JP2000032659A - 同期発電機の制御装置 - Google Patents
同期発電機の制御装置Info
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Abstract
ための電力系統の数学モデルを低次元化し、計算負荷の
低減、安定化を図る。 【解決手段】 電力系統内の同期発電機の励磁系制御装
置及び調速系制御装置を備えた同期発電機の制御装置で
あって、制御対象同期発電機と、この発電機に同期した
他の同期発電機と、これらの同期発電機が接続された送
電線、変圧器等の各種電力機器とからなる電力系統の数
学モデルを線形マトリクスにより表現した線形マトリク
ス方程式を制御モデルとして持ち、制御対象同期発電機
を複数の状態量によって制御する同期発電機の制御装置
に関する。実際の電力系統の電気的特性を保持したまま
で、制御対象同期発電機を除く他の同期発電機及び電力
用機器の数を減少させた簡略的な数学モデルを構築し、
この数学モデルに基づく線形マトリクス方程式を制御モ
デルとする。
Description
や原子力発電所、水力発電所等の発電プラントにおける
同期発電機の制御装置に関し、特に、同期発電機の励磁
系及び調速系の制御装置に関するものである。
は、電力系統に接続された同期発電機の界磁回路の直流
電圧波高値を調整し、発電機の主巻線側に発生する三相
交流電圧の波高値を調節するものとして知られている。
また、同期発電機の調速系制御装置は、同期発電機の機
械的トルク(例えば、火力発電設備の場合には蒸気流
量、水力発電設備の場合には導水管の水流量)を調節
し、同期発電機の発生出力(電気的出力)を調節するも
のとして知られている。そして、これらの励磁系制御装
置及び調速系制御装置を統合して制御することが可能
な、同期発電機の励磁・調速系制御装置が既に知られて
いる。
同期発電機と、この発電機が接続されて同期運転してい
る他の複数の同期発電機と各種電力機器(例えば送電線
や変圧器等)とによって構成された電力系統全体の数学
モデルを線形マトリクスで表現し、その線形マトリクス
方程式を用いて制御装置の制御モデルを設計するもので
ある。
系統は多数の同期発電機や各種電力機器によって構成さ
れるが、それらの数は膨大であり、例えば数百、数千と
いった数である。このような実際の電力系統に、従来技
術によって設計された励磁・調速系制御装置を適用する
と、その数学モデルの次数は莫大になり、一般的な計算
機によって計算できる範囲を大きく超えることになる。
また、同期発電機が接続された電力系統の規模によって
数学モデルの次数が大きく変わるため、計算機に係る計
算負荷の見積もりが不可能になる。
次数を削減するとともに、この次数を電力系統の規模に
関わりなく一定にして計算負荷の削減、安定化を可能に
した同期発電機の励磁・調速系の制御装置を提供しよう
とするものである。
め、請求項1記載の発明では、電力系統の数学モデルの
次数を削減するため、例えば電力系統上のある地点での
故障により発生する系統の電力動揺周波数のような、実
際の電力系統が持つ特性を解析し、この特性を保持した
まま、制御対象同期発電機を除く他の同期発電機や各種
電力機器の数を削減した電力系統の簡略的な数学モデル
を構築する。構築された数学モデルは、実際の電力系統
と比較して発電機数や各種電力機器数が削減されている
ため、この数学モデルに基づく線形マトリクスの次数は
同期発電機数や各種電力機器数に比例することとなり、
低次元化が可能になる。
の数学モデルの次数を削減するため、実際の電力系統
を、制御対象同期発電機を含む制御対象発電機部分とそ
れ以外の他の同期発電機及び電力機器からなる縮約対象
系統とに分割する。そして、縮約対象系統を数学モデル
で表現した線形マトリクスの固有値を計算し、縮約対象
系統と制御対象発電機部分との接続点における、例えば
制御対象同期発電機の端子電圧を入力として電機子電流
を出力とした入出力特性に基づき、上記固有値の固有振
動数から感度の低いものを選定し、これらの固有値を削
除した新たな線形マトリクスを構築する。この新たな線
形マトリクスは、実際の電力系統の数学モデルを線形マ
トリクスとして表現した場合に比べて、低次元のものと
なる。この線形マトリクスによって制御装置の制御モデ
ルを設計することにより、大規模な電力系統に接続され
た同期発電機への適用に当たり、実際の系統規模に関わ
りなく、制御モデルの次数が一定に保たれ、いかなる系
統に接続された同期発電機に対しても計算が可能になる
とともに、計算負荷を同一にすることができる。
