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JP2000005189A - 異物除去用カテーテル - Google Patents

異物除去用カテーテル

Info

Publication number
JP2000005189A
JP2000005189A JP10177140A JP17714098A JP2000005189A JP 2000005189 A JP2000005189 A JP 2000005189A JP 10177140 A JP10177140 A JP 10177140A JP 17714098 A JP17714098 A JP 17714098A JP 2000005189 A JP2000005189 A JP 2000005189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
tube
balloon
foreign matter
distal end
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10177140A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Maki
伸 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP10177140A priority Critical patent/JP2000005189A/ja
Publication of JP2000005189A publication Critical patent/JP2000005189A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対象とする異物が比較的大きな場合であって
も、低侵襲に、しかも管腔内壁を損傷することなく、一
回の治療手技で結石等の異物を除去することのできる異
物除去用カテーテルを提供する。 【解決手段】カテーテルチューブと、カテーテルチュー
ブのルーメン内に、軸線方向に移動自在に挿入されるス
ライド部材と、弾性体からなる筒状で、一端がカテーテ
ルチューブの先端部に、他端スライド部材の先端部に、
それぞれ筒内を気密あるいは液密にできるように固定さ
れるバルーンと、バルーンの筒内の圧力を調整すること
によりバルーンを膨張・収縮する加圧器の接続部とを有
し、生体内の異物をバルーンで包み込み除去することに
より、前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体内の異物を除
去するためのカテーテルチューブの技術分野に属し、詳
しくは、例えば、心臓、血管、消化管、尿道、腹腔等の
身体腔内および生体組織に人工的に作られた内腔に挿入
して用いられ、結石や組織片等の異物を低侵襲に体外に
運ぶことができる異物除去用カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、侵襲の大きな手術が、次第に低侵
襲な手技に置き換わってきている。特に、内視鏡を基本
とした低侵襲治療法が目を見張る広がりを見せている。
特に泌尿器科では、内視鏡治療は最も古い歴史を持ち、
今や必須の技術となっている。
【0003】泌尿器科の治療の主なものに、腎結石や尿
管結石等の結石の除去がある。近年、結石の除去は、E
SWL(extracoporeal shock wave lithotripsy ;体外
衝撃波腎破石法)を主にして行われるが、通常は、治療
部位や症例によって、PNL(percutaneous nephrolith
otripsy ;経皮的腎結石摘除術)やTUL(trans ureth
ral lithotripsy ;経尿道的尿管結石摘除術)を併用す
る。また泌尿器科以外に、胆嚢胆石、総胆管胆石、肝内
胆石等の結石症でも、結石の除去は重要である。
【0004】これらの結石を内視鏡を用いて除去する際
に、鉗子類を用いた機械的破砕、レーザー、電気的水圧
衝撃波、超音波等のエネルギーを用いた結石の粉砕が行
われる場合がある。これらの技術は、対象とする結石が
大きく、無理にトラップし引き抜こうとすると、管腔内
壁を損傷する可能性があるために、そのままではバスケ
ット鉗子等の鉗子類を用いた引き抜き、もしくは吸引に
よる除去ができない場合に、まず結石を細かく破砕する
