JP2000189155A - 哺乳動物胚または卵子の保存方法並びに凍結胚または卵子の融解希釈方法 - Google Patents
哺乳動物胚または卵子の保存方法並びに凍結胚または卵子の融解希釈方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 哺乳動物胚または卵子をウイルスや細菌によ
る感染のおそれが無く高い生存率で保存および融解希釈
することのできる方法を提供する。 【解決手段】 哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍
結ストロー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結
保存用容器の内面に、これらの胚または卵子を包被する
に充分な最少量のガラス化液で貼り付け、この凍結保存
用容器を密封し、そしてこの容器を液体窒素に接触させ
て急速に冷却する。融解方法では、前記の方法で保存し
た凍結保存用容器を前記液体窒素から取出し、容器の一
端部を開口し、この容器内に33℃乃至39℃の希釈液
を直接注入し、胚または卵子の凍結を融解希釈する。
る感染のおそれが無く高い生存率で保存および融解希釈
することのできる方法を提供する。 【解決手段】 哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍
結ストロー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結
保存用容器の内面に、これらの胚または卵子を包被する
に充分な最少量のガラス化液で貼り付け、この凍結保存
用容器を密封し、そしてこの容器を液体窒素に接触させ
て急速に冷却する。融解方法では、前記の方法で保存し
た凍結保存用容器を前記液体窒素から取出し、容器の一
端部を開口し、この容器内に33℃乃至39℃の希釈液
を直接注入し、胚または卵子の凍結を融解希釈する。
Description
【0001】
【発明の利用分野】本発明は哺乳動物卵子及び胚のガラ
ス化保存に関するもので、より具体的には哺乳動物のあ
らゆる発育段階の卵子及び胚の冷凍保存と融解希釈に利
用することができる方法に関するものである。
ス化保存に関するもので、より具体的には哺乳動物のあ
らゆる発育段階の卵子及び胚の冷凍保存と融解希釈に利
用することができる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】哺乳動物胚の凍結保存は、特定の系統や
品種の遺伝資源の保存を可能とし、家畜の育種改良、増
殖に欠かせない技術であるばかりでなく、絶滅の危機に
瀕している動物園動物や野生動物種の維持にも必要とさ
れている。また、ヒトの医療面においても不妊治療プロ
グラムの基幹技術として、その重要性が指摘されてい
る。
品種の遺伝資源の保存を可能とし、家畜の育種改良、増
殖に欠かせない技術であるばかりでなく、絶滅の危機に
瀕している動物園動物や野生動物種の維持にも必要とさ
れている。また、ヒトの医療面においても不妊治療プロ
グラムの基幹技術として、その重要性が指摘されてい
る。
【0003】哺乳動物胚の凍結保存の研究は、Smith (1
952, 1953)が、精子に対して凍結保護効果があるとされ
たグリセロール(Polge et al., 1949)を用いてウサギ
胚を移植試験のために保存しようとした実験に始まる
が、その後20年間、大きな研究の進展は見られなかっ
た。しかし、Whittingham et al. (1972) とWilmut (19
72) はそれぞれ独立して、グリセロールと分子構造が類
似したジメチルスルフォキシドを凍結保護物質として用
いて、緩慢凍結法によって凍結保存したマウス胚が融解
後も高い生存性を示すことを報告した。この成功を契機
に、哺乳動物胚の凍結保存に関する研究は急速に活発化
し、以後、実験小動物の卵子や胚の凍結保存に応用され
た(ラット: 尾川, 1978; 尾川ら, 1973; 内海と湯
原, 1974a, b;Whittingham, 1975; ウサギ: Bank & Ma
urer, 1974; Whittingham & Adams, 1976; Tsunoda &
Sugie, 1977)。
952, 1953)が、精子に対して凍結保護効果があるとされ
たグリセロール(Polge et al., 1949)を用いてウサギ
胚を移植試験のために保存しようとした実験に始まる
が、その後20年間、大きな研究の進展は見られなかっ
た。しかし、Whittingham et al. (1972) とWilmut (19
72) はそれぞれ独立して、グリセロールと分子構造が類
似したジメチルスルフォキシドを凍結保護物質として用
いて、緩慢凍結法によって凍結保存したマウス胚が融解
後も高い生存性を示すことを報告した。この成功を契機
に、哺乳動物胚の凍結保存に関する研究は急速に活発化
し、以後、実験小動物の卵子や胚の凍結保存に応用され
た(ラット: 尾川, 1978; 尾川ら, 1973; 内海と湯
原, 1974a, b;Whittingham, 1975; ウサギ: Bank & Ma
urer, 1974; Whittingham & Adams, 1976; Tsunoda &
Sugie, 1977)。
【0004】家畜では、ヒツジ(Willadsen et al., 197
4; Schwier et al., 1990)およびヤギ(Bilton & Moor,
1976a)の他、特にウシにおいては、Wilmut & Rowson (1
973)による最初の成功例の報告以後、世界的な商業化を
背景とした胚移植関連技術開発の進展と共に、優秀な遺
伝形質を有するウシ由来の胚の保存や輸送のため、胚の
凍結保存技術は胚移植の基幹技術の一つとして研究開発
が活発に行われた(Bilton & Moor, 1976b; Willadsen e
t al., 1976; Leibo & Mazur, 1978; Trounsonet al.,
1978;Willadsen, 1980; Niemann et al., 1982; Renard
et al., 1982; Leibo, 1983,1984, 1986a, b, 1988;
Renard & Heyman,1983; Chupin et al., 1984; Massip
& Van Der Zwalmen, 1984; Suzuki et al.,1990; Niema
nn, 1991)。
4; Schwier et al., 1990)およびヤギ(Bilton & Moor,
1976a)の他、特にウシにおいては、Wilmut & Rowson (1
