JP2000036409A - アクチュエ―タ用複合磁性部材およびアクチュエ―タ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法ならびにアクチュエ―タ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法 - Google Patents
アクチュエ―タ用複合磁性部材およびアクチュエ―タ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法ならびにアクチュエ―タ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法Info
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- JP2000036409A JP2000036409A JP12804099A JP12804099A JP2000036409A JP 2000036409 A JP2000036409 A JP 2000036409A JP 12804099 A JP12804099 A JP 12804099A JP 12804099 A JP12804099 A JP 12804099A JP 2000036409 A JP2000036409 A JP 2000036409A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アクチュエータ用複合磁性部材として比較的
安価で加工性、耐食性が良く、優れた軟磁性を有した強
磁性部が得られ易いFe−Cr−C系合金を適用するこ
とを提案し、該部材の製造方法ならびに非磁性部の形成
方法を提供する。 【解決手段】 重量%でC:0.30〜0.80%、C
r:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避不純物
の組成でなり、組織における炭化物の最大粒径が0.1
〜20μmに調整された最大透磁率400以上の強磁性
部と、オーステナイトを主体とする組織に調整された透
磁率2以下の非磁性部を有するアクチュエータ用複合磁
性部材。
安価で加工性、耐食性が良く、優れた軟磁性を有した強
磁性部が得られ易いFe−Cr−C系合金を適用するこ
とを提案し、該部材の製造方法ならびに非磁性部の形成
方法を提供する。 【解決手段】 重量%でC:0.30〜0.80%、C
r:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避不純物
の組成でなり、組織における炭化物の最大粒径が0.1
〜20μmに調整された最大透磁率400以上の強磁性
部と、オーステナイトを主体とする組織に調整された透
磁率2以下の非磁性部を有するアクチュエータ用複合磁
性部材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の電磁弁や
燃料噴射装置等、流体を扱う分野でアクチュエータとし
て用いられる複合磁性部材、及びその製造方法ならびに
アクチュエータ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法に
関するものである。
燃料噴射装置等、流体を扱う分野でアクチュエータとし
て用いられる複合磁性部材、及びその製造方法ならびに
アクチュエータ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の電磁弁や燃料噴射部等、
オイルやガソリンといった液体の流量を制御するアクチ
ュエータとして、強磁性(一般には軟磁性)である固定
子の一部に非磁性部を設けて磁束を可動片に洩らし、磁
束を有効に利用する構造が用いられている。強磁性部品
の一部に非磁性部分を設ける方法としては強磁性部品と
非磁性部品をろう付けするか、レ−ザ−溶接する等の手
法が行われてきた。これらの異種材を接合する手法に対
し、近年、単一材を使用して、この単一材に冷間加工ま
たは熱処理によって強磁性部および非磁性部を設けた複
合磁性部材が提案されている。このような単一材の複合
磁性部材を利用すると、気密性の確保、液体の漏れ防
止、振動等による破損防止等、信頼性の確保という点
で、強磁性体と非磁性体を接合した部品よりも優れたも
のとなる。
オイルやガソリンといった液体の流量を制御するアクチ
ュエータとして、強磁性(一般には軟磁性)である固定
子の一部に非磁性部を設けて磁束を可動片に洩らし、磁
束を有効に利用する構造が用いられている。強磁性部品
の一部に非磁性部分を設ける方法としては強磁性部品と
非磁性部品をろう付けするか、レ−ザ−溶接する等の手
法が行われてきた。これらの異種材を接合する手法に対
し、近年、単一材を使用して、この単一材に冷間加工ま
たは熱処理によって強磁性部および非磁性部を設けた複
合磁性部材が提案されている。このような単一材の複合
磁性部材を利用すると、気密性の確保、液体の漏れ防
止、振動等による破損防止等、信頼性の確保という点
で、強磁性体と非磁性体を接合した部品よりも優れたも
のとなる。
【0003】例えば特開平6−74124号では、アク
チュエータの固定鉄心に複合磁性部材を適用する提案が
なされている。この提案の中の一つには、固定鉄心に適
用する複合磁性部材として、鉄ークロム系合金、フェラ
イト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼よ
りなる磁性鋼にNi等のオーステナイト生成元素を局所
的に溶融添加し、非磁性のオーステナイト相を形成する
方法が述べられている。
チュエータの固定鉄心に複合磁性部材を適用する提案が
