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JP2000194228A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

Info

Publication number
JP2000194228A
JP2000194228A JP2000038728A JP2000038728A JP2000194228A JP 2000194228 A JP2000194228 A JP 2000194228A JP 2000038728 A JP2000038728 A JP 2000038728A JP 2000038728 A JP2000038728 A JP 2000038728A JP 2000194228 A JP2000194228 A JP 2000194228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fixing
heating
temp
thermistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000038728A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Inazaki
豊 稲崎
Hitoshi Komuro
仁 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000038728A priority Critical patent/JP2000194228A/ja
Publication of JP2000194228A publication Critical patent/JP2000194228A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で温度検出が可能な定着装置を提供す
る。 【解決手段】 定着ローラ1の表面の用紙通紙域には、
第1のサーミスタ3Aと、第2のサーミスタ3Bとが該
ローラの幅方向に互いに近接して配置されて定着ローラ
1に接触し、これらのサーミスタは、定着加熱部材の配
熱分布の安定した位置に置かれる。この二つのサーミス
タは、第1のサーミスタ3Aが−20°Cから120°
Cまでの範囲、第2のサーミスタ3Bが120°Cから
250°Cまでの範囲を感知するように切り換える回路
を有した制御回路に接続される。このようにサーミスタ
を複数にすることにより、定着制御温度と室温域とい
う、オンデマンド定着化には重要な、大きく離れた温度
の両方を、より小さい誤差の範囲内で検知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着装置に係り、
特に、画像記録媒体に画像を記録する複写機あるいはレ
ーザプリンタなどの画像形成装置及び上記画像記録媒体
に画像を定着させるための該画像形成装置の定着装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機あるいはレーザビームプリ
ンタなどの画像形成装置において、定着装置では、画像
形成時以外の待機中でも、ある温度(一般的には、定着
制御温度より若干低い温度)に加熱した状態で待機して
いた。しかし、比較的低速で小型の画像形成装置(特に
小型パソコン用プリンタ)では、使用頻度が低く待機し
ている時間の方が実質的に画像形成している時間に比べ
て長いため、待機中に使われる消費電力がほとんどを占
めていた。そこで、昨今、省エネルギーの観点から待機
中に一定時間の間、画像形成の命令が来ないと余熱を止
めるという所謂FUSER-PAUSE モードが用いられる様にな
っていた。
【0003】しかし、定着装置の加熱に必要な時間は従
来のままであるため、FUSER-PAUSEモードにより室温ま
で冷えてしまった場合、WARM-UP-TIME分の時間だけ画像
形成開始が待たされることとなり、使用者の待ち時間が
長くなる、という問題点が生じていた。
【0004】そこで、上記のような問題点を解消するた
めに、WARM-UP-TIMEを短縮し、待機中の余熱をなくし、
画像形成命令に基づいて定着装置の加熱を開始し、定着
装置に記録材が突入する時に定着温度に達している様な
装置、すなわち所謂オンデマンド定着化による定着を行
う装置が必要とされていた。
【0005】このようなオンデマンド定着化を実現する
ために、従来では、特開平5−165368号公報に所
載の技術などがある。この技術では、耐熱性のフィルム
を用いた定着装置において、加熱体への通電のオン又は
オフした時の加熱体の温度変化量で加熱体の定着温度を
決定する制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では以下のような問題点が生じる。
【0007】連続印字の場合などで定着装置全体が十分
暖まった後、すぐに次の印字動作を開始する場合、加熱
体への通電をオンする時にまだ余熱により定着部材の温
度が高い場合があり、かかる場合には、その後に上昇温
度を一定時間測定している間に、必要な定着設定温度を
超えてしまうことがある。特に、使用頻度の高い装置に
適用しようとした場合に問題となる。
【0008】また、上記公報に開示の技術で用いている
耐熱性のフィルムと加熱体の組み合わせでは、比較的冷
えやすいため、上記問題も発生しにくいが、従来の金属
性定着ローラと加熱体との組み合わせに適用した場合に
は、上記問題がより生じやすくなる。
【0009】さらに、耐熱性フィルムと加熱体との組み
合わせは、従来の構成に比べるとコストが高い点で問題
がある。
【0010】本発明は、上記事実を考慮し、高精度で温
度検出が可能な定着装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の定着装置は、通電により発熱する発熱体
と、前記発熱体を内蔵し所定の定着温度で記録紙上の未
定着像を融解させる加熱手段と、前記記録紙を前記加熱
手段に圧着させる加圧手段と、温度特性が異なる複数の
センサーを備え、該複数のセンサーにより前記加熱手段
の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段に
より検知された前記加熱手段の温度に基づいて前記加熱
手段を所定の定着温度に制御する制御手段と、を有する
ことを特徴とする。
【0012】本発明では、発熱体への通電前に温度検知