973)による最初の成功例の報告以後、世界的な商業化を
背景とした胚移植関連技術開発の進展と共に、優秀な遺
伝形質を有するウシ由来の胚の保存や輸送のため、胚の
凍結保存技術は胚移植の基幹技術の一つとして研究開発
が活発に行われた(Bilton & Moor, 1976b; Willadsen e
t al., 1976; Leibo & Mazur, 1978; Trounsonet al.,
1978;Willadsen, 1980; Niemann et al., 1982; Renard
et al., 1982; Leibo, 1983,1984, 1986a, b, 1988;
Renard & Heyman,1983; Chupin et al., 1984; Massip
& Van Der Zwalmen, 1984; Suzuki et al.,1990; Niema
nn, 1991)。
【0005】その結果、現在では、胚の凍結保存技術
は、研究面のみならず産業面においても広く用いられる
重要な技術となった。このため、ウシ胚の凍結保存は実
用技術として、さらに、高くかつ安定した凍結保存後の
胚生存性が要求されるばかりでなく、処理コストあるい
は利便性(処理の時間や簡易さ)についても改良が求め
られるようになった。しかし、緩慢凍結には高価な冷却
装置が必要であること、処理に長時間を要すること、氷
点以上の低温域に一定時間胚を曝すので低温感受性の高
い胚や未成熟あるいは成熟卵子では利用できないこと、
手法の改善には最適脱水条件の設定などに膨大な数の試
行錯誤を繰り返す必要があり、多大な労力を要すること
などの短所が問題となっている。
は、研究面のみならず産業面においても広く用いられる
重要な技術となった。このため、ウシ胚の凍結保存は実
用技術として、さらに、高くかつ安定した凍結保存後の
胚生存性が要求されるばかりでなく、処理コストあるい
は利便性(処理の時間や簡易さ)についても改良が求め
られるようになった。しかし、緩慢凍結には高価な冷却
装置が必要であること、処理に長時間を要すること、氷
点以上の低温域に一定時間胚を曝すので低温感受性の高
い胚や未成熟あるいは成熟卵子では利用できないこと、
手法の改善には最適脱水条件の設定などに膨大な数の試
行錯誤を繰り返す必要があり、多大な労力を要すること
などの短所が問題となっている。
【0006】これに対し、Luyet (1937)により提唱され
たガラス化保存法は、細胞内外の溶液を急速な冷却によ
りガラス化させて液体窒素温度で保存する方法で、高価
な冷却装置を用いず、急速に胚を冷却するため、理想的
な実用技術になると考えられたが、その成功例は長く得
られなかった(Luyet, 1966; Rapatz et al., 1966; Fah
y et al.,1984; Fahy, 1988)。しかし、高濃度の凍結保
護物質を用いることにより、植物細胞 (Grout & Hensha
w, 1978)や昆虫細胞 (James, 1980)においてのガラス化
保存の成功に続き、Rall & Fahy (1985)はマウス8細胞
期胚のガラス化保存に成功し、哺乳動物胚のガラス化保
存の可能性を示した。この成功を機に、様々な動物の胚
においてガラス化保存のアプローチが急速に活発化し
た。より単純な組成のガラス化液を用いてのマウス胚の
ガラス化保存の成功例がSheffen etal. (1986)によって
報告されたのをはじめとして、実験小動物ではマウス
(許ら,1986; 河野と角田, 1987; 松本ら, 1987; Ka
sai et al., 1990)、ラット(Konoet al., 1988; Is
chenko et al., 1992; Nakamichi et al., 1993) 、ウ
サギ (Kobayashi et al., 1990; Smorag et al.; 198
9, Smorag & Gadja,1991;Kasaiet al., 1992; Papis et
al., 1993)、また、家畜ではヒツジ(Schwieretal.,1
990)、ブタ(Yoshino et al., 1993; Kobayashi et a
l., 1994; Dobrinsky & Johnson, 1994)において、ガ
ラス化保存の成功例が報告された。
たガラス化保存法は、細胞内外の溶液を急速な冷却によ
りガラス化させて液体窒素温度で保存する方法で、高価
な冷却装置を用いず、急速に胚を冷却するため、理想的
な実用技術になると考えられたが、その成功例は長く得
られなかった(Luyet, 1966; Rapatz et al., 1966; Fah
y et al.,1984; Fahy, 1988)。しかし、高濃度の凍結保
護物質を用いることにより、植物細胞 (Grout & Hensha
w, 1978)や昆虫細胞 (James, 1980)においてのガラス化
保存の成功に続き、Rall & Fahy (1985)はマウス8細胞
期胚のガラス化保存に成功し、哺乳動物胚のガラス化保
存の可能性を示した。この成功を機に、様々な動物の胚
においてガラス化保存のアプローチが急速に活発化し
た。より単純な組成のガラス化液を用いてのマウス胚の
ガラス化保存の成功例がSheffen etal. (1986)によって
報告されたのをはじめとして、実験小動物ではマウス
(許ら,1986; 河野と角田, 1987; 松本ら, 1987; Ka
sai et al., 1990)、ラット(Konoet al., 1988; Is
chenko et al., 1992; Nakamichi et al., 1993) 、ウ
サギ (Kobayashi et al., 1990; Smorag et al.; 198
9, Smorag & Gadja,1991;Kasaiet al., 1992; Papis et
al., 1993)、また、家畜ではヒツジ(Schwieretal.,1
990)、ブタ(Yoshino et al., 1993; Kobayashi et a
l., 1994; Dobrinsky & Johnson, 1994)において、ガ
ラス化保存の成功例が報告された。
【0007】ウシにおいてはMassip et al.(1986) が、
Sheffen et al. (1986) のマウスでの方法を応用して、
生体から回収した後期桑実胚においてガラス化保存後の
生存例を得た。しかし、一般に胚移植に用いられる胚盤
胞では生存例は得られず、胚盤胞のガラス化保存の困難
さが指摘された(Massip et al., 1986; 堂地ら, 1990;
Van Der Zwalmen et al., 1989) 。また近年、体外受精
技術の開発にともなって、その利用価値が実験上のみな
