[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2000159702A - 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法 - Google Patents

1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法

Info

Publication number
JP2000159702A
JP2000159702A JP10333837A JP33383798A JP2000159702A JP 2000159702 A JP2000159702 A JP 2000159702A JP 10333837 A JP10333837 A JP 10333837A JP 33383798 A JP33383798 A JP 33383798A JP 2000159702 A JP2000159702 A JP 2000159702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmol
compound
copper
chlorophenyl
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10333837A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Ichikawa
修治 市川
Keihei Kiyoku
景平 曲
Hiroshi Iwane
寛 岩根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP10333837A priority Critical patent/JP2000159702A/ja
Publication of JP2000159702A publication Critical patent/JP2000159702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/26Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton
    • C07C17/263Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton by condensation reactions
    • C07C17/2632Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving an increase in the number of carbon atoms in the skeleton by condensation reactions involving an organo-magnesium compound, e.g. Grignard synthesis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモア
ルカンを高選択率、高収率で且つ簡便に製造する方法の
提供。 【解決手段】 一般式(2) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で表される4−ハロ
ゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと一般式(3) 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるジブロ
モアルカンとを銅化合物及びリチウム化合物の存在下に
反応させることを特徴とする、一般式(1) 【化3】 (式中、nは式(3)と同義である)で表される1−
(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(4−クロロ
フェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法に関する。
詳しくは、4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシ
ウムとジブロモアルカンとを反応させて1−(4−クロ
ロフェニル)−ω−ブロモアルカンを製造する方法の改
良に関する。1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモ
アルカンは、医薬及び農薬の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、1−(4−クロロフェニル)−ω
−ブロモアルカンは対応するアルコール体を製造した
後、水酸基部位を臭素化する方法が一般的であった。例
えば3−(4−クロロフェニル)−1−ブロモプロパン
は、3−(4−クロロフェニル)−1−プロパノールを
トリフェニルフォスフィンと臭素(特開平4−2470
86号、特開平2−289579号各公報;収率49
%)、三臭化リン(特開平2−502381号公報;収
率65%)及び臭化水素酸[J.Chem.Soc.,
1548頁(1964);収率80%]等の試剤で臭素
化することにより製造されている。中間体3−(4−ク
ロロフェニル)−1−プロパノールはp−クロロベンジ
ルクロライドをMgで処理した後、エチレンオキサイド
と反応させる方法[J.Chem.Soc.,1548
頁(1964);収率75%/特開平2−502381
号明細書;収率56%]及び3−(4−クロロフェニ
ル)プロピオン酸をボランで還元する方法(特開平4−
247086号、特開平2−289579号各公報;収
率84%)等が既に知られている。
【0003】しかしながら、前記の製造方法は、安全
性、毒性の面で設備的な負荷の大きい、ボラン、p−ク
ロロベンジルクロライド、エチレンオキサイド等を使用
すること、高価な原料或いは試剤を必要とすること及び
二工程反応に起因する総収率が低いこと等工業的な製造
方法としては満足のいくものではない。
【0004】公知の4−ハロゲノ−1−クロロベンゼン
マグネシウムを求核試剤として用い、炭素炭素結合生成
反応に利用する試みは既に幾つか報告されている。V.
Murrayらはピラゾール環上に存在するアルデヒド
に対して上記試剤を反応させ対応するアルコール体の合
成例を報告している[J.Heterocyclic.
