JP2000143649A - 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法 - Google Patents
2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 医薬・農薬等の合成中間体として有用な2−
クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールを工業
的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 3−クロロ−1−イソチオシアナト−1
−プロペンを極性溶媒中で塩素化剤とを反応させた後、
反応液に得られた2−クロロ−5−クロロメチル−1,
3−チアゾール塩酸塩に対する貧溶媒を加えて2−クロ
ロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を析
出させ、次いで該2−クロロ−5−クロロメチル−1,
3−チアゾール塩酸塩を分離して中和することを特徴と
する2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ルの製造方法。
クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールを工業
的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 3−クロロ−1−イソチオシアナト−1
−プロペンを極性溶媒中で塩素化剤とを反応させた後、
反応液に得られた2−クロロ−5−クロロメチル−1,
3−チアゾール塩酸塩に対する貧溶媒を加えて2−クロ
ロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を析
出させ、次いで該2−クロロ−5−クロロメチル−1,
3−チアゾール塩酸塩を分離して中和することを特徴と
する2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ルの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2−クロロ−5−ク
ロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法に関する。
本発明により製造される2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールは、医薬・農薬等の合成中間体と
して、例えばヘキサヒドロトリアジン化合物等の殺虫剤
の合成中間体として有用である(特公平6―776号公
報参照)。
ロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法に関する。
本発明により製造される2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールは、医薬・農薬等の合成中間体と
して、例えばヘキサヒドロトリアジン化合物等の殺虫剤
の合成中間体として有用である(特公平6―776号公
報参照)。
【0002】
【従来の技術】2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾールの製造方法としては、イソチオシアン酸
アリルを塩素化剤と反応させる方法(特開昭63−83
079号公報参照)、イソチオシアン酸2−クロロア
リルを塩素化剤と反応させる方法(特開平4−2348
64号公報参照)、3−クロロ−1−イソチオシアナ
ト−1−プロペンを塩素化剤と反応させる方法(特開平
9−110844号公報参照)、トランス−3−クロ
ロ−1−イソチオシアナト−1−プロペンを塩素化剤と
反応させる方法(特開平10−36360号公報参照)
などが知られている。
−チアゾールの製造方法としては、イソチオシアン酸
アリルを塩素化剤と反応させる方法(特開昭63−83
079号公報参照)、イソチオシアン酸2−クロロア
リルを塩素化剤と反応させる方法(特開平4−2348
64号公報参照)、3−クロロ−1−イソチオシアナ
ト−1−プロペンを塩素化剤と反応させる方法(特開平
9−110844号公報参照)、トランス−3−クロ
ロ−1−イソチオシアナト−1−プロペンを塩素化剤と
反応させる方法(特開平10−36360号公報参照)
などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法は、大過剰の塩素化剤と高温を必要とする非常に
激しい反応であり、目的とする2−クロロ−5−クロロ
メチル−1,3−チアゾールの他に複数個の副生物が生
成することから、得られる2−クロロ−5−クロロメチ
ル−1,3−チアゾールの純度が低いという問題点があ
る。上記の方法は、出発原料であるイソチオシアン酸
2−クロロアリルを安価に入手し難いという問題があ
る。上記の方法は、原料の入手が比較的容易である
が、反応時間が長い上、反応収率および得られる生成物
の純度が低く、高純度の2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールを得るためには精製操作が必須で
ある。また上記の方法は、良好な収率で2−クロロ−
5−クロロメチル−1,3−チアゾールが得られるが、
蒸留精製後の純度は91.6〜96.6%であり、医薬
・農薬用途としての使用においては不十分な場合があ
る。しかして、本発明の目的は、温和な条件下で、安価
で入手容易な原料を用いて、2−クロロ−5−クロロメ
チル−1,3−チアゾールを高収率かつ高純度で、工業
