジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結果、
(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作用により
分解してアルカリ可溶性となる重合体、(B)活性光線
又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(C)一
分子中に少なくとも4つのフッ素原子を有し、炭素数が
4から20で分子量が1000以下の脂肪族カルボン酸
又は脂肪族ジカルボン酸、(D)含窒素塩基性化合物、
及び(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を
組み合わせることにより、レジスト形状、感度、解像
力、ラインエッジラフネスが優れるとともに、現像欠陥
の問題を生じないポジ型感光性樹脂組成物が得られるこ
とを見出し本発明を達成した。
【0026】即ち、本発明は、下記(1)〜(3)の構
成の発明であり、上記目的が達成される。 (1)(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作用
により分解してアルカリ可溶性となる重合体、(B)活
性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、並
びに(C)一分子中に少なくとも4つのフッ素原子を有
し、炭素数が4から20で分子量が1000以下の脂肪
族カルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸、(D)含窒素塩
基性化合物、及び(E)フッ素系及び/又はシリコン系
界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性樹
脂組成物。
【0027】(2)更に、分子量が2000以下であっ
て、酸の作用により分解し得る基を有し、アルカリ溶解
性が酸の作用により増大する低分子酸分解性化合物を含
有することを特徴とする前記(1)に記載のポジ型感光
性樹脂組成物。 (3)活性光線が220nm以下の遠紫外光で露光され
ることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれか
に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に使用する化合物に
ついて詳細に説明する。まず、本発明における(A)環
状脂肪族炭化水素骨格構造を有する、酸の作用により分
解しアルカリ可溶性となる重合体としては、従来知られ
ているものを用いることができるが、その重合体の具体
例としては、例えば下記(a−1)〜(a−15)で表
されるような主鎖に環状脂肪族炭化水素骨格単位を有
し、酸の作用により分解する基(酸分解性基ともいう)
を有する重合体や、側鎖に環状脂肪族炭化水素骨格を有
する下記(b−1)〜(b−7)で表される繰り返し単
位と、酸分解性基を有する重合体を挙げることができ
る。尚、ArF光に対する透明性の観点からベンゼン環
を有しない重合体が好ましい。
【0029】また、下記(a−1)〜(a−15)、
(b−1)〜(b−7)で表される構造単位等の環状脂
肪族炭化水素骨格構造を有する構造単位は、本発明の関
わる重合体には必須であるが、下記(c−1)〜(c−
4)で表される構造単位を共重合成分として含んでもよ
い。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】
【0033】前記(a−1)〜(a−15)、(b−
1)〜(b−7)で表される構造単位において、A、B
は各々独立に水素原子、水酸基、カルボキシル基、アル
コキシカルボニル基、炭素数が1〜10個の置換もしくは
非置換の、アルキル基、アルコキシ基又はアルケニル基
を表し、AとBとが結合して環を形成してもよい。X、
Yは、各々独立に酸の作用により分解する基を表す。
【0034】前記式(b−1)〜(b−7)、(c−
1)〜(c−4)においてRは水素原子、メチル基等の
炭素数1〜3個のアルキル基を表す。Zは水素原子、炭
素数が1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、アル
コキシカルボニル基もしくは酸の作用により分解する基
を表す。
【0035】上記において、アルコキシカルボニル基と
しては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0036】炭素数が1〜10個のアルキル基としては、
置換されていてもよい、直鎖、分岐あるいは環状アルキ
ル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0037】炭素数が1〜10個のアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、t−ブ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げら
れる。
【0038】炭素数が2〜10個のアルケニル基として
は、アリル基、ビニル基、2−プロペニル基等が挙げら
れる。
【0039】AとBとが結合して形成する環としては、
AとBが結合して −C(=O)−O−C(=O)−、 −C(=O)−NH−C(=O)−、 −CH2−C(=O)−O−C(=O)−、 等を形成して環となったものが挙げられる。
【0040】酸の作用により分解する基としては、−
(CH2)n−COORa基もしくは−(CH2)n−O
CORb基が挙げられる。ここでRaは、炭素数2〜2
0個の炭化水素基を表し、その炭化水素基としては、t
−ブチル基、ノルボルニル基、シクロデカニル基等が挙
げられる。Rbとしては、テトラヒドロフラニル基、テ
トラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、イソプロピ
ルエチル基等のアルコキシエチル基、ラクトン基、又は
シクロヘキシロキシエチル基を表す。nは0又は1を表
す。
【0041】上記各基における更なる置換基としては、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0042】上記式(a−1)〜(a−6)で示される
構造単位からなる重合体(A)は、例えば環状オレフィ
ン類をメタセシス触媒の存在下、有機溶媒中、あるいは
非有機溶媒中で開環重合し、引き続き水素化することに
よって得られる。開環(共)重合は、例えばW.L.Truett
ら; J.Am.Chem.Soc.,82,2337(1960)、A.Pacreau;Macrom
ol.Chem.,188,2585 (1987)、特開昭51-31800号、特開平
1-197460号、特開平2-42094号、EP0789278号等に記載の
合成方法により容易に重合できる。ここで用いられるメ
タセシス触媒としては、例えば高分子学会編:高分子の
合成と反応(1)、共立出版pp.375-381(1992)、特開
昭49-77999号に記載の化合物、具体的にはタングステン
及び又はモリブデン系などの遷移金属のハロゲン化合物
と有機アルミニウム化合物又はこれらと第三成分とから
なる触媒系を挙げることができる。
【0043】上記タングステン及びモリブデン化合物の
具体例としては、五塩化モリブデン、六塩化タングステ
ン及びタングステンオキシテトラクロライドが挙げら
れ、有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライド、
