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JP2000109983A - 抗菌性金属板 - Google Patents

抗菌性金属板

Info

Publication number
JP2000109983A
JP2000109983A JP10296214A JP29621498A JP2000109983A JP 2000109983 A JP2000109983 A JP 2000109983A JP 10296214 A JP10296214 A JP 10296214A JP 29621498 A JP29621498 A JP 29621498A JP 2000109983 A JP2000109983 A JP 2000109983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
antibacterial
group
bonded
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10296214A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hayakawa
聡 早川
Shinji Suzuki
慎司 鈴木
Hideto Ohashi
英人 大橋
Juji Konagaya
重次 小長谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP10296214A priority Critical patent/JP2000109983A/ja
Publication of JP2000109983A publication Critical patent/JP2000109983A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用性を満たす十分高い抗菌性及び防かび性
を兼ね備えた、抗菌性の層を表面に有する金属板を提供
し、更に、その抗菌性の表面層に、実用に耐える十分な
耐久性を付与することを目的とする。 【解決手段】 有機系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合
した高分子物質と、該高分子物質に混合又は結合させた
親水性物質と、そして硬化剤とを含有する組成物よりな
る層を、金属板の表面に積層し硬化させてなる抗菌性金
属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機系抗菌剤成分を
結合した高分子物質及び親水性物質と光重合性硬化剤と
を含有する組成物よりなる層を積層した金属板に関し、
優れた抗菌性及び防かび性と実用的な耐久性をあわせも
ち特に、壁、天井、床、建材の窓枠やドアノブ、手すり
等、調理用機器、家電製品、金属容器、エアコン、空調
機器、流し台等の水廻り用品、机、棚、家具類、医療用
機器、文具類、電車・自動車・船舶・航空機等の用途で
化粧板、内・外装板、構造体、付属品、部品等の構成材
料として好適に使用される抗菌・防かび性に優れた金属
板に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、中でもポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、及びポ
リエチレンテレフタレートは優れた物理的、化学的特性
を有し、繊維、プラスチック、フィルム、シート、接着
剤等に使用されている。最近、これらに無機系または有
機系の抗菌剤を充填または塗布した抗菌性を有する製品
が考案されている。
【0003】現在、主に検討または使用されている抗菌
剤としては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ
抽出物、ヒノキチオール、茶抽出抗菌剤等の天然品、光
酸化触媒としての酸化チタン粒子、酸化亜鉛超微粒子、
銀含有ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム等の無機
系化合物、及び有機アンモニウム塩系、有機ホスホニウ
ム塩系化合物等の有機合成品が挙げられる。
【0004】天然抗菌剤及び銀に代表される無機系抗菌
剤は、毒性の面で安全であることから最近注目を浴びて
おり、以下の抗菌剤がすでに報告されている。すなわ
ち:特開平3−83905号には銀イオン含有リン酸塩
系の抗菌剤が、特開平3−161409号には特定のイ
オン交換容量を有するゼオライト中の一定容量を銀イオ
ンで置換してなる抗菌剤が、それぞれ記載されている。
【0005】本発明者らは、これらの公報の記載に従
い、それぞれの抗菌剤を適用したフィルム、シート、繊
維、プラスチックを作成して、その黄色ブドウ球菌、大
腸菌等に対する抗菌性を評価したが、フィルム、シート
等では透明性を維持しようと添加量を比較的控えめにす
ると抗菌活性は不十分であり、かといって抗菌活性を改
善しようとすると透明性を犠牲にしなければならず、実
用的には改良の余地が残るものであった。他方、有機合
成品の抗菌剤はかび類等に対して抗菌能が天然品、無機
品より優れるのが一般的であるが、低分子量であるため
フィルム等の基体へそれらの抗菌剤を表面塗布又は充填
した場合、基体から揮発、脱離、分離しやすく、抗菌性
の長期安定性の点から、また人体への安全性の点からも
好ましくない。抗菌剤をフィルム等に使用する場合に
は、抗菌剤が水や有機溶媒等に溶解せず、フィルム表面
から遊離、脱離、剥離、脱落し難いことが、抗菌性能の
長期安定性及び人体への安全性の何れの面からも好まし
い。
【0006】このような状況において、最近では、フィ
ルム、繊維等の原料となるポリマー素材に有機系の抗菌
剤をイオン結合又は共有結合で結合させた固定化抗菌剤
が開示されている。すなわち:特開昭54−86584
号公報には、カルボキシル基やスルホン酸等の酸性基に
4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分をイオン結合
させて含有する高分子物質を主体とした抗菌性材料が記
載されている。また、特開昭61−245378号に
は、アミジン基等の極性基や4級アンモニウム塩基を有
する抗菌剤成分を含有したポリエステル共重合体からな
る繊維が記載されている。更には、特開昭57−204
286号、特開昭63−60903号、特開昭62−1
14903号、特開平1−93596号、特開平2−2
40090号等の公報により、種々の含窒素化合物と同
様、ホスホニウム塩化合物は、細菌類に対して広い活性
スペクトルを持った生物学的活性化学物質であることが
知られている。
【0007】上記のホスホニウム塩を高分子物質に固定
化して用途の拡大を試みた発明も開示されている。すな
わち:特開平4−266912号にはホスホニウム塩系
ビニル重合体よりなる抗菌剤が、特開平4−81436
5号にはビニルベンジルホスホニウム塩系ビニル重合体
よりなる抗菌剤が、それぞれ開示されている。更には、
特開平5−310820号には、酸性基及びこの酸性基
にホスホニウム塩基を有する抗菌成分をイオン結合させ
て含有する高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載さ
れている。また、その実施例中には、スルホイソフタル
酸のホスホニウム塩を用いたポリエステルが開示されて
いる。また、特開平6−41408号には、抗菌作用に
は一切言及していないが、写真用支持体用、包装用、一
般工業用、磁気テープ用等に、スルホン酸ホスホニウム
塩の共重合ポリエステルとポリアルキレングリコールと
からなる改質ポリエステル及びポリエステルフィルムが
開示されている。上記特開平6−41408号に記載さ