ことを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような症例の場
合、治療手技が破砕、除去というように段階的となり、
術者、患者に負担をかけることになる。また小さな異
物、結石であっても、その形状によっては管腔内壁を損
傷する恐れがある。
【0006】本発明は上記のような点に鑑みてなされた
ものであって、対象とする異物が大きな場合であって
も、低侵襲に、しかも管腔内壁を損傷することなく、一
回の治療手技で結石等の異物を除去することのできる異
物除去用カテーテルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
の本発明により達成される。すなわち、本発明は、少な
くとも1つのルーメンを有するカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブのルーメン内に、軸線方向に移
動自在に挿入されるスライド部材と、弾性体からなる筒
状で、一端が前記カテーテルチューブの先端部に、他端
が前記スライド部材の先端部に、それぞれ筒内を気密も
しくは液密にできるように固定される、膨張時に最大膨
張部の外径を収縮時の外径の3倍以上にできるバルーン
と、前記バルーンの筒内の圧力を調整することにより前
記バルーンを膨張・収縮する加圧器を接続する接続部と
を有し、生体内の異物を前記バルーンで包み込み除去す
ることを特徴とする異物除去用カテーテルを提供する。
【0008】また、本発明の別の態様は、少なくとも1
つのルーメンを有するカテーテルチューブと、前記カテ
ーテルチューブのルーメン内に、軸線方向に移動自在に
挿入されるスライド部材と、弾性体からなる筒状で、一
端が前記カテーテルチューブの先端部に、他端が前記ス
ライド部材の先端部に、それぞれ筒内を気密もしくは液
密にできるように固定されるバルーンと、前記バルーン
の筒内の圧力を調整することにより前記バルーンを膨張
・収縮する加圧器を接続する接続部と、前記スライド部
材の先端に配置される、異物を捕捉する捕捉手段とを有
し、生体内の異物を前記バルーンで包み込み除去するこ
とを特徴とする異物除去用カテーテルを提供する。
【0009】この態様の異物除去用カテーテルにおい
て、前記スライド部材が、異物を捕捉する捕捉手段を有
するのが好ましく、さらに、前記捕捉手段が、異物を吸
引捕捉する手段もしくは異物を把持捕捉する手段である
のが好ましく、また、前記バルーンは、膨張時に最大膨
張部の外径を収縮時の外径の3倍以上にできるのが好ま
しい。
【0010】このような本発明の異物除去用カテーテル
は、生体内に挿入されて、前記カテーテルチューブおよ
びスライド部材の少なくとも一方のバルーン固定側の端
部を前記生体内の異物近傍に位置し、前記接続部に接続
した加圧器で、バルーンを膨張および/または収縮さ
せ、さらに前記スライド部材や異物除去用カテーテル本
体等を軸線方向に移動することにより、前記異物をバル
ーンで包み込み保持し、その後に、異物除去用カテーテ
ルを引き抜くことにより、生体外に異物を除去する。
【0011】さらに、カテーテル先端部に湾曲機能を付
加し、方向選択性を付加するのが好ましく、また、内視
鏡を併用することにより、先端部を確認しながら使用で
きるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異物除去用カテー
テルについて、添付の図面に示される好適実施例を基に
詳細に説明する。
【0013】図1に、本発明の異物除去用カテーテルの
一例の全体図を示す。図示例において、異物除去用カテ
ーテル(以下、カテーテルとする)10は、基本的に、
カテーテルチューブ12と、スライド部材としての内筒
管14と、カテーテルチューブ12および内筒管14の
一方の端部に固定されるバルーンチューブ16と、吸着
板18と、カテーテル用ハブ20と、カテーテル用ハブ
20に形成される開口部20bと、内筒管用ハブ24
と、吸引器26とを有して構成される。また、バルーン
チューブ16を膨張・収縮する加圧器22は、開口部2
0bに接続される。なお、以下の説明においては、生体
内に挿入されるバルーンチューブ16側を先端側、逆側
を基端側とし、各図においては、基端側を右に、先端側
を左に、それぞれ記す。
【0014】図2に、体腔1内に挿入されたカテーテル
10の先端部の概略断面図を示す。本発明のカテーテル
10において、カテーテルチューブ12は、少なくとも
1つのルーメン(図示例においては、1つのルーメン2