らず産業面においても急増してきた体外受精由来胚にお
いては、Kuwayama et al.(1992) が胚盤胞において初め
ての成功例の報告後、同様に高いガラス化保存の成功例
が報告されている(Tachikawa et al, 1994)。
Sheffen et al. (1986) のマウスでの方法を応用して、
生体から回収した後期桑実胚においてガラス化保存後の
生存例を得た。しかし、一般に胚移植に用いられる胚盤
胞では生存例は得られず、胚盤胞のガラス化保存の困難
さが指摘された(Massip et al., 1986; 堂地ら, 1990;
Van Der Zwalmen et al., 1989) 。また近年、体外受精
技術の開発にともなって、その利用価値が実験上のみな
らず産業面においても急増してきた体外受精由来胚にお
いては、Kuwayama et al.(1992) が胚盤胞において初め
ての成功例の報告後、同様に高いガラス化保存の成功例
が報告されている(Tachikawa et al, 1994)。
【0008】ウシの体外受精胚の野外での本技術の実用
化のためには、移植現場で凍結保存胚の融解、希釈が可
能な方法の開発が必要である。緩慢凍結法ではすでに、
凍結胚を融解後、無希釈で、あるいはストロー内で希釈
後、受胚ウシに移植する直接移植法あるいは直接希釈法
が用いられている (Leibo 1983; Renard & Heymann,198
3; Massip & Van Der Zwalmen 1984; Voelkel& Hu, 199
2a,b)が、ガラス化保存した胚においても直接移植を可
能とする簡易で実用的な手法の確立が必要である。
化のためには、移植現場で凍結保存胚の融解、希釈が可
能な方法の開発が必要である。緩慢凍結法ではすでに、
凍結胚を融解後、無希釈で、あるいはストロー内で希釈
後、受胚ウシに移植する直接移植法あるいは直接希釈法
が用いられている (Leibo 1983; Renard & Heymann,198
3; Massip & Van Der Zwalmen 1984; Voelkel& Hu, 199
2a,b)が、ガラス化保存した胚においても直接移植を可
能とする簡易で実用的な手法の確立が必要である。
【0009】Kuwayama et al. (1994) はストロー内
で、ガラス化液に重層した希釈液により、融解後、胚か
ら凍結保護物質を希釈除去してレシピエントへの直接移
植を可能とするストロー内希釈法を報告した。同法を用
いて実験コンディションで高い受胎率及び正常な産子も
得られ、他の研究者による追試でその有効性が示されて
いるが、一般移植技術者レベルでは、同手法で保存した
胚の融解、希釈および移植時の取り扱いが困難であり、
さらに簡易な手法に改善する必要性がある。また、品質
が劣る胚盤胞や、体内受精胚では胚移植にも用いられて
いる桑実期胚のガラス化保存後の生存性は十分でなく、
これらの胚に適した有効なガラス化保存法の開発が必要
である。また、特に受精前の卵子については、動物にお
ける体外受精系の普及やヒトの不妊治療手法の劇的な発
展に伴い、その必要性が非常に高まっているにも関ら
ず、卵子細胞の大きさ及び低温感受性の高さから、緩慢
凍結保存後の生存はほとんど得られておらず、またガラ
ス化保存を用いても十分な成果は得られていない(Haman
o et al. 1992, Kuchenmeister & Kuwayama, 1996)。
で、ガラス化液に重層した希釈液により、融解後、胚か
ら凍結保護物質を希釈除去してレシピエントへの直接移
植を可能とするストロー内希釈法を報告した。同法を用
いて実験コンディションで高い受胎率及び正常な産子も
得られ、他の研究者による追試でその有効性が示されて
いるが、一般移植技術者レベルでは、同手法で保存した
胚の融解、希釈および移植時の取り扱いが困難であり、
さらに簡易な手法に改善する必要性がある。また、品質
が劣る胚盤胞や、体内受精胚では胚移植にも用いられて
いる桑実期胚のガラス化保存後の生存性は十分でなく、
これらの胚に適した有効なガラス化保存法の開発が必要
である。また、特に受精前の卵子については、動物にお
ける体外受精系の普及やヒトの不妊治療手法の劇的な発
展に伴い、その必要性が非常に高まっているにも関ら
ず、卵子細胞の大きさ及び低温感受性の高さから、緩慢
凍結保存後の生存はほとんど得られておらず、またガラ
ス化保存を用いても十分な成果は得られていない(Haman
o et al. 1992, Kuchenmeister & Kuwayama, 1996)。
【0010】Martino(1996) は電子顕微鏡用グリッドを
用い、最少化したガラス化液とともに卵子を直接液体窒
素に浸漬することにより従来より高いガラス化保存後の
生存率を得た。また、Vajta et al.は先端を熱熔解して
引き、細長く伸ばした0.25mlプラスチックストロー(Ope
n Pulled Straw:OPS) を用いて、胚を含んだ少量のガラ
ス化液を直接液体窒素に触れさせて冷却することにより
ガラス化保存後の生存を得た。しかしながら、両方とも
に冷却時液体窒素に直接卵子を触れさせるため、ウィル
ス感染の危険性があり実用化には適さない。さらにグリ
ッド上でガラス化されたサンプルの形状は保存がむずか
しく、これはOPS 法でも同様、現在既に世界中で0.25ml
ストロー用に規格、統一されたウシ凍結胚の保存、流通
システムを利用するのは困難であり、これらの手法では
凍結に用いた容器をそのまま移植に用いる直接移植は不
可能である。また現在、家畜の体外受精系では胚生産の
効率化、低コスト化の為、多数の同一ドナーあるいは同
一種の卵子を一度に多数凍結保存する必要性があるが、
その手法もいまだ開発されていない。
用い、最少化したガラス化液とともに卵子を直接液体窒
素に浸漬することにより従来より高いガラス化保存後の
生存率を得た。また、Vajta et al.は先端を熱熔解して
引き、細長く伸ばした0.25mlプラスチックストロー(Ope
n Pulled Straw:OPS) を用いて、胚を含んだ少量のガラ
ス化液を直接液体窒素に触れさせて冷却することにより
ガラス化保存後の生存を得た。しかしながら、両方とも
に冷却時液体窒素に直接卵子を触れさせるため、ウィル
ス感染の危険性があり実用化には適さない。さらにグリ
ッド上でガラス化されたサンプルの形状は保存がむずか
しく、これはOPS 法でも同様、現在既に世界中で0.25ml
ストロー用に規格、統一されたウシ凍結胚の保存、流通
システムを利用するのは困難であり、これらの手法では
凍結に用いた容器をそのまま移植に用いる直接移植は不
可能である。また現在、家畜の体外受精系では胚生産の