れたホスホニウム塩に結合したアルキル基は、前記特開
平5−310820とは異なり、ブチル基やフェニル
基、ペンジル基と比較的炭素数の短いタイプである。
【0008】上記特開平4−266912号、特開平4
−814365号、及び特開平5−310820号に記
載された技術につき、それらの実施例に従ってホスホニ
ウム塩基含有ビニル共重合体及び共重合ポリエステルを
合成し繊維、フィルム、シート等を形成し、またそれら
の抗菌ポリマーを繊維、フィルムシート面上に塗布して
積層体を形成して、それらの抗菌性を評価したが、抗菌
活性は不十分であった。更には、抗菌性を向上させる目
的で、トリノルマルブチルドデシルホスホニウム塩基を
50モル%以上結合させたポリエステルを合成し、該ポ
リエステルからフィルム、シート等を作成したが、ポリ
マーの着色、及びガラス転移点の低下による力学物性の
低下のみならず、抗菌性も不十分であった。
【0009】更に、前述の有機系抗菌剤を単独又は混合
使用して、繊維、織物、フィルム、シート等を形成し、
その黄色ブドウ球菌、大腸菌、クロコウジカビ、黒色酵
母様菌等に対する抗菌性を評価したが、抗菌活性は不十
分であり、実用性に欠けていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を解決し、実用性を満たす十分高い抗菌性及
び防かび性を兼ね備えた、抗菌性の層を表面に有する金
属板を提供し、更に、その抗菌性の表面層に、実用に耐
える十分な耐久性を付与することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗菌層中
の有機系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合した高分子物
質に親水性を付与することにより、その抗菌活性が著し
く高められると共に、実用に耐える高い耐久性をも併せ
持つことを見出し、この知見に基づいて更に検討を重ね
て本発明を完成させた。
【0012】すなわち本発明は、有機系抗菌剤成分を主
鎖又は側鎖に結合した高分子物質と、該高分子物質に混
合又は結合させた親水性物質と、そして硬化剤とを含有
する組成物よりなる層を、金属板の表面に積層し硬化さ
せてなる抗菌性金属板を提供する。金属板表面への該層
の積層は、片面、両面、面の一部分等、所望の部位に施
されていてよい。
【0013】有機系抗菌剤成分としては種々のものを用
いてよいが、特に好ましい例は、アンモニウム塩基、ホ
スホニウム塩基、又はスルホニウム塩基であり、これら
の少なくとも一つを主鎖又は側鎖に結合した高分子物質
が特に好ましく用いられる。
【0014】また、硬化剤としては種々のものを用いて
よいが、特に好ましい例は、光重合性硬化型樹脂であ
る。
【0015】また、親水性物質としては種々のものを用
いてよいが、特に好ましい例は、水酸基、アミノ基、ア
ミド基、カルボキシル基、スルホン酸基もしくはそのア
ルカリ金属塩、第4級アンモニウム塩基、アミン塩基、
ポリエーテル鎖、又はポリアミン鎖の少なくとも1種を
有する重合体である。
【0016】更に好ましい例は、有機系抗菌剤成分とし
てのアンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、又はスルホ
ニウム塩基を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質に対
し、親水性物質を共有結合を介して結合させたものであ
る。このようにすることにより、硬化層の親水性は更に
大幅に向上する。
【0017】特に好ましい例は、親水性物質が、側鎖に
親水性基を有するビニル系重合体よりなり、これを有機
系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質にグ
ラフト重合させたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の抗菌性金属板につ
いて更に具体的に説明する。本発明において用いる有機
系抗菌剤とは、抗菌性能を有する、天然抽出物、低分子
有機化合物、重合体の総称で、窒素、硫黄、リン等の元
素を含むものが一般的である。例えば、天然の抗菌剤と
しては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ抽出
物、ヒノキチオール、茶抽出物等が、低分子の有機化合
物としては、イソチオシアン酸アリル、ポリオキシアル
キレントリアルキルアンモニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、ヘキサメチレンビグアニド塩酸塩等の第4級アンモ
ニウム塩、有機シリコン第4級アンモニウム塩、トリ−
n−ブチルヘキサデシルホスホニウムクロリド、トリ−
n−ブチルテトラデシルホスホニウムクロリド等の第4
級ホスホニウム塩、フェニルアミド系、ビグアニド系、
スルホイソフタル酸テトラアルキルホスホニウム塩又は
そのジエステル、イミダゾール・チアゾール系化合物、
チオカーバイト系化合物、ピリジン・キノリン系化合物
その他が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0019】これらの有機系抗菌剤のうちでは、高分子
物質への結合のしやすさからは、アンモニウム塩基、ホ
スホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フ
ェニルアミド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を主鎖又
は側鎖に結合した重合体が好ましく、特に、高い抗菌活
性と幅広い抗菌スペクトルを有するホスホニウム塩系化
合物が最も好ましい。
【0020】本発明の高分子物質とは、主鎖又は側鎖に
有機系抗菌剤成分を結合していれば、いかなる高分子化
合物でもよい。以下に具体例を示すが、これに限定され
るものではない。好ましい一例は、酸性基及び酸性基に
イオン結合しているホスホニウム塩基を含む高分子物質
であり、更に好ましい一例は、ジカルボン酸成分及びグ
リコール成分を主成分とし、次の一般式で示されるスル
ホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩基を
全酸成分に対し1〜50モル%共重合したポリエステル
樹脂である。
【0021】
【化1】
【0022】(式中、Aは芳香族基、X1、X2はエス
テル形成性官能基、Rl、R2、R3、R4はアルキル
基であり、そのうちの少なくとも1個は炭素数10以上
20以下のアルキル基である。)
【0023】この他、高分子物質の1つに、次式で示さ
れる構造を特徴とするホスホニウム系ビニル重合体が挙
げられる。
【0024】
【化2】
【0025】(R5、R6、R7は水素原子、炭素原子
1〜18個の直鎖の又は分岐のあるアルキル基、アリー
ル基、ヒドロキシル基、またはアルコキシ基で置換され
たアルキル基、アリ−ル基又はアラルキル基を表し、X
- はアニオン、nは2以上の整数を表す。)
【0026】上記R5、R6、R7の具体例としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、ト
リル、キシリル等のアリール基、ベンジル、フェネチル
等のアラルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等で
置換されたもので、アルキル基、アリール基等が特に好
ましい。R5、R6、R7は同一の基でも、異なった基
でもよい。X- はアニオンであり、たとえば、フッ素、
塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲンイオン、硫酸イオ