8)を有するカテーテルチューブである。このカテーテ
ルチューブ12のルーメン28内には、長尺なチューブ
である内筒管14が、カテーテルチューブ12の軸線方
向(長手方向)に移動自在に挿入される。
【0015】カテーテルチューブ12および内筒管14
の先端部には、円筒状の弾性体であるバルーンチューブ
16が、筒内を気密(バルーンチューブ16の加圧媒体
によっては液密 以下省略)にして固定される。より具
体的には、バルーンチューブ16は、内筒管14をカテ
ーテルチューブ12から先端側に突出した状態で、内筒
管14およびカテーテルチューブ12の先端部を挿通し
て、一方の端部(先端側)は内側に折返されて内筒管1
4の外側面に円周全体に渡って気密に固定され、他方の
端部は、カテーテルチューブ12の先端部を被嵌して、
その外側面の円周全体に渡って気密に固定される。従っ
て、カテーテルチューブ12の基端側を閉塞して、ルー
メン28と内筒管14との間隙に空気等の流体を導入し
てバルーンチューブ16内を加圧することにより、バル
ーンチューブ16を加圧して膨張させることができる。
また、図示例においては、好ましい態様として、バルー
ンチューブ16は、内筒管14側の先端を内側に折返し
て固定している。これにより、バルーンチューブ16を
先端方向に向かって膨張させることができ、結石等の異
物30をバルーンチューブ16によって好適に包み込む
ことができる。
【0016】なお、本発明において、バルーンチューブ
16の固定位置は、一端をカテーテルチューブ12の先
端部、他端を内筒管14(スライド部材)の先端部とし
て、バルーンチューブ16内を気密状態にできるように
固定すれば、図示例には限定されない。例えば、バルー
ンチューブ16の一端をカテーテルチューブ12内に挿
入して固定してもよく、また、バルーンチューブ16の
一端を内筒管14内に折り込んで固定してもよく、さら
に、内筒管14側の端部を折返すことなく固定してもよ
い。また、固定方法にも特に限定はなく、気密状態を保
持できれば各種の方法が利用可能であり、例えば、接着
剤による方法、熱融着による方法等が好適に例示され
る。
【0017】図示例のカテーテル10においては、内筒
管14の先端には、捕捉手段を構成する吸着板18が配
置される。吸着板18は、先端方向に向かって開放する
漏斗状の形状を有するものであり、中心の貫通孔18a
を内筒管14内に連通して、内筒管14に固定される。
この吸着板18は、後述する吸引器26による吸引作用
により、スリバチ状の部分で結石等の異物30を捕捉す
る。
【0018】図4に、カテーテル用ハブ20の概略断面
図を示す。カテーテル用ハブ20は、中空の部材で、カ
テーテルチューブ12の基端側の端部が、ルーメン28
をカテーテル用ハブ20内に連通して、気密に固定され
ている。一方、内筒管14は、カテーテル用ハブ20を
軸線方向に貫通して、基端側の端部を内筒管用ハブ24
に固定される。カテーテル用ハブ20の基端側の端部に
は、密封用パッキン(摺動軸受)32が配置される。こ
の密封用パッキン32は、カテーテル用ハブ20内を気
密に保持しつつ、内筒管14を軸線方向に移動可能に支
持する。従って、これにより、バルーンチューブ16、
ルーメン28と内筒管14との間隙、カテーテル用ハブ
20の内部とからなる閉空間が形成される。
【0019】カテーテル10においては、カテーテル用
ハブ20に対して内筒管用ハブ24を軸線方向に相対的
に動かすことにより、内筒管14をカテーテルチューブ
12内で軸線方向に移動して、後述するように、内筒管
14の先端をカテーテルチューブ12に収納および突出
することができる。
【0020】ここで、内筒管14が必要以上にカテーテ
ルチューブ12に収納され、あるいは、カテーテルチュ
ーブ12から必要以上に突出すると、両端部を両者の先
端に固定されているバルーンチューブ16に負担がかか
り、甚だしい場合には、バルーンチューブ16の脱落や
破損を生じてしまう場合がある。そのため、本発明のカ
テーテル10においては、カテーテルチューブ12に対
する内筒管14の軸線方向の移動を所定範囲に規制する
手段を設けるのが好ましい。規制手段には特に限定はな
く、例えば、カテーテル用ハブ20と内筒管14および
/または内筒管用ハブ24とに、内筒管14の軸線方向
の移動によって互いに当接するフランジやストッパを付
ける方法が例示される。また、カテーテルチューブ12
に対する内筒管14の突出量や収納量を検知するための
目盛りを例えば内筒管14の表面に設けてもよく、さら