ジ−n−ブチルアルミニウムモノクロライド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムモ
ノブトオキサイド及びトリエチルアルミニウム−水(モ
ル比1:0.5)が挙げられる。開環重合をおこなうに
あたり、上記タングステン又はモリブデン化合物1モル
に対する有機アルミニウム化合物の使用割合は0.5モ
ル以上が好ましい。
【0044】触媒の重合活性等を向上させるための第三
成分としては、水、過酸化水素、酸素含有有機化合物、
チッソ含有有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、リン
含有有機化合物、硫黄含有有機化合物、金属含有有機化
合物が挙げられ、タングステン又はモリブデン化合物1
モルに対して5モル以下の割合で併用される。単量体に
対する触媒の使用割合は、それらの種類にもよるが通
常、単量体100モルに対して0.1〜20モルの割合
で使用される。
【0045】開環(共)重合における重合温度は−40
℃〜+150℃が好ましく、不活性ガス雰囲気中で行う
のが望ましい。使用される溶媒としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シク
ロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メ
チレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエ
チレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−
クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o
−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系化合物が挙げられる。
【0046】このような開環(共)重合により得られた重
合体を水素化することにより、本発明に用いられる重合
体(A)が得られる。水素化反応において用いられる触
媒は通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いら
れている不均一触媒あるいは均一触媒を使用することが
できる。
【0047】不均一触媒としては、例えばパラジウム、
白金、ニッケル、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属触
媒をカーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体
に担持させた固体触媒などが挙げられる。また均一触媒
としては、例えばナフテン酸ニッケル/トリエチルアル
ミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチル
アルミニウム、オクテン酸コバルト/n-ブチルリチウ
ム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ロジウムなどのロジウム触媒を挙げること
ができる。
【0048】これらの触媒のうち、不均一触媒は、反応
活性が高く、反応後の触媒除去も容易であり、得られる
重合体が着色しないので好都合である。
【0049】水素化反応は、常圧〜300気圧、好まし
くは3〜200気圧の水素ガス雰囲気下において、0〜
200℃、好ましくは20〜180℃で行うことができ
る。水素添加率は通常50%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上である。水素添加率が
50%未満の場合には、レジストの熱安定性や経時安定
性を悪化させるので好ましくない。
【0050】上記式(a−7)〜(a−15)で示され
る構造単位からなる重合体は、例えばフリーラジカル重
合開始剤の有効量の存在下に、環状脂肪族炭化水素モノ
マーのラジカル(共)重合により合成できる。具体的に
は、J.Macromol.Sci.Chem.A-5(3)491(1971)、同A-5(8)1
339(1971)、Polym.Lett.Vol.2,469(1964)、USP3143533
号、USP3261815号、USP3510461号、USP3793501号、USP3
703501号、特開平2-146045号記載の方法により合成でき
る。
【0051】ラジカル(共)重合に用いられる好ましい
開始剤は2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニト
リル)や過酸化ベンゾイル,過酸化ジクミル等を挙げる
ことができる。開始剤の濃度は、単量体の総重量に対し
て、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5
重量%である。重合温度は広範囲に変えられ、通常室温
〜250℃の範囲、好ましくは40〜200℃の範囲、
さらに好ましくは60〜160℃の範囲で重合が行われ
る。
【0052】重合もしくは共重合は、有機溶剤中で行な
うのが好ましい。所定の温度で単量体を溶解し、また生
成重合体をも溶解する溶剤が好ましい。好ましい溶剤は
共重合する単量体の種類によつても変わるが、例えばト
ルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル等の脂肪族;
芳香族エステル類;テトラヒドロフラン等の脂肪族エー
テル類を挙げることができる。
【0053】所定時間反応後、得られた重合体と未反応
の単量体成分、溶剤等を分離する目的で減圧蒸留、精製
を行うのが好ましい。
【0054】(b−1)〜(b−7)の構造単位を有す
る重合体、あるいは共重合成分(c−1)〜(c−4)
を含むものは、フリーラジカル開始剤の有効量存在下で
ラジカル(共)重合により合成できる。
【0055】重合体(A)中、環状脂肪族骨格を有する
構造単位の含有量は、全構造単位の10モル%以上が好
ましく、より好ましくは20モル%以上、更に好ましく
は30モル%以上である。
【0056】また、重合体(A)中、酸分解性基を有す
る構造単位の含有量は、全構造単位の10〜90モル%
であり、好ましくは15〜85モル%、更に好ましくは
20〜80モル%である。
【0057】また、本発明に用いられる重合体中、(c
−1)〜(c−4)で表される単位等の他の共重合成分
の含有量は全単量体の繰り返し単位中3〜60モル%が
好ましく、より好ましくは5〜55モル%、更に好まし
くは10〜50モル%である。
【0058】重合体(A)は、重量平均分子量が150
0〜100000の範囲にあることが好ましく、さらに
好ましくは2000〜70000の範囲、特に好ましく
は3000〜50000の範囲である。分子量が150
0未満では耐ドライエッチング耐性,耐熱性,基板との
密着性が不十分であり、分子量が100000を越える
とレジスト感度が低下するため好ましくない。また、分
子量分布(Mw/Mn)は好ましくは1.0〜6.0、
より好ましくは1.0〜4.0であり小さいほど耐熱
性、画像性能(レジストプロファイル、デフォーカスラ
チチュード等)が良好となる。
【0059】なお、重合(A)の重量平均分子量及び分
子量分布(Mw/Mn)は、屈折率検知器をつけたゲル
パーミエーションクロマトグラフィーで、ポリスチレン
換算値として測定される。
【0060】本発明のポジ型感光性樹脂組成物におい
て、重合体(A)の含有量は、固形分換算で、50〜9
9.7重量%、好ましくは70〜99重量%である。