Chem.,27巻,1933頁(1990)]。ま
た、芳香族環の隣接基としてアルキルイミンを有するメ
トキシル基に対して、4−ブロモ−1−クロロベンゼン
マグネシウムを作用させることにより、炭素炭素結合を
伴う求核置換反応が起こり、ビフェニル骨核が形成する
反応が報告されている[J.Chem.Soc.Per
kinI,23巻,2961頁(1993)]。これら
の報告は、潜在的に求電子能が高いアルデヒドないしは
隣接基関与により求電子能が高められた基質への反応例
であり、一般的には、1位に存在する電子吸引性の塩素
原子により、求核性が減じられるため、アルキルブロマ
イド或いはアルケニルブロマイドに対する反応性は著し
く低く、収率は低い。この問題を解決するため、4−ハ
ロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと共にニッケ
ルホスフィン錯体を用いる方法が開示されている(特公
昭62−1927号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法は、通常ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)−ブタン]ニッケル等の高価なニッケルホスフィ
ン錯体を使用すること及びジブロモアルカンを使用した
場合、二つの臭素部位で反応が起こり選択性が低下する
等の問題点を有している。本発明の目的は、前記した従
来技術を改善して、工業的に有利な1−(4−クロロフ
ェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、4−ハロゲノ−1−
クロロベンゼンマグネシウムとジブロモアルカンとのグ
リニャール反応を特定の化合物の存在下に行うことによ
り、目的物が高選択率且つ高収率で得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨
は、一般式(2)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Xはハロゲン原子を示す)で表さ
れる4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと
一般式(3)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、nは2〜10の整数を示す)で表
されるジブロモアルカンとを銅化合物及びリチウム化合
物の存在下に反応させることを特徴とする、一般式
(1)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、nは式(3)と同義である)で表
される1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
ンの製造方法、にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明化合物の製造方法を
更に詳細に説明する。 (I)4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウム
[式(2)化合物]の合成 グリニャール試薬である式(2)化合物は、活性化した
金属マグネシウムを無水ジエチルエーテル或いは無水テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒を0〜100℃の
範囲、好ましくは10〜50℃に保ち、撹拌下、4−ハ
ロゲノ−1−クロロベンゼンを滴下し、更に0.1〜8
時間、撹拌を継続すると得られる。本発明で使用する4
−ハロゲノ−1−クロロベンゼンとは1,4−ジクロロ
ベンゼン、4−ブロモ−1−クロロベンゼン及び4−ヨ
ード−1−クロロベンゼンを示し、何れも本反応により
目的4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムを
高収率で与えるが、選択性、反応性の面で4−ブロモ−
1−クロロベンゼン及び4−ヨード−1−クロロベンゼ
ンがより好ましい。
【0014】反応に使用する金属マグネシウムは、市販
のテープ状或いは削り状(チップ状)のものを使用し、
その使用量は、4−ハロゲノ−1−クロロベンゼンの1
〜2倍モル程度である。また、反応に先立って、金属マ
グネシウムの活性化を目的に窒素雰囲気或いは減圧条件
でかき混ぜたり、微量のヨウ素或いはヨウ化メチル、臭
化エチル、ジブロモエタン等を添加することは、その後
の反応を円滑に進めるうえで有効である。使用する溶媒
は、テトラヒドロフランやジエチルエーテルの単独或い
はこれらとベンゼンやトルエン等の混合系であっても同
様の結果を得ることができる。
【0015】(II)1−(4−クロロフェニル)−ω−
ブロモアルカン[式(1)化合物]の合成 (a)ジブロモアルカン;本反応で使用される一般式
(2)で示されるジブロモアルカンとは、具体的には、
1,2−ジブロモエタン、1,3−ジブロモプロパン、
1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、
1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジブロモヘプタ
ン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジブロモノナ
ン、1,10−ジブロモデカンを意味し、何れも本反応
により高収率で目的とする1−(4−クロロフェニル)
−ω−ブロモアルカンが得られる。主として、工業的製
品として流通し、入手の容易さから1,2−ジブロモエ
タン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブ
タンが選ばれ、特に1,3−ジブロモプロパンが目的物
の需要量の多さという観点から、好んで適用される。こ
れら、ジブロモアルカンの使用量は、(2)に対してモ
ル比で1〜20の範囲であることが好ましく、特に2〜
6の範囲であることが好ましい。
【0016】(b)銅化合物;本発明に用いられる銅化
合物とは、一価又は二価の銅化合物を指し、その具体例
としては、酸化銅、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化