手段が加熱手段の温度を検知する。この温度検知手段
は、温度特性が異なる複数のセンサーを備えており、こ
れら複数のセンサーにより加熱手段の温度を検知する。
従って、広い温度範囲にわたって高精度で温度を検知す
ることができる。次に、制御手段が、検知された加熱手
段の温度に基づいて加熱手段を所定の定着温度に制御す
る。そして、通電により発熱する発熱体を内蔵した加熱
手段が、加圧手段により該加熱手段に圧着された記録紙
を、制御手段により制御された所定の定着温度で未定着
像を融解させる。このように、加熱手段の温度を高精度
で検知して定着温度を設定するので、安定した定着性能
を確保することができる。
【0013】前記温度検知手段は、第1のサーミスタ素
子及び第2のサーミスタ素子により前記複数のセンサー
を構成し、前記第1のサーミスタ素子及び第2のサーミ
スタ素子を近接して配置することができる。
【0014】温度検知手段では、例えば、室温域から定
着制御温度迄(0°Cから200°C位)の、広い範囲
を正確に検知しなければならない。しかし、一般的な画
像形成装置で用いられている安価なサーミスタ素子で
は、温度と抵抗値の関係が非線形であり、広い温度範囲
にわたって小さい誤差で検知することは困難である。そ
こで、温度特性の異なる第1のサーミスタ素子及び第2
のサーミスタ素子により複数のセンサーを構成して第1
のサーミスタ素子及び第2のサーミスタ素子を近接して
配置することによって、低コストで簡単な演算回路によ
り温度を正確に検知することができ、定着制御温度を正
確に制御することができる。
【0015】前記温度検知手段は、第1のサーミスタ素
子及び第2のサーミスタ素子を切り替える切替手段をさ
らに備え、前記第1のサーミスタ素子及び第2のサーミ
スタ素子を選択することができる。
【0016】この2つのサーミスタは、切り替え可能で
あり、何れかのサーミスタに切り替えて用いることによ
って、定着制御温度と室温域という、いずれも本発明の
目的であるオンデマンド定着化には重要な、大きく離れ
た温度の両方を、より小さい誤差の範囲内で検知でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、図面
を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
【0018】本発明に係る第1の実施の形態の画像形成
装置の一例としての電子写真装置の概略の構成を図1に
示す。
【0019】図1に示すように、本電子写真装置は、回
転軸Oの回りにP方向に回転する感光体ドラム14と、
このドラムを均一に帯電するために該ドラムに接触する
ように配置された帯電ローラ15と、感光体ドラム14
の表面に帯電された現像剤を付着させるための現像ユニ
ット16と、感光体ドラムに付着した不要物を除去する
ためのクリーニング装置17と、画像記録用の記録材A
に画像を転写させるために配置された転写ローラ18
と、バイアス電圧を記録材Aに印加する、はくり部材1
9と、記録材Aを定着装置に搬送するためのガイド20
と、記録材Aを装置外に排出する出口ローラ21と、を
含んで構成されている。また、出口ローラ6、21の定
着装置側付近には、記録材Aに生じた静電気を除去する
ための除電ブラシ7が設けられている。
【0020】次に、本発明の実施の形態に係る定着装置
について図2を用いて詳細に説明する。
【0021】図2に示すように、本定着装置は、記録材
A上に転写されたトナー12を記録材Aに溶融定着させ
るための定着ローラ1と、このローラと共に記録材Aを
挟んで加圧させるための加圧ローラ2と、を含んで構成
されている。この定着ローラ1は、アルミニウム材の金
属中空金として構成されている。また、記録材Aとの接
触面には、いわゆるPFA又はPTFEなどのフッ素系
樹脂11が数十ミクロンほどの厚さでコートされてお
り、表面コート層11が形成されている。ここで、例え
ば定着ローラの外径は23mm、肉厚は0.45mmと
されている。また、表面コート材の中には、熱伝導率を
上げるためにSi Cが数%から十数%含有されている場
合もあり、本実施の形態では約10%ほど有している。
【0022】また、定着ローラ1の内部には、該ローラ
を加熱するためのヒータ2が設けられており、例えば、
従来から定着装置の加熱用として用いられているハロゲ
ンヒータを用いることができる。なお、定着ローラ1の
回転軸には、該ローラを回転させるための図示しないモ
ータが配置されており、このモータは、制御回路32か
らのメインモータ回転指令によって制御される。例え
ば、モータの回転速度や回転開始時間等が制御される。
【0023】また、加圧ローラ4として、susなどの
導電性の心金の周りにシリコンゴムなどの耐熱性のある
弾性体が単層で形成されているものなどがある。また、
本実施の形態では、この弾性層としてスポンジやゴムを
用いて、その表面にトナーなどの離形性を上げるために
PFAやPTFEなどの耐熱性樹脂層を被覆したものが
用いられている。なお、この加圧ローラは、スプリング
10により一定の圧力で定着ローラ1側を加圧し、定着
ローラ1との間でニップ幅を形成する。これにより、定
着ローラ1と加圧ローラ4との間を記録材Aが通過する
際にトナー12が加圧溶融定着される。
【0024】また、定着ローラ1の表面温度を検知する
ため、温度検知センサー3が定着ローラ1の表面に接触
して配置されており、ここでは検知素子として温度によ
り抵抗値が変化するビード形測温抵抗体を用いている。
この温度検知センサー3の出力端は演算装置30に接続
されており、センサーの検出信号は、演算装置30に入
力する。演算装置30は、入力された検出信号の電圧値
変化を演算し、演算された電圧値変化に基づいて温度を
測定する。
【0025】なお、後述するように、温度測定の精度を
向上させるため、温度検知センサー3を温度特性が各々
異なる2つのセンサー(αセンサーとβセンサー)から
構成することもできる。例えば、測定温度が110°C
〜230°Cまでの間は、αセンサーによる検出結果を
用い、−20°C〜110°Cまでの間は、βセンサー
による検出結果を用いるというように、検出精度の高い
温度領域を有するセンサーの結果を選択することによ
り、温度測定の精度を向上させることができる。
【0026】また、この演算装置30は、定着装置を制
御するための制御回路32に接続されており、制御回路
32は、印字命令情報に基づいて演算装置30での測定
温度に応じて加熱ヒータ2の通電のオン・オフを制御す