態を説明する。一般に、電力系統の数学モデルは、シス
テムが線形微分方程式で表される場合、数式1に示す状
態方程式及び数式2に示す出力方程式(観測方程式)に
よって表すことができる。
を示す係数マトリクス、 Ai,Bi: i番目の発電機の係数マトリクス、 x:状態変数、 u:入力、 y:出力、 である。
ルから、本発明に係る励磁・調速系制御装置の設計を行
うに当たり、制御対象同期発電機の動特性を示す動特性
方程式は一般に数式3、数式4によって表される。
に9台の同期発電機1〜9と9台の変圧器11〜19、
及びこれらを接続する送電線20によって構成されてい
るものと考える。ここでは、同期発電機1が、励磁・調
速系制御装置の適用発電所における制御対象同期発電機
であると仮定する。
電力系統の持つ特性を保持したまま、図2に示すよう
に、制御対象同期発電機1を除いた電力系統内の他の発
電機群を、各々付随する変圧器とともにグループGR
1,GR2,GR3に分割する。ここで、他の発電機群
のグループ分けに当たっては、例えば、系統内のある地
点で故障が発生した場合の動揺周波数等の系統特性に着
目し、これを解析してその特性を保持したまま、全体の
同期発電機及び付随する電力機器の数を削減するように
グループ分けを行う。そして、図3に示すように、各グ
ループGR1,GR2,GR3にそれぞれ1台の同期発
電機G1,G2,G3を割り当てる。なお、各グループ
GR1,GR2,GR3内に複数の変圧器がある場合に
は、それらの変圧器も1台の変圧器に置き換える。すな
わち、図3において、グループGR1内の変圧器TR1
は図1の変圧器12〜14に相当し、グループGR2内
の変圧器TR2は図1の変圧器15〜19に相当する。
の同期発電機1以外に3台の同期発電機G1,G2,G
3及び3台の変圧器11,TR1,TR2からなる簡略
的なモデルに置き換えられる。この図3の構成を前述の
図1と比較すると、制御対象同期発電機1を除いた電力
系統の構成は、同期発電機や変圧器等の電力機器の数が
削減されている。ここで、先に示した数式3の右辺第3
項と数式4の右辺第2項は、同期発電機の数によって次
元が決定されるため、図3の電力系統モデルを使用する
ことにより、励磁・調速系制御装置の設計に使用する電
力系統の数学モデルを低次元化することができる。
を説明する。この発明では、図1の実際の電力系統を、
図4に示すように制御対象の同期発電機1を含む制御対
象発電機部分31と、他の同期発電機2〜9、変圧器1
1〜19、送電線20からなる縮約対象系統32とに分
割する。これらの分割された部分31及び系統32は、
送電線20を介して、連系点(制御対象発電機部分31
と縮約対象系統32との接続点)の電圧及び電流によっ
て連系されていると考えると、制御対象発電機部分31
の動特性方程式(状態方程式及び出力方程式)は数式5
により、また、縮約対象系統32に含まれる発電機の状
態変数ベクトル及び連系点の電流は、数式6により表す
ことができる。
わない場合における制御対象同期発電機1の動特性を示
す動特性方程式は、数式7に示すとおりである。
対象系統32との接続点の電流、電圧、 x1,y1:図4における制御対象発電機部分31の状態
変数ベクトル及び出力変数ベクトル、 x2:図4における縮約対象系統32に含まれる同期発
電機の状態変数ベクトル、 A1,B1,C1,E,F:図4における制御対象発電機
部分31に関する定数行列、 A2,B2,C2,G:図4における縮約対象系統32に
関する定数行列、である。
現した場合の線形マトリクスの固有値を計算してマトリ
クスの持つ固有振動数を解析し、例えば、図4における
制御対象発電機部分31と縮約対象系統32との接続点
における電圧vTを入力として前記接続点における電流
iTを出力とした場合の入出力特性から、固有値の固有
振動数に対して感度が低い(影響が少ない)ものを選択
し、これらの固有値を削除した新たな線形マトリクスを
構築すると、前述の数式6に比べて次元の低い数式8が
得られる。
付したすべてのマトリクスは、数式6における「^」を
付していない同じアルファベットのマトリクスと比べて
次元が低いものを示している。従って、数式8における
iTを数式5に代入することにより、制御対象同期発電
機1の動特性を示す動特性方程式は数式9のようにな
り、前述の数式7に比べて低次元化される。
の発明によれば、多数の同期発電機や各種電力機器を有
する実際の電力系統の数学モデルを低次元化することに
より、実際の電力系統に対して、系統の規模に関わりな
く制御モデルの次数が一定に保たれ、いかなる系統に接
続された同期発電機に対しても適用が可能になるととも