【0061】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、重合
体(A)以外に、必要により他のポリマーを含有するこ
とができる。他のポリマーの含有量は、重合体(A)1
00重量部あたり、好ましくは30重量部以下、さらに
好ましくは20重量部以下、特に好ましくは10重量部
以下である。
【0062】本発明のポジ型感光性樹脂組成物が含有す
ることができる上記他のポリマーとして、本発明の脂環
式ポリマーと相溶するものであればよく、ポリp−ヒド
ロキシエチレン、水素化ポリp−ヒドロキシエチレン、
ノボラック樹脂等を挙げることができる。
【0063】次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物に
含有される(B)活性光線の照射により分解して酸を発
生する化合物(以下、「(B)光酸発生剤」ともいう)に
ついて説明する。
【0064】本発明で使用される(B)光酸発生剤の例
としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合
の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又は紫外
線、遠紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシ
マレーザー光、電子線、X線、分子線、イオンビームな
どにより酸を発生するマイクロフォトレジストで公知の
光酸発生剤及びそれらの混合物を適宜に選択して使用す
ることができる。なお、本発明においては、活性光線
は、上記した如く放射線を包含する広い概念で用いられ
る。
【0065】(B)光酸発生剤は、本発明のポジ型感光
性樹脂組成物に用いられる後述の有機溶剤に溶解するも
のであれば特に制限されないが、220nm以下の光で
酸を発生する光酸発生剤であることが好ましい。また、
単独でもしくは2種以上を組み合わせ用いてもよく、適
当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
【0066】使用可能な(B)光酸発生剤の例として
は、例えばJ.Org.Chem.Vol.43,No.15,3055(1978)に記載
のトリフェニルスルホニウム塩誘導体及び特願平9-2790
71号に記載の他のオニウム塩(スルホニウム塩、ヨード
ニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニ
ウム塩)も用いることができる。
【0067】オニウム塩の具体例としては、ジフェニル
ヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピ
レンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベ
ンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフ
レート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアン
チモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロア
ンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンス
ルホネート、トリフェニルスルホニユムカンファースル
ホニウム、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニ
ウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(t−ブチ
ルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネ
ート等を挙げることができる。
【0068】また、特開平3-103854号、特開平3-103856
号、特開平4-1210960号で示されるジアゾジスルホン類
やジアゾケトスルホン類、特開昭64-18143号、特開平2-
245756号に記載のイミノスルホネート類、特開平2-7127
0号に記載のジスルホン類も好適に用いることができ
る。更に、USP3849137号、特開昭63-26653号、特開昭62
-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号、特
開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の光によ
り酸を発生する基をポリマーの主鎖もしくは側鎖に導入
した化合物も用いることができ、特開平7-25846号、特
開平7-28237号、特開平7-92675号、特開平8-27120号記
載の2−オキソシクロヘキシル基を有する脂肪族アルキ
ルスルホニウム塩類、及びN−ヒドロキシスクシンイミ
ドスルホネート類、さらにはJ.Photopolym.Sci.,Tech.,
Vol.7,No.3,423(1994)に記載のスルホニウム塩なども好
適に用いることができ、単独でもしくは2種以上の組み
合わせで用いられる。
【0069】これらの(B)活性光線の照射により分解
して酸を発生する化合物の含有量は、ポジ型感光性樹脂
組成物の全重量(固形分)を基準として、通常0.00
1〜40重量%、好ましくは0.01〜20重量%、更
に好ましくは0.1〜5重量%である。(B)光酸発生
剤の量が0.001重量%より少ないと感度が低くな
り、40重量%より多いとレジストの光吸収が高くなり
すぎプロファイルの劣化やプロセスマージン、特にベー
クマージンが狭くなり好ましくない。
【0070】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に含
有される(C)一分子中に少なくとも4つのフッ素原子
を有し、炭素数が4から20で分子量が1000以下の
脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸について説明す
る。
【0071】本発明に用いられる一分子中に少なくとも
4つのフッ素原子を有し、炭素数が4から20で分子量
が1000以下の脂肪族カルボン酸としては、好ましく
は、次の一般式(I)、又は一般式(II)で表される
脂肪族カルボン酸を挙げることができる。
【0072】 R1―COOH (I) R2―O―R3―COOH (II)
【0073】一般式(I)において、R1は、置換され
ていてもよい、少なくとも4つのフッ素原子を有する、
炭素数が3から19のフルオロアルキル基を表す。一般
式(II)において、R2は、置換されていてもよいア
ルキル基、若しくは置換されていてもよいフルオロアル
キル基を表す。R3は、置換されていてもよいアルキレ
ン基、若しくは置換されていてもよいフルオロアルキレ
ン基を表す。R2及びR3は、併せて少なくとも4つの
フッ素原子を有し、炭素数が3から19である。
【0074】一般式(I)におけるR1としてのフルオ
ロアルキル基、一般式(II)におけるR2としてのア
ルキル基、フルオロアルキル基、R3としてのアルキレ
ン基、フルオロアルキレン基の例としては、下記に例示
の化合物(C−1)〜(C−18)が有しているものが
挙げられる。
【0075】本発明に用いられる一分子中に少なくとも
4つのフッ素原子を有し、炭素数が4から20で分子量
が1000以下の脂肪族カルボン酸の具体例としては、
下記(C−1)から(C−18)が挙げられる。
【0076】
【化4】
【0077】
【化5】
【0078】