る。
【0027】さらに、定着ローラ1と加圧ローラ4の記
録材Aの排出側には、画像形成された記録材Aを装置外
へ排出するための出口に導く出口ガイド5と、記録材A
を該出口から排出させるための出口ローラ6及び出口ロ
ーラ21が設けられている。
【0028】次に、本発明において用いられる上記定着
装置の温度制御方法及び加熱制御方法について簡単に説
明する。
【0029】従来の定着装置は、図15に示すように、
画像形成装置の電源がオンとなったら加熱開始し、一定
時間後に余熱温度に達した場合、印字準備OKとし、余
熱温度で待機すると共に印字命令を待ち、印字命令が与
えられた場合、定着時制御温度まで加熱し印字を行う。
【0030】これに対し、本発明の実施の形態では、図
11に示すように、画像形成装置の電源オンでは定着装
置の加熱を開始せず、印字開始命令がきたら加熱を開始
する。また、印字動作が終了すると、定着装置への加熱
をオフにする。これによって、待機中の加熱を行わない
ことにより無駄なエネルギーの消費を抑えることができ
る。
【0031】次に、本発明の実施の形態に係る画像形成
装置の詳細な制御方法について図3のフローチャートを
用いて説明する。なお、図3の例では、記録材Aとし
て、1又は2以上の印字用紙に画像形成する場合を扱
う。
【0032】図3に示すように、電源がオンされると
(ステップ100)、印字スタート命令が受信されたか
否かを判断し(ステップ102)、受信されない場合、
ソフトプリント展開を開始し、印字プリントスタート命
令を受信した場合には、加熱前に定着ローラ1(H/R
OLL)の表面温度を温度検知センサー3により測定
し、該温度T(X)をモニターする(ステップ10
4)。
【0033】ここで、Xは、定着ローラ1を加熱開始し
た時刻から経過した時間を示し、ここでは秒単位で表さ
れる。そして、各時間毎のT(X)の値を制御回路32
の図示しないメモリ等に記憶しておく。
【0034】次に、制御回路32が、検知された表面温
度T(X)が次の複数通りのいずれの温度域(ここで
は、温度域L、A、B、C、Dの5通り)に属するか否
かを判定し(ステップ106)、各々を場合分けして異
なる処理を行う。すなわち、モニター値T(X)が、1
7°C以下(温度域L)の場合(ステップ108)には
図4の処理、17°C以上70°C以下(温度域A)の
場合(ステップ110)には図5の処理、70°C以上
120°C以下(温度域B)の場合(ステップ112)
には図6の処理、120°C以上150°C以下(温度
域C)の場合(ステップ114)には図7の処理、15
0°C以上(温度域D)の場合(ステップ116)には
図8の処理を各々行う。なお、各処理の性質から、これ
らの温度域を、第1の温度領域(温度域L、Aの場合)
と第2の温度領域(温度域B、C、D)とに分類する。
【0035】次に、場合分けされた温度域L〜Dの各々
の処理について以下に説明する。
【0036】まず、温度域がLの場合、図4に示すよう
に、FUSER-LAMP-ON を行う(ステップ118)。すなわ
ち、加熱ローラ2による定着ローラ1の加熱を開始す
る。
【0037】次に、加熱開始後の所定時間経過後、例え
ば1.5秒後〜3.5秒迄の2秒間で上昇した定着ロー
ラ1の表面温度の上昇率ω(°C/2sec )を算出する
(ステップ120)。例えば、温度上昇率測定開始時温
度を加熱後1.5秒後の温度T(1.5)とし、温度上
昇率測定終了時温度を加熱後3.5秒後の温度T(3.
5)とした場合、温度上昇率ωは次式によって表され
る。
【0038】 ω(°C/2SEC ) = T(3.5)−T(1.5) ・・・(1) なお、温度上昇率測定開始時温度として加熱開始の直後
の温度を用いなかったのは、加熱開始直後は加熱に遅れ
が生じやすいためである。
【0039】次に、算出された温度上昇率ωと、予め制
御回路に記憶されている予測温度テーブルとに基づい
て、記録材Aへの画像形成を開始するべき(FEED-STAR
T) 定着ローラ1の温度Tm を求める(ステップ12
2)。ここで、予測温度テーブルとは、温度上昇率ωの
各々の数値に対応する予測温度上昇分ΔTX として与え
られており、FEED-START時の温度Tm は、検出されたω
に対応するΔTX をテーブルから読み出し、この数値を
用いて次式のように求められる。
【0040】 Tm = T0 − ΔTX ・・・・(2) 但し、T0 は、1枚目の記録材Aに画像形成した際の定
着ローラ1の制御温度を示す。
【0041】ここで、上記の予測温度テーブルの具体的
な数値例を図9に示す。図9に示すように、このテーブ
ルによって2秒間の温度上昇分ω(°C/2sec )に対
するΔTX が与えられる。但し、ω=7以下又は43以
上の場合、測定エラーU4として扱っており、再測定す
るか或いは他の処理等を実行する。
【0042】なお、現状の定格電圧入力では、温度上昇
率ωは、約12°C/2sec 程度であり、定格マイナス
10%では約9〜10°C/2sec 、定格プラス10%
では約15°C/2sec 程度となる。但し、温度上昇率
ωが2°C/2sec 以下の時と、22°C/2sec の時
は、実際にあり得ない状態なので、各々エラーとして扱
う。
【0043】次に、図4に示すように、定着ローラ1の
表面温度が上記により求められた温度Tm に達した時
に、感光体ドラム14を回転させるメインモータの回転
開始命令等を出力する(ステップ124)。すなわち、
記録材Aへの画像形成を開始する。そして、記録材Aの
処理枚数毎に、定着ローラ1の制御温度を変えていく処
理を行う。但し、記録材Aが小サイズであるか否かによ
り次に続くべき処理が異なる。ここで、小サイズとは、
最大用紙サイズが8.5インチである例では、A5幅以
下の幅を持つ用紙サイズすべてを指す。
【0044】まず、小サイズ以外の場合(ステップ12
6)、すなわちA5幅以上の印字用紙に画像形成する処
理について説明する。最初の1〜10枚迄の制御温度T
EMP−Aを、 TEMP−A = T(0) = Ts ・・・・(3) となるように制御する(ステップ128)。この時、X
=0のためTEMP−Aは、加熱開始時の温度Ts に一
致する。なお、いわゆるNVMノミナル値(加熱手段の
表面温度の設定値)=184°Cとする。
【0045】次に、11〜20枚迄の制御温度TEMP
−Bを、 TEMP−B = T(1) ・・・・(4) となるように制御する(ステップ130)。すなわち、