銅、硫酸銅、炭酸銅、硝酸銅等の無機塩類;ギ酸銅、酢
酸銅、安息香酸銅、オクタデカン酸銅等の有機酸塩類;
アセチルアセトナト銅(I)又は(II)、銅に一酸化炭
素、ニトリル類、アミン類、ホスフィン類、オレフィン
類等が配位した錯化合物:それら錯化合物が反応系中で
生成するような化合物類と銅との混合物等が挙げられ
る。これら銅化合物の中、一価又は二価の塩化銅、臭化
銅、ヨウ化銅が好ましく、目的物の高い収率、選択率を
与えることから、一価の塩化銅が特に好ましい。反応に
用いられる銅化合物の量は、特に制限はないが、化合物
(2)に対してモル比で10-4〜1の範囲であることが
好ましく、特に10-2〜10-1の範囲であることが好ま
しい。
【0017】(c)リチウム化合物;本発明に用いられ
るリチウム化合物としては、酸化リチウム、フッ化リチ
ウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、
硫酸リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等の無機塩
類;ギ酸リチウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、
オクタデカン酸リチウム等の有機酸塩類等が例示でき
る。これらの中、リチウム塩が好ましい。
【0018】そして、これらリチウム塩の中、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムが好ましく、塩化
リチウムが特に好ましい。反応に用いられるリチウム化
合物の量は、特に制限はないが化合物(2)に対してモ
ル比で10-4〜1の範囲であることが好ましく、特に1
-2〜10-1の範囲であることが好ましい。また、本発
明の方法に従えば、反応を効率よく進行させるために
は、反応系に銅化合物及びリチウム化合物の両者を添加
する。その際、銅化合物に対してリチウム化合物は、モ
ル比で0.1〜10の範囲であることが好ましく、特に
1〜5の範囲であることが好ましい。
【0019】式(1)の化合物は、溶媒、ジブロモアル
カン(3)、銅化合物及びリチウム化合物を混合し、グ
リニャール試薬(2)を0〜30℃で30分から2時間
かけて滴下し、更に反応液を所望の温度、時間で継続し
反応を完結させる。この場合、グリニャール試薬中にジ
ブロモアルカン(3)を滴下すると、最終目的物である
1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの収
率が低下する。使用する溶媒は、ジブロモアルカンを溶
解し反応を妨げないようなものなら制限を受けない。そ
の具体例としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。
これらの溶媒は予め脱水等の前処理をすることなくその
まま使用することが可能である。
【0020】反応は、0℃以下でも十分に反応するが、
より反応速度を向上させるために、通常0℃以上で実施
する。反応温度は0〜200℃、好ましくは20〜15
0℃の範囲である。反応は好ましくは窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で実施する。反応時間は反応温度
にもよるが、通常0.1〜200時間、好ましくは0.
5〜50時間の範囲である。反応終了後、反応液に塩
酸、硫酸、硝酸等の鉱酸水溶液又は、ギ酸、酢酸、トリ
フェニル酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を加
え未反応のグリニャール試薬を中和分解した後、必要に
応じて溶媒を濃縮除去し、抽出、蒸留、晶析等の一般的
手法で目的の1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモ
アルカンを単離することが可能である。
【0021】反応生成物:本発明の製造方法により目的
とする1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
ンが高収率、高選択率で得られる。他ジブロモアルカン
の両末端臭素部位で反応した、α,ω−ビス(4−クロ
ロフェニル)アルカンが微量副生する。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの
実施例に限定されるものではない。なお、生成物は、ガ
スクロマトグラフィーを用い、内部標準法によって定量
分析し、転化率及び選択率を求めた。
【0023】実施例1 窒素置換した100mL容量の四つ口フラスコにチップ
状の金属マグネシウム0.24g(10mmol)と無
水テトラヒドロフラン10mLを加え撹拌する。1−ク
ロロ−4−ブロモベンゼン1.91g(10mmol)
を10mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、20℃
で1時間を要して滴下し、更に、2時間撹拌を続けてグ
リニャール試薬を得た。このグリニャール試薬の一部を
採り加水分解してガスクロマトグラフィーにより分析を
行うと、転換率は99.7%であった。次いで、前記の
操作により得られたグリニャール試薬を20℃に保持
し、未反応のマグネシウムを分離するために、窒素雰囲
気下、上澄液をグラスフィルターで濾過して別の50m
L容量の滴下ロートに移送する。別の100mL容量の
四つ口フラスコに1,3−ジブロモプロパン6.06g
(30mmol)、塩化銅(I)0.05g(0.5m
mol)、塩化リチウム0.042g(1mmol)及
びテトラヒドロフラン15mLを入れ、ここにグリニャ
ール試薬を20℃で0.5時間かけて滴下する。更に、
この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応後、反
応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加えて、3
0分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィ
ーによって生成物を定量分析した結果、未反応の1−ク
ロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベンゼン
1.02mmol、目的物3−(4−クロロフェニル)
−1−ブロモプロパン7.11mmol及び両末端臭素
部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロフェニ
ル)プロパン0.35mmolが生成していた。収率は
71.1%、選択率は88.4%であった。
【0024】実施例2 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン2.02g(10mmol)、塩
化銅(I)0.05g(0.5mmol)、塩化リチウ
ム0.042g(1mmol)及びテトラヒドロフラン
15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作により得
られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグリニ
ャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(20mL)を、室温で0.5時間かけて滴下する。滴
下後、反応液を昇温し還流下2時間撹拌を継続した。反
応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加
えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマト
グラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応
の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベ
ンゼン0.32mmol、目的物3−(4−クロロフェ
ニル)−1−ブロモプロパン6.51mmol及び両末
端臭素部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロ
フェニル)プロパン0.93mmolが生成していた。
収率は68.5%、選択率は80.3%であった。
【0025】実施例3 窒素置換した100mL容量の四つ口フラスコにチップ
状の金属マグネシウム0.365g(15mmol)と
無水テトラヒドロフラン5mL及びトルエン5mLを加
え撹拌する。1−クロロ−4−ブロモベンゼン1.91
g(10mmol)を5mLの無水テトラヒドロフラン
と5mLの無水トルエンに溶解し、10℃で1時間を要
して滴下し、更に、2時間撹拌を続けてグリニャール試
薬を得た。このグリニャール試薬の一部を採り加水分解
してガスクロマトグラフィーにより分析を行うと、転換
率は99.9%であった。次いで、前記の操作により得
られたグリニャール試薬を20℃に保持し、未反応のマ
グネシウムを分離するために、窒素雰囲気下上澄液をグ
ラスフィルターで濾過して別の50mL容量の滴下ロー
トに移送する。別の100mL容量の四つ口フラスコに
1,3−ジブロモプロパン12.11g(60mmo
l)、臭化銅(I)0.029g(0.2mmol)、
塩化リチウム0.017g(0.4mmol)及びテト
ラヒドロフラン6mLを入れ、ここにグリニャール試薬
を室温で0.5時間かけて滴下する。更に、この反応液
を室温16時間撹拌を続けた。反応後、反応液を冷却
し、10℃以下で酢酸0.3gを加えて、30分間室温
で撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーによって
生成物を定量分析した結果、未反応の1−クロロ−4−
ブロモベンゼン由来の1−クロロベンゼン1.53mm
ol、目的物3−(4−クロロフェニル)−1−ブロモ
プロパン6.97mmol及び両末端臭素部位で反応し
副生した1,3−ビス(4−クロロフェニル)プロパン
0.12mmolが生成していた。収率は69.7%、
選択率は92.3%であった。
【0026】実施例4 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
4−ジブロモブタン6.48g(30mmol)、塩化
銅(I)0.051g(0.52mmol)、塩化リチ
ウム0.042g(1mmol)及びテトラヒドロフラ
ン15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作により
得られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグリ
ニャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下す
る。更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。
反応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを
加えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマ
トグラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反
応の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロ
ベンゼン0.97mmol、目的物4−(4−クロロフ
ェニル)−1−ブロモブタン7.31mmol及び両末
端臭素部位で反応し副生した1,4−ビス(4−クロロ
フェニル)ブタン0.36mmolが生成していた。収
率は73.1%、選択率は89.0%であった。
【0027】実施例5 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
5−ジブロモペンタン6.91g(30mmol)、塩
化銅(I)0.052g(0.52mmol)、塩化リ
チウム0.043g(1mmol)及びテトラヒドロフ
ラン15mLを入れ、ここに実施例1と同様の操作によ
り得られた4−クロロフェニルマグネシウムブロミドグ
リニャール試薬(10mmol)のテトラヒドロフラン
溶液(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下す