的に有利に製造する方法を提供することにある。
の方法は、大過剰の塩素化剤と高温を必要とする非常に
激しい反応であり、目的とする2−クロロ−5−クロロ
メチル−1,3−チアゾールの他に複数個の副生物が生
成することから、得られる2−クロロ−5−クロロメチ
ル−1,3−チアゾールの純度が低いという問題点があ
る。上記の方法は、出発原料であるイソチオシアン酸
2−クロロアリルを安価に入手し難いという問題があ
る。上記の方法は、原料の入手が比較的容易である
が、反応時間が長い上、反応収率および得られる生成物
の純度が低く、高純度の2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールを得るためには精製操作が必須で
ある。また上記の方法は、良好な収率で2−クロロ−
5−クロロメチル−1,3−チアゾールが得られるが、
蒸留精製後の純度は91.6〜96.6%であり、医薬
・農薬用途としての使用においては不十分な場合があ
る。しかして、本発明の目的は、温和な条件下で、安価
で入手容易な原料を用いて、2−クロロ−5−クロロメ
チル−1,3−チアゾールを高収率かつ高純度で、工業
的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、3−クロロ−1−イソチオシアナト−1−プロ
ペンを極性溶媒中で塩素化剤と反応させた後、反応液に
得られた2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チア
ゾール塩酸塩に対する貧溶媒(以下、単に貧溶媒という
ことがある)を加えて2−クロロ−5−クロロメチル−
1,3−チアゾール塩酸塩を析出させ、次いで該2−ク
ロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を
分離して中和することを特徴とする2−クロロ−5−ク
ロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法を提供する
ことにより達成される。
目的は、3−クロロ−1−イソチオシアナト−1−プロ
ペンを極性溶媒中で塩素化剤と反応させた後、反応液に
得られた2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チア
ゾール塩酸塩に対する貧溶媒(以下、単に貧溶媒という
ことがある)を加えて2−クロロ−5−クロロメチル−
1,3−チアゾール塩酸塩を析出させ、次いで該2−ク
ロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を
分離して中和することを特徴とする2−クロロ−5−ク
ロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法を提供する
ことにより達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用する極性溶媒として
は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N−
メチルピロリドンなどのアミド;アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル;ニトロ
メタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニ
トロベンゼンなどの脂肪族または芳香族ニトロ化合物;
スルホランなどのスルホン;ジメチルスルホキシドなど
のスルホキシドが挙げられる。なかでもN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシドおよびアセトニトリルを
用いるのが好ましく、アセトニトリルを用いるのが特に
好ましい。極性溶媒の使用量は、3−クロロ−1−イソ
チオシアナト−1−プロペンに対して0.1〜10重量
倍の範囲が好ましく、0.2〜2重量倍の範囲がより好
ましい。
は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N−
メチルピロリドンなどのアミド;アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ブチロニトリルなどのニトリル;ニトロ
メタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニ
トロベンゼンなどの脂肪族または芳香族ニトロ化合物;
スルホランなどのスルホン;ジメチルスルホキシドなど
のスルホキシドが挙げられる。なかでもN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシドおよびアセトニトリルを
用いるのが好ましく、アセトニトリルを用いるのが特に
好ましい。極性溶媒の使用量は、3−クロロ−1−イソ
チオシアナト−1−プロペンに対して0.1〜10重量
倍の範囲が好ましく、0.2〜2重量倍の範囲がより好
ましい。
【0006】塩素化剤としては、塩素または反応条件下
に塩素を放出する化合物、例えば塩化スルフリル等を使
用することができる。塩素化剤の使用量は3−クロロ−
1−イソチオシアナト−1−プロペンに対して通常1.
0〜1.5当量の範囲が好ましい。塩素化剤として塩素
を用いる場合は、塩素ガスを直接反応系内に吹き込んで
もよく、また塩素を溶媒に溶解させたものを用いてもよ
い。この目的に使用される溶媒の例としては、上記した
極性溶媒が挙げられる。
に塩素を放出する化合物、例えば塩化スルフリル等を使
用することができる。塩素化剤の使用量は3−クロロ−
1−イソチオシアナト−1−プロペンに対して通常1.