TEMP−Bは、加熱開始から1秒後のモニター温度値
に相当する。なお、この時、NVMノミナル値=18
0.5°Cとする。
【0046】次に、21〜34枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(2)+2°C ・・・・(5) となるように制御する(ステップ132)。すなわち、
TEMP−Cは、加熱開始から2秒後のモニター温度値
に2°Cを加算した温度に相当する。なお、この時、N
VMノミナル値=179°Cとする。
【0047】次に、35枚以降の制御温度TEMP−D
を、 TEMP−D = T(3)+3°C ・・・・(6) となるように制御する(ステップ134)。すなわち、
TEMP−Cは、加熱開始から3秒後のモニター温度値
に3°Cを加算した温度に相当する。なお、この時、N
VMノミナル値=176.5°Cとする。
【0048】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行う(ステップ
136)。すなわち、加熱ローラ2による定着ローラ1
の加熱を終了し、印字動作を終了する。
【0049】次に、小サイズの場合(ステップ138)
の印字制御について説明する。
【0050】まず、低温時の小サイズのペーパーの定着
性改善の為に、回転用のメインモータがオンの時に30
sec の間、定着ローラ1を加熱回転後、予め用意されて
いるペーパー用紙を定着ローラ1及び加圧ローラ4との
間に順次、突入させる制御を行う。すなわち、定着ロー
ラ1を十分加熱してから以下のような印字動作を行う。
【0051】なお、この印字動作の際に、小サイズ用紙
の連続プリント時の非通紙部の温度上昇を抑えるため、
順次、制御温度毎にいわゆるPPM値を低減させる。こ
こで、PPM(PAPER PER/MINITTE)とは、1分間に記録
するプリント枚数を示す。
【0052】まず、最初の1〜10枚迄の制御温度TE
MP−Aを、 TEMP−A = T(0) = Ts +6°C ・・・・(7) となるように制御する(ステップ142)。なお、この
時、NVMノミナル値=190°Cとし、PPM値を1
2PPMとする。
【0053】次に、11〜20枚迄の制御温度TEMP
−Bを、 TEMP−B = T(1)+6°C ・・・・(8) となるように制御する(ステップ144)。なお、この
時、NVMノミナル値=186.5°Cとし、7PPM
に低減させる。
【0054】次に、21〜34枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(2)+6°C ・・・・(9) となるように制御する(ステップ146)。なお、この
時、NVMノミナル値=183°Cとし、5PPMに低
減させる。
【0055】35枚以降の制御温度を、 TEMP−D = T(3)+9°C ・・・・(10) となるように制御する(ステップ148)。なお、この
時、NVMノミナル値=182.5°Cとし、5PPM
に維持する。
【0056】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行い(ステップ
150)、印字動作を終了する。
【0057】なお、いわゆる2NDカセットでは、更に
PPM−DOWNを図る。例えば、上記ステップ142
〜ステップ148の各々において、PPM値を7.4P
PM、5.3PPM、4.1PPM、4.1PPMとい
うように低減させる。
【0058】次に、モニター値T(X)が温度域Aに有
ると判定された場合(図3のステップ110)には、図
5のフローチャートに示す処理を実行する。なお、図5
の処理において、図4と同様の処理については同一の符
号を付して説明を省略し、異なる処理のみ説明を追加す
る。
【0059】図5に示すように、小サイズのペーパに印
字する場合(ステップ138)、定着ローラ1の温度が
温度域Lの場合と比較して高いため、図4のステップ1
40で行った定着ローラ1の30sec 間の加熱処理を省
略し、ステップ124から、そのまま印字ペーパ枚数毎
に温度制御を行う。この場合、図5の制御温度の処理
は、温度域Aの場合と比較すると、35枚以降の制御温
度TEMP−Dを、 TEMP−D = T(3)+6°C ・・・・(11) となるように制御する点のみが異なる(ステップ14
9)。なお、この時、NVMノミナル値=179.5°
Cとし、5PPMとする。なお、いわゆる2NDカセッ
トでは、温度域Lの場合と同様に、例えば、上記ステッ
プ142〜ステップ149の各々において、PPM値を
7.4PPM、5.3PPM、4.1PPM、4.1P
PMというように低減させる。
【0060】以上のように、定着ローラ1が第1の温度
領域(温度域L、A)に有る場合には、温度上昇率ωに
より用紙送り出しを制御することにより、電源電圧のば
らつきや定着ローラ1や加熱部材の公差ばらつきのため
に生じる、温度上昇のばらつきによる定着不良や、余分
な加熱によるエネルギーの無駄を防ぐことができる。ま
た、使用者にとっても最小の待ち時間で印字が可能とな
る。なお、上記処理例では、用紙送り出しなどのタイミ
ングを制御するのに定着部材の温度を使用しているが、
勿論、加熱開始からの時間を可変制御しても良い。
【0061】また、上記制御において、加熱開始時の定
着ローラ1の温度と、加熱後の定着ローラ1の温度上昇
率ωに加えて、その画像形成時の用紙サイズや総連続印
字枚数によっても、また定着制御温度や処理枚数によっ
ても定着制御温度の変更するタイミングやその温度下げ
幅、そして、次の印字用紙を送出するタイミング(用紙
間隔=PPM)を可変とする制御を行っている。
【0062】さらに、はがきや封筒などのような比較的
小さいサイズの用紙に画像を形成する場合、温度域Aで
は1枚目の制御温度を普通サイズでは184°Cである
のに対し、小さいサイズでは190°Cと変えており、
35枚目以降の温度を普通サイズでは176.5°Cで
あるのに対し、小さいサイズでは179.5°Cと変え
ている(図4、図5参照)。
【0063】以上の制御により、オンデマンド定着で必
要な低熱容量の定着ローラで問題となる、小さいサイズ
を連続して印字した場合の非通紙側の定着ローラの温度
上昇による軸受けなどの部材の損傷を防ぐことができ
る。また、用紙サイズによって定着設定温度や用紙間隔
などを変更することにより、小さく厚手のはがきや封筒
を連続走行した場合の、定着性能を満足しつつ、過温昇
による定着装置やその周辺の部材の損傷の防止が可能と
なる。