に、計算機の負荷を一定に保つことができる。
る。
するための図である。
す図である。
分及び縮約対象系統の説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電力系統に接続されている同期発電機の
界磁回路の直流電圧の波高値を調整して同期発電機の主
巻線側に発生する三相交流電圧の波高値を調節する励磁
系制御装置と、前記同期発電機の機械的トルクを調節し
て同期発電機の発生出力を調整する調速系制御装置とを
備えた同期発電機の制御装置であって、制御対象同期発
電機と、この発電機に同期した他の同期発電機と、これ
らの同期発電機が接続された送電線、変圧器等の各種電
力機器とからなる電力系統の数学モデルを線形マトリク
スにより表現した線形マトリクス方程式を制御モデルと
して持ち、制御対象同期発電機を複数の状態量によって
制御する同期発電機の制御装置において、 実際の電力系統の電気的特性を保持したままで、制御対
象同期発電機を除く他の同期発電機及び電力用機器の数
を減少させた簡略的な数学モデルを構築し、この数学モ
デルに基づく線形マトリクス方程式を制御モデルとした
ことを特徴とする同期発電機の制御装置。 - 【請求項2】 電力系統に接続されている同期発電機の
界磁回路の直流電圧の波高値を調整して同期発電機の主
巻線側に発生する三相交流電圧の波高値を調節する励磁
系制御装置と、前記同期発電機の機械的トルクを調節し
て同期発電機の発生出力を調整する調速系制御装置とを
備えた同期発電機の制御装置であって、制御対象同期発
電機と、この発電機に同期した他の同期発電機と、これ
らの同期発電機が接続された送電線、変圧器等の各種電
力機器とからなる電力系統の数学モデルを線形マトリク
スにより表現した線形マトリクス方程式を制御モデルと
して持ち、制御対象同期発電機を複数の状態量によって
制御する同期発電機の制御装置において、 実際の電力系統を、制御対象同期発電機を含む制御対象
発電機部分と、他の同期発電機及び電力機器を含む縮約
対象系統とに分割すると共に、前記縮約対象系統の数学
モデルに基づく線形マトリクスの固有値を求め、前記制
御対象発電機部分と前記縮約対象系統との接続点におけ
る制御対象同期発電機の入出力特性から、前記固有値の
固有振動数に対して感度の低いものを選定し、この固有
値を削除して低次元化した新たな線形マトリクスにより
表現してなる線形マトリクス方程式を制御モデルとした
ことを特徴とする同期発電機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19382998A JP3698234B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 同期発電機の制御装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000032659A true JP2000032659A (ja) | 2000-01-28 |
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JP19382998A Expired - Fee Related JP3698234B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 同期発電機の制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006101619A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Hitachi Ltd | 電力系統の安定度診断装置、電力系統安定化装置および電力系統縮約支援装置 |
JP2008219974A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 電力系統縮約モデル作成装置、電力系統縮約モデル作成方法および電力系統縮約モデル作成プログラム |
JP2009044857A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Hitachi Ltd | 電力系統の安定度診断装置および方法 |
-
1998
- 1998-07-09 JP JP19382998A patent/JP3698234B2/ja not_active Expired - Fee Related
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