JP2000182601A - リチウム二次電池用の負極 - Google Patents
リチウム二次電池用の負極Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活物質として
使用しても、電池内部での自己放電が防止あるいは軽減
した、しかして性能の安定したリチウム二次電池を製造
し得る新規なリチウム二次電池用の負極を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 負極集電体の上にエッジ性の強い繊維状
黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活物質として有する負極活物質
層を設け、さらにその上にカーボンブラックなどの非エ
ッジ性炭素材を有する黒鉛エッジ遮蔽層を設けてなるこ
とを特徴とするリチウム二次電池用の負極。 【効果】 エッジ性の強い繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負
極活物質として使用しながら正負極活物質層間での短絡
問題が解消したリチウム二次電池を製造することができ
る。
使用しても、電池内部での自己放電が防止あるいは軽減
した、しかして性能の安定したリチウム二次電池を製造
し得る新規なリチウム二次電池用の負極を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 負極集電体の上にエッジ性の強い繊維状
黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活物質として有する負極活物質
層を設け、さらにその上にカーボンブラックなどの非エ
ッジ性炭素材を有する黒鉛エッジ遮蔽層を設けてなるこ
とを特徴とするリチウム二次電池用の負極。 【効果】 エッジ性の強い繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負
極活物質として使用しながら正負極活物質層間での短絡
問題が解消したリチウム二次電池を製造することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
用の負極に関し、特に黒鉛を負極活物質とする負極に関
する。
用の負極に関し、特に黒鉛を負極活物質とする負極に関
する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、起電力並びに電池
容量の点で優れているので一般に益々注目されており、
斯界では一層実用性の高い製品を開発する目的で各種の
改善研究が鋭意なされている。正負極活物質の改善研究
もその重要な一つである。本発明者は、製造が容易であ
って且つ高性能のリチウム二次電池を開発する目的で、
負極活物質として繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を、一方、正
極活物質として各種のLi−遷移金属系複合酸化物をそ
れぞれ採用して両者を組合わせたリチウム二次電池を検
討してきた。かかる検討から、上記の正負極活物質の組
合わせにより高放電容量を有する電池が得られるもの
の、後記するように、該電池の性能が不安定となる新た
な問題のあることが判った。
容量の点で優れているので一般に益々注目されており、
斯界では一層実用性の高い製品を開発する目的で各種の
改善研究が鋭意なされている。正負極活物質の改善研究
もその重要な一つである。本発明者は、製造が容易であ
って且つ高性能のリチウム二次電池を開発する目的で、
負極活物質として繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を、一方、正
極活物質として各種のLi−遷移金属系複合酸化物をそ
れぞれ採用して両者を組合わせたリチウム二次電池を検
討してきた。かかる検討から、上記の正負極活物質の組
合わせにより高放電容量を有する電池が得られるもの
の、後記するように、該電池の性能が不安定となる新た
な問題のあることが判った。
【0003】繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を使用する場合に
電池性能が不安定となる問題は、黒鉛が一般的に高結晶
性であるので剛性が頗る大きくて硬く、ために負極活物
質層の表面からそれら黒鉛の一部が突出し易く、突出し
た黒鉛部分により負極活物質層と正極活物質層とが短絡
し易くなることによる。
電池性能が不安定となる問題は、黒鉛が一般的に高結晶
性であるので剛性が頗る大きくて硬く、ために負極活物
質層の表面からそれら黒鉛の一部が突出し易く、突出し
た黒鉛部分により負極活物質層と正極活物質層とが短絡
し易くなることによる。
【0004】即ち、例えば繊維状黒鉛を負極活物質とし
て使用した場合、負極活物質層は、フッ素樹脂などの有
機高分子バインダーと繊維状黒鉛との混合物を負極集電
体上に塗布して形成される。したがって負極集電体上の
負極活物質層においては、繊維状黒鉛はフッ素樹脂など
にてバインドされた状態で存在する。ところで繊維状黒
鉛は、取り扱いの容易さや負極活物質としての性能上か
ら、通常、長さが十〜〜数十μm程度の短繊維状で使用
されるので、たとえフッ素樹脂などにてバインドされた
状態で存在するといえども、一部の繊維状黒鉛が負極活
物質層の表面から垂直方向あるいは傾斜方向に突出する
ことがある。負極の製造工程においては、上記の混合物
を塗布し乾燥した後に、負極活物質層を圧延して平坦化
処理するが、この平坦化処理によっても突出部分の一部
が突出のまま残存したり、平坦化処理によって突出先端
部分が破断して該突出先端部分がむしろ一層鋭利化し、
且つその際生じた破片が負極活物質層上に残存すること
もある。さらに電池の充放電サイクルの過程において、
Liイオンの出入りによっても一部の繊維状黒鉛が新た
に突出し、且つその一部は破断して破片を生成すること
もある。