に、バルーンチューブ16の大きなねじれを防止するた
めの、カテーテルチューブ12と内筒管14との相対的
な回転の量を規制する手段を設けてもよい。
【0021】カテーテル用ハブ20には、分岐部20a
が形成され、その一端に、カテーテルチューブ12のル
ーメン28と外部とを連通する開口部20bが形成され
る。この開口部20bは、接続部として作用するもので
あり、加圧器22が気密に接続される。なお、両者の接
続は、公知の方法によればよい。また、加圧器22とカ
テーテル用ハブ20とは一体的に構成されていてもよ
い。加圧器22は、空気等の流体をカテーテル用ハブ2
0内に導入および/または排出することにより、前記閉
空間内を加圧および圧抜きして、カテーテル10の先端
に配置されるバルーンチューブ16を膨張・収縮させる
ものである。加圧器22としては、前記閉空間を加圧や
圧抜きして、バルーンチューブ16を膨張・収縮できる
ものであれば、各種のものが利用可能であり、例えば、
電動あるいは手動のシリンジ(加圧シリンダ)、圧抜き
手段を備えた電動あるいは手動のポンプやブロワ等が好
適に利用可能である。図示例においては、一例として、
シリンジを加圧器22として用いている。また、バルー
ンチューブ16の必要以上の膨張や、破裂を防止するた
めに、加圧器22には、リミッタや感圧弁等の公知の方
法で、加圧力を制限する手段を設けてもよい。なお、バ
ルーンチューブ16を膨張させる流体には特に限定はな
く、空気や不活性ガス等の気体、水や生理食塩水等の液
体が例示される。
【0022】図1に示されるように、内筒管14の内部
は、内筒管用ハブ24の内部および連結チューブ34を
介して、吸引器26に接続される。吸引器26は、内筒
管14内を吸引することによって、前述の吸着板18に
異物30を吸引して捕捉するものであり、例えば、手動
や電動のシリンジや吸引ポンプや吸引器等の公知の吸引
手段が利用可能であり、図示例では、シリンジを吸引器
26として用いている。
【0023】本発明において、バルーンチューブ16
は、コンプライアンス(compliance)の大きい材料より成
るものであり、膨張時に、最大膨張部の外径を収縮時の
外径の3倍以上にできるものであるのが好ましい。好適
な一例として、材料がエチレン系エラストマーであり、
収縮時のチューブ外径3mm、肉厚300μm、膨張時の
外径15mm、長さ30mmのものが例示される。また、破
断時の伸びは2500%であるのが好ましい。具体的に
は、図5(図5においては、吸着板18は省略)に示さ
れるように、バルーンチューブ16を弛みなくかつ伸長
しないで、内筒管14をカテーテルチューブ12から突
出した状態で、バルーンチューブ16内を、例えば3a
tm程度加圧したときの外径Lが、収縮時(非膨張時)
の外径lに対して3倍以上、好ましくは5倍以上、特
に、10倍以上となる拡張率を有するものであり、すな
わち図5において、L/lが3以上となるようにする。
バルーンチューブ16がこのような特性を有することに
より、本発明のカテーテルを用いて生体内からの異物3
0を除去する際に、好適に、加圧によって体腔壁に対し
て図3に示すような前方に進行する拡張形状とでき、バ
ルーンチューブ16による異物30の包み込みを好適に
行うことができる。
【0024】また、バルーンチューブ16は、破断時の
伸びが900%〜3000%(JIS K6251)、
特に1600%〜2500%(同)の物性を有する材料
を用いるのが好ましい。さらに、バルーンチューブ16
は、引張り強さが1MPa〜40MPa(JIS K6
251)、特に10MPa〜35MPa(同)の物性を
有する材料を用いるのが好ましい。
【0025】このようなバルーンチューブ16の形成材
料としては、上記特性を実現できる各種の材料が利用可
能であるが、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブ
チルゴム、エチレン−プロピレンゴム、多硫化ゴム、シ
リコーンゴム、ウレタンゴムなどの各種のゴムや、スチ
レン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマ
ー、ポリウレタン系エラストマー、PVC系エラストマ
ーのような熱可塑性エラストマーなど、弾性を有する高
分子材料が好適に例示される。中でも、天然ゴム、イソ
プレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムおよびスチ
