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JP2000143584A - ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法

Info

Publication number
JP2000143584A
JP2000143584A JP10322679A JP32267998A JP2000143584A JP 2000143584 A JP2000143584 A JP 2000143584A JP 10322679 A JP10322679 A JP 10322679A JP 32267998 A JP32267998 A JP 32267998A JP 2000143584 A JP2000143584 A JP 2000143584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycidol
acid
acid ester
temperature
producing
Prior art date
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Pending
Application number
JP10322679A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Endo
敏郎 遠藤
Takashi Ueno
貴史 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP10322679A priority Critical patent/JP2000143584A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色が少なく、食品、化粧品、医薬等の乳化
剤や基剤として有用なポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルの製造方法を提供する。 【解決手段】 脂肪酸とグリシドールとをリン酸系酸性
触媒の存在下で反応させてポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルを製造する方法において、加熱した脂肪酸に減圧
下でグリシドールを滴下し、反応させることを特徴とす
るポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色の少ないポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法に関し、食
品、化粧品、医薬等の乳化剤や基剤として有用なポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルは食品添加物として認可され、使用量も次第に増加し
ている。一般にこのエステルは、原料として重合度の異
なるポリグリセリンと鎖長の異なる脂肪酸とを組み合わ
せ、広い範囲のHLB値のエステルを得ることができ
る。また、酸性領域で高い安定性を示すことから、特に
食品分野において、乳化剤や粘度調整剤として広く用い
られている。
【0003】このポリグリセリン脂肪酸エステルの製造
方法としては、(1)ポリグリセリンと脂肪酸のエステ
ル化反応、(2)ポリグリセリンと脂肪酸エステルとの
エステル交換反応、(3)ポリグリセリンと油脂とのエ
ステル交換反応、(4)グリシドールと脂肪酸モノグリ
セライドとの付加重合反応、(5)グリシドールと脂肪
酸との付加重合反応等がある。中でも、(5)として、
特開平8−109153号公報に開示された方法は、モ
ノ脂肪酸エステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂
肪酸エステルを製造する方法として優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(5)の
グリシドールと脂肪酸との付加重合反応によるポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルの製造方法は、モノ脂肪酸エ
ステル体含有率の高いポリグリセリンモノ脂肪酸エステ
ルを製造し得るが、得られた製品が着色する場合があ
る。前記特開平8−109153号公報には、ポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルの製品の脱色方法として、次
亜燐酸ソーダまたは過酸化水素による漂白等の脱色方法
等の精製方法が開示されている。しかしながら、次亜燐
酸ソーダ等の漂白による脱色は、ポリグリセリンモノ脂
肪酸エステルの製造と別個の精製工程が必要となる。
【0005】従って、本発明は、特別な付加的工程を必
要とせず、簡便で、かつ大量生産の場合にも容易に適用
できる着色の少ないポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステル製品の着色を低減する製造時
の条件を詳細に検討した結果、原料を反応させる際に減
圧することにより、その色相を大幅に低減し得ることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1は、脂肪酸とグリ
シドールとをリン酸系酸性触媒の存在下で反応させてポ
リグリセリンモノ脂肪酸エステルを製造する方法におい
て、加熱した脂肪酸に減圧下でグリシドールを添加し、
反応させることを特徴とするポリグリセリンモノ脂肪酸
エステルの製造方法である。また本発明の第2は、脂肪
酸の加熱温度90〜160℃、圧力100〜760mm
Hg未満、かつ不活性ガス雰囲気下でグリシドールを滴
下して添加することを特徴とする本発明の第1のポリグ
リセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法である。また本
発明の第3は、脂肪酸の加熱温度120〜150℃、圧
力350〜750mmHg、かつ窒素ガス雰囲気下でグ
リシドールを滴下して添加することを特徴とする本発明