なされている。この提案の中の一つには、固定鉄心に適
用する複合磁性部材として、鉄ークロム系合金、フェラ
イト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼よ
りなる磁性鋼にNi等のオーステナイト生成元素を局所
的に溶融添加し、非磁性のオーステナイト相を形成する
方法が述べられている。
【0004】また本発明者らの提案による特開平9−1
57802号には、複合磁性部材としてNiを0.5〜
4.0%含有するマルテンサイト系ステンレス鋼が開示
されている。この提案には、フェライトと炭化物よりな
る焼鈍状態のマルテンサイト系ステンレス鋼Fe−Cr
−C系合金にNiを適量添加することにより、マルテン
サイト系ステンレス鋼の一部をオーステナイト化温度以
上で加熱後冷却することにより得られる透磁率μ2以下
の非磁性部のオ−ステナイトを安定化できることが開示
されている。これらの提案は、単一材において強磁性部
と、安定した非磁性部が得られるという点で優れたもの
である。
57802号には、複合磁性部材としてNiを0.5〜
4.0%含有するマルテンサイト系ステンレス鋼が開示
されている。この提案には、フェライトと炭化物よりな
る焼鈍状態のマルテンサイト系ステンレス鋼Fe−Cr
−C系合金にNiを適量添加することにより、マルテン
サイト系ステンレス鋼の一部をオーステナイト化温度以
上で加熱後冷却することにより得られる透磁率μ2以下
の非磁性部のオ−ステナイトを安定化できることが開示
されている。これらの提案は、単一材において強磁性部
と、安定した非磁性部が得られるという点で優れたもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平6−7
4124号や特開平9−157802号で提案されてい
る複合磁性部材は、単一材で強磁性部と非磁性部を併せ
持つことができるという点では有利であるものの、非磁
性のオーステナイトを形成するためにNi等の元素を添
加する方法は材料コストを上げるという点で問題があ
る。またNi等を添加すると材料が硬くなるので加工性
が悪くなるとともに、強磁性部において必要な磁気特性
が得られ難くなるという問題がある。本発明の目的は、
アクチュエータ用複合磁性部材として比較的安価で加工
性、耐食性が良く、優れた軟磁性を有した強磁性部が得
られ易いFe−Cr−C系合金を適用することを提案
し、該部材の製造方法ならびに非磁性部の形成方法を提
供することである。
4124号や特開平9−157802号で提案されてい
る複合磁性部材は、単一材で強磁性部と非磁性部を併せ
持つことができるという点では有利であるものの、非磁
性のオーステナイトを形成するためにNi等の元素を添
加する方法は材料コストを上げるという点で問題があ
る。またNi等を添加すると材料が硬くなるので加工性
が悪くなるとともに、強磁性部において必要な磁気特性
が得られ難くなるという問題がある。本発明の目的は、
アクチュエータ用複合磁性部材として比較的安価で加工
性、耐食性が良く、優れた軟磁性を有した強磁性部が得
られ易いFe−Cr−C系合金を適用することを提案
し、該部材の製造方法ならびに非磁性部の形成方法を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクチュ
エータ用複合磁性部材としてFe−Cr−C系合金の適
用を検討するために、まずNiを実質的に添加しないF
e−Cr−C系合金を素材として複合磁性部材を製造
し、強磁性部、非磁性部での各磁気特性を確認した。そ
の結果、素材にNiを添加しない方が、Niを添加した
場合よりも優れた軟磁性の強磁性部が得られること、ま
た非磁性化を確実に行えば、Niを添加した場合と変わ
らない低い透磁率の非磁性部が得られることを見出し
た。
エータ用複合磁性部材としてFe−Cr−C系合金の適
用を検討するために、まずNiを実質的に添加しないF
e−Cr−C系合金を素材として複合磁性部材を製造
し、強磁性部、非磁性部での各磁気特性を確認した。そ
の結果、素材にNiを添加しない方が、Niを添加した
場合よりも優れた軟磁性の強磁性部が得られること、ま
た非磁性化を確実に行えば、Niを添加した場合と変わ
らない低い透磁率の非磁性部が得られることを見出し
た。
【0007】次に、複合磁性部材の強磁性部のミクロ組
織を検討した結果、フェライト母相に炭化物が析出した
組織となっていること、更に、磁気特性とミクロ組織の
関係を検討した結果、炭化物の最大粒径を0.1〜20
μmに調整することにより、アクチュエータ用途に望ま
れる最大透磁率400以上の磁気特性が得られること、
かつ該部材の一部をオ−ステナイト化温度以上に加熱、
急冷した際に透磁率2以下の非磁性部が得られ易いこと
を突き止め、本発明に到達した。
織を検討した結果、フェライト母相に炭化物が析出した
組織となっていること、更に、磁気特性とミクロ組織の
関係を検討した結果、炭化物の最大粒径を0.1〜20
μmに調整することにより、アクチュエータ用途に望ま
れる最大透磁率400以上の磁気特性が得られること、
かつ該部材の一部をオ−ステナイト化温度以上に加熱、
急冷した際に透磁率2以下の非磁性部が得られ易いこと
を突き止め、本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、重量%でC:0.30
〜0.80%、Cr:10.0〜25.0%、残部がF
eと不可避不純物の組成でなり、組織における炭化物の
最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大透磁率40