て使用した場合、負極活物質層は、フッ素樹脂などの有
機高分子バインダーと繊維状黒鉛との混合物を負極集電
体上に塗布して形成される。したがって負極集電体上の
負極活物質層においては、繊維状黒鉛はフッ素樹脂など
にてバインドされた状態で存在する。ところで繊維状黒
鉛は、取り扱いの容易さや負極活物質としての性能上か
ら、通常、長さが十〜〜数十μm程度の短繊維状で使用
されるので、たとえフッ素樹脂などにてバインドされた
状態で存在するといえども、一部の繊維状黒鉛が負極活
物質層の表面から垂直方向あるいは傾斜方向に突出する
ことがある。負極の製造工程においては、上記の混合物
を塗布し乾燥した後に、負極活物質層を圧延して平坦化
処理するが、この平坦化処理によっても突出部分の一部
が突出のまま残存したり、平坦化処理によって突出先端
部分が破断して該突出先端部分がむしろ一層鋭利化し、
且つその際生じた破片が負極活物質層上に残存すること
もある。さらに電池の充放電サイクルの過程において、
Liイオンの出入りによっても一部の繊維状黒鉛が新た
に突出し、且つその一部は破断して破片を生成すること
もある。
【0005】一方、リチウム二次電池では、正負の活物
質層の間には非水系の液体電解質を含浸したセパレータ
や固体電解質のシートなどの電解質層が介在している
が、それらの電解質層は一般的に薄いので負極活物質層
の表面から突出する繊維状黒鉛が電解質層を貫通して正
極に達して電池を部分的に短絡せしめる。電解質層がセ
パレータに液体電解質を含浸したものである場合には、
該セパレータは多孔質のシートであるので繊維状黒鉛の
上記した破片の多数が該セパレータに入り込んで導電路
を形成することもある。よって突出する繊維状黒鉛によ
る電解質層の貫通やその破片の電解質層内への入り込み
などにて正負極活物質層間に短絡が生じ、リチウム二次
電池を使用せずに放置しておいても電池内部での自己放
電にて短寿命化する。かかる自己放電する電池は不良品
として廃棄処理されるので、結果的に繊維状黒鉛を使用
する際にはリチウム二次電池を高歩留りにて製造するこ
とが困難となる。繊維状黒鉛に代えて鱗片状黒鉛を使用
した場合にも、上記と同様の問題が生じる。
質層の間には非水系の液体電解質を含浸したセパレータ
や固体電解質のシートなどの電解質層が介在している
が、それらの電解質層は一般的に薄いので負極活物質層
の表面から突出する繊維状黒鉛が電解質層を貫通して正
極に達して電池を部分的に短絡せしめる。電解質層がセ
パレータに液体電解質を含浸したものである場合には、
該セパレータは多孔質のシートであるので繊維状黒鉛の
上記した破片の多数が該セパレータに入り込んで導電路
を形成することもある。よって突出する繊維状黒鉛によ
る電解質層の貫通やその破片の電解質層内への入り込み
などにて正負極活物質層間に短絡が生じ、リチウム二次
電池を使用せずに放置しておいても電池内部での自己放
電にて短寿命化する。かかる自己放電する電池は不良品
として廃棄処理されるので、結果的に繊維状黒鉛を使用
する際にはリチウム二次電池を高歩留りにて製造するこ
とが困難となる。繊維状黒鉛に代えて鱗片状黒鉛を使用
した場合にも、上記と同様の問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑みて本発明
は、繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活物質として使用し
ても、電池内部での自己放電が防止あるいは軽減した、
しかして性能の安定したリチウム二次電池を製造し得る
新規なリチウム二次電池用の負極を提供することを目的
とする。
は、繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活物質として使用し
ても、電池内部での自己放電が防止あるいは軽減した、
しかして性能の安定したリチウム二次電池を製造し得る
新規なリチウム二次電池用の負極を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、つぎの特徴を
有する。 (1) 負極集電体の上に繊維状黒鉛および/または鱗片状
黒鉛を負極活物質として有する負極活物質層を設け、さ
らにその上に非エッジ性炭素材を有する黒鉛エッジ遮蔽
層を設けてなることを特徴とするリチウム二次電池用の
負極。 (2) 繊維状黒鉛および/または鱗片状黒鉛のアスペクト
比が少なくとも1.5である上記(1) 記載のリチウム二
次電池用の負極。 (3) 非エッジ性炭素材が、アスペクト比が1.2以下の
黒鉛または/および非黒鉛系炭素材である上記(1) また
は(2) 記載のリチウム二次電池用の負極。 (4) アスペクト比が1.2以下の黒鉛が、球形または疑
似球形の黒鉛であり、非黒鉛系炭素材が、BET法によ
る比表面積が少なくとも1m2 /gのものである上記
(1) 〜(3) のいずれかに記載のリチウム二次電池用の負
極。 (5) 非エッジ性炭素材の量が、負極の単位面積あたりで
の重量比にして、アスペクト比が少なくとも1.5の黒
鉛の量の1/2〜1/200である上記(1) 〜(4) のい
ずれかに記載のリチウム二次電池用の負極。
有する。 (1) 負極集電体の上に繊維状黒鉛および/または鱗片状
黒鉛を負極活物質として有する負極活物質層を設け、さ
らにその上に非エッジ性炭素材を有する黒鉛エッジ遮蔽
層を設けてなることを特徴とするリチウム二次電池用の
負極。 (2) 繊維状黒鉛および/または鱗片状黒鉛のアスペクト
比が少なくとも1.5である上記(1) 記載のリチウム二
次電池用の負極。 (3) 非エッジ性炭素材が、アスペクト比が1.2以下の
黒鉛または/および非黒鉛系炭素材である上記(1) また
は(2) 記載のリチウム二次電池用の負極。 (4) アスペクト比が1.2以下の黒鉛が、球形または疑
似球形の黒鉛であり、非黒鉛系炭素材が、BET法によ
る比表面積が少なくとも1m2 /gのものである上記
(1) 〜(3) のいずれかに記載のリチウム二次電池用の負