の第1のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法
である。また本発明の第4は、反応器の外部から温度調
節する外部温度調節器と反応器の内部から温度調節する
内部温度調節器とを有する反応器内で、内部温度調節器
の表面温度を100℃未満に保持して反応させることを
特徴とする本発明の第1〜3のいずれかのポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルの製造方法である。また本発明の
第5は、リン酸系酸性触媒が、リン酸またはリン酸エス
テルであることを特徴とする本発明の第1〜4のいずれ
かのポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法であ
る。また本発明の第6は、式(1)で表される脂肪酸と
グリシドールとを反応させ、得られたポリグリセリンモ
ノ脂肪酸エステルが式(2)で表される化合物であるこ
とを特徴とする本発明の第1〜5のいずれかのポリグリ
セリンモノ脂肪酸エステルの製造方法である。
【0008】
【化2】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で使用できる脂
肪酸は、天然の脂肪酸や合成した脂肪酸のいずれも使用
することができ、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよ
く、また直鎖状脂肪酸でも側鎖をもつ脂肪酸でも、更に
は炭素鎖がヒドロキシル基で置換された置換脂肪酸でも
よい。これらの中で、本発明では式(1):RCOOH
(Rは直鎖または分岐を有する炭素数6〜22のアルキ
ル基、アルケニル基またはヒドロキシル基で置換された
アルキル基を表わす。)で示される脂肪酸を使用するこ
とが好ましい。具体的には、飽和脂肪酸として、ヘキサ
ン酸、オクタン酸、2−エチルへキサン酸、デカン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、イソトリデカン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸が、不飽和脂
肪酸としてオレイン酸、リノール酸、パルミトレイン
酸、エルカ酸、ベヘン酸が、水酸基を含む脂肪酸として
リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸等が例示でき
る。これらは各単独で使用できるほか、2種以上を任意
に混合して反応に用いてもよい。
【0010】前記脂肪酸とグリシドールとの反応には、
リン酸系酸性触媒を使用する。本発明で使用できるリン
酸系酸性触媒としては、リン酸類またはリン酸エステル
がある。リン酸類としては、リン酸、無水リン酸、ポリ
リン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リ
ン酸、四リン酸が例示できる。またリン酸エステルとし
ては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホ
スフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチ
ルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッド
ホスフェートが例示できる。なおリン酸エステルは、モ
ノエステル体、ジエステル体、及びそれらの混合物のい
ずれも使用することができる。本発明では、上記触媒の
1種を単独で使用するほか、2種以上を併用することも
できる。本発明では、リン酸またはリン酸エステル類を
用いることが好ましい。なお、リン酸系酸性触媒の使用
量は、脂肪酸に対して通常0.01〜10重量%、より
好ましくは0.01〜5重量%である。0.01重量%
未満では反応が遅く、その一方10重量%を越えても効
果の向上は期待できず、触媒自体が開始剤となってグリ
シドールの付加重合体を多く生成する場合があり、好ま
しくない。
【0011】脂肪酸とグリシドールとの反応は、反応容
器中に脂肪酸を入れて加熱し、これにグリシドールを少
量ずつ添加して反応させる。その際、リン酸系酸性触媒
はグリシドールの添加の前に添加しておいてもよく、あ
るいは、グリシドールの一部を添加したのちに添加し、
次いで残りのグリシドールを添加してもよい。好ましい
触媒の添加は、グリシドールの添加の初期には行わず、
かつグリシドールの全量が添加される前であり、より好
ましくは、グリシドールの60%が未添加の時点であ
る。なお触媒の反応系への添加が、グリシドールの全量
が添加された後であると反応生成物の色相が悪くなり、
またグリシドールの残存量も多くなりがちである。触媒
の反応系への添加は、一括して行われても分割して行わ
れてもよい。脂肪酸とグリシドールとの反応割合は特に
限定されず、その割合によりグリシドールの平均量体数
が決まる。通常、得られるポリグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルの用途等から、脂肪酸1モルに対しグリシドール
の使用量は4モル以上であり、好ましくは4〜20モル
である。
【0012】前記グリシドールの添加は、通常、反応器
内容物の温度(添加温度)を90〜160℃、好ましく
は110〜150℃、特には120〜150℃とし、か
つ滴下により行うことが好ましい。添加によりグリシド
ールと脂肪酸の反応は開始する。添加所要時間は特に限
定されないが、1〜10時間、好ましくは2〜7時間で
ある。添加終了後も反応が続くので、前記90〜160
℃の範囲内で温度を上昇させて反応を熟成させてもよ
い。熟成時間は添加時間の2〜5倍であることが好まし
い。前記添加温度又は熟成温度を90℃以上とすること
により、反応速度を確保でき、160℃以下とすること
により着色を抑制することができる。尚、反応温度の上
昇を防止するために、グリシドールと反応しない低沸点
化合物を添加してもよい。
【0013】本発明においては、前記グリシドールの添
加を減圧下に行う。減圧は、グリシドールの添加後の熟