0〜1.5当量の範囲が好ましい。塩素化剤として塩素
を用いる場合は、塩素ガスを直接反応系内に吹き込んで
もよく、また塩素を溶媒に溶解させたものを用いてもよ
い。この目的に使用される溶媒の例としては、上記した
極性溶媒が挙げられる。
【0007】反応温度は−20〜150℃の範囲が好ま
しく、0〜100℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、反応条件により異なるが、通常1〜4時間が適当で
ある。
しく、0〜100℃の範囲がより好ましい。反応時間
は、反応条件により異なるが、通常1〜4時間が適当で
ある。
【0008】反応により生成する2−クロロ−5−クロ
ロメチル−1,3−チアゾールは、反応系内にて塩酸塩
として存在し、反応液中に溶解している。本発明では、
この2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ル塩酸塩を析出させるために、反応液に2−クロロ−5
−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩に対する貧
溶媒を添加することが特徴である。この目的に使用する
ことのできる貧溶媒の例としては、塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、1,2―ジクロロエタン、1,
1,2,2―テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの
脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タンなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステルが挙げられる。なかでも塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲ
ン化炭化水素を用いるのが好ましく、1,2−ジクロロ
エタンを用いるのが特に好ましい。貧溶媒の使用量は、
原料として用いる3−クロロ−1−イソチオシアナト−
1−プロペンに対し0.5〜50重量倍の範囲が好まし
く、1.0〜10重量倍の範囲がより好ましい。
ロメチル−1,3−チアゾールは、反応系内にて塩酸塩
として存在し、反応液中に溶解している。本発明では、
この2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ル塩酸塩を析出させるために、反応液に2−クロロ−5
−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩に対する貧
溶媒を添加することが特徴である。この目的に使用する
ことのできる貧溶媒の例としては、塩化メチレン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、1,2―ジクロロエタン、1,
1,2,2―テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化
水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの
脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエ
タンなどのエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステルが挙げられる。なかでも塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲ
ン化炭化水素を用いるのが好ましく、1,2−ジクロロ
エタンを用いるのが特に好ましい。貧溶媒の使用量は、
原料として用いる3−クロロ−1−イソチオシアナト−
1−プロペンに対し0.5〜50重量倍の範囲が好まし
く、1.0〜10重量倍の範囲がより好ましい。
【0009】反応液に貧溶媒を加えて2−クロロ−5−
クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を析出させる
温度は−50〜100℃の範囲が好ましく、−30〜3
0℃の範囲がより好ましい。
クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を析出させる
温度は−50〜100℃の範囲が好ましく、−30〜3
0℃の範囲がより好ましい。
【0010】このようにして得られた2−クロロ−5−
クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩の反応混合物
からの分離は常法にしたがって行うことができる。例え
ば反応を終了し、所定の温度まで冷却してから貧溶媒を
加えて2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾ
ール塩酸塩を析出させた後、濾過・遠心分離などの手段
で2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール
塩酸塩を分離する。分離された2−クロロ−5−クロロ
メチル−1,3−チアゾール塩酸塩を必要に応じて上記
の貧溶媒で洗浄したのち、重炭酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で中和
して2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ルを遊離させ、有機溶剤で抽出し、抽出液を水洗・乾燥
後、減圧下に濃縮することにより、該2−クロロ−5−
クロロメチル−1,3−チアゾールを単離することがで
きる。得られる2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾールは95%以上の純度であり、精製操作を行
わない段階においても、従来の製造方法において精製操
作までを行って得られる2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールの純度と同等またはそれ以上であ
る。また、必要に応じて減圧蒸留、再結晶、クロマトグ
ラフィーなどの通常の精製操作により、その純度をさら
に高めることができる。
クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩の反応混合物
からの分離は常法にしたがって行うことができる。例え
ば反応を終了し、所定の温度まで冷却してから貧溶媒を
加えて2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾ
ール塩酸塩を析出させた後、濾過・遠心分離などの手段
で2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール
塩酸塩を分離する。分離された2−クロロ−5−クロロ
メチル−1,3−チアゾール塩酸塩を必要に応じて上記