0以上の強磁性部と、オーステナイトを主体とする組織
に調整された透磁率2以下の非磁性部を有することを特
徴とするアクチュエータ用複合磁性部材である。好まし
くは、Crの含有量が、Cr≧12.0+4×Cに調整
されたアクチュエータ用複合磁性部材である。
〜0.80%、Cr:10.0〜25.0%、残部がF
eと不可避不純物の組成でなり、組織における炭化物の
最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大透磁率40
0以上の強磁性部と、オーステナイトを主体とする組織
に調整された透磁率2以下の非磁性部を有することを特
徴とするアクチュエータ用複合磁性部材である。好まし
くは、Crの含有量が、Cr≧12.0+4×Cに調整
されたアクチュエータ用複合磁性部材である。
【0009】また、重量%でC:0.30〜0.80
%、Cr:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避
不純物からなる組成を有する合金素材を、900〜11
00℃の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点
以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍した
後の炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された
最大透磁率400以上の強磁性部を有することを特徴と
するアクチュエータ用複合磁性部材の強磁性部の製造方
法である。
%、Cr:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避
不純物からなる組成を有する合金素材を、900〜11
00℃の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点
以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍した
後の炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された
最大透磁率400以上の強磁性部を有することを特徴と
するアクチュエータ用複合磁性部材の強磁性部の製造方
法である。
【0010】更に、重量%でC:0.30〜0.80
%、Cr:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避
不純物からなる組成を有する合金素材を、900〜11
00℃の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点
以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍し、
炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大
透磁率400以上の強磁性部の一部を局所的にオ−ステ
ナイト化温度以上に加熱、急冷することで透磁率2以下
の非磁性部を形成することを特徴とするアクチュエータ
用複合磁性部材の非磁性部の形成方法である。
%、Cr:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避
不純物からなる組成を有する合金素材を、900〜11
00℃の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点
以下で焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍し、
炭化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大
透磁率400以上の強磁性部の一部を局所的にオ−ステ
ナイト化温度以上に加熱、急冷することで透磁率2以下
の非磁性部を形成することを特徴とするアクチュエータ
用複合磁性部材の非磁性部の形成方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明の重要な
特徴は、アクチュエータ用複合磁性部材としてFe−C
r−C系合金を適用し、強磁性部の組織の炭化物を最大
粒径0.1〜20μmの範囲に調整したこと、及び好ま
しい範囲として、該部材の耐食性を確保するために素材
となるFe−Cr−C系合金のCr量とC量の関係を調
整したことにある。
特徴は、アクチュエータ用複合磁性部材としてFe−C
r−C系合金を適用し、強磁性部の組織の炭化物を最大
粒径0.1〜20μmの範囲に調整したこと、及び好ま
しい範囲として、該部材の耐食性を確保するために素材
となるFe−Cr−C系合金のCr量とC量の関係を調
整したことにある。
【0012】まず、本発明の成分の限定理由を述べる。
Crはマトリックスに固溶するとともに、一部は炭化物
となり、本発明用途部材の機械的強度と耐食性を確保す
る元素である。Crの範囲を、10.0〜25.0%と
したのは、10.0%以下では耐食性が悪くアクチュエ
−タ用途には適さず、逆に25.0%以上では、最大透
磁率400以上の強磁性が得られないためである。Cr
のより望ましい範囲は12.0〜18.0%であり、特
に望ましくは13.0%を超えて16.0%以下であ
る。
Crはマトリックスに固溶するとともに、一部は炭化物
となり、本発明用途部材の機械的強度と耐食性を確保す
る元素である。Crの範囲を、10.0〜25.0%と
したのは、10.0%以下では耐食性が悪くアクチュエ
−タ用途には適さず、逆に25.0%以上では、最大透
磁率400以上の強磁性が得られないためである。Cr
