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JP2000034593A - 金属を還元析出させるための水溶液 - Google Patents

金属を還元析出させるための水溶液

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JP2000034593A
JP2000034593A JP19876398A JP19876398A JP2000034593A JP 2000034593 A JP2000034593 A JP 2000034593A JP 19876398 A JP19876398 A JP 19876398A JP 19876398 A JP19876398 A JP 19876398A JP 2000034593 A JP2000034593 A JP 2000034593A
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aqueous solution
phosphine
acid
solution
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良明 奥濱
Takao Takeuchi
孝夫 武内
Masakazu Yoshimoto
雅一 吉本
Shigeru Takatani
茂 高谷
Emiko Tanaka
恵美子 田中
Masayuki Nishino
雅之 西野
Yuji Kato
祐二 加藤
Yasuto Kobashi
康人 小橋
Kyoko Hisayoshi
京子 久芳
Tetsuya Kondo
哲也 近藤
Keiji Shiomi
圭司 塩見
Keigo Obata
惠吾 小幡
Mitsuo Komatsu
満男 小松
Hidemi Nawafune
秀美 縄舟
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属を還元析出させるための水溶液を提供す
る。 【解決手段】 この水溶液は、(A)ヒドロキシ又はア
ミノ置換アルキル基含有ホスフィンと(B)金属の可溶
性の化合物又は該ホスフィンによって可溶性錯体を形成
して可溶化される金属の化合物とを含有することを特徴
とする。特に、電気めっき、無電解めっき、金属微粒子
の製造及び(又は)金属の回収に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水溶液からの金属の
還元析出技術に関し、特に電気めっき、無電解めっき、
金属微粒子の製造及び(又は)金属の回収に関する。
【0002】
【従来の技術】金属をイオン(単純イオン及び錯体を含
む)として溶解させた溶液から還元析出させて金属を得
る技術は、精錬、金属の回収、めっき或いは金属微粒子
の製造などに利用されている。このような技術において
は、まず金属をイオンとして溶液に溶解させ、長期にわ
たっての操業が可能な溶液を得ることが出発点である。
最も単純には可溶性の金属塩類として溶解させることで
あり、そのためには硫酸塩、塩化物、硝酸塩、スルホン
酸塩、ホウフッ酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩等各
種の塩類が用いられてきた。また、このような単純塩が
溶解しない場合やそのような溶液からでは適切な物性の
金属皮膜や金属粒子が得られにくい場合には錯体の形で
溶液とすることが行われる。シアンは古くから安定な溶
液を提供する錯化剤として用いられて来た代表と言え
る。また、錯体は合金皮膜や合金粒子を得ようとする場
合に2種以上の金属の析出電位を接近させて、その所望
する組成の合金を得るという目的や、また、金属の析出
の際の核発生とその核を起点としての結晶の成長のバラ
ンスを制御して所望する物性の金属や合金を得るという
目的にも利用される。公害問題からシアンの使用を制限
しようとする動きとも相俟って、上述のような多様な目
的に、それぞれに応じて多種多様な錯化剤が開発され利
用されてきた。例えば、無機系の錯化剤としては、例え
ばヨウ素イオン、臭素イオンなどのハロゲン、例えばピ
ロリン酸イオン、トリポリリン酸イオンなどの縮合リン
酸系錯化剤、例えばチオ硫酸イオン、亜硫酸イオンなど
の硫黄の酸素酸イオン類など、また、有機系の錯化剤と
しては、例えばクエン酸、酒石酸、グルコン酸などのカ
ルボン酸或いはオキシカルボン酸系の錯化剤、例えばE
DTA、DTPA、IDA、NTA等のアミンカルボン
酸系の錯化剤、例えば尿素、チオ尿素、コハク酸イミ
ド、ヒダントイン、各種のメルカプトカルボン酸、各種
のチオエーテル等の窒素又は硫黄若しくはその両者を含
む化合物等、枚挙に暇がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
多様な錯化剤を単独又は併用して金属を還元析出させる
ための水溶液を調製しても、上述した目的、即ち、溶液
の安定性を初めとして、析出電位の制御、結晶成長の制
御等において工業的に満足し得ない場合も未だ多い。例
えば、金の電解めっき及び無電解めっき液においては、
非シアンの溶液を調製するために亜硫酸、チオ硫酸、メ
ルカプトカルボン酸などが提案されており、一部で工業
化されているが、溶液のライフが短く、まためっき皮膜
中に硫黄が共析するという問題も抱えている。また、金
皮膜の硬度を高くするために、そのような溶液にさらに