の貧溶媒で洗浄したのち、重炭酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で中和
して2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾー
ルを遊離させ、有機溶剤で抽出し、抽出液を水洗・乾燥
後、減圧下に濃縮することにより、該2−クロロ−5−
クロロメチル−1,3−チアゾールを単離することがで
きる。得られる2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾールは95%以上の純度であり、精製操作を行
わない段階においても、従来の製造方法において精製操
作までを行って得られる2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールの純度と同等またはそれ以上であ
る。また、必要に応じて減圧蒸留、再結晶、クロマトグ
ラフィーなどの通常の精製操作により、その純度をさら
に高めることができる。
【0011】原料である3−クロロ−1−イソチオシア
ナト−1−プロペンは、1,3−ジクロロプロペンをチ
オシアン酸塩と反応させることにより3−クロロ−1−
チオシアナト−2−プロペンを得、得られた3−クロロ
−1−チオシアナト−2−プロペンを塩化マグネシウ
ム、塩化コバルト、塩化第二銅などの金属塩の存在下に
転位させることにより容易に得ることができる(特開平
10―36342号公報参照)。なお、1,3―ジクロ
ロプロペンは殺線虫剤として大量生産されている安価で
入手容易な化合物である。
ナト−1−プロペンは、1,3−ジクロロプロペンをチ
オシアン酸塩と反応させることにより3−クロロ−1−
チオシアナト−2−プロペンを得、得られた3−クロロ
−1−チオシアナト−2−プロペンを塩化マグネシウ
ム、塩化コバルト、塩化第二銅などの金属塩の存在下に
転位させることにより容易に得ることができる(特開平
10―36342号公報参照)。なお、1,3―ジクロ
ロプロペンは殺線虫剤として大量生産されている安価で
入手容易な化合物である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定され
るものではない。
【0013】実施例1 反応容器に、3−クロロ−1−イソチオシアナト−1−
プロペン(44.9g、0.336モル)およびアセト
ニトリル22mlを入れて0℃に冷却し、内温を0〜5
℃に保ちながら塩化スルフリル(47.7g、0.35
3モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温ま
で昇温してさらに3時間攪拌したのち、1,2−ジクロ
ロエタン110mlを加えて、反応混合物を−20℃ま
で冷却した。析出した2−クロロ−5−クロロメチル−
1,3−チアゾール塩酸塩を濾過して1,2−ジクロロ
エタン20mlで洗浄した。得られた62.5gの2−
クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩
を水50mlおよび1,2−ジクロロエタン100ml
の混合液中にあけ、0〜5℃に保ちながら15%炭酸ナ
トリウム水溶液120gを少しずつ加えて中和し、静置
して有機層を分離した。水層を1,2−ジクロロエタン
50mlで2回抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて
飽和食塩水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた濃縮物
48.2gをガスクロマトグラフィー分析したところ、
2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールを
46.3g含んでいた(純度96.1%、収率81.9
%)。この濃縮物を減圧蒸留により精製することで、純
度98.8%の2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール39.8gを得た(蒸留精製後の収率6
9.7%)。
プロペン(44.9g、0.336モル)およびアセト
ニトリル22mlを入れて0℃に冷却し、内温を0〜5
℃に保ちながら塩化スルフリル(47.7g、0.35
3モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温ま
で昇温してさらに3時間攪拌したのち、1,2−ジクロ
ロエタン110mlを加えて、反応混合物を−20℃ま
で冷却した。析出した2−クロロ−5−クロロメチル−
1,3−チアゾール塩酸塩を濾過して1,2−ジクロロ
エタン20mlで洗浄した。得られた62.5gの2−
クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩
を水50mlおよび1,2−ジクロロエタン100ml
の混合液中にあけ、0〜5℃に保ちながら15%炭酸ナ
トリウム水溶液120gを少しずつ加えて中和し、静置
して有機層を分離した。水層を1,2−ジクロロエタン
50mlで2回抽出し、抽出液を先の有機層と合わせて
飽和食塩水100mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。得られた濃縮物
48.2gをガスクロマトグラフィー分析したところ、
2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールを
46.3g含んでいた(純度96.1%、収率81.9
%)。この濃縮物を減圧蒸留により精製することで、純
度98.8%の2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール39.8gを得た(蒸留精製後の収率6
9.7%)。
【0014】実施例2 反応容器に、3−クロロ−1−イソチオシアナト−1−
プロペン(44.9g、0.336モル)およびN,N
−ジメチルホルムアミド22mlを入れて0℃に冷却
し、内温を0〜5℃に保ちながら塩化スルフリル(4
7.7g、0.353モル)を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、室温まで昇温してさらに3時間攪拌したの
ち、1,2−ジクロロエタン150mlを加えて、反応
混合物を−10℃まで冷却した。析出した2−クロロ−
5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を濾過し
て1,2−ジクロロエタン20mlで洗浄した。得られ
た56.8gの2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール塩酸塩を水50mlおよび1,2−ジクロ
ロエタン100mlの混合液中にあけ、0〜5℃に保ち
ながら15%炭酸ナトリウム水溶液120gを少しずつ
加えて中和し、静置して有機層を分離した。水層を1,
2−ジクロロエタン50mlで2回抽出し、抽出液を先