ン、リン酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、ハロ
ゲンイオンが好ましい。nは特に限定しないが、2〜5
00、好ましくは10〜300である。
【0027】該ポリエステル樹脂に使用するジカルボン
酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が
挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲で脂環
式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカル
ボン酸等を併用してもよい。脂環式ジカルボン酸として
は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸として
は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、エイコ酸、ダイ
マー酸及びその誘導体等が挙げられる。複素環式ジカル
ボン酸としては、ピリジンジカルボン酸及びその誘導体
が挙げられる。またp−オキシ安息香酸等のオキシカル
ボン酸や、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等
の多価のカルボン酸を発明の内容を損なわない範囲で併
用してもよい。
【0028】これらのうち、塗膜にした場合の実用上の
耐久性の点からは、芳香族ジカルボン酸を70モル%以
上含むことが好ましい。その他のジカルボン酸として
は、1,4−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸が
特に好ましい。
【0029】グリコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカン
ジオール等のアルキレングリコール、1,2−シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノ
ールAまたはFのアルキレンオキサイド付加物、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシ
ピバリン酸のネオペンチルグリコールエステル(HP
N)、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等が挙げられる。
【0030】この他、少量のアミド結合、ウレタン結
合、エーテル結合、カーボネート結合を含有する化合物
を含んでいてもよい。
【0031】これらのうち、塗膜にした場合の実用上の
耐久性の点からは、エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールが特に好ましい。
【0032】また、発明の内容を損なわない範囲で、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール等の多価ポリオールを併用
してもよい。
【0033】スルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホ
スホニウム塩としては、スルホイソフタル酸トリ−n−
ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム
塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシル
ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチル
ヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ
−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソ
フタル酸−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、4−ス
ルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチ
ルデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホ
ニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン
酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、4−
スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブ
チルテトラデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルドデシルホ
スホニウム塩等が挙げられ、抗菌活性の点からはスルホ
イソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウ
ム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシ
ルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチ
ルドデシルホスホニウム塩が特に好ましい。
【0034】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩
は、スルホ芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等に、トリ−n−ブチ
ルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブ
チルテトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−
ブチルドデシルホスホニウムブロマイド等のホスホニウ
ム塩を反応させることにより得られる。このときの反応
溶媒は特に限定されないが、水が最も好ましい。
【0035】該共重合ポリエステルには、着色度及びゲ
ル発生度等の耐熱性改善の目的で、酸化アンチモン、酸
化ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢
酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カ
ルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、
塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn
塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を、各々金
属イオンとして300ppm以下、リン酸またはリン酸
トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリ
ン酸エステル誘導体を、燐(P)換算で200ppm以
下添加することも可能である。
【0036】上記重合触媒以外の金属イオンの総量が3
00ppm、またP量が200ppmを超えると、ポリ
マーの着色が顆著になるのみならず、ポリマーの耐熱性
及び耐加水分解性も著しく低下する。
【0037】このとき、耐熱性、耐加水分解性等の点
で、総P量と総金属イオン量とのモル比は、0.4〜
1.0であることが好ましい。これら添加物のモル比
(モル原子比)は、次の式で表される。
【0038】
【数1】
【0039】上記モル原子比が0.4未満または1.0
を超える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子発
生が顕著となり、好ましくない。