ニッケル、コバルト、アンチモン、錫等の金属を微量添
加して共析させることが試みられているが、これら金属
元素の添加によって溶液の安定性を一層低下させる結果
となっている。また、例えば、銀の電気めっきにおいて
も、非シアンの溶液が望まれ、ヨウ素、こはく酸イミド
等を錯化剤とする溶液が一部で工業化されているが、や
はり溶液の安定性、密着性などに問題を残しており、広
く利用されるに至っていない。また、例えば、パラジウ
ムの無電解めっき液においてはアンミン錯体が利用され
ているが溶液の安定性に問題がある。また、例えば、電
気特性に優れた銀−パラジウム合金を電気めっきするた
めにアンモニア、亜硝酸、エチレンジアミン、ピロリン酸、
グリシン、ハロゲン、チオシアン酸など多くの錯化剤が検
討されてきたが、未だに工業的に満足され広く利用され
る溶液は開発されていない。また、例えば銀-錫合金皮膜
は銀の持つ接触電気抵抗特性の良好さと耐変色性に優れ
るためにその利用が期待されてきたが、両金属の析出電
位の大きい隔たりのために、溶液の安定性に優れ、所望す
る組成を有する皮膜の得られ易い溶液の開発が困難なた
めに広く工業的に利用されるに至っていない。
【0004】安定した溶液を提供するという第一義的問
題を解決した上で、種々の諸問題を解決するために、例
えば特開昭63−259093にはロジウムを電解回収
するための溶液にスルホン化フォスフィンを利用した例
が開示されている。また、例えば特開平8−25741
8には遷移金属とホスフィンを主体とした触媒の電気化
学的製造方法にスルホン化フォスフィンを利用した例が
開示されている。また、特開平8−225985には、
ビスマス−錫合金めっき浴において析出物中のビスマス
の含有率の変動及びビスマスの置換析出を抑制するため
に、低級アルキルホスフィン、シクロアルキルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン、或いはア
ルキルホスホン酸、ヒドロキシアルカンジホスホン酸等
を用いた例が開示されている。
【0005】しかしながら、例えば上記特開平8−22
5985に開示の低級アルキル、シクロアルキル又はフ
ェニルホスフィン等は、これらの化合物が本質的に水溶
性ではないために、該出願に説明されているような1〜
500g/lという濃度で使用することは困難を極め
る。また、水溶性を持たせるためにスルホン基を導入し
たスルホン化フォスフィンは高価な化合物となり、工業
的にはロジウム等の特に価格の高い金属に対してしか用
いることができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らは金属を
還元析出させるための水溶液における上述のごとき錯化
剤の問題を解決すべく鋭意研究の結果、アルキルホスフ
ィンのアルキル基の一つの水素を−OH又は−NH2
置換したヒドロキシ又はアミノ置換アルキル基含有ホス
フィンが、スルホン化フォスフィンに比べて安価に製造
することができる上、水に容易に溶解して極めて容易に
濃度の高い水溶液を調製することができ、かつ他のホス
フィン類に比べて臭気が極めて少なく、パーマネントウ
エーブ用の薬液に用いられていることからもわかるよう
に安全であると同時に、貴金属を初めとして多くの金属
と錯化し極めて安定な溶液を与え、単一及び(又は)合
金の良好なめっき皮膜の形成あるいは微粒子の作成を可
能とすることを見い出し、上記問題を解決した。
【0007】即ち、本発明は、(A)一般式(1)
【化2】 [ここで、R1 、R2 及びR3 は低級アルキル基を表す
が、それらの少なくとも一つはヒドロキシ又はアミノ置
換低級アルキル基を表す。]で表されるホスフィンと、
(B)金属の可溶性の化合物又は該ホスフィンによって
可溶性錯体を形成して可溶化される金属の化合物を含有
することを特徴とする金属を還元析出させるための水溶
液である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の金属を還元析出させるた
めの水溶液は、ヒドロキシ又はアミノ置換アルキル基含
有ホスフィンと金属の可溶性の化合物又は該ホスフィン
によって可溶性錯体を形成して可溶化される金属の化合
物とを水に溶解することによって容易に製造することが
できる。
【0009】式(1)で示されるホスフィンは、R1
2 及びR3 の少なくとも一つがヒドロキシ又はアミノ
置換低級アルキル基を含有するものである。特に好まし
いものは、R1 、R2 及びR3 の全てがヒドロキシ又は
アミノ置換低級アルキル基であるホスフィン、即ちトリ
ス(ヒドロキシ又はアミノ置換低級アルキル)ホスフィ
ンである。低級アルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、ペンチル等が好適に用いられるが、中
でもメチル、エチル及びプロピルが好ましく、特にプロ
ピルが一層好適に用いられる。ヒドロキシ又はアミノ基
はアルキル基の任意の位置に置換していてよい。一層好
適に使用される該ホスフィンは、トリス(ヒドロキシメ
チル)ホスフィン、トリス(2−ヒドロキシエチル)ホ
スフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィ
ン、トリス(3−アミノプロピル)ホスフィンであり、
これらのうちで特に好適なものはトリス(3−ヒドロキ
シプロピル)ホスフィンる。