成の間も継続することが好ましい。系内圧力は760m
mHG未満であればよいが、好ましくは100〜760
mmHg未満、より好ましくは350〜750mmHg
の範囲であり、グリシドールの添加または熟成の途中で
減圧度を変化させてもよい。特に熟成の間に、減圧度を
漸次または段階的に強化してもよい。減圧の際には、不
活性ガスを少量、系内に導入することが、製品の着色防
止の為に好ましい。不活性ガスとしては、通常、窒素ガ
スが使用されるが、これに限定されない。なお、減圧操
作、更には不活性ガスを導入する場合はその両者によっ
て、系内に添加されるグリシドールの一部は系外に除去
されるが、脂肪酸とグリシドールの反応モル比が大幅に
変わるようであれば、コンデンサー等によりグリシドー
ル成分のみを捕捉して系内に戻してもよい。本発明にお
いては、減圧下にグリシドールを添加することにより、
副生する微量の低沸着色関与成分が系外へ除去されるも
のと推定される。着色関与成分としては、アクロレイン
やアリルアルコール等が考えられ、その発生量は全仕込
み原料に対し数ppm〜10ppm程度と推定される。
【0014】本発明においては、限定するものではない
が、反応器の外部から温度調節する外部温度調節器と反
応器の内部から温度調節する内部温度調節器とを有する
反応器を用いることが好ましい。外部温度調節器の役割
は、反応が本格的に開始するまでの原料脂肪酸の加熱、
および温度維持であり、反応開始後は主に反応熱の除去
である。外部温度調節器としては、通常、調節する温度
領域に適した液体熱媒体を通過させるジャケット型が用
いられる。熱媒体の温度は、反応器内容物の設定温度を
検知しながら制御される。一方、内部温度調節器の役割
は、主に反応が本格的に始まった後の反応熱を内容物か
ら均一に除去し、製品の色相を低減するためである。内
部温度調節器としては、撹拌器自体に水などの熱媒体を
通過できるようにしてもよいし、反応器の内壁近傍に、
パイプをコイル状に設置し、同様に熱媒体を通過させて
もよい。内部温度調節器の形状、設置位置はその目的を
達成できる限り限定されず、種々の形状、位置が利用で
きるが、好ましくは前記のようなコイル状のものを内壁
近傍に添って反応器内の下方から上方の最終内容物液面
またはそれ以上の高さまで設けたものが好ましい。な
お、内部温度調節器の表面温度が100℃未満でかつ内
容物の温度よりも低く維持できる場合は、必ずしも熱媒
体を流通させなくてもよく、熱媒体を内部温度調節器内
に存在させ、その蒸発潜熱等による冷却を利用してもよ
い。同表面温度としては、好ましくは60〜95℃、よ
り好ましくは70〜90℃である。通常、熱媒体の温度
を同表面温度と見なすことができる。前記内部温度調節
器の表面温度を100℃未満に保持して反応させること
により製品ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの色相が
改善される理由としては、内容物から均一に反応熱が除
去されることの他に、グリシドールの滴下による添加時
に、内容物から発生するグリシドールの蒸気が内部温度
調節器の表面上で凝縮しそのまま長時間滞留しても、表
面温度が100℃以上の場合に比較して強い熱履歴を受
けないためであると推定される。グリシドールの添加に
は通常、数時間を要するので、前記滞留が長時間に及び
高温による熱履歴を受けて微量着色関与成分を生じ、こ
れがグリシドール添加が進むにつれ内容物容量が増加し
て内容物内に取り込まれ、製品の色相悪化に繋がること
が推定される。
【0015】また本発明では特に限定するものではない
が、前記反応に接液部を酸洗浄した金属反応容器を使用
することが好ましい。金属反応容器としては、鉄を0.
1〜80重量%、クロムを0.1〜20重量%含有する
合金製であればよく、例えばSUS304、SUS30
4L、SUS316、SUS316L等のステンレスが
例示できる。これらSUS304、SUS304L、S
US316、SUS316L等のステンレスは汎用性が
あり、安価に使用できるため好ましい。
【0016】また前記酸洗浄は、金属反応容器の反応面
を酸液に浸漬して行うことができる。これにより反応容
器に付着したスケールが除去でき、また、金属表面を不
動態化することができる。金属反応容器は、一般に、鍛
造、熱間圧延、熱処理等による熱的加工を受け、その受
けた状態により反応容器表面に酸化物層、すなわち種々
のスケールを生じているが、反応容器を酸液に浸漬させ
ると反応容器の表面に付着したスケールを除去すること
ができる。これは酸洗浄によって反応容器を構成する鉄
素地が陽極(+)、スケール表面が陰極(−)となり、
スケール表面に生ずる水素ガスによって機械的にスケー
ルを剥離すると考えられる。また、反応容器の酸洗浄に
より、反応容器表面に形成された不動態化皮膜や表面の
活性状態の変化によって、高温下での熱分解や副反応を
促進させる因子の活性が抑制され、着色の程度が低減さ
れたポリグリセリンモノ脂肪酸エステルが得られるもの
と考えられる。
【0017】前記酸洗浄には、一般的な無機酸、有機酸
を使用することができる。無機酸としては、硝酸、硫
酸、フッ酸、塩酸、リン酸等を例示することができる。
また有機酸としては、洗浄効果、安価であること、更に
は使用後の水洗が容易であることから、酢酸、プロピオ
ン酸等を好ましいものとして例示することができる。酸
洗浄に使用する有機酸は、濃度及び洗浄温度を特に限定
するものではないが、希釈せず用い、還流温度で行うこ
とが好ましい。特に好ましい洗浄温度は、ポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルの製造時の反応温度と同等以上の
温度であることが洗浄効果の点から好ましい。なお、無
機酸による一般的な酸洗浄として、塩酸40〜45重量
%、硝酸5〜15重量%を含有する溶液に、常温から5
0℃でステンレスを浸漬させた後、ブラッシング及び水
洗し、乾燥する方法が挙げられる。また、反応容器をバ
フ研磨処理する等の方法を組み合わせて行うこともよ
い。
【0018】本発明により、例えば下記式(1)で表さ