【0064】次に、モニター値T(X)が温度域Bに有
ると判定された場合(図3のステップ112)には、図
6のフローチャートに示す処理を実行する。
【0065】まず、図6に示すように、FUSER-LAMP-ON
を行う(ステップ160)。すなわち、加熱ローラ2に
よる定着ローラ1の加熱を開始する。
【0066】次に、制御回路32が加熱開始後の所定時
間T(b)経過後、例えばT(b)=11秒後に、印字
用紙フィード開始命令(メインモータ回転命令)を出力
する(ステップ162)。なお、印字用紙フィード開始
命令は、印字用紙を定着ローラ1と加圧ローラ4との間
に送り込むための命令であり、メインモータ開始命令に
相当する。
【0067】次に、印字用紙が小サイズか否かによって
処理が異なり、印字用紙が小サイズ以外の場合には(ス
テップ164)、以下のような処理を実行する。
【0068】前のジョブにおける連続プリント枚数Xが
X=5枚未満の場合(ステップ166)には、印字用紙
の処理枚数により以下のように制御温度を設定する。
【0069】最初の1〜10枚迄の制御温度TEMP−
Aを、 TEMP−A = T(1) ・・・・(12) となるように制御する(ステップ168)。なお、この
時、いわゆるNVMノミナル値=180.5°Cとす
る。
【0070】次に、11〜20枚迄の制御温度TEMP
−Bを、 TEMP−B = T(2) ・・・・(13) となるように制御する(ステップ170)。なお、この
時、NVMノミナル値=177.0°Cとする。
【0071】次に、21〜34枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(3)+2°C ・・・・(14) となるように制御する(ステップ172)。なお、この
時、NVMノミナル値=175.5°Cとする。
【0072】次に、35枚以降の制御温度TEMP−D
を、 TEMP−D = T(3)+3°C ・・・・(15) となるように制御する(ステップ174)。なお、この
時、NVMノミナル値=173.0°Cとする。
【0073】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行う(ステップ
176)。すなわち、加熱ローラ2による定着ローラ1
の加熱を終了し、印字動作を終了する。
【0074】これに対し、前のジョブにおける連続プリ
ント枚数XがX=5枚以上の場合(ステップ178)に
は、印字用紙の処理枚数により以下のように制御温度を
設定する。
【0075】最初の1〜8枚迄の制御温度TEMP−A
を、 TEMP−A = T(1) ・・・・(16) となるように制御する(ステップ180)。なお、この
時、いわゆるNVMノミナル値=180.5°Cとす
る。
【0076】次に、9〜17枚迄の制御温度TEMP−
Bを、 TEMP−B = T(2) ・・・・(17) となるように制御する(ステップ182)。なお、この
時、NVMノミナル値=177.0°Cとする。
【0077】次に、18〜30枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(3)+2°C ・・・・(18) となるように制御する(ステップ184)。なお、この
時、NVMノミナル値=175.5°Cとする。
【0078】次に、35枚以降の制御温度TEMP−D
を、 TEMP−D = T(3)+3°C ・・・・(19) となるように制御する(ステップ186)。なお、この
時、NVMノミナル値=173.0°Cとする。
【0079】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行う(ステップ
188)。すなわち、加熱ローラ2による定着ローラ1
の加熱を終了し、印字動作を終了する。
【0080】次に、印字用紙が小サイズの場合には(ス
テップ190)、以下のような処理を実行する。
【0081】最初の1〜10枚迄の制御温度TEMP−
Aを、 TEMP−A = T(1)+6°C ・・・・(20) となるように制御する(ステップ192)。なお、この
時、いわゆるNVMノミナル値=186.5°Cとす
る。
【0082】次に、11〜20枚迄の制御温度TEMP
−Bを、 TEMP−B = T(2)+6°C ・・・・(21) となるように制御する(ステップ194)。なお、この
時、NVMノミナル値=183.0°Cとする。
【0083】次に、21〜34枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(3)+6°C ・・・・(22) となるように制御する(ステップ196)。なお、この
時、NVMノミナル値=179.5°Cとする。
【0084】次に、35枚以降の制御温度TEMP−D
を、 TEMP−D = T(3)+6°C ・・・・(23) となるように制御する(ステップ186)。なお、この
時、NVMノミナル値=179.5°Cとする。
【0085】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行う(ステップ
200)。
【0086】以上のように、温度域Bのように比較的定
着温度の高い領域では、既に加圧ローラ4等が温まって
いる状態であり、また、温度上昇率の測定からモータス
タート命令出力までの時間が短く、温度上昇率測定を行
っていると、その間に定着ローラ1が定着設定温度を超
えてしまう状態があり得るため、加熱開始から一定時間
(上記例では11秒間)経過後に、モータスタート及び
用紙送り出し開始をするような制御を行っている。
【0087】この場合、上記一定時間(11秒)は、前
述の温度上昇のばらつきを考慮しつつ定着不良が起こら
ないように、各種検討や実験により設定しており、ま
た、領域Aにおける加熱開始からモータスタートまでに
必要な時間より短くなるように、温度域AとBとの境界
温度を設定している。
【0088】なお、各種検討により温度域AとBとの境
界温度を60°Cに設定すれば、温度域Bでの一定時間
が温度域Aでの加熱必要時間より短くできることがわか
った。本実施の形態では、この結果に基づいて境界温度
を70°Cに設定している。
【0089】次に、温度域がCの場合の処理を図7のフ
ローチャートを用いて図6との相違点のみについて説明
する。
【0090】まず、図7に示すように、FUSER-LAMP-ON
を行った(ステップ202)後、制御回路32が加熱開
始後の所定時間T(c)経過後、例えばT(c)=6.