【0010】本発明で使用される式(I)のホスフィン
は、当業者に知られており、容易に入手でき、又は例え
ば刊行物:Inorg.Chem.1992,31,
p.3026又はInorganica Chimic
a Acta 217(1994),p.201に記載
された方法に従って製造することができる。
【0011】本発明の金属を還元析出させるための水溶
液に用いられる該ホスフィンの濃度は、金属の濃度を初
めとして、溶液の使用目的及び条件によって適宜変更す
ることができるが、概ね溶液中で該ホスフィンによって
錯化させようとする金属の濃度の1〜10000倍が用
いられる。電気めっき若しくは無電解めっきを目的とし
て該溶液を用いる場合には、1〜300倍程度が一層好
適に用いられる。貴金属を抽出し還元析出させる回収等
の目的に該溶液を用いる場合には金属が微量の場合には
100〜10000倍が、一般には100〜1000倍
が、金属濃度が比較的高い場合には10〜500倍が用
いられる。
【0012】本発明の金属を還元析出させるための水溶
液には、金属の種類として、銅、銀、金、亜鉛、カドミ
ウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ素、アン
チモン、ビスマス、クロム、モリブデン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から選ばれる
1種又は2種以上が含有される。また、これらの金属と
共析させる場合には、リン、ホウ素又はタングステンを
含む化合物の1種又は2種以上をさらに含有させること
ができる。
【0013】本発明の金属を還元析出させるための水溶
液に用いられる上記の金属は、水溶性の化合物又は該ホ
スフィンによって水溶性錯体を形成して可溶化される金
属の化合物が用いられる。それらの化合物として公知の
化合物がいずれも用いられるが、それらには、上記金属
の例えば塩化物、臭化物、フッ化物等のハロゲン化物、
硫酸、亜硫酸、チオ硫酸、硝酸、亜硝酸、チオシアン
酸、例えば酢酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、グルコ
ン酸等のカルボン酸或いはオキシカルボン酸等、脂肪族
及び芳香族スルホン酸塩、ハロゲン化アルキルスルホン
酸、チオカルボン酸、アミノ酸、チオアミノ酸等、ED
TA等のアミンカルボン酸、エチレンジアミン、アンモ
ニア等との塩や錯体、上記金属の酸素酸塩、上記金属の
酸化物等の化合物が含まれる。
【0014】本発明の金属を還元析出させるための水溶
液は、電流を通じることによって溶液中の金属イオンを
還元析出させる電気めっき溶液や金属の回収のための溶
液として、また溶液中に溶解させた還元剤の作用によっ
て化学的に還元析出させる無電解めっき液或いは金属微
粒子の製造などに用いられる。また、溶解可能な素地と
のイオン化傾向の差異によって還元析出させる置換型無
電解めっき液もこの範疇に入る。
【0015】リン、ホウ素又はタングステンは、単独で
は用いられないが、リン又はホウ素は、それらを含む化
合物を本発明の金属を還元析出させるための水溶液に併
用し含有させることによって、電気めっき又は無電解め
っきによってそれらの合金を析出させることができる。
また、タングステンを含む化合物は、鉄、コバルト又は
ニッケルと併用して用いて電気めっきによってそれらの
金属との合金を析出させることができる。
【0016】上述の金属の使用量は、該溶液の目的によ
って適宜変更することができるが、一般には、めっき液
として用いる場合には0.1〜100g/lであり、該
溶液を金属の回収のために使用する場合には、還元析出
させる段階では一般にめっき液と同じく0.1〜100
g/lであるが、濃縮前の段階においてはppbのオー
ダーの溶液にも適用できる。
【0017】本発明の金属を還元析出させるための水溶
液には、その目的に応じて、公知の界面活性剤、平滑化
剤、半光沢剤、光沢剤、安定化補助錯化剤、隠蔽錯化
剤、pH緩衝剤及び(又は)酸化防止剤等をさらに添加
して用いることができる。
【0018】界面活性剤として好適に用いられる化合物
には、従来からめっき浴において用いられてきたカチオ
ン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、両性界面活性剤のいずれもが、適宜単独又は
併用して用いられる。
【0019】好適な界面活性剤としては、カチオン系界
面活性剤には、テトラ低級アルキルアンモニウムハライ
ド、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ヒドロ
キシエチルアルキルイミダゾリン、ポリオキシエチレン
アルキルメチルアンモニウムハライド、アルキルベンザ
ルコニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウム
ハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハラ
イド、アルキルアミン塩酸塩、アルキルアミン酢酸塩、
アルキルアミンオレイン酸塩、アルキルアミノエチルグ
リシン、アルキルピリジニウムハライド系等が含まれ
る。
【0020】アニオン系界面活性剤には、アルキル(又
はホルマリン縮合物)−β−ナフタレンスルホン酸(又
はその塩)、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩
系、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキル(又はアルコキシ)ナフタレンス
ルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル硫酸エステル酸塩、高級アルコールリン酸モノエステ
ル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸
(塩)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテ
ルリン酸塩、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルリ
ン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、
アルカノイルザルコシン、アルカノイルザルコシネー
ト、アルカノイルメチルアラニン塩、アルキルスルホ酢
酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、アルキル脂肪酸グリ
セリン硫酸エステル塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫
酸塩、アルキルスルホカルボン酸エステル塩、アルキル
スルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アル
キルポリオキシエチレンスルホコハク酸、スルホコハク
酸モノオレイルアミドナトリウム塩(又はアンモニウ
ム、TEA塩)等が含まれる。
【0021】ノニオン系界面活性剤には、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキ
シアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテ
ル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフ
チル)エーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェ
ニルエーテル(又は該フェニル基にさらにポリオキシア
ルキレン鎖を付加した活性剤)、ポリオキシアルキレン
ビスフェノールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソル
ビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、エチレン
ジアミンのポリオキシアルキレン縮合物付加物、ポリオ
キシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンヒ
マシ(又は/及び硬化ヒマシ油)油、ポリオキシアルキ
レンアルキルフェニルホルマリン縮合物、グリセリン
(又はポリグリセリン)脂肪酸エステル、ペンタエリス
リトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノ(セスキ、ト
リ)脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ(ジ)エタノール
アミド、アルキル・アルキロールアミド、オキシエチレ
ンアルキルアミン等が含まれる。
【0022】両性界面活性剤には、2−アルキル−N−
カルボキシメチル(又はエチル)−N−ヒドロキシエチ
ル(又はメチル)イミダゾリニウムベタイン、2−−ア
ルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−カ
ルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、ジメチルアルキルベタイン、N−アルキル−β−ア
ミノプロピオン酸(又はそのナトリウム塩)、アルキル
(ポリ)アミノエチルグリシン、N−アルキル−N−メ
チル−β−アラニン(又はそのナトリウム塩)、脂肪酸
アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が含まれ
る。
【0023】これら界面活性剤の使用量は、適宜選択さ
れるが、概ね0.001g/l〜50g/lの範囲で用
いられ、さらに好適には0.01g/l〜50g/lの
範囲で用いられる。
【0024】本発明に用いる金属を還元析出させるため
の水溶液には、該ホスフィンに加えてさらに、溶液を安
定化させるための補助錯化剤あるいは、装置やその錆び
の破片など作業環境に浮遊し該溶液に混入した金属微粒
子やめっき対象物などから溶出した不純物金属イオン、
例えば銅、ニッケル、鉄などのイオンが、目的とする析
出金属に共析したり、該溶液を劣化させるのを防止又は
抑制するために、不純物金属隠蔽錯化剤を併用添加する
ことができる。
【0025】該安定化させるための補助錯化剤或いは不
純物金属隠蔽錯化剤としては、一般に錯化剤として使用
されている公知の化合物を適宜単独又は併用して用いる
ことができるが、好適に用いられる錯化剤には、例えば
グリコール酸、マロン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ク
エン酸又はグルコン酸などのオキシカルボン酸又は多価
カルボン酸(及びそれらの塩)、例えばアセチルシステ
イン、メルカプト琥珀酸などのチオカルボン酸、例えば