のより望ましい範囲は12.0〜18.0%であり、特
に望ましくは13.0%を超えて16.0%以下であ
る。
【0013】Cは炭化物を形成し、本発明用途の基本と
なるFe−Cr−C系部材の強度と磁気特性を確保する
元素として重要である。また、Cはオ−ステナイトの安
定化にも寄与する元素である。Cが0.30%未満で
は、強磁性体の一部を加熱、急冷した際、透磁率2以下
の非磁性部を得ることが困難である。一方、0.80%
を超えると非磁性部の特性は良いが、強磁性部の最大透
磁率を400以上に維持し難くなる。そのため本発明に
おいては、Cの範囲を0.30〜0.80%に規定し
た。Cのより望ましい範囲は、0.45〜0.65%で
ある。なお、本発明の部材は脱酸元素としてSi、M
n、Alの1種以上を、特に磁気特性に影響しない範囲
として合計で2.0%以下含有してもよく、望ましくは
1.0%以下とすると良い。
なるFe−Cr−C系部材の強度と磁気特性を確保する
元素として重要である。また、Cはオ−ステナイトの安
定化にも寄与する元素である。Cが0.30%未満で
は、強磁性体の一部を加熱、急冷した際、透磁率2以下
の非磁性部を得ることが困難である。一方、0.80%
を超えると非磁性部の特性は良いが、強磁性部の最大透
磁率を400以上に維持し難くなる。そのため本発明に
おいては、Cの範囲を0.30〜0.80%に規定し
た。Cのより望ましい範囲は、0.45〜0.65%で
ある。なお、本発明の部材は脱酸元素としてSi、M
n、Alの1種以上を、特に磁気特性に影響しない範囲
として合計で2.0%以下含有してもよく、望ましくは
1.0%以下とすると良い。
【0014】次に本発明の透磁率の限定理由を述べる。
本発明の対象となるアクチュエ−タは磁気回路の部品で
あり、強磁性部に望まれる特性としては、軟磁性と磁気
的な応答性が優れていること、また非磁性部に望まれる
特性としては漏れ磁束を遮断し、磁気回路の効率を上げ
ることである。高性能のアクチュエータとして用いるた
めには、前記強磁性部の最大透磁率は400以上とする
必要がある。また非磁性部の透磁率を2以下としたの
は、これを超える範囲では磁束が通り易くなり非磁性と
しての用途に適さなくなるからである。
本発明の対象となるアクチュエ−タは磁気回路の部品で
あり、強磁性部に望まれる特性としては、軟磁性と磁気
的な応答性が優れていること、また非磁性部に望まれる
特性としては漏れ磁束を遮断し、磁気回路の効率を上げ
ることである。高性能のアクチュエータとして用いるた
めには、前記強磁性部の最大透磁率は400以上とする
必要がある。また非磁性部の透磁率を2以下としたの
は、これを超える範囲では磁束が通り易くなり非磁性と
しての用途に適さなくなるからである。
【0015】次に、炭化物の最大粒径を限定した理由に
ついて述べる。本発明において、強磁性部の炭化物の最
大粒径を0.1〜20μmの範囲に規定したのは、0.
1μm未満の範囲では、炭化物として析出しているC量
が少なく、換言すればマトリックスに固溶するC量が多
くなり過ぎて、強磁性部としての組織であるフェライト
組織を維持することが難しくなる。ひいては強磁性部に
必要とされる最大透磁率400以上の特性が得られ難く
なる。逆に炭化物の最大粒径が20μmを超える範囲で
は、非磁性部の形成を目的とした加熱処理をしても、炭
化物が分解し難いために、非磁性のオ−ステナイト相を
形成し難いからである。なお、炭化物の最大粒径の望ま
しい範囲は1〜10μmである。
ついて述べる。本発明において、強磁性部の炭化物の最
大粒径を0.1〜20μmの範囲に規定したのは、0.
1μm未満の範囲では、炭化物として析出しているC量
が少なく、換言すればマトリックスに固溶するC量が多
くなり過ぎて、強磁性部としての組織であるフェライト
組織を維持することが難しくなる。ひいては強磁性部に
必要とされる最大透磁率400以上の特性が得られ難く
なる。逆に炭化物の最大粒径が20μmを超える範囲で
は、非磁性部の形成を目的とした加熱処理をしても、炭
化物が分解し難いために、非磁性のオ−ステナイト相を
形成し難いからである。なお、炭化物の最大粒径の望ま
しい範囲は1〜10μmである。
【0016】次に好ましい範囲として、本発明部材の素
材となるFe−Cr−C系合金のCr量とC量の関係を
規定した理由を述べる。Fe−Cr−C系合金はA3変
態点以下で焼鈍した状態では、(フェライト+炭化物)
主体の組織となって軟磁性を示す。この組織は本発明部
材の強磁性部に相当するものであるが、この組織に含ま
れる炭化物の組成はCr23C6主体であり、素材に含
有されるC量の約4倍量のCrを炭化物として消費す
る。
材となるFe−Cr−C系合金のCr量とC量の関係を
規定した理由を述べる。Fe−Cr−C系合金はA3変
態点以下で焼鈍した状態では、(フェライト+炭化物)
主体の組織となって軟磁性を示す。この組織は本発明部
材の強磁性部に相当するものであるが、この組織に含ま
れる炭化物の組成はCr23C6主体であり、素材に含
有されるC量の約4倍量のCrを炭化物として消費す
る。
【0017】このため、強磁性部の耐食性を確保するた
めには、炭化物として消費されるCrの他に、耐食性に
効果があるフェライト組織中に固溶するCr量を、一定
量以上、確保しておくことが必要となる。本発明者ら
は、この固溶Cr量を12.0%以上とすることで、ア
クチュエ−タに必要な耐食性を確保できることを見出し
た。以上の観点から、好ましいCr量とC量の関係を、
Cr≧12.0+4×Cとした。
めには、炭化物として消費されるCrの他に、耐食性に
効果があるフェライト組織中に固溶するCr量を、一定