る。更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。
反応後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを
加えて、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマ
トグラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反
応の1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロ
ベンゼン0.95mmol、目的物5−(4−クロロフ
ェニル)−1−ブロモペンタン7.43mmol及び両
末端臭素部位で反応し副生した1,5−ビス(4−クロ
ロフェニル)ペンタン0.38mmolが生成してい
た。収率は74.3%、選択率は87.2%であった。
【0028】比較例1 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン2.05g(10mmol)及び
テトラヒドロフラン15mLを入れ、ここに実施例1と
同様の操作により得られた4−クロロフェニルマグネシ
ウムブロミド(10mmol)のテトラヒドロフラン溶
液(20mL)を、室温で0.5時間かけて滴下する。
更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応
後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加え
て、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応の
1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベン
ゼン8.92mmol、目的物3−(4−クロロフェニ
ル)−1−ブロモプロパン0.31mmol、収率は
3.1%であった。
【0029】比較例2 窒素雰囲気下、100mL容量の四つ口フラスコに1,
3−ジブロモプロパン6.08g(30mmol)、ジ
クロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン]ニッケル0.115g(0.2mmol)及びテト
ラヒドロフラン15mLを入れ、ここに実施例1と同様
の操作により得られた4−クロロフェニルマグネシウム
ブロミド(10mmol)のテトラヒドロフラン溶液
(20mL)を、20℃で0.5時間かけて滴下する。
更に、この反応液を同温度で3時間撹拌を続けた。反応
後、反応液を冷却し、10℃以下で酢酸0.3gを加え
て、30分間室温で撹拌した。反応液をガスクロマトグ
ラフィーによって生成物を定量分析した結果、未反応の
1−クロロ−4−ブロモベンゼン由来の1−クロロベン
ゼン0.88mmol、目的物3−(4−クロロフェニ
ル)−1−ブロモプロパン4.03mmol及び両末端
臭素部位で反応し副生した1,3−ビス(4−クロロフ
ェニル)プロパン1.54mmolが生成していた。収
率は40.3%、選択率は61.3%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、医薬及び農
薬の中間体として有用な1−(4−クロロフェニル)−
ω−ブロモアルカンを高収率で、高選択率且つ安全に、
しかも簡単な操作で得られるため、工業的に極めて有利
である。
フロントページの続き (72)発明者 岩根 寛 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 BA03 BA05 EA21 4H039 CA12 CA19 CD20 CD90 CE90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(2) 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す)で表される4−ハロ
    ゲノ−1−クロロベンゼンマグネシウムと一般式(3) 【化2】 (式中、nは2〜10の整数を示す)で表されるジブロ
    モアルカンとを銅化合物及びリチウム化合物の存在下に
    反応させることを特徴とする、一般式(1) 【化3】 (式中、nは式(3)と同義である)で表される1−
    (4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 一般式(2)のXが臭素原子又はヨウ素
    原子であることを特徴とする請求項1に記載の1−(4
    −クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(2)のXが臭素原子であり、一
    般式(3)のnが3であることを特徴とする請求項1に
    記載の1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカ
    ンの製造方法。
JP10333837A 1998-11-25 1998-11-25 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法 Pending JP2000159702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10333837A JP2000159702A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10333837A JP2000159702A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000159702A true JP2000159702A (ja) 2000-06-13

Family