極。 (5) 非エッジ性炭素材の量が、負極の単位面積あたりで
の重量比にして、アスペクト比が少なくとも1.5の黒
鉛の量の1/2〜1/200である上記(1) 〜(4) のい
ずれかに記載のリチウム二次電池用の負極。
【0008】
【作用】繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を有する負極活物質層
の表面に前記した黒鉛の突出があっても、非エッジ性炭
素材を有する黒鉛エッジ遮蔽層を負極活物質層の上に設
けることにより、かかる突出黒鉛やその破片は黒鉛エッ
ジ遮蔽層にて隠蔽されて負極活物質層と正極活物質層と
の短絡が防止される。しかも黒鉛エッジ遮蔽層は、自体
が負極活物質としての機能を有するので、繊維状黒鉛や
鱗片状黒鉛からなる負極活物質層の機能を実質的に妨げ
ることはない。
の表面に前記した黒鉛の突出があっても、非エッジ性炭
素材を有する黒鉛エッジ遮蔽層を負極活物質層の上に設
けることにより、かかる突出黒鉛やその破片は黒鉛エッ
ジ遮蔽層にて隠蔽されて負極活物質層と正極活物質層と
の短絡が防止される。しかも黒鉛エッジ遮蔽層は、自体
が負極活物質としての機能を有するので、繊維状黒鉛や
鱗片状黒鉛からなる負極活物質層の機能を実質的に妨げ
ることはない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において負極活物質とし
て、繊維状黒鉛および/または鱗片状黒鉛が用いられ
る。繊維状黒鉛と鱗片状黒鉛とは、単独で用いられても
よく、あるいは両者の混合物などとして併用されてもよ
い。それらを形成する黒鉛は、天然あるいは人工の、斯
界で周知の導電性黒鉛であってよく、例えば学振法によ
って算出された結晶格子の基底面間距離(D002 )が
0.335〜0.400nm程度、特に0.335〜
0.340nm程度であり、c軸方向の結晶子寸法(L
c)が少なくとも1nm程度、特に少なくとも20nm
程度のもの、である。なお学振法にて算出された該結晶
子寸法(Lc)が100nmより大であるものは、すべ
てLc>100と表示されるが、本発明ではかかるLc
>100のものも使用することができる。
て、繊維状黒鉛および/または鱗片状黒鉛が用いられ
る。繊維状黒鉛と鱗片状黒鉛とは、単独で用いられても
よく、あるいは両者の混合物などとして併用されてもよ
い。それらを形成する黒鉛は、天然あるいは人工の、斯
界で周知の導電性黒鉛であってよく、例えば学振法によ
って算出された結晶格子の基底面間距離(D002 )が
0.335〜0.400nm程度、特に0.335〜
0.340nm程度であり、c軸方向の結晶子寸法(L
c)が少なくとも1nm程度、特に少なくとも20nm
程度のもの、である。なお学振法にて算出された該結晶
子寸法(Lc)が100nmより大であるものは、すべ
てLc>100と表示されるが、本発明ではかかるLc
>100のものも使用することができる。
【0010】繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛の形状や寸法につ
いては特に制限はないが、アスペクト比が過少であるも
のは、高価な割りに取り扱い性や負極活物質としての性
能上での優位性がないので、それが少なくとも1.5、
特に少なくとも1.8のものが好ましい。ここにアスペ
クト比は、一般的には特定形状の黒鉛に共通して存在す
る個所のうちで、最も短いまたは小さい個所の平均寸法
(長さや厚さ)に対する最も長いまたは大きい個所の平
均寸法(長さや厚さ)の比で表される。よって繊維状黒
鉛にあっては、繊維の長手方向の断面の平均外径に対す
る繊維の平均長さの比で表わされ、鱗片状黒鉛にあって
は、鱗片の平均厚みに対する鱗片面の平均直径の比で表
わされる。さらに取り扱いの容易さや負極活物質として
の性能上から、繊維状黒鉛としては、平均外径が2〜5
0μm程度、特に5〜20μm程度であり、平均長さが
5〜200μm程度、特に10〜50μm程度であっ
て、且つ上記のアスペクト比を有するものが好ましい。
鱗片状黒鉛としては、厚みが上記したLc値に等しい薄
いものから1μmを越える厚いもの、就中、平均厚みが
0.01〜1μm程度、特に0.1〜1μm程度であ
り、鱗片面の平均直径が1〜50μm程度、特に5〜3
0μm程度であって、且つ上記のアスペクト比を有する
ものが好ましい。なお鱗片状黒鉛としては、アスペクト
比が10〜104程度、就中10〜103 程度のものが
特に好ましい。
いては特に制限はないが、アスペクト比が過少であるも
のは、高価な割りに取り扱い性や負極活物質としての性
能上での優位性がないので、それが少なくとも1.5、
特に少なくとも1.8のものが好ましい。ここにアスペ
クト比は、一般的には特定形状の黒鉛に共通して存在す
る個所のうちで、最も短いまたは小さい個所の平均寸法
(長さや厚さ)に対する最も長いまたは大きい個所の平
均寸法(長さや厚さ)の比で表される。よって繊維状黒
鉛にあっては、繊維の長手方向の断面の平均外径に対す
る繊維の平均長さの比で表わされ、鱗片状黒鉛にあって
は、鱗片の平均厚みに対する鱗片面の平均直径の比で表
わされる。さらに取り扱いの容易さや負極活物質として
の性能上から、繊維状黒鉛としては、平均外径が2〜5
0μm程度、特に5〜20μm程度であり、平均長さが
5〜200μm程度、特に10〜50μm程度であっ
て、且つ上記のアスペクト比を有するものが好ましい。
鱗片状黒鉛としては、厚みが上記したLc値に等しい薄
いものから1μmを越える厚いもの、就中、平均厚みが
0.01〜1μm程度、特に0.1〜1μm程度であ
り、鱗片面の平均直径が1〜50μm程度、特に5〜3
0μm程度であって、且つ上記のアスペクト比を有する
ものが好ましい。なお鱗片状黒鉛としては、アスペクト
比が10〜104程度、就中10〜103 程度のものが
特に好ましい。
【0011】負極活物質層は、上記の黒鉛を使用する以
外は、通常の方法にて形成することができる。例えば、