【0040】該ポリエステルの製造法は特に限定しない
が、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反応させ、
得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合
法、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールと
をエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆる
エステル交換法等が挙げられ、任意の製造法を適用する
ことができる。
【0041】上記金属イオン及びリン酸及びその誘導体
の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イオ
ン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエ
ステル化前に添加するのが、リン酸類は重縮合反応前に
添加するのが、それぞれ好ましい。
【0042】本発明の抗菌性樹脂組成物はホスホニウム
塩基を含むポリエステル樹脂に親水性物質を混合または
共有結合を介して化学的に結合させてあることを特徴と
する。親水性物質の存在により、著しく抗菌性が向上す
る。
【0043】本発明における親水性物質とは、水との親
和性に優れた物質で、水に溶解、分散あるいは保水性、
保湿性があり、膨潤可能な物質である。一般的には、ア
ミノ基、アミド基、カルボキシル基またはそのアルカリ
金属塩、スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩等の親
水基またはそれらの親水性誘導体、あるいはエーテル結
合を1分子内に2個以上含む有機化合物または高分子化
合物であり、具体例としては、ポリビニルアルコール、
澱粉、ポリアクリル酸のホモポリマーまたは共重合体、
ポリメタクリル酸のホモポリマーまたは共重合体、無水
マレイン酸のホモポリマーまたは共重合体(例えば、無
水マレイン酸・スチレン共重合体)、ポリビニルスルホ
ン酸またはその共重合体またはそれらのアルカリ金属
塩、ボリエチレングリコール(別名ポリエチレンオキサ
イド)ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の
ポリアルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリ
ン等のポリオールまたはその重合体、グリセリン、ポリ
グリセリン、水溶性変性セルロースとしてはヒドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシセルロースナトリウ
ム、セルロースナイトレートカルボキシルメチルエーテ
ル等が挙げられる。これらを該ホスホニウム塩基を含む
ポリエステル樹脂に混合して使用する。
【0044】該親水性物質の分子量は特に限定されない
が、ポリエチレングリコールの場合には数平均分子量で
200以上30000以下が好ましく、1000以上2
5000以下が更に好ましい。
【0045】混合すべき該親水性物質の量(共重合体の
場合は、共重合体中に占める親水性モノマーの量をい
う)は、ポリエステル樹脂に対して0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに好ましくは
1〜5重量%である。0.1重量%以下では抗菌活性増
大効果が不十分で、20重量%を超えると抗菌組成物の
機械的特性及び耐熱性・耐候性が低下し、好ましくな
い。親水性物質との混合方法は特に限定せず、ポリエス
テル樹脂の製造方法、化学的性質、物理的性質により任
意の方法を採用できる。例えば、両者を押し出し機等を
用いて加熱溶融混合する方法、また、高分子物質と親水
性物質を適当な溶媒中、例えば水、水/アルコール混合
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等の有機溶媒に混合溶解または分散した後、該溶媒を
乾固する方法がある。
【0046】親水性物質を導入する別の方法としては、
上記のようにポリエステル樹脂に混合する代わりに、ア
ミノ基、アミド基、カルボキシル基またはそのアルカリ
金属塩、スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩等の親
水基またはそれらの親水性誘導体を、ホスホニウム塩基
を含むポリエステル樹脂の主鎖または側鎖に共重合する
こともできる。共重合することにより、相溶性が改善さ
れると共に、塗膜にした場合の外観、貯蔵安定性等の物
性も改善される。
【0047】これらの親水基を共重合する方法として
は、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)
イソフタル酸等の金属塩または2−スルホ−1,4−ブ
タンジオール、2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5
−ヘキサンジオール等の金属塩等のスルホン酸金属塩基
を含有するジカルボン酸またはグリコールをポリエステ
ル樹脂に共重合する方法、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等のアルキレングリコールをポリエステル樹脂に共重
合する方法、親水性基を含むビニル系モノマーをポリエ
ステル樹脂にグラフト重合する方法等が挙げられる。
【0048】本発明におけるポリエステル樹脂にグラフ
トさせることができる親水性基を有するビニル系モノマ
ーとしては、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、
アミド基等を含むものが挙げられ、親水性基に変化させ
ることができる基としては、酸無水物基、グリシジル
基、クロル基等を含むものが挙げられる。その中で、カ
ルボキシル基を有するものが最も好ましい。例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩等のカルボキシ
ル基又はその塩を含有するモノマー、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
t−ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキ
シ含有モノマー、アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N
−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチル
メタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミ
ド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノ
マー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等のエポキシ含有モノマー等が挙げられる。
【0049】その他の親水性基を有するモノマーとして
は、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基
含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸
及びそれらの塩等のスルホン酸基またはその塩を含有す
るモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸及びそれらの塩等のカルボキシル基またはその塩