れる脂肪酸とグリシドールとを反応させ、式(2)で表
されるポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを製造するこ
とができる。式中、nは4以上の数値であることが好ま
しく、通常は用途などから4〜20であることが好まし
い。本発明の製造方法で製造されるポリグリセリンモノ
脂肪酸エステルとして、具体的には、ヘキサグリセリン
モノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン
酸エステルが例示できる。
【0019】
【化3】
【0020】本発明の製造方法によって製造されたポリ
グリセリンモノ脂肪酸エステルは、着色が少なく、パ
ン、ケーキ、チョコレート等の食品、クレンジング、マ
ッサージ等の化粧品、医薬等の乳化剤や基剤として使用
することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
【0022】(実施例1)窒素ガス導入管、撹拌機、冷
却管、温度調節器、滴下シリンダーを備えたステンレス
(SUS316)製の1リットル反応容器にプロピオン
酸を800gを仕込み、約4時間還流させた後、水洗、
乾燥を行った。この反応容器にラウリン酸200g(1
モル)を加え、系内を窒素ガス置換した後、同ガスを1
00ml/分の流量で供給しながら、系内圧力を550
mmHgに保ち、130℃に加熱した。次いで、内容物
温度を同じ130℃に保ちながらグリシドール741g
(10モル)を5時間かけて滴下した。グリシドールを
20%滴下した段階で、リン酸(85%品)0.38g
を添加した。グリシドール滴下終了後、系内温度を14
0℃とし、20時間、反応を継続(熟成)させ、反応混
合物のオキシラン酸素濃度が0.1%以下であることを
確認した。なお、系内圧力は熟成の間も550mmHg
を保持し、窒素ガスの供給は続けた。冷却後、反応物を
取り出し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステル94
0gを得た。得られたポリグリセリンモノラウリン酸エ
ステルの色相は20(APHA)であった。
【0023】(実施例2〜3,比較例1〜2)グリシド
ール添加時の内容物の温度(滴下時温度)、系内圧力、
グリシドールの滴下時間、グリシドール滴下後の熟成時
間、熟成温度を各々表1のように変えた他は、実施例1
と同様に行った。得られたポリグリセリンモノラウリン
酸エステルの色相は表1の通りであった。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】表1から分かるように、本発明によれ
ば、減圧下にグリシドールを添加することにより、着色
の少ないポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを製造する
ことができる。本発明によって製造されたポリグリセリ
ンモノ脂肪酸エステルは、着色が少ないため、食品、化
粧品、医薬等の乳化剤や基剤に広く使用することができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸とグリシドールとをリン酸系酸性
    触媒の存在下で反応させてポリグリセリンモノ脂肪酸エ
    ステルを製造する方法において、加熱した脂肪酸に減圧
    下でグリシドールを添加し、反応させることを特徴とす
    るポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸の加熱温度90〜160℃、圧力
    100〜760mmHg未満、かつ不活性ガス雰囲気下
    でグリシドールを滴下して添加することを特徴とする請
    求項1記載のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸の加熱温度120〜150℃、圧
    力350〜750mmHg、かつ窒素ガス雰囲気下でグ
    リシドールを滴下して添加することを特徴とする請求項
    1記載のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 反応器の外部から温度調節する外部温度
    調節器と反応器の内部から温度調節する内部温度調節器
    とを有する反応器内で、内部温度調節器の表面温度を1
    00℃未満に保持して反応させることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のポリグリセリンモノ脂肪酸
    エステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 リン酸系酸性触媒が、リン酸またはリン
    酸エステルであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 式(1)で表される脂肪酸とグリシドー
    ルとを反応させ、得られたポリグリセリンモノ脂肪酸エ
    ステルが式(2)で表される化合物であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれかに記載のポリグリセリンモ
    ノ脂肪酸エステルの製造方法。 【化1】
JP10322679A 1998-11-12 1998-11-12 ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの製造方法 Pending JP2000143584A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2396612A (en) * 2002-12-19 2004-06-30 Procter & Gamble Preparation of wax esters by esterifying acids with alcohols below atmospheric pressure
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