レン系エラストマーが好適であり、特に、スチレン系エ
ラストマーが好適に用いられる。なお、これらの材料は
単独で用いてもよく、これらの材料同士や他の材料をブ
レンドしたり、共重合化したものを用いてもよい。
【0026】バルーンチューブ16のサイズには特に限
定はなく、本発明のカテーテル10の用途に応じて適宜
決定すればよいが、例えば、本発明のカテーテル10
を、経尿道的なアプローチによる尿管結石の除去等に利
用する場合には、スチレン系エラストマーで形成され
た、非膨張時の外径3mm、肉厚300μm、膨張時の
外径15〜20mm、長さ30mmで、引張強さが10
MPaのものが好適である。
【0027】また、バルーンチューブ16の外面には、
生体管腔等の内面との摺動性を高くするために、親水性
潤滑物質をコーティングするのが好ましい。親水性潤滑
物質としては、無水マレイン酸共重合体、セルロース系
高分子物質、アクリルアミド系高分子物質、水溶性ナイ
ロン等が好適である。
【0028】本発明において、カテーテルチューブ12
は、適度な可撓性を有し、かつ生体内への侵入に対して
十分な剛性を得ることができる材料で形成され、例え
ば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロビレン、ポ
リウレタン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーン、天然
ゴムのような、高分子材料で形成される。なお、カテー
テルチューブ12の長さや径は、本発明のカテーテル1
0の用途に応じて適宜決定すればよい。
【0029】本発明においては、カテーテルチューブ1
2をX線透視下で確認できるようにするために、X線造
影性を付与しておくのが好ましい。その方法としては、
例えば、カテーテルチューブ12の構成材料中に例えば
硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等のX線不
透過物質を配合する方法、このようなX線不透過物質に
よるマーカーを埋設または表面に付着する方法等が例示
される。このようなX線造影性は、カテーテルチューブ
12の先端部のみに付与してもよく、また、バルーンチ
ューブ16や内筒管14(全体あるいは先端部のみ)に
もX線造影性を付与してもよい。
【0030】さらに、生体管腔内等に対する摺動性を向
上するために、カテーテルチューブ12の外表面に、例
えば親水性ポリマー(例えば無水マレイン酸共重合体)
やフッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)
のような低摩擦材料をコーティングしてもよい。
【0031】本発明において、内筒管14は、カテーテ
ルチューブ12と同様に、ある程度の可撓性を有する材
料で構成されることが望ましく、特に、ポリエチレン、
フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、または
ステンレス、チタン、Ni−Ti合金等の金属製パイプ
等、比較的硬質な物性を有する材料で形成されるのが好
ましい。内筒管14のサイズや長さには特に限定はな
く、本発明のカテーテル10の用途や、カテーテルチュ
ーブ12やバルーンチューブ16の長さや径に応じて、
適宜決定すればよい。
【0032】前述のように、図示例のカテーテル10に
おいては、好ましい態様として、内筒管14の先端に、
異物30の捕捉手段である吸着板18が配置されてい
る。吸着板18の形成材料には特に限定はないが、例え
ば、スチレン系エラストマー、天然ゴム、シリコーンゴ
ムのような可撓性を有する高分子材料が好適に用いられ
る。
【0033】さらに、カテーテル用ハブ20や内筒管用
ハブ24は、カテーテル10の操作やバルーンチューブ
16の膨張のための加圧等に対して、十分な剛性を有す
る材料で形成され、例えば、ポリカーボネート、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、シリコーン樹脂、ABS樹脂
等で形成される。また、カテーテル用ハブ20に配置さ
れる密封用パッキン32は、カテーテル用ハブ20内を
気密に保て、かつ、内筒管14の外周との摺動性に優れ
た材料が好ましく、例えば、シリコーン、ポリイソプレ
ン、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリ塩
化ビニル等が好適に利用され、特に、シリコーン、天然