を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等の酸無水物を含有するモノマーが挙げられる。これら
は他のモノマーと併用することができる。他のモノマー
としては、例えばビニルイソシアネート、アリルイソシ
アネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、アクリロニトリル、メタクリルニトリ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げ
られ、これらの中から1種頼又は2種類を用いて共重合
することができる。
【0050】親水性基を有するモノマーとそれ以外のモ
ノマーとの比率はモル比で30/70〜100/0の範
囲とすることが好ましい。親水性基を有するモノマーの
比率が30モル%未満では、抗菌性を高める効果が充分
に発揮されないからである。
【0051】親水性基を含有するモノマーをポリエステ
ルにグラフトさせる方法としては、公知のグラフト重合
法を用いることができる。その代表例として以下の方法
が挙げられる。
【0052】例えば、光、熱、放射線等によって主鎖の
高分子物質にラジカルを発生させてからモノマーをグラ
フト重合させるラジカル重合法、あるいはAICl3
TiCl4 等の触媒を用いてカチオンを発生させるカチ
オン重合法、あるいは金属Na、金属Li等を用いてア
ニオンを発生させるアニオン重合法等がある。
【0053】また、あらかじめ主鎖の高分子物質に重合
性不飽和二重結合を導入しこれにビニル系モノマーを反
応させる方法が挙げられる。これに用いる重合性不飽和
二重結合を有するモノマーとしては、フマル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水マレイン酸、
2,5−ノルボルネンジカルボン酸等を挙げることがで
きる。このうち最も好ましいものはフマル酸、マレイン
酸、及び2,5−ノルボルネンジカルボン酸である。
【0054】また、側鎖に官能基を導入した主鎖の高分
子物質と、末端に前記官能基と反応する基を有する枝ポ
リマーを反応させる方法も挙げられる。例えば、側鎖に
−OH基、−SH基、−NH2 基、−COOH基、−C
ONH2 基等の水素供与基を有する高分子と、片末端
が、−N=C=O基、−C=C=O基、
【0055】
【化3】
【0056】等の水素受容基であるビニル系共重合体と
を反応させる方法、この逆の組み合わせで反応させる方
法が挙げられる。
【0057】本発明の主鎖となるポリエステルと、グラ
フトされるビニル系モノマーの好ましい重量比は、95
/5〜40/60の範囲であり、さらに好ましくは93
/7〜55/45、最も好ましくは90/10〜60/
40の範囲である。主鎖の高分子物質の重量比が40%
未満であると、グラフト重合性ビニル系モノマーが完全
に反応しないまま残るため、従来の高分子の持つ耐熱
性、加工性、耐水性等の特性が損なわれる。また主鎖の
高分子物質の重量比が95%を超えるときは、本発明の
目的である抗菌性の向上効果が充分に発揮されない。
【0058】親水性物質が高分子物質に混合されている
場合と共重合している場合とで、両者に抗菌性において
実質的に差はなく、何れでも良好な抗菌性が得られる。
【0059】本発明は、前述のポリエステル、親水性物
質に加えて、硬化剤を配合することに特徴がある。
【0060】硬化剤は熱硬化型樹脂と電離放射線硬化型
樹脂に大別されるが、本発明における硬化剤としては、
光重合性硬化型樹脂が好ましい。その理由は、樹脂設計
の自由度、速硬化性、作業環境性の観点から電離放射線
硬化型樹脂の方が優れている点にある。硬化型樹脂を配
合することにより良好な塗膜物性を得ることができる。
電離放射線硬化型樹脂は、少なくとも電子線あるいは紫
外線照射により硬化される樹脂を含有する組成物より形
成される。具体的には、光重合開始剤、光重合性プレポ
リマーを含有し、更に必要に応じて光重合性モノマー、
光増感剤、レベリング剤等の添加剤、溶剤等を含有する
ものである。
【0061】光重合性プレポリマーは分子骨格中に挿入
された反応基が電離放射線照射されることによりラジカ
ル重合またはイオン重合する。ラジカル重合性プレポリ
マーとしてはアクリロイル基を有するアクリル系プレポ
リマーが、イオン重合性プレポリマーとしてはエポキシ
基を含有するエポキシ系プレポリマーが代表的なもので
ある。アクリル系プレポリマーは、1分子中に2個以上
のアクリロイル基を有し、ウレタンアクリレート、エポ
キシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用
できる。これらは官能基数が多いほど速硬化性があり硬
度も高くなる。エポキシ系プレポリマーとしては、ビス
フェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノ
ールF型、フェノールノボラック型、脂環型等のエポキ
シオリゴマーが使用できる。エポキシ系プレポリマーは
エポキシ基がカチオン的に開環重合するので熱的因子が
硬化反応に影響し、電離線照射時あるいは照射後50℃
〜60℃程度に加温することでさらに硬化反応性を高め
ることができる。光重合性プレポリマーの好ましい配合
量は該ポリエステルと親水性物質の合計に対し5〜60
重量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。
【0062】光重合開始剤は、ラジカル重合性プレポリ
マーにおいてはアクリロイル基の反応を短時間で開始さ
せ、反応を促進するために添加され、触媒的な作用をす
るものである。光開始剤の種類としては自己開裂するこ
とによりラジカル重合させるもの、水素を引き抜くこと
によりラジカル重合させるものがある。前者にはベンゾ
インエーテル類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒド
ロキシアセトフェノン類、モルホリノアセトフェノン類
等が用いられ、後者にはベンゾフェノン類、環状ベンゾ
フェノン類、ベンジル等が用いられ、これらの1種ある
いは2種以上が使用できる。またイオン重合性プレポリ
マーにおいては、光重合開始剤は電離線エネルギーを吸
収してカチオン重合を開始させる触媒成分を放出する化
合物であり、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウ
ム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等が用
いられる。光重合開始剤は、樹脂固形分に対して好まし
くは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜5重量%混
合して使用する。
【0063】光重合性硬化型樹脂中には、前述の光重合
性プレポリマー、光重合開始剤の他に、必要に応じて光
重合性モノマーが添加される。特にラジカル重合性プレ
ポリマーにおいては、高粘度の光重合性プレポリマーを
希釈し、粘度を低下させ作業性を向上させる為に、また
架橋剤として塗膜強度を付与するために有効である。ラ
ジカル重合の光重合性モノマーとしては、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト等の単官能アクリルモノマー、エチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の2官
能性アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリア
クリレート等の多官能アクリルモノマーの1種もしくは
2種以上が使用される。
【0064】本発明の抗菌性組成物に、滑り性、耐磨耗
性、耐ブロッキング性、隠蔽性等の物理的特性の向上を
目的として、抗菌性組成物中に予め炭酸カルシウム(C