システイン、メチオニン等のアミノ酸やチオアミノ酸、
例えばジチオジアニリン、ジチオジピリジン等のジスル
フィド類又はスルフィド類、例えばチオ尿素、トリメチ
ルチオ尿素、アリルチオ尿素等のチオ尿素誘導体等が好
適に用いられる。
【0026】また、アミンカルボン酸としてエチレンジ
アミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,
N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノヒドロキシ
プロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、、ジエチルト
リアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸、N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、イミノ二酢
酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸など(及
びそれらの塩)も好適に用いられる。
【0027】そのような効果を発揮させるための、該安
定化させるための補助錯化剤或いは不純物金属隠蔽錯化
剤の使用量は一般に1〜100g/lであり、一層好適
には、1〜20g/lが用いられる。
【0028】その他に、該溶液には、pH緩衝剤、酸化
防止剤の1種又は2種以上を添加して一層溶液の安定化
あるいは皮膜物性の改善等を図ることもできる。さら
に、電気めっき或いは無電解めっき液として用いる場合
には、すでに公知の平滑化剤、半光沢剤、光沢剤の1種
又は2種以上を含有させて緻密な皮膜を得るために資す
こともできる。このときにもpH緩衝剤、酸化防止剤等
を用いることができるのは当然である。
【0029】以上述べた本願発明の金属を還元析出させ
るための水溶液は、水溶液からの金属イオンの電流によ
る還元即ち電気めっき、水溶液からの金属イオンの還元
剤による還元即ち還元型無電解めっき又は金属微粒子の
製造或いは金属の回収、水溶液からの金属イオンの素地
との置換反応による還元即ち置換型無電解めっき等に用
いられる。多種類の金属或いは合金の還元析出に対して
適用できるが、安定で安全な溶液を調製することが困難
な貴金属及びそれらの合金の還元析出に対して特に好適
に用いられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記数例の実施例に限定されるもので
はなく、用途・目的によって請求の範囲内で適宜その条
件を変更して用いることができる。
【0031】実施例1 下記の組成を有する水溶液を調製した。 メルカプトコハク酸金(金として) 10 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 100 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 6 温度 50 ℃ 電流密度 1 A/dm2 で電気めっきを行い、良好な金めっき皮膜を得た。
【0032】実施例2 下記の組成を有する水溶液を調製した。 トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン金(金として) 2 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 20 g/l EDTA 5 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 7 温度 85 ℃ で無電解ニッケル−リン合金めっき上に無電解金めっき
を行い、良好な金めっき皮膜を得た。
【0033】実施例3 下記の組成を有する水溶液を 塩化金(金として) 5 g/l 塩化ニッケル 0.1 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 70 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 6 温度 30 ℃ でニッケル電気めっき上に電気金−ニッケル合金めっき
を行い、若干白色を帯びた良好な金−ニッケル合金めっ
き皮膜を得た。
【0034】実施例4 下記の組成を有する水溶液を調製した。 メタンスルホン酸銀(銀として) 20 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 100 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH(メタンスルホン酸にて調整) 0.98 温度 25 ℃ 電流密度 1 A/dm2 で銅板上に電気銀めっきを行い、良好な銀めっき皮膜を
得た。
【0035】実施例5 下記の組成を有する水溶液を調製した。 メタンスルホン酸錫(2価の錫として)7 g/l メタンスルホン酸銀(銀として) 5 g/l メタンスルホン酸(遊離酸) 80 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 100 g/l この水溶液にさらにメタンスルホン酸の20%水溶液を
ゆっくりと滴下した。2価錫の還元力によって触媒用の
100nm以下の微細な銀微粒子が得られた。