効率化、低コスト化の為、多数の同一ドナーあるいは同
一種の卵子を一度に多数凍結保存する必要性があるが、
その手法もいまだ開発されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、哺乳動物
胚または卵子を直接液体窒素に接触させることなく、最
少量のガラス化液で凍結保存することによって、ウイル
スや細菌による感染のおそれが無く高い生存率を得るこ
とのできる保存方法を提供することにある。
問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、哺乳動物
胚または卵子を直接液体窒素に接触させることなく、最
少量のガラス化液で凍結保存することによって、ウイル
スや細菌による感染のおそれが無く高い生存率を得るこ
とのできる保存方法を提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、最少量のガラ
ス化液で凍結保存した胚または卵子を迅速にかつ高い生
存率を維持しながら融解希釈する方法を提供するにあ
る。
ス化液で凍結保存した胚または卵子を迅速にかつ高い生
存率を維持しながら融解希釈する方法を提供するにあ
る。
【0013】また、本発明の他の目的は最少量のガラス
化液で凍結保存した胚または卵子を直接移植可能に迅速
にかつ高い生存率を維持しながら融解希釈する方法を提
供するにある。
化液で凍結保存した胚または卵子を直接移植可能に迅速
にかつ高い生存率を維持しながら融解希釈する方法を提
供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る哺乳動物胚または卵子の保存方法で
は、哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍結ストロ
ー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結保存用容
器の内面に、これらの胚または卵子を包被するに充分な
最少量のガラス化液で貼り付け、この凍結保存用容器を
密封し、そしてこの容器を液体窒素に接触させて急速に
冷却してなるのである。
め、本発明に係る哺乳動物胚または卵子の保存方法で
は、哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍結ストロ
ー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結保存用容
器の内面に、これらの胚または卵子を包被するに充分な
最少量のガラス化液で貼り付け、この凍結保存用容器を
密封し、そしてこの容器を液体窒素に接触させて急速に
冷却してなるのである。
【0015】これにより、胚または卵子は密封された凍
結保存用容器内にあって、その外部の液体窒素と直接接
触することなく凍結されるので、胚または卵子がウイル
スや細菌に感染されるおそれが無い。また、最少量のガ
ラス化液を用いているためガラス化液の凍結が迅速で胚
または卵子の生存率を高く維持することができる。
結保存用容器内にあって、その外部の液体窒素と直接接
触することなく凍結されるので、胚または卵子がウイル
スや細菌に感染されるおそれが無い。また、最少量のガ
ラス化液を用いているためガラス化液の凍結が迅速で胚
または卵子の生存率を高く維持することができる。
【0016】好ましくは、前記方法において、ガラス化
液の量を前記胚または卵子1個につき0.5μl以下と
することである。このガラス化液の量は胚または卵子を
包被するのに充分であると共に極少量であるから、ガラ
ス化液の凍結が迅速で胚または卵子の生存率を高く維持
することができる。
液の量を前記胚または卵子1個につき0.5μl以下と
することである。このガラス化液の量は胚または卵子を
包被するのに充分であると共に極少量であるから、ガラ
ス化液の凍結が迅速で胚または卵子の生存率を高く維持
することができる。
【0017】また、好ましくは、前記方法において、凍
結保存用容器内に前記胚または卵子を挾んで希釈液層及
び希釈液滴を分離収納することである。これにより、凍
結した胚または卵子を融解希釈後に、これらをレシピエ
ントに直接移植することができる。
結保存用容器内に前記胚または卵子を挾んで希釈液層及
び希釈液滴を分離収納することである。これにより、凍
結した胚または卵子を融解希釈後に、これらをレシピエ
ントに直接移植することができる。
【0018】また、好ましくは、前記方法において、前
記胚のガラス化液として約30%エチレングリコールと
1Mシュークロースを緩衝液に添加した低毒性のガラス
化液を用いることである。これにより、胚の生存率を更
に高めることができる。
記胚のガラス化液として約30%エチレングリコールと
1Mシュークロースを緩衝液に添加した低毒性のガラス
化液を用いることである。これにより、胚の生存率を更
に高めることができる。
【0019】また、好ましくは、前記方法において、前
記卵子のガラス化液として約40%エチレングリコール
と1Mシュークロースを緩衝液に添加したガラス化液を
用いることである。これにより、卵子の生存率を更に高
めることができる。
記卵子のガラス化液として約40%エチレングリコール
と1Mシュークロースを緩衝液に添加したガラス化液を
用いることである。これにより、卵子の生存率を更に高
めることができる。
【0020】また、好ましくは、前記胚の保存方法にお
いて、胚を前記ガラス化液に暴露する前に、該胚を約1
5%エチレングリコール溶液または約10%グリセロー
ル溶液に5〜10分間平衡処理することである。これに
より、胚を直接ガラス化液に暴露する場合に較べて胚の
生存率を高めることができる。
いて、胚を前記ガラス化液に暴露する前に、該胚を約1
5%エチレングリコール溶液または約10%グリセロー
ル溶液に5〜10分間平衡処理することである。これに
より、胚を直接ガラス化液に暴露する場合に較べて胚の
生存率を高めることができる。
【0021】また、好ましくは、前記卵子の保存方法に
おいて、卵子を前記ガラス化液に暴露する前に、該卵子
を約20%エチレングリコール溶液に5〜10分間平衡
処理することである。これにより、卵子を直接ガラス化
液に暴露する場合に較べて卵子の生存率を高めることが
できる。
おいて、卵子を前記ガラス化液に暴露する前に、該卵子
を約20%エチレングリコール溶液に5〜10分間平衡
処理することである。これにより、卵子を直接ガラス化
液に暴露する場合に較べて卵子の生存率を高めることが
できる。
【0022】また、本発明に係る凍結胚または卵子の融
解希釈方法では、前記の方法で保存した凍結保存用容器
を前記液体窒素から取出し、該容器の一端部を開口し、
該容器内に33℃乃至39℃の希釈液を直接注入し、前