ID=18270505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10333837A Pending JP2000159702A (ja) 1998-11-25 1998-11-25 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000159702A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003183192A (ja) * 2001-12-13 2003-07-03 Dainippon Ink & Chem Inc (3−アルケニル)−4−クロロベンゼン化合物の製造方法
WO2006118187A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ube Industries, Ltd. 2,2-ジクロロ-12-(4-ハロフェニル)ドデカン酸塩及びその製造中間体の製法
JP2007119379A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Tosoh Corp ジハロゲン化ビフェニル類の製造方法
JP2011513402A (ja) * 2008-03-04 2011-04-28 アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 5−ht2cアゴニストである(r)−8−クロロ−1−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1h−3−ベンゾアゼピンに関連する中間体の調製のためのプロセス

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003183192A (ja) * 2001-12-13 2003-07-03 Dainippon Ink & Chem Inc (3−アルケニル)−4−クロロベンゼン化合物の製造方法
WO2006118187A1 (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ube Industries, Ltd. 2,2-ジクロロ-12-(4-ハロフェニル)ドデカン酸塩及びその製造中間体の製法
JP2007119379A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Tosoh Corp ジハロゲン化ビフェニル類の製造方法
JP2011513402A (ja) * 2008-03-04 2011-04-28 アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 5−ht2cアゴニストである(r)−8−クロロ−1−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1h−3−ベンゾアゼピンに関連する中間体の調製のためのプロセス
US8822727B2 (en) 2008-03-04 2014-09-02 Arena Pharmaceuticals, Inc. Processes for the preparation of intermediates related to the 5-HT2C agonist (R)-8-chloro-1-methyl-2,3,4,5-tetrahydro-1H-3-benzazepine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000159702A (ja) 1−(4−クロロフェニル)−ω−ブロモアルカンの製造方法
JP6498048B2 (ja) 含フッ素有機化合物及びこれとグリニャール試薬によるビアリール化合物の製造方法
JP4313019B2 (ja) ポリアルキルフェノキシアミノアルカンの製造方法
TW201139338A (en) Process for production of halogenated aromatic compounds
CN101516824A (zh) 在包含二茂铁基二膦配体的钯配合物存在下制备芳族胺的方法
JP2001072630A (ja) ハロヒドリンの製造方法
US6153810A (en) Highly selective process for making o-arylbenzonitriles
JPH0471896B2 (ja)
JP2573521B2 (ja) pーtertーブトキシフェニルアルキルアルコールおよびその製造法
JP2003055285A (ja) 4−tert−ブトキシ−4’−ハロゲノビフェニルおよびその製法、並びに4−ハロゲノ−4’−ヒドロキシビフェニルの製法
EP0307106B1 (en) P- or m-tert butoxyphenethyl alcohol and process for preparing the same
KR101416450B1 (ko) 신규한 포타슘 오가노-1h-1,2,3-트리아졸-4-일트리플루오로보레이트 유도체 및 그 제조방법
CN111196751B (zh) 一种采用表面活性剂催化剂催化合成二氯酚的方法
JP4505792B2 (ja) ビス(メトキシメチル)ビフェニルの製造方法
JP2632638B2 (ja) 4−フェニルブタノールの製造法
EP0866068B1 (en) Process for the preparation of benzyl-metal compounds and process for the preparation of 4-phenyl-1-butenes by the use of the same
JP3340760B2 (ja) パラ−第三級ブトキシフェニルジメチルカルビノールおよびその製造法
CN110730767B (zh) 环烷基(三氟甲基)苯的制造方法
JP2016169192A (ja) 7−オクテニルハライドの製造方法
JP3831975B2 (ja) ピロガロールの製造方法
JP2007320938A (ja) t−ブチルジエチル亜鉛酸リチウム、その製造方法およびその使用方法
JP4040707B2 (ja) ベンジル金属化合物の製造方法
JP2003221354A (ja) 1−(tert−ブトキシフェニル)−ω−ハロアルカン
JP4286694B2 (ja) 新規なグリニャール試薬及びそれを用いた脂肪族アルキニルグリニャール化合物の製造方法
JP4243397B2 (ja) 新規な不飽和2級アルコールおよびその製造法