【0036】実施例6 下記の組成を有する水溶液を調製した。 メタンスルホン酸錫(2価の錫として)20 g/l メタンスルホン酸銀(銀として) 10 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 208 g/l メタンスルホン酸 100 g/l この水溶液を使用して下記の条件 温度 25 ℃ 電流密度 2 A/dm2 で銅板上に電気銀−錫合金めっきを行い、良好な光沢銀
−錫合金めっき皮膜を得た。蛍光X線による半定量の結
果、銀含有率は約60wt%であった。
【0037】実施例7 銀−パラジウム電気めっき 下記の組成を有する水溶液を調製した。 塩化パラジウム 6 g/l グリシン 75 g/l 硝酸銀(銀として) 2 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 160 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 9 電流密度 1 A/dm2 で、銅板上に電気銀−パラジウム合金めっきを行い、良
好な銀色の銀−パラジウム合金めっき皮膜を得た。ED
AXにて銀及びパラジウムの量金属が存在することを確
認した。
【0038】実施例8 下記の組成を有する水溶液を調製した。 2−ヒドロキシプロパンスルホン酸錫 (2価の錫として) 20 g/l メタンスルホン酸銅(銅として) 10 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 200 g/l メタンスルホン酸 100 g/l この水溶液を使用して下記の条件 温度 30 ℃ 電流密度 1 A/dm2 で、銅板上に電気銅−錫合金めっきを行い、良好な銅−
錫合金めっき皮膜を得た。蛍光X線による半定量の結
果、銅含有率は約70wt%であった。
【0039】実施例9 下記の組成を有する水溶液を調製した。 塩化パラジウム 1 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 20 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 7 温度 50 ℃ dせ、銅板上に電気ニッケルめっきを施し、その上に無
電解パラジウムめっきを行い良好なパラジウムめっき皮
膜を得た。
【0040】実施例10 下記の組成を有する水溶液を調製した。 トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン−ロジウム 錯体溶液(ロジウムとして) 1 g/l この水溶液を疑似廃液として使用し、下記の条件 pH 2 温度 室温 で、黒鉛を陽極、銅板を陰極として、−0.4V(v
s.SCE)に電位規制して電解した。灰色の析出物を
得た。蛍光X線にてロジウムが含まれることを確認し、
水溶液からロジウムが電気分解によって回収されること
を確認した。
【0041】実施例11 下記の組成を有する水溶液を調製した。 トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン−白金 錯体溶液(白金として) 2 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 15 g/l ヒドラジン水和物 2 ml/
l 塩酸ヒドロキシルアミン 0.1 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH(アンモニア水で調整) 11 温度 60 ℃ で、銅板上に電気ニッケルめっきを施し、その上に無電
解白金めっきを行い、良好な白金めっき皮膜を得た。
【0042】実施例12 下記の組成を有する水溶液を調製した。 塩化パラジウム 6 g/l グリシン 75 g/l スルファミン酸インジウム (インジウムとして) 2 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 160 g/l この水溶液を使用して下記の条件 pH 9 電流密度 1 A/dm2 で、銅板上に電気パラジウム−インジウム合金めっきを
行い、良好な銀色のパラジウム−インジウム合金めっき
皮膜を得た。EDAXにてパラジウム及びインジウムの
両金属が存在することを確認した。
【0043】実施例13 下記の組成を有する水溶液を調製した。 メタンスルホン酸錫(錫として) 25 g/l メタンスルホン酸銀(銀として) 0.6 g/l メタンスルホン酸 70 g/l トリス(3−ヒドロキシプロピル) ホスフィン 21 g/l トリメチルチオ尿素 7 g/l 2−メルカプトベンゾチアゾール シクロヘキシルアミン塩 0.1 g/l ノイゲンEN(第一工業製薬(株)) 1 g/l テクスノールR−5(日本乳化剤(株))1 g/l ハイドロキノン 1 g/l この水溶液を使用して下記の条件 温度 25 ℃ 電流密度 5 A/dm2 で銅板上に電気錫−銀合金めっきを行い、良好な錫−銀
合金めっき皮膜を得た。蛍光X線による半定量の結果、