量以上、確保しておくことが必要となる。本発明者ら
は、この固溶Cr量を12.0%以上とすることで、ア
クチュエ−タに必要な耐食性を確保できることを見出し
た。以上の観点から、好ましいCr量とC量の関係を、
Cr≧12.0+4×Cとした。
【0018】次に製造工程の限定理由を述べる。先ず、
熱間加工温度を900〜1100℃の範囲としたのは、
900℃未満ではマトリックスに固溶するC量が少なく
炭化物の最大粒径が20μmを超え、逆に1100℃を
超える温度では固溶C量が多くなり過ぎて、最大粒径
0.1μm以上の炭化物が得られないからである。
熱間加工温度を900〜1100℃の範囲としたのは、
900℃未満ではマトリックスに固溶するC量が少なく
炭化物の最大粒径が20μmを超え、逆に1100℃を
超える温度では固溶C量が多くなり過ぎて、最大粒径
0.1μm以上の炭化物が得られないからである。
【0019】また、熱間加工後にA3変態点以下で焼鈍
するのは、熱間加工中に生成した炭化物の核を成長さ
せ、合金素材の硬さを下げ、その後の冷間加工をし易く
するためである。A3変態点以上の温度では炭化物の成
長が十分でなく、硬さを下げる効果が小さいためであ
る。更に、冷間加工を行うのは、合金素材に歪を与える
ことにより、炭化物の加工誘起析出を起させるためであ
り、加工率は40〜90%を施すことが有効である。ま
た、冷間加工後に再度A3変態点以下で焼鈍するのは、
冷間加工中に析出した炭化物を成長、凝集させ炭化物の
最大粒径を0.1〜20μmの大きさに安定化させるた
めである。
するのは、熱間加工中に生成した炭化物の核を成長さ
せ、合金素材の硬さを下げ、その後の冷間加工をし易く
するためである。A3変態点以上の温度では炭化物の成
長が十分でなく、硬さを下げる効果が小さいためであ
る。更に、冷間加工を行うのは、合金素材に歪を与える
ことにより、炭化物の加工誘起析出を起させるためであ
り、加工率は40〜90%を施すことが有効である。ま
た、冷間加工後に再度A3変態点以下で焼鈍するのは、
冷間加工中に析出した炭化物を成長、凝集させ炭化物の
最大粒径を0.1〜20μmの大きさに安定化させるた
めである。
【0020】上述の工程により強磁性化された合金素材
の一部に非磁性部を設ける方法としては、合金素材の一
部をレ−ザ−等で部分的にオ−ステナイト化温度以上に
加熱後、急冷することが望ましい。この部分的な加熱、
急冷処理により、強磁性化された合金素材の一部に、非
磁性のオ−ステナイトを主体とする組織が形成され、透
磁率2以下の非磁性部を設けることができる。この部分
的な非磁性化処理により、合金素材は、単一材で強磁性
部と非磁性部を有する複合磁性部材となる。
の一部に非磁性部を設ける方法としては、合金素材の一
部をレ−ザ−等で部分的にオ−ステナイト化温度以上に
加熱後、急冷することが望ましい。この部分的な加熱、
急冷処理により、強磁性化された合金素材の一部に、非
磁性のオ−ステナイトを主体とする組織が形成され、透
磁率2以下の非磁性部を設けることができる。この部分
的な非磁性化処理により、合金素材は、単一材で強磁性
部と非磁性部を有する複合磁性部材となる。
【0021】この場合の加熱とは、オ−ステナイト化温
度以上〜溶融点以下での固溶体化処理または溶融点以上
での溶融加熱、のいずれの方法を用いても良いが、Ni
を含有しないFe−Cr−C系合金においてNiを含有
した場合と同レベルの低い透磁率を得るためには、非磁
性化温度はできるだけ高い方が望ましく、溶融点以上で
の溶融加熱の方がより望ましい。また非磁性部のオ−ス
テナイトを主体とする組織とは、部分的な加熱後の急冷
処理時にマルテンサイト変態が進行せず、オ−ステナイ
トが大半を占める組織を指す。
度以上〜溶融点以下での固溶体化処理または溶融点以上
での溶融加熱、のいずれの方法を用いても良いが、Ni
を含有しないFe−Cr−C系合金においてNiを含有
した場合と同レベルの低い透磁率を得るためには、非磁
性化温度はできるだけ高い方が望ましく、溶融点以上で
の溶融加熱の方がより望ましい。また非磁性部のオ−ス
テナイトを主体とする組織とは、部分的な加熱後の急冷
処理時にマルテンサイト変態が進行せず、オ−ステナイ
トが大半を占める組織を指す。
【0022】本発明では、オ−ステナイトが大半を占め
る組織であることの指標として、非磁性部をX線回折に
より定量的に調べた時に、次の(1)式を満足すること
とした。 γ/(γ+α‘)≧0.5 ・・・(1) ここで、γとはX線により検出されるオ−ステナイト
(γ)の結晶面γ(111)、γ(200)、γ(22
0)、γ(311)の面集合度の総和であり、α‘とは
マルテンサイト(α‘)の結晶面α‘(110)、α
‘(200)、α‘(211)の面集合度の総和であ
る。(1)式はオ−ステナイトが組織全体の50%以上
を占めることを意味する。本発明は、上述した製造工程
を施すことで、Fe−Cr−C系複合磁性部材をアクチ
ュエータ用途に適用することができたものである。
る組織であることの指標として、非磁性部をX線回折に
より定量的に調べた時に、次の(1)式を満足すること
とした。 γ/(γ+α‘)≧0.5 ・・・(1) ここで、γとはX線により検出されるオ−ステナイト
(γ)の結晶面γ(111)、γ(200)、γ(22
0)、γ(311)の面集合度の総和であり、α‘とは
マルテンサイト(α‘)の結晶面α‘(110)、α
‘(200)、α‘(211)の面集合度の総和であ
る。(1)式はオ−ステナイトが組織全体の50%以上
を占めることを意味する。本発明は、上述した製造工程
を施すことで、Fe−Cr−C系複合磁性部材をアクチ
ュエータ用途に適用することができたものである。