結着剤としてポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリ
デンフルオリド、ポリエチレン、エチレン−プロピレン
−ジエン系ポリマーなどを用い、その際の黒鉛の使用量
を該黒鉛と結着剤との合計量100重量部あたり80〜
96重量部程度とし、さらにN−メチル2ピロリドンな
どの有機溶媒を加えてスラリー状の混合組成物を調製
し、これを負極集電体の片面または両面に塗布し乾燥す
ればよい。負極活物質層の厚さは、乾燥後において20
〜200μm程度、特に50〜150μm程度が適当で
ある。また負極集電体も周知のものであってよく、例え
ば銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属の、厚さ
5〜100μm程度、特に8〜50μm程度の箔や穴あ
き箔、厚さ20〜300μm程度、特に25〜100μ
m程度のエキスパンドメタルなどを例示し得る。
外は、通常の方法にて形成することができる。例えば、
結着剤としてポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリ
デンフルオリド、ポリエチレン、エチレン−プロピレン
−ジエン系ポリマーなどを用い、その際の黒鉛の使用量
を該黒鉛と結着剤との合計量100重量部あたり80〜
96重量部程度とし、さらにN−メチル2ピロリドンな
どの有機溶媒を加えてスラリー状の混合組成物を調製
し、これを負極集電体の片面または両面に塗布し乾燥す
ればよい。負極活物質層の厚さは、乾燥後において20
〜200μm程度、特に50〜150μm程度が適当で
ある。また負極集電体も周知のものであってよく、例え
ば銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属の、厚さ
5〜100μm程度、特に8〜50μm程度の箔や穴あ
き箔、厚さ20〜300μm程度、特に25〜100μ
m程度のエキスパンドメタルなどを例示し得る。
【0012】黒鉛エッジ遮蔽層の形成に用いられる非エ
ッジ性炭素材としては、該黒鉛エッジ遮蔽層の表面に存
在しても負極活物質層と正極活物質層との短絡を生ぜし
めるようなエッジを形成しない炭素材、例えば、アスペ
クト比が小さい、具体的にはそれが1.2以下の黒鉛、
例えば球形または疑似球形の黒鉛を例示し得る。また非
黒鉛系炭素材は、一般的に結晶性に乏しく、あるいは非
結晶性であって剛性が小さいので、非エッジ性炭素材と
して好適である。かかる非黒鉛系炭素材としては、各種
のカーボンブラックや炭化物が挙げられるが、就中、導
電性の良好な高表面積のものが好ましく、特に後記する
BET法により測定した比表面積が少なくとも1m2 /
g、特に少なくとも5m2 /g、好ましくは10〜10
0m2 /gのもの、例えば、アセチレンブラック、EC
Fなどのファーネスブラック、ケッチェンブラック(商
品名)などの導電性カーボンブラック類、コークスの炭
化物、メソフェーズピッチの炭化物などの導電性炭化物
類が好ましい。非エッジ性炭素材としては、上記した低
アスペクト比の黒鉛と非黒鉛系炭素材との併用物であっ
てもよい。 〔BET法〕「粉体の材料化学」〔荒井康夫著、初版第
9刷、培風館(東京)発行、1995年〕の第178頁
〜第184頁に記載された吸着法のうち、窒素を吸着体
とする気相吸着法による。
ッジ性炭素材としては、該黒鉛エッジ遮蔽層の表面に存
在しても負極活物質層と正極活物質層との短絡を生ぜし
めるようなエッジを形成しない炭素材、例えば、アスペ
クト比が小さい、具体的にはそれが1.2以下の黒鉛、
例えば球形または疑似球形の黒鉛を例示し得る。また非
黒鉛系炭素材は、一般的に結晶性に乏しく、あるいは非
結晶性であって剛性が小さいので、非エッジ性炭素材と
して好適である。かかる非黒鉛系炭素材としては、各種
のカーボンブラックや炭化物が挙げられるが、就中、導
電性の良好な高表面積のものが好ましく、特に後記する
BET法により測定した比表面積が少なくとも1m2 /
g、特に少なくとも5m2 /g、好ましくは10〜10
0m2 /gのもの、例えば、アセチレンブラック、EC
Fなどのファーネスブラック、ケッチェンブラック(商
品名)などの導電性カーボンブラック類、コークスの炭
化物、メソフェーズピッチの炭化物などの導電性炭化物
類が好ましい。非エッジ性炭素材としては、上記した低
アスペクト比の黒鉛と非黒鉛系炭素材との併用物であっ
てもよい。 〔BET法〕「粉体の材料化学」〔荒井康夫著、初版第
9刷、培風館(東京)発行、1995年〕の第178頁
〜第184頁に記載された吸着法のうち、窒素を吸着体
とする気相吸着法による。
【0013】黒鉛エッジ遮蔽層は、上記の非エッジ性炭
素材を使用する以外は負極活物質層の形成と略同様の方
法にて形成することができる。例えば、結着剤として上
記したものを用い、それと該非エッジ性炭素材、および
N−メチル2ピロリドンなどの有機溶媒を用いてスラリ
ー状の混合組成物を調製し、これを負極活物質層の上に
塗布し乾燥すればよい。
素材を使用する以外は負極活物質層の形成と略同様の方
法にて形成することができる。例えば、結着剤として上
記したものを用い、それと該非エッジ性炭素材、および
N−メチル2ピロリドンなどの有機溶媒を用いてスラリ
ー状の混合組成物を調製し、これを負極活物質層の上に
塗布し乾燥すればよい。
【0014】黒鉛エッジ遮蔽層形成用の上記のスラリー
状混合組成物を負極活物質層の上に塗布する際、負極活
物質層は既に乾燥および通常の圧延処理が済んだ状態で
あってもよく、乾燥のみで圧延処理は未だ施されていな
い状態であってもよい。さらに、負極活物質層は未乾燥
あるいは半乾燥の状態であってもよい。要は最終的に、
負極活物質層は乾燥状態において上記した厚みを有し、
且つその上に所望の黒鉛エッジ遮蔽層が形成されていれ
ばよい。一般的には、半乾燥あるいは乾燥済の負極活物
質層(未圧延処理)の上に上記のスラリー状混合組成物