【化6】
【0079】本発明の一分子中に少なくとも4つのフッ
素原子を有し、炭素数が4から20で分子量が1000
以下の脂肪族カルボン酸は、1種単独で或いは2種以上
を組み合わせて用いることができる。炭素数が異なるも
のを数種組み合わせてもよい。これらの化合物は試薬を
そのまま用いることができるし、市販品(例えばデュポ
ン社製:Krytoxなど)を用いることもできる。
【0080】本発明に用いられる一分子中に少なくとも
4つのフッ素原子を有し、炭素数が4から20で分子量
が1000以下の脂肪族ジカルボン酸としては、例え
ば、下記の一般式(III)で表される脂肪族ジカルボン酸
を挙げることができる。
【0081】HOOC―R4―COOH (III)
【0082】一般式(III)において、R4は、置換されて
いてもよい、少なくとも4つのフッ素原子を有する、炭
素数が2から18のフルオロアルキレン基を表す。
【0083】本発明に用いられる一分子中に少なくとも
4つのフッ素原子を有し、炭素数が4から20で分子量
が1000以下の脂肪族ジカルボン酸の具体例として
は、下記(C−19)から(C−23)が挙げられる。
【0084】
【化7】
【0085】本発明の一分子中に少なくとも4つのフッ
素原子を有し、炭素数が4から20で分子量が1000
以下の脂肪族ジカルボン酸は、1種単独で或いは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0086】本発明のポジ型感光性樹脂組成物に(C)
一分子中に少なくとも4つのフッ素原子を有し、炭素数
が4から20で分子量が1000以下の脂肪族カルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸を配合することにより、特に現
像欠陥が著しく低減し、ラインエッジラフネスが改善さ
れるという効果を発現する。
【0087】(C)脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボ
ン酸の分子量は、1000以下であり、100〜800
が好ましく、150〜700がさらに好ましい。分子量
が1000を超えると上記効果が発揮できない。
【0088】(C)脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボ
ン酸の配合量は、本発明のポジ型感光性樹脂組成物(固
形分)に対し、通常0.001〜15重量%、好ましく
は0.01〜10重量%である。0.001重量%未満
では添加効果が十分得られない。一方、15重量%を越
えると残膜率が低下するので好ましくない。
【0089】また、本発明の効果を損なわない範囲で、
本発明以外のカルボン酸、例えばフッ素原子を含有しな
い脂肪族カルボン酸や芳香族カルボン酸等を混合しても
よい。しかし、カルボキシル基を有する重合体、例えば
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル
酸共重合体、カルボキシル基置換ノルボルネン重合体な
どのオリゴマーの添加は、レジストプロファイルを劣化
させるので好ましくない。
【0090】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に好
ましく用いられる(D)含窒素塩基性化合物について説
明する。含窒素塩基性化合物としては、有機アミンや塩
基性のアンモニウム塩、スルホニウム塩などが用いら
れ、昇華やレジスト性能を劣化させないものであればよ
い。室温で液体のアミンであれば、沸点150℃以上の
ものが好ましく、固体アミンであれば、融点が100℃
以上のものが好ましい。
【0091】例えば特開昭63-149640号、特開平5-24966
2号、特開平5-127369号、特開平5-289322号、特開平5-2
49683号、特開平5-289340号、特開平5-232706号、特開
平5-257282号、特開平6-242605号、特開平6-242606号、
特開平6-266100号、特開平6-266110号、特開平6-317902
号、特開平7-120929号、特開平7-146558号、特開平7-31
9163号、特開平7-508840号、特開平7-333844号、特開平
7-219217号、特開平7-92678号、特開平7-28247号、特開
平8-22120号、特開平8-110638号、特開平8-123030号、
特開平9-274312号、特開平9-166871号、特開平9-292708
号、特開平9-325496号、特表平7-508840号、USP5525453
号、USP5629134号、USP5667938号等に記載の塩基性化合
物を用いることができる。
【0092】特に好ましくは、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリ
ジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、ヘキサメチレ
ンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン
類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、ピリジニウムp−トルエンスルホナート、2,4,
6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホナー
ト、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナー
ト、及びテトラブチルアンモニウムラクテート等が挙げ
られる。
【0093】(D)塩基性化合物は、1種単独であるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0094】また、本発明に於いては、組成物中の
(D)含窒素塩基性化合物に対する(A)重合体の重量
割合((A)/(D))が500〜20000の範囲で
あることが好ましく、より好ましくは1000〜150
00の範囲である。この割合とすることにより、現像欠
陥の低減に加え、現像性や線幅再現性が向上し、また塗
布膜厚の均一性が良好となる。
【0095】(D)含窒素塩基性化合物の含有量は、ポ
ジ型感光性樹脂組成物(固形分)に対し、通常、0.0
01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%であ
る。0.001重量%未満では効果が十分得られない。
一方、10重量%を越えると感度の低下や非露光部の現
像性が著しく悪化する傾向がある。
【0096】次に本発明のポジ型感光性樹脂組成物に好
ましく含有される(E)フッ素系界面活性剤とシリコン
系界面活性剤について説明する。本発明のポジ型感光性
樹脂組成物には、フッ素系界面活性剤及びシリコン系界
面活性剤のいずれか、あるいは両方を含有することがで
きる。
【0097】これらの(E)界面活性剤として、例えば
特開昭61-226745号、特開昭61-226746号、特開昭62-366
57号、特開昭62-36663号、特開昭62-170950号、特開昭6
3-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62834号、特開
平9-54432号、特開平9-5988号、特開2000-122289号、米
国特許5405720号、米国特許5360692号、米国特許552988
1号、米国特許5296330号、米国特許5436098号、米国特
許5576143号、米国特許5294511号、米国特許5824451号