記胚または卵子の凍結を融解希釈することである。これ
により、凍結した胚または卵子の融解希釈を迅速に行う
ことができ、胚または卵子の生存率を高めることができ
る。
解希釈方法では、前記の方法で保存した凍結保存用容器
を前記液体窒素から取出し、該容器の一端部を開口し、
該容器内に33℃乃至39℃の希釈液を直接注入し、前
記胚または卵子の凍結を融解希釈することである。これ
により、凍結した胚または卵子の融解希釈を迅速に行う
ことができ、胚または卵子の生存率を高めることができ
る。
【0023】また、好ましくは、直接移植用に前記の方
法で保存した凍結保存用容器を前記液体窒素から取出
し、33℃乃至39℃の温水中に浸漬して前記胚または
卵子の凍結を融解後、軽く振り胚と希釈液を混合してな
ることである。これにより、胚または卵子の直接移植が
可能となる。
法で保存した凍結保存用容器を前記液体窒素から取出
し、33℃乃至39℃の温水中に浸漬して前記胚または
卵子の凍結を融解後、軽く振り胚と希釈液を混合してな
ることである。これにより、胚または卵子の直接移植が
可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法について詳述
する。本発明で凍結保存に用いられる卵子及び胚の動物
種を特定しない。即ち、本発明は、ウシ、ブタ、ヒツジ
等に代表される家畜や実験動物、さらにはヒトを含めた
あらゆる哺乳動物に応用が可能である。
する。本発明で凍結保存に用いられる卵子及び胚の動物
種を特定しない。即ち、本発明は、ウシ、ブタ、ヒツジ
等に代表される家畜や実験動物、さらにはヒトを含めた
あらゆる哺乳動物に応用が可能である。
【0025】凍結保存に用いる凍結容器は受精卵移植用
ストロー、精液凍結用ストローあるいは各種凍結保存用
チューブやバイアルなど、液体窒素中の保存に耐え、内
部を密閉できる容器であればいかなるものでも利用が可
能である。
ストロー、精液凍結用ストローあるいは各種凍結保存用
チューブやバイアルなど、液体窒素中の保存に耐え、内
部を密閉できる容器であればいかなるものでも利用が可
能である。
【0026】ガラス化液はこれまでに報告されているあ
らゆる組成のガラス化液、すなわち、細胞膜透過性凍結
保護物質としてグリセロール、プロピレングリコール、
ジメチルスルホサイド(DMSO)、エチレングリコール、
ブタンジオール、及び細胞膜非透過性凍結保護物質とし
てシュークロース、トレハロース、パーコール、ポリエ
チレングリコール、ポリヴィニルピロリドン、ウシ血清
アルブミン、フィコールなどを添加したガラス化液が利
用可能であるが、本発明の方法においては胚については
30%エチレングリコールと1M シュークロースを緩衝液
に添加した低毒性のガラス化液、卵子では40% のエチレ
ングリコールと1M シュークロースを緩衝液に添加した
ガラス化液において最も高い生存性が得られる。
らゆる組成のガラス化液、すなわち、細胞膜透過性凍結
保護物質としてグリセロール、プロピレングリコール、
ジメチルスルホサイド(DMSO)、エチレングリコール、
ブタンジオール、及び細胞膜非透過性凍結保護物質とし
てシュークロース、トレハロース、パーコール、ポリエ
チレングリコール、ポリヴィニルピロリドン、ウシ血清
アルブミン、フィコールなどを添加したガラス化液が利
用可能であるが、本発明の方法においては胚については
30%エチレングリコールと1M シュークロースを緩衝液
に添加した低毒性のガラス化液、卵子では40% のエチレ
ングリコールと1M シュークロースを緩衝液に添加した
ガラス化液において最も高い生存性が得られる。
【0027】卵子および胚をガラス化液に暴露する前、
あらかじめ細胞内に低濃度の細胞膜透過性凍結保護物質
を浸透させる平衡処理を行うことにより、ガラス化液へ
投入時の胚の浸透圧差による物理的損傷を軽減し、さら
に冷却ー加温時の細胞内氷晶形成を防止することによ
り、保存後のより高い生存性を得ることが可能である。
本発明においては、好ましくは、卵子を20%エチレング
リコール溶液に、胚を15%エチレングリコールあるいは
10%グリセロール溶液に5ないし10分間平衡して用い
る。なお、その作業は胚盤胞では室温下、それ以前の発
育段階の胚あるいは卵子では30ないし33℃の温度下で行
う。平衡を完了した卵子及び胚は、先端を熱熔解によ
り、細くかつ長く加工したパスツールピペットによりガ
ラス化液中へ導入される。ここでの主目的は細胞外液の
置換であるので、ガラス化液内で試料を移動させ十分に
洗浄する。なお、この際、平衡液とガラス化液の極端な
浸透圧差により強度の細胞収縮が発生するが、90秒以内
のガラス化液暴露においては生存性に影響を及ぼさな
い。卵子及び胚をガラス化液で洗浄後、同様のパスツー
ルピペットにより最少量のガラス化液とともに取りだ
し、ストロー内へピペット先端を差し込んで、内壁に卵
子及び胚を貼り付ける(付着させる)。
あらかじめ細胞内に低濃度の細胞膜透過性凍結保護物質
を浸透させる平衡処理を行うことにより、ガラス化液へ
投入時の胚の浸透圧差による物理的損傷を軽減し、さら
に冷却ー加温時の細胞内氷晶形成を防止することによ
り、保存後のより高い生存性を得ることが可能である。
本発明においては、好ましくは、卵子を20%エチレング
リコール溶液に、胚を15%エチレングリコールあるいは
10%グリセロール溶液に5ないし10分間平衡して用い
る。なお、その作業は胚盤胞では室温下、それ以前の発
育段階の胚あるいは卵子では30ないし33℃の温度下で行
う。平衡を完了した卵子及び胚は、先端を熱熔解によ
り、細くかつ長く加工したパスツールピペットによりガ
ラス化液中へ導入される。ここでの主目的は細胞外液の
置換であるので、ガラス化液内で試料を移動させ十分に
洗浄する。なお、この際、平衡液とガラス化液の極端な
浸透圧差により強度の細胞収縮が発生するが、90秒以内
のガラス化液暴露においては生存性に影響を及ぼさな
い。卵子及び胚をガラス化液で洗浄後、同様のパスツー
ルピペットにより最少量のガラス化液とともに取りだ
し、ストロー内へピペット先端を差し込んで、内壁に卵
子及び胚を貼り付ける(付着させる)。
【0028】ここで、最少量のガラス化液とは卵子また
は胚を確実且つ安全に包被することができる最少量のガ
ラス化液を意味している。即ち、胚または卵子はそれぞ
れ大きさが異なるが、本発明ではこれらをできるだけ少
ない量のガラス化液で確実且つ安全に包被することで、
このガラス化液は多くても0.5μl(マイクロリット
ル)を越えることがないようにすることである。この量
を超えると、ガラス化液の凍結速度が低下して、胚また
は卵子の生存率が低下する可能性がある。
は胚を確実且つ安全に包被することができる最少量のガ
ラス化液を意味している。即ち、胚または卵子はそれぞ