aC03)、リン酸カルシウム、アパタイト、硫酸バリ
ウム(BaS04)、フッ化カルシウム(CaF2)、タ
ルク、カオリン、酸化珪素(Si02)、アルミナ(A
23)、二酸化チタン、酸化ジルコニウム(Zr
2)、酸化鉄(Fe23)、アルミナ/シリカ複合酸
化物等の無機粒子、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリアクリル酸エステル、それらの共重合体、
あるいはそれらの架橋体等の有機粒子等を添加すること
も可能である。
【0065】本発明の抗菌樹脂組成物に、電子線あるい
は紫外線等の電離放射線を照射すると、光硬化型樹脂が
反応して硬化し、良好な塗膜物性を得ることができる。
電子線を照射する場合、走査型あるいはカーテン型の電
子線加速器を用い、加速亀圧1000keV以下、好ま
しくは100〜300keVのエネルギーを有し、10
0nm以下の波長領域の電子線を照射して行うことがで
きる。紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドラ
ンプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200
〜400nmの波長領域で20〜1500mJ/cm2
の積算光量の紫外線を照射する。
【0066】本発明の抗菌性金属板は、前記の抗菌層を
金属板に積層してなるものである。本発明に使用される
金属板としては、アルミ、鋼、それらを主成分とする合
金を材料とするものが好ましく、具体的には、軟鋼、電
鋳鋼、ステンレス鋼、ブリキ、ティンフリースチール、
純アルミニウム、アルミニウム合金、スズめっき鋼、ク
ロムめっき鋼、ニッケルめっき鋼、溶融亜鉛めっき鋼、
電解亜鉛めっき鋼、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼、アルミニウムめっき鋼を代表として挙げることがで
きる。これらの金属板は、適宜、表面に有機処理、無機
処理、例えば、リン酸処理、クロム処理、リン酸クロメ
ート処理、アルマイト処理等が施されていても良い。
【0067】抗菌層を金属板上に積層する方法として
は、本発明の抗菌性樹脂組成物を溶媒に溶解または分散
したものを、バーコーティング、ブレードコーティン
グ、グラビアコーティング、スピンコーティング、スプ
レーコーティング、デイップコーティング等の通常の塗
布法により金属板上に直接またはプライマーコーティン
グ層を設けた上に塗布・乾燥する方法;ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のフ
ィルム・シートに、本発明の抗菌性樹脂組成物を溶媒に
溶解または分散したものを前記の塗布法により塗布し乾
燥させた後、当該フィルム・シートを非塗布面側を接着
面として金属板に積層する方法等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0068】上記方法等により抗菌層を金属板に積層
後、電子線あるいは紫外線を照射して硬化させ、抗菌性
及び耐久性に優れた硬化型樹脂層を有する金属板を得る
ことができる。
【0069】本発明の抗菌性金属板は例えば、台所、ト
イレ、風呂場等の壁・床・天井、病院や医療設備・公共
施設・一般家屋等の建材の窓枠やドアノブ、手すり等、
電子レンジ・炊飯器等の調理用機器、冷蔵庫・洗濯機・
電話機・掃除機等の家電製品、缶詰・飲料缶・ペール缶
・ドラム缶等の金属容器、システムキッチン・流し台等
の水廻り用品、エアコン・空気清浄機等の空調機器、机
・棚・テーブル等の家具類、医療用機器全般、文具類、
電車・自動車・船舶・航空機等の用途で化粧板、内・外
装板、構造体、付属品、部品等の構成材料として好適で
ある。
【0070】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。以下に、実施例及び比較例で得られた抗
菌性金属板の物性の測定方法を示す。
【0071】1.抗菌性試験 1/50ブロースで希釈したE.coli(大腸菌)の
菌液(濃度:105 個/mL)の0.1mLを予め高圧
蒸気滅菌した5cmX5cmの大きさの試料フィルム上
に滴下し、そのフィルムに高圧蒸気滅菌したサランラッ
プ(登録商標)フィルムを密着させた。その試験片を滅
菌シヤーレに移し、37℃で24時間培養した。次いで
フィルム上の菌をSCDLP培地10mLで洗い出し、
10倍希釈し、普通寒天平板にまき、24時間後に菌数
を計測した。
【0072】2.耐熱水性 10cmXlOcmの大きさの試料を97℃±1℃にコ
ントロールした蒸留水1L中に2時間浸漬後取り出し、
塗膜外観の変化を次の基準により評価した。 ○:外観変化なし △:わずかに白化が認められる ×:著しい白化が認められる
【0073】3.表面硬度 試料塗膜表面を、JIS S−6001に規定された高
級鉛筆を用い、JISK−5400に従って測定し、キ
ズの有無を調べた。
【0074】(ポリエステル樹脂の製造例1)撹拌機、
温度計及び部分還流式冷却器を備えたステンレススチー
ル製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート485
部、ジメチルイソフタレート388部、5−スルホジメ
チルイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウ
ム塩161部、エチレングリコール443.3部、ネオ
ペンチルグリコール400.4部、及びテトラ−n−ブ
チルチタネート0.52部を仕込み、160〜220℃
まで4時間かけてエステル交換反応を行った。次いでフ
マル酸29部を加え、200〜220℃まで1時間かけ
て昇温し、反応系を徐々に減圧したのち、0.2mmH
gの減圧下で1時間30分反応させ、ポリエステル(A
−1)を得た。得られたポリエステルの組成は、ジカル
ボン酸成分及びジオール成分に区分してそれぞれの内訳
(モル%)で示すと、以下の通りである。
【0075】<ジカルボン酸成分> テレフタル酸 50モル% イソフタル酸 40モル% C12ホスホニウム塩 5モル% フマル酸 5モル% <ジオール成分> エチレングリコール 65モル% ネオペンチルグリコール 35モル%
【0076】同様の方法により、種々のポリエステル
(A−2、A−3)を製造した。これらのポリエステル
の組成を、ポリエステル(A−1)の組成と併せて、次
の表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】グラフト重合体の製造例1 撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器に、ポリエステル(A−1)300部、メチルエチル
ケトン360部、イソプロピルアルコール120部を入
れ、加熱・撹拌し還流状態で樹脂を溶解した。樹脂が完
全に溶解した後、アクリル酸65部とアクリル酸エチル
35部、オクチルメルカプタン1.5部の混合物と、ア
ゾビスイソブチロニトリル6部をメチルエチルケトン9
0部、イソプロピルアルコール30部の混合液に溶解し
た溶液とを、1.5時間かけてポリエステル溶液中にそ
れぞれ滴下し、さらに3時間反応させ、グラフト重合体
溶液(B−1)を得た。
【0079】同様な方法によりポリエステル(A−2、
A−3)をグラフト重合化しグラフト重合体(B−2、
B−3)を得た。
【0080】グラフト重合体の製造例2 アクリル酸の量を20部、アクリル酸エチルの量を10
部に変更したことを除き、グラフト重合体の製造例1と
同様な方法でグラフト重合体溶液(B−4)を得た。
【0081】グラフト重合体の製造例3 グラフトするモノマーとしてN−メチルアクリルアミド
35部、アクリルアミド65部を用いたことを除いて、