ゴムなどが好ましい。
【0034】次いで、図2および図3を参照して、図示
例のカテーテル10の使用例について説明する。
【0035】まず、加圧器22を開口部20bに気密に
接続する。続いて、図2に示すように、カテーテルチュ
ーブ12の先端から内筒管14の先端が最大限に伸びた
状態(バルーンチューブ16に弛みや皺がなく、かつ伸
長しない状態)で、カテーテル10を、その先端部か
ら、尿管、胆管、消化管、あるいはその他の生体管腔内
に挿入する。たとえば胆管などの体腔内に挿入するに
は、セルジンガー法などを採用すれば良い。カテーテル
10(内筒管14)の先端が結石等の異物30の手前に
きたら、カテーテル用ハブ20を操作して、内筒管14
の先端に配置された吸着板18を異物30に接触させ、
次いで、吸引器26によって内筒管14を吸引して、異
物30を吸着板18に吸着して捕捉する。
【0036】この状態から、加圧器22を操作して、カ
テーテル用ハブ20内等によって形成される前記閉空間
内を加圧し、バルーンチューブ16を膨張させる。次
に、異物30を捕捉した状態で内筒管用ハブ24を操作
して、内筒管14を基端側に引き戻す(この際、カテー
テルチューブ12は固定しておく)。この操作によっ
て、バルーンチューブ16の両端固定位置が縮まり、膨
張したバルーンチューブ16の先端側がカテーテル10
の基端側に引っ込み、くびれた形となる。さらに、この
状態でカテーテル10を基端側に引き戻すと、捕捉され
た異物30をバルーンチューブ16が包み込み、保持す
る形となる。もしも、異物30の包み込みが不十分な場
合には、カテーテル用ハブ20の操作によるカテーテル
チューブ12の先端方向への進行や基端側への引き戻し
(以下、単に進行および引き戻しとする)、内筒管用ハ
ブ24の操作による内筒管14の引き戻しや進行、さら
には、加圧器22の操作によるバルーンチューブ16の
収縮や膨張、等を行うことにより、バルーンチューブ1
6による異物の包み込みを改善する。
【0037】この状態でカテーテル10を引き戻すと、
生体管腔内壁とバルーンチューブ16との摩擦でさらに
異物30を包み込むようになり、バルーンチューブ16
でより確実に異物30を保持でき、カテーテル10を生
体外に引き抜くことによって、異物30を除去すること
ができる。また、異物30はバルーンチューブ16で包
み込まれているので、異物30によって生体管腔内壁を
傷つけることもない。従って、捕捉する異物30が比較
的大きな場合にも、破砕等の作業を行うことなく、安全
に体外に抜き出すことができる。
【0038】図1〜図3に示されるカテーテル10は、
好ましい態様として、内筒管14の先端に異物30を吸
着して捕捉する吸着板18が配置されていたが、本発明
はこれに限定はされず、吸着板18を有さずに、吸引器
26の吸引によって内筒管14の先端で異物30を吸着
して捕捉してもよい。
【0039】また、本発明のカテーテルにおいては、こ
のような捕捉手段を有するものに限定はされず、膨張時
に最大膨張部の外径を収縮時の3倍以上にできるバルー
ンチューブと、スライド部材と、カテーテルチューブの
みで異物を保持するものであってもよい。従って、この
際には、スライド部材は筒状である必要もない。この態
様においては、前述の例と同様にしてスライド部材の先
端を異物30の近傍に位置した後に、加圧器によってバ
ルーンチューブを膨張させ、さらに、前述の例と同様に
して、スライド部材およびカテーテルの引き戻し、さら
に必要に応じてカテーテルチューブの進行や引き戻し、
スライド部材の引き戻しや進行、さらには、バルーンチ
ューブの収縮や膨張、等を行うことにより、異物30を
バルーンチューブで包み込んで保持し、カテーテルを引
き抜けばよい。本態様において、好ましいバルーンチュ
ーブは、先の態様と同様である。
【0040】なお、図示例のカテーテル10において
は、吸着板18を有するが故に、バルーンチューブ16
は内筒管14の先端よりも若干基端側に固定されている
が、吸着板18を有さない態様においては、バルーンチ
ューブ16が内筒管14の先端に位置するように固定す
るのが好ましい。
【0041】図6に、本発明のカテーテルの別の態様の
構成を、図7に、その先端部の概略断面図を、それぞれ
示す。図6および図7に示されるカテーテル40は、異
物30の捕捉手段として、異物30を把持して捕捉する
鉗子42を有するものである。ここで、図示例のカテー
テル40は、異物30の捕捉手段として、吸着板18、