の有機層と合わせて飽和食塩水100mlで2回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去
した。得られた濃縮物41.9gをガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールを40.2g含んでいた(純度9
5.9%、収率71.2%)。この濃縮物を減圧蒸留に
より精製することで、純度98.4%の2−クロロ−5
−クロロメチル−1,3−チアゾール35.1gを得た
(蒸留精製後の収率61.2%)。
プロペン(44.9g、0.336モル)およびN,N
−ジメチルホルムアミド22mlを入れて0℃に冷却
し、内温を0〜5℃に保ちながら塩化スルフリル(4
7.7g、0.353モル)を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、室温まで昇温してさらに3時間攪拌したの
ち、1,2−ジクロロエタン150mlを加えて、反応
混合物を−10℃まで冷却した。析出した2−クロロ−
5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を濾過し
て1,2−ジクロロエタン20mlで洗浄した。得られ
た56.8gの2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール塩酸塩を水50mlおよび1,2−ジクロ
ロエタン100mlの混合液中にあけ、0〜5℃に保ち
ながら15%炭酸ナトリウム水溶液120gを少しずつ
加えて中和し、静置して有機層を分離した。水層を1,
2−ジクロロエタン50mlで2回抽出し、抽出液を先
の有機層と合わせて飽和食塩水100mlで2回洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去
した。得られた濃縮物41.9gをガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、2−クロロ−5−クロロメチル
−1,3−チアゾールを40.2g含んでいた(純度9
5.9%、収率71.2%)。この濃縮物を減圧蒸留に
より精製することで、純度98.4%の2−クロロ−5
−クロロメチル−1,3−チアゾール35.1gを得た
(蒸留精製後の収率61.2%)。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、温和な条件下で、安価
で入手容易な原料を用いて2−クロロ−5−クロロメチ
ル−1,3−チアゾールを高純度かつ収率良く工業的に
有利に製造することができる。
で入手容易な原料を用いて2−クロロ−5−クロロメチ
ル−1,3−チアゾールを高純度かつ収率良く工業的に
有利に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 3−クロロ−1−イソチオシアナト−1
−プロペンを極性溶媒中で塩素化剤と反応させた後、反
応液に得られた2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール塩酸塩に対する貧溶媒を加えて2−クロロ
−5−クロロメチル−1,3−チアゾール塩酸塩を析出
させ、次いで該2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール塩酸塩を分離して中和することを特徴とす
る2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾール
の製造方法。 - 【請求項2】 極性溶媒が、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ジ
メチルスルホキシドおよびアセトニトリルからなる群よ
り選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方
法。 - 【請求項3】 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3
−チアゾール塩酸塩に対する貧溶媒としてハロゲン化炭
化水素を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10325009A JP2000143649A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10325009A JP2000143649A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000143649A true JP2000143649A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18172126
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10325009A Pending JP2000143649A (ja) | 1998-11-16 | 1998-11-16 | 2−クロロ−5−クロロメチル−1,3−チアゾールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000143649A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506724A (ja) * | 2000-08-23 | 2004-03-04 | シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト | 農薬クロロチアゾールの連続製法 |
CZ301866B6 (cs) * | 2000-08-23 | 2010-07-14 | Syngenta Participations Ag | Zpusob prípravy chlorthiazolových sloucenin |
JP2014030530A (ja) * | 2012-08-02 | 2014-02-20 | Sophia Co Ltd | 遊技機 |
CN104119291A (zh) * | 2014-06-30 | 2014-10-29 | 绍兴文理学院 | 一种2-氯-5-氯甲基噻唑的制备方法 |
CN105254584A (zh) * | 2015-11-20 | 2016-01-20 | 河北德瑞化工有限公司 | 2-氯-5-氯甲基噻唑的制备方法 |
CN115636800A (zh) * | 2022-10-31 | 2023-01-24 | 河北美邦膜科技有限公司 | 一种二氯五氯甲基噻唑的纯化方法 |
-
1998
- 1998-11-16 JP JP10325009A patent/JP2000143649A/ja active Pending
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