【0023】(実施例1)本発明ではC、Crの含有量
と炭化物の最大粒径が重要となるので、真空溶解でC、
Cr含有量を種々に変えた10kgの鋼塊を得た後、鍛
造を行い、1000℃で熱間圧延を行い、板厚5.0m
mとした。この材料をA3変態点以下の780℃で焼鈍
した後、酸化スケ−ルを除去し、冷間圧延により板厚
1.0mmとした。この冷間圧延材をA3変態点以下の
780℃で再度、焼鈍して強磁性化した合金素材を得
た。該素材を鏡面研磨後、化学的に腐食した試料を走査
型電子顕微鏡で3000倍の視野で10視野以上観察
し、観察される炭化物の最大粒径を求めた。表1に実験
に供した合金素材の化学組成と強磁性化後の炭化物の最
大粒径を示す。
と炭化物の最大粒径が重要となるので、真空溶解でC、
Cr含有量を種々に変えた10kgの鋼塊を得た後、鍛
造を行い、1000℃で熱間圧延を行い、板厚5.0m
mとした。この材料をA3変態点以下の780℃で焼鈍
した後、酸化スケ−ルを除去し、冷間圧延により板厚
1.0mmとした。この冷間圧延材をA3変態点以下の
780℃で再度、焼鈍して強磁性化した合金素材を得
た。該素材を鏡面研磨後、化学的に腐食した試料を走査
型電子顕微鏡で3000倍の視野で10視野以上観察
し、観察される炭化物の最大粒径を求めた。表1に実験
に供した合金素材の化学組成と強磁性化後の炭化物の最
大粒径を示す。
【0024】合金素材No.1〜3は、Cr量をほぼ等
しくし、C量を変化させたものであり、合金素材No.
7はC添加量を低めたもの、合金素材No.8はC添加
量を高めたものである。また合金素材No.2、4、
5、6は、C量をほぼ等しくし、Cr量を変化させたも
のであり、合金素材No.9はCr添加量を高めたもの
である。また合金素材No.1〜9は実質的にNiを含
有せず、合金素材No.10は、特開平9−15780
2号で提案されたNiを含有する複合磁性部材に相当す
る。合金素材No.1〜10の内、耐食性の面から好ま
しい範囲であるCr≧12.0+4×Cを満足している
のはNo.1、No.5〜7、No.9の5個である。
しくし、C量を変化させたものであり、合金素材No.
7はC添加量を低めたもの、合金素材No.8はC添加
量を高めたものである。また合金素材No.2、4、
5、6は、C量をほぼ等しくし、Cr量を変化させたも
のであり、合金素材No.9はCr添加量を高めたもの
である。また合金素材No.1〜9は実質的にNiを含
有せず、合金素材No.10は、特開平9−15780
2号で提案されたNiを含有する複合磁性部材に相当す
る。合金素材No.1〜10の内、耐食性の面から好ま
しい範囲であるCr≧12.0+4×Cを満足している
のはNo.1、No.5〜7、No.9の5個である。
【0025】
【表1】
【0026】炭化物の観察の一例として、強磁性化後の
合金素材No.1の断面におけるミクロ組織を図1に示
す。
合金素材No.1の断面におけるミクロ組織を図1に示
す。
【0027】得られた強磁性体の一部をCO2レ−ザに
よって半溶融化温度に加熱後、水冷し、部分的に非磁性
化した複合磁性部材を得た。更に、CO2レ−ザ加熱に
よる熱影響部以外から、外径45mm、内径33mmの
JISリングを切り出し、1次巻線150回、2次巻線
30回の巻線を行った後、直流磁束計により最大透磁率
μmを求め、強磁性部の磁気特性を評価した。一方、高
周波加熱によって得られた非磁性部は、X線回折分析に
よりオ−ステナイトを主体とする相が形成されているこ
とを確認し、透磁率計を用いて透磁率μの測定を行っ
た。
よって半溶融化温度に加熱後、水冷し、部分的に非磁性
化した複合磁性部材を得た。更に、CO2レ−ザ加熱に
よる熱影響部以外から、外径45mm、内径33mmの
JISリングを切り出し、1次巻線150回、2次巻線
30回の巻線を行った後、直流磁束計により最大透磁率
μmを求め、強磁性部の磁気特性を評価した。一方、高
周波加熱によって得られた非磁性部は、X線回折分析に
よりオ−ステナイトを主体とする相が形成されているこ
とを確認し、透磁率計を用いて透磁率μの測定を行っ
た。
【0028】また複合磁性部材の内、強磁性部と非磁性
部の両方を含む部分から、20mm角のブロックを採取
し、ブロック表面を#500まで研磨し、JIS Z
2371に記載の塩水噴霧試験を行って、耐食性を評価
した。この場合の耐食性の評価は、温度35℃、濃度5
%のNaCl水溶液を100時間、試料に噴霧した時、
錆が発生しないものを耐食性(○)、錆が発生するもの
を耐食性(×)とした。強磁性部の最大透磁率、非磁性
部の透磁率、耐食性の評価結果を表2に示す。
部の両方を含む部分から、20mm角のブロックを採取
し、ブロック表面を#500まで研磨し、JIS Z
2371に記載の塩水噴霧試験を行って、耐食性を評価
した。この場合の耐食性の評価は、温度35℃、濃度5
%のNaCl水溶液を100時間、試料に噴霧した時、
錆が発生しないものを耐食性(○)、錆が発生するもの
を耐食性(×)とした。強磁性部の最大透磁率、非磁性
部の透磁率、耐食性の評価結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】素材に含有されるCが0.30〜0.80
%の範囲でかつ、Crが10.0〜25.0%の範囲の
部材No.1〜6は、最大透磁率400以上の強磁性部
と透磁率2以下の非磁性部が得られている。Cが0.2
2%の部材No.7では、C量が低すぎて透磁率2以下
の非磁性部が得られない。逆にCが0.85%を超える
部材No.8では、非磁性部の特性は良いが、最大透磁
率400以上の強磁性部が得られない。
%の範囲でかつ、Crが10.0〜25.0%の範囲の