0sec 後に、印字用紙フィード開始命令(メインモータ
回転命令)を出力する(ステップ204)。すなわち、
温度域がCの場合、温度域Bと比較して加熱開始時の温
度が高いため、加熱開始後のより短い時間で印字用紙フ
ィード開始命令を出力する。
【0091】また、印字用紙が小サイズ以外(ステップ
206)で前のジョブでの連続プリント枚数がX=5枚
以上の時(ステップ222)、1〜8枚迄の制御温度T
EMP−Aを、 TEMP−A = T(2) ・・・・(24) となるように制御する(ステップ222)。ここで、い
わゆるNVMノミナル値=177.0°Cとする。な
お、他の処理については、図6の処理と同様であるので
説明を省略する。
【0092】以上のように、温度域B、Cでは、加熱開
始時の温度が低い第1の温度領域(温度域L、A)で前
のジョブの画像形成時の枚数によらずに制御しているの
に対し、定着ローラ1の温度は同じでも、前の印字枚数
によって加圧ローラ4等の暖まり方が異なるため、同じ
定着温度の制御では、定着性能が異なってくるので、前
の枚数が5枚以上と未満とで制御を分けている。
【0093】例えば、温度域Bでは、前の印字枚数が5
枚未満では1枚から10枚目までが180.5°Cであ
るのに対し、前の印字枚数が5枚以上では、1枚から8
枚目までを180.5°Cとしている。また、温度域C
では、前の印字枚数が5枚以上か否かで1枚目の定着温
度を180.5°Cと177°Cとに分けている(図7
参照)。
【0094】次に、温度域がDの場合の処理を図8のフ
ローチャートを用いて図6、(3)との相違点のみにつ
いて説明する。
【0095】まず、図8に示すように、FUSER-LAMP-ON
を行った(ステップ202)後、制御回路32が加熱開
始後の所定時間T(d)経過後、例えばT(d)=3.
0sec 後に、印字用紙フィード開始命令(メインモータ
回転命令)を出力する(ステップ244)。すなわち、
温度域がDの場合、温度域Cよりもさらに温度域Bと比
較して加熱開始時の温度が高いため、加熱開始後のより
短い時間で印字用紙フィード開始命令を出力する。
【0096】また、印字用紙が小サイズ以外(ステップ
246)において、図6、図7とは異なり、前のジョブ
に関係無く、以下の制御を行う(ステップ248)。
【0097】最初の1〜10枚迄の制御温度TEMP−
Aを、 TEMP−A = T(2) ・・・・(25) となるように制御する(ステップ250)。なお、この
時、いわゆるNVMノミナル値=177.0°Cとす
る。
【0098】次に、11〜20枚迄の制御温度TEMP
−Bを、 TEMP−B = T(3) ・・・・(26) となるように制御する(ステップ194)。なお、この
時、NVMノミナル値=173.5°Cとする。
【0099】次に、21〜34枚迄の制御温度TEMP
−Cを、 TEMP−C = T(4)+2°C ・・・・(27) となるように制御する(ステップ254)。なお、この
時、NVMノミナル値=172.0°Cとする。
【0100】次に、35枚以降の制御温度TEMP−D
を、 TEMP−D = T(5)+3°C ・・・・(28) となるように制御する(ステップ256)。なお、この
時、NVMノミナル値=169.5°Cとする。
【0101】そして、最後のペーパーが図示しない出口
センサーを抜けた時、FUSER-LAMP-OFFを行う(ステップ
258)。
【0102】なお、印字用紙が小サイズの場合(ステッ
プ260)の処理については、図7と同様であるので説
明を省略する。
【0103】比較的定着温度の高い温度域C、Dでは、
温度域Bの場合よりも短い時間内でモータスタート命令
及び用紙送り出しのためのフィード命令を出力するよう
にしたので、十分にまだ定着装置が暖まっている場合
(直前に画像形成動作を行った場合)での使用者の待ち
時間を極力少なくし、かつ省エネルギー化を実現するこ
とができる。
【0104】以上のように、第2の温度領域(温度域
B、C、D)の場合、前の画像形成時の枚数やサイズに
よって定着制御温度を変えることにより、定着性能を満
足し、かつ不必要な加熱を防ぎ、低熱容量の定着ローラ
で起きやすい過温昇を防止し、それによる部品の損傷や
トナーの溶融しすぎによる定着ローラへの付着現象(HO
T OFFSET現象)を防止でき、省エネルギー化を実現でき
る。そして、定着性能と低消費電力とを両立しつつ、2
次障害なしに、最小の待ち時間で画像形成することがで
きる。
【0105】また、用紙間隔(PPM)については、定
着装置の温度が比較的低い温度域L、Aでは1枚目から
10枚目が12PPM、11枚から20枚目が7PP
M、21枚以降が5PPMとしているのに対し、その場
合より暖まっている温度域Bでは1枚目から10枚目が
7PPM、11枚以降が5PPMとし、十分に温度が高
くなっている温度域C、Dでは1枚目から5PPMとし
ている(図6〜図8参照)。このように温度領域及び用
紙サイズによって定着設定温度や用紙間隔などを変更す
ることにより、小さく厚手のはがきや封筒を連続走行し
た場合、定着性能を満足しつつ、過温昇による定着装置
やその周辺の部材の損傷の防止が可能となる。
【0106】なお、第1の実施の形態に係る温度制御の
例では、温度域を5通りに分けたが、加熱開始温度を予
め与えられた関数に代入することにより、加熱開始から
印字用紙フィード開始命令の出力迄の上記一定時間を求
めても良く、また5通り以外の温度域に分けても良い。
【0107】(第2の実施の形態)第1の実施の形態に
示した制御を正しく動作させるためには、室温域から定
着制御温度迄(0°Cから200°C位)の、広い範囲
を正確に検知する温度検知素子が必要である。しかし、
一般的な画像形成装置で用いられている安価なサーミス
タ素子では、図13に示すように、温度と抵抗値の関係
が非線形であり、広い温度範囲にわたって小さい誤差で