に記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界
面活性剤をそのまま用いることもできる。
【0098】使用できる市販の界面活性剤として、例え
ばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロ
ラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファッ
クF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工
業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、1
04、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−36
6(トロイケミカル社製)等のフッ素系界面活性剤又は
シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリ
シロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0099】これらの界面活性剤のうち、フッ素原子と
シリコン原子の両方を有する界面活性剤が、現像欠陥の
改善の点で特に優れる。 (E)界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形
分に対し、通常0.01重量%〜2重量%、好ましくは
0.01重量%〜1重量%である。これらの界面活性剤
は1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。
【0100】本発明のポジ型感光性樹脂組成物が、前記
記載の現像欠陥に対しなぜ特異的に優れるのかはよくわ
かっていないが、(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有
し、酸の作用により分解してアルカリ可溶性となる重合
体、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生す
る化合物、並びに(C)一分子中に少なくとも4つのフ
ッ素原子を有し、炭素数が4から20で分子量が100
0以下の脂肪族カルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸、
更に(D)含窒素塩基性化合物及び特定の(E)界面活
性剤とを組み合わせることによって発現したものと思わ
れる。例えば(D)含窒素塩基性化合物と本発明以外の
界面活性剤の組み合わせ、例えばノニオン系の界面活性
剤などとの組み合わせでは、現像欠陥は解消されない。
また、本発明の(C)脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカル
ボン酸をフッ素原子を有さない脂肪族カルボン酸に代え
た場合には、現像欠陥の低減が十分でなく、ラインエッ
ジラフネスも満足できるレベルにまで改善できない。
【0101】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要
に応じて、分子量が2000以下であって、酸の作用に
より分解し得る基を有し、アルカリ溶解性が酸の作用に
より増大する低分子酸分解性化合物を含むことができ
る。
【0102】例えばProc.SPIE,2724, 355(1996)、特開
平8-15865号、USP5310619号、USP−5372912号、J.Photo
polym.Sci.,Tech.,Vol.10,No.3,511(1997))に記載され
ている酸分解性基を含有するコール酸誘導体、デヒドロ
コール酸誘導体、デオキシコール酸誘導体、リトコール
酸誘導体、ウルソコール酸誘導体、アビエチン酸誘導体
等の脂環族化合物、酸分解性基を含有するナフタレン誘
導体などの芳香族化合物を上記低分子酸分解性化合物と
して用いることができる。
【0103】さらに、特開平6-51519号記載の低分子の
酸分解性溶解阻止化合物も220nmの透過性を悪化さ
せないレベルの添加範囲で用いることもできるし、1,
2−ナフトキノンジアジト化合物も使用できる。
【0104】本発明のポジ型感光性樹脂組成物に上記低
分子酸分解性溶解阻止化合物を使用する場合、その含有
量はポジ型感光性樹脂組成物の全重量(固形分)を基準と
して、通常1〜50重量%の範囲で用いられ、好ましく
は3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%の範
囲で使用される。これらの低分子酸分解性溶解阻止化合
物を添加すると、前記現像欠陥がさらに改良されるばか
りか耐ドライエッチング性が改良される。
【0105】本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必
要に応じて、さらに現像液に対する溶解促進性化合物、
ハレーション防止剤、可塑剤、界面活性剤、光増感剤、
接着助剤、架橋剤、光塩基発生剤等を含有することがで
きる。
【0106】本発明で使用できる現像液に対する溶解促
進性化合物の例としては、例えば特開平3-206458号記載
のフェノール性水酸基を2個以上含有する化合物、1−
ナフトールなどのナフトール類又はカルボキシル基を1
個以上有する化合物、カルボン酸無水物、スルホンアミ
ド化合物やスルホニルイミド化合物などの分子量100
0以下の低分子化合物等を挙げることができる。これら
の溶解促進性化合物の配合量としては、組成物全重量
(固形分)に対して、好ましくは30重量%以下、より好
ましくは20重量%以下である。
【0107】好適なハレーション防止剤としては、照射
する放射線を効率よく吸収する化合物が好ましく、フル
オレン、9−フルオレノン、ベンゾフェノンのような置
換ベンゼン類;アントラセン、アントラセン−9−メタ
ノール、アントラセン−9−カルボキシエチル、フェナ
ントレン、ペリレン、アジレンのような多環式芳香族化
合物などが挙げられる。なかでも、多環式芳香族化合物
が特に好ましい。これらのハレーション防止剤は基板か
らの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を
少なくさせることで、定在波改良の効果を発現する。
【0108】本発明のポジ型感光性樹脂組成物の塗布性
を改良したり、現像性を改良する目的で、ノニオン系界
面活性剤を併用することができる。併用できるノニオン
系界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
【0109】また露光による酸発生率を向上させるため
に、光増感剤を添加することができる。好適な光増感剤
として、ベンゾフェノン、p,p'−テトラメチルジアミ
ノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アント
ロン、9−エトキシアントラセン、ピレン、フェノチア
ジン、ベンジル、ベンゾフラビン、アセトフェノン、フ
ェナントレン、ベンゾキノン、アントラキノン、1,2
−ナフトキノン等を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。これらの光増感剤は前記ハレー
ション防止剤としても使用可能である。
【0110】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記
各成分を溶解する溶媒に溶解した後、通常例えば孔径