れ大きさが異なるが、本発明ではこれらをできるだけ少
ない量のガラス化液で確実且つ安全に包被することで、
このガラス化液は多くても0.5μl(マイクロリット
ル)を越えることがないようにすることである。この量
を超えると、ガラス化液の凍結速度が低下して、胚また
は卵子の生存率が低下する可能性がある。
【0029】本発明において直接移植用に卵子または胚
を冷凍保存する場合には、融解時にストロー内希釈を行
うことが好ましく、この場合には、あらかじめストロー
内に6ないし7cm(0.25mlストローの場合、150 〜175
μl 程度)の希釈液(10% 鶏卵黄、0.5 Mシュークロー
スを添加した緩衝液)カラムを吸引により作成してお
き、その手前(先端側)に卵子及び胚を含んだガラス化
液を貼り付ける。さらにその手前に希釈液の微小滴を作
成してからストロー先端を熱あるいは超音波により封入
し、ただちに液体窒素に投入して急速冷却し、保存す
る。凍結バイアル、凍結チューブなど、ストロー以外の
容量の大きな凍結容器を用いる場合は、あらかじめ容器
を液体窒素中で超低温に冷却しておき、その内壁に胚及
び卵子を含んだ最少量のガラス化液を吹きつけるように
排出して内壁に固定、冷却する。
を冷凍保存する場合には、融解時にストロー内希釈を行
うことが好ましく、この場合には、あらかじめストロー
内に6ないし7cm(0.25mlストローの場合、150 〜175
μl 程度)の希釈液(10% 鶏卵黄、0.5 Mシュークロー
スを添加した緩衝液)カラムを吸引により作成してお
き、その手前(先端側)に卵子及び胚を含んだガラス化
液を貼り付ける。さらにその手前に希釈液の微小滴を作
成してからストロー先端を熱あるいは超音波により封入
し、ただちに液体窒素に投入して急速冷却し、保存す
る。凍結バイアル、凍結チューブなど、ストロー以外の
容量の大きな凍結容器を用いる場合は、あらかじめ容器
を液体窒素中で超低温に冷却しておき、その内壁に胚及
び卵子を含んだ最少量のガラス化液を吹きつけるように
排出して内壁に固定、冷却する。
【0030】直接移植法用ストローを用いないガラス化
液保存の融解については、凍結容器を液体窒素から取り
だし、容器の一端部を開口し、ただちに37あるいは38℃
の希釈液を凍結容器内に注入、あるいはストローの場合
は吸入して融解することにより、高い加温速度が得られ
る。この方法では、融解と希釈が同時に行われるため、
1分間の放置後、洗浄し、ただちに融解卵子あるいは胚
として実験等に用いることが可能である。
液保存の融解については、凍結容器を液体窒素から取り
だし、容器の一端部を開口し、ただちに37あるいは38℃
の希釈液を凍結容器内に注入、あるいはストローの場合
は吸入して融解することにより、高い加温速度が得られ
る。この方法では、融解と希釈が同時に行われるため、
1分間の放置後、洗浄し、ただちに融解卵子あるいは胚
として実験等に用いることが可能である。
【0031】直接移植法用ストローを用いたガラス化液
保存の場合の融解は、33℃〜39℃、好ましくは37あるい
は38℃の温水にストローを浸漬して胚または卵子の凍結
を融解し、さらに融解速度を高めるため、ストローの振
とうを行って希釈液の混合を促進する。次いでストロー
先端をカットし、移植器にセットしてレシピエントに移
植を行う。
保存の場合の融解は、33℃〜39℃、好ましくは37あるい
は38℃の温水にストローを浸漬して胚または卵子の凍結
を融解し、さらに融解速度を高めるため、ストローの振
とうを行って希釈液の混合を促進する。次いでストロー
先端をカットし、移植器にセットしてレシピエントに移
植を行う。
【0032】<発明の実験例> 実験1 最小容積法による牛胚盤胞のガラス化保存: <材料と方法>実験には常法に従って作出したDay7(媒
精日=Day0)の拡張中胚盤胞を用いた。胚は平衡液(25
%エチレングリコール、3mg/ml ポリヴィニルピロリド
ン;PVP M.W.40000 、添加PBS )に10分間浸漬後、ガラ
ス化液(25%エチレングリコール、20%シュークロー
ス、20%PVP 添加PBS )に投入した。ガラス化液投入
後、実験区1:胚を従来と同様にストロー内の25μl の
ガラス化液コラムに導入した(図1参照)、実験区2:
胚をストロー内面に最小容量(0.1μl)のガラス化液と共
に貼り付けた(図2参照)。実験区1と2はストロー先
端を熱封入後、液体窒素に投入して胚を冷却し保存し
た。実験区1で凍結した胚は、ストローを液体窒素から
取り出してから室温下の空気中で10秒間保持後、37℃の
温水中で10秒間振とうして融解し、希釈液(10%鶏卵
黄、0.5Mシュークロース、20%子牛血清添加PBS )で凍
結保護物質の希釈除去を行った。実験区2では、ストロ
ー内に加温した希釈液を注入することにより胚を希釈液
に直接浸漬して1段階で急速に融解した(図3参照)。
また実験区3では、実験区2と同じ方法で凍結した胚を
実験区1の方法で融解した。
精日=Day0)の拡張中胚盤胞を用いた。胚は平衡液(25
%エチレングリコール、3mg/ml ポリヴィニルピロリド
ン;PVP M.W.40000 、添加PBS )に10分間浸漬後、ガラ
ス化液(25%エチレングリコール、20%シュークロー
ス、20%PVP 添加PBS )に投入した。ガラス化液投入
後、実験区1:胚を従来と同様にストロー内の25μl の
ガラス化液コラムに導入した(図1参照)、実験区2:
胚をストロー内面に最小容量(0.1μl)のガラス化液と共
に貼り付けた(図2参照)。実験区1と2はストロー先
端を熱封入後、液体窒素に投入して胚を冷却し保存し
た。実験区1で凍結した胚は、ストローを液体窒素から
取り出してから室温下の空気中で10秒間保持後、37℃の
温水中で10秒間振とうして融解し、希釈液(10%鶏卵
黄、0.5Mシュークロース、20%子牛血清添加PBS )で凍
結保護物質の希釈除去を行った。実験区2では、ストロ
ー内に加温した希釈液を注入することにより胚を希釈液
に直接浸漬して1段階で急速に融解した(図3参照)。
また実験区3では、実験区2と同じ方法で凍結した胚を
実験区1の方法で融解した。
【0033】凍結保護物質の希釈除去後の胚は洗浄培地
(10%子牛血清添加TCM 199)で2回洗浄し、同培地
で卵丘細胞単層との共培養を38.5℃、5%CO2 、95%空
気の条件下で24時間行い、生存性の判定を行った。
(10%子牛血清添加TCM 199)で2回洗浄し、同培地
で卵丘細胞単層との共培養を38.5℃、5%CO2 、95%空
気の条件下で24時間行い、生存性の判定を行った。
【0034】<結果と考察>
【表1】 上記実験の結果から明らかなように、実験区2に係る本
発明の方法では従来の方法の実験区1の生存率(56.