グラフト重合体の製造例1と同様な方法でグラフト重合
体溶液(B−5)を得た。
【0082】グラフト重合体の製造例4 グラフトするモノマーとしてスチレン15部、酢酸ビニ
ル85部を用いたことを除いて、グラフト重合体の製造
例1と同様な方法でグラフト重合体溶液(B−6)を得
た。
【0083】上記ポリエステル(B−1〜B−6)の組
成を、以下の表2〜4にまとめて示す。
【0084】
【表2】
【0085】実施例1 グラフト重合体溶液(B−1)100固形分に対してア
クリル系光重合性プレポリマー(C−1:ビームセット
700;荒川化学(株)製)35部、光開始剤(D−
1:イルガキュアー907;チバガイギー(株)製)
2.5部を添加した後、メチルエチルケトンにて全固形
分濃度が17重量%となるように希釈してコーティング
液とした。 次いで、厚さ0.2mmのティンフリ−ス
チール板上の片面に塗布量が4.5g/cm2 となるよ
うにコーティング液を塗布した後、熱風オーブン中で7
0℃にて5分間乾燥し、その後紫外線照射装置にて80
0mJ/cm2 の積算照射光量の紫外線を照射して硬化
させ、表層に硬化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成し
た。この樹脂積層金属板の特性を表6に示す。
【0086】比較例1 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりに、ポリエステ
ル(A−1)をメチルエチルケトン、イソプロピルアル
コールの混合液に溶解させた液を用いたことを除いて、
実施例1と同様な方法でコーティング液を作成し、次い
で、表層に硬化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成し
た。この樹脂積層金属板の特性を表6に示す。
【0087】実施例2 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりにグラフト重合
体溶液(B−2)を用いたことを除いて、実施例1と同
様な方法でコーティング液を作成し、次いで、表層に硬
化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積
層金属板の特性を表6に示す。
【0088】比較例2 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりにグラフト重合
体溶液(B−3)を用いたことを除いて、実施例1と同
様な方法でコーティング液を作成し、次いで、表層に硬
化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積
層金属板の特性を表6に示す。
【0089】実施例3 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりにグラフト重合
体溶液(B−4)を用いたことを除いて、実施例1と同
様な方法でコーティング液を作成し、次いで、表層に硬
化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積
層金属板の特性を表6に示す。
【0090】実施例4 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりにグラフト重合
体溶液(B−5)を用いたことを除いて、実施例1と同
様な方法でコーティング液を作成し、次いで、表層に硬
化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積
層金属板の特性を表6に示す。
【0091】比較例3 グラフト重合体溶液(B−1)の代わりにグラフト重合
体溶液(B−6)を用いたことを除いて、実施例1と同
様な方法でコーティング液を作成し、次いで、表層に硬
化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積
層金属板の特性を表6に示す。
【0092】(ポリエステル樹脂の製造例2)撹拌機、
温度計及び部分還流式冷却器を備えたステンレススチー
ル製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート43
6.5部、ジメチルイソフタレート436.5部、5−
スルホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシル
ホスホニウム塩322部、エチレングリコール682
部、及び酢酸亜鉛0.55部を仕込み、160〜220
℃まで昇温して、生成するメタノールを系外に留去しな
がら4時間かけてエステル交換反応を行った。エステル
交換反応終了後、250℃にて分子量1000のポリエ
チレングリコール(ナカライ(株)製)を55部、さら
に酸化アンチモン0.44部及びトリメチルホスフェー
ト0.28部を加えて15分間撹拌し、反応系を徐々に
減圧したのち、0.2mmHgの減圧下で1時間30分
反応させ、ポリエステル(A−4)を得た。得られたポ
リエステルの組成は、ジカルボン酸成分及びジオール成
分に区分してそれぞれの内訳(モル%)で示すと、以下
の通りである。
【0093】<ジカルボン酸成分> テレフタル酸 45モル% イソフタル酸 45モル% C12ホスホニウム塩 10モル% <ジオール成分> エチレングリコール 98.9モル% ポリエチレングリコール 1.1モル%
【0094】同様の方法により種々のポリエステル(A
−5,A−6)を製造した。これらのポリエステルの組
成を、ポリエステル(A−4)の組成と併せて、次の表
3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】実施例5 ポリエステル(A−4)固形分100部に対して、光開
始剤を含有した1液型のエポキシ系光重合性プレポリマ
ー(C−2:アデカKR566;旭電化(株)製)33
部を添加した後、メチルエチルケトンにて全固形分濃度
が17重量%となるように希釈してコーティング液とし
た。次いで厚さ0.2mmのティンフリースチール板上
の片面に塗布量が4.5g/cm2 となるようにコーテ
ィング液を塗布した後、熱風オーブン中で70℃にて5
分間乾燥し、その後紫外線照射装置にて800mJ/c
2 の積算照射光量の紫外線を照射して硬化させ、表層
に硬化塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹
脂積層金属板の特性を表6に示す。
【0097】比較例4 ポリエステル(A−4)の代わりにポリエステル(A−
5)を用いたことを除いて、実施例5と同様な方法でコ
ーティング液を作成し、次いで表層に硬化塗膜を有する
樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積層金属板の特性
を表6に示す。
【0098】比較例5 ポリエステル(A−4)の代わりにポリエステル(A−
6)を用いたことを除いて、実施例5と同様な方法でコ
ーティング液を作成し、ついで表層に硬化塗膜を有する
樹脂積層金属板を形成した。この樹脂積層金属板の特性
を表6に示す。
【0099】(ポリエステル樹脂の製造例3)撹拌機、
温度計及び部分還流式冷却器を備えたステンレススチー
ル製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート43
6.5部、ジメチルイソフタレート388部、5−スル
ホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホス
ホニウム塩322部、5−スルホジメチルイソフタル酸
ナトリウム74部、エチレングリコール443.3部、
ネオペンチルグリコール400.4部及び酢酸亜鉛0.