を塗布し乾燥し、ついで黒鉛エッジ遮蔽層の上から圧延
処理して両層を同時に成形することが圧延処理工程の簡
略化の観点から好ましい。
状混合組成物を負極活物質層の上に塗布する際、負極活
物質層は既に乾燥および通常の圧延処理が済んだ状態で
あってもよく、乾燥のみで圧延処理は未だ施されていな
い状態であってもよい。さらに、負極活物質層は未乾燥
あるいは半乾燥の状態であってもよい。要は最終的に、
負極活物質層は乾燥状態において上記した厚みを有し、
且つその上に所望の黒鉛エッジ遮蔽層が形成されていれ
ばよい。一般的には、半乾燥あるいは乾燥済の負極活物
質層(未圧延処理)の上に上記のスラリー状混合組成物
を塗布し乾燥し、ついで黒鉛エッジ遮蔽層の上から圧延
処理して両層を同時に成形することが圧延処理工程の簡
略化の観点から好ましい。
【0015】かく形成された状態における黒鉛エッジ遮
蔽層における非エッジ性炭素材の量が過少であると、負
極活物質層の表面に存在することのある黒鉛エッジを遮
蔽する効果が乏しく、逆にそれが過大であると、黒鉛エ
ッジ遮蔽層も負極活物質層としての機能は有するものの
その性能は本発明で採用する負極活物質層のそれより一
般的に劣るので、リチウム二次電池の充放電特性を低下
する。よって黒鉛エッジ遮蔽層における該非エッジ性炭
素材の量は、負極の単位面積あたりでの重量比にして、
本発明で採用する負極活物質層が有する黒鉛(繊維状黒
鉛および/または鱗片状黒鉛)の量の1/2〜1/20
0、特に1/10〜1/100とすることが好ましい。
蔽層における非エッジ性炭素材の量が過少であると、負
極活物質層の表面に存在することのある黒鉛エッジを遮
蔽する効果が乏しく、逆にそれが過大であると、黒鉛エ
ッジ遮蔽層も負極活物質層としての機能は有するものの
その性能は本発明で採用する負極活物質層のそれより一
般的に劣るので、リチウム二次電池の充放電特性を低下
する。よって黒鉛エッジ遮蔽層における該非エッジ性炭
素材の量は、負極の単位面積あたりでの重量比にして、
本発明で採用する負極活物質層が有する黒鉛(繊維状黒
鉛および/または鱗片状黒鉛)の量の1/2〜1/20
0、特に1/10〜1/100とすることが好ましい。
【0016】本発明のリチウム二次電池用の負極は、リ
チウム二次電池用として周知の正極活物質、セパレー
タ、液体や固体の電解質などと一緒に用いてリチウム二
次電池を製造することができる。以下にそれらの代表例
の若干を例示する。
チウム二次電池用として周知の正極活物質、セパレー
タ、液体や固体の電解質などと一緒に用いてリチウム二
次電池を製造することができる。以下にそれらの代表例
の若干を例示する。
【0017】正極活物質としては、正負極間に少なくと
も1Vの電位差を生ぜしめ得るもの、例えばLi−Co
系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化物、Li−Mn系
複合酸化物、Li−Co−P系複合酸化物などのLi−
遷移金属系複合酸化物類、あるいはV2 O5 、Mn
O2 、TiS2 、MoS2 、MoO3 などの遷移金属の
酸化物や硫化物類が例示される。就中、Li−遷移金属
系複合酸化物類は、高放電容量の電池を得る上で好まし
い。正極活物質の結着剤としてはポリテトラフルオロエ
チレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレン、エ
チレン−プロピレン−ジエン系ポリマーなどであり、ま
た導電剤としては各種導電性黒鉛や導電性カーボンブラ
ックなどである。
も1Vの電位差を生ぜしめ得るもの、例えばLi−Co
系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化物、Li−Mn系
複合酸化物、Li−Co−P系複合酸化物などのLi−
遷移金属系複合酸化物類、あるいはV2 O5 、Mn
O2 、TiS2 、MoS2 、MoO3 などの遷移金属の
酸化物や硫化物類が例示される。就中、Li−遷移金属
系複合酸化物類は、高放電容量の電池を得る上で好まし
い。正極活物質の結着剤としてはポリテトラフルオロエ
チレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレン、エ
チレン−プロピレン−ジエン系ポリマーなどであり、ま
た導電剤としては各種導電性黒鉛や導電性カーボンブラ
ックなどである。
【0018】液体電解質としては、塩類を有機溶媒に溶
解させた電解液が例示される。該塩類としては、LiC
lO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、Li
AlCl4 、Li(CF3 SO2 )2 Nなどが例示さ
れ、それらの一種または二種以上の混合物が使用され
る。またその際の有機溶媒としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ルなどが例示され、電解液中における上記塩類の濃度
は、0.1〜3モル/リットル程度が適当である。液体
電解質と併用されるセパレータとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンの多孔質シー
ト、あるいは二種以上のポリオレフィンの複合多孔質シ
ートなどである。
解させた電解液が例示される。該塩類としては、LiC
lO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、Li
AlCl4 、Li(CF3 SO2 )2 Nなどが例示さ
れ、それらの一種または二種以上の混合物が使用され
る。またその際の有機溶媒としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ルなどが例示され、電解液中における上記塩類の濃度
は、0.1〜3モル/リットル程度が適当である。液体