銀含有率は約7%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 雅一 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 高谷 茂 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 田中 恵美子 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 西野 雅之 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 加藤 祐二 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 小橋 康人 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 久芳 京子 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 近藤 哲也 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 塩見 圭司 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 小幡 惠吾 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8株式 会社大和化成研究所内 (72)発明者 小松 満男 大阪府茨木市西駅前町4−921 (72)発明者 縄舟 秀美 大阪府高槻市真上町5丁目38−34 Fターム(参考) 4K001 AA01 AA03 AA04 AA05 AA06 AA07 AA08 AA09 AA10 AA12 AA16 AA17 AA19 AA20 AA21 AA24 AA30 AA41 DB17 DB21 HA10 HA12 4K017 AA03 AA04 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 EA01 EJ01 EJ02 FB07 4K023 AA11 AA12 AA13 AA14 AA15 AA16 AA17 AA18 AA19 AA22 AA24 AA25 AA26 AA27 AA30 AB33 AB38 AB40 AB42 AB46 BA08 BA29 CA09 4K058 AA17 AA30 BA07 BA13 BA14 BA16 BA17 BA18 BA19 BA20 BA21 BA22 BA23 BA24 BA25 BA27 BA28 BA29 BA30 BA31 BB02 CA02 CA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(1) 【化1】 [ここで、R1 、R2 及びR3 は低級アルキル基を表す
    が、それらの少なくとも一つはヒドロキシ又はアミノ置
    換低級アルキル基を表す。]で表されるホスフィンと、 (B)金属の可溶性の化合物又は該ホスフィンによって
    可溶性錯体を形成して可溶化される金属の化合物を含有
    することを特徴とする金属を還元析出させるための水溶
    液。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるホスフィンがト
    リス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンであること
    を特徴とする請求項1記載の金属を還元析出させるため
    の水溶液。
  3. 【請求項3】 金属が銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、
    インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ素、アンチモ
    ン、ビスマス、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コ
    バルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
    ム、オスミウム、イリジウム及び白金から選ばれる1種
    又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の金属を還元析出させるための水溶液。
  4. 【請求項4】 さらに、リン、ホウ素又はタングステン
    を含む化合物の1種又は2種以上を含有させてなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属を還
    元析出させるための水溶液。
  5. 【請求項5】 電気めっき又は無電解めっきに用いる請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属を還元析出させるた
    めの水溶液。
  6. 【請求項6】 金属微粒子の製造又は金属の回収に用い
    る請求項1〜4のいずれかに記載の金属を還元析出させ
    るための水溶液。
  7. 【請求項7】 さらに界面活性剤、半光沢剤、平滑化
    剤、光沢剤、安定化補助錯化剤、隠蔽錯化剤、pH緩衝
    剤及び(又は)酸化防止剤の1種又は2種以上を含有さ
    せてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の金属を還元析出させるための水溶液。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の金属を
    還元析出させるための水溶液を用いて得られた金属(又
    は合金)の皮膜或いは金属微粒子。
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