内筒管14および吸引器26とからなる吸引による手段
の代わりに、鉗子42を用いる以外は、基本的に前記カ
テーテル10と同様の構成を有するので、同じ部材には
同じ符号を付し、以下の説明は異なる部分を主に行う。
【0042】鉗子42は、異物30を把持する爪部44
と、ワイヤー46と、鉗子操作具48とを有して構成さ
れる。爪部44は、先端が屈折する複数本の爪44aを
有して構成されるものであり、屈曲と逆端でワイヤー4
6にの先端に回動自在に支持されている。また、爪44
aは、形状記憶合金やスプリング等を用いるの公知の手
段で、外方向すなわち開放方向に付勢されている。ワイ
ヤー46は、例えば、可撓性を有する金属製のワイヤー
で、内筒管14に挿通され、前述のように、先端部に爪
部44を支持している。また、ワイヤー46の基端側
は、筒管用ハブ24を貫通して、鉗子操作具48に接続
される。鉗子操作具48は、レバー50の操作によっ
て、内筒管14に挿通されるワイヤー46を軸線方向に
移動(進行および引き戻し)する。
【0043】鉗子42が開放している状態では、ワイヤ
ー46の先端部は、若干内筒管14から突出しており、
爪部44の各爪44aは、付与される付勢力によって、
外方向に回動している。レバー50を操作して、ワイヤ
ー46を引き戻すことにより、爪部44が内筒管14に
収納されて、爪44aが内筒管14によって内側方向に
おされ、鉗子が閉塞して、異物30を捕捉する。逆に、
捕捉状態から、レバー50を操作して、ワイヤー46を
進行させることにより、爪部44が内筒管14から排出
され、爪44aが内筒管14から開放されて、爪44a
にかかる付勢力によって、鉗子42が開放する。
【0044】カテーテル40における異物の除去操作
は、鉗子42による異物30の捕捉以外は、前述のカテ
ーテル10と同様に行われる。すなわち、前述の例と同
様にしてカテーテル40を体腔1内に挿入し、鉗子42
の爪部44が異物30の近傍に来たら、カテーテル用ハ
ブ20を操作して、爪部44によって捕捉を把持可能な
位置にカテーテル40を位置する。次いで、鉗子操作具
48のレバー50を操作して連結部材42を引き戻し、
爪部44を閉塞し、鉗子42によって異物30を把持し
て捕捉する。さらに、加圧器22によってバルーンチュ
ーブ16を膨張させ、さらに、前述の例と同様にして、
内筒管14およびカテーテル40の引き戻し、あるいは
さらに必要に応じてカテーテルチューブ12の進行や引
き戻し、内筒管14の引き戻しや進行、さらには、バル
ーンチューブ16の収縮や膨張、等を行うことにより、
異物30をバルーンチューブ16で包み込んで保持し、
カテーテルを引き抜くことにより、異物30を体内から
除去する。
【0045】なお、図示例においては、内筒管14を利
用して鉗子42(爪部44)を閉塞したが、内筒管14
とは別に、鉗子42を開閉するための管を設けてもよ
く、また図示例の構成において、爪部44と当接して閉
塞させる部分の剛性を確保する補強材を内筒管14に配
置してもよい。また、本発明のカテーテルに利用される
鉗子は、上記構成に限定はされず、公知の鉗子が各種利
用可能である。
【0046】図8および図9に、本発明の別の態様の先
端部分の概略断面図を示す。この例は、内視鏡を組み込
んだ内視鏡カテーテルに、前述の本発明のカテーテル1
0を設置した例である。
【0047】内視鏡カテーテル60の第1ルーメン62
には、集光レンズ64および光ファイバ束66を有する
内視鏡68が収納されており、さらに、内視鏡カテーテ
ル60の第2ルーメン70には、本発明のカテーテル1
0が収納されている。このように、本発明のカテーテル
を、内視鏡と組み合わせて使用することにより、異物3
0を観察しながら操作を行うことができるため、安全か
つ正確に治療を行うことができる。
【0048】本態様においては、図8に示されるよう
に、本発明のカテーテル10を内視鏡カテーテル60の
第2ルーメン70に引き込んだ状態で、内視鏡68で観
察しながら、内視鏡カテーテル60を目的の位置まで進
める。次いで、内視鏡68で結石を確認しながらカテー
テル10を進行させ、図9に示されるように、吸着板1
8を結石に接触させる。以上の操作においては、内視鏡
68の視野を確保するため、随時、生理食塩水で内視鏡
68のフラッシングを行うのが好ましい。これ以降は、
前述のカテーテル10による異物30の除去と同様に操
作が行われ、図9に示されるように、バルーンチューブ
16で異物30を包み込み、内視鏡カテーテル60を引