0.05μm〜0.2μm程度のフィルターで濾過する
ことによって溶液として調製される。ここで使用される
溶媒としては、例えばエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノ
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3
−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオ
ン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチ
ル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレ
ン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−
メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ
−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドなど
が挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせ
て用いられる。
【0111】溶媒の選択は、本発明のポジ型感光性樹脂
組成物に対する溶解性や基板への塗布性、保存安定性等
に影響するため重要である。また溶媒に含まれる水分は
これらの性能に影響するため、少ない方が好ましい。
【0112】さらに本発明のポジ型感光性樹脂組成物
は、メタル等の金属不純物やクロルイオンなどの不純物
成分を100ppb以下に低減しておくことが好まし
い。これらの不純物が多く存在すると、半導体デバイス
を製造する上で動作不良、欠陥、収率低下を招いたりす
るので好ましくない。
【0113】本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板上
にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布
後、プリベーク(露光前加熱)し、所定のマスクを通し
て220nm以下の波長の露光光で露光し、PEB(露
光後ベーク)を行い現像することにより良好なレジスト
パターンを得ることができる。
【0114】ここで用いられる基板としては半導体装置
その他の製造装置において通常用いられる基板であれば
よく、例えばシリコン基板、ガラス基板、非磁性セラミ
ックス基板などが挙げられる。また、これらの基板上に
さらに必要に応じて追加の層、例えばシリコン酸化物
層、配線用金属層、層間絶縁膜、磁性膜、反射防止膜層
などが存在してもよく、また各種の配線、回路などが作
り込まれていてもよい。さらにまた、これらの基板はレ
ジスト膜の密着性を高めるために、常法に従って疎水化
処理されていてもよい。適当な疎水化処理剤としては、
例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザ
ン(HMDS)などが挙げられる。
【0115】基板上に塗布されるレジスト膜厚は、約
0.1〜10μmの範囲が好ましく、ArF露光の場合
は、約0.1〜1.5μm厚が推奨される。
【0116】基板上に塗布されたレジスト膜は、約60
〜160℃の温度で約30〜300秒間プリベークする
のが好ましい。プリベークの温度が低く、時間が短かけ
ればレジスト膜中の残留溶剤が相対的に多くなり、密着
性が劣化するなどの弊害を生じるので好ましくない。ま
た、逆にプリベークの温度が高く、時間が長ければ、感
光性樹脂組成物のバインダー、光酸発生剤などの構成成
分が分解するなどの弊害が生じるので好ましくない。
【0117】プリベーク後のレジスト膜を露光する装置
としては市販の紫外線露光装置、X線露光装置、電子ビ
ーム露光装置、KrFエキシマ露光装置、ArFエキシ
マ露光装置、F2エキシマ露光装置等が用いられ、特に
本発明ではArFエキシマレーザーを露光光源とする装
置が好ましい。
【0118】露光後ベークは酸を触媒とする保護基の脱
離を生じさせる目的や定在波を消失させる目的、酸発生
剤などを膜中に拡散させる目的等で行われる。この露光
後ベークは先のプリベークと同様にして行うことができ
る。例えば、ベーキング温度は約60〜160℃、好ま
しくは約90〜150℃である。
【0119】本発明のポジ型感光性樹脂組成物の現像液
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機ア
ルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一
アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の
第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアルコールアミン類、水酸化テト
ラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチ
ルアンモニウム(TEAH)、トリメチルヒドロキシメ
チルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルヒドロキシ
メチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキ
シエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニ
ウム塩、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシク
ロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザ
ビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等の環状アミン
類等のアルカリ水溶液を使用することができる。
【0120】更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール
類やケトン類などの親水性の有機溶剤やノニオン系や陰
イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤や消泡剤
等を適当量添加しても使用することができる。これらの
添加剤は、レジストの性能を向上させる目的以外にも基
板との密着性を高めたり、現像液の使用量を低減させた
り、現像時の気泡に起因する欠陥を低減させる目的等で
アルカリ性水溶液に添加される。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明がこれにより限定されるものではない。
【0122】合成例1(重合体Aの合成) ノルボルネン、無水マレイン酸、アクリル酸t−ブチル
及びアクリル酸の共重合体(繰り返し構造単位を下記す
る)を特開平10−10739号公報、第7例に記載の
方法に従って合成した。(重量平均分子量17000、
各繰り返し単位のモル比50/25/25)
【0123】
【化8】
【0124】合成例2(重合体Bの合成) メタクリル酸アダマンチルとアクリル酸t−ブチルの共
重合体(繰り返し構造単位を下記する)を特開平7−2
34511号公報、第1例に記載の方法に従って合成し
た。
【0125】
【化9】
【0126】合成例3(酸分解性低分子化合物aの合
成) コール酸122.7g(0.3モル)とチオニルクロラ
イド120mlの混合物を1時間還流した。過剰のチオ