7%)に較べて、顕著に生存率が向上している。
発明の方法では従来の方法の実験区1の生存率(56.
7%)に較べて、顕著に生存率が向上している。
【0035】以上の結果から、最小容積法によりガラス
化保存され、急速に加温した胚の生存率は従来法に比べ
て有意に高く、同法によりガラス化保存後の胚の生存性
が改善されることが明らかとなった。また、最小容積法
により凍結した胚は加温を一段階で急速に行うことが好
ましいことも判明した。
化保存され、急速に加温した胚の生存率は従来法に比べ
て有意に高く、同法によりガラス化保存後の胚の生存性
が改善されることが明らかとなった。また、最小容積法
により凍結した胚は加温を一段階で急速に行うことが好
ましいことも判明した。
【0036】実験2 <材料と方法>実験1の各条件下における冷却、加温時
の温度変化を記録し冷却ならびに加温速度を算出した。 <結果>実験2区において、冷却および加温速度がそれ
ぞれ約−9600℃/分および約43800 ℃/分と、1区に比
べて冷却時で2倍、加温時で30倍程度の高速度が得られ
た。
の温度変化を記録し冷却ならびに加温速度を算出した。 <結果>実験2区において、冷却および加温速度がそれ
ぞれ約−9600℃/分および約43800 ℃/分と、1区に比
べて冷却時で2倍、加温時で30倍程度の高速度が得られ
た。
【0037】実験3 <材料と方法>最少容量冷却法でガラス化保存した胚を
直接移植に供するため、ストローを密閉した状態で、ス
トローを温水中に浸漬する簡易な手法により高率で胚を
融解、希釈できるか否かを検討した。
直接移植に供するため、ストローを密閉した状態で、ス
トローを温水中に浸漬する簡易な手法により高率で胚を
融解、希釈できるか否かを検討した。
【0038】常法に従って体外で作出したウシ胚盤胞を
実験に供した。ストロー内に150 μl の希釈液層を吸引
し、その直前に胚を含んだ最少容量のガラス化液、そし
てさらに希釈液滴を作成し、熱封入後、直接液体窒素内
に投入して急速冷却した。融解は、ストローを直接37℃
の温水中に投入し、5秒間振とうすることにより行っ
た。続いてストローの熱封入部を持ち、軽く振ることで
ストロー内の各液を混合して凍結保護物質の希釈を行っ
た。洗浄後、胚を実験1と同様に24時間培養して生存性
を判定した。なお、ガラス化液には30% EG、1M シュー
クロースおよび20%CSを添加したPBS を用いた。
実験に供した。ストロー内に150 μl の希釈液層を吸引
し、その直前に胚を含んだ最少容量のガラス化液、そし
てさらに希釈液滴を作成し、熱封入後、直接液体窒素内
に投入して急速冷却した。融解は、ストローを直接37℃
の温水中に投入し、5秒間振とうすることにより行っ
た。続いてストローの熱封入部を持ち、軽く振ることで
ストロー内の各液を混合して凍結保護物質の希釈を行っ
た。洗浄後、胚を実験1と同様に24時間培養して生存性
を判定した。なお、ガラス化液には30% EG、1M シュー
クロースおよび20%CSを添加したPBS を用いた。
【0039】希釈方法の対照区として、高い生存率が得
られた実験1の2区の方法で胚をガラス化保存し、生存
率を比較した。すなわち、胚を同様にガラス化保存後、
ストロー内に37℃希釈液を吸引、ガラス化液を混合する
ことにより融解、希釈を行った。
られた実験1の2区の方法で胚をガラス化保存し、生存
率を比較した。すなわち、胚を同様にガラス化保存後、
ストロー内に37℃希釈液を吸引、ガラス化液を混合する
ことにより融解、希釈を行った。
【0040】また、従来のストロー内希釈法(Kuwayama
et al. 1994) により胚をガラス化保存、融解、希釈、
培養し、本法の実用性を比較、評価した。すなわち、25
μlのカラム内でガラス化保存された胚を空気中10秒
間、温水中10秒間処理することにより2段階で融解した
後、綿栓部を上にして30秒間ストローを垂直に保持し、
ガラス化液と希釈液を混ぜ合わせることによりストロー
内希釈を行った。洗浄後、胚を、実験1と同様に24時間
培養して生存性を判定した。
et al. 1994) により胚をガラス化保存、融解、希釈、
培養し、本法の実用性を比較、評価した。すなわち、25
μlのカラム内でガラス化保存された胚を空気中10秒
間、温水中10秒間処理することにより2段階で融解した
後、綿栓部を上にして30秒間ストローを垂直に保持し、
ガラス化液と希釈液を混ぜ合わせることによりストロー
内希釈を行った。洗浄後、胚を、実験1と同様に24時間
培養して生存性を判定した。
【0041】<結果>本法、すなわち最少容量で胚をガ
ラス化保存後、ストローを液体窒素から温水に直接投入
して融解する簡易な1段階法を用いた場合においても、
実験1の希釈法同様の高い生存率が得られ(97.7%, 42/
43 vs 97.6%, 41/42) 、最少容量凍結法がストロー内希
釈に利用できることが明らかとなった。
ラス化保存後、ストローを液体窒素から温水に直接投入
して融解する簡易な1段階法を用いた場合においても、
実験1の希釈法同様の高い生存率が得られ(97.7%, 42/
43 vs 97.6%, 41/42) 、最少容量凍結法がストロー内希
釈に利用できることが明らかとなった。
【0042】また、従来のスロトー内希釈法での生存率
は92.3%(24/26) と、有意差はないものの本法と比較し
て低い値であった。さらに実用性の比較では、従来法で
は融解法が2段階の加温法を必要とすること、特に最初
の融解ステップでは空気中に10秒間ストローを放置する
が、移植現場においてはこの温度(室温)の制御が困難
であり、これはホルスタインが多く飼養される寒冷地や
逆に夏期の高気温時には問題となるが、液体窒素中のス
トローを直接温水中へ漬けて融解する本法ではこのよう
な問題は発生しないため、より実用的な手法であると考
えられる。
は92.3%(24/26) と、有意差はないものの本法と比較し
て低い値であった。さらに実用性の比較では、従来法で
は融解法が2段階の加温法を必要とすること、特に最初
の融解ステップでは空気中に10秒間ストローを放置する
が、移植現場においてはこの温度(室温)の制御が困難
であり、これはホルスタインが多く飼養される寒冷地や
逆に夏期の高気温時には問題となるが、液体窒素中のス
トローを直接温水中へ漬けて融解する本法ではこのよう