検知することは困難である。また、他の方式の温度検知
部材で、広い温度範囲を検知できる物もあるが、コスト
が高かったり、複雑な演算回路が必要であり実用的では
ない。
【0108】ところで、従来の待機中も加熱する定着装
置では、室温を正確に検知する必要がなく、定着制御温
度を正確に検知できれば良かったので、図13の点線で
囲まれた範囲内に温度検知部材の誤差や部品ばらつきが
収まるように設定されて用いられていた。
【0109】しかし、画像形成装置では、室温域から定
着制御温度迄の広い温度範囲を検知することが必要とな
ってくるが、図13に示す通り、1つの温度センサで
は、かかる広い温度範囲はどうしても誤差や部品ばらつ
きが大きくなってしまい、正しい制御を行うことが難し
くなっていた。
【0110】そこで、第2の実施の形態では、広い温度
範囲で正確な温度検知を実現するため、各々相異なる温
度域で、検知誤差及び部品公差が小さくなるように設定
された複数の温度検知部材を用い、各々の検知部材がそ
れぞれの温度域を担当するように制御回路を備えたこと
を特徴とする。
【0111】第2の実施の形態では、温度検知部材とし
て2つのサーミスタ素子を用いており、その構成例を図
10により説明する。
【0112】図10に示すように、定着ローラ1の表面
の用紙通紙域には、第1のサーミスタ3Aと、第2のサ
ーミスタ3Bとが該ローラの幅方向に互いに近接して配
置されて定着ローラ1に接触しており、これらのサーミ
スタは、定着加熱部材の配熱分布の安定した位置に置か
れている。ここで、幅方向とは、定着ローラ1の回転軸
Qに平行な方向(長手方向)である。
【0113】なお、この定着ローラ1の端部には、該ロ
ーラの回転軸を軸受けするための定義ローラ軸受け24
と、回転駆動させる駆動力を伝達させるための定着ロー
ラ駆動ギア23とが備えられている。
【0114】この二つのサーミスタは、制御回路32に
接続されており、制御回路32は第1のサーミスタ3A
が−20°Cから120°Cまでの範囲、第2のサーミ
スタ3Bが120°Cから250°Cまでの範囲を感知
するように切り換える回路を有している。また、第1の
サーミスタ3Aは30°Cで最もばらつきが小さく、第
2のサーミスタ3Bは180°Cで最もばらつきが小さ
くなるように非線形のセンサ特性が設定されている。
【0115】次に、第2の実施の形態に係る画像形成装
置の作用を説明する。
【0116】画像形成装置に画像形成開始命令が入る
と、制御回路32は,現在の定着ローラ1が、第1のサ
ーミスタ3Aの担当する温度範囲か、或いは第2のサー
ミスタ3Bの担当する温度範囲かを判断する。例えば、
2つのサーミスタ素子が検出した温度に基づいて、いず
れの担当領域であるかを判断する。
【0117】そして、第1のサーミスタ3Aの温度範囲
でかつ、温度域L、Aでは、第1の実施の形態と同様に
温度上昇率ωの測定を第1のサーミスタで行い、加熱に
より温度が上昇し120°Cになると、第2のサーミス
タに切り換え、図4〜図8に示すような第1の実施の形
態と同様な処理を行う。
【0118】また、温度上昇率ωにより制御を行う温度
領域外(第1の実施の形態での70°C以上)では、加
熱開始時に第1のサーミスタの担当温度の場合、第1か
ら第2のサーミスタへの切り換え温度に達した時、第2
のサーミスタで第1の実施の形態と同様な処理を行う。
また、第2のサーミスタの担当温度で加熱開始した場
合、そのまま第2のサーミスタで制御を行う。
【0119】通常、一つのサーミスタでは、室温域で、
ばらつきが小さくなるように設定すると、定着制御温度
域では、その数倍広い範囲で計測ばらつきが生じてしま
うが、第2の実施の形態のようにサーミスタを複数にす
ることにより、定着制御温度と室温域という、いずれも
本発明の目的であるオンデマンド定着化には重要な、大
きく離れた温度の両方を、より小さい誤差の範囲内で検
知できる。
【0120】なお、上述のような効果を達成するため
に、好ましくは室温近辺と定着制御温度近辺の両方を精
度良く検知する必要がある。そこで、図12に示すよう
に、1つのサーミスタ素子を室温域(0°C〜40°
C)で最も誤差が小さくなるように設定し、他の1つの
サーミスタ素子を、定着制御温度域(150°C〜20
0°C)で誤差が小さくなるように設定することによ
り、より正確な制御が可能となる。
【0121】また、第1の実施の形態における温度検知
素子を、図14に示した構成とすることができる。
【0122】図14に示すように、温度検知素子は、保
持部材81により保持された温度検知素子82と、温度
検知素子を支持するための支持部材83と、検知された
温度を信号として演算回路に伝達させるためのリード線
84と、温度検知素子を保護する表面保護部材85と、
から構成されている。
【0123】ここで、温度検知素子の保持部材81を、
耐熱性(200°C以上に耐えられる部材)があり、か
つバネ性を持ち、金属よりも熱伝導性に劣る材質(例え
ば薄いポリイミド樹脂など)を使用する。これにより、
保持部材に奪われる熱量が少なくなり、より高い応答性
が得られる。
【0124】上記のような素子を温度検知部材として用
いることにより、温度検知素子の応答性が高くなり、い
わゆる温度ドリフトが小さくなる、という特性が得ら
れ、精度の良い温度制御を安価で達成することができ
る。これにより、より安定した定着性能と、過剰な加熱
によって生じる印字用紙のしわやカールの抑制が可能と
なる。
【0125】なお、上記各実施の形態の処理を実行した
場合における、時間と定着ローラとの温度若しくは定着
性能との関係を図11に示す。図11に示すように、各
温度域に応じて制御温度、加熱ヒータのパワー等が異な
るように制御されていることがわかる。また、定着度に
関しても、良好な値を示しており、各温度域毎に、プリ