電解質と併用されるセパレータとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンの多孔質シー
ト、あるいは二種以上のポリオレフィンの複合多孔質シ
ートなどである。
【0019】固体電解質としては、Li3 N、Li2 O
−B2 O3 −SiO2 系、B2 S3−Li2 S−LiI
系、P2 S5 −Li2 S−LiI系、GeS2 −Li2
S−LiI系、SiS2 −Li2 S−LiI系などの無
機固体電解質類、LiI、LiClO4 、LiCF3 S
O3 、LiBF4 などのリチウム化合物と有機高分子と
の混合物類、例えばエチレンカーボネートとプロピレン
カーボネートとポリアクリロニトリルとポリ−テトラエ
チレングリコール−ジ−アクリレートとLiClO4 と
の混合物、プロピレンカーボネートとポリアクリロニト
リルとLiClO4 との混合物、エチレンカーボネート
とプロピレンカーボネートとポリアクリロニトリルとポ
リ−テトラエチレングリコール−ジ−アクリレートとL
iBF4との混合物、プロピレンカーボネートとポリア
クリロニトリルとLiCF3 SO 3 との混合物などが例
示される。固体電解質は、通常、シート状で使用され
る。
−B2 O3 −SiO2 系、B2 S3−Li2 S−LiI
系、P2 S5 −Li2 S−LiI系、GeS2 −Li2
S−LiI系、SiS2 −Li2 S−LiI系などの無
機固体電解質類、LiI、LiClO4 、LiCF3 S
O3 、LiBF4 などのリチウム化合物と有機高分子と
の混合物類、例えばエチレンカーボネートとプロピレン
カーボネートとポリアクリロニトリルとポリ−テトラエ
チレングリコール−ジ−アクリレートとLiClO4 と
の混合物、プロピレンカーボネートとポリアクリロニト
リルとLiClO4 との混合物、エチレンカーボネート
とプロピレンカーボネートとポリアクリロニトリルとポ
リ−テトラエチレングリコール−ジ−アクリレートとL
iBF4との混合物、プロピレンカーボネートとポリア
クリロニトリルとLiCF3 SO 3 との混合物などが例
示される。固体電解質は、通常、シート状で使用され
る。
【0020】本発明のリチウム二次電池用の負極は、前
記した通り黒鉛エッジ遮蔽層を有し、そのために繊維状
黒鉛や鱗片状黒鉛による正負極間での短絡の問題が解決
され得るので、電解質が固体、液体のいずれであっても
その厚み(即ち固体電解質の場合はそのシートの厚み、
液体電解質の場合はセパレータの厚み)は、必要に応じ
て従来よりも薄くすることができる。例えば、10〜2
0μm程度とすることもできて、この結果、リチウム二
次電池全体を小型化し得る利点がある。
記した通り黒鉛エッジ遮蔽層を有し、そのために繊維状
黒鉛や鱗片状黒鉛による正負極間での短絡の問題が解決
され得るので、電解質が固体、液体のいずれであっても
その厚み(即ち固体電解質の場合はそのシートの厚み、
液体電解質の場合はセパレータの厚み)は、必要に応じ
て従来よりも薄くすることができる。例えば、10〜2
0μm程度とすることもできて、この結果、リチウム二
次電池全体を小型化し得る利点がある。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を一層詳細に説明
するとともに、比較例をも挙げて本発明の顕著な効果を
示す。
するとともに、比較例をも挙げて本発明の顕著な効果を
示す。
【0022】実施例1 結晶格子の基底面間距離(D002 )が0.3358n
m、c軸方向の結晶子寸法(Lc)がLc>100(D
002 およびLcは、学振法により算出、以下同じ。)、
アスペクト比が約200、平均粒子径が約20μmの負
極活物質としての鱗片状黒鉛90重量部、ポリフッ化ビ
ニリデン10重量部、およびN−メチル2ピロリドン2
00重量部とを十分に攪拌混合してスラリーとした。つ
いで厚さ10μmの銅箔の両面に該スラリーを塗布し半
乾燥して半乾燥の負極活物質層を形成した。アセチレン
ブラック90重量部、ポリフッ化ビニリデン10重量
部、およびN−メチル2ピロリドン300重量部とを十
分に攪拌混合してスラリーとした。ついで上記両面の負
極活物質層の各上に該スラリーを塗布し、負極活物質層
も乾燥するように乾燥して黒鉛エッジ遮蔽層を形成し
た。ついで黒鉛エッジ遮蔽層の上から圧延処理し、かく
して負極活物質層中での鱗片状黒鉛の充填密度が1.4
g/cm3 であり、鱗片状黒鉛の銅箔片面あたりの量が
10mg/cm2 であり、黒鉛エッジ遮蔽層中でのアセ
チレンブラックの銅箔片面あたりの量が1mg/cm2
であるリチウム二次電池用の負極を製造した。なお、鱗
片状黒鉛や後記の繊維状黒鉛の平均粒子径は、マイクロ
トラック粒度分析計を使用して体積加重平均粒径を測定
した。
m、c軸方向の結晶子寸法(Lc)がLc>100(D
002 およびLcは、学振法により算出、以下同じ。)、
アスペクト比が約200、平均粒子径が約20μmの負
極活物質としての鱗片状黒鉛90重量部、ポリフッ化ビ
ニリデン10重量部、およびN−メチル2ピロリドン2
00重量部とを十分に攪拌混合してスラリーとした。つ
いで厚さ10μmの銅箔の両面に該スラリーを塗布し半
乾燥して半乾燥の負極活物質層を形成した。アセチレン
ブラック90重量部、ポリフッ化ビニリデン10重量
部、およびN−メチル2ピロリドン300重量部とを十
分に攪拌混合してスラリーとした。ついで上記両面の負
極活物質層の各上に該スラリーを塗布し、負極活物質層
も乾燥するように乾燥して黒鉛エッジ遮蔽層を形成し
た。ついで黒鉛エッジ遮蔽層の上から圧延処理し、かく
して負極活物質層中での鱗片状黒鉛の充填密度が1.4
g/cm3 であり、鱗片状黒鉛の銅箔片面あたりの量が
10mg/cm2 であり、黒鉛エッジ遮蔽層中でのアセ
チレンブラックの銅箔片面あたりの量が1mg/cm2
であるリチウム二次電池用の負極を製造した。なお、鱗
片状黒鉛や後記の繊維状黒鉛の平均粒子径は、マイクロ
トラック粒度分析計を使用して体積加重平均粒径を測定
した。