な問題は発生しないため、より実用的な手法であると考
えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明により、簡易な手法によってあら
ゆる動物種のあらゆる発育段階の卵子および胚を無菌環
境下でガラス化保存することができ、融解後の高い生存
率により、研究、畜産業および医療分野での実用的なレ
ベルでの利用が可能となる。最も産業的に利用されてい
るウシ胚では、胚移植現場において簡易な作業でガラス
化保存胚が融解、希釈できるため、すでに広く普及して
いる人工授精並みの実用利用が期待され、凍結胚の利用
に大きく貢献することができる。
ゆる動物種のあらゆる発育段階の卵子および胚を無菌環
境下でガラス化保存することができ、融解後の高い生存
率により、研究、畜産業および医療分野での実用的なレ
ベルでの利用が可能となる。最も産業的に利用されてい
るウシ胚では、胚移植現場において簡易な作業でガラス
化保存胚が融解、希釈できるため、すでに広く普及して
いる人工授精並みの実用利用が期待され、凍結胚の利用
に大きく貢献することができる。
【図1】実験区1の凍結方法を工程順に示す説明図。
【図2】実験区2の凍結方法を工程順に示す説明図。
【図3】実験区3の融解方法を工程順に示す説明図。
Claims (9)
- 【請求項1】 哺乳動物胚または卵子を滅菌処理した凍
結ストロー、凍結バイアルまたは凍結チューブ等の凍結
保存用容器の内面に、これらの胚または卵子を包被する
に充分な最少量のガラス化液で貼り付け、該凍結保存用
容器を密封し、該容器を液体窒素に接触させて急速に冷
却してなることを特徴とする哺乳動物胚または卵子の保
存方法。 - 【請求項2】 前記ガラス化液の量が前記胚または卵子
1個につき0.5μl以下であることを特徴とする請求
項1記載の哺乳動物胚または卵子の保存方法。 - 【請求項3】 前記凍結保存用容器内に前記胚または卵
子を挾んで希釈液層及び希釈液滴を分離収納してなるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の哺乳動物
胚または卵子の保存方法。 - 【請求項4】 前記胚の前記ガラス化液として約30%
エチレングリコールと1Mシュークロースを緩衝液に添
加した低毒性のガラス化液を用いることを特徴とする請
求項1乃至3の何れか1項に記載の哺乳動物胚または卵
子の保存方法。 - 【請求項5】 前記卵子の前記ガラス化液として約40
%エチレングリコールと1Mシュークロースを緩衝液に
添加したガラス化液を用いることを特徴とする請求項1
乃至3の何れか1項に記載の哺乳動物胚または卵子の保
存方法。 - 【請求項6】 前記胚を前記ガラス化液に暴露する前
に、該胚を約15%エチレングリコール溶液または約1
0%グリセロール溶液に5〜10分間平衡処理すること
を特徴とする請求項4記載の哺乳動物胚または卵子の保
存方法。 - 【請求項7】 前記卵子を前記ガラス化液に暴露する前
に、該卵子を約20%エチレングリコール溶液に5〜1
0分間平衡処理してなることを特徴とする請求項5記載
の哺乳動物胚または卵子の保存方法。 - 【請求項8】 請求項1または請求項2の方法で保存し
た前記凍結保存用容器を前記液体窒素から取出し、該容
器の一端部を開口し、該容器内に33℃乃至39℃の希
釈液を直接注入し、前記胚または卵子の凍結を融解して
なることを特徴とする凍結胚または卵子の融解希釈方
法。 - 【請求項9】 請求項3の方法で保存した前記凍結保存
用容器を前記液体窒素から取出し、該容器を33℃乃至
39℃の温水中に浸漬して前記胚または卵子の凍結を融
解後、軽く振り胚と希釈液を混合してなることを特徴と
する凍結胚または卵子の融解希釈方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10371047A JP2000189155A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 哺乳動物胚または卵子の保存方法並びに凍結胚または卵子の融解希釈方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10371047A JP2000189155A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 哺乳動物胚または卵子の保存方法並びに凍結胚または卵子の融解希釈方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000189155A true JP2000189155A (ja) | 2000-07-11 |
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ID=18498050
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JP10371047A Pending JP2000189155A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 哺乳動物胚または卵子の保存方法並びに凍結胚または卵子の融解希釈方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2000189155A (ja) |
Cited By (29)
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---|---|---|---|---|
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WO2003020874A2 (en) * | 2001-09-06 | 2003-03-13 | I.M.T Interface Multigrad Technology Ltd. | Improved method for freezing viable cells |
WO2004092358A1 (ja) * | 2003-04-15 | 2004-10-28 | Kabushiki Kaisha Kitazato Supply | 卵凍結保存用具及び卵凍結保存方法 |
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