ント処理枚数の増加と共に定着性能が向上していくこと
がわかる。
【0126】以上が本発明に係る実施の形態であるが、
上記例にのみ限定されるものではない。例えば、定着装
置として、加熱ローラを備えた定着装置を用いて説明し
たが、定着回転体として、ベルトやフィルム上のものを
用いている定着装置や、加圧ローラの代わりにパット状
のものを用いた定着装置にも本発明を適用できる。
【0127】また、画像形成装置として電子写真装置を
例にしたが、他の画像形成装置にも応用できることはい
うまでもない。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
温度特性が異なる複数のセンサーを備え、該複数のセン
サーにより前記加熱手段の温度を検知しているので、定
着制御温度と室温域等の、大きく離れた温度の両方を、
より小さい誤差の範囲内で検知できる、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電子写真装置
の構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電子写真装置の定着装
置の構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係る定着装置の前処理を示
すフローチャートである。
【図4】温度域Lの場合の定着装置の処理を示すフロー
チャートである。
【図5】温度域Aの場合の定着装置の処理を示すフロー
チャートである。
【図6】温度域Bの場合の定着装置の処理を示すフロー
チャートである。
【図7】温度域Cの場合の定着装置の処理を示すフロー
チャートである。
【図8】温度域Dの場合の定着装置の処理を示すフロー
チャートである。
【図9】温度上昇率ωと予測温度上昇分ΔTx との関係
を示すテーブルである。
【図10】第2の実施の形態に係る温度検知手段を定着
ローラへ設置した構成を示す図である。
【図11】各温度域毎に本発明の実施の形態に係る処理
を実行した場合において、時間と定着ローラの温度若し
くは定着性能との関係を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係る温度検知素子を2つ
のサーミスタ素子で誤差が小さくなるように構成した場
合における検知温度とセンサ出力抵抗との関係を示す図
である。
【図13】一般的な画像形成装置で用いられている安価
なサーミスタ素子の検知温度とセンサ出力抵抗値の関係
が非線形であり、広い温度範囲にわたってばらつきがあ
ることを示す図である。
【図14】温度検知手段の保持部材を、耐熱性及びバネ
性を持ち、金属よりも熱伝導性に劣る材質を使用するし
た場合の構成例を示す図である。
【図15】従来の定着装置の加熱方法で処理した場合に
おける、時間と定着ローラの温度との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加熱ヒータ 3 温度検知センサ 4 加圧ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱する発熱体と、 前記発熱体を内蔵し所定の定着温度で記録紙上の未定着
    像を融解させる加熱手段と、 前記記録紙を前記加熱手段に圧着させる加圧手段と、 温度特性が異なる複数のセンサーを備え、該複数のセン
    サーにより前記加熱手段の温度を検知する温度検知手段
    と、 前記温度検知手段により検知された前記加熱手段の温度
    に基づいて前記加熱手段を所定の定着温度に制御する制
    御手段と、 を有することを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記温度検知手段は、第1のサーミスタ
    素子及び第2のサーミスタ素子により前記複数のセンサ
    ーを構成し、前記第1のサーミスタ素子及び第2のサー
    ミスタ素子を近接して配置したことを特徴とする請求項
    1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記温度検知手段は、第1のサーミスタ
    素子及び第2のサーミスタ素子を切り替える切替手段を
    さらに備え、前記第1のサーミスタ素子及び第2のサー
    ミスタ素子を選択することを特徴とする請求項1に記載
    の定着装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6778790B2 (en) 2001-06-22 2004-08-17 Ricoh Company, Ltd. Fixing device capable of preventing excessive increase in temperature
JP2008177336A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Seiko Epson Corp 光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置
JP2011048331A (ja) * 2009-07-29 2011-03-10 Kyocera Mita Corp 定着装置及びこれを備えた画像形成装置
US8737861B2 (en) 2010-08-19 2014-05-27 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus
US8953960B2 (en) 2010-08-30 2015-02-10 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus

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