ニルクロリドを除去し、得られた固体をテトラヒドロフ
ラン150mlに溶かし、カリウム−t−ブシトキシド
40g(0.35モル)を徐々に加え、反応混合物を6
時間還流した後、冷却し、水中に注いだ。得られた固体
を濾過して集め、水で洗い減圧下で乾燥した。この粗製
物をn−ヘキサンで再結晶し70%の収率でコール酸−
t−ブチル(下記式)を得た。
【0127】
【化10】
【0128】実施例1〜5、比較例1〜5 (ポジ型感光性樹脂組成物の調製)感光性樹脂成分を調
製するに当たって、下記に記載した成分、即ち、合成例
1〜2で合成した重合体A、B、光酸発生剤としてトリ
フェニルスルホニウムトリフレート(PAG−1)、合
成例3で合成した酸分解性低分子化合物(化合物a)、本
発明の脂肪族カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、含窒素
塩基性化合物、界面活性剤、及び溶剤の各成分を用い
た。各成分を固形分濃度が約12重量%になるように混
合し、0.1μmのミクロフィルターで濾過し、ポジ型
感光性樹脂組成物を調製した。
【0129】(画像評価法)ポジ型感光性樹脂組成物を
スピンコーターを利用して、ブリューワーサイエンス製
DUV-30が500nm塗布してある6インチシリコンウエ
ハー上に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上
で加熱、乾燥を行い、0.40μmのレジスト膜を形成
した。このレジスト膜を、マスクを通してArFエキシ
マレーザー光(NA=0.60)でパターン露光し、露
光後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱
し、直ちに2.38重量%のテトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液で現像し、続いて純水でリンス後、
スピン乾燥を行いレジストパターンを得た。
【0130】感度は、0.18μmのマスクサイズを再
現する露光量で示した。解像力は、0.18μmのマス
クサイズを再現する最低露光量における限界解像力を示
す。プロファイルは、0.18μmのラインパターンを
走査型電子顕微鏡で観察した。矩形な形状をしているも
のを〇、テーパー形状のものを×で表した。ややテーパ
ー形状のものを△で表した。ラインエッジラフネスは、
マスクにおける0.18μmのラインパターンを再現す
る最小露光量により得られた0.18μmのラインパタ
ーンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジ
があるべき基準線からの距離を(株)日立製作所製S−
8840により50ポイント測定し、標準偏差を求め、
3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であること
を示す。
【0131】現像欠陥については以下のように評価し
た。 (1)現像欠陥数−I ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上
に、反射防止膜(BrewerScience製DUV-30 )を60nm
の膜厚で塗布し、190℃で硬化させた。この反射防止
膜上に、ポジ型感光性樹脂組成物をスピンコーターによ
り均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上
で加熱、乾燥を行い、0.40μmのレジスト膜を形成
した。このレジスト膜を、マスクを通してArFエキシ
マレーザー光で露光し、露光後直ぐに110℃で90秒
間ホットプレート上で加熱した。更に、2.38重量%
濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で
23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした
後、乾燥した。このようにして得られたコンタクトホー
ルパターンの形成されたサンプルを、KLA2112機
(KLAテンコール(株)製)により現像欠陥数を測定
した(Threshold12、 Pixcel Size=0.39)。
【0132】(2)現像欠陥数−II 上記(1)現像欠陥数−Iに於いて、露光しない以外
は、加熱、現像、リンス、乾燥したサンプルについて同
様に行い現像欠陥数を測定した。
【0133】下記の実施例、比較例に於ける記号は、下
記の通りである。C−1、C−3、C−11、C−1
8、C−19は、先に例示した本発明のカルボン酸化合
物。C’−1、C’−2、C’−3は、下記の比較化合
物である。
【0134】
【化11】
【0135】PAG−1:トリフェニルスルホニウムト
リフレート N−1:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−
ノネン N−2:1.8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセン
【0136】W−1:メガファックF−176(大日本
インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) W−2:メガファックR−08(大日本インキ化学工業
(株)製フッ素およびシリコン系界面活性剤) W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化
学工業(株)製シリコン系界面活性剤) W−4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
【0137】S−1:プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル S−3:乳酸エチル S−4:エトキシエチルプロピオネート S−5:ガンマーブチロラクトン
【0138】 実施例1のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 98.38重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.0 本発明のカルボン酸(C−1) 0.50 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 界面活性剤(W−1) 0.02 溶剤(S−1) 733.33
【0139】 実施例2のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 91.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 2.0 本発明のカルボン酸(C−3) 1.0 含窒素塩基性化合物(N−2) 0.10 酸分解性低分子化合物a 5.0 界面活性剤(W−2) 0.02 溶剤(S−1) 513.33 (S−2) 220.00
【0140】 実施例3のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 90.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 2.0 本発明のカルボン酸(C−11) 2.0 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 酸分解性低分子化合物a 5.0 界面活性剤(W−3) 0.02 溶剤(S−3) 660.00 (S−5) 73.33