き抜くことにより、異物30を生体内から除去する。
【0049】この態様においては、内筒管14または内
視鏡カテーテル60を介して液体の注入、吸引、その他
医療処置等を行うこともできる。また、内視鏡68の代
わりに診断用超音波プローブ、レーザー、アブレーショ
ン等の治療用プローブを用いてもよい。もちろん併用す
ることも可能である。
【0050】以上、本発明の異物除去用カテーテルにつ
いて詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種の
改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。例
えば、本発明の異物除去用カテーテルに、先端部を任意
に湾曲させる手段を組み込むことにより、方向選択性を
付加して、複雑な領域でも好適に治療を行うことがで
き、より好ましい。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の異物除去用
カテーテルによれば、比較的大きな結石等の捕捉であっ
ても、低侵襲に、かつ生体内腔を傷つけずに、体外に除
去することができる。また、治療手技を単一化し、術
者、患者の負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の異物除去用カテーテルの一例の概略
図。
【図2】 図1に示される異物除去用カテーテルの先端
部の概略断面図。
【図3】 図1に示される異物除去用カテーテルの先端
部の概略断面図。
【図4】 図1に示される異物除去用カテーテルのカテ
ーテル用ハブの概略断面図。
【図5】 図1に示される異物除去用カテーテルの先端
部の概略断面図。
【図6】 本発明の異物除去用カテーテルの別の例の概
略図。
【図7】 図6に示される異物除去用カテーテルの先端
部の概略断面図。
【図8】 本発明の異物除去用カテーテルの別の例の先
端部の概略断面図。
【図9】 図8に示される異物除去用カテーテルの先端
部の概略断面図。
【符号の説明】
10,40 (異物除去用)カテーテル 12 カテーテルチューブ 14 内筒管 16 バルーンチューブ 18 吸着板 20 カテーテル用ハブ 22 加圧器 24 内筒管用ハブ 26 吸引器 28 ルーメン 30 捕捉 32 密封用パッキン 42 鉗子 44 爪部 44a 爪 46 連結部材 48 鉗子操作具 50 レバー 60 内視鏡カテーテル 62 第1ルーメン 64 集光レンズ 66 光ファイバ束 68 内視鏡 70 第2ルーメン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つのルーメンを有するカテー
    テルチューブと、前記カテーテルチューブのルーメン内
    に、軸線方向に移動自在に挿入されるスライド部材と、
    弾性体からなる筒状で、一端が前記カテーテルチューブ
    の先端部に、他端が前記スライド部材の先端部に、それ
    ぞれ筒内を気密もしくは液密にできるように固定され
    る、膨張時に最大膨張部の外径を収縮時の外径の3倍以
    上にできるバルーンと、前記バルーンの筒内の圧力を調
    整することにより前記バルーンを膨張・収縮する加圧器
    を接続する接続部とを有し、生体内の異物を前記バルー
    ンで包み込み除去することを特徴とする異物除去用カテ
    ーテル。
  2. 【請求項2】少なくとも1つのルーメンを有するカテー
    テルチューブと、前記カテーテルチューブのルーメン内
    に、軸線方向に移動自在に挿入されるスライド部材と、
    弾性体からなる筒状で、一端が前記カテーテルチューブ
    の先端部に、他端が前記スライド部材の先端部に、それ
    ぞれ筒内を気密もしくは液密にできるように固定される
    バルーンと、前記バルーンの筒内の圧力を調整すること
    により前記バルーンを膨張・収縮する加圧器を接続する
    接続部と、前記スライド部材の先端に配置される、異物
    を捕捉する捕捉手段とを有し、生体内の異物を前記バル
    ーンで包み込み除去することを特徴とする異物除去用カ
    テーテル。
  3. 【請求項3】前記捕捉手段が、異物を吸引捕捉する手段
    もしくは異物を把持捕捉する手段である請求項2に記載
    の異物除去用カテーテル。
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