部材No.1〜6は、最大透磁率400以上の強磁性部
と透磁率2以下の非磁性部が得られている。Cが0.2
2%の部材No.7では、C量が低すぎて透磁率2以下
の非磁性部が得られない。逆にCが0.85%を超える
部材No.8では、非磁性部の特性は良いが、最大透磁
率400以上の強磁性部が得られない。
【0031】また、素材に含有されるCrが25.7%
の部材No.9とNiを3.05%含有する部材No.
10では強磁性部の最大透磁率400が得られない。以
上の結果から、最大透磁率400以上の強磁性部と透磁
率2以下の非磁性部を得るためにはCを0.30〜0.
80%、Crを10.0〜20.0%の範囲に調整し、
かつNiを含有しないことが有効であることが分かる。
更に好ましい範囲として、本発明部材の内、Cr≧1
2.0+4×Cの関係を満足している部材No.1、N
o.5、No.6の耐食性はいずれも良好となってい
る。
の部材No.9とNiを3.05%含有する部材No.
10では強磁性部の最大透磁率400が得られない。以
上の結果から、最大透磁率400以上の強磁性部と透磁
率2以下の非磁性部を得るためにはCを0.30〜0.
80%、Crを10.0〜20.0%の範囲に調整し、
かつNiを含有しないことが有効であることが分かる。
更に好ましい範囲として、本発明部材の内、Cr≧1
2.0+4×Cの関係を満足している部材No.1、N
o.5、No.6の耐食性はいずれも良好となってい
る。
【0032】(実施例2)本発明では強磁性部の炭化物
の最大粒径を制御する因子として熱間加工温度も重要と
なるため、本発明の範囲である表1の合金素材No.2
を、熱間加工温度を850〜1150℃の範囲で種々に
変えて強磁性部の炭化物の最大粒径と磁気特性を調査し
た。熱間加工温度以外の製造工程ならびに炭化物の最大
粒径と磁気特性の調査方法は(実施例1)と同じであ
る。調査結果を表3に示す。
の最大粒径を制御する因子として熱間加工温度も重要と
なるため、本発明の範囲である表1の合金素材No.2
を、熱間加工温度を850〜1150℃の範囲で種々に
変えて強磁性部の炭化物の最大粒径と磁気特性を調査し
た。熱間加工温度以外の製造工程ならびに炭化物の最大
粒径と磁気特性の調査方法は(実施例1)と同じであ
る。調査結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】炭化物の最大粒径を0.1〜20μmに調
整した合金素材No.11〜13では、強磁性部の最大
透磁率400以上、非磁性部の透磁率2以下の複合磁気
特性を満足している。一方、炭化物の最大粒径が0.1
μm未満の合金素材No.14では最大透磁率400が
得られない。逆に、炭化物の最大粒径が20μmを超え
る合金素材No.15では透磁率2以下の非磁性部が得
られないことがわかる。また炭化物の最大粒径を0.1
〜20μmに調節するためには熱間加工温度を900〜
1100℃にすることが有効であることがわかる。
整した合金素材No.11〜13では、強磁性部の最大
透磁率400以上、非磁性部の透磁率2以下の複合磁気
特性を満足している。一方、炭化物の最大粒径が0.1
μm未満の合金素材No.14では最大透磁率400が
得られない。逆に、炭化物の最大粒径が20μmを超え
る合金素材No.15では透磁率2以下の非磁性部が得
られないことがわかる。また炭化物の最大粒径を0.1
〜20μmに調節するためには熱間加工温度を900〜
1100℃にすることが有効であることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、Fe−Cr−C系合金
の組成と、炭化物の最大粒径を所定の範囲に調整し、か
つ適切な温度範囲での熱間加工と非磁性化処理を行うこ
とにより、一つの部材で強磁性部と非磁性部を併せ持つ
ことができ、Ni等の特殊元素を添加しないFe−Cr
−C系合金を自動車等のアクチュエ−タ用複合磁性部材
に適用するに当たって欠くことのできない技術となる。
の組成と、炭化物の最大粒径を所定の範囲に調整し、か
つ適切な温度範囲での熱間加工と非磁性化処理を行うこ
とにより、一つの部材で強磁性部と非磁性部を併せ持つ
ことができ、Ni等の特殊元素を添加しないFe−Cr
−C系合金を自動車等のアクチュエ−タ用複合磁性部材
に適用するに当たって欠くことのできない技術となる。
【図1】本発明の複合磁性部材の一例を示す顕微鏡写真
である。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%でC:0.30〜0.80%、C
r:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避不純物
の組成でなり、組織における炭化物の最大粒径が0.1
〜20μmに調整された最大透磁率400以上の強磁性
部と、オーステナイトを主体とする組織に調整された透
磁率2以下の非磁性部を有することを特徴とするアクチ
ュエータ用複合磁性部材。 - 【請求項2】 Cr含有量が、Cr≧12.0+4×C
の関係式を満足することを特徴とする請求項1に記載の
アクチュエータ用複合磁性部材。 - 【請求項3】 重量%でC:0.30〜0.80%、C
r:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避不純物
からなる組成を有する合金素材を、900〜1100℃
の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点以下で
焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍した後の炭