【0023】実施例2 結晶格子の基底面間距離(D002 )が0.3358n
m、c軸方向の結晶子寸法(Lc)が60、アスペクト
比が平均3(平均外径:約10μm、平均長さ:約30
μm)の負極活物質としての繊維状黒鉛90重量部、ポ
リフッ化ビニリデン10重量部、およびN−メチル2ピ
ロリドン90重量部とを攪拌混合してスラリーとした。
ついで厚さ10μmの銅箔の両面に該スラリーを塗布し
半乾燥して半乾燥の負極活物質層を形成した。その後は
実施例1と同様の方法および条件にて、負極活物質層中
での繊維状黒鉛の充填密度が1.4g/cm3 であり、
繊維状黒鉛の銅箔片面あたりの量が10mg/cm2 で
あり、黒鉛エッジ遮蔽層中でのアセチレンブラックの銅
箔片面あたりの量が1mg/cm2 であるリチウム二次
電池用の負極を製造した。
m、c軸方向の結晶子寸法(Lc)が60、アスペクト
比が平均3(平均外径:約10μm、平均長さ:約30
μm)の負極活物質としての繊維状黒鉛90重量部、ポ
リフッ化ビニリデン10重量部、およびN−メチル2ピ
ロリドン90重量部とを攪拌混合してスラリーとした。
ついで厚さ10μmの銅箔の両面に該スラリーを塗布し
半乾燥して半乾燥の負極活物質層を形成した。その後は
実施例1と同様の方法および条件にて、負極活物質層中
での繊維状黒鉛の充填密度が1.4g/cm3 であり、
繊維状黒鉛の銅箔片面あたりの量が10mg/cm2 で
あり、黒鉛エッジ遮蔽層中でのアセチレンブラックの銅
箔片面あたりの量が1mg/cm2 であるリチウム二次
電池用の負極を製造した。
【0024】比較例1 実施例1とは黒鉛エッジ遮蔽層の形成を省略した点のみ
異なるリチウム二次電池用の負極を製造した。
異なるリチウム二次電池用の負極を製造した。
【0025】比較例2 実施例2とは黒鉛エッジ遮蔽層の形成を省略した点のみ
異なるリチウム二次電池用の負極を製造した。
異なるリチウム二次電池用の負極を製造した。
【0026】実施例1〜2、および比較例1〜2の各負
極を使用し、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる
多孔性複合フィルム(厚さ20μm)をセパレータと
し、LiCoO2 を正極活物質とする正極と共に捲巻し
て高さ65mm、外径18mmの円筒缶型のリチウム二
次電池(放電容量:1300mAh)を100個づつ製
造した。電解液としては、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、およびジエチルカーボネートの混
合溶媒(混合体積比率は3:2:5)1リットルあたり
1モルのLiPF6 を溶解してなる溶液を使用した。
極を使用し、ポリプロピレンとポリエチレンとからなる
多孔性複合フィルム(厚さ20μm)をセパレータと
し、LiCoO2 を正極活物質とする正極と共に捲巻し
て高さ65mm、外径18mmの円筒缶型のリチウム二
次電池(放電容量:1300mAh)を100個づつ製
造した。電解液としては、エチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボネート、およびジエチルカーボネートの混
合溶媒(混合体積比率は3:2:5)1リットルあたり
1モルのLiPF6 を溶解してなる溶液を使用した。
【0027】ついで各リチウム二次電池につき、130
0mAの定電流で充電を行い、起電圧が4.2Vに達し
た時点でさらに4.2Vの定電圧充電を2時間行なっ
た。この充電終了後、室温下に3時間放置し、その直後
における起電圧を測定した。この結果、実施例1および
実施例2の負極を使用したリチウム二次電池は、各10
0個とも4.0V以上の高起電圧を維持した。これに対
して、比較例1の負極を使用したリチウム二次電池は1
00個中10個が、一方、比較例2の負極を使用したリ
チウム二次電池は100個中15個が、それぞれ起電圧
は4.0Vを下回った。
0mAの定電流で充電を行い、起電圧が4.2Vに達し
た時点でさらに4.2Vの定電圧充電を2時間行なっ
た。この充電終了後、室温下に3時間放置し、その直後
における起電圧を測定した。この結果、実施例1および
実施例2の負極を使用したリチウム二次電池は、各10
0個とも4.0V以上の高起電圧を維持した。これに対
して、比較例1の負極を使用したリチウム二次電池は1
00個中10個が、一方、比較例2の負極を使用したリ
チウム二次電池は100個中15個が、それぞれ起電圧
は4.0Vを下回った。
【0028】比較例1〜2の負極を使用した電池の一部
における起電圧の低下は、3時間の放置中に正負極活物
質層間で自己放電があったこと、並びに実施例1〜2の
負極を使用した全電池での高起電圧の維持は、黒鉛エッ
ジ遮蔽層の存在に基づくことは明らかである。
における起電圧の低下は、3時間の放置中に正負極活物
質層間で自己放電があったこと、並びに実施例1〜2の
負極を使用した全電池での高起電圧の維持は、黒鉛エッ
ジ遮蔽層の存在に基づくことは明らかである。
【0029】
【発明の効果】従来、繊維状黒鉛や鱗片状黒鉛を負極活
物質として使用した場合、該黒鉛の高剛性に起因してリ
チウム二次電池における正負極活物質層間で短絡問題が
しばしば生じる問題があったが、本発明のリチウム二次
電池用の負極を使用することにより、この短絡問題が解
消する。一方、繊維状黒鉛などの黒鉛からなる負極活物
質は、放電容量や充放電サイクル特性に優れたリチウム
二次電池を製造し得る能力を有することが知られている
ので、本発明はかかる負極活物質の長所を活かし得る顕
著な効果もある。さらに本発明のリチウム二次電池用の
負極を用いると、電解質が固体、液体のいずれであって
もその厚みを必要に応じて従来よりも薄くすることがで
きて、リチウム二次電池全体を小型化し得る利点もあ
る。
物質として使用した場合、該黒鉛の高剛性に起因してリ
チウム二次電池における正負極活物質層間で短絡問題が
しばしば生じる問題があったが、本発明のリチウム二次