55部を仕込み、160〜220℃まで昇温して、生成
するメタノールを系外に留去しながら4時間かけてエス
テル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、アン
チモン0.44部及びトリメチルホスフェート0.28
部を加えて15分撹拌し、反応系を徐々に減圧したの
ち、0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応させ極
限粘度η=0.50のポリエステル(A−7)を得た。
得られたポリエステルの組成は、ジカルボン酸成分及び
ジオール成分に区分してそれぞれの内訳(モル%)で示
すと、以下の通りである。
【0100】<ジカルボン酸成分> テレフタル酸 45モル% イソフタル酸 40モル% C12ホスホニウム塩 10モル% 5−スルホジメチルイソフタル酸ナトリウム 5モル% <ジオール成分> エチレングリコール 65モル% ネオペンチルグリコール 35モル%
【0101】同様の方法により種々のポリエステル(A
−8,A−9)を製造した。これらのポリエステルの組
成を、ポリエステル(A−7)の組成と併せて、次の表
4に示す。
【0102】
【表4】
【0103】実施例6 ポリエステル(A−7)100固形分に対してアクリル
系光重合性プレポリマー(C−3:M7100;東亜合
成(株)製)35部、光開始剤(D−1)2.5部を添
加した後、メチルエチルケトンにて全固形分濃度が17
重量%となるように希釈してコーティング液とした。次
いで厚さ0.2mmのティンフリースチール板上の片面
に塗布量が4.5g/cm2 となるようにコーティング
液を塗布した後、熱風オーブン中で70℃にて5分間乾
燥し、その後紫外線照射装置にて800mJ/cm2
積算照射光量の紫外線を照射して硬化させ、表層に硬化
塗膜を有する樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積層
金属板の特性を表6に示す。
【0104】比較例6 ポリエステル(A−7)の代わりにポリエステル(A−
8)を用いたことを除いて、実施例6と同様な方法でコ
ーティング液を作成し、次いで表層に硬化塗膜を有する
樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積層金属板の特性
を表6に示す。
【0105】比較例7 ポリエステル(A−7)の代わりにポリエステル(A−
9)を用いたことを除いて、実施例6と同様な方法でコ
ーティング液を作成し、次いで表層に硬化塗膜を有する
樹脂積層金属板を作成した。この樹脂積層金属板の特性
を表6に示す。
【0106】比較例8 実施例1に準じて、グラフト重合体溶液(B−1)を用
いて全固形分濃度が17重量%となるように希釈してコ
ーティング液とした。次いで厚さ0.2mmのティンフ
リースチール板の片面に塗布量が4.5g/cm2 とな
るようにコーティング液を塗布した後、熱風オーブン中
で120℃3分間乾燥し、塗膜を有する樹脂積層金属板
を作成した。この樹脂積層金属板の特性を表6に示す。
【0107】比較例9 実施例2に準じて、グラフト重合体溶液(B−2)を用
いて全固形分濃度が17重量%となるように希釈してコ
ーティング液とした。次いで厚さ0.2mmのティンフ
リースチール板上の片面に塗布量が4.5g/cm2
なるようにコーティング液を塗布した後、熱風オーブン
中で120℃3分間乾燥し、塗膜を有する樹脂積層金属
板を作成した。この樹脂積層金属板の特性を表6に示
す。
【0108】次の表5に、上記各実施例及び比較例にお
いて用いたポリマー及び光重合開始剤をまとめて示す。
【0109】
【表5】
【0110】次の表6に、上記各実施例及び比較例の樹
脂積層金属板の特性をまとめて示す。
【0111】
【表6】
【0112】
【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂組成物は、抗菌性が
良好で、かつ実用上の使用に耐えうる優れた耐久性を併
せ持っていることから、この抗菌性樹脂組成物を積層し
た抗菌性金属板は抗菌性付与が望まれる用途、例えば台
所、トイレ、風呂場等の壁・床・天井、病院や医療施設
・公共施設・一般家屋等の建材の窓枠やドアノブ・手す
り等、電子レンジ・炊飯器等の調理用機器、冷蔵庫・洗
濯機・電話機・掃除機等の家電製品、缶詰・飲料缶・ペ
ール缶・ドラム缶等の金属容器、システムキッチン・流
し台等の水廻り用品、エアコン・空気清浄機等の空調機
器、机・棚・テーブル等の家具類、医療用機器全般、文
具類、電車・自動車・船舶・航空機等の用途で化粧板、
内・外装板、構造体、付属品、部品等の構成材料として
最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 英人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小長谷 重次 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H011 AA02 BB04 BB07 BB17 BB19 BC19 DA08 DD07 DH25 DH28 4K044 AA02 AA03 AA06 BA21 BB02 CA53 CA62

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合し
    た高分子物質と、該高分子物質に混合又は結合させた親
    水性物質と、そして硬化剤とを含有する組成物よりなる
    層を、金属板の表面に積層し硬化させてなる抗菌性金属
    板。
  2. 【請求項2】硬化剤が光重合性硬化型樹脂であることを
    特徴とする、請求項1に記載の抗菌性金属板。
  3. 【請求項3】有機系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合し
    た高分子物質が、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基
    又はスルホニウム塩基の少なくとも1種を主鎖及び/又
    は側鎖に結合した重合体であることを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の抗菌性金属板。
  4. 【請求項4】親水性物質が水酸基、アミノ基、アミド
    基、カルボキシル基もしくはそのアルカリ金属塩、スル
    ホン酸基もしくはそのアルカリ金属塩、第4級アンモニ
    ウム塩基、アミン塩基、ポリエーテル鎖又はポリアミン
    鎖の少なくとも1種を有する重合体であることを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載の抗菌性金属板。
  5. 【請求項5】有機系抗菌剤成分を主鎖又は側鎖に結合し
    た高分子物質に親水性物質が共有結合を介して結合して
    いることを特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載
    の抗菌性金属板。
  6. 【請求項6】有機抗菌剤成分としてのホスホニウム塩基
    を主鎖又は側鎖に結合した高分子物質に親水性成分が共
    有結合を介して結合していることを特徴とする請求項
    1、2、3、4又は5に記載の抗菌性金属板。
  7. 【請求項7】光重合性硬化型樹脂が少なくとも光重合開
    始剤、光重合性プレポリマー及び/又は光重合性モノマ
    ーからなるものである、請求項1、2、3、4、5又は
    6に記載の抗菌性金属板。
  8. 【請求項8】金属板がアルミニウム、鋼、及びそれらを
    主成分とする合金からなる群より選ばれる材料からなる
    ことを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6又は
    7に記載の抗菌性金属板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507111A (ja) * 2002-11-08 2006-03-02 デサロジョ デル グラフティング ソシエダ リミターダ 殺生物性を得るための光重合による表面処理法
JP2020117777A (ja) * 2019-01-24 2020-08-06 日本パーカライジング株式会社 金属表面処理剤、並びに皮膜を有する金属材料及びその製造方法

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JP4652813B2 (ja) * 2002-11-08 2011-03-16 デサロジョ デル グラフティング ソシエダ リミターダ 固体支持体の表面処理法およびその表面処理法により得られる固体支持体
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