化物の最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大透
磁率400以上の強磁性部を有することを特徴とするア
クチュエータ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法。 - 【請求項4】 重量%でC:0.30〜0.80%、C
r:10.0〜25.0%、残部がFeと不可避不純物
からなる組成を有する合金素材を、900〜1100℃
の温度範囲で熱間加工を行い、次いでA3変態点以下で
焼鈍、冷間加工、再度A3変態点以下で焼鈍し、炭化物
の最大粒径が0.1〜20μmに調整された最大透磁率
400以上の強磁性部の一部を局所的にオ−ステナイト
化温度以上に加熱、急冷することでオーステナイトを主
体とする組織に調整された透磁率2以下の非磁性部を形
成することを特徴とするアクチュエータ用複合磁性部材
の非磁性部の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12804099A JP2000036409A (ja) | 1998-05-11 | 1999-05-10 | アクチュエ―タ用複合磁性部材およびアクチュエ―タ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法ならびにアクチュエ―タ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-145121 | 1998-05-11 | ||
JP14512198 | 1998-05-11 | ||
JP12804099A JP2000036409A (ja) | 1998-05-11 | 1999-05-10 | アクチュエ―タ用複合磁性部材およびアクチュエ―タ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法ならびにアクチュエ―タ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000036409A true JP2000036409A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=26463827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12804099A Pending JP2000036409A (ja) | 1998-05-11 | 1999-05-10 | アクチュエ―タ用複合磁性部材およびアクチュエ―タ用複合磁性部材の強磁性部の製造方法ならびにアクチュエ―タ用複合磁性部材の非磁性部の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000036409A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7325564B2 (en) | 2004-03-24 | 2008-02-05 | Keihin Corporation | Linear solenoid valve |
US7388461B2 (en) | 2004-01-21 | 2008-06-17 | Keihin Corporation | Electromagnetic apparatus |
US7487798B2 (en) | 2004-03-31 | 2009-02-10 | Keihin Corporation | Linear solenoid valve |
JP2013028825A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Tohoku Tokushuko Kk | 複合材料及び電磁アクチュエータ |
JP2013505364A (ja) * | 2009-09-21 | 2013-02-14 | アペラム | 機械抵抗の局所変化を有するステンレス鋼 |
-
1999
- 1999-05-10 JP JP12804099A patent/JP2000036409A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7388461B2 (en) | 2004-01-21 | 2008-06-17 | Keihin Corporation | Electromagnetic apparatus |
US7325564B2 (en) | 2004-03-24 | 2008-02-05 | Keihin Corporation | Linear solenoid valve |
US7503347B2 (en) | 2004-03-24 | 2009-03-17 | Keihin Corporation | Linear solenoid valve |
US7487798B2 (en) | 2004-03-31 | 2009-02-10 | Keihin Corporation | Linear solenoid valve |
JP2013505364A (ja) * | 2009-09-21 | 2013-02-14 | アペラム | 機械抵抗の局所変化を有するステンレス鋼 |
JP2013028825A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Tohoku Tokushuko Kk | 複合材料及び電磁アクチュエータ |
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