電池用の負極を使用することにより、この短絡問題が解
消する。一方、繊維状黒鉛などの黒鉛からなる負極活物
質は、放電容量や充放電サイクル特性に優れたリチウム
二次電池を製造し得る能力を有することが知られている
ので、本発明はかかる負極活物質の長所を活かし得る顕
著な効果もある。さらに本発明のリチウム二次電池用の
負極を用いると、電解質が固体、液体のいずれであって
もその厚みを必要に応じて従来よりも薄くすることがで
きて、リチウム二次電池全体を小型化し得る利点もあ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 負極集電体の上に繊維状黒鉛および/ま
たは鱗片状黒鉛を負極活物質として有する負極活物質層
を設け、さらにその上に非エッジ性炭素材を有する黒鉛
エッジ遮蔽層を設けてなることを特徴とするリチウム二
次電池用の負極。 - 【請求項2】 繊維状黒鉛および/または鱗片状黒鉛の
アスペクト比が少なくとも1.5である請求項1記載の
リチウム二次電池用の負極。 - 【請求項3】 非エッジ性炭素材が、アスペクト比が
1.2以下の黒鉛または/および非黒鉛系炭素材である
請求項1または2記載のリチウム二次電池用の負極。 - 【請求項4】 アスペクト比が1.2以下の黒鉛が、球
形または疑似球形の黒鉛であり、非黒鉛系炭素材が、B
ET法による比表面積が少なくとも1m2 /gのもので
ある請求項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池
用の負極。 - 【請求項5】 非エッジ性炭素材の量が、負極の単位面
積あたりでの重量比にして、アスペクト比が少なくとも
1.5の黒鉛の量の1/2〜1/200である請求項1
〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用の負極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351881A JP2000182601A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | リチウム二次電池用の負極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351881A JP2000182601A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | リチウム二次電池用の負極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000182601A true JP2000182601A (ja) | 2000-06-30 |
Family
ID=18420256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10351881A Pending JP2000182601A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | リチウム二次電池用の負極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000182601A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003068361A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-07 | Japan Storage Battery Co Ltd | 全固体リチウム二次電池 |
US7498101B2 (en) | 1999-09-30 | 2009-03-03 | Sony Corporation | Non-aqueous electrolyte secondary battery having a negative electrode containing carbon fibers and carbon flakes |
JP2009135045A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
CN113097445A (zh) * | 2019-12-23 | 2021-07-09 | 松下电器产业株式会社 | 非水电解质二次电池用负极及非水电解质二次电池 |
-
1998
- 1998-12-10 JP JP10351881A patent/JP2000182601A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7498101B2 (en) | 1999-09-30 | 2009-03-03 | Sony Corporation | Non-aqueous electrolyte secondary battery having a negative electrode containing carbon fibers and carbon flakes |
JP2003068361A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-07 | Japan Storage Battery Co Ltd | 全固体リチウム二次電池 |
JP2009135045A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
CN113097445A (zh) * | 2019-12-23 | 2021-07-09 | 松下电器产业株式会社 | 非水电解质二次电池用负极及非水电解质二次电池 |
CN113097445B (zh) * | 2019-12-23 | 2024-05-17 | 松下控股株式会社 | 非水电解质二次电池用负极及非水电解质二次电池 |
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