【0141】 実施例4のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体B 93.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.0 本発明のカルボン酸(C−18) 5.0 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 界面活性剤(W−1) 0.02 溶剤(S−1) 733.33
【0142】 実施例5のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 87.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.5 本発明のカルボン酸(C−19) 0.5 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 酸分解性低分子化合物a 10 界面活性剤(W−3) 0.02 溶剤(S−3) 513.33 (S−4) 220.00
【0143】 比較例1のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 98.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.0 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 界面活性剤(W−1) 0.02 溶剤(S−1) 733.33
【0144】 比較例2のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 91.70重量部 光酸発生剤(PAG−1) 2.0 本発明のカルボン酸(C−3) 1.0 含窒素塩基性化合物(N−2) 0.10 酸分解性低分子化合物a 5.0 界面活性剤(W−4) 0.20 溶剤(S−1) 513.33 (S−2) 220.00
【0145】 比較例3のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 90.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 2.0 カルボン酸(C'−1) 2.0 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 酸分解性低分子化合物a 5.0 界面活性剤(W−3) 0.02 溶剤(S−3) 660.00 (S−5) 73.33
【0146】 比較例4のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体B 93.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.0 カルボン酸(C'−2) 5.0 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 界面活性剤(W−1) 0.02 溶剤(S−1) 733.33
【0147】 比較例5のポジ型感光性樹脂組成物の組成: 重合体A 87.88重量部 光酸発生剤(PAG−1) 1.5 カルボン酸(C'−3) 0.5 含窒素塩基性化合物(N−1) 0.10 酸分解性低分子化合物a 10 界面活性剤(W−3) 0.02 溶剤(S−3) 513.33 (S−4) 220.00
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】上記表1及び2に示すように、本発明のポ
ジ型感光性樹脂組成物は、いづれも現像欠陥が極めて少
なく、ラインエッジラフネス、形状等のいずれにおいて
も満足のいく結果である。一方、(C)カルボン酸を含
有しない比較例1は、現像欠陥とラインエッジラフネス
が劣る。また、本発明のカルボン酸を用いても本発明で
特定しない界面活性剤を用いると(比較例2)、同様に
現像欠陥とラインエッジラフネスが劣る結果であった。
フッ素原子を分子構造中に有するが炭素数が短かいカル
ボン酸を用いた場合(比較例3)は、本発明の実施例に
比較すれば、現像欠陥とラインエッジラフネスが劣る。
フッ素原子を有する芳香族カルボン酸を用いた場合(比
較例4)は、現像欠陥とプロファイルが劣っていた。フ
ッ素原子を有さない脂肪族カルボン酸を用いた場合(比
較例5)は、本発明の実施例に比較すれば、現像欠陥と
プロファイル、ラインエッジラフネスがやや劣ってい
た。
【0151】
【発明の効果】本発明に係わるポジ型感光性樹脂組成物
は、(A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、酸の作用に
より分解してアルカリ可溶性となる重合体、(B)活性
光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)一分子中に少なくとも4つのフッ素原子を有し、
炭素数が4から20で分子量が1000以下の脂肪族カ
ルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸、(D)含窒素塩基性
化合物及び(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活
性剤を組み合わせることにより、レジスト形状、感度、
解像力、ラインエッジラフネスが優れるとともに現像欠
陥を低減させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 504 504 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA04 AB15 AB16 AC04 AC05 AC06 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CC04 CC20 FA03 FA12 FA17 4J002 BG071 BK001 CE001 EF037 EF067 EN048 EN068 EN136 EN138 EU048 EU068 EV248 EV296 EW176 FD319 GP03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)環状脂肪族炭化水素骨格を有し、
    酸の作用により分解してアルカリ可溶性となる重合体、
    (B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化
    合物、(C)一分子中に少なくとも4つのフッ素原子を
    有し、炭素数が4から20で分子量が1000以下の脂
    肪族カルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸、(D)含窒素
    塩基性化合物、及び(E)フッ素系及び/又はシリコン
    系界面活性剤を含有することを特徴とするポジ型感光性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 更に、分子量が2000以下であって、
    酸の作用により分解し得る基を有し、アルカリ溶解性が
    酸の作用により増大する低分子酸分解性化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 活性光線が220nm以下の遠紫外光で
    露光されることを特徴とする請求項1または2に記載の
    ポジ型感光性